[0080] フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメント「の上に」存在するとして本明細書で参照された場合、それは、他のフィーチャ若しくはエレメントの上に直接存在し得るか、又は介在するフィーチャ及び/若しくはエレメントも存在し得る。これとは対照的に、フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメント「の上に直接」存在するとして本明細書で参照された場合、介在するフィーチャ又はエレメントは存在しない。フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメントに「接続」、「装着」、又は「結合」されるとして参照された場合、それは、他のフィーチャ又はエレメントに直接接続、直接装着、若しくは直接結合し得るか、又は介在するフィーチャ若しくはエレメントも存在し得ることも理解されるであろう。これとは対照的に、フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメントに「直接接続」、「直接装着」、又は「直接結合」されるとして参照された場合、介在するフィーチャ又はエレメントは存在しない。一実施形態に関して記載又は示されているが、そのように記載又は示されたフィーチャ及びエレメントは、他の実施形態に適用可能である。他のフィーチャ「に近接して」配設された構造体又はフィーチャへの参照は、近接するフィーチャの上又は下に重なる部分を有し得ることも当業者であれば分かるであろう。
[0081] 本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、本発明を限定することを意図したものではない。例えば、本明細書で用いられる場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、特に文脈上明確に示されてない限り、複数形も含むことが意図される。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で用いられる場合、明記されたフィーチャ、工程、操作、エレメント、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他のフィーチャ、工程、操作、エレメント、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書で用いられる場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムの1つ以上をあらゆる組合せで含み、「/」と略記されることもある。
[0082] 「第1」及び「第2」という用語は、各種フィーチャ/エレメントを記述するために本明細書で使用し得るが、これらのフィーチャ/エレメントは、特に文脈上異なる指定がない限り、これらの用語により限定すべきでない。これらの用語は、あるフィーチャ/エレメントと他のフィーチャ/エレメントとを識別するために使用し得る。従って、本発明の教示から逸脱することなく、以下で考察される第1のフィーチャ/エレメントは、第2のフィーチャ/エレメントと称することが可能であり、同様に、以下で考察される第2のフィーチャ/エレメントは、第1のフィーチャ/エレメントと称することが可能である。
[0083] 実施例で用いられる場合を含めて、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる場合、特に明示的な指定がない限り、数値はすべてあたかも「約」又は「およそ」という単語が前置されているかのように読み得るとともに、この用語が明示的に現われなくても同様である。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記載するとき、記載の値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示唆するために使用し得る。例えば、数値は、明記された値(又は値の範囲)±0.1%、明記された値(又は値の範囲)±1%、明記された値(又は値の範囲)±2%、明記された値(又は値の範囲)±5%、明記された値(又は値の範囲)±10%などの値を有し得る。本明細書に挙げられた数値範囲はいずれも、それに含まれるすべての部分範囲を含むことが意図される。
[0084] 本明細書で用いられる場合、「実質的にフラット」という用語は、表面に関して用いられるとき、表面上のすべての点が、互いに平行であり且つ0.25mm以下離れている2つの理想平面によって画定されるスペース内にあることを意味する。
[0085] 本明細書で用いられる場合、「マイクロ物体」という用語は、無生物マイクロ物体、例えば、マイクロ粒子、マイクロビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズなど)、磁気ビーズ、マイクロロッド、マイクロワイヤ、量子ドットなど、生物学的マイクロ物体、例えば、細胞(例えば、胚、卵母細胞、精子細胞、組織分離細胞、真核細胞、原生生物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞、免疫細胞、ハイブリドーマ、培養細胞、細胞系由来細胞、癌細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞及び/又はトランスフォーム細胞、レポーター細胞、原核細胞など)、生物学的オルガネラ、ベシクル又は複合体、合成ベシクル、リポソーム(例えば、合成又は膜調製物由来)、脂質ナノラフト(Ritchie et al.(2009)“Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs,”Methods Enzymol., 464:211-231に記載)など、又は無生物マイクロ物体と生物学的マイクロ物体との組合せ(例えば、細胞装着マイクロビーズ、リポソーム被覆マイクロビーズ、リポソーム被覆磁気ビーズなど)の1つ以上を包含し得る。ビーズは、共有結合又は非共有結合された他の部分/分子、例えば、蛍光標識、タンパク質、低分子シグナリング部分、抗原、又はアッセイで使用可能な化学的/生物学的種をさらに有し得る。
[0086] 本明細書で用いられる場合、「細胞」という用語は、植物細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、細菌細胞、菌類細胞などであり得る生体細胞を意味する。哺乳動物細胞は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、霊長動物などに由来し得る。
[0087] 本明細書で用いられる場合、「細胞を維持する」という用語は、細胞の生存可能性及び/又は拡大を保つのに必要な条件を提供する流体成分及び気体成分の両方を含む環境を提供することを意味する。
[0088] 本明細書で用いられる場合、細胞を参照するときの「拡大する」という用語は、細胞数が増加することを意味する。
[0089] 本明細書で用いられる場合、「インポート/エクスポートチップ」とは、細胞培養プレートの1つ以上のウェルに嵌合するようにかつ物質及び/又は媒体の堆積/抜出しを行うようにサイズ調整された機械的送達デバイスを意味する。インポート/エクスポートチップは、例えば、ニードル、ピン、又は細胞培養プレート内に位置する若しくは細胞培養プレート用として意図された物質及び/若しくは媒体に接着可能な表面を有する類似の構造体を含み得る。インポート/エクスポートチップは、例えば、細胞培養プレート内に位置する又は細胞培養プレート用として意図された物質及び/又は媒体の通過を可能にするのに十分な大きさの内径を有する中空送達チューブをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップは、金属材料又はセラミック材料から作製し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップは、ポリマー(例えば、プラスチック)から作製し得る。例えば、インポート/エクスポートチップは、外側スリーブを用いて剛性化してもしなくてもよいプラスチックチューブを含み得る。他の実施形態では、インポート/エクスポートチップは、カニューレ又はニードルであり得る。インポート/エクスポートチップは、移動する物質に適合可能な任意のタイプの材料であり得る。インポート/エクスポートチップは、オートクレーブ処理に好適であり得るか又はディスポーザブルであり得る。
[0090] 本明細書で用いられる場合、「マイクロ流体デバイス」とは、流体を保持するように構成された1つ以上の離散マイクロ流体回路(各回路は、限定されるものではないが、領域、チャンバー、チャネル、及び/又はペンをはじめとする相互接続回路エレメントを含む)と、マイクロ流体デバイスに対して流体(及び任意選択的に流体中に懸濁されたマイクロ物体)の流入及び/又は流出を可能にするように構成された少なくとも2つのポートとを含むデバイスである。典型的には、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路は、約1mL未満、例えば、約750、500、250、200、150、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、若しくは5μL未満(又は約2〜5、2〜10、2〜15、2〜20、5〜20、5〜30、5〜40、5〜50、10〜50、10〜75、10〜100、20〜100、20〜150、20〜200、50〜200、50〜250、若しくは50〜300μL)の体積の流体を保持するであろう。
[0091] 本明細書で用いられる場合、「ナノ流体デバイス」とは、約1μL未満、例えば、約750、500、250、200、150、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1nL未満、若しくはそれを下回る(又は約100pL〜1nL、100pL〜2nL、100pL〜5nL、250pL〜2nL、250pL〜5nL、250pL〜10nL、500pL〜5nL、500pL〜10nL、500pL〜15nL、750pL〜10nL、750pL〜15nL、750pL〜20nL、1〜10nL、1〜15nL、1〜20nL、1〜25nL、若しくは1〜50nLの)体積の流体を保持するように構成された少なくとも1つの回路エレメントを含むマイクロ流体回路を有するタイプのマイクロ流体デバイスである。
[0092] 本明細書で用いられる場合、本発明の詳細な説明の参照番号は、具体的な実施形態を意味するだけでなく、発明事項の全範囲の外観を明確かつ容易にするためにも使用される。各エレメントの具体的な実施形態が図に示され、同一の参照番号が使用されるが、かかる使用は、発明事項の範囲を単一の実施形態に限定することを何ら意図したものではない。
[0093] インキュベーターの筐体内の内部チャンバーの細胞培養プレートへのアクセス性を向上させるとともに、さらにインキュベーターの内部チャンバーの汚染可能性を最小限に抑える、インキュベーター及びインキュベーターの使用方法が本明細書に開示される。本明細書に記載のインキュベーターは、インキュベーターの内部チャンバーにアクセスするためにスイング蓋又はドアを開ける必要のある従来のインキュベーターと比べて、ロボットアーム又は他のツール、例えば、インポート/エクスポートチップ若しくは他のサンプリングデバイスを用いてより容易にアクセス可能である。インキュベーターの内部チャンバーを外部環境に曝すスイング蓋又はドアがないため、インキュベーターの汚染可能性を大幅に減少させることが可能である。
[0094] インキュベーターは、複数のウェルを有する細胞培養プレートなどの細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバーを有する筐体を含み得る。筐体は、ウェルへのアクセスを可能にするように構成された1つ又は複数の開口を含み得る。インキュベーターは、筐体の開口(又は複数の開口)をシールするように構成されたシーリングエレメントを含み得る。例えば、シーリングエレメントは、本明細書の種々の実施形態に記載されるような蓋及び/又はプリント回路基板(PCB)などのインキュベーターの別の構造体とのシールを形成することができ、それにより、筐体の開口(又は複数の開口)をシールすることができる。他の構造体は、複数の開口を含み得る。シーリングエレメントは、他の構造体の複数の開口がすべて閉塞される閉位置と、シーリングエレメントの複数の開口がインキュベーターの他の構造体の開口のすべて又はサブセットに位置合せされる開位置との間で移動することができる。シーリングエレメントは、PCBのような、インキュベーターの他の構造体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含み得る。PCBは、他の構造体に係合又は一体化され得る。シーリングエレメントは、他の構造体に対して開位置及び閉位置に移動することができる一方、他の構造体は、固定式である。他の構造体は、細胞培養皿114のウェル120のそれぞれに位置合せされるか、又は対応する開口を含み得る。
[0095] いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、シーリングエレメントの1つの表面(例えば、筐体に対して外側に面する表面)及び/又はインキュベーターの別の構造体の1つの表面(例えば、筐体に対して内側に面する表面)に適用され得る。フィルムは、約0.5mm未満(例えば、約400、約300、約250、約200、約150、約125又は約100ミクロン未満)の厚さを有し得る。フィルムは、フィルムをシーリングエレメント又は構造体に固定する接着剤層を含み得る。任意選択的に、接着剤は、フィルムを(例えば、剥離によって)容易に除去することができ、任意選択的に、新たなフィルムと交換することができるように選択される。フィルムは、貫通可能であり得る。例えば、フィルムは、インポート/エクスポートチップが適度な量の力のみでフィルムを通過することを可能にするようにプレカットされ得る。代替的に、フィルムは、インポート/エクスポートチップによって貫通させることができ、任意選択的に、インポート/エクスポートチップを取り除くと再シールすることができる材料を含み得る。
[0096] 筐体。インキュベーター100は筐体102を含む。筐体102は、基体104と蓋106、206、306とを含み得る(図1A〜図1Bの1つの代表例並びに図5Cから図5E、図16及び図20の他の代表例を参照されたい)。基体104及び蓋106、206、306は、インキュベーター100の内部チャンバー110を規定し得る。いくつかの実施形態では、基体104、蓋106、206、306、及びフロントプレート156は、インキュベーター100の内部チャンバー110を規定し得る。いくつかの実施形態では、基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成可能である。いくつかの好適な材料は、アルミニウム、黄銅、セラミック、又は他の銅含有合金を含み得る。銅含有合金は、銅含有分が抗微生物性を付与するために特に有用であり得る。
[0097] インキュベーター100は、筐体に結合された断熱材料(例えば、図7から図8の断熱パネル170を参照されたい)を更に含み得る。断熱材料は、筐体の1つ以上の外表面に付着され得る。様々なプラスチックを使用して、基体104の外壁に取外し可能に若しくは永久的に結合され得るか、又は蓋として使用するために作製され得る断熱パネルを形成し得る。例えば、好適な断熱プラスチックの1つの分類は、広範囲の配合で入手可能であり、ULTEM(商標)(SABIC)として市販されているアモルファス熱可塑性ポリエーテルイミドであり得る。断熱パネルは、1つ以上の凹部を組み込むように形成され得、凹部は、筐体を更に断熱する空気を含む。いくつかの実施形態では、断熱パネルは、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mmm、9mm又は約10mmの厚さであり得る。断熱パネルは、パネルの外表面と、パネルが装着される筐体の外表面との間に凹部を形成するように作製され得る。例えば、筐体102の基体104に装着された断熱パネルは、その内表面を空洞化させることにより、パネル170が基体104に装着される箇所を除いて、断熱用パネルの内表面を基体102の外表面から約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm又は約11mm離して配設されるように作製され得る。これにより、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm又は約11mmの厚さのエアポケットを基体104の側部に形成し得る。断熱パネルは、オートクレーブ処理に好適であり得るか、又はオートクレーブ処理前に筐体から取り外され得る。
[0098] 蓋。蓋106、206、306は、筐体102外の外表面と筐体102内の内表面とを含み得る(図1Aから図1Bの1つの代表例及び図16の別の代表例を参照されたい)。蓋106、206、306は、蓋アセンブリー108の一部であり得る(図3Aから図3Cの1つの代表例を参照されたい)。蓋106、206、306の内表面は、1つ以上の任意の凹部124を含み得る。蓋106、206、306の凹部124は、筐体ガスケット307(図21)、アクセス構造体/プリント回路基板(PCB)132、232、シーリングエレメント116、216及び/又はスペーサー134(それぞれ以下で更に詳細に記載される)を含む蓋アセンブリー108の一部を収容するように構成され得る。いくつかの場合、凹部124は、ガスフローを流すように及び/又は断熱を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、内表面は、開口212の群213を実質的に包囲可能な1つ以上の凹部を含み得る(図5Bの1つの代表例を参照されたい)。各群213は、複数の開口212の2つ以上(例えば、3つ、4つ、6つなど)の開口212を含み得る。開口212の群213は、シーリングエレメント116、216が閉位置にあるとき、蓋206とシーリングエレメント116、216との間に形成されるシールを向上させることができる。例えば、シーリングエレメント116、216の開口118、218は、群213の開口212間のスペースによって閉塞させることができる。群213の左側の開口212は、開口の第1のサブセットを形成することができる一方、群213の右側の開口212は、開口の第2のサブセットを形成することができる。いくつかの実施形態では、蓋106、206の凹部は、シーリング材料及び/又は断熱材料を用いてシールされ得る。シーリング材料は、筐体内の空気が1つ以上の凹部に充填されることを防止するように構成され得る。したがって、蓋106、206は、ガスが充填されたか又はガスが実質的に欠如した複数のポケットを含み得る(例えば、ポケットは真空又は大気圧未満の圧力を含み得る)。いくつかの実施形態では、シーリング材料は、蓋106、206の内表面に接着された接着剤層を含み得る。接着剤層は、断熱材料を含み得る。いくつかの実施形態では、蓋106、206、306は、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318及び細胞培養皿114のウェル120に対応し得る1つ以上の開口を含むことができ、この一例は、図20に示される。図20に示される蓋306は、シーリングエレメント316の1つの表面(開口318を含む)の一部分が周囲空気に曝されるようにより大きい開口312を有する。蓋306の開口312は、PCB132の複数の開口138にも対応し得る。いくつかの実施形態では、蓋106、206、306は、ポリマー又はプラスチックなどの剛性断熱材料から作製される。他の実施形態では、蓋106、206、306は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、他の銅含有合金又はセラミック)から作製される。蓋を作製し得る好適なプラスチックの分類の1つは、上記のポリエーテルイミド(例えば、ULTEM(商標))である。蓋は、使用後にオートクレーブ処理され得る材料から作製され得る。
[0099] より大きい開口312(例えば、筐体102内に入れられたウェル120及び細胞培養皿114の面積とほぼ同じ面積に相当する)を蓋306に用いることで、いくつかの実施形態では、インキュベーター100の態様の動作を向上させることができる。例えば、シーリングエレメント316に面する蓋306の表面積を減少させると、シーリングエレメント316と蓋306との間の摩擦及び圧力を低減することができる。蓋306のより大きい開口312は、周囲空気に接触するシーリングエレメント316の表面積を増加し、蓋306及びシーリングエレメント316の周りに、これらに隣接して形成される凝縮を低減することができる。例えば、蓋306の開口312に蓋構造がなければ、凝縮を受け入れる可能性のある表面としての表面が排除される。凝縮が低減されるとインキュベーター100の動作が向上し、汚染の可能性を更に低減することができる。
[0100] 蓋106、206、306は、基体104に蓋106をシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクターを含み得る。1つ以上のコネクターの例としては、磁石、可撓性タブ、可撓性クリップ又は類似の構造体が挙げられる。一例では、蓋は、ピン215bに係合して蓋206を基体に固定するように構成され得る可撓性タブ215を含む(図5Cから図5Eの1つの代表例を参照されたい)。基体104と蓋106との間のシールが気密である必要はない。
[0101] いくつかの実施形態では、蓋は、「引き上げて除去する」などの指示マーク207aを含む外表面207を含み得る(図5Aの1つの代表例を参照されたい)。蓋206はまた、「押して設置する」などの指示215cを圧縮タブ215上に含み得る。マーク207a及び指示215cは、コンピュータイメージングプログラムにより機械可読になるように着色、エッチング、又は適合が可能である。
[0102] 蓋106及び関連する蓋アセンブリー108は、細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを提供する複数の開口112を筐体102内に含み得る。
[0103] 蓋アセンブリー。インキュベーター100の蓋アセンブリー108は、アクセス構造体/プリント回路基板(PCB)132、232(図3B、図3F、図4B及び図5Hの各種代表例を参照されたい)を含み得る。PCB132は、インキュベーター100の蓋106の一部であり得るか、又はインキュベーター100の蓋106に結合され得る。別の例では、PCB132は、筐体とシーリングエレメント216との間に位置決めされ得る。例えば、PCB132は、シーリングエレメント116と、蓋106などの筐体102の頂部の内表面との間に位置し得る。代替的に、PCB232は、PCB232と筐体102の頂部との間にシーリングエレメントを介設して筐体102の頂部(例えば、蓋206)の近くに(例えば、近接して)位置決めされ得る(図3Eから図3Fの代表例を参照されたい)。PCB132、232は、シーリングエレメント116、216、316及び/又はスペーサー134の実質的にフラットな表面に直接接触する表面を有し得る。PCBは、シーリングエレメント116、216、316及び/又はスペーサー134の実質的にフラットな表面に直接接触する実質的にフラットな表面を含み得る。アクセス構造体/PCB132、232は、蓋106、206の複数の開口112、212に位置合せされて筐体102の開口を提供する複数の開口138、238を含み得る。いくつかの実施形態では、PCB132、232は、PCB132、232上に1つ以上のセンサーを含む。1つ以上のセンサーは、温度センサー、湿度センサー、酸素センサー及び二酸化炭素センサーからなる群から選択され得る。PCB132、232及び/又は1つ以上のPCBセンサーのそれぞれは、耐湿性材料で被覆され得る。耐湿性材料は、非腐食性且つ湿度不透過性である非導電ポッティング材であり得る。耐湿性材料は、エポキシ系又はウレタン系ポリマーであり得る。
[0104] 更に他の実施形態では、PCB132、232は、以下に更に詳細に記載されるように、抵抗加熱素子を含み得る。抵抗加熱素子は、筐体102の内部チャンバー110及び/又は細胞培養プレート114に面するPCB132、232の側に位置し得る。代替的に、抵抗加熱素子は、PCB132、232の内部に位置し得る。PCB132、232は、多層構造を含み得る。多層構造は、抵抗加熱素子がPCB132、232の外部のインキュベーター環境に曝されないように内部に抵抗加熱素子を含み得る。PCB132、232の多層構造は、PCB132、232の剛性を向上させ、結果としてシーリングエレメント116、216、316とPCB132、232との間のシールを向上させることができる。1つ以上のセンサー及び/又は抵抗加熱素子がPCB132、232内に含まれる場合、これらの素子のそれぞれは、各素子がPCB132、232の開口138、238を妨げないように位置する。いくつかの実施形態では、蓋アセンブリー108は、インキュベーターから取外し可能であり得る。いくつかの実施形態では、PCBは、各使用後に使い捨てできるように設計され得る。PCB132、232は、コネクター136を介してコントローラー174(図17の1つの代表例を参照されたい)及び/又は他のコンポーネントに接続され得る。
[0105] いくつかの実施形態では、蓋アセンブリー108は、筐体102の基体104とPCB132及び蓋106、206、306などの他の構造体との間に断熱を提供するための筐体ガスケット307(図21の1つの代表例を参照されたい)を含み得る。筐体102の基体104とPCB132との間に筐体ガスケット307を使用することで、PCB132上の凝縮を低減することができる。筐体ガスケット307は、低い熱伝導率を有する任意の断熱材料から作製することができる。図21に示される筐体ガスケット307の材料は、ゴム類似材料である。筐体ガスケット307を使用することで、特に約4℃から10℃の温度などのインキュベーターの低温運転中にPCB132上に形成される凝縮を低減することができる。
[0106] いくつかの実施形態では、インキュベーター100の態様は、筐体102及びその近傍の凝縮が最小限になるように又は排除されるように設計され得る。例えば、蓋106、206、306の内表面及び外表面の形状及びトポグラフィは、凝縮が最小限になるように設計され得る。シーリングエレメントの形状と、PCBと、加熱素子及び冷却素子の動作温度とはまた、凝縮が最小限になるように調整され得る。例えば、本明細書中に記載されるインキュベーター100のいくつかの使用方法では、細胞は、1つの場所から細胞培養皿114のウェル120へとエクスポートされ得る。いくつかの例では、核酸(例えば、RNA、DNA等)の分解、新たな核酸分子(例えば、RNA、DNA等)の合成、細胞の代謝等のような細胞の活動を実質的に失わせるために十分に低温で細胞を培養することが望ましい場合がある。これらの用途では、インキュベーターの基体104は、約5℃の温度など、より低温に設定することができ、これにより筐体102が約8℃の温度を有することになり得る。PCB132は、シーリングエレメント116、216、316の露点を超えてすぐの温度に設定され得る。例えば、約15℃から16℃の露点に対して、PCBは、約17℃の温度に設定され得る。
