JP6968397B2 - 箱型船 - Google Patents

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Description

本発明は、箱型船に関する。
下記特許文献1には、所謂モグリ船を用いた海苔網の連続処理方法(酸処理方法)が開示されている。この連続処理方法は、海苔網の下にモグリ船を潜らせ、酸洗浄液を海苔網の下側から吹き付け、海苔に付着した珪藻類を除去する海苔網の連続処理方法が開示されている。このモグリ船を用いた海苔網の酸処理では、容器に貯留された酸処理液を酸洗浄槽に供給して所望のpHの酸洗浄液に調整し、当該酸洗浄液を第1のポンプを用いて酸洗浄槽から散布機に供給することにより海苔網に散布する。
特開2003−38051号公報
ところで、上記モグリ船を用いた酸処理では、酸性度が比較的高い酸処理液が希釈され、pH値が調整された酸洗浄液が海苔網に吹き付けられる為、海苔網の位置によって、吹き付けられる酸洗浄液のpH値のバラつきが無く、海苔網の位置による海苔網の酸処理の程度にバラつきが出る可能性が低い。
しかしながら、モグリ船と同様に海苔網に酸処理を施す船として、モグリ船よりも小型な所謂箱型船が知られている。この箱型船は、海苔網に酸処理を施すための酸処理液(上記モグリ船の酸洗浄液に相当するもの)を酸処理槽に貯留し、また当該酸処理槽内に海苔網を巻き取る巻取ロールを備えるものである。すなわち、このような箱型船では、酸処理槽内の酸処理液に海苔網を浸漬させることにより当該海苔網に酸処理を施す。
このような箱型船において酸処理液のpH値を調節するためには、酸原液(上記モグリ船の酸処理液に相当するもの)を酸処理槽に供給することになる。しかしながら、従来、海苔網の酸処理作業において、酸原液は、船上の作業者によって、目分量でかつ酸処理槽内の1ヶ所へ供給される為、酸処理槽内の位置によって酸処理液のpH値にバラつきがあった。そのため、巻き取られた海苔網の酸処理の程度を均一にすることが難しいという問題点があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、酸処理槽内に巻き取られた海苔網の酸処理の程度を均一にすることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、酸原液が希釈された酸処理液を貯留する酸処理槽と、該酸処理槽内に設けられ、海苔が付着した海苔網を巻き取る巻取ロールとを備える箱型船であって、前記酸処理槽の複数の箇所に離散配置され、前記酸原液を前記酸処理液に向けて吐出する原液吐出部と、前記原液吐出部に前記酸原液を供給する原液供給部とを備える、という手段を採用する。
本発明では、第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記原液吐出部は、前記酸処理槽に対する前記海苔網の進入方向における両端部に設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、前記原液吐出部は、前記酸処理槽に対する前記海苔網の進入方向に直交する方向おける両端部に設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記原液吐出部は、前記酸処理槽の上部あるいは/及び下部に設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第5の解決手段として、上記第1〜第4の解決手段において、前記巻取ロールは、前記酸処理槽の水平方向における中央から所定距離かつ両側に各々設けられ、前記原液吐出部は、前記中央において前記巻取ロールに平行かつ上方から前記酸処理液の中に垂下するように設けられたシート部材の両面に設けられる、という手段を採用する。
本発明では、第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記原液吐出部は、前記シート部材の下方に設けられる、という手段を採用する。
本発明では、第7の解決手段として、上記第1〜第6の解決手段において、前記原液吐出部は、前記酸処理槽の表面に沿って設けられる管状部材である、という手段を採用する。
本発明によれば、酸処理槽内に巻き取られた海苔網の酸処理の程度を均一にすることができる。
