JP6967378B2 - インクジェット塗工紙用共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックス含有組成物 - Google Patents
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Description
一般的なオフセット印刷用紙塗工用組成物ではクレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成され、バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。
一方、インクジェット方式では水吸収性に優れるシリカなどの多孔性顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、インキを紙表面に定着させるための定着剤やその他の添加剤によって構成されるが、バインダーとしては保護コロイド性・親水性に優れたポリビニルアルコールが使用されることが一般的である(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)が、その親水性の高さから耐水強度が劣る。一方、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、耐水性に優れるが一般的にラテックス粒子の安定性を付与するため表面がカルボキシ変性されている事が多く、これが定着剤であるカチオンポリマーとの凝集を招く事から使用が制限される。
アニオン性界面活性剤を使用する際に、7重量部を超えると塗工層の耐水強度や泡立ちが多く発生する傾向があり好ましくない。好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.2〜3重量部である。これらの界面活性剤は、重合時に使用してもよく、重合後に添加してもよい。
また、インクジェット塗工紙用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は顔料100重量部(固形分)に対して3〜300重量部(固形分)を使用することが好ましい。共重合体ラテックスの含有量が3重量部未満では顔料を充分に接着できず好ましくなく、300重量部を超えると塗工層の通気性や吸水性が低下して好ましくない。
カチオンポリマーとしては、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミン等のカチオン性ポリマーや第4級アンモニウム塩等の公知のカチオン性の定着剤が使用できる。
温度40℃、湿度85%の雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを約1g秤量しXgとする。これを400mlのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させる。その後、これを秤量済みの300メッシュの金網で濾過し、その後トルエンを蒸発乾燥させ、その乾燥後重量からメッシュ重量を減じて、試料の乾燥後重量を秤量しYgとする。
ゲル含量(%)=Y/X×100
共重合体ラテックスの光子相関法による平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、FPAR−1000(大塚電子製)を使用した。
カチオンポリマーとの安定性の指標として塩化カルシウムに対する安定性を評価した。0.3重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を30g準備し、固形分濃度40%に調整したラテックス1gを塩化カルシウム水溶液に滴下し撹拌後、静置する。2時間後に200メッシュ金網にて濾過し、その後金網上の濾過残渣を十分に乾燥して凝集物量(乾燥重量)を測定した。以下の式より凝集物割合(%)を算出し、4段階評価した。
凝集物割合(%)=A/(B× 固形分濃度(40%))×100
A:凝集物量(乾燥重量)、B:試料重量(ラテックス重量)
◎・・・0.1%未満 (非常に良い)
○・・・0.1%以上1%未満 ( 良い )
△・・・1%以上10%未満 ( 少し悪い )
×・・・10%以上 (非常に悪い)
塗工層の表面にセロハンテープ(セロテープCT405AP、ニチバン株式会社製)を貼り付けゆっくりと剥がした際のセロハンテープへの塗工層の付着の程度を肉眼で判定し、◎(優)から×(劣)まで相対的に目視評価した。
◎(優) 塗工層は全く剥がれない。
○ わずかな剥がれが確認される。
△ 塗工層の半分程度が剥離する。
×(劣) 塗工層のほとんどが剥離する。
RI印刷機で各塗工紙試料にモルトンロールを用いて一定量の水を塗布した直後に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、◎(優)から×(劣)まで相対的に目視評価した。
◎(優) ピッキングが発生しない。
○ わずかなピッキングが確認される。
△ 塗工紙試料の半分程度にピッキングが確認される。
×(劣) 塗工紙試料のほとんどにピッキングが確認される。
インクジェット塗工紙用組成物200mlを、メスシリンダー(1000ml)に投入し、組成物に空気800mlを吹き込み、発泡させた。発泡直後の組成物の上端(発泡体積)を、メスシリンダーの目盛りで確認した。発泡体積を元の体積(200ml)で除した値を以下のように評価した。
◎(優) 2倍未満
○ 2倍以上3倍未満
△ 3倍以上4倍未満
×(劣) 4倍以上
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。重合転化率が70%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスA、J、K、L、Mを得た。また、共重合体ラテックスB、Dにおいては、更に表1および表2記載のノニオン性界面活性剤を添加した。
共重合体ラテックス(C)の合成
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、最終重合転化率が95%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、更に表1記載のノニオン性界面活性剤を添加し共重合体ラテックスCを得た。
共重合体ラテックス(E、F、G、H、I)の合成
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。重合転化率が50%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、重合転化率が70%を越えた時点で、3段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、更に表1および表2記載のノニオン性界面活性剤を添加し、共重合体ラテックスE、F、G、H、Iを得た。
下記に示した配合処方1に従って共重合体ラテックスA〜Mを用い、インクジェット塗工紙用組成物を作製した。また、配合処方2に従って共重合体ラテックスの代わりにポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−217、株式会社クラレ製)を用い、インクジェット塗工紙用組成物を作製した。カチオンポリマーはポリエチレンイミン(エポミンP1000、株式会社日本触媒製)を使用した。
(インクジェット塗工紙用組成物の配合処方)
配合処方1
コロイダルシリカ(平均一次粒径20nm)100部
カチオンポリマー 3部
共重合体ラテックス 10部
――――――――――――――――――――――――――――
固形分濃度 9%
配合処方2
コロイダルシリカ(平均一次粒径20nm)100部
カチオンポリマー 3部
ポリビニルアルコール 10部
――――――――――――――――――――――――――――
固形分濃度 9%
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記のインクジェット塗工紙用組成物を片面あたりの塗被量が15g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥しインクジェット塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1、表2に示した。
比較例2は、アニオン性界面活性剤の含有量が7重量部を超えており、インクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが多く発生する。
比較例3は、ノニオン性界面活性剤の含有量が0.5重量部未満であり、安定性が劣る。
比較例4では、ノニオン性界面活性剤の含有量が10重量部を超えており安定性と塗工紙の表面強度が劣る。
比較例5では、共重合体ラテックスの替わりにポリビニルアルコールを用いたが、本発明の共重合体ラテックスを使用したものに比べインクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが多く発生し、インクジェット塗工紙の表面強度、耐水強度が劣る。
比較例6では脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位が15重量%未満であり塗工紙の表面強度が劣る。
比較例7では脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位が65重量%を越えるため塗工紙の耐水強度が劣る。
Claims (1)
- インク受容層にカチオンポリマーを含有するインクジェット塗工紙用組成物に使用される共重合体ラテックス含有組成物であり、該共重合体が脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位を1 5 〜 6 5 重量% 、エチレン系不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を0 . 6 重量%未満、およびこれらと共重合可能な他の単量体由来の構造単位を3 4 . 4 〜 8 5 重量% (単量体合計1 0 0 重量% ) から構成され、
共重合可能な他の単量体由来の構造単位として、不飽和カルボン酸アミド系単量体及び/またはヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体由来の構造単位を0.1〜5重量%含み、
該共重合体1 0 0 重量部に対して、ノニオン性界面活性剤を0 . 5 〜 1 0 重量部、アニオン性界面活性剤を0 〜 7 重量部含有することを特徴とする共重合体ラテックス含有組成物。
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