[0107] いくつかの実施形態では、インキュベーター100は、蓋アセンブリー108の一部として任意のスペーサー134を含み得る(いくつかの例示的な実施形態が図2C及び図3Cに示される)。スペーサー134は、シーリングエレメント116、216、316が開位置と閉位置との間で移動するとき、シーリングエレメント116、216、316とPCB132、232との間の摩擦を低減するように構成され得る。スペーサー134は、複数の開口142を有し得る。スペーサー134の複数の開口142は、蓋106、206、306の1つ以上の開口112、212、312とともに構造体の複数の開口に位置合せされ、筐体102の開口を提供することができる。スペーサー134の複数の開口142は、PCB132、232の複数の開口138、238に位置合せされ得る。種々の実施形態では、スペーサー134の複数の開口142は、蓋106、206、306の1つ以上の開口112、212、312に位置合せされるとともに、PCB132、232の複数の開口138、238に位置合せされる。スペーサー134は、PCB132、232とシーリングエレメント116、216との間に位置し得る。スペーサー134は、シーリングエレメント116、216が閉位置と任意の可能な開位置との間で移動する際、シーリングエレメント116、216に係合するように構成され得る。スペーサー134は、ゴム、シリコーンなどの圧縮性材料又はシーリングエレメント116、216とPCB132、232との間の摩擦を低減することができる他の高分子材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、スペーサー134は、使用中にオートクレーブ処理され得るように取外し可能に組み立てられ得る。他の実施形態では、スペーサー134は、各使用後に使い捨て可能であり得る。
[0108] いくつかの実施形態では、スペーサー134は蓋アセンブリー108から省略される。いくつかの実施形態では、PCB132、232の外表面は、気相堆積によりParylene(商標)で被覆可能であり、これによりシーリングエレメントの運動により引き起こされる摩耗からPCBを保護可能である。他のタイプのコーティング、例えば、シーリングエレメント116、216とPCB132、232との間の摩擦を低減するウレタン系コーティング並びに他の化学品、材料、及びポリマーをPCB上で使用可能である。
[0109] 筐体の開口。細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスは、筐体の1つ以上の開口によって提供され得る。筐体の1つ以上の開口は、異なる数、サイズ、形状及びパターンを有する、インキュベーターのコンポーネントの開口によって形成され得る。蓋106、206の開口112、212によって提供される筐体102の開口の数(いくつかの例示的な実施形態は、図1Aから図1B及び図5Aから図5Eに示される)及び関連する蓋アセンブリー108(PCB132、232及び任意選択的にスペーサー134を含み得る)の開口(138及び任意選択的に142)は、細胞培養プレート114のウェル120の数と同じであり得る。蓋106、206、PCB132、232及び任意のスペーサー134の開口(112、212、138、238、142)は、筐体102内で細胞培養プレート114のウェル120に位置合せされ得る。他の実施形態では、蓋306の開口312の数及びサイズは、蓋アセンブリー108の他の要素(PCB132、232及び任意選択的にスペーサー134を含み得る)の開口の数と異なり得る(例えば、この数よりも少ないことができる)。したがって、いくつかの実施形態では、筐体102の開口の数は、細胞培養プレート114のウェル120の数と異なり得る。いくつかの実施形態では、蓋306は、細胞培養プレート114のウェル120によって画定される面積に対応する単一の大きい開口312を含み得る。いくつかの実施形態では、蓋306は、複数の大きい開口(例えば、2つ、3つ、4つ等)を含むことができ、そのそれぞれは、細胞培養プレート114の複数のウェル120によって画定される面積に対応する(例えば、ウェルの総数の1/2、1/3、1/4等)。そのような実施形態では、PCB132、232及びシーリングエレメント116、216、316のそれぞれは、細胞培養プレート114のウェル120(例えば、個々のウェル)にアクセスするために使用可能な複数の開口118、138、318を提供することができる。2つ以上の種類の細胞培養プレートがインキュベーター100内で使用される場合、使用され得る細胞培養プレートのウェルの数よりも少ない数の開口を蓋が有する構成及び対応する数の開口を有するように蓋を変更することをオペレーターは望まない。
[0110] いくつかの実施形態では、筐体102は96の開口を有し得る。他の実施形態では、筐体102は、384の開口を有し得る。いくつかの実施形態では、開口数は、96未満であり得るか又は384超若しくは未満であり得る。いくつかの実施形態では、筐体102は、24以下(例えば、12又は6つ)の開口を有し得る。他の実施形態では、筐体102は、6つ以下の開口を有し得る。
[0111] 基体。基体104は、筐体102の内部チャンバー110の一部又は全部を形成する中空領域を有するように構成可能である(図1Bに1つの代表例が示され、図10A及び図17Aに他の代表例が示される)。基体104は、底部と4つの壁とを含み得る。4つの壁は、筐体102の内部チャンバー110の一部又は全部を形成する中空領域を規定可能である。いくつかの実施形態では、4つの壁の1つは他の3つの壁の高さよりも低い高さを有し得る。いくつかの実施形態では、4つの壁の3つの高さは同一である。基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料で作製し得るとともに、以上に記載の好適な材料のいずれかであり得る。一実施形態では、基体104は、黄銅又は他の銅含有合金から作製される。基体104は、以上に記載のように装着された断熱パネルを有し得るとともに、アセンブル時又は部分若しくは完全ディスアセンブリ時のいずれかでオートクレーブ処理し得る。
[0112] いくつかの実施形態では、基体104及び蓋106は同一の材料で形成される。他の実施形態では、基体104及び蓋106は異なる材料から形成される。
[0113] シーリングエレメント。本明細書に記載のインキュベーター100は、シーリングエレメント116(図1Bに1つの代表例が示される)、シーリングエレメント216(図5Fから図5Gに1つの代表例が示される)及びシーリングエレメント316(図20に1つの代表例が示される)を含む。シーリングエレメント116、216、316は、筐体102の内部チャンバー110内に位置し得る。例えば、シーリングエレメント116、216、316は、細胞培養プレート114とインキュベーター100の蓋106、206、306との間に位置するように構成され得る。シーリングエレメント116、216、316は、筐体102内の細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを提供する、インキュベーター100の蓋106、206、306の1つ以上の開口112、212、312を遮断するように構成され得る。例えば、シーリングエレメント116、216、316は、細胞培養プレート114のウェル120と蓋106、206、306の1つ以上の開口112、212、312との間の複数の経路を遮断するか、閉塞するか又は遮るように構成され得る。シーリングエレメント116、216、316は、それぞれ細胞培養プレート114のウェル120の一部又は全部に対応し得る1つ以上の複数の開口118、218、318を含み得る。シーリングエレメント116、216、316の開口118、218、318のすべて又はサブセットは、PCB132であり得る別の構造体の開口のすべて又はサブセットに位置合せされるように移動され得る。筐体102の内部チャンバー110及び存在する場合にはその中の細胞培養プレート114へのアクセスは、複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の1つ以上がシーリングエレメント116、216、316の1つ以上の開口118、218、318に位置合せされるようにシーリングエレメント116、216、316を位置決めすることによって提供され得る。いくつかの実施形態では、インキュベーター100は、より大きい開口312(図20)を蓋306に含むことができ、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318は、移動して、他の構造体(例えば、PCB132)の開口138のすべて又はサブセットを閉塞又は部分的に閉塞し、開口312、開口118、218、318及び開口138を通じた細胞培養プレート114のウェル120への経路を提供する。
[0114] シーリングエレメント116、216、316は、金属又はプラスチックを含む多様な材料で作製することができる。好適な金属の例としては、鋼(例えば、ステンレス鋼)、アルミニウム、黄銅等が挙げられる。シーリングエレメントは、金属コアを含み得る。好適なプラスチック/ポリマーとしては、ULTEM、PEEK、テフロン等が挙げられる。金属シーリングエレメントを使用すると、熱伝達を向上させることができ、凝縮がシーリングエレメント上に形成されるか又は集まる可能性を低下させることができる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316は、鋼又はステンレス鋼で作製される。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316は、シーリングエレメント116、216、316を使い捨て可能又はオートクレーブ処理に適したものにすることが可能な安価な代替物であるアルミニウム又は黄銅で作製される。他の実施形態では、使い捨て可能性又はオートクレーブ処理への耐性を可能にするプラスチック材料も使用され得る。
[0115] いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、少なくとも1.5mmの厚さを有し得る。例えば、シーリングエレメントは、少なくとも2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm又はそれを超える厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、約1.5mmから約6.0mm、約2.0mmから約5.0mm、約2.5mmから約4mm、約3.0mmから約3.5mm又は前述の終点の2つによって画定される任意の他の範囲の厚さを有し得る。
[0116] シーリングエレメント116、216、316は、実質的にフラットな表面を有し得る。例えば、シーリングエレメントの実質的にフラットな表面上のすべての点は、互いに平行であり且つ0.2mmの距離離れている2つの理想平面によって画定されるスペース内にあり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの実質的にフラットな表面上のすべての点は、互いに平行であり且つ1.8mm、1.6mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1.0mm又はそれより短い距離離れている2つの理想平面によって画定されるスペース内にあり得る。
[0117] シーリングエレメント116、216、316は、シーリングエレメント116、216、316が筐体102の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)のいくつか又はすべてをカバーする閉位置と、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318が筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の少なくとも一部分に位置合せされる開位置との間で移動可能であり得る。シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318は、筐体102内で細胞培養プレート114の複数のウェル120のすべて又はサブセットに位置合せされるように構成され得る。
[0118] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318は、筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)と同数であり得る。他の実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318は、筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)よりも少ない数であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12又はそれを下回る。
[0119] 図5C〜図5Eは、それぞれシーリングエレメント116、216が第1の開位置及び第2の開位置にあるときに筐体102内に位置する細胞培養プレート114へのアクセスを提供可能な筐体102の開口の第1及び第2のサブセット212a、212b(238及び任意選択的に142を含む)を例示する。図5Cは、蓋206の開口212が閉塞されるように閉位置にあるシーリングエレメント216を例示する。図5Dは、シーリングエレメント216の第1の複数の開口218(図示せず)が蓋206の開口列212aに位置合せされた結果として開口列212aが開状態になると同時に開口列212bが閉塞されるように第1の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。図5Eは、シーリングエレメント218の第1の複数の開口218(図示せず)が蓋206の開口列212bに位置合せされた結果として開口列212bが開状態になると同時に蓋206の開口列212aが閉塞されるように第2の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
[0120] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316は、第1の複数の開口118、218、318と異なり得る第2の複数の開口118、218、318を更に有し得る。例えば、第2の複数の開口118、218、318は、第1の複数の開口118、218、318と物理的に異なる位置にあり得る。第1及び第2の複数の開口118、218、318は、蓋アセンブリー108の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)のサブセットに対応し得、例えば、シーリングエレメント116、216、316の第1及び/又は第2の複数の開口118、218、318の開口数は、蓋アセンブリー108の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数よりも少ない数であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1及び/又は第2の複数の開口118、218、318の開口数は、蓋アセンブリー108の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12又はそれを下回る。
[0121] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316は、第1及び/又は第2の複数のものと異なり得る第3の複数の開口118、218、318を更に有し得る。例えば、第3の複数の開口118、218、318は、第1の複数及び/又は第2の複数の開口118、218、318と物理的に異なる位置にあり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318の開口数は、蓋アセンブリー108の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12又はそれを下回る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1、第2及び/又は第3の複数の開口118、218、318の開口数は、蓋アセンブリー108の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12又はそれを下回る。
[0122] シーリングエレメント116、216、316が蓋アセンブリー108の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)をカバーする閉位置から第1の開位置にシーリングエレメント116、216、316が移動する場合、第1のシーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318は、蓋アセンブリー108の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第1のサブセットに位置合せされ、第1のサブセットにない蓋アセンブリー108のすべての他の開口は、閉塞される。シーリングエレメント116、216、316が第2の複数の開口118、218、318を有する場合、シーリングエレメント116、216、316は、閉位置又は第1の開位置から第2の開位置に更に移動し得、第2のシーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318は、蓋アセンブリー108の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第2のサブセットに位置合せされ、第2のサブセットにない蓋アセンブリー108のすべての他の開口は、閉塞される。シーリングエレメント116、216、316が第3の(又は更なる)複数の開口118、218、318を有する場合、シーリングエレメント116、216、316は、閉位置、第1の開位置又は第2の開位置から第3の(又は更なる)開位置に移動し得、シーリングエレメント116、216、316の第3の(又は更なる)複数の開口118、218、318は、蓋アセンブリー108の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第3の(又は更なる)サブセットに位置合せされ、第3の(又は更なる)サブセットにない蓋アセンブリー108のすべての他の開口は、閉塞される。シーリングエレメント116、216、316を第1、第2、第3の又は更なる開位置に移動させることにより開かれる蓋アセンブリーの開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)のサブセットは、シーリングエレメント116、216、316を他の開位置の1つ又はすべてに移動させることにより開かれる蓋アセンブリー108の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)のサブセットと重複しなくてもよい。
[0123] シーリングエレメント及び蓋アセンブリーの開口のサイズ。筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)(蓋アセンブリー108を構成する蓋106、206の開口及びエレメントの開口を含み得る)及びシーリングエレメント116、216、316の1つ以上の複数の開口118、218、318は、インポート/エクスポートチップが細胞培養プレート114の個々のウェル120にアクセスすることが可能となるようなサイズにされ得る。いくつかの場合、開口は、細胞培養プレート114のウェル120のサイズ及び形状に対応するようなサイズにされ得る。他の実施形態では、筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)及びシーリングエレメント116、216、316の開口118、218、318は、インポート/エクスポートチップが細胞培養プレート114の個々のウェル120にアクセスすることを可能とするのに十分な大きさのサイズにすることができ、必ずしもウェル120と同一のサイズ又は形状のものである必要はない。例えば、開口は、八角形であり得る一方、ウェル120は、丸形であり得るか、又は開口は、ウェル120よりもわずかに小さいことができる一方、なおインポート/エクスポートチップがウェル120にアクセスすることを可能にする。いくつかの実施形態では、開口(112、212、118、218、138、238及び任意選択的に142)は、インキュベーター100の内部チャンバー110内の蒸気相が開口を通過してインキュベーター100の外部に出るのを制限するようなサイズにされ得る。
[0124] インキュベーターの種々の実施形態では、筐体(又は蓋)の1つ以上の開口の各開口は、約20cm3から約100cm2(例えば、約20cm2、約25cm2、約30cm2、約35cm2、約40cm2、約45cm2、約50cm2、約55cm2、約60cm2、約65cm2、約70cm2、約75cm2、約80cm2、約85cm2、約90cm2、約95cm2、約100cm2、約105cm2、約110cm2又は前述の値の任意の2つによって画定される範囲内)の面積を有することができる。種々の実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116の複数の開口(112、212、118、218、138、238及び任意選択的に142)は、約1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、4.0mm、4.2mm、4.4mm、4.6mm、4.8mm、5.0mm、5.2mm、5.4mm、5.6mm、5.8mm、6.0mm、6.2mm、6.4mm、6.6mm、6.8mm、7.0mm、7.2mm、7.4mm、7.6mm、7.8mm、8.0mm、8.2mm、8.4mm、8.6mm、8.8mm、9.0mm、9.2mm、9.4mm、9.6mm、9.8mm又は約10.0mmの直径を有する円の面積に等しい面積を別個に有し得る。いくつかの実施形態では、構造体132、232及び/又はシーリングエレメント116、216、316の複数の開口は、約1mmから約10mm、約1mmから約5mm、約1.5mmから約4.5mm、約1.7mmから約4.0mm、約1.7mmから約1.8mmの直径を有する円の面積に等しい面積を別個に有し得る。いくつかの実施形態では、構造体132、232及び/又はシーリングエレメント116、216、316の複数の開口は、約10mm未満且つ約1mm超、約5mm未満且つ約1mm超、約4mm未満且つ約1mm超、約3mm未満且つ約1mm超、又は約2mm未満且つ約1mm超の直径を有する円の面積に等しい面積を別個に有し得る。種々の開口の前述の面積は、円の面積の観点から画定されるが、開口は、円形を有しても有しなくてもよい。例えば、筐体102及び/又はシーリングエレメント116の開口(112、212、118、218、138、238及び任意選択的に142)は、楕円形、多角形(例えば、規則的又は不規則な多角形)、星形又は不規則な形状を別個に有し得る。
[0125] 筐体102及び/又はシーリングエレメント116の複数の開口(112、212、118、218、318、138、238及び任意選択的に142)のそれぞれの直径は、インキュベーター100のプロセス条件及び特性並びにインキュベーター100で使用される細胞培養プレート114に基づいて選択され得る。インキュベーター100のプロセス条件及び特性の例としては、開口(112、212、118、218、318、138、238及び任意選択的に142)のサイズ及び数、開口を通る所望の蒸気流量、ウェル120の数を含む細胞培養プレート114の構成、インキュベーター100の内部チャンバー110の所望の正圧動作範囲、パージガスの組成等が挙げられる。例えば、96個のウェル120を有する細胞培養プレート114をインキュベーター100で使用する場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216、316の開口(112、212、118、218、318、138、238及び任意選択的に142)は、それぞれ約1.5mmから約4mm、約1.7mmから約4mm又は約1.726mmから約4mmの直径を有するサイズにされ得る。例えば、384個のウェル120を有する細胞培養プレート114をインキュベーター100で使用する場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216、316の開口(112、212、118、218、318、138、238及び任意選択的に142)は、それぞれ約1.5mmから約2.5mm、約1.7mmから約2.0mm又は約1.726mmから約1.8mmの直径を有するサイズにされ得る。
[0126] 筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)は、シーリングエレメント116、216、316の1つ以上の複数の開口118、218、318の直径のサイズと同一直径サイズを有し得る。筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)及びシーリングエレメント116、216、316の1つ以上の複数の開口118、218、318は、複数の異なるサイズの開口を含み得る。筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216、316の複数の開口の第1のサブセットは、第1のサイズを有し得る。筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216、316の複数の開口の第2のサブセットは、第2のサイズを有し得る。いくつかの場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216、316の複数の開口の第3のサブセットは、第3のサイズを有し得る。第1のサイズと、第2のサイズと、第3のサイズとは、異なり得る。いくつかの実施形態では、筐体102の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)のサイズは、第1のサイズであり、シーリングエレメント116、216、316の開口118、218、318のサイズは、第2のサイズであり、インポート/エクスポートチップが進入することができる限り、第2のサイズは、第1のサイズと異なる。