本実施形態に係る酸処理装置の上面視における機能構成図である。 本実施形態に係る酸処理装置の側面視における図1の(a)X−X断面図、(b)Y−Y断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る箱型船1は、養殖中の海苔網上の海苔を酸処理する酸処理装置である。箱型船1は、船本体1a、酸処理液Wを貯留する酸処理槽1b、船本体1a、窪み部1c、1d、海苔網Nを巻き取る一対の巻取ロール2a、2b、吊り棒3、樹脂シート4(シート部材)、チューブ5A〜5I(管状部材)、pHセンサ7a、7b、pH制御器8、酸原液ポンプ9a、9b、酸原液Lを貯蔵する酸原液タンク10、巻出ロール11a、11bを備える。なお、チューブ5A〜5Iは、本願における原液吐出部を、pHセンサ7a、7b、pH制御器8、酸原液ポンプ9a、9b及び酸原液タンク10は、本発明における原液供給部を構成している。
船本体1aは、箱型に成形された樹脂製浮体である。この船本体1aは、前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも若干短い長方形の平面形状を備えており、例えば前後方向の寸法が約1.5m、幅方向の寸法が約2mである。また、この船本体1aは、図示しないエンジンを備えており、巻取及び巻出ロールを回転させる原動力となる。このような船本体1aには、酸処理槽1b、吊り棒3、pH制御器8、酸原液ポンプ9a、9b、酸原液タンク10及び不図示のバッテリ等が設けられている。
酸処理槽1bは、船本体1aの上部中央に形成され、側壁部1ba〜1bd及び底壁部1beに囲まれた略直方体の窪み部であり、所定量の酸処理液Wを貯留する。この酸処理槽1bの容量は、例えば400〜800リットルである。
酸処理液Wは、後述する海苔網N上の海苔を酸処理するのに適した所望のpH値、例えばpH=0.4〜2.6を有する酸希釈液である。すなわち、この酸処理液Wは、所定の有機酸あるいは塩酸等の酸原液Lが海水によって希釈された液体である。酸処理液Wは、酸処理槽1bに一定量が貯留されており、海苔網Nと接触することによって海苔網Nを酸処理する。
船本体1aには、酸処理槽1bと、上記酸処理槽1bを挟んで一対の窪み部1c、1dが形成されている。上記一対の窪み部1c、1dは、幾つかの機器を配置するためのスペースであると共に作業者が乗船するためのスペースでもある。
一対の巻取ロール2a、2bは、酸処理槽1bの水平方向における中央から所定距離かつ両側に各々設けられた回転軸である。すなわち、この巻取ロール2a、2bは、船本体1aの前後方向に直交する姿勢で船本体1aに回転自在に取り付けられている、このような一対の巻取ロール2a、2bのうち、一方の巻取ロール2aは、船本体1aが前進した際に前方から侵入してくる海苔網Nを順次巻き取るためのものであり、他方の巻取ロール2bは、船本体1aが後進した際に後方から侵入してくる海苔網Nを順次巻き取るためのものである。
海苔網Nは、海苔が付着した長尺状の網である。この海苔網Nは、海苔の養殖場に複数条が配置されている。すなわち、海苔の養殖では、養殖場となる海域に複数条の海苔網Nを配置し、海苔を海苔網Nに付着させた状態で養殖する。
吊り棒3は、酸処理液Wの液面に対峙するように酸処理槽1bの上部に設けられた棒状部材である。また、この吊り棒3は、一対の巻取ロール2a、2bの中間、かつ、当該巻取ロール2a、2bと平行な姿勢になるように、両端が船本体1aの上部に固定されている。このような吊り棒3は、一対の巻取ロール2a、2bに各々巻き取られる海苔網Nと干渉しない位置に、つまり海苔網Nの侵入方向に対して各々の巻取ロール2a、2bの後方に設けられている。また、一対の巻出ロール11a、11bに巻かれている海苔網と干渉しない位置に、つまり海苔網が巻き出される方向に対しても各々巻出ロール11a、11bよりも後方に設けられている。
尚、本発明において、吊り棒3を中心に、酸処理槽1bの側壁部1baを含む側を酸処理槽1bの前進側、酸処理槽1bの側壁部1bbを含む側を酸処理槽1bの後進側と呼ぶ。
