JP7145480B2 - 海苔網処理船 - Google Patents

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本発明は、海苔網処理船に関する。
養殖中の海苔には、海水中に生育する珪藻類及び、赤腐れ菌等が付着し、海苔の品質が低下することが知られている。また、この海苔の品質低下に対する対策として、海苔に付着する珪藻類・菌類を、酸処理液によって除去することが知られている。下記特許文献1には、箱型船という船を用いて、海苔網を巻き取りロールに巻き取り、巻き取った海苔網を酸処理液が貯留される酸処理槽において酸処理液に浸漬させる海苔網の酸処理方法が開示されている。また、この箱型船においては、酸処理液のpHを検出するpHセンサと、巻取ロールに巻き取られた海苔網と干渉しない位置に設けられ、酸原液を吐出する原液吐出部とが、酸処理槽に設けられ、pHセンサの検出値に基づいて原液吐出部に供給する酸原液の供給量を自動調節する原液供給装置とを備えることが開示されている。
特許第6161016号公報
ところで、特許文献1の箱型船において、酸原液の供給が停止された際に、酸原液が吐出される酸原液吐出部から酸原液が液だれするという問題点があった。また、酸原液が液だれすることによって、酸処理液を所望のpH値に維持できない可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、酸原液の供給が停止された際の、吐出部からの酸原液の液だれが抑制される海苔網処理船を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、酸処理液を貯留する酸処理槽と、前記酸処理槽内に設けられ、海苔が付着した海苔網を巻き付けるロールと、を備える海苔網処理船であって、 前記酸処理液の液面よりも上方かつ前記ロールに巻き取られた前記海苔網とは干渉しない位置に、略水平に設けられ、酸原液を前記酸処理槽に供給する酸原液供給管と、 前記酸原液を前記酸原液供給管に供給する酸原液供給装置とを備え、前記酸原液供給管には、前記酸原液供給管の長手方向において複数の吐出部が設けられ、前記吐出部には、吐出管が設けられ、前記吐出管には、吐出孔が設けられ、前記吐出孔は、前記酸原液供給管の下端部よりも下方に位置し、前記吐出管の内径は、前記酸原液供給管の内径よりも小径である、という手段を採用する。
本発明では、第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記酸原液供給管は酸処理槽の長手方向の両壁面に、1つずつ設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第3の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記海苔網処理船は、前記酸処理液の液面に対峙するように前記酸処理槽の上方に設けられた棒状部材と、前記棒状部材から前記酸処理液の液面に向かって垂下するシート部材と、をさらに備え、前記酸原液供給管は、前記シート部材の両側に前記棒状部材に沿って設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第4の解決手段として、酸処理液を貯留する酸処理槽と、前記酸処理槽内に設けられ、海苔が付着した海苔網を巻き付けるロールと、を備える海苔網処理船であって、前記酸処理液の液面よりも上方かつ前記ロールに巻き取られた前記海苔網とは干渉しない位置に、略水平に設けられ、酸原液を前記酸処理槽に供給する酸原液供給管と、前記酸原液を前記酸原液供給管に供給する酸原液供給装置とを備え、前記酸原液供給管には、前記酸原液供給管の長手方向において複数の吐出部が設けられ、前記吐出部には、吐出孔が設けられ、前記吐出孔は、前記酸原液供給管の下端部よりも上方に設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記吐出部は、前記酸原液供給管の一部が上方に向けて屈曲又は湾曲した部分であり、前記吐出部は、頂部を有し、前記吐出孔は、前記頂部に設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前記吐出部は、前記頂部に加えて側部を有し、前記側部が傾斜又は直立している、という手段を採用する。
本発明では、第7の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記吐出孔は、前記酸原液供給管の上端部に形成され、前記酸原液は、前記吐出部に設けられた外筒体の下端部に設けられた吐出端から吐出される、という手段を採用する。
本発明では、第8の解決手段として、上記第4~第7の解決手段において、前記酸原液供給管は酸処理槽の長手方向の両壁面に、1つずつ設けられている、という手段を採用する。
本発明では、第9の解決手段として、上記第4又は第7の解決手段において、前記海苔網処理船は、前記酸処理液の液面に対峙するように前記酸処理槽の上方に設けられた棒状部材と、前記棒状部材から前記酸処理液の液面に向かって垂下するシート部材と、をさらに備え、前記酸原液供給管は、前記シート部材の両側に前記棒状部材に沿って設けられている、という手段を採用する。
本発明によれば、酸原液の供給が停止された際の、吐出部からの酸原液の液だれが抑制される海苔網処理船を提供することができる。