[0127] インキュベーター100のシーリングエレメント116、216、316と他の構造体との間のシールが気密である必要はない。シールは、いくらかのガスフローが内部チャンバー110から開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)を通ってインキュベーター100の外部に出ることを可能にするように構成され得る。例えば、内部チャンバー110にパージガスを提供するために加圧ガス源が設けられ得る。シーリングエレメント116、216、316が蓋106、206、306の開口112、212、312をシールするために閉位置にある間、パージガスのわずかなガスフローは、筐体102の内部チャンバー110を通過し、蓋106、206、306の開口112、212、312を通って出ることができる。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110内の環境の汚染の可能性を防止するか又は最小限にするために、内部チャンバー110内の低い正圧が維持され得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316は、加圧ガス源からのガスが内部チャンバー110に流入するときに筐体102が内部チャンバー110内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psiから約0.01000psi高く維持することを可能にする、筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)のいずれかとのシールを形成するように構成されている。
[0128] 1つ以上のフィルム層。シーリングエレメント116、216、316は、1つの表面(例えば、筐体に対して外側に面する表面)上に配設された1つ以上のフィルム層を含み得る。代替的に又は付加的に、構造体の1つの表面(例えば、筐体に対して内側に面する表面)は、その上に配設された1つ以上のフィルム層を含み得る。
[0129] 1つ以上の薄フィルム層は、フィルムをシーリングエレメント116、216、316又は他の構造体に固定する接着剤層を含み得る。任意選択的に、接着剤は、フィルムを(例えば、剥離によって)容易に除去することができるように選択される。除去時、新たなフィルム層がシーリングエレメント116、216、316又は他の構造体に固定され得る。フィルムは、貫通可能であり得る。例えば、フィルムは、インポート/エクスポートチップが適度な量の力のみでフィルムを通過することを可能にするためにプレカットされ得る。代替的に、フィルムは、インポート/エクスポートチップによって貫通させることができ、任意選択的に、インポート/エクスポートチップを取り除くと再シールすることができる材料を含み得る。
[0130] ウェルプレートインキュベーターは、隔室外部の圧力に対して負圧又は正圧を有し得る内部隔室内に位置し得るため、圧力差によりウェルプレートインキュベーターの表面上に空気流が生じる可能性がある。1つ以上のフィルム層は、ウェルプレートインキュベーターの表面上に空気流があるときに筐体内の内部雰囲気(例えば、湿度及び/又はCO2レベル)を維持し、汚染(例えば、細菌及び/又は真菌汚染)を低減するのに有利である。1つ以上のフィルム層は、ウェルプレート内のサンプルの汚染、蒸発、低CO2レベル等からの保護を提供することができる。
[0131] 1つ以上のフィルム層は、内部隔室と外部環境との間の圧力差が比較的大きい場合にウェルプレートインキュベーター内の内部雰囲気を維持するためにシーリングエレメント116、216、316又は他の構造体の外表面に適用され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、各ウェル上にプレカットパターンを有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、弾性フラップを有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、貫通可能なビニル加工品を有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、約50μmから約200μmの厚さを有し得る。例えば、1つ以上のフィルム層は、約100μmの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィルム層は、複数の層を有し得る。例えば、1つ以上のフィルム層は、第1のフィルム層(例えば、約50ミクロンから約200ミクロン又は約100ミクロンの厚さを有し得る)及び第2の接着剤層(例えば、約10から約50ミクロン又は約20ミクロンの厚さを有し得る)を含み得る。例えば、1つ以上のフィルム層は、ロボットプローブ又はピペットチップにより押されると容易に内側に曲がり、コアリング又は接着剤のファウリングなくサンプルへのアクセスを可能にする複数のフラップ(例えば、4つのフラップ)へとフィルムを切り離すプレカットパターンを各ウェル上に有し得る。弾性フラップは、サンプリング後、継続的な保護のためにその元の位置に復帰することができる。サンプリング後の長期保護のために、第2の層として連続フィルムが適用され得る。
[0132] 筐体の内部チャンバー。内部チャンバー110の体積は、所望のサイズを有する細胞培養プレート114を収容するように変更可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約50cm3〜約300cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約100cm3〜約500cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約200cm3〜約750cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約400cm3〜約1,000cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約500cm3〜約1500cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は約750cm3〜約2000cm3の体積を有する。
[0133] 本明細書に記載のインキュベーター100は、さまざまなサイズの細胞培養プレートを筐体102内に収容可能である。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は96ウェルプレートである。96ウェルプレートは、8ウェル×12ウェル構成を有し得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は384ウェルプレートである。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は96ウェル未満であり得る。例えば、12ウェル以下の細胞培養プレート114を使用可能である。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は6ウェル以下である。細胞培養プレートは、培養プレートのウェルのそれぞれが丸底(U字底、V字底を含む)又は平底のいずれかであり得る。
[0134] シーリングエレメントアクチュエーター。インキュベーター100はシーリングエレメントアクチュエーター144を含み得る(図6A〜図6Bに代表例が示され、図14及び図16に他の代表例が示される)。シーリングエレメントアクチュエーター144は、開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成可能である。シーリングエレメントアクチュエーター144は、モーター又はロータリーソレノイド又は類似のアクチュエータを含み得る。例えば、いくつかの場合、ステッパーモータを使用可能である。ステッパーモータは、例えば、0.5hzの周波数で動作可能である。代替的に、60hzの周波数で動作するロータリーソレノイドを使用可能である。
[0135] いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、閉位置と開位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、閉位置と複数の開位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるように構成可能である。例えば、アクチュエータ144は、閉位置と第1の開位置及び第2の開位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるように構成可能である。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216、316を第3の(又はさらなる)開位置に移動させるようにさらに構成可能である。アクチュエータ144は、第1の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるように構成し得る。次いで、アクチュエータ144は、第2の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるように構成し得る。アクチュエータ144は、第3の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるようにさらに構成し得る。
[0136] インキュベーター100は、筐体102の内部チャンバー110内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成可能である。インキュベーター100は、筐体102の内部チャンバー110内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成されたコントローラー174を含み得る(図18に代表例が示される)。筐体102の内部チャンバー110内の内部温度、湿度、及びガス含有率は、インキュベーター100内の物質を維持するように選択可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約4℃〜約40℃の範囲内に維持し得る。いくつかの実施形態では、温度は、約4℃〜約39℃、約4℃〜約20℃、約4℃〜約15℃、約4℃〜約10℃、約15℃〜約39℃、約20℃〜約38℃、約25℃〜約38℃、又は約30℃〜約38℃に維持可能である。いくつかの実施形態では、相対湿度は、約60%、70%、80%超、又は約90%超に維持される。いくつかの実施形態では、相対湿度は、約70%、75%、80%、85%、90%、又は約95%に維持される。いくつかの実施形態では、二酸化炭素含有率は、約1%、2%、3%、4%、又は約5%に維持される。
[0137] いくつかの実施形態では、インキュベーター100は、内部チャンバー110の温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラー174(図18に代表例が示される)を含み得る(図2B、図3B、図4B)。インキュベーター100は、基体104の底部、例えば筐体102に係合された第1の加熱/冷却デバイスを含み得る。代替的に、第1の加熱/冷却デバイスは、インキュベーター100の筐体102に直接接触又は間接接触する熱伝導性層に係合可能である。第1の加熱/冷却デバイスは、熱伝導性層に加熱又は冷却を提供可能である。熱伝導性層は、筐体102の一部に加熱又は冷却を提供可能である。熱伝導性層は、以上で考察したように熱伝導性材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、他の銅含有合金、又はセラミック)で作製可能である。熱伝導性層を使用することにより筐体102への熱伝達の均一性を向上させることが可能である。第1の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラー174により制御可能である。加熱/冷却デバイスの例としては、抵抗ヒーター、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイスなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、流体コイルは、ペルチェデバイスにより冷却/加熱するために流体の流入を可能にするアクセスポートをその外部に含む。流体コイルを有するいくつかの実施形態では、加熱/冷却デバイスは、基体104から分離したコンポーネントである。基体から分離可能な加熱/冷却デバイスを有する実施形態では、オートクレーブ処理できるようにディスアセンブリが可能である。他の実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102と一体化可能である。例えば、流体コイルは、筐体102の基体104と一体化可能である。温度コントローラー174は、1つ以上の温度センサーを含み得るか又はそれからの入力を受信し得る。温度センサーは、PCB132、232、筐体102の一部(例えば、基体104)、及び/又は第1の加熱/冷却デバイスに装着可能である。温度センサーの例としては、サーミスター及び/又は集積回路が挙げられる。集積回路は、より少ない電気ノイズ及び校正を必要とすることなく±0.25℃の確度を有し得る。
[0138] 第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の底部、例えば基体104の外表面に直接接触可能である(又は間接的に熱伝達を提供可能である)。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約75%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約80%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約85%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約90%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約95%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の内部チャンバー110の温度を約4℃〜約40℃、約4℃〜約39℃、約4℃〜約38℃か約4℃〜約37℃の範囲内に維持可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約10℃〜約37℃、約15℃〜約39℃、約20℃〜約38℃、約25℃〜約38℃、約30℃〜約38℃に維持可能である。他の実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の内部チャンバー110の温度を約4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、又は40℃に維持可能である。いくつかの実施形態では、筐体の内部チャンバー110は約37℃に維持される。
[0139] 本明細書に記載のインキュベーター100は、筐体102の頂部、例えば、蓋106、206又は蓋アセンブリー108又はPCB132、232の一部に係合された第2の加熱/冷却デバイスを含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102内に位置し得る。加熱/冷却デバイスの例としては、抵抗ヒーター、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイスなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは抵抗ヒーターであり得る。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102の頂部、例えば蓋106、206に係合されたPCB132、232の一部である。第2の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラー174により制御可能である(図18)。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)に位置合せされる複数の開口138、238を含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、PCB132、232の一部である抵抗加熱素子を含み得る。抵抗加熱素子140は、筐体102の内部チャンバー110に面するPCB132、232及び/若しくは細胞培養プレート114の側部又はPCB132、232内に位置し得る(図4B)。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、約4℃〜約40℃、約4℃〜約39℃、約4℃〜約38℃、約4℃〜約37℃の範囲内の温度を維持可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約10℃〜約37℃、約15℃〜約39℃、約20℃〜約38℃、約25℃〜約38℃、又は約30℃〜約38℃に維持可能である。種々の実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、第1の加熱/冷却デバイスよりも0.1℃、0.2℃、0.3℃、0.4℃、0.5℃、0.6℃、0.7℃、0.8℃、0.9℃、1.0℃、1.1℃、1.2℃、1.3℃、1.4℃、1.5℃、1.7℃、1.9℃、2.0℃、2.3℃、2.5℃、2.7℃、2.9℃、3.0℃、3.3℃、3.5℃、3.7℃、3.9℃、4.0℃、4.3℃、4.5℃、4.7℃、4.9℃、又は5.0℃高い温度を維持し得る。第2の加熱/冷却デバイスが第1の加熱/冷却デバイスにより維持される温度よりも高い温度を維持する場合、内部チャンバー110の頂部の近傍及び従って細胞培養プレート114上での凝縮を防止し得る。
[0140] 細胞培養プレート支持体。本明細書に開示されるインキュベーター100は、細胞培養プレート114、224の支持体122、222を含み得る(図1B、図7〜図8、及び図10A〜図10Bに代表例が示される)。細胞培養プレート支持体122、222は、筐体102内の位置から筐体102の内部チャンバー110外の位置に筐体102に対してスライド可能に移動するように構成可能である。例示された支持体122、222はT字形を有するが、他の形状を用いて細胞培養プレート114を支持可能である。細胞培養プレート114の支持体122、222は、インキュベーター100のアクセスドア154に直接装着可能であるか、又は1つ以上の介在する構造体又は部品、例えばバイアス接続部255を介して係合可能である(図11A〜図11C)。培養プレート支持体122、222は、プラスチックから作製可能である。いくつかの実施形態では、培養プレート支持体122、222は、限定されるものではないが例として金属(黄銅であり得る)で作製可能である。支持体はまた、細胞培養プレート114の支持体222上に先端リップ223を含み得る(図17A〜図17Bの1つの代表例を参照されたい)。
[0141] いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の支持体122、222及びアクセスドア154、254は、アクセスアセンブリー168、268を形成可能である(図8及び図11A〜図11Bに代表例が示される)。アクセスアセンブリー168、268は、図7〜図9及び図10Aに示されるように筐体102の一部にシール可能に界接するフロントプレート156、256を含み得る。アクセスアセンブリー168、268は、フロントプレートとアクセスドアとの間にフローティング接続を含み得る。例えば、フロントプレートとアクセスドアとの間のバイアス接続部255は、フロントプレートに圧縮力を提供して筐体102の一部に対してフロントプレートをシールするように構成可能である(図11A〜図11Bの1つの代表例を参照されたい)。アクセスアセンブリーは、細胞培養支持体122、222が細胞培養プレート114をある高さで筐体102内に保持して、環境ガス又はパージガスを導入する通路150Aが筐体の底部及び頂部に対して細胞培養プレート114と同一の高さになるように構成し得る。(以下の説明を参照されたい。)細胞培養プレートと同一のレベルにガス流入を維持すると、最適化湿度制御、最適化ガス循環が提供され、細胞培養プレート上での凝縮が防止される。従って、支持ノッチ146は、細胞培養支持体の側部をガスの通路150Aと同一の高さに支持するように構成し得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の頂部は、筐体102の内部チャンバー110の頂部から少なくとも約2、mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、又は約20mmの位置にある。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート支持体の下表面は、筐体102の内部チャンバー110の底部の内表面から少なくとも約0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は約10mmの位置にある。
[0142] アクセスアセンブリー168、268は、アクセスアセンブリー168、268をスライドさせて開閉し、細胞培養プレート114へのアクセスを可能にするためのトラックガイド166又はレール266を含み得る。トラックガイド166又はレール266は、筐体支持体160、260上をトラック162、262に対してスライドするように構成可能である。アクセスアセンブリー168、268の移動は、インキュベーター100の一部として含まれ得るコントローラー174により指示し得る(図18参照)。
[0143] アクセスアセンブリー168、268は、筐体102も支持する筐体支持体160、260上に移動可能に取り付け可能である。筐体支持体160は、筐体支持体160上のトラック162に対してアクセスアセンブリー168がトラックガイド166でスライドし得るようにトラック162を含み得る。トラックガイド166は、各種断面形状を有し得る。一例では、トラックガイドは、図8に示されるように長方形又は正方形の断面形状でフラット表面を有し得る。いくつかの実施形態では、トラックガイド166は、図10B、図11A、及び図11Bに例示されるレール266のように環状又は丸形の断面形状を有し得る。アクセスドア154、254のフロントプレート156、256は、筐体102に好適なものとして以上に記載した材料と同様に金属又はプラスチックで作製し得る。いくつかの実施形態では、フロントプレート156、256は、高い熱伝導率を有する材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、銅含有合金、又はセラミック)で作製し得る。アクセスドア154、254は、金属又はプラスチックで作製し得るとともに、ハンドル172、272を有し得る。培養プレート支持体は、例えばオートクレーブ処理によりクリーニングするためにアクセスドア154、254から取外し可能とし得る。フロントプレート156、256及びアクセスドア154、254はまた、アセンブルしたままか又はディスアセンブリを行うかのいずれかでオートクレーブ処理することによりクリーニングし得る。
[0144] アクセスアセンブリー168、268のトラックガイド/レールは、開位置及び閉位置などの1つ以上の離散位置にアクセスアセンブリー168、268を保持するのを支援するために1つ以上のストップ又は係合表面を含み得る。トラックガイド166又はレール266は、筐体支持体160、260に対してアクセスアセンブリー168、268の位置を固定するために筐体支持体160、260のコンプリメンタリー構造に係合するように構成された係合表面を含み得る。アクセスアセンブリー168、268の位置は、アクセスアセンブリー168、268の開位置又は閉位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、インキュベーターは、アクセスアセンブリー168、268のコンプリメンタリー構造に機械的、電子的、又は磁気的に係合するように構成されたドアスイッチを含み得る。
[0145] いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の支持体122は、筐体102の内表面上に取り付けられた又はその一部として作製された1つ以上の内表面又はフィーチャであり得る。例えば、1つ以上の突起を筐体102の側部から内部チャンバー110の方向に延在させて、細胞培養プレート114を内部チャンバー110内に支持することが可能である。他の例では、フロントプレート156、256(図7に代表例が示される)への装着の反対側に培養プレート支持体122、222の一部に対するレスト支持体146、246、247(図7、17A、及び17Bに代表例が示される)を提供するために、筐体102の内表面にノッチを設け得る。細胞培養プレート114を筐体102内の支持体122、222上に配置したとき、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)を細胞培養プレート114のウェル120に位置合せされ得る。
[0146] インキュベーター100は、ガスが流入するように構成された少なくとも1つ通路150Aを筐体102内に含み得る(図7〜図8に代表例が示される)。通路は、インキュベーター100内の所望の内部環境を維持するように選択されたパージガス又は他のガスを供給するために使用可能である。いくつかの実施形態では、ガス流入通路150Aは、基体104の壁を貫通して形成し得る。いくつかの実施形態では、ガス流入通路150Aは、筐体102の内部チャンバー110の頂部から少なくとも約2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、又は20mmの位置にあり得る。いくつかの実施形態では、ガス流入通路150Aは、筐体102内に支持されたときの細胞培養プレート114の側部の高さと等価な高さで基体の側部に位置する。ガスは、内部チャンバー110内を正圧に維持するために提供し得る。例えば、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psi〜約0.01000psi高く維持可能である。クリーンルームは、典型的には、約0.0072psi以下の正圧を使用する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi低く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi高く維持可能である。いくつかの場合、ガスの流量は、約10リットル/時、9リットル/時、8リットル/時、7リットル/時、6リットル/時、5リットル/時、4リットル/時、3リットル/時、2リットル/時、又は1リットル/時以下であり得る。流量は、約0.5リットル/時超であり得る。いくつかの実施形態では、流量は、約1リットル/時〜約10リットル/時であり得る。