樹脂シート4は、略長方形かつ可撓性を有するシート部材であり、例えば塩化ビニル製の白色シートである。この樹脂シート4は、一方の長辺(上端)が吊り棒3に固定され、当該吊り棒3から酸処理液Wの液中に向かって垂下する。また、この樹脂シート4の他方の長辺(下端)は、酸処理液Wの液中に、後述するチューブ5Iの上方に位置するように設けられている。
チューブ5A〜5I(原液吐出部)は、例えば塩化ビニル製の管状部材である。上記原液吐出部は、酸処理槽1bの複数箇所に離散配置されている。つまり、原液吐出部は、酸処理槽1bの表面に沿って、酸処理槽1bに対する海苔網Nの進入方向における両端部、酸処理槽1bに対する海苔網Nの進入方向に直交する方向おける両端部、酸処理槽1bの上部あるいは/及び下部に設けられている。さらには、原液吐出部は、酸処理槽1bの中央において巻取ロール2aに平行かつ上方から前記酸処理液の中に垂下するように設けられたシート部材4の両面、シート部材4の下方に設けられている。
より具体的には、一対のチューブ5A及び5Bは、酸処理槽1bの中央において巻取ロール2a、2bに平行かつ上方から酸処理液Wの中に垂下するように設けられたシート部材4の両面に吊り棒3に沿って設けられている。チューブ5Cは、酸処理槽1bの側壁部1baの上部に側壁部1baに沿って設けられ、チューブ5Dは、酸処理槽1bの側壁部1bbの上部に側壁部1bbに沿って設けられている。チューブ5Eは、酸処理槽1bの側壁部1bcの上部に側壁部1bcに沿って設けられ、チューブ5Fは、酸処理槽1bの側壁部1bdの上部に側壁部1bdに沿って設けられている。
チューブ5Gは、酸処理槽1bの側壁部1bcの下部に側壁部1bcに沿って、チューブ5Eと対向するように、酸処理槽1bの底壁部1beに当接して設けられている。チューブ5Hは、酸処理槽1bの側壁部1bdの下部に側壁部1bdに沿って、チューブ5Fと対向するように、酸処理槽1bの底壁部1beに当接して設けられている。尚、チューブ5E〜5Hは、酸処理槽1bの中央部、つまり吊り棒3の真下において、酸処理槽1bの前進側に位置する部分及び酸処理槽1bの後進側に位置する部分の2つに仕切られている。チューブ5Iは、酸処理槽1b内の中央下部に、つまり、吊り棒3の真下に、酸処理槽1bの底壁部1beと当接して設けられている。
これらのチューブ5A〜5Iには複数の吐出孔が設けられている。一対のチューブ5A、5Bには、複数の吐出孔5a、5bが長さ方向に所定間隔で形成されている。各吐出孔5a、5bは、酸原液Lを樹脂シート4に向かって吐出するように、チューブ5A及び5Bの下方に、下方に対して樹脂シート4側に傾斜した角度で形成されている。チューブ5C〜5Fには、複数の吐出孔5c〜5fが長さ方向に所定間隔で形成されている。各吐出孔5c〜5fは、各々の管状部材5C〜5Fが設置されている酸処理槽1bの側壁部1ba〜1bdに向かって酸原液Lを吐出するように、下方に対して酸処理槽1bの側壁部1ba〜1bd側に傾斜した角度で形成されている。
チューブ5G、5Hには、複数の吐出孔5g、5hが長さ方向に所定間隔で形成されており、各吐出孔5g、5hから酸処理液W中に酸原液Lを吐出するように、上方又は上方に対して各々の管状部材5G、5Hが設置されている酸処理槽1bの側壁部1bc側又は側壁部1bd側とはそれぞれ反対側に傾斜して形成されている。チューブ5Iには、複数の吐出孔5i1、5i2が長さ方向に所定間隔で形成されている。さらに、吐出孔5i1及び5i2は、各吐出孔5i1、5i2からそれぞれ酸処理槽1bの側壁部1ba側及び側壁部1bb側に酸原液Lを吐出するように、チューブ5Iの最上部を中心に側壁部1ba側または側壁部1bb側にそれぞれ同角度傾斜して形成されている。
これらのチューブ5A〜5Iの内、酸処理槽1bの前進側に位置するチューブは酸原液ポンプ9aと接続されており、酸処理槽1bの後進側に位置するチューブは酸原液ポンプ9bと接続されている。より具体的には、チューブ5A、5C、5I及びチューブ5E〜5Hの酸処理槽1bの側壁部1ba側の端部は、酸原液ポンプ9aと接続されている。一方、チューブ5B、5D及びチューブ5E〜5Hの酸処理槽1bの側壁部1bb側の端部は、酸原液ポンプ9bと接続されている。