本発明の第1~第4実施形態及び変形例に係る海苔網処理船の上面視における機能構成図である。 図1のX-X断面図である。 本発明の第1実施形態に係る(a)酸原液供給管の全体図、(b)吐出部の拡大図、(c)吐出部のX-X断面図である。 本発明の(a)第2実施形態に係る酸原液供給管の全体図、(b)第3実施形態に係る酸原液供給管の全体図、(c)本発明の第2、第3実施形態に係る吐出部のX-X断面図である。 本発明の第4実施形態に係る(a)酸原液供給管の全体図、(b)吐出部の拡大図、(c)吐出部のX-X断面図である。 本発明の変形例に係る(a)酸原液供給管の全体図、(b)吐出部のX-X断面図である。 本発明の第5実施形態に係る海苔網処理船の上面視における機能構成図である。 図7のX-X断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る海苔網処理船Aは、養殖中の海苔網上の海苔を酸処理する酸処理装置である。海苔網処理船Aは、船本体1、酸処理液2が貯留する酸処理槽3、海苔網4を巻き取るロール5、パイプ(酸原液供給管)6A、バルブ7、pHセンサ8、pH制御器9、酸原液ポンプ10、酸原液11を貯蔵する酸原液タンク12を備える。なお、pH制御器9、酸原液ポンプ10及び酸原液タンク12は、本発明における酸原液供給装置を構成している。
船本体1は、図1に示すように、ほぼ矩形状に成形された成形された樹脂製浮体であり、船本体1の長手方向の一端側は台形状に成形されている。この船本体1は、長手方向の寸法が短手方向の寸法よりも長く、例えば長手方向の寸法が約3.8m、短手方向の寸法が約1.2mである。また、この船本体1は、図示しないエンジンを備えており、ロール5を回転させる原動力となる。このような船本体1には、酸処理槽3、pH制御器9、酸原液ポンプ10、酸原液タンク12及び不図示のバッテリ等が設けられている。
酸処理液2は、後述する海苔網4上の海苔を酸処理するのに適した所望のpH値、例えばpH=0.4~2.6を有する酸希釈液である。すなわち、この酸処理液2は、所定の有機酸あるいは塩酸等の酸原液11が海水によって希釈された液体である。酸処理液2は、酸処理槽3に一定量が貯留されており、海苔網4と接触することによって海苔網4に付着した海苔を酸処理する。
酸処理槽3は、図1及び図2に示すように船本体1の中央に形成された半円筒状の窪み部であり、所定量の酸処理液2を貯留する。この酸処理槽3の容量は、例えば200~2,500リットルである。
海苔網4は、海苔が付着した長尺状の網である。この海苔網4は、海苔の養殖場に一条あるいは、複数条が配置されている。すなわち、海苔の養殖では、養殖場となる海域に複数条の海苔網4を配置し、海苔を海苔網4に付着させた状態で養殖する。
なお、船本体1には、船本体1の長手方向における酸処理槽3の両端部を挟む一対の窪み部が形成されている。これら一対の窪み部は、幾つかの機器を配置するためのスペースであると共に作業者が乗船するためのスペースでもある。
ロール5は、酸処理槽3の中央部に、酸処理槽3の長手方向の両端を結ぶように水平に配置された回転軸である。このロール5は、海苔網4を巻き取り、海苔網4が酸処理された後、ロール5は海苔網4を巻きだす。
パイプ6Aは、図3に示すように、酸原液11を酸処理槽3に供給する塩化ビニル等によって形成された一対の管状部材である。パイプ6Aの内径は例えば、8mm以下である。一対のパイプ6Aは、酸処理槽3の長手方向における両壁面に沿って1本ずつ、略水平に、海苔網4とは干渉しない位置に、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に設けられている。パイプ6Aは、後述するバルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
このようなパイプ6Aには、図3(a)に示すように、複数の吐出部60aが酸処理槽3の長手方向において所定間隔で形成されている。各吐出部60aにおけるパイプ6Aの下端部には、図3(b)に示すように、パイプ6Aの内径DPよりも小径である内径を有する流入孔61aが設けられている。流入孔61aには、流入孔61aの内径と同等の内径DTを有する吐出管62aが、T字部材63aを介してパイプ6Aに対して鉛直方向下側から接続されている。パイプ6Aの内径DPと吐出管62aの内径DTの関係は、DP>DTとなっている。
さらに、吐出管62aの下端部が吐出孔64aとなり、吐出孔64aはパイプ6Aの下端部よりも下側に位置する。また、吐出孔64aは、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に位置するように設けられている。吐出孔64aから酸原液11を酸処理槽3の壁面に向かって吐出するように、吐出孔64aは下方に向いて、または下方に対して酸処理槽3の壁面側に傾斜した角度で形成されている。
各バルブ7は、図1に示すように、酸原液ポンプ10と各パイプ6Aとの間にそれぞれ設けられており、手動操作によって酸原液11の流量を調節する流量調節バルブである。各バルブ7は、一対のパイプ6Aに同量の酸原液11が供給されるように手動操作される。
pHセンサ8は、酸処理液2のpH値を検出するセンサである。このpHセンサ8は、酸処理槽3内において、ロール5の長手方向における両端部に設けられている。また、このpHセンサ8の下側先端部は、酸処理槽3内において、酸処理槽3の底面に接触しないように、酸処理槽3の底面から若干の上方に位置している。pHセンサ8は、pH制御器9に接続されており、検出値をpH制御器9に出力する。
pH制御器9は、pHセンサ8から入力される検出値と予め記憶している制御しきい値とに基づいて酸原液ポンプ10をフィードバック制御する制御装置である。すなわち、このpH制御器9は、酸処理液2のpH値が制御しきい値を維持するように酸原液ポンプ10を制御する。
酸原液ポンプ10は、pH制御器9から入力される操作信号に基づいて動作する容量ポンプである。すなわち、この酸原液ポンプ10は、所定の配管によって酸原液タンク12及び一対のパイプ6Aに接続されており、操作信号に応じた流量の酸原液11を酸原液タンク12から汲み出して一対のパイプ6Aに供給する。なお、酸原液ポンプ10の吐出量は、例えば200~22,000ml/分である。
酸原液11は、所定pH値を有する酸の水溶液である。この酸原液11は、酸処理液2のpH値よりも低いpH値、つまり酸処理液2よりも高い酸性度を有する酸であり、例えばリンゴ酸や乳酸、クエン酸等の有機酸あるいはpH調整剤としての食品添加物の塩酸である。また、この酸原液11は、図2に示すように白色の酸処理槽3の壁面を流下する際に、視認可能なように白以外の所定色に着色されている。この酸原液11は、例えば、カラメルによって茶色に着色されている。