[0147] パージガス又は環境ガスは、所望の湿度さらには所望のガス混合物を提供するようにコンディショニングし得る。いくつかの実施形態では、環境ガスは、約50%、60%、70%、75%、80%、85%超、又は約90%超の相対湿度を提供するようにコンディショニングされる。いくつかの実施形態では、ガスは、約70%、75%、80%、85%、90%、又は約95%の相対湿度を提供するようにコンディショニングされる。いくつかの実施形態では、環境ガスは、約1%、2%、3%、4%、又は約5%の二酸化炭素含有率を提供するようにコンディショニングされる。
[0148] いくつかの実施形態では、筐体102の内部チャンバー110は、流体リザーバーのように流体を保持するように構成されたリザーバーを含み得る。インキュベーター100は、筐体102内の流体リザーバーを空にするように又は筐体102自体を空にするように構成された少なくとも1つの流体ドレイン通路150Bを筐体102内に含み得る(図7〜8に代表例が示される)。いくつかの場合、流体は、内部チャンバー110に湿度を提供するために使用可能である。いくつかの場合、流体は、内部チャンバー110の温度を制御するために使用可能である。いくつかの実施形態では、流体ドレイン通路150Bは、基体104の側壁を貫通して形成し得る。流体ドレイン通路150Bはシール可能であり得る。
[0149] インキュベーター100は、シーリングアクチュエータ144に電力供給するために、筐体102を加熱及び冷却するために、培養プレート支持体122、222を開閉するために、並びに/又は動作の中でも特にPCB132、232のセンサーを動作させるために、電気接続部152、252を含み得る(図14に代表例が示され、図8に他の代表例が示される)。電気接続部152、252は、基体104の底部側に接触する第1の加熱/冷却デバイス、筐体支持体160、260、筐体102、PCB132、232、シーリングエレメント116、216、又は蓋アセンブリー108の他のコンポーネントに接続し得る。
[0150] インキュベーター100は、筐体102を支持するように構成された筐体支持体160、260を含み得る(図7〜8の1つの代表例及び図14の他の代表例を参照されたい)。支持脚164上の1つ以上のアジャスタブルコネクターは、筐体102に筐体支持体160を接続するように構成可能である。
[0151] 本明細書に記載のインキュベーターは、筐体内又はインキュベーターの他の部分での凝縮の形成を低減するように又は最小限にするように構成され得る。蓋106、206は、蓋の部品上での凝縮の形成を最小限にしつつ、オートクレーブ処理又は他のクリーニング方法を用いた蓋のクリーニングも容易になるように設計され得る。一例では、蓋の下面の凹部のいくつかに、蓋106、206の開口112、212に位置合せされる発泡セルポリマーを充填することができる。別の例では、凹部の一部に、Parylene(商標)等の疎水性材料などの材料及び/又はKapton(商標)シート若しくはテープをファイルすることができる。更に別の例では、凹部のいくつかは、薄い金属シートを用いてシールされ得る。更に別の例では、蓋の構造は、テクスチャー側がインキュベーターの外部に面するように反転され得る。別の例では、蓋106、206の内側表面は、シーリングを向上させるために追加のフラット部を含むように成形され得る。いくつかの場合、PCB132、232は、蓋106、206上の凝縮を低減するために、蓋をわずかに高い温度、例えば約40℃まで加熱するために使用され得る。他の場合、筐体内の正圧を使用して、蓋106、206全体の漏れの制御を付加することができる。蓋106、206の内側の輪郭は、蓋106、206上に形成されたあらゆる凝縮を流すとともにその排出を制御するようにも成形され得る。PCB132、232は、凝縮によるPCB132、232の腐食を低減する又かは最小限にするためにコンフォーマルコーティングも含むことができる。更に別の例では、蓋306は、シーリングエレメント316の表面の一部分及び開口318を周囲環境に露出させるより大きい開口312を有することができ、これにより凝縮箇所としての蓋表面の一部分を排除するとともに、シーリングエレメント上の凝縮形成も低減することができる。更に別の例では、蓋306は、複数の(例えば、2つ、3つ、4つ等)のより大きい開口312を有することができ、そのそれぞれは、シーリングエレメント316の表面の一部分及び開口318を周囲環境に露出させ、それにより凝縮箇所としての蓋表面の部分を排除し、シーリングエレメント上の凝縮を低減する。
[0152] 本明細書に記載のインキュベーター100は、図1〜図21の詳細を調べることによりさらに理解し得る。図1〜図21は例示的なインキュベーターの各種フィーチャを例示するが、図は単に例示を目的としたものにすぎず、本発明を明示された実施形態に何ら限定するものではないことを理解すべきである。インキュベーター100の各エレメントは、本明細書の説明全体を通じて記載されるように変更を加え得る。
[0153] 図1A〜図1Bは、それぞれいくつかの実施形態に従ってインキュベーター100の等角図及び分解等角図を例示する。インキュベーター100は筐体102を含み、筐体102は基体104と蓋106とを含む。基体104及び蓋106は、内部チャンバー110を有する筐体102を規定可能である。蓋106は複数の開口112を含む。内部チャンバー110は、細胞培養プレート114を受容するようにサイズ調整される。インキュベーター100は、シーリングエレメントアクチュエーター144とともに例示される複数の開口118を有するシーリングエレメント116を含む。例示された細胞培養プレート114は複数のウェル120を含む。例示された細胞培養プレート114は、96ウェル120の8×12構成を有する。蓋106の開口112、シーリングエレメント116の開口118、及び細胞培養プレート114のウェル120は、位置合せされるように構成可能である。インキュベーター100は、細胞培養プレート114の支持体122を含む。
[0154] 図2A〜図2Cは、それぞれいくつかの実施形態に従ってインキュベーター100の蓋106及び蓋アセンブリー108(蓋アセンブリー108はプリント回路基板(PCB)132と任意選択的なスペーサー134とを含む)の上面図を例示する。図3A〜図3Cは、それぞれ本明細書に記載のインキュベーター100の実施形態で使用可能な蓋106、PCB132、及びスペーサー134の頂部側の分解等角図を例示する。図2Aは、蓋106の頂部側106Aを示す。蓋106の開口112は、蓋106の厚さを貫通して延在する。蓋106はまた、インキュベーター100の他の部分、例えば、プリント回路基板130のコネクター136を収容するためにカットアウト126を含む。蓋106は、蓋106を基体104に取外し可能に装着するために使用可能なコネクター開口128を含む。図2Bは、プリント回路基板(PCB)132及びコネクター136の上面図を示す。PCB132は開口138を含む。開口138は、蓋106上の開口112に位置合せされるようにするように構成可能である。カットアウト130Aは、蓋106に位置合せしてPCB132を配置するために使用可能であり、これにより、コネクターは、コネクター開口128をアライメントして蓋106及びPCB132を基体104に装着する。図2Cは、スペーサー134の上面図を示す。開口142は、蓋上の開口112さらにはPCB132上の開口138に位置合せされるように構成可能である。スペーサー134のカットアウト130Bは、PCB132を蓋106及びPCB132に位置合せして配置するために使用可能であり、これにより、コネクターは、コネクター開口128をアライメントして蓋106、PCB132、及びスペーサー134を基体104に装着する。
[0155] 図3D〜図3Fは、それぞれ本明細書に記載のインキュベーターの実施形態で使用可能な蓋106、シーリングエレメント116、並びにプリント回路基板132及びその関連するコネクターの頂部表面を示す分解等角図を例示する。図3A〜図3Cとは対照的に、図3D〜図3Fに例示される構成は、スペーサー134を省略し、かつ蓋106とPCB132との間にシーリングエレメント116を位置決めする。蓋とPCB132との間にシーリングエレメント116を位置決めすることにより、シーリングエレメントが蓋106及びPCB132のそれぞれの間にシールを形成できるため、全体的シールを向上させることが可能である。
[0156] 図4A〜図4Bは、蓋106及びPCB132の底部側の分解等角図を例示する。図4Aでは、蓋106の底部側106Bは、蓋106の外周の一部の近傍に凹部124を含む。PCB132の上側132A(図3A)は、蓋106の底部側106Bに係合するように構成可能である。例えば、蓋106の凹部124は、PCB132を受容するようにサイズ調整して造形可能である。蓋106及びPCB132が係合する場合、開口112及び138はアライメントし得る。ノッチ126は、蓋106及びPCB132が係合したときにコネクター136が嵌合可能になるようにサイズ調整し得る。コネクター開口128は、蓋106を基体102にアライメントするために使用し得る。蓋106の開口112は、蓋106の底部側106Bの開口の周りに隆起リングを有し得る。
[0157] 図4Bに示されるように、PCB132の底部側132Bが例示される。蓋106を基体104に装着する際、カットアウト130Bは、蓋106に係合したときにPCB132をアライメントするように使用可能である。コントローラー174(図18参照)は、PCB132の底部表面132B上に作製されたヒーター140を制御可能である。ヒーター140は、開口138を閉塞しないように、PCB132に係合可能であるか又はPCB132と一体的に形成可能である。PCB132は、以上で考察したように複数のセンサーを含み得るとともに、温度センサー、湿度センサー、及び/又は気相センサーとの任意の組合せで存在可能である。
[0158] 図2A〜図2C、図3A〜図3F、及び図4A〜図4Bは、一緒になって、アライメント及び取付け順序に関して並びに蓋及び蓋アセンブリー108のコンポーネントの開口のアライメントに関して蓋とPCB132と任意選択的なスペーサー134との各種関係を示す。
[0159] 図5Aは、本明細書に記載のインキュベーターの実施形態で使用可能な蓋206を例示する。蓋206は蓋カバー207を含む。蓋206の外表面207は、「引き上げて除去する」などの指示のマーク207aを蓋カバー207上に含む。蓋206はまた、「押して設置する」などの指示215cを圧縮タブ215上に含む。マーク207a及び指示215cは、コンピュータイメージングプログラムにより機械可読になるように着色、エッチング、又は適合が可能である。
[0160] 蓋は、蓋の下側に各種突起及び輪郭を含み得る。図4A及び図5Bは、異なる蓋構成を例示する。図5Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベーターの蓋206の底部表面の外観を例示する。蓋206は複数の開口212を含む。蓋206は、開口212の群213を実質的に包囲する複数の凹部を含むパターン化表面を含む。シーリングエレメント116、216は、細胞培養プレート114のウェル120へのツールのアクセスを可能にするために、閉位置とさまざまな開位置との間で移動可能である。開口212の群213は、シーリングエレメント116、216が閉位置にあるとき、蓋206とシーリングエレメント116、216との間に形成されるシールを向上させ得る。例えば、シーリングエレメント116、216の開口118、218は、群213の開口212間のスペースにより閉塞可能である。群213の左側の開口212は、開口の第1のサブセットを形成可能であり、一方、群213の右側の開口212は、開口212の第2のサブセットを形成可能である。
[0161] 図5C〜図5Eは、いくつかの実施形態に従って各種位置にシーリングエレメントを有するインキュベーターの頂部外観を例示する。図5Cは、蓋206の開口212が閉塞されるように閉位置にあるシーリングエレメント216を例示する。図5Dは、蓋206の開口212が1つおきの開口列212で開状態になりかつ他の開口列212が閉塞されるように第1の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。図5Eは、蓋206の開口212aが1つおきの開口列212で開状態になりかつ他の開口列212bが閉塞されるように第2の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。開状態の開口212及び閉塞された開口212は、第1の開位置(図12B)と第2の開位置(図12C)との間で逆転する。図5Eでは、開口212bは開状態でありかつ212aは閉塞される。蓋206はまた、4つの圧縮タブ215を含み、各タブは、ピン215bに係合して蓋をインキュベーターに固定するように適合された表面215aを有する。圧縮タブ215の表面215aは、下方に曲がってピン215bに係合し、蓋206を所定の位置に保持する圧力を提供可能である。
[0162] 図5F〜図5Gは、いくつかの実施形態に従って各種位置にあるインキュベーターのシーリングエレメント216の頂部外観を例示する。図5Fは、開口218が蓋206(図示せず)の開口212a/212bに位置合せされないように閉位置にあるシーリングエレメント216を示す。図5Gは、開口218が蓋206(図示せず)の開口の第1のサブセット212に位置合した第1の開位置にあるシーリングエレメント216を示す。例示されたシーリングエレメント216は、6つの開口列218を有する。シーリングエレメント216は、12列の開口列212を有する図5C〜図5Eに例示される蓋206とともに使用可能である。シーリングエレメント216は、細胞培養プレート120の所望のウェル120へのアクセスに依存して、閉位置と第1の開位置と第2の開位置との間で移動可能である。例示されたシーリングエレメント216は、蓋206とPCB232との間に位置決め可能である。シーリングエレメント216を蓋206とPCB232との間に位置決めすることにより、シーリングエレメント216と蓋206との間にシールを形成可能でありかつシーリングエレメント216とPCB232との間に第2のシールを形成可能であるため、全体的シールを向上させることが可能である。
[0163] 図5Hは、いくつかの実施形態に従って開口238を有するプリント回路基板(PCB)232を含むインキュベーターの頂部外観を例示する。インキュベーターは、PCB232を露出させるために蓋206及びシーリングエレメント216を除去した状態で示される。PCB232は、多層構造を含み得る。例えば、一実施形態では、PCB232は4層の基板を含み得る。銅層などの加熱エレメント又は加熱デバイスは、筐体内の空気中の湿分への暴露から加熱エレメントを保護するためにPCB232の内層であり得る。PCB232を多層構造で使用することにより、より厚いかつそれほど可撓性でないPCB232を得ることが可能である。それほど可撓性でないPCB232により、PCB232とシーリングエレメント216との間に形成されるシールを向上させることが可能である。
[0164] 図6A及び図6Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベーター100の一部の頂部外観を例示する。インキュベーター100の頂部外観は、基体104及びシーリングエレメント116を示す。シーリングエレメント116は、シーリングエレメントの開口118を含む。シーリングエレメント116は、シーリングエレメントアクチュエーター144により移動可能である。内部チャンバー110内には、基体104のフロント側から離れた細胞培養プレート支持体122の末端が支持ノッチ146にレストした状態で見える。培養プレート114はこの外観に存在する。基体104の上内側エッジのノッチ148は、閉位置と1つ以上の開位置との間で作動するようにシーリングエレメント116の移動を可能にする。ノッチ148の他の構成では、1つ以上の開位置への作動を支持可能である。
[0165] シーリングエレメント116は、図6Aでは第1の位置にあり、図6Bでは第2のリトラクト位置にある。シーリングエレメントアクチュエーター144は、図6Bでは回転してシーリングエレメント116をリトラクトするように例示される。シーリングエレメント116の移動は、基体104の上内側エッジのノッチ148により促進される。第1の位置及び第2のリトラクト位置は、シーリングエレメント116の開位置及び閉位置に対応し得る。開位置では、インポート/エクスポートチップ(図示せず)を使用することにより開口(112、118)を通り抜けてインキュベーター100の外部からウェル120にアクセスできるように、シーリングエレメント116の開口118は、細胞培養プレート114(図6Bには記されていない)のウェル120(図示せず)及び蓋の開口112(この図には示されていない)と一列に並ぶ。閉位置では、シーリングエレメント116は、蓋106(この図には示されていない)の開口112をブロックするか又は部分的に覆い隠す。シーリングエレメント116は、蓋106の開口112に対して気密シールを形成する必要はない。例えば、いくつかの場合、シーリングエレメント116は、インキュベーター100の内部チャンバー110からパージガスを流出させ得る。
[0166] 図7〜図8は、アクチュエータ144に接続された開口118を有するシーリングエレメント116と、ウェル120を備えた細胞培養プレート114と、それぞれ閉位置及び開位置でアクセスドア154を有する基体104とを示す、インキュベーター100の一部の分解等角図を例示する。図7及び図8の基体104の図には、内部チャンバー110と、インキュベーター100が閉位置にあるときに細胞培養プレート支持体122がレストする支持ノッチ146と、が見られる。支持ノッチ146は、筐体102内の基体104の内表面に形成し得る。通路150A及び150Bは、それぞれガス供給及び流体排出のために基体104の側部を貫通して接続される。通路150A及び150Bはシール可能であり得る。ノッチ148は、シーリングエレメント116の移動のために基体104の上内表面に形成される。電気接続部152は、基体104の側部に接続されて示される。細胞培養プレート支持体122及びアクセスドア154は、アクセスアセンブリー168を形成可能である(図8)。アクセスドア154はハンドル172を有し得る。アクセスアセンブリー168はまた、インキュベーター100の筐体102のフロント部158にシール可能に界接するフロントプレート156を含み得る。アクセスアセンブリー168はまた、細胞培養プレート114の移動を支持するために及び筐体102に対する出し入れを支持するためにアクセストラックガイド166を含み得る。例示されたアクセスアセンブリー168は、アクセスドア154のフロントプレート156上に取り付けられた細胞培養プレート支持体122を有する。基体104に断熱パネル170を装着し得る。
[0167] アセンブリー164は、筐体102を支持する筐体支持体160上に取付け可能である。筐体支持体160は、閉位置(図7)と開位置(図8及び図9)との間で筐体102に対してトラックガイド166でアクセスアセンブリー168のスライドを可能にし得るトラック162を含み得る。筐体支持体160はまた、基体104をさらに支持するためにアジャスタブルであり得る脚164を含み得る。
[0168] 図9は、開位置のインキュベーター100及びアクセスドア154の上面図を例示する。この例示では、トラック162が基体104のリア側を越えて延在するため、トラック162の範囲が見える。これにより、トラックガイド166は、細胞培養プレート支持体122を完全にスライドさせて閉状態にし、支持ノッチ146内にレストさせ得る。トラック162は、筐体支持体160上に取り付けられる。細胞培養プレート支持体122は、アクセスドア154のフロントプレート156に装着されてアクセスアセンブリー168を形成し、トラックガイド166をさらに含み得る。アクセスドア154はハンドル172を有し得る。アクチュエータ144に装着されたシーリングエレメント116は、基体104上に位置し、作動時にシーリングエレメント116の移動を可能にするノッチ148内に嵌合する。内部チャンバー110内には、細胞培養プレート支持体122が係合されないときの(すなわち、アクセスアセンブリー開状態である)基体104内の支持ノッチ146が示される。作動時にシーリングエレメント116の移動を可能にするノッチ148は、基体104の上内表面に示される。基体104に断熱パネル170を装着し得る。
[0169] 図10A〜図10Bは、それぞれいくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体222が開位置及び閉位置にあるインキュベーターの頂部外観を例示する。図10Aは、支持体122と異なる形状を有する支持体222を例示する。支持体222は、ハンドル272を掴んでレール266を図10Bに示される開位置にスライドさせることにより移動可能である。支持体222は、細胞培養プレート114の上にエアスペースが得られるように筐体の底部近傍に位置決め可能である。細胞培養プレート114の上にエアスペースを得ることは、細胞培養プレート114のウェル120の上の適正湿度を維持するうえで及び細胞培養プレート114のウェル120に入れられている培養培地の蒸発を回避するうえで重要であり得る。支持体222は、図10Bに示されるようにアクセスドアを水平にスライドさせることにより支持体222を移動させるようにアクセスドア254に装着される。支持体222は、アクセスドア254に直接装着又は間接装着し得る。図10Bは、円柱形のレール266を示す。レール266は、筐体支持体260のコンプリメンタリー形状開口に沿ってスライド可能である。
[0170] 図11A〜図11Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベーターの細胞培養プレートの支持体122の一部の外観を例示する。支持体122は、アクセスアセンブリー268の一部である。アクセスアセンブリー268は、アクセスドア254内にバイアル又は試験管を保持するように構成された4つの開口269を含む。アクセスアセンブリー268はフロントプレート256を含む。アクセスドア254はハンドル272を有する。例示されたフロントプレート256は、バイアス接続部255を介してアクセスドア254とのフローティング係合を有する。フロントプレート256は、支持体222に直接装着される。バイアス接続部255は、アクセスドア254に対してフロントプレート256をバイアス又はプレスするためにフロントプレート256に装着されたスクリュー及びスクリューのそれぞれを包囲するスプリングとともに例示される。アクセスアセンブリー268が開位置にあるとき、スクリューのヘッドはアクセスドア254のCボアに保持される。アクセスアセンブリー268が閉位置にあるとき、バイアス接続部255は、筐体に対してフロントプレート256を固定する力をフロントプレート256に提供可能である。
[0171] 図11Cは、いくつかの実施形態に従ってインキュベーターの側部外観を例示する。図11Cは、ほぼ閉位置のアクセスアセンブリー268を例示する。図11Cは、筐体に対してフロントプレート256を固定するバイアス接続部255を示す。レール266は、閉位置で筐体支持体260内の可撓性ロッキングピンなどのコンプリメンタリー接続部267に対して固定可能である。図11Cは、閉位置にクリックする前、筐体に対するフロントプレート256及びコンプリメンタリー接続部267の係合直前のレール266を例示する。バイアス接続部255はまた、アクセスドア268の開閉時及び所定の位置へのロック時に支持体222さらには支持体222により支持された任意のウェルプレートによる急激な運動事象の量を低減可能である。急激な運動を低減することにより、アクセスドア254を閉じたとき、細胞培養プレート114のウェル120内のいずれの流体もスプラッシング及びスロッシングを最小限に抑え得るか又は防止し得る。例示されたインキュベーターを閉じるために、フロントプレート256が筐体に係合するまでレールアクセスアセンブリ268を前進させる。次いで、レールが筐体支持体260内のコンプリメンタリー接続部267に対して固定されて閉位置になるように、追加の力を加えてアクセスアセンブリー268及びレール266をさらに移動させることが可能である。バイアス接続部255は、フロントプレート256が筐体に係合して閉位置になった後、アクセスアセンブリー268を前進させる力により引き起こされる細胞培養プレート120の移動を低減又は排除する。
[0172] アクセスアセンブリー168、268のレールは、開位置及び閉位置などの1つ以上の離散位置にアクセスアセンブリー168、268を保持するのを支援するために1つ以上のストップ又は係合表面を含み得る。図12A〜図12Bは、本明細書に開示されたインキュベーターの実施形態で使用可能な磁石の外観及びレールの外観を例示する。磁石297と磁石ハウジング299とを有する磁石アセンブリー295が示される。磁石アセンブリー295はレール266内に含まれ得る。磁石アセンブリー295内の磁石297は、筐体支持体260内のコンプリメンタリー磁石に係合して接続を形成することにより、アクセスアセンブリー268の開位置又は閉位置などの所定の設計位置にレール266を保持することが可能である。いくつかの実施形態では、磁石297はドアスイッチ273に係合可能である(図16)。図13は、本明細書に記載のインキュベーターの実施形態で使用可能なレール266の実施形態を例示する。図13は、筐体支持体260内の可撓性ロッキングピンなどのコンプリメンタリー接続部267に界接するように設計されたフラット表面266aを有するレール266を示す。ロッキングピンは、アクセスアセンブリー268を開位置又は閉位置を保持するのを支援する。
[0173] 図14は、いくつかの実施形態に従って筐体支持体260を含むインキュベーターの一部の分解外観を例示する。例示された筐体支持体260は伝熱素子261を含む。伝熱素子261は、筐体の底部に熱を提供可能である。伝熱素子は、循環加熱/冷却流体、抵抗ヒーター、又は他の加熱/冷却デバイスに接触可能である。例示された筐体支持体260はガスケット材料263を含む。ガスケット材料263は、凝縮を防止したり又は液体が筐体支持体に落下して電子部品のいずれかと筐体支持体260とが接触するのを防止したりすることが可能である。筐体支持体は、所望の通路に沿って凝縮物及び他の液体をチャネル輸送して凝縮物と電子部品との接触を回避したり最小限に抑えたりするために、ドリップトレイ又は他のドレインを任意選択的に含み得る。筐体支持体は、インキュベーター内の伝熱素子261及び他の電子部品に接続し得る電気接続部252を有する。
