JP6967378B2 - インクジェット塗工紙用共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックス含有組成物 - Google Patents

インクジェット塗工紙用共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックス含有組成物 Download PDF

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本発明は、インクジェット塗工紙用共重合体ラテックス及び該共重合体ラテックス含有組成物に関するものである。詳しくは、インクジェット塗工紙においてカチオンポリマーを含有するインク受容層にバインダーとして使用される共重合体ラテックス、及び該共重合体ラテックス含有組成物に関するものである。
近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等の個人向け情報発信おいては、オンデマンド印刷が主流になりつつあり、具体的には電子写真方式やインクジェット方式などのオンデマンド印刷が活用されている。
一般的なオフセット印刷用紙塗工用組成物ではクレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成され、バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。
一方、インクジェット方式では水吸収性に優れるシリカなどの多孔性顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、インキを紙表面に定着させるための定着剤やその他の添加剤によって構成されるが、バインダーとしては保護コロイド性・親水性に優れたポリビニルアルコールが使用されることが一般的である(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)が、その親水性の高さから耐水強度が劣る。一方、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、耐水性に優れるが一般的にラテックス粒子の安定性を付与するため表面がカルボキシ変性されている事が多く、これが定着剤であるカチオンポリマーとの凝集を招く事から使用が制限される。
特開昭60−83882号公報
特開2003−170660号公報
特開平10−217601号公報
特開2004−345315号公報
本発明は、インクジェット塗工紙においてカチオンポリマーとの併用では使用に制限のあった共役ジエン系共重合体ラテックスにおいて、カチオンポリマーと併用してもインクジェット塗工紙用組成物の安定性が良好で、且つ耐水強度にも優れ、また表面強度が良好なインクジェット塗工紙が得られる共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
インク受容層にカチオンポリマーを含有するインクジェット塗工紙用組成物に使用される共重合体ラテックス含有組成物であり、該共重合体が脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位を1 5 〜 6 5 重量% 、エチレン系不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を0 . 6 重量%未満、およびこれらと共重合可能な他の単量体由来の構造単位を3 4 . 4 〜 8 5 重量% (単量体合計1 0 0 重量% ) から構成され、共重合可能な他の単量体由来の構造単位として、不飽和カルボン酸アミド系単量体及び/またはヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体由来の構造単位を0.1〜5重量%含み、該共重合体1 0 0 重量部に対して、ノニオン性界面活性剤を0 . 5 〜 1 0 重量部、アニオン性界面活性剤を0 〜 7 重量部含有することを特徴とする共重合体ラテックス含有組成物
本発明により、インク受容層に使用されるカチオンポリマーを含有するインクジェット塗工紙用組成物の安定性に優れ、かつインクジェット塗工紙の耐水強度、表面強度に優れたインクジェット塗工紙用共重合体ラテックスが得られる。
本願発明の共重合体ラテックスは、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸系単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体を乳化重合して得られる。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの1塩基酸または2塩基酸(無水物)を挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
上記脂肪族共役ジエン系単量体、およびエチレン系不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能な他の単量体としては、シアン化ビニル系単量体、アルケニル芳香族系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド系単量体等が挙げられる。
上記の共重合体組成は、脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位15〜65重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位0.6重量%未満およびこれらと共重合可能な他の単量体由来の構造単位34.4〜85重量%(単量体合計100重量%)である。
脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位が15重量%未満では塗工紙の表面強度が劣り、また65重量%を超えるとラテックスフィルムがべたつき、塗工紙作成時の塗工操業性、また塗工紙の耐水強度が低下するなど、悪影響を及ぼす傾向があり好ましくない。好ましくは20〜45重量%である。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位が0.6重量%以上では、ラテックス自身の安定性は向上するが組成物に混和した際の安定性が悪化するため好ましくない。好ましくは0.4重量%以下である。