尚、図2には、簡便の為に後述する第2及び第3実施形態におけるパイプ6B、6Cの場合のパイプの断面図を示している。
酸原液タンク12は、酸原液11を貯蔵する所定容量の容器である。酸原液タンク12は、所定の配管によって酸原液ポンプ10と接続されており、当該酸原液ポンプ10に酸原液11を供給する。
ここで、pH制御器9、酸原液ポンプ10及び酸原液タンク12は、本発明における酸原液供給装置を構成している。すなわち、pH制御器9、酸原液ポンプ10及び酸原液タンク12は、pHセンサ8の検出値に基づいて、酸原液供給管であるパイプ6Aに供給する酸原液11の供給量を自動調節する。
次に、上記のように構成された海苔網処理船の動作について、図1~図3を参照して詳しく説明する。また、海苔網4をロール5に巻き取る場合と、ロール5から海苔網4を巻きだす場合とでは、海苔網4をロール5に巻き取る場合の反対の動作が、海苔網4をロール5から巻きだす場合に相当する為、海苔網をロール5に巻き取る場合について説明する。
まず、作業者は、これから酸処理する海苔網4が設置されている海上まで、船本体1を移動させる。そして、船本体1が前進する場合は、船本体1が前進するにつれて、海苔網4が酸処理槽3に前方から侵入する。酸処理槽3内に侵入した海苔網4は、ロール5が回転することによって、順次ロール5に巻き取られる。
巻き取られた海苔網4は、酸処理槽3内に貯留されている酸処理液2に浸漬される。したがって、海苔網4上の海苔が酸処理液2と接触することによって、海苔が酸処理される。
酸処理槽3内には、pHセンサ8が設けられており、pHセンサ8は酸処理槽3内に貯留されている酸処理液2のpH値を検出する。pHセンサ8が検出した検出値は、pH制御器9に出力される。pH制御器9は、pHセンサ8から入力された検出値と予め記憶している制御しきい値とに基づいて、酸原液ポンプ10をフィードバック制御する。酸原液ポンプ10は、pH制御器9から入力される操作信号に基づいて、操作信号に応じた流量の酸原液11を酸原液タンク12から汲み出して一対のパイプ6Aに供給する。
具体的に例えば、pH制御器9が予め記憶している制御しきい値と、pHセンサ8の検出値が同じ場合は、酸処理液2のpH値を制御しきい値に維持するように、酸処理液2に供給される酸原液11の量は少なくてよい。したがって、pH制御器9は、酸処理液2のpH値を維持するのに必要な量の酸原液11を、酸処理液2に供給するように酸原液ポンプ10の運転を制御する。
一方、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値に乖離がある場合は、酸処理液2のpH値を制御しきい値と同じ値になるように低下させる必要がある。したがって、酸処理液2のpH値を低下させる為に必要な量の酸原液11を酸処理液2に供給するように、pH制御器9は、酸原液ポンプ10の運転を制御する。
したがって、本海苔網処理船Aによれば、pHセンサ8の検出値に基づいて、酸処理液2に供給される酸原液11の供給量を自動調節することが可能である。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Aに供給される。図3(c)に示すように、酸原液11は、一対のパイプ6Aに設けられた複数の吐出部60aの吐出孔64aから酸処理槽3の壁面に向けて吐出され、酸処理槽3の表面をつたって流下する。酸処理槽3の表面をつたって流下した酸原液11は、酸処理液2と接触し酸処理液2内に流入する。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際又は海苔網4が巻きだされる際に、ロール5が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Aによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、図3(b)に示すように、本海苔網処理船Aの吐出部60aの流入孔61aには、パイプ6Aの内径DPよりも小径である内径DTを有する吐出管62aが鉛直方向下側から接続されている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Aへの酸原液11の供給(圧送)が停止した際に、酸原液11がパイプ6Aに圧送されなくなるので、パイプ6Aの内径よりも小径である吐出管62aに向かって酸原液11が圧送されなくなる為、酸原液11が吐出孔64aから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。したがって、本海苔網処理船Aによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
さらに、酸原液11は茶色に着色されている為、酸原液11が、6Aの吐出孔64aから吐出され、酸処理槽3の壁面をつたって流下する為、酸原液11が酸処理液2に供給されているかどうかを、作業者が視認できる。したがって、本海苔網処理船Aによれば、酸原液11が酸処理液2へ正常に供給されているかどうかを、作業者が目視で判断することができる。
海苔の付着した海苔網4が全て巻き取られ、海苔網4上の海苔が酸処理された後、ロール5に巻き付けられている海苔網は、船本体1外へ巻き出され、海苔の付着した海苔網4が設置されていた場所に設置される。
〔第2実施形態〕
次に、第2次実施形態に係る海苔網処理船Bについて説明する。この海苔網処理船Bは、図1に示すように、第1実施形態に係る海苔網処理船Aと同様な全体構成を備えるが、第1実施形態のパイプ6Aに代えて、図4(a)に示すパイプ6Bを備える。
なお、第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