[0174] 図15は、いくつかの実施形態に従ってインキュベーターの外部を例示する。筐体支持体260は、アクセスアセンブリー268が閉位置と開位置との間で筐体に対してレール266上をスライドできるようにするトラック262を含み得る。筐体支持体260は、熱交換流体の入口265a及び出口265bを含む。筐体支持体260は、異なる電気接続ポート271a、271b、及び271cを含む。例えば、電気接続ポート271aはイーサーネットポートとして例示される。電気接続ポート271a、271b、及び271cは、インキュベーターのソフトウェア/ファームウェアの制御、モニタ、及び更新を行うために使用可能である。
[0175] 図16は、いくつかの実施形態に従ってインキュベーターの側部外観を例示する。筐体支持体260及びアクセスアセンブリー268が閉位置で例示される。筐体支持体260は、アクセスアセンブリー268が閉位置にあるときにレール268の一部に機械的、電気的、又は磁気的に係合可能なドアスイッチ273を含む。ドアスイッチ273は、アクセスアセンブリー268が閉位置にある時を認識して、その情報をインキュベーターに実装されたプロセッサーに送信可能である。
[0176] 図17A〜図17Bは、それぞれいくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体222が開位置及び閉位置にあるインキュベーターの等角外観を例示する。例示された支持体222は、細胞培養プレート114のエッジに係合するように構成された先端リップ223を含む。先端リップ223は、支持体222が閉位置にあるときにレスト支持体246により支持可能である。支持体222の先端リップ223はまた、開位置で支持体の振動及び運動を防止する場合、図23Aに示されるように筐体の一部247にレスト可能である。
[0177] 図20は、単一の大きい開口312を有する蓋306を備えるインキュベーター100の一実施形態を示す。蓋306の開口312は、シーリングエレメントが開位置にあるか閉位置にあるかを問わず、シーリングエレメント316の外側に面する表面の一部分(例えば、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%又はそれを超える)が蓋306によってカバーされないようにシーリングエレメント316の上方に位置する。蓋306は、開口312がシーリングエレメント316の表面及びそのような表面内の開口318を雰囲気に対して露出させるように構成された開口312を有する。
[0178] 図21は、筐体102の基体104に重ねられた筐体ガスケット307を含むインキュベーター100の一部分を示す。筐体ガスケットは、筐体102の基体と、蓋アセンブリー108の要素、とりわけ構造体(又はPCB)132及びシーリングエレメント116、216、316などの上を覆うインキュベーター100のコンポーネントとの間に断熱を提供する。筐体ガスケット307は、筐体ガスケット307と基体104並びに蓋アセンブリー(例えば、PCB132及び蓋306)等のインキュベーター100の他の部分との間の動きを制限するために、ピン215bなどのコネクターを受け入れるための開口315aを含む。
[0179] 図1、図3及び図6から図9では、図は、移動して細胞培養プレート114の96個のウェル120に位置合せされ得る96個の開口118を有するシーリングエレメント116を示すが、他の構成も想定される。48個の開口218、318を有するシーリングエレメント216、316が図示される。いくつかの実施形態では、96個の開口を有し得る開口118、218、318の第1セットに加えて、移動して細胞培養プレート114のウェル120の96個未満に位置合せされ得る開口118、218、318の第2セットが存在し得る。非限定的な例として、第2セットは、移動して96個のウェル120の半分に位置合せされ得るか、又は移動して96個のウェル120の24個に位置合せされ得る。いくつかの実施形態では、移動して細胞培養プレート114の全96個よりも少ないウェル120に位置合せされ得る、シーリングエレメント116、216、316の開口118、218、318の第3セットが更に存在し得る。非限定的な例として、開口118、218、318の第3セットは、移動してウェル120の半分に位置合せされ得る48個の開口であり得るか、又は移動してウェル120の1/4に位置合せされ得る24個の開口であり得る。開口118、218、318の第3セットは、移動して、開口118、218、318の第2セットの使用によりアクセスされ得るウェル120と異なるウェル120に位置合せされ得る。開口118、218、318の第2セットと第3セットが異なるウェル120にアクセスを提供する場合、ウェル120は、細胞培養プレート114の異なる半分又は側に位置し得るか、位置が物理的に交互し得るか、又は別の予め選択されたパターンに従って位置し得る。
[0180] 他の実施形態では、開口118、218、318の第1セットは、移動して細胞培養プレート114の全96個より少ないウェル120に位置合せされ得る。非限定的な例としては、開口118、218、318の第1セットが、移動して細胞培養プレート114のウェル120の半分又は1/4に位置合せされ得る場合が挙げられる。シーリングエレメント116、216、316は、移動して細胞培養プレート114のウェル120の96個未満に位置合せされ得る開口118、218、318の第2セットを更に有し得る。非限定的な例として、第2セットは、96個のウェル120の半分に位置合せするように移動し得るか、又は96個のウェル120の24個に位置合せされるように移動し得る。いくつかの実施形態では、移動して細胞培養プレート114の全96個より少ないウェル120に位置合せされ得る、シーリングエレメント116、216、316の開口118、218、318の第3セットが更に存在し得る。非限定的な例として、開口118、218、318の第3セットは、移動してウェル120の半分に位置合せされ得る48個の開口であり得るか、又は移動してウェル120の1/4に位置合せされ得る24個の開口であり得る。開口118、218、318の第1、第2又は第3セットは、移動して、開口118、218、318の他の2つのセットのいずれかの使用によりアクセスされ得るウェル120と異なるウェル120に位置合せされ得るか、又はウェル120の重複した位置にアクセスし得る。ウェル120は、細胞培養プレート114の異なる半分又は側に位置し得るか、位置が物理的に交互し得るか、又は別の予め選択されたパターンに従って位置し得る。
[0181] 図1及び図7から図9は96個のウェル120を有する細胞培養プレート114を示すが、蓋106、206、306、シーリングエレメント116、216、316、他の構造体(例えば、PCB)132、232、スペーサー134及びその各々の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)が異なる比率の細胞培養プレート114及び/又は異なる数のウェル120を内部に有する細胞培養プレート114を収容可能であることも想定される。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114内に384個のウェルが存在し得る。384個のウェル120が存在する場合、蓋106、206と、PCB132、232及び任意のスペーサー134を含む蓋アセンブリー108コンポーネントとは、384個の開口又はそのいくつかのサブセットを有し得る。細胞培養プレート114が384個の開口を有する場合、シーリングエレメント116、216、316は、移動してウェル120に位置合せされ得る384個の開口118、218、318を有し得るか、又は移動してウェル120のサブセットに位置合せされ得るより少数の開口118、218、318を有し得る。シーリングエレメント116、216、316は、96個の細胞培養プレート114構成について上記したように構成され得るとともに任意の類似の組合せで構成され得る開口118、218、318の追加のセットを有し得る。細胞培養プレート114は、12個若しくは6個又はそれより少数のウェル120を有するようにも構成され得、蓋106、206、306、シーリングエレメント116、216、316、PCB132、232、任意のスペーサー134及びその各々の開口(112、212、312、118、218、318、138及び任意選択的に142)は、このより少数のウェル120及び/又はそのサブセットへのアクセスを提供するように構成され得る。
[0182] 上記のインキュベーター100のいずれも、開口112、212、312、138、238及び/又は142のサイズの任意の適切な組合せ、及び/又は断熱材、センサー、1つ以上のコントローラー174(図18を参照されたい)、電気接続部152、252、加熱及び冷却デバイス、ガス及び排出流体の入口などの追加のコンポーネントのいずれかの任意の組合せを有し得る。1つ以上のコントローラー174は、シーリングエレメント116、216、316、内部チャンバー110の温度、相対湿度、及び/又は気体環境、及び/又はアクセスアセンブリー168、268を制御し得る。
[0183] いくつかの実施形態では、インキュベーター100は、複数のウェル120を含む細胞培養プレート114を支持するように構成された内部チャンバー110を有する筐体102を含み、筐体102は、蓋106、206、306の開口112、212、312及び関連する蓋アセンブリー108の開口(138、238及び任意選択的に142)によって提供される1つ以上の開口を有する。筐体(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の開口は、細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを可能にするように構成されており、シーリングエレメント116、216、316は、構造体132、232の複数の開口をシールするように構成されており、シーリングエレメント116、216、316は、構造体132、232の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口118、218、318を含む。筐体102は、基体104と蓋106とを含み得、基体104及び蓋106は、内部チャンバーを画定する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110は、約200cm3から約750cm3の体積を有する。他の実施形態では、内部チャンバー110は、約400cm3から約1,000cm3の体積を有する。基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成され得る。蓋106は、断熱プラスチックから形成され得る。インキュベーター100は、プリント回路基板(PCB)132、232を含み得る。PCB132、232は、シーリングエレメント116、216と筐体の頂部の内表面との間に位置し得る。PCB132、232は、筐体を貫通する複数の開口に位置合せされる複数の開口138、238を含み得る。PCB132、232は、温度センサー、湿度センサー、酸素センサー及び二酸化炭素センサーからなる群から選択され得る1つ以上のセンサーを含み得る。インキュベーター100は、スペーサー134を含み得、スペーサー134は、PCB132、232とシーリングエレメント116との間に位置する。スペーサー134は、筐体を貫通する複数の開口及びPCBの複数の開口138、238に位置合せされる複数の開口142を含み得る。スペーサー134は、シーリングエレメント116に係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、インキュベーター100は、スペーサー134を有しない。インキュベーター100のシーリングエレメント116、216、316は、シーリングエレメント116、216、316が構造体132、232の複数の開口のそれぞれを閉塞する閉位置と、第1のシーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318が構造体132、232の複数の開口の少なくともサブセットに位置合せされる第1の開位置との間で移動可能であり得る。シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218、318は、構造体132、232の開口の数と同じであり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116は、第1の複数の開口118のみを有する。いくつかの実施形態では、構造体132、232及びシーリングエレメント116、216、316は、96個の開口118を有する。他の実施形態では、構造体132、232及びシーリングエレメント116、216、316は、384個の開口を有する。シーリングエレメント116、216、316は、第2の複数の開口118、218、318を更に含み得、第2の複数の開口118、218、318は、第1の複数の開口118、218、318と異なる。シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318の開口118、218、318の数は、構造体132、232の開口の数の1/2、1/3又は1/4であり得る。構造体132、232の複数の開口の各開口は、約1mmから約10mm又は約1mmから約5mmの直径を有し得る。シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318の各開口は、約1mmから約10mm又は約1mmから約5mmの直径を有し得る。インキュベーター100は、筐体に係合された第1の加熱/冷却デバイスを含み得、第1の加熱/冷却デバイスは、インキュベーターに装着された温度コントローラーによって制御される。第1の加熱/冷却デバイスは、抵抗ヒーター、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル及び1つ以上のペルチェデバイスからなる群から選択され得る。第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面に直接接触し得る。第1の加熱/冷却デバイスは、流体コイルを含み得る。インキュベーターは、筐体内に位置し得る第2の加熱/冷却デバイスを含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の頂部に係合され得、インキュベーターに装着された温度コントローラーによって制御され得る。第2の加熱/冷却デバイスは、PCB132の一部である抵抗加熱素子140であり得、筐体の内部チャンバーに面するPCB132の側に位置している。第2の加熱/冷却デバイスは、構造体132、232の複数の開口に位置合せされる複数の開口を含み得る。代替的に、構造体132、232は、第2の加熱/冷却デバイスを含み得る。インキュベーター100は、第1及び/又は第2の加熱/冷却デバイスを制御することにより、内部チャンバーの温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラーであり得るコントローラー174を含み得る。コントローラー174は、シーリングエレメント116、216、316、内部チャンバーの相対湿度、気体環境及び/又はアクセスアセンブリー168も制御し得る。インキュベーター100は、細胞培養プレート114のための支持体122、222を含み得る。支持体122、222は、筐体102内の位置から筐体102の内部チャンバー110の外の位置まで、筐体102に対してスライド可能に移動するように構成され得る。インキュベーター100は、細胞培養プレート114のための支持体122、222に装着されたアクセスドア154、254を更に含み得る。支持体122、222とアクセスドア154、254とは、筐体の一部分にシール可能に接続するフロントプレート156、256を含むアクセスアセンブリー168、268を形成し得る。アクセスアセンブリー168、268は、筐体102を支持する筐体支持体160、260上に移動可能に取り付けられ得る。インキュベーター102は、筐体内において、ガスのために構成された少なくとも1つの通路150Aを更に含み得、少なくとも1つの通路150Aは、基体の底部から細胞培養プレート114の側部と同一の高さで基体104の壁上に位置し得る。
[0184] 方法。本明細書に開示されるインキュベーター100を使用するための方法も提供される。本方法は、複数の開口118、218、318を有するシーリングエレメント116、216、316を、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318が筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の開口の第1のサブセットに位置合せされる開位置に移動させることを含み得る。これは、蓋106、206、306及び関連する蓋アセンブリー108によって提供される。シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318及び筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の開口の第1のサブセットは、インキュベーター100の外部から筐体102の内部チャンバー110への第1の複数の通路を提供する。インポート/エクスポートチップは、インキュベーター100の外部と筐体102の内部チャンバー110との間の第1の複数の通路の1つ以上を通して前進させることができる。本方法は、インポート/エクスポートチップを介して筐体102の内部チャンバー110内で物質を捕集又は堆積することを含み得る。開口の第1のサブセットは、構造体132、232の複数の開口のすべての開口又はすべてに満たない開口(例えば、1/2、1/3、1/4又はそれを下回る)を含み得る。
[0185] 筐体102の内部チャンバー110内の細胞培養プレート114のウェル120から捕集し得る、そこから抜き出し得る、又はそこに堆積し得る物質としては、マイクロ物体(1種以上の生物学的マイクロ物体をさらに含み得る)、タンパク質、核酸、脂質、又は生物学的マイクロ物体内に見いだされる若しくはそれにより分泌される他の細胞成分、限定されるものではないが培養培地などの流体、限定されるものではないがジメチルスルホキシド若しくはエチルアルコールなどの溶媒、界面活性剤、アッセイ試薬、又は透過化試薬、標識試薬、融合試薬などの試薬、及び培養又は試薬と抜き出された若しくは堆積された物質の成分との反応に由来する老廃物が挙げられ得る。種々の実施形態では、物質は、培養プレート114のウェル120内で維持又は拡大し得る少なくとも1種の生体細胞を含有し得る。他の実施形態では、物質は、存在細胞を有していなくてもよく、規定の温度及び/又は湿度の条件下で保持するのに好適であり得る誘導タンパク質、核酸、脂質、又は以上に記載の他の細胞成分を含有し得る。さらに他の実施形態では、ウェルに堆積される物質は、生物学的マイクロ物体又は生物学的マイクロ物体内に見いだされる若しくはそれにより分泌される他の細胞成分をアッセイ、固定、トランスフェクト、又は安定化する1種以上の試薬であり得る。さらに他の実施形態では、ウェル120に堆積される又はそこから抜き出される物質としては、ビーズなどのマイクロ物体が挙げられ得る。ビーズは、タンパク質、糖、及び/又は標識を含み得る(標識は、比色法、蛍光法、又は発光法で検出し得る)。いくつかの実施形態では、物質は、以上に記載の2つ以上のタイプの物質を含み得る。
[0186] 物質を捕集又は堆積することは、筐体102の内部チャンバー110内の細胞培養プレート114のウェル120内で物質を捕集又は堆積することを含む。いくつかの実施形態では、物質を捕集又は堆積することは、インポート/エクスポートチップを用いて行い得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ、複数のチップを含み得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップの複数のチップは、インキュベーター100内の細胞培養プレート114の複数のウェル120で物質を同時に捕集又は堆積することが可能である。インポート/エクスポートチップは、物質を捕集又は堆積した後、インキュベーター100の外部と筐体102の内部チャンバー110との間の1つ以上通路を介して抜き出すことが可能である。物質を捕集又は堆積することは、ロボットにより行うことが可能である。種々の実施形態では、インポート/エクスポートチップは、約0.01μl、0.02μl、0.05μl、0.1μl、0.2μl、0.5μl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、30μl/sec、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲の速度で物質の抜出し/堆積を行い得る。
[0187] ウェル120内で物質を捕集又は堆積することと組み合わせて細胞培養プレート114のウェル120の内容物を撹拌する方法も提供される。いくつかの実施形態では、ミキシングチップは、インキュベーター100の外部と筐体102の内部チャンバー110との間の通路の1つ以上を介して挿入される。通路は、シーリングエレメント116、216の開口118、218をインキュベーター100の筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)に位置合せすることにより形成される。ミキシングチップは、注入流体(例えば、培養培地)、注入ガスなどの回転、振動、又は他の運動を行うことにより、ウェル120内に存在する流体内にアジテーションを提供し得る。アジテーションは、ウェル内に存在する物質のより均一なサンプルを提供し得るか、あるいは物質を添加する前に、又は同一若しくは異なるタイプの物質(例えば、異なるタイプの生物学的マイクロ物体又は結合された標識若しくは試薬を有するビーズなどのマイクロ物体)又は望まれ得る他の化学成分のいずれかを含有する他の組成物を添加する前に、ウェル内の液体媒体のより均一な組成物を提供し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ(図示せず)により物質をウェル120に添加する前又はウェル120から抜き出す前、ミキシングチップによりウェル120から流体のアリコートを抜き出してそれを再注入してウェル120の内容物を混合し得る。いくつかの実施形態では、ミキシングチップにより約10μl〜約50μlの流体をウェルから抜き出して、約1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、又は約30μl/secの速度でそれをウェルに再注入し得る。いくつかの実施形態では、ウェル120から抜き出す前又はそこに堆積する前、ミキシングチップにより約10μl、11μl、12μl、13μl、14μl、15μl、16μl、17μl、18μl、19μl、20μl、21μl、22μl、23μl、24μl、25μl、26μl、27μl、28μl、29μl、30μl、35μl、40μl、45μl、又は約50μlの流体を抜き出してウェルの内容物を混合する。
[0188] 本方法はまた、インポート/エクスポートチップ及び/又はミキシングチップの各使用前及び/又は後、クリーニング工程を提供する。クリーニング工程は、ティシュー若しくはクロスによる手動ワイピング、チップ上への水/漂白剤のフラッシング、水/漂白剤のディッピング、超音波クリーニング、又はオゾン水中へのディッピングを含み得る。
[0189] シーリングエレメント116、216、316は、シーリングエレメント116、216、316が複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の1つ以上を閉塞するように閉位置に移動させることができる。開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させることは、筐体102に対してシーリングエレメント116、216、316をスライドさせることを含み得る。シーリングエレメント116、216、316は、シーリングエレメントアクチュエーター144を作動させることにより、開位置と閉位置との間で移動させることができる。例えば、モーター又はロータリーソレノイドを用いて、シーリングエレメントアクチュエーター144を作動させることができる。シーリングエレメント116、216、316は、内部チャンバー110内に存在する空気の二酸化炭素含有量及び/又は湿度が、インキュベーター100の周りの空気の二酸化炭素含有量及び/又は湿度と平衡化することを防止するように十分に短い時間にわたって開位置にあり得る。
[0190] 閉位置と複数の開位置との間でシーリングエレメント116、216、316を移動させるための方法も提供される。本方法は、シーリングエレメント116、216、316を、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318が筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の第1のサブセットに位置合せされる第1の開位置に移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数と同一であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318の開口118、216、316の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6又は1/12以下である。
[0191] 本方法は、シーリングエレメント116、216、316を、シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318が筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第2のサブセットに位置合せされ、筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)のすべての他の開口が閉塞される第2の開位置に移動させることを含み得る。シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318及び筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第2のサブセットは、インキュベーター100の外部から内部チャンバー110への第2の複数の通路を提供することができる。種々の実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318の開口118、218、318の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6又は1/12以下である。