pHセンサ7a、7bは、酸処理液WのpH値を検出するセンサである。このpHセンサ7a、7bは、図1に示すように、酸処理槽1b内において、酸処理槽1bの四隅のうちの2箇所に、酸処理槽1bの前進側及び後進側にそれぞれ1つずつ設けられている。本実施形態においては、pHセンサ7aは、酸処理槽1bの側壁部1baと側壁部1bdが当接する隅に設けられている。一方、pHセンサ7bは、酸処理槽1bの側壁部1bbと側壁部1bdが当接する隅に設けられている。このpHセンサ7a、7bは、酸処理槽1b内において、酸処理槽1bの底壁部1beに接触しないように当該底壁部1beから若干の距離をあけて設けられている。pHセンサ7a、7bは、pH制御器8に接続されており、検出値をpH制御器8に出力する。
pH制御器8は、pHセンサ7aから入力される検出値と予め設定されているpH目標値とに基づいて酸原液ポンプ9aを、pHセンサ7bから入力される検出値と予め設定されているpH目標値とに基づいて、酸原液ポンプ9bをそれぞれフィードバック制御する制御装置である。pH制御器8において、酸処理槽1bの前進側と後進側に対して、それぞれ異なるpH目標値が設定されている。つまり、船本体1aが前進している場合は、酸処理槽1bの前進側のpH目標値がより低く、酸処理槽1bの後進側のpH目標値がより高くなるように設定されている。このpH制御器8は、pHセンサ7a、7bの検出値が予め設定されたpH目標値になるように、酸原液ポンプ9a、9bをそれぞれ制御する。
酸原液ポンプ9a、9bは、pH制御器8から入力される操作信号に基づいて動作する容量ポンプである。酸原液ポンプ9a、9bは、船本体1aの前進側及び後進側にそれぞれ1つずつ、本実施形態においては窪み部1dに設けられている。酸原液ポンプ9aは、所定の配管によって酸原液タンク10及びチューブ5A、5C、5I及び5E〜5Hの酸処理槽1bの側壁部1ba側端部と接続されており、操作信号に応じた流量の酸原液Lを酸原液タンク10から汲み出して、チューブ5A、5C、5E〜5Iに供給する。一方、酸原液ポンプ9bは、所定の配管によって酸原液タンク10及びチューブ5B、5D及び5E〜5Hの酸処理槽1bの側壁部1bb側端部に接続されており、操作信号に応じた流量の酸原液Lを酸原液タンク10から汲み出して、チューブ5B、5D、5E〜5Hに供給する。
酸原液タンク10は、酸原液Lを貯蔵する所定容量の容器である。酸原液タンク10は、所定の配管によって酸原液ポンプ9a、9bと接続されており、当該酸原液ポンプ9a、9bに酸原液Lを供給する。
酸原液Lは、所定pH値を有する酸の水溶液である。この酸原液Lは、例えばリンゴ酸や乳酸、クエン酸等の有機酸あるいはpH調整剤としての食品添加物の塩酸である。この酸原液Lは、酸処理液WのpH値よりも低いpH値、つまり酸処理液Wよりも高い酸性度を有する酸である。この酸原液Lが水や海水等で希釈されて、酸処理液Wとなる。また、酸原液Lは、白色の樹脂シート4の表面及び淡い水色である酸処理槽1bの側壁部を流下する際に視認可能なように白及び淡い水色以外の所定色に着色されている。
ここで、pHセンサ7a、7b、pH制御器8、酸原液ポンプ9a、9b及び酸原液タンク10は、本発明における原液供給部を構成している。すなわち、pH制御器8、酸原液ポンプ9a、9b及び酸原液タンク10は、pHセンサ7a、7bの検出値に基づいて、管状部材5A〜5Iに供給する酸原液Lの供給量を自動調節する。
巻出ロール11a、11bは、作業開始時においては、海苔が付着していない状態の海苔網が巻き付けられている回転軸である。この巻出ロール11a、11bは、巻取ロール2a、2bと平行に酸処理槽1b内に設けられている。海苔網Nが全て巻き取れた後、巻出ロール11a、11bに設けられている海苔網が海苔網Nが設けられていた場所に設置される。
次に、このように構成された箱型船1の動作について、図1及び図2を用いて詳しく説明する。また、船本体1aが前進する場合と、船本体1aが後進する場合とでは、同様の動作である為、本実施形態においては、船本体1aが前進する場合についてのみ説明する。
まず、作業者は、これから酸処理する海苔網Nが設置されている海上まで、船本体1aを移動させる。そして、例えば図1の矢印で示したように、船本体1aが前進する場合は、船本体1aが前進するにつれて、海苔網Nが酸処理槽1bに前方から侵入する。酸処理槽1b内に侵入した海苔網Nは、巻取ロール2aが回転することによって、順次巻取ロール2aに巻き取られる。