パイプ6Bは、酸原液11を酸処理槽3に供給する塩化ビニル等によって形成された一対の管状部材である。パイプ6Bの内径は例えば、13mmである。パイプ6Bは、酸処理槽3の長手方向に沿って、略水平に、酸処理槽3の両壁面に、海苔網4とは干渉しない位置に、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に設けられている。パイプ6Bは、バルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
このようなパイプ6Bには、図4(a)に示すように、複数の吐出部60bがパイプ6Bの長手方向において所定間隔で形成されており、吐出部60bはパイプ6Bの一部が上方に向けて屈曲又は湾曲した部分である。尚、本実施形態においては、吐出部60bが上方に向けて屈曲している場合について述べる。より詳細には、吐出部60bは、頂部61bと、パイプ6Bの長手方向において頂部61bと隣接する2つの側部62b、63bからなる。本実施形態においては、頂部61bは、パイプ6Bの長手方向において所定の幅を有し、側部62b、63bはそれぞれ、パイプ6Bの長手方向において頂部61bに向かって及び上方に向かって直線状に傾斜している。つまり、本実施形態における吐出部60bは、上方に向けて台形状に屈曲している。なお、本実施形態における側部62b、63bの頂部61bに対する傾斜角度は、例えば45°である。
頂部61bの略中央底部には、吐出孔64bが設けられている。図4(c)に示すように、各吐出孔64bは、酸原液11を、酸処理槽3の壁面に向かって吐出するように、下方又は下方に対して酸処理槽3の壁面側に傾斜した角度で形成されている。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Bに供給される。酸原液11は、一対のパイプ6Bに設けられた複数の吐出部60bの吐出孔64bから酸処理槽3の壁面に向けて吐出され、酸処理槽3の表面をつたって流下する。酸処理槽3の表面をつたって流下した酸原液11は、酸処理液2と接触し酸処理液2内に流入する。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際又は海苔網4が巻きだされる際に、ロール5が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Bによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、本海苔網処理船Bの吐出部60bにおいて、パイプ6Bの下端部よりも上方に吐出孔64bが設けられている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Bへの酸原液11の供給が停止した際に、吐出孔64bの上部を流れる酸原液11は、吐出部60bの頂部61b及び傾斜している側部62b、63bを流れ、パイプ6Bの下端部に溜まり、酸原液11が吐出孔64bから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。よって、本海苔網処理船Bによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
また、本海苔網処理船Bの吐出部60bの頂部61bの、パイプ6Bの長手方向の幅は比較的小さい。したがって、酸原液ポンプ10からパイプ6Bへの酸原液11の供給が停止した際に、酸原液11が頂部61b付近に溜まりにくい。よって、酸原液11が吐出孔64bから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。よって、本海苔網処理船Bによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3次実施形態に係る海苔網処理船Cについて説明する。この海苔網処理船Cは、図1に示すように、第1実施形態に係る海苔網処理船Aと同様な全体構成を備えるが、第1実施形態のパイプ6Aに代えて、図4(b)に示すパイプ6Cを備える。
なお、第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
パイプ6Cは、酸原液11を酸処理槽3に供給する塩化ビニル等によって形成された一対の管状部材である。パイプ6Cの内径は例えば、13mmである。パイプ6Cは、酸処理槽3の長手方向に沿って、略水平に、酸処理槽3の両壁面に、海苔網4とは干渉しない位置に、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に設けられている。パイプ6Cは、バルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
このようなパイプ6Cには、図4(b)に示すように、複数の吐出部60cがパイプ6Cの長手方向において所定間隔で形成されており、吐出部60cはパイプ6Cの一部が上方に向けて屈曲又は湾曲した部分である。尚、本実施形態においては、吐出部60bが上方に向けて屈曲している場合について述べる。より詳細には、吐出部60cは、頂部61cと、パイプ6Cの長手方向において頂部61cと隣接する2つの側部62c、63cからなる。本実施形態においては、頂部61cは、パイプ6Cの長手方向において所定の幅を有し、側部62c、63cはそれぞれ、パイプ6Cの長手方向における頂部61bの両端部に向かって鉛直方向に延びている。つまり、本実施形態における吐出部60cは、上方に向けて矩形状に屈曲している。