[0192] 本方法は、シーリングエレメント116、216、316を、シーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318が筐体102の第3の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)に位置合せされ、筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)のすべての他の開口が閉塞される第3の開位置に移動させることも含み得る。シーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318及び筐体102の複数の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)の第3のサブセットは、インキュベーター100の外部から内部チャンバー110への第3の複数の通路を提供することができる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318の開口数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6又は1/12以下である。本方法の種々の実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318、シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318及び存在する場合にはシーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318は、重複しない。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318、シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318及び存在する場合にはシーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318は、筐体102の開口(112、212、312、138、238及び任意選択的に142)に位置合せされるとき、細胞培養プレート114の異なる部分のウェル120へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216、316を閉位置から第1の開位置に且つ閉位置から第2の開位置に移動させ得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216、316を閉位置から開位置に更に移動させ得る。他の実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216、316を閉位置から第1の開位置、第2の開位置及び/又は存在する場合には第3の開位置のいずれかに移動させ得る。
[0193] 本方法はまた、筐体102の内部チャンバー110の温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を測定することと、筐体102の内部チャンバー110の温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を制御することとを含み得る。温度を制御することは、筐体102の内部チャンバー110を加熱又は冷却することを含み得る。湿度を制御することは、筐体102の内部チャンバー110に湿度源を提供することを含み得る。二酸化炭素含有率を制御することは、筐体102の内部チャンバー110に二酸化炭素源を提供することを含み得る。
[0194] いくつかの実施形態では、インキュベーター100の内部チャンバー110の圧力は、シーリングエレメント116が閉位置にある間、所望の範囲に維持することが可能である。シーリングエレメント116は、閉位置にあるとき、筐体102の内部チャンバー110内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi〜約0.0100psi高く又は本明細書に開示される圧力範囲のいずれかに維持することが可能である。例えば、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psi〜約0.01000psi高く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110の圧力は、約0.0005psi、0.0010psi、0.0015psi、0.0020psi、0.0025psi、0.0030psi、0.0035psi、0.0040psi、0.0045psi、0.0050psi、0.0055psi、0.0060psi、0.0065psi、0.0070psi、0.0075psi、0.0080psi、0.0085psi、0.0090psi、0.0095psi、又は約0.0010psiに維持し得る。クリーンルームは、典型的には、約0.0072psi以下の正圧を使用する。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi低く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバー110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi高く維持可能である。
[0195] いくつかの実施形態では、圧力を維持するためにパージガスを提供することが可能である。本方法は、筐体102の内部チャンバー110にパージガスを提供することにより、シーリングエレメント116、216が閉位置にありかつ細胞培養プレート114の支持体122、222が筐体102の内部チャンバー110内に位置決めされたとき、筐体102の内部チャンバー110内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi〜約0.0100psi高く維持することを含み得る。パージガスは、二酸化炭素、酸素、窒素、及び貴ガスの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、パージガスは、約5%体積の二酸化炭素を含み得る。
[0196] いくつかの実施形態では、開口を通るパージガスの所望の流量が達成されるようにパージガスを用いて圧力を維持することが可能である。いくつかの場合、流量は、約10リットル/時、9リットル/時、8リットル/時、7リットル/時、6リットル/時、5リットル/時、4リットル/時、3リットル/時、2リットル/時、1リットル/時以下、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲であり得る。流量は、約0.5リットル/時超であり得る。いくつかの実施形態では、流量は、約1リットル/時〜約10リットル/時であり得る。
[0197] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316が開位置にあるとき、内部チャンバー110内を正圧に維持することが可能である。例えば、シーリングエレメント116、216、316が開位置にあるとき、パージガスを提供して汚染の可能性を減少させることが可能である。
[0198] 細胞培養プレート114は、支持体をスライドさせて筐体102の内部チャンバー110から筐体102の内部チャンバー110外の位置に支持体を抜き出すことにより、続いて、支持体が筐体102の内部チャンバー110外の位置にある間、支持体上に細胞培養プレート114を配置することにより、インキュベーター100に提供することが可能である。細胞培養プレート114を配置することは、人間のオペレーター又はロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114を支持体122、222上に配置した後、支持体122、222を筐体102の内部チャンバー110内の位置にスライドさせることにより、細胞培養プレートを筐体102の内部チャンバー110内に移動させることが可能である。支持体122、222をスライドさせることは、細胞培養プレート114の支持体に装着されたアクセスドア154、254をスライドさせることを含み得る。支持体122、222をスライドさせることは、インキュベーター100の筐体支持体160、260上の1つ以上のトラック162、262に沿って支持体をスライドさせることを含み得る。支持体122、222をスライドさせることは、人間のオペレーター又はロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114を筐体102内に装填した後、細胞培養プレート114により支持された物質を支持する筐体102の内部チャンバー110内の環境を確立することが可能である。
[0199] 以上に記載の装填工程と同様に細胞培養プレート114を細胞培養プレート114の支持体から取り出すことが可能である。細胞培養プレート114の支持体122、222は、支持体122、222を筐体102の内部チャンバー110から筐体102の内部チャンバー110外の位置にスライドさせることによりアクセス可能であり、それにより、筐体102の内部チャンバー110から細胞培養プレート114を抜き出すことが可能である。支持体122、222をスライドさせることは、支持体122、222に装着されたアクセスドア154、254をスライドさせることにより行うことが可能である。いくつかの実施形態では、支持体122、222をスライドさせることは、人間のオペレーターにより行うことが可能である。いくつかの実施形態では、支持体122、222をスライドさせることは、ロボットにより、例えばロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114をインキュベーター100の内部チャンバー110外に配置した後、細胞培養プレート114を支持体から取り出すことが可能である。取出しは、人間のオペレーター又はロボットツールにより行うことが可能である。
[0200] 種々の実施形態では、物質を含有する1つ以上のサンプルをウェルプレートインキュベーター100に入れられている細胞培養プレート114の1つ以上のウェル120に送達する方法が提供される。この場合、サンプルは、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、及び/又は分析機器から得られたものであり得る。いくつかの実施形態では、物質は、維持及び/又は拡大が可能な生物学的マイクロ物体を含み得る。生物学的マイクロ物体を含有するサンプルは、生物学的マイクロ物体がこの生物学的マイクロ物体と異なり得る他の生物学的マイクロ物体から単離されるように提供し得るか、又はマクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、及び/若しくは分析機器に存在する生物学的マイクロ物体の所望のセットの単一代表物であるように単純に選択し得る。いくつかの実施形態では、物質内の送達される単一生物学的マイクロ物体は、連続アクセス細胞培養インキュベーター内でクローン集団を形成するように拡大し得る。いくつかの実施形態では、マクロスケール細胞培養装置から得られるサンプルは、すでに選別されたものであることもそうでないこともある生物学的マイクロ物体を有するサンプルを提供し得る。限定されるものではないがいくつかの代表例では、サンプルが得られるマイクロ流体デバイス及び/又は分析機器は、生物学的マイクロ物体を選別し得るか、解離された生物学的マイクロ物体を提供し得るか、又は細胞培養プレートに送達される生物学的マイクロ物体に化学的処理又は他の処理を施し得る。
[0201] 物質は、すでに媒体又は他の試薬を含有する細胞培養プレート114のウェル120に送達し得る。いくつかの実施形態では、連続アクセスインキュベータ100の細胞培養プレート114は、そのウェルに送達された細胞に処理を施すための試薬を含有し得る。例えば、溶解試薬が存在し得るか、又は流動媒体が存在し得る。こうして、凍結、溶解、透過化などのさらなる処理に供すために細胞が準備されるであろう。
[0202] 他の実施形態では、連続アクセスインキュベータ内の細胞培養プレートのウェルから抜き出された生物学的マイクロ物体を含有するサンプルを、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス(ナノ流体デバイスであり得る)、分析機器、又は貯蔵装置に送達する方法が提供される。生物学的マイクロ物体は、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、又は分析機器に送達するために抜き出される前、所定の時間にわたり培養したもの(すなわち、好適な条件下で成長させたもの)であり得る。他の実施形態では、限定されるものではないが2つの例を挙げると、生物学的マイクロ物体は、生物学的マイクロ物体中に存在する細胞を透過化させるために連続アクセスインキュベータ中の存在する間に処理し得るか、又はマイクロ流体デバイス若しくは分析機器でさらに分析するために溶解し得る。いくつかの実施形態では、生物学的マイクロ物体は、分析又は貯蔵のために安定化処理を施し得る。限定されるものではないが一例としては、凍結及び長期貯蔵のための安定化に好適な媒体を用いて生物学的マイクロ物体を処理することが挙げられる。
[0203] いくつかの実施形態では、インキュベーター100の内部チャンバー110にアクセスするための方法が提供される。インキュベーター100は、複数の開口を有する筐体102と、2つ以上の複数の開口118、218、318を有するシーリングエレメント116、216、316とを含み得る。シーリングエレメント116、216、316の各複数の開口118、218、318は、構造体132、232の複数の開口の少なくともサブセットに対応し得る。本方法は、シーリングエレメント116、216、316を第1の開位置に移動させ、それによりシーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318を構造体132、232の複数の開口の第1のサブセットに位置合せすることを含み得る。シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318及び構造体132、232の複数の開口のうちの開口の第1のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーター100の外部から筐体102の内部チャンバー110への第1の複数の通路を提供する。本方法は、インキュベーター100の外部と筐体102の内部チャンバー110との間の第1の複数の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを前進させることを含み得る。本方法は、筐体102の内部チャンバー110内でインポート/エクスポートチップを用いて物質を捕集又は堆積することを含み得る。本方法は、シーリングエレメント116、216、316を閉位置に移動させ、それにより構造体132、232の複数の開口のそれぞれを閉塞することを更に含み得る。
[0204] シーリングエレメント116、216、316が開位置にあるとき、シーリングエレメント116、216、316の第1の複数の開口118、218、318は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の第1のサブセットに位置合せされ得るように構成されている。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数と同一である。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316の複数の開口118、218、318の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6又は1/12以下である。
[0205] 本方法は、シーリングエレメント116、216、316を第2の開位置に移動させ、それによりシーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318を構造体132、232の複数の開口の第2のサブセットに位置合せすることを更に含み得る。シーリングエレメント116、216、316の第2の複数の開口118、218、318及び構造体132、232の複数の開口の第2のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーター100の外部から筐体102の内部チャンバー110への第2の複数の通路を提供することができる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316が第2の開位置にあるとき、開口の第2のサブセット以外の構造体132、232の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメント116、216、316によって閉塞される。
[0206] 本方法は、シーリングエレメント116、216、316を第3の開位置に移動させ、それによりシーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318を構造体132、232の複数の開口の第3のサブセットに位置合せすることを更に含み得る。シーリングエレメント116、216、316の第3の複数の開口118、218、318及び構造体132、232の複数の開口の第3のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーター100の外部から筐体102の内部チャンバー110への第3の複数の通路を提供することができる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216、316が第3の開位置にあるとき、開口の第3のサブセット以外の構造体132、232の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメント116、216、316によって閉塞される。
[0207] システム。本明細書に記載のウェルプレートインキュベーター100を含むシステムも提供される。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートのための継続的アクセスを提供しつつインキュベーションのためのシステム200が提供される。1つの例示的なシステムの概略図が図18に示される。システム200は、ウェルプレートインキュベーター100と、ウェルプレートインキュベーター100にアクセスしてウェルプレートインキュベーターの内部チャンバー内でサンプルを捕集又は堆積するように構成されたロボットサンプリングコンポーネント(サンプリング駆動コントローラー178及びサンプリングモータ182を含む)と、少なくとも1つのコントローラーとを含み得る。いくつかの実施形態では、インキュベーター100はコントローラー174を含み、一方、他の実施形態では、インキュベータコントローラ174はシステム200の一部であり得る。いくつかの実施形態では、サンプリング駆動コントローラー178及びポンプコントローラ180は識別可能なコントローラーであり得るか、又は同一のコントローラーの一部であり得る。いかなる場合も、174、178、及び/又は180を含めて、コントローラーはいずれも、制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラー174は、インキュベーター100の外部から筐体の内部チャンバーへの複数の通路を開けるように制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラー174は、複数の通路を介して筐体102の内部チャンバー102に入れられているウェルプレート114の複数のウェル120にアクセスするようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように、制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラー174は、複数の通路を閉めるように制御ソフトウェア176により指示し得る。システム200は、指示コントローラー174により筐体102の内部チャンバー110を正圧下に維持するように構成可能である。加えて、サンプリング駆動コントローラー178及びポンプコントローラ180は、インポート/エクスポートチップ186を動作させ、ウェルプレートの複数のウェル120の1つから物質を抜き出すようにそれぞれシステム200のロボットサンプリングコンポーネントのモーター182及びハイドロリックコンポーネントのポンプ184(ポンプコントローラ180及びポンプ184を含む)を制御するように構成可能である。コントローラー178及び180は、抜き出された物質をシステム200の外部にあってもよい他の装置に送達するようにシステム200のロボットサンプリングコンポーネント/ハイドロリックコンポーネントを制御するように構成可能である。いくつかの実施形態では、抜き出された物質を送達する装置は、システム200の追加のコンポーネントとして含まれ得るとともに、制御ソフトウェア176は、同様に追加の装置に指示し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ186によりインキュベーター100から抜き出された物質が送達され得る装置は、マイクロ流体デバイス190であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体デバイス190はナノ流体デバイスであり得る。他の実施形態では、インポート/エクスポートチップ186を介してインキュベーター100から抜き出された物質は、システム200のロボットサンプリングコンポーネント/ハイドロリックコンポーネントを介して分析機器192に送達し得る。システム内で培養される又はシステム200のインキュベーターに送達される物質は、本明細書に記載の任意の好適な物質であり得るとともに、マイクロ物体及び/又は生物学的マイクロ物体を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的マイクロ物体は、システム200において培養、インポート、及び/又はエクスポートが行われる。物質が送達され得る好適な分析機器のいくつかの例としては、限定されるものではないが、シーケンシング機器及びそのためのサンプル調製機、アッセイ機器、質量分析器及びそのためのサンプル調製機、並びに貯蔵装置及びそのための安定化調製機が挙げられる。さらに他の実施形態では、インポート/エクスポートチップ186を介してインキュベーター100から抜き出された物質は、ロボットサンプリングコンポーネントを介してマクロスケール細胞培養装置194に送達し得る。
[0208] 制御ソフトウェア176は、ウェルプレートインキュベーター100に入れられているウェルプレートの1つ以上のウェル120に物質の1つ以上のサンプルを送達するようにロボットサンプルコンポーネント及び/又はハイドロリックコンポーネントを制御するように、サンプリング駆動コントローラー178及び/又はポンプコントローラ180に指示し得る。物質の1つ以上のサンプルは、マクロスケール細胞培養装置194、マイクロ流体デバイス(ナノ流体デバイスであり得る)190、又は分析機器192から得ることが可能である。マクロスケール細胞培養装置194は、細胞培養プレート、フラスコ、又は反応器を含み得る。ナノ流体デバイスを含めて、マイクロ流体デバイス190としては、限定されるものではないがドロップレット発生デバイス、マイクロ流体細胞選別デバイス、及び/又は細胞培養デバイスが挙げられる。物質の1つ以上のサンプルが得られ得る分析機器192の例としては、限定されるものではないが細胞選別装置、例えばフローサイトメーター、細胞解離装置、及び細胞貯蔵装置が挙げられ得る。
[0209] システム200は、ハイドロリックコンポーネントの一部であり得るミキシングチップ188をさらに含み得る。ミキシングチップ188はまた、ウェル120へ/からインポート及び/又はエクスポートする前に開放通路から細胞培養プレート114に存在する内容物の入ったウェル120にアクセスしてウェル120の内容物を混合し得る。ミキシングチップ188の動作は、コントローラー180により制御し得る。ミキシングチップは、注入ガス又は注入液体の回転、振動、又は他の運動を行って混合などを行い得る。いくつかの実施形態では、システム200の制御ソフトウェア176は、インポート/エクスポートチップ186により物質をウェル120に添加する前又はウェル120から抜き出す前、ミキシングチップを制御することによりウェル120から流体のアリコートを抜き出してそれを再注入してウェル120の内容物を混合し得る。いくつかの実施形態では、システムは、ミキシングチップを制御することにより約10μl〜約50μlの流体をウェルから抜き出して、約1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、又は約20μl/secの速度でそれをウェルに再注入し得る。いくつかの実施形態では、ウェル120から抜き出す前又はそこに堆積する前、ミキシングチップにより約10μl、11μl、12μl、13μl、14μl、15μl、16μl、17μl、18μl、19μl、20μl、25μl、30μl、35μl、40μl、45μl、又は約50μlの流体を抜き出してウェルの内容物を混合する。
[0210] システム200のインポート/エクスポートチップ186は、インキュベーター100をマイクロ流体デバイス190、マクロスケール細胞培養装置194、又は分析機器192に接続可能なチューブ(図示せず)に接続し得る。生体物質のインポート及び/又はエクスポートのためにチューブに接続する場合、チューブは、オートクレーブ処理に好適な物質で作製し得るか、又はディスポーザブルであり得る。チューブは典型的には疎水性材料で作製される。いくつかの実施形態では、チューブは、Teflon(商標)(ポリテトラフルオロエチレン)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)で作製し得る。Teflon(商標)チューブは、1/16”の外径、1/32”内径を有し得る。PEEKチューブは、1/32”の外径、0.015”の内径を有し得る。後者の寸法は、384ウェルプレートから物質をインポート/エクスポートするために使用し得る。種々の実施形態では、システムは、インポート/エクスポートチップを制御することにより約0.01μl、0.02μl、0.05μl、0.1μl、0.2μl、0.5μl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、30μl/sec、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲の速度で物質の抜出し/堆積を行い得る。