巻き取られた海苔網Nは、酸処理槽1b内に貯留されている酸処理液Wに浸漬される。したがって、海苔網N上の海苔が酸処理液Wに接触することによって、海苔が酸処理される。
酸処理槽1b内には、pHセンサ7a、7bが設けられており、pHセンサ7a、7bは酸処理槽1b内に貯留されている酸処理槽1bの前進側及び後進側の酸処理液WのpH値をそれぞれ検出する。pHセンサ7a、7bが検出した検出値は、pH制御器8に出力される。pH制御器8は、pHセンサ7aから入力された検出値と予め設定されているpH目標値とに基づいて、酸原液ポンプ9aをフィードバック制御する。また、pH制御器8は、pHセンサ7bから入力された検出値と予め設定されているpH目標値とに基づいて、酸原液ポンプ9bをフィードバック制御する。
酸原液ポンプ9aは、pH制御器8から入力される操作信号に基づいて、操作信号に応じた流量の酸原液Lを酸原液タンク10から汲み出してチューブ5A、5C、5E〜5Iに供給する。酸原液ポンプ9bは、pH制御器8から入力される操作信号に基づいて、操作信号に応じた流量の酸原液Lを酸原液タンク10から汲み出してチューブ5B、5D、5E〜5Hに供給する。
さらに、pH制御器8において、酸処理槽1bの前進側のpH目標値は酸処理槽1bの後進側のpH目標値よりも低く設定されている。つまり、酸処理槽1bの前進側に酸原液ポンプ9aから供給される酸原液Lの供給量は、酸処理槽1bの後進側に酸原液ポンプ9bから供給される酸原液Lの供給量よりも多くなるように設定されている。したがって、本箱型船1によれば、船本体1aが前進し海苔網Nが巻取ロール2aに巻き取られる際に、海苔網Nに付着している海水によって酸処理槽1bの前進側の酸処理液Wが希釈されたとしても酸処理槽1bの前進側に、酸原液Lがより多く供給されることによって、酸処理液W中のpH値を迅速に均一にすることができる。
pH制御器8からの操作信号を受信した酸原液ポンプ9a、9bによって酸原液タンク10から汲み出された酸原液Lは、チューブ5A〜5Iに供給される。チューブ5A、5Bに供給された酸原液Lは、チューブ5A、5Bに設けられた複数の吐出孔5a、5bから樹脂シート4に向けて吐出され、樹脂シート4の表面をつたって流下する。樹脂シート4の表面をつたって流下した酸原液Lは、酸処理液Wに流入する。チューブ5C〜5Fに供給された酸原液Lは、チューブ5C〜5Fに設けられた複数の吐出孔5c〜5fから吐出され、酸処理槽1bの側壁部1ba〜1bdの表面をつたって流下し、酸処理液Wに流入する。
チューブ5G、5Hに供給された酸原液Lは、チューブ5G、5Hに設けられた複数の吐出孔5g、5hから斜め上方に吐出され、酸処理液W中に拡散される。チューブ5Iに供給された酸原液Lはチューブ5Iに設けられた複数の吐出孔5i1、5i2から、酸処理槽1bの側壁部1ba側及び側壁部1bb側へそれぞれ斜め上方に吐出され、酸処理液W中に拡散される。
上記のようにして酸処理液Wに流入及び拡散した酸原液Lは、船本体1aの揺動及び海苔網Nを巻き取る際に巻取ロール2a又は巻取ロール2bが回転することによって酸処理液W中に生成される水流によって、酸処理液Wが攪拌されることによって、酸処理液W内に拡散される。したがって、本箱型船1によれば、酸処理槽1bの複数箇所に設けられた原液吐出部である管状部材から酸原液Lを酸処理液W中に供給することができる。よって酸処理液W中のpH値を迅速に均一にすることができる。
海苔の付着した海苔網Nが全て巻き取られ、海苔網N上の海苔が酸処理された後、巻出ロール11aに巻き付けられている、海苔が付着していない状態の海苔網は、船本体1aが前進するにつれて、船本体1a外へ巻き出され、海苔の付着した海苔網Nが設置されていた場所に設置される。
このような実施形態に係る箱型船1によれば、酸処理液W中のpH値を迅速に均一にすることが可能である為、酸処理槽1b内に巻き取られた海苔網Nの酸処理の程度を均一にすることが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態において、管状部材5A〜5Iを酸処理槽1bの上部及び下部の中央部、側壁部に沿って設けたが、本発明は、これに限定されない。管状部材は、海苔網Nが巻き取られた巻取ロール2a、2bと干渉しない位置であれば、どこに設けられていても良い。さらに、本実施形態のように、巻取ロール2a、2bと及び巻出ロール11a、11bの両方を備える場合は、これらと干渉しない位置であれば、管状部材5A〜5Iは、どこに設けられていても良い。例えば、管状部材5A〜5Iは、酸処理槽1bの側壁部の中央部に設けても良い。