頂部61cの略中央底部には、吐出孔64cが設けられている。図4(c)に示すように、各吐出孔64cは、酸原液11を、酸処理槽3の壁面に向かって吐出するように、下方又は下方に対して酸処理槽3の壁面側に傾斜した角度で形成されている。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Cに供給される。酸原液11は、一対のパイプ6Cに設けられた複数の吐出部60cの吐出孔64cから酸処理槽3の壁面に向けて吐出され、酸処理槽3の表面をつたって流下する。酸処理槽3の表面をつたって流下した酸原液11は、酸処理液2と接触し酸処理液2内に流入する。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際又は海苔網4が巻きだされる際に、ロール5が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Cによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、本海苔網処理船Cの吐出部60cにおいて、パイプ6Cの下端部よりも上方に吐出孔64cが設けられている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Cへの酸原液11の供給が停止した際に、吐出孔64cの上部を流れる酸原液11は、吐出部60cの頂部61c及び側部62c、63cを流れ、パイプ6Cの下端部に溜まる。よって、酸原液11が吐出孔64cから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。したがって、本海苔網処理船Cによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
さらに、本海苔網処理船Cの吐出部60cにおいて、パイプ6Cの側部62c、63cが直立して設けられている。したがって、本海苔網処理船Cによれば、縦方向からの衝撃によってパイプ6Cが破損することを防止することができる。
〔第4実施形態〕
次に、第4次実施形態に係る海苔網処理船Dについて説明する。この海苔網処理船Dは、図1に示すように、第1実施形態に係る海苔網処理船Aと同様な全体構成を備えるが、第1実施形態のパイプ6Aに代えて、図5に示すパイプ6Dを備える。
なお、第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
パイプ6Dは、酸原液11を酸処理槽3に供給する塩化ビニル等によって形成された一対の管状部材である。パイプ6Dの内径は例えば、8mm以下である。パイプ6Dは、酸処理槽3の長手方向に沿って、略水平に、酸処理槽3の両壁面に、海苔網4とは干渉しない位置に、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に設けられている。パイプ6Dは、バルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
このようなパイプ6Dには、図5(a)に示すように、複数の吐出部60dがパイプ6Dの長手方向において所定間隔で形成されている。吐出部60dは、パイプ6Dの長手方向において所定の幅を持って設けられており、吐出部60dではパイプ6Dの外周面を覆うように補強体61dが、更に補強体61dの外周面を覆うように外筒体62dが設けられている。つまり、パイプ6D、補強体61d、外筒体62dは同軸上に設けられており、吐出部60dは、内側からパイプ6D、補強体61d、外筒体62dからなる三層構造になっている。
図5(b)に示すように、吐出部60dにおいて、パイプ6Dの上端部に酸原液11を吐出する吐出孔63dが設けられている。補強体61dの外周面は、パイプ6Dの長手方向において一定の幅を持って、パイプ6Dの中心軸と吐出孔63dとを結ぶ線に対して、パイプ6Dの中心軸を中心に反時計回りに約-30°~約210°の範囲に亘って、切り欠かれている。外筒体62dは、その下端部又は下端部よりも若干酸処理槽3の壁面側に向く側が解放され、吐出端64dとなっている。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Dに供給される。図5(c)に示すように、酸原液11は、一対のパイプ6Dに設けられた複数の吐出部60dの吐出孔63dから外筒体62dの内周面に向けて、上方に吐出される。吐出孔63dから吐出された酸原液11は、吐出孔63d上方の外筒体62dの内周面に衝突し、外筒体62dの内周面をつたい、吐出端64dから酸処理槽3の壁面に向けて吐出される。吐出端64dから吐出された酸原液11は、酸処理槽3の表面をつたって流下する。酸処理槽3の表面をつたって流下した酸原液11は、酸処理液2と接触し酸処理液2内に流入する。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際又は海苔網4が巻きだされる際に、ロール5が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Dによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、本海苔網処理船Dの吐出部60dにおいて、パイプ6Dの下端部よりも上方に吐出孔63dが設けられている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Dへの酸原液11の供給が停止した際に、吐出孔63dから上方に向かって酸原液11が吐出されることがなく、酸原液11はパイプ6Dの下端部に溜まる。よって、酸原液11が吐出孔63dから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。したがって、本海苔網処理船Dによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
〔変形例〕
上記第1~第4の実施形態とは別に、図6に示すように、酸原液11を酸処理槽3に供給する塩化ビニル等によって形成された一対の管状部材であるパイプ6Eを備えてもよい。パイプ6Eの内径は例えば、8mm以下である。図1に示すように、パイプ6Eは、酸処理槽3の長手方向に沿って、略水平に、酸処理槽3の両壁面に、海苔網4とは干渉しない位置に、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に設けられている。パイプ6Eは、後述するバルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