[0211] ロボットサンプリングコンポーネントは、限定されるものではないがリニアステージロボット、xyzロボット、又はSelective Compliance Assembly/Articulated Robot Arm(SCARA)ロボットサンプラーから選択し得る。ロボットサンプリングコンポーネントは、インポート/エクスポートチップを誘導してインキュベーター100内で細胞培養プレート114のウェル120への/からの物質の堆積/抜出しを行い得る。
実施例
[0212]実施例1:ウェルプレートインキュベーター内のCHO細胞生存能
材料:CHO−S細胞は、Fisher Scientific(Invitrogen(商標)Freestyle(商標)CHO-S cells、カタログ番号R80007)から入手した。ガス環境として空気中5%の二酸化炭素を用いて2×105生細胞/mlで播種し、37℃でインキュベートすることにより、培養物を維持した。2〜3日ごとに細胞を分割した。
[0213] 培養培地:Freestyle(商標)Expression Medium(ThermoFisher Scientific、カタログ番号12651014)、動物源フリー、化学的規定、タンパク質フリーの培地を使用した。それにGibco製のHT Supplement(カタログ番号11067−030)及びGibco製のL−グルタミン200mM(カタログ番号25030−081)を追加した。
[0214] インキュベーター:Berkeley Lights, Inc.製。以上に記載の蓋、シャッター、並びに温度及び環境入力を含む。実験全体を通じて、蓋を38℃に加熱し、ウェルプレートの周囲の筐体を37℃に加熱し、シャッターを閉じた。雰囲気は5%CO2が追加された空気であり、インキュベーターへの流量は各インキュベーターに対して10L/hrであった。ガス混合物は、インキュベーターへの導入前に90%の相対湿度に加湿した。
[0215] 対照インキュベーター:対照インキュベーターは市販品である(Heracel(商標), VIOS 160i CO2Incubator)。対照インキュベーターは、製造業者の操作説明書に従って操作した。雰囲気は5%CO2が追加された空気であり、温度は37℃で維持した。
[0216] ウェルプレート:非組織培養処理の低蒸発蓋付き96ウェル平底ウェルプレートを使用した(Falcon、カタログ番号351172)。
[0217] 生存能アッセイ:Promega製のCell Titer Glo Assay(カタログ番号G7572)を入手し、PerkinElmer製のEnVision Xcite Multilabel Plate Reader(カタログ番号:2104−002A)を用いて発光を測定した。
[0218] 空の状態を維持したH12以外、各ウェルプレートに対する細胞の目標播種は20細胞/ウェルであった。試験及び対照のインキュベーター内に充填ウェルプレートを配置した。全実験期間にわたり試験インキュベーターでは合計4つのウェルプレートでインキュベートし、対照インキュベーターでは合計10のウェルプレートでインキュベートした。試験インキュベーターで24時間培養した後、試験インキュベータウェルプレートを市販のインキュベーターに移した。すべての培養プレートをさらに7日間インキュベートした。
[0219] 播種後8日目の終了時、各インキュベータプレートの各ウェルからサンプルを採取し、個別にCell Titer Glo Assayに付し、製造業者の説明書に従って処理した。アッセイでは存在するATPに比例して定量可能な蛍光シグナルを発生する。この場合、ATPは細胞代謝活性のマーカーとして使用される。製造業者の説明書に従って各ウェルの生の蛍光強度(データは示されていない)を標準曲線に対して規格化し、それから細胞の数を計算した。計算細胞数から1ウェル当たりの細胞分裂数を計算した。
[0220] ウェルプレートの各ウェルの細胞分裂数を各ウェルプレートに対して1つの曲線でグラフ化した(図19に示される)。試験インキュベーターでインキュベートした4つのウェルプレートのそれぞれのデータは、曲線(太実線)により表され、完全に対照インキュベーターでインキュベートしたウェルプレートのデータは、個別の黒丸(・)を有する曲線により表される。図19に示されるように、成長速度はx軸に沿って表され、グラフの左側ではより遅い成長(より少ない細胞分裂)であり、グラフの右側ではより速い成長(より多い細胞分裂)である。y軸の値は、各ウェルプレートの個別のウェルを表した。
[0221] 試験インキュベーターでインキュベートしたウェルプレートの曲線(実線)は、完全に対照インキュベーターでインキュベートしたウェルプレートの曲線と比べて成長の遅延を示さなかった。播種後のクリティカルな初期24時間にわたり試験インキュベーターではインキュベーションの有害作用が見られないことが結果から実証された。加えて、試験インキュベーターでインキュベートしたウェルプレートの曲線は、完全に対照インキュベーターで培養した細胞の成長を表す曲線と比較して、x軸に沿って広がりがより少ないことが示されたことから、ウェルプレート全体にわたりより均一に成長することが示唆される(例えば、ウェルプレート全体にわたりすべてのウェルの細胞分裂数がより類似している)。
実施例2:ウェルプレートインキュベーター内のOKT3細胞生存能
[0222] 材料:OKT3細胞(ネズミ骨髄腫ハイブリドーマ細胞系)はATCC(ATCC(登録商標)カタログ番号CRL−8001(商標))から得られる。細胞はサスペンジョン細胞系として提供される。ガス環境として5%の二酸化炭素を用いて約1×105〜約2×105生細胞/mlで播種し、37℃でインキュベートすることにより、培養物を維持する。2〜3日ごとに細胞を分割する。OKT3細胞数及び生存能をカウントし、細胞密度を5×105/mlに調整してウェルプレートに充填し、連続アクセスウェルプレートインキュベータでのインキュベーションに供した。
[0223] 培養培地:500mlイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM,ATCC(登録商標)カタログ番号30−2005)、200mlウシ胎仔血清(ATCC(登録商標)カタログ番号30−2020)及び1mlペニシリン−ストレプトマイシン(Life Technologies(登録商標)カタログ番号15140−122)を組み合わせて培養培地を作製する。完全培地を0.22μmフィルタに通して濾過し、使用時まで4℃で明所を避けて貯蔵する。培養培地は、インキュベーターへの導入前に空気中5%の二酸化炭素を用いてコンディショニングする。
[0224] インキュベーター:Berkeley Lights, Inc.製。以上に記載の蓋、シャッター、並びに温度及び環境入力を含む。インキュベーターの温度を37℃に維持し、空気中5%の二酸化炭素を約10リットル/時の流量でインキュベーターに通して流動させることによりガス正圧下に維持する。ガス混合物は、インキュベーターへの導入前に90%の相対湿度に加湿する。
[0225] 細胞培養プレート:Falcon(登録商標)96ウェルU底プレートを使用する(Corning, カタログ番号351177)。
[0226] 生存能アッセイ:各ウェルに10細胞のOKT3細胞が入るように2つの96ウェル細胞培養プレートに播種し、以上に記載のように調製された100マイクロリットルのIMDM培養培地を両方のウェルプレートの各ウェルに添加する。2つのウェルプレートのそれぞれは、ウェルプレート内の同一位置に細胞型の同一分布を有する。2つのプレートの第1のウェルプレートは、Heracell(商標)150i(Fisher Scientific、カタログ番号51026283)などの標準的組織培養インキュベーターに直接配置する。第2の実験ウェルプレートは、連続アクセスを有するウェルプレートインキュベーターに配置する。両方のインキュベーターは、同一温度(37℃)でかつ5%の二酸化炭素を有する調整ガスを含む同一の環境条件下に維持する。湿度は両方の系で90%に維持する。
[0227] 24時間後、連続アクセスを有するウェルプレートインキュベーターから実験ウェルプレートを取り出し、以上に記載のものと同一の条件に維持された以上に記載の同一のモデルの市販の組織培養インキュベーターに入れる。対照及び実験のウェルプレートの両方をさらなる6日間培養する。7日間の全培養時期の終了時、細胞生存能を評価し、およその細胞数を得る。CellTiterGlo(登録商標)(Promega Corp.)ルシフェラーゼアッセイを用いて細胞を均一に溶解し、存在するATPの量に比例するオキシルシフェリン発光シグナルを発生させ。これは存在する細胞の数に正比例する、等価量のCellTiterGlo(登録商標)試薬を各ウェルに直接添加し、得られた発光をWallac 1420 Victor2(商標)(PerkinElmer、カタログ番号1420−832)で記録する。生じた発光は、生存細胞の数に正比例し、各ウェル内の生細胞の数を近似する。比較生存能/成長は、対照に対する実験プレートでの細胞/ウェルの数に基づく。
[0228] 実験ウェルプレートの細胞生存能は、評価した各細胞系の対照の少なくとも95%であることが結果から示唆される。
実施例3:連続アクセスウェルプレートインキュベータでのOKT3細胞の培養及びマイクロ流体デバイスへの移行
[0229] マイクロ流体デバイスマテリアル:マイクロ流体デバイス及びシステム:Berkeley Lights, Inc.製。システムは、少なくともフローコントローラ、温度コントローラー、流体媒体コンディショニング及びポンプコンポーネント、光作動DEP構成用の光源及びプロジェクター、取付けステージ、及びカメラを含む。マイクロ流体デバイスは、細胞単離、アッセイ、及び/又は成長のためにフローチャネル及びペンを含み、単一のペン体積はおよそ1.5×106μm3である。
[0230] システムの移行コンポーネント:リニアステージロボット、1.067mmの外径のマイクロ流体デバイスを有するインポート/エクスポートチップ。
[0231] マイクロ流体デバイス用プライミング溶液:0.1%Pluronic(登録商標)F127(Life Technologies(登録商標)カタログ番号P6866)を含有する培養培地(実施例2に記載)。
[0232] 移行前のマイクロ流体デバイスの準備:マイクロ流体デバイスをシステムに導入し、15psiの100%二酸化炭素を用いて5分間パージする。二酸化炭素パージの直後、2.5mlの全体積がマイクロ流体デバイスを通って灌流するまで8μl/secでプライミング溶液をマイクロ流体デバイスに通して灌流させる。次いで、合計1mlの培養培地がマイクロ流体デバイスを通って灌流するまで8μl/secで培養培地をマイクロ流体デバイスに通して流動させる。マイクロ流体デバイスの温度は37℃に維持する。0.01μl/secで4時間の灌流を1回、1分間未満の短時間灌流停止時間を介在させて、続いて、8μl/secで約3秒間の短時間高速灌流を含む、さまざまな灌流方法を用いて実験全体を通じて培養培地を灌流させる。
[0233] 実験:OKT3細胞を96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに播種する。連続アクセスウェルプレートインキュベータ内で細胞を1日培養する。培養時間の終了時、96ウェルプレートの1つのウェルで細胞生存能及び細胞数を決定する分析を行う。生存能及び成長要件が満たされていることを確認した後、マイクロ流体デバイスの準備を行って移行に備える。ウェルプレートインキュベーターのコントローラーによりウェルプレートインキュベーターの筐体の開口を開け、正圧のガスフローを継続させる。移行される各ウェルに対して、最初に筐体の開口を介してミキシングチップを導入し、ウェルを外部環境に接続する。ウェル内で50μlの培養培地の抜出し及び再注入を行うことにより、加えて、ウェルの壁に接着するいずれの細胞も移動させることにより、アジテーションを行う。アジテーションは、インポート/エクスポートチップの挿入前又は同時のいずれかで行われる。ウェルの内容物のサンプルをインポート/エクスポートチップに抜き出して、マイクロ流体デバイスの入力に送達する。マイクロ流体デバイスのチャネルを介して流動、重力、又は誘電泳動の力により細胞を移動させ、さらなる分析のためにマイクロ流体デバイスの個別のペンに配置する。
[0234] 種々の例示的な実施形態を上記したが、種々の実施形態に対するいくつもの変更形態は、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。例えば、代替実施形態では、記載された各種方法工程を行う順序は、多くの場合に変更され得、他の代替実施形態では、1つ以上の方法工程は、まとめて省略され得る。様々なデバイス及びシステムの実施形態の任意の特徴は、ある実施形態で含まれ、他の実施形態で含まれなくてもよい。したがって、上記記載は、主に例示を目的として提供されており、特許請求の範囲に示される本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。本明細書中の見出し及び小見出しは、いずれも読みやすいようにするためであり、本発明並びに本明細書に記載の組合せ及び部分的組合せを限定することを何ら意図したものではない。
[0235] 本明細書に含まれる実施例及び例示は、限定ではなく例示を目的として、本主題が実施され得る具体的な実施形態を示す。言及の通り、他の実施形態は、これに基づき、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的置換及び変更がなされ得るように利用及び導出され得る。本明細書では、あくまでも便宜上、本発明の主題のかかる実施形態が個別に又は全体として「発明」という用語で参照される場合があり、実際に2つ以上が開示されている場合、本出願の範囲をいずれの単一の発明又は発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。したがって、具体的な実施形態を本明細書に例示及び記載してきたが、同一の目的を達成するように計画された構成は、いずれも示された具体的な実施形態の代替となり得る。本開示は、各種実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態を対象とすることが意図される。上記実施形態の組合せ及び本明細書に特に記載されていない他の実施形態は、上記説明を概観すれば当業者に明らかであろう。
本開示のいくつかの実施形態の列挙
[0236] 1.インキュベーターであって、複数のウェルを含む細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバーと、ガス流入のために構成された少なくとも1つの通路とを有する筐体と、内部チャンバーの温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラーと、筐体と直接的又は間接的に係合された第1の加熱/冷却デバイスであって、温度コントローラーによって制御される第1の加熱/冷却デバイスと、内部チャンバーの頂部に位置決めされたアクセス構造体であって、細胞培養プレートのウェルへのアクセスを可能にするように構成された複数の開口を含むアクセス構造体と、アクセス構造体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含むシーリングエレメントとを含み、シーリングエレメントは、シーリングエレメントがアクセス構造体の複数の開口のそれぞれを閉塞し、且つそれによりシールする閉位置と、シーリングエレメントの第1の複数の開口がアクセス構造体の複数の開口の少なくともサブセットに位置合せされ、それにより、筐体の内部チャンバーと、細胞培養プレートが筐体の内部チャンバー内に支持されているときに細胞培養プレートの複数のウェルの少なくともサブセットとへのアクセスを提供する、第1の開位置との間で移動可能である、インキュベーター。
[0237] 2.シーリングエレメントは、アクセス構造体の表面に面する実質的にフラットな表面を含む、実施形態1に記載のインキュベーター。
[0238] 3.シーリングエレメントは、アクセス構造体の表面と直接接続する実質的にフラットな表面を含む、実施形態1に記載のインキュベーター。
[0239] 4.シーリングエレメントの実質的にフラットな表面上のすべての点は、互いに平行であり且つ0.2mmの距離離れている2つの理想平面によって画定されるスペース内にある、実施形態2又は3に記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの実質的にフラットな表面上のすべての点は、互いに平行であり且つ1.8mm、1.6mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1.0mm又はそれより短い距離離れている2つの理想平面によって画定されるスペース内にあり得る。
[0240] 5.シーリングエレメントは、約1.5mmから約6mmの厚さを有する、実施形態1から4のいずれか1つに記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、約2mmから約4mmの厚さを有し得る。
[0241] 6.シーリングエレメントは、鋼(例えば、ステンレス鋼)を含む(又はそれから本質的になる)、実施形態1から5のいずれか1つに記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、鋼コアを含み得るか、鋼コアからなり得るか、又は鋼コアから本質的になり得る。
[0242] 7.シーリングエレメントは、加圧ガス源からのガスが通路を通して且つ内部チャンバー内に流入するとき、筐体が内部チャンバー内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psiから約0.01000psi高く維持することを可能にする、構造体の複数の開口とのシールを形成するように構成されている、実施形態2から6のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0243] 8.筐体は、基体と蓋アセンブリーとを含み、蓋アセンブリーは、蓋と、筐体ガスケットと、アクセス構造体とを含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0244] 9.筐体ガスケットは、筐体の基体と接続し、且つアクセス構造体(又はアクセス構造体及び蓋)を基体から熱的に絶縁する、実施形態8に記載のインキュベーター。
[0245] 10.シーリングエレメントは、アクセス構造体と蓋との間に位置決めされている、実施形態8又は9に記載のインキュベーター。
[0246] 11.アクセス構造体は、プリント回路基板(PCB)を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、アクセス構造体は、PCBからなり得るか、又はPCBから本質的になり得る。
[0247] 12.PCBは、抵抗加熱素子を含む、実施形態11に記載のインキュベーター。
[0248] 13.抵抗加熱素子は、PCBの多層構造の一部としてPCBの内部に位置決めされている、実施形態11に記載のインキュベーター。
[0249] 14.PCBは、1つ以上のセンサーを含む、実施形態11から13のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0250] 15.1つ以上のセンサーのそれぞれは、温度センサー、湿度センサー、酸素センサー及び二酸化炭素センサーからなる群から選択される、実施形態14に記載のインキュベーター。
[0251] 16.1つ以上のPCBセンサーのそれぞれは、耐湿性材料で被覆されている、実施形態14又は15に記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、耐湿性材料は、非腐食性且つ湿度不透過性である非導電ポッティング材であり得る。
[0252] 17.1つ以上のセンサーのそれぞれは、エポキシ系又はウレタン系ポリマーで被覆されている、実施形態14から16のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0253] 18.第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の基体と直接的又は間接的に係合されており、筐体ガスケットは、PCBを基体及び第1の加熱/冷却デバイスから熱的に絶縁する、実施形態11から16のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0254] 19.基体は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成されている、実施形態8から18のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0255] 20.基体は、筐体の内部チャンバーの一部又は全部を形成する中空領域を有して構成されている、実施形態8から19のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0256] 21.基体は、底部と4つの壁とを含み、4つの壁の1つは、他の3つの壁の高さよりも低い高さを有する、実施形態20に記載のインキュベーター。
[0257] 22.蓋は、断熱プラスチックから形成されている、実施形態8から21のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0258] 23.蓋は、基体に蓋をシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクターを含む、実施形態8から22のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0259] 24.1つ以上のコネクターのそれぞれは、磁石、可撓性タブ及び/又はクリップからなる群から選択される、実施形態23に記載のインキュベーター。
[0260] 25.1つ以上のコネクターは、可撓性タブであり、各可撓性タブは、ピンに係合し、且つそれにより蓋を基体に固定するように構成されている、実施形態23に記載のインキュベーター。
[0261] 26.基体及び蓋は、筐体の内部チャンバーを画定する、実施形態8から20及び22から25のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0262] 27.筐体は、フロントプレートを更に含み、基体、蓋及びフロントプレートは、筐体の内部チャンバーを画定する、実施形態8から19及び21から25のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0263] 28.筐体の少なくとも1つの通路に加圧ガス源を接続するように適合されたコネクターを更に含む、実施形態1から27のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0264] 29.内部チャンバーは、約200cm3から約750cm3の体積を有する、実施形態1から28のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0265] 30.内部チャンバーは、約750cm3から約2000cm3の体積を有する、実施形態1から28のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0266] 31.内部チャンバーは、流体を保持するように構成されたリザーバーを含む、実施形態1から30のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0267] 32.細胞培養プレートは、96ウェルプレート又は384ウェルプレートである、実施形態1から31のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0268] 33.アクセス構造体の複数の開口は、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成されている、実施形態1から32のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0269] 34.アクセス構造体の複数の開口の各開口は、面積を有するか又は約0.78mm2から約78mm2である、実施形態1から33のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0270] 35.アクセス構造体の複数の開口の各開口は、約0.78mm2から約20mm2の面積を有する、実施形態1から34のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0271] 36.シーリングエレメントの複数の開口の各開口は、約0.78mm2から約78mm2の面積を有する、実施形態1から35のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0272] 37.シーリングエレメントの複数の開口の各開口は、約0.78mm2から約20mm2の面積を有する、実施形態1から36のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0273] 38.シーリングエレメントの第1の複数の開口の開口数は、アクセス構造体の開口数よりも少ない、実施形態1から37のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0274] 39.シーリングエレメントの第1の複数の開口の開口数は、アクセス構造体の開口数の1/2、1/3又は1/4である、実施形態38に記載のインキュベーター。
[0275] 40.シーリングエレメントは、(例えば、第1の複数の開口と異なる)第2の複数の開口を更に含む、実施形態1から39のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0276] 41.シーリングエレメントの第2の複数の開口の開口数は、アクセス構造体の開口数よりも少ない、実施形態40に記載のインキュベーター。
[0277] 42.シーリングエレメントの第2の複数の開口の開口数は、アクセス構造体の開口数の1/2、1/3又は1/4である、実施形態41に記載のインキュベーター。