(2)上記実施形態において、酸処理槽1bの上部に設けられた原液吐出部及び酸処理槽1bの下部に設けられた原液吐出部から供給される酸原液Lの供給量は共に同じであるとしたが、本発明は、これに限定されない。酸原液Lの比重に応じて、酸処理槽1bの上部に設けられた原液吐出部から酸処理液Wに供給される酸原液Lの量と、酸処理槽1bの下部に設けられた原液吐出部から酸処理液Wに供給される酸原液Lの量を異ならせても良い。上記構成を採用することで、酸処理液Wよりも比重の重い酸原液Lを酸処理液Wにより溶かし易くなる。
(3)上記実施形態において、吐出孔5i1、5i2をチューブ5Iの上部に設けるとしたが、本発明は、これに限定されない。吐出孔5i1、5i2をチューブ5Iの下部に、酸原液Lが酸処理槽1bの底壁部1beに向けて吐出されるように、下方下向きに傾斜させて設けても良い。尚、上記構成を採用する場合は、上記実施形態を採用した場合よりも、吐出させる酸原液Lを勢いよく吐出させ、酸処理槽1bの底壁部1beで反射させ、酸処理液W中に拡散させる必要がある。従って、チューブ5Iに供給する酸原液Lの流量を増加させる、または吐出孔5i1、5i2の吐出孔の孔径をより小さくする必要がある。
(4)上記実施形態において、チューブ5Iを酸処理槽1bの底壁部1beに当接させるとしたが、本発明はこれに限定されない。チューブ5Iと底壁部1beとの間に間隔を設けても良い。上記構成を採用した場合は、チューブ5Iの下を酸処理液Wが流通することが可能となり、酸処理液WのpHの値を均一にすることが可能となる。
1 箱型船
1a 船本体
1b 酸処理槽
1c、1d 窪み部
2a、2b 巻取ロール
3 吊り棒
4 樹脂シート(シート部材)
5A〜5I チューブ(管状部材)
7a、7b pHセンサ
8 pH制御器(原液供給部)
9a、9b 酸原液ポンプ(原液供給部)
10 酸原液タンク(原液供給部)
11a、11b 巻出ロール
L 酸原液
N 海苔網
W 酸処理液

Claims (6)

  1. 酸原液が希釈された酸処理液を貯留する酸処理槽と、
    該酸処理槽内に設けられ、海苔が付着した海苔網を巻き取る巻取ロールとを備える箱型船であって、
    前記酸処理槽の複数の箇所に離散配置され、前記酸原液を前記酸処理液に向けて吐出する原液吐出部と、
    前記原液吐出部に前記酸原液を供給する原液供給部とを備え、
    前記巻取ロールは、前記酸処理槽の水平方向における中央から所定距離かつ両側に各々設けられ、
    前記原液吐出部は、前記酸処理槽に対する前記海苔網の進入方向に直交する方向おける両端部に設けられ、また前記中央において上方から前記酸処理液の中に垂下するように設けられていることを特徴とする箱型船。
  2. 前記原液吐出部は、前記酸処理槽に対する前記海苔網の進入方向における両端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の箱型船。
  3. 前記原液吐出部は、前記酸処理槽の上面視において前記巻取ロールを挟むような位置関係で設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の箱型船。
  4. 前記原液吐出部は、前記酸処理槽の上部あるいは/及び下部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の箱型船。
  5. 前記原液吐出部は、前記シート部材の下方に設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の箱型船。
  6. 前記原液吐出部は、前記酸処理槽の表面に沿って設けられる管状部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の箱型船。
JP2016247089A 2016-12-20 2016-12-20 箱型船 Active JP6968397B2 (ja)

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