このようなパイプ6Eには、図6(a)に示すように、複数の吐出部60eがパイプ6Eの長手方向において所定間隔で形成されている。また、図6(b)に示すように、各吐出部60eにおいて、パイプ6Eの下端部には、ネジ孔61eが形成され、中空部材62eがねじ込まれている。さらに、中空部材62eは、中空部材62eの上端部がパイプ6Eの内部に突出しており、中空部材62eの下端部が吐出孔63eとなる。さらに、酸原液11が吐出孔63eから酸処理槽3の壁面に向かって吐出されるように、吐出孔63eが下方又は下方に対して酸処理槽3の壁面側に傾斜して位置するように、中空部材62eが配置されている。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Eに供給される。酸原液11は、一対のパイプ6Eに設けられた複数の吐出部60eの吐出孔63eから酸処理槽3の壁面に向けて吐出され、酸処理槽3の表面をつたって流下する。酸処理槽3の表面をつたって流下した酸原液11は、酸処理液2と接触し酸処理液2内に流入する。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際又は海苔網4が巻きだされる際に、ロール5が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Eによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、本海苔網処理船Eの吐出部60eにおいて中空部材62eが、中空部材62eの上端部がパイプ6Eの内部に突出するように設けられている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Eへの酸原液11の供給が停止した際に、中空部材62eの上端部のパイプ6Eの内部に突出している部分がストッパーとなり、酸原液11がせき止められ、吐出孔63eから酸原液11が吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。よって、本海苔網処理船Eによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
〔第5実施形態〕
本実施形態に係る海苔網処理船Fは、図7に示すように箱型の海苔網処理船であり、海苔網処理船Fは、図7に示すように、第1実施形態に係る海苔網処理船Aと同様の構成を備えるが、海苔網処理船Aの構成に加えて、吊り棒13(棒状部材)、樹脂シート14(シート部材)及び海苔網4を巻き出す一対の巻出ロール15F1、15F2を備える。また、海苔網処理船Fは海苔網4を巻き取るロール5に代えて、海苔網4を巻き取る一対のロール5F1、5F2を有する。
船本体1は、箱型に成形された樹脂製浮体である。この船本体1は、長手方向の寸法が幅方向の寸法よりも若干長い長方形の平面形状を備えており、例えば長手方向の寸法が約2m、幅方向の寸法が約1.5mである。また、この船本体1は、図示しないエンジンを備えており、ロール5F1、5F2及び巻出ロール15F1、15F2を回転させる原動力となる。
酸処理槽3は、船本体1の上部中央に形成された略直方体の窪み部であり、所定量の酸処理液2を貯留する。この酸処理槽3の容量は、例えば400~800リットルである。海苔網4は、海苔が付着した長尺状の網である。この海苔網4は、海苔の養殖場に複数条が配置されている。すなわち、海苔の養殖では、養殖場となる海域に複数条の海苔網4を配置し、海苔を海苔網4に付着させた状態で養殖する。なお、船本体1には、酸処理槽3を幅方向に挟む状態で一対の窪み部が形成されている。これら一対の窪み部は、幾つかの機器を配置するためのスペースであると共に作業者が乗船するためのスペースでもある。
一対のロール5F1、5F2は、酸処理槽3内に一定距離を隔てて平行かつ水平に配置された回転軸である。すなわち、このロール5F1、5F2は、船本体1の長手方向に、船本体1に回転自在に取り付けられている、このような一対のロール5F1、5F2のうち、一方のロール5F1は船本体1が前進した際に前方から侵入してくる海苔網4を順次巻き取るためのものであり、他方のロール5F2は、船本体1が後進した際に後方から侵入してくる海苔網4を順次巻き取るためのものである。
吊り棒13は、酸処理液2の液面に対峙するように酸処理槽3の上方に設けられた棒状部材である。すなわち、この吊り棒13は、一対のロール5F1、5F2の中間、かつ、ロール5F1、5F2と平行な姿勢になるように、両端が船本体1の上部に固定されている。このような吊り棒13は、一対のロール5F1、5F2に各々巻き取られる海苔網4と干渉しない位置に、つまり海苔網4の侵入方向に対して各々のロール5F1、5F2後方に設けられている。
樹脂シート14は、略長方形かつ可撓性を有するシート部材であり、例えば塩化ビニル製の白色シートである。この樹脂シート14は、一方の長辺(上端)が吊り棒13に固定され、当該吊り棒13から酸処理液2の液面に向かって垂下する。また、この樹脂シート14は、図示するように、他方の長辺(下端)が酸処理液2の液面から間隔を空けた位置となるように、酸処理液2の液面より上方に位置するように設けられている。
一対のパイプ(酸原液供給管)6Fは、樹脂シート14の両側に吊り棒13に沿って設けられた管状部材であり、例えば塩化ビニル製である。パイプ6Fは、バルブ7を介して、酸原液ポンプ10と接続されている。
第5実施形態におけるパイプ6Fは、第1実施形態におけるパイプ6Aの構成と同様の構成を有する。つまり、パイプ6Fには、図8に示すように、複数の吐出部60fが酸処理槽3の長手方向において所定間隔で形成されている。各吐出部60fにおけるパイプ6Fの下端部には、図8に示すように、パイプ6Fの内径DPよりも小径である内径を有する流入孔61fが設けられている。流入孔61fには、流入孔61fの内径と同等の内径DTを有する吐出管62fが、T字部材63fを介してパイプ6Fに対して鉛直方向下側から接続されている。パイプ6Fの内径DPと吐出管62fの内径DTの関係は、DP>DTとなっている。