[0278] 43.シーリングエレメントは、閉位置と、第1の開位置と、第2の開位置との間で移動可能であり、シーリングエレメントが閉位置にあるとき、アクセス構造体の複数の開口のそれぞれは、閉塞され、シーリングエレメントが第1の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口は、アクセス構造体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せされ、且つアクセス構造体の複数の開口のすべての他の開口は、閉塞され、及びシーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口は、アクセス構造体の開口の第2のサブセットに位置合せされ、且つアクセス構造体の複数の開口のすべての他の開口は、閉塞される、実施形態1から42のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0279] 44.アクセス構造体の開口の第1のサブセット及びアクセス構造体の開口の第2のサブセットは、非重複サブセットである、実施形態43に記載のインキュベーター。
[0280] 45.シーリングエレメントを第1の開位置と閉位置との間で移動させるように構成されたシーリングエレメントアクチュエーターを更に含む、実施形態1から44のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0281] 46.シーリングエレメントアクチュエーターは、シーリングエレメントを第2の開位置と閉位置との間で移動させるように構成されている、実施形態45に記載のインキュベーター。
[0282] 47.シーリングエレメントを第2の開位置に移動させることは、シーリングエレメントの第1の複数の開口とアクセス構造体の複数の開口の第2のサブセットとを一列に並べることを含み、アクセス構造体の複数の開口の第2のサブセットは、アクセス構造体の複数の開口のうちの開口の第1のサブセットと異なる、実施形態46に記載のインキュベーター。
[0283] 48.シーリングエレメントアクチュエーターは、モーター又はロータリーソレノイドを含む、実施形態45から47のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0284] 49.第1の加熱/冷却デバイスは、抵抗ヒーター、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイス及びそれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1から48のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0285] 50.第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部(例えば、筐体の基体又は筐体の基体の底部)の外表面に直接接触するか、又はそれへの熱伝達を間接的に提供する、実施形態1から49のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0286] 51.第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面の少なくとも約75%に接触する、実施形態50に記載のインキュベーター。
[0287] 52.第1の加熱/冷却デバイスは、流体コイルを含む、実施形態49から51のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0288] 53.第2の加熱/冷却デバイスを更に含み、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の頂部に近接し、且つ温度コントローラーによって制御される、実施形態1から52のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0289] 54.第2の加熱/冷却デバイスは、筐体内にある、実施形態53に記載のインキュベーター。
[0290] 55.第2の加熱/冷却デバイスは、アクセス構造体に係合するか又はアクセス構造体によって含まれ、且つアクセス構造体の複数の開口に位置合せされる複数の開口を含む、実施形態53又は54に記載のインキュベーター。
[0291] 56.第2の加熱/冷却デバイスは、PCBを含み、PCBは、抵抗加熱素子を含む、実施形態53から55のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0292] 57.抵抗加熱素子は、PCBの多層構造の一部としてPCBの内部に位置決めされている、実施形態56に記載のインキュベーター。
[0293] 58.細胞培養プレートのための支持体を更に含む、実施形態1から57のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0294] 59.支持体は、筐体内の位置から筐体の内部チャンバーの外の位置まで、筐体に対してスライド可能に移動するように構成されている、実施形態58に記載のインキュベーター。
[0295] 60.支持体は、細胞培養プレートのエッジに係合するように構成された先端リップを更に含む、実施形態58又は59に記載のインキュベーター。
[0296] 61.細胞培養プレートのための支持体に係合されたアクセスドアを更に含む、実施形態58から60のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0297] 62.支持体及びアクセスドアは、筐体の一部分にシール可能に接続するフロントプレートを含むアクセスアセンブリーを形成する、実施形態61に記載のインキュベーター。
[0298] 63.フロントプレートとアクセスドアとの間において、フロントプレートに圧縮力を提供するように構成されたバイアス接続部を更に含む、実施形態62に記載のインキュベーター。
[0299] 64.アクセスアセンブリーは、筐体を支持する筐体支持体上に移動可能に取り付けられている、実施形態62又は63に記載のインキュベーター。
[0300] 65.筐体支持体は、トラックを含み、アクセスアセンブリーは、筐体支持体上のトラックに対してスライドするように構成されている、実施形態64に記載のインキュベーター。
[0301] 66.アクセスアセンブリーは、筐体支持体上のトラックに対してスライドするように構成されたレールを更に含む、実施形態65に記載のインキュベーター。
[0302] 67.筐体支持体に対してアクセスアセンブリーの位置を固定するために筐体支持体のコンプリメンタリー構造に係合するように構成されている、レール上の係合表面を更に含む、実施形態66に記載のインキュベーター。
[0303] 68.アクセスアセンブリーの固定された位置は、アクセスアセンブリーの開位置又は閉位置に対応する、実施形態67に記載のインキュベーター。
[0304] 69.アクセスアセンブリーのコンプリメンタリー構造に機械的、電子的又は磁気的に係合するように構成されたドアスイッチを更に含む、実施形態62から68のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0305] 70.支持体は、筐体の1つ以上の内表面によって形成されている(又はそれを含む)、実施形態58に記載のインキュベーター。
[0306] 71.ガス流入のために構成された少なくとも1つの通路は、細胞培養プレートの側部と同じ筐体の底部からの高さで筐体の壁(又は筐体の基体)に位置する、実施形態1から70のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0307] 72.筐体内の流体リザーバーを空にするように構成されている、筐体内の少なくとも1つの流体ドレイン通路を更に含み、流体ドレイン通路は、シール可能である、実施形態1から71のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0308] 73.筐体に結合された断熱材料を更に含む、実施形態1から72のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0309] 74.断熱材料は、筐体の1つ以上の外表面に付着されている、実施形態73に記載のインキュベーター。
[0310] 75.筐体の内部チャンバー内の選択された内部温度、湿度及びガス含有量を維持するように構成されている、実施形態1から74のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0311] 76.筐体の内部チャンバー内の選択された内部温度、湿度及びガス含有量を維持するように構成されたコントローラーを更に含む、実施形態75に記載のインキュベーター。
[0312] 77.筐体を支持するように構成された筐体支持体を更に含む、実施形態1から76のいずれか1つに記載のインキュベーター。
[0313] 78.筐体支持体を筐体に接続するように構成された1つ以上のアジャスタブルコネクターを更に含む、実施形態77に記載のインキュベーター。
[0314] 79.インキュベーターの内部チャンバーにアクセスする方法であって、インキュベーターは、内部チャンバーと1つ以上の開口とを含む筐体と、内部チャンバー内で細胞培養プレートを位置決めするための支持体と、複数の開口を有するアクセス構造体と、アクセス構造体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み、方法は、
シーリングエレメントを開位置に移動させ、それにより、シーリングエレメントの複数の開口をアクセス構造体の複数の開口のうちの開口の第1のサブセットに位置合せすることであって、シーリングエレメントの複数の開口及びアクセス構造体の複数の開口のうちの開口の第1のサブセットは、それにより、インキュベーターの外部から筐体の内部チャンバーへの第1の複数の通路を提供する、位置合せすることと、
インキュベーターの外部と筐体の内部チャンバーとの間の複数の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを前進させることと、
インポート/エクスポートチップを介して、筐体の内部チャンバー内に位置決めされた細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することと
を含む、方法。
[0315] 80.インキュベーターは、実施形態1から78及び138のいずれか1つに記載のインキュベーターである、実施形態79に記載の方法。
[0316] 81.物質を捕集又は堆積することは、筐体の内部チャンバー内に位置決めされた細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することを含む、実施形態79又は80に記載の方法。
[0317] 82.物質を捕集又は堆積した後、インキュベーターの外部と筐体の内部チャンバーとの間の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを抜き出すことを更に含む、実施形態79から81のいずれか1つに記載の方法。
[0318] 83.シーリングエレメントがアクセス構造体の複数の開口を閉塞するようにシーリングエレメントを閉位置に移動させることを更に含む、実施形態82に記載の方法。
[0319] 84.シーリングエレメントは、インキュベーターの内部チャンバー内に存在する空気の二酸化炭素含有量及び/又は湿度が、インキュベーターの周りの空気の二酸化炭素含有量及び/又は湿度と平衡化することを防止するように十分に短い時間にわたって開位置にある、実施形態83に記載の方法。
[0320] 85.シーリングエレメントアクチュエーターを作動させてシーリングエレメントを開位置に移動させることを更に含む、実施形態79から84のいずれか1つに記載の方法。
[0321] 86.シーリングエレメントを開位置に移動させることは、複数の開口を有する構造体に対してシーリングエレメントをスライドさせることを含む、実施形態79から85のいずれか1つに記載の方法。
[0322] 87.シーリングエレメントが開位置にあるとき、シーリングエレメントの複数の開口は、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成されている、実施形態79から86のいずれか1つに記載の方法。
[0323] 88.支持体及び支持体上に位置決めされた細胞培養プレートをインキュベーターの内部チャンバーから筐体の内部チャンバーの外の位置にスライドさせ、それにより筐体の内部チャンバーから細胞培養プレートを抜き出すことを更に含む、実施形態79から87のいずれか1つに記載の方法。
[0324] 89.支持体をスライドさせることは、細胞培養プレートの支持体と、支持体に装着されたアクセスドアとを含むアクセスアセンブリーをスライドさせることを含む、実施形態88に記載の方法。
[0325] 90.支持体又はアクセスアセンブリーをスライドさせることは、インキュベーターの筐体支持体の1つ以上のトラックに沿って支持体又はアクセスアセンブリーをスライドさせることを含む、実施形態88又は89に記載の方法。
[0326] 91.支持体又はアクセスアセンブリーをスライドさせることは、人間のオペレーターによって行われる、実施形態88から90のいずれか1つに記載の方法。
[0327] 92.支持体又はアクセスアセンブリーをスライドさせることは、ロボットによって行われる、実施形態88から90のいずれか1つに記載の方法。
[0328] 93.支持体を筐体の内部チャンバーの外の位置にスライドさせ、それにより筐体の内部チャンバーから支持体を抜き出すことと、支持体が筐体の内部チャンバーの外の位置にある間に支持体上に細胞培養プレートを配置することと、支持体及び細胞培養プレートを筐体の内部チャンバー内にスライドさせることとを更に含む、実施形態79から92のいずれか1つに記載の方法。
[0329] 94.支持体をスライドさせること及び細胞培養プレートを配置することは、人間のオペレーターによって行われる、実施形態93に記載の方法。
[0330] 95.支持体をスライドさせること及び細胞培養プレートを配置することは、ロボットによって行われる、実施形態93に記載の方法。
[0331] 96.支持体をスライドさせることは、細胞培養プレートの支持体と、支持体に装着されたアクセスドアとを含むアクセスアセンブリーをスライドさせることを含む、実施形態93から95のいずれか1つに記載の方法。
[0332] 97.支持体をスライドさせることは、アクセスアセンブリーをインキュベーターの筐体支持体の1つ以上のトラックに沿ってスライドさせることを含む、実施形態96に記載の方法。
[0333] 98.筐体の内部チャンバーの温度、湿度及び二酸化炭素含有量の1つ以上を測定することを更に含む、実施形態79から97のいずれか1つに記載の方法。
[0334] 99.筐体の内部チャンバーの温度、湿度及び二酸化炭素含有量の1つ以上を制御することを更に含む、実施形態79から98のいずれか1つに記載の方法。
[0335] 100.温度を制御することは、筐体の内部チャンバーを加熱又は冷却することを含む、実施形態99に記載の方法。
[0336] 101.湿度を制御することは、筐体の内部チャンバーに湿度源を提供することを含む、実施形態99又は100に記載の方法。
[0337] 102.二酸化炭素含有量を制御することは、二酸化炭素を含むガス源をインキュベーターの内部チャンバーに提供することを含む、実施形態99から101のいずれか1つに記載の方法。
[0338] 103.二酸化炭素を含むガス源は、酸素と窒素とを更に含む、実施形態102に記載の方法。
[0339] 104.シーリングエレメントは、閉位置にあるとき、筐体の内部チャンバー内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psiから約0.0100psi高く維持することが可能である、実施形態79から103のいずれか1つに記載の方法。
[0340] 105.パージガスを筐体の内部チャンバーに提供することを更に含み、それにより、シーリングエレメントが閉位置にあり、及び細胞培養プレートのための支持体が筐体の内部チャンバー内に位置決めされているとき、筐体の内部チャンバー内の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psiから約0.0100psi高く維持される、実施形態104に記載の方法。
[0341] 106.インポート/エクスポートチップは、複数のチップを含む、実施形態79から105のいずれか1つに記載の方法。
[0342] 107.インポート/エクスポートチップの複数のチップを用いて、細胞培養プレートの複数のウェルから物質を同時に捕集又は堆積することを更に含む、実施形態106に記載の方法。
[0343] 108.物質を捕集又は堆積することは、ロボットによって行われる、実施形態79から107のいずれか1つに記載の方法。
[0344] 109.シーリングエレメントが開位置にあるとき、インキュベーターの内部チャンバー内の圧力をインキュベーターの外の圧力よりも高く維持することを更に含む、実施形態79から108のいずれか1つに記載の方法。
[0345] 110.筐体の内部チャンバー内で捕集又は堆積される物質は、生物学的マイクロ物体を含む、実施形態79から109のいずれか1つに記載の方法。
[0346] 111.細胞培養プレート内で培養される生物学的マイクロ物体を支持するように筐体の内部チャンバー内の環境を確立することを更に含む、実施形態79から110のいずれか1つに記載の方法。
[0347] 112.複数の開口を有するアクセス構造体は、固定式である、実施形態79から111のいずれか1つに記載の方法。
[0348] 113.複数の開口を有するアクセス構造体は、プリント回路基板(PCB)を更に含む、実施形態112に記載の方法。
[0349] 114.インキュベーターは、シーリングエレメントの外側に面する表面の少なくとも50%が蓋によって被覆されないようにシーリングエレメントの複数の開口の上方に1つ以上の開口を有する蓋を更に含み、方法は、蓋の開口の1つ及びインキュベーターの外部と筐体の内部チャンバーとの間の複数の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを前進させることを更に含む、実施形態79から113のいずれか1つに記載の方法。
[0350] 115.インキュベーターの内部チャンバーにアクセスする方法であって、インキュベーターは、内部チャンバーと1つ以上の開口とを含む筐体と、内部チャンバー内で細胞培養プレートを位置決めするための支持体と、複数の開口を有するアクセス構造体と、アクセス構造体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み、方法は、
シーリングエレメントを第1の開位置に移動させ、それにより、シーリングエレメントの第1の複数の開口をアクセス構造体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せすることであって、シーリングエレメントの第1の複数の開口及びアクセス構造体の複数の開口のうちの開口の第1のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーターの外部から筐体の内部チャンバーへの第1の複数の通路を提供する、位置合せすることと、
インキュベーターの外部と筐体の内部チャンバーとの間の第1の複数の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを前進させることと、
インポート/エクスポートチップを介して、筐体の内部チャンバー内に位置決めされた細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することと
を含む、方法。
[0351] 116.インキュベーターは、実施形態1から78及び138のいずれか1つに記載のインキュベーターである、実施形態115に記載の方法。
[0352] 117.シーリングエレメントが開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口は、細胞培養プレートの複数のウェルの第1のサブセットに位置合せされるように構成されている、実施形態115又は116に記載の方法。
[0353] 118.シーリングエレメントの複数の開口の総開口数は、細胞培養プレートの複数のウェルのウェル総数よりも少ない、実施形態115から117のいずれか1つに記載の方法。
[0354] 119.シーリングエレメントの複数の開口の総開口数は、細胞培養プレートの複数のウェルのウェル総数の1/2、1/3、1/4、1/6又は1/12以下である、実施形態118に記載の方法。
[0355] 120.シーリングエレメントを第2の開位置に移動させ、それにより、シーリングエレメントの第2の複数の開口をアクセス構造体の複数の開口の第2のサブセットに位置合せすることであって、シーリングエレメントの第2の複数の開口及びアクセス構造体の複数の開口の第2のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーターの外部から筐体の内部チャンバーへの第2の複数の通路を提供する、位置合せすることを更に含む、実施形態115から119のいずれか1つに記載の方法。
[0356] 121.シーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、開口の第2のサブセット以外のアクセス構造体の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメントによって閉塞される、実施形態120に記載の方法。
[0357] 122.シーリングエレメントを第3の開位置に移動させ、それにより、シーリングエレメントの第3の複数の開口をアクセス構造体の複数の開口の第3のサブセットに位置合せすることであって、シーリングエレメントの第3の複数の開口及びアクセス構造体の複数の開口の第3のサブセットは、位置合せされているとき、インキュベーターの外部から筐体の内部チャンバーへの第3の複数の通路を提供する、位置合せすることを更に含む、実施形態115から121のいずれか1つに記載の方法。
[0358] 123.シーリングエレメントが第3の開位置にあるとき、開口の第3のサブセット以外のアクセス構造体の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメントによって閉塞される、実施形態122に記載の方法。
[0359] 124.シーリングエレメントを閉位置に移動させ、それによりアクセス構造体の複数の開口のそれぞれを閉塞することを更に含む、実施形態115から123のいずれか1つに記載の方法。
[0360] 125.アクセス構造体は、固定式である、実施形態115から124のいずれか1つに記載の方法。
[0361] 126.アクセスは、プリント回路基板(PCB)を含む、実施形態125に記載の方法。
[0362] 127.インキュベーターは、シーリングエレメントの外側に面する表面の少なくとも50%が蓋によって被覆されないように、シーリングエレメントの複数の開口の上方に1つ以上の開口を有する蓋を更に含み、方法は、蓋の1つ以上の開口の1つを通して、且つインキュベーターの外部と筐体の内部チャンバーとの間の複数の通路の1つ以上を通してインポート/エクスポートチップを前進させることを更に含む、実施形態115から126のいずれか1つに記載の方法。
[0363] 128.インキュベーションのためのシステムであって、
実施形態1から78及び138のいずれか1つに記載のインキュベーターと、
インキュベーターの筐体の内部チャンバー内に位置決めされた細胞培養プレート内でサンプルを捕集又は堆積するためにインキュベーターにアクセスするように構成されたロボットサンプリングコンポーネントと、少なくとも1つのコントローラーであって、インキュベーターの外部から筐体の内部チャンバーへの複数の通路を開放することと、筐体の内部チャンバー内に入れられているウェルプレートの複数のウェルに複数の通路を介してアクセスするようにロボットサンプリングコンポーネントを制御することと、を行うように構成された少なくとも1つのコントローラーと、を含むシステム。
[0364] 129.少なくとも1つのコントローラーは、複数の通路を閉鎖するように更に構成されている、実施形態128に記載のシステム。
[0365] 130.筐体の内部チャンバーを正圧下に維持するように構成されている、実施形態128又は129に記載のシステム。
[0366] 131.少なくとも1つのコントローラーは、細胞培養プレートの複数のウェルの1つから物質を抜き出すようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成されている、実施形態128から130のいずれか1つに記載のシステム。
[0367] 132.少なくとも1つのコントローラーは、抜き出された物質をマイクロ流体デバイスに送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成されている、実施形態131に記載のシステム。
[0368] 133.少なくとも1つのコントローラーは、抜き出された物質を分析機器に送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成されている、実施形態131に記載のシステム。
[0369] 134.物質は、生物学的マイクロ物体を含む、実施形態128から133のいずれか1つに記載のシステム。
[0370] 135.少なくとも1つのコントローラーは、ウェルプレートインキュベーター内に入れられたウェルプレートの1つ以上のウェルに1種以上の物質を送達するようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成されている、実施形態128から134のいずれか1つに記載のシステム。
[0371] 136.1種以上の物質は、マイクロ流体デバイスから得られる、実施形態135に記載のシステム。
[0372] 137.1種以上の物質は、分析機器から得られる、実施形態135に記載のシステム。
[0373] 138.蓋は、1つ以上の開口を含み、且つシーリングエレメントの第1の複数の開口及びシーリングエレメントの外側に面する表面の少なくとも50%が蓋によって被覆されないように、シーリングエレメントの上方に位置決めされている、実施形態8から78のいずれか1つに記載のインキュベーター。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの外側に面する表面の少なくとも30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又はそれを超えるものが蓋によって被覆されない。