さらに、吐出管62fの下端部が吐出孔64fとなり、吐出孔64fはパイプ6Fの下端部よりも下側に位置する。また、吐出孔64fは、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に位置するように設けられている。吐出孔64fから酸原液11を樹脂シート14に向かって吐出するように、吐出孔64fは下方に向いて、または下方に対して酸処理槽3の壁面側に傾斜した角度で形成されている。
pHセンサ8は、酸処理液2のpH値を検出するセンサである。このpHセンサ8は、図8に示すように、酸処理槽3内において吐出部60fの近傍に設けられている。すなわち、このpHセンサ8は、酸処理槽3内において、吊り棒13の両端のどちらか一端側に酸処理槽3の底面に接触しないように当該底面から若干の距離をあけて設けられている。pHセンサ8は、pH制御器9に接続されており、検出値をpH制御器9に出力する。
酸原液ポンプ10は、pH制御器9から入力される操作信号に基づいて動作する容量ポンプである。すなわち、この酸原液ポンプ10は、所定の配管によって酸原液タンク12及び一対のパイプ6Fに接続されており、操作信号に応じた流量の酸原液11を酸原液タンク12から汲み出して一対のパイプ6Fに供給する。なお、酸原液ポンプ10の吐出量は、例えば400~22000ml/分である。
一対の巻出ロール15F1、15F2は、作業開始時においては、海苔が付着していない状態の海苔網が巻き付けられている回転軸である。この巻出ロール15F1、15F2は、ロール5F1、5F2と平行に酸処理槽3内に設けられている。
次に、このように構成された海苔網処理船Fの動作について、図7及び図8を用いて詳しく説明する。また、船本体1が前進する場合と、船本体1が後進する場合とでは、同様の動作である為、本実施形態においては、船本体1が前進する場合についてのみ説明する。
まず、作業者は、これから酸処理する海苔網4が設置されている海上まで、船本体1を移動させる。そして、例えば図1の矢印で示したように、船本体1が前進する場合は、船本体1が前進するにつれて、海苔網4が酸処理槽3に前方から侵入する。酸処理槽3内に侵入した海苔網4は、ロール5F1が回転することによって、順次ロール5F1に巻き取られる。
巻き取られた海苔網4は、酸処理槽3内に貯留されている酸処理液2に浸漬される。したがって、海苔網4上の海苔が酸処理液2に接触することによって、海苔が酸処理される。
酸処理槽3内には、pHセンサ8が設けられており、pHセンサ8は酸処理槽3内に貯留されている酸処理液2のpH値を検出する。pHセンサ8が検出した検出値は、pH制御器9に出力される。pH制御器9は、pHセンサ8から入力された検出値と予め記憶している制御しきい値とに基づいて、酸原液ポンプ10をフィードバック制御する。酸原液ポンプ10は、pH制御器9から入力される操作信号に基づいて、操作信号に応じた流量の酸原液11を酸原液タンク12から汲み出して一対のパイプ6Fに供給する。
pH制御器9からの操作信号を受信した酸原液ポンプ10によって酸原液タンク12から汲み出された酸原液11は、一対のパイプ6Fに供給される。酸原液11は、一対のパイプ6Fに設けられた複数の吐出部60fの吐出孔64fから樹脂シート14に向けて吐出され、樹脂シート14の表面をつたって流下する。樹脂シート14の表面をつたって流下した酸原液11は、樹脂シート14の下端が酸処理液2の液面から、間隔を空けて設けられていることにより、酸処理液2上に滴下される。酸処理液2よりも比重の重い酸原液11は、酸処理液2上に滴下されることにより、酸処理液2内に溶かされやすくなる。さらに、酸処理液2上に滴下された酸原液11は、船本体1の揺動及び海苔網4を巻き取る際にロール5F1又はロール5F2が回転することによって酸処理液2中に生成される水流によって、酸処理液2が攪拌されることによって、酸処理液2内に拡散される。したがって、本海苔網処理船Fによれば、酸処理液2中のpH値を均一にすることができる。
また、図8に示すように、本海苔網処理船Fの吐出部60fの流入孔61fには、パイプ6Fの内径DPよりも小径である内径DTを有する吐出管62fが鉛直方向下側から接続されている。したがって、pH制御器9の制御しきい値とpHセンサ8の検出値との乖離が小さくなり、酸原液ポンプ10からパイプ6Fへの酸原液11の供給(圧送)が停止した際に、酸原液11がパイプ6Fに圧送されなくなるので、パイプ6Fの内径よりも小径である吐出管62fに向かって酸原液11が圧送されなくなる為、酸原液11が吐出孔64fから吐出されず、酸原液11の液だれが抑制される。したがって、本海苔網処理船Fによれば、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
海苔の付着した海苔網4が全て巻き取られ、海苔網4上の海苔が酸処理された後、巻出ロール15F1に巻き付けられている、海苔が付着していない状態の海苔網は、船本体1が前進するにつれて、船本体1外へ巻き出され、海苔の付着した海苔網4が設置されていた場所に設置される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態において、一対のパイプを設けるとしたが、本発明は上記実施形態に限定されない。酸処理槽3の長手方向に沿った壁面どちらか一方にパイプを設けることとしても良い。
(2)上記第1実施形態の吐出部60aにおいて、パイプ6Aの下端部に流入孔61aを形成し、流入孔61aと吐出管62aをT字部材63aを介して接続させることとした。また、上記第5実施形態の吐出部60fにおいて、パイプ6Fの下端部に流入孔61fを形成し、流入孔61fと吐出管62fをT字部材63fを介して接続させることとしたが、本発明は上記実施形態に限定されない。パイプ6A又はパイプ6Fを切断し、切断されたパイプ6A又はパイプ6Fの長手方向において対向する切断部同士を、各吐出部60a又は60fにおいて間隔を空けてT字部材63a又は63fを介して接続しても良い。その場合は、上記間隔と吐出管62a又は吐出管62fの内径の寸法はほぼ同等となるようにする。上記構成を採用することによって、より安価にパイプを制作することが可能となる。
(3)上記第2及び第3実施形態において、吐出部60b、60cの頂部である61b、61cがパイプ6B及びパイプ6Cの長手方向において所定の幅を持つこととしたが、本発明は上記実施形態に限定されない。頂部61b、61cがパイプ6B及びパイプ6Cの長手方向において幅を有していなくてもよい。つまり、頂部61b、61cが1点であっても良い。上記構成を採用することによって、酸原液11の供給が停止した際に、酸原液11が頂部61b、61cにたまりにくくなり、吐出孔64b、64cから酸原液11が吐出しない。したがって、酸処理液2中のpH値を所望の値に維持することができる。
(4)上記第2及び第3実施形態において、吐出部60b、60cの側部62b、63b、62c、63cが直線状に傾斜する場合及び直立する場合について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されない。側部62b、63b、62c、63cがそれぞれ湾曲していてもよい。
(5)第2及び第3実施形態において、パイプ6B、6Cにおいて、屈曲している吐出部60b、60cがパイプ6B、6Cと一体成形された構成について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記吐出部60b、60cは、頂部61b、61cを構成する部材や側部62b、63b、62c、63cを構成する部材を組み合わせることによって構成されてもよい。
(6)また、上記(5)のように、部材を組み合わせて吐出部を作成することにより、パイプを安価に作成することができる。さらに、部材を組み合わせて吐出部を作成することにより、第2実施形態の吐出部60bの屈曲形状と第3実施形態における吐出部60cの屈曲形状を組み合わせた形状のパイプを形成することも可能になる。
(7)第5実施形態において、海苔網処理船Fに、第1実施形態のパイプ6Aを適用させる構成について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されない。酸原液供給管として、第4実施形態又は変形例で述べたパイプ6D又はパイプ6Eを海苔網処理船Fに適用させてもよい。
(8)第1実施形態において、パイプ6Aの吐出部60aに設けられた吐出管62aの吐出孔64aは、酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より上方に位置するように設けられているとしたが、本発明は上記実施形態に限定されない。第1実施形態で用いた吐出管62aよりも、鉛直下方向に延びる吐出管62aを用い、吐出孔64aが酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より下方に位置するように設けてもよい。または、第1実施形態で用いた吐出管62aの吐出孔64aに、吐出管62aよりも内径及び外径が小径である接続管を、パイプ6Aに対して鉛直方向下側から接続し、接続管の下端部を吐出孔とし、上記吐出孔が酸処理槽3に貯留されている酸処理液2の液面より下方に位置するようにしてもよい。上記構成を採用することによって、酸原液11が飛散することなく、酸処理液2中に放出され及び供給される。
また、第5実施形態おいても、上記と同様の構成を有するパイプ6Fとしてもよい。
A、B、C、D、E、F 海苔網処理船
1 船本体
2 酸処理液
3 酸処理槽
4 海苔網
5、5F1、5F2 ロール
6A、6B、6C、6D、6E、6F パイプ(酸原液供給管)
60a、60b、60c、60d、60e、60f 吐出部
61a、61f 流入孔
61b、61c 頂部
61d 補強体
61e ネジ孔
62a、62f 吐出管
62b、62c、63b、63c 側部
62d 外筒体
62e 中空部材
63a、63f T字部材
64a、64b、64c、63d、63e、64f 吐出孔
64d 吐出端
7 バルブ
8 pHセンサ
9 pH制御器
10 酸原液ポンプ
11 酸原液
12 酸原液タンク
13 吊り棒(棒状部材)
14 樹脂シート(シート部材)
15F1、15F2 巻出ロール

Claims (5)

  1. 酸処理液を貯留する酸処理槽と、
    前記酸処理槽内に設けられ、海苔が付着した海苔網を巻き付けるロールと、
    を備える海苔網処理船であって、
    前記酸処理液の液面よりも上方かつ前記ロールに巻き取られた前記海苔網とは干渉しない位置に、略水平に設けられ、酸原液を前記酸処理槽に供給する酸原液供給管と、
    前記酸原液を前記酸原液供給管に供給する酸原液供給装置とを備え、
    前記酸原液供給管には、前記酸原液供給管の長手方向において複数の吐出部が設けられ、
    前記吐出部は、前記酸原液供給管の一部が上方に向けて屈曲又は湾曲した部分であり、頂部を有し、
    前記吐出部には、吐出孔が設けられ、
    前記吐出孔は、前記頂部に設けられていることを特徴とする海苔網処理船。
  2. 前記吐出部は、前記頂部に加えて側部を有し、
    前記側部が傾斜又は直立していることを特徴とする請求項1に記載の海苔網処理船。
  3. 前記吐出孔は、前記酸原液供給管の上端部に形成され、
    前記酸原液は、前記吐出部に設けられた外筒体の下端部に設けられた吐出端から吐出されることを特徴とする請求項1に記載の海苔網処理船。
  4. 前記酸原液供給管は酸処理槽の長手方向の両壁面に、1つずつ設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の海苔網処理船。
  5. 前記海苔網処理船は、
    前記酸処理液の液面に対峙するように前記酸処理槽の上方に設けられた棒状部材と、
    前記棒状部材から前記酸処理液の液面に向かって垂下するシート部材と、
    をさらに備え、
    前記酸原液供給管は、前記シート部材の両側に前記棒状部材に沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は3に記載の海苔網処理船。
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