共重合可能な他の単量体由来の構造単位のうちヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体及び/または不飽和カルボン酸アミド単量体由来の構造単位を含有することが好ましい。これらは、組成物の安定性を悪化させずに塗工紙の表面強度を向上させる事ができるため5重量%以下の範囲で含有する事が好ましい。5重量%を超えるとラテックス自身の粘度が高くなりすぎ送液などの取り扱い性の悪化や塗工紙の耐水強度が低下するため好ましくない。好ましくは0.1〜3重量%である。
本発明の共重合体ラテックスには、公知のノニオン性界面活性剤を含有する。例えば、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤が挙げられ、共重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部含有する。0.5重量部未満では、カチオンポリマーに対する安定性が充分でなく、10重量部を超えるとラテックスや組成物の泡立ちが発生し易く、取り扱い性が低下するため好ましくない。好ましくは1〜7重量部である。
本発明の共重合体ラテックスにおいて、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、デヒドロアビエチン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤を1種または2種以上併用して使用することも可能である。
アニオン性界面活性剤を使用する際に、7重量部を超えると塗工層の耐水強度や泡立ちが多く発生する傾向があり好ましくない。好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.2〜3重量部である。これらの界面活性剤は、重合時に使用してもよく、重合後に添加してもよい。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、公知の連鎖移動剤、重合開始剤を使用する事ができる。
本発明の共重合体ラテックスの重合には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用することができる。特に、沸点が適度に低く、重合終了後に水蒸気蒸留などによって回収、再利用しやすいシクロヘキセンやトルエンが、本発明の目的とは異なるものの、環境問題の観点から好適である。
本発明の共重合体ラテックスの製造にあたって、単量体ならびにその他の成分の添加方法については特に制限されるものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法、パワーフィード方法の何れでも採用することができる。また、本発明においては、一段重合、二段重合又は多段階重合等何れも採用することができる。
本発明における共重合体ラテックスの平均粒子径は、60〜250nmであることが好ましい。平均粒子径が60nm未満ではラテックスの分散安定性が劣り、また250nmを超えると必要な塗工紙の表面強度が得られない。好ましくは70〜200nmである。共重合体ラテックスの粒子径は、例えば後述する実施例の方法により測定される。
本発明における共重合体ラテックスのゲル含量にはなんら制限はないが、ゲル含量が10〜100重量%が好ましい。ゲル含量が10重量%未満では塗工紙の表面強度が低下する傾向にある。特に好ましくは20〜98重量%である。共重合体ラテックスのゲル含量は、例えば、後述する実施例の方法により測定される。
本発明の共重合体ラテックスは、必要に応じて酸素補足剤、キレート剤、分散剤等の公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらは種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。更には消泡剤、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などの公知の添加剤を用いることも差し支えなく、これらも種類、使用量ともに特に限定されず、適宜適量使用することが出来る。
本発明のインクジェット塗工紙用組成物は、本発明の共重合体ラテックスと顔料とカチオンポリマーを含有する。顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料をそれぞれ単独または混合して使用することもできる。
また、インクジェット塗工紙用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は顔料100重量部(固形分)に対して3〜300重量部(固形分)を使用することが好ましい。共重合体ラテックスの含有量が3重量部未満では顔料を充分に接着できず好ましくなく、300重量部を超えると塗工層の通気性や吸水性が低下して好ましくない。
カチオンポリマーとしては、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミン等のカチオン性ポリマーや第4級アンモニウム塩等の公知のカチオン性の定着剤が使用できる。
また、必要に応じてポリビニルアルコール、あるいは、澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉などの天然バインダー、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。更に、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテックスと併用してもよい。また、ポリビニルアルコールの架橋剤としてホウ酸等の使用も可能である。
更に、本発明のインクジェット塗工紙用組成物を塗工用紙へ塗布する方法には特に制限はなく、公知の技術、例えばエアナイフコーター、カーテンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどの塗工機を使用する方法がある。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
共重合体ラテックスのゲル含量の測定
温度40℃、湿度85%の雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを約1g秤量しXgとする。これを400mlのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させる。その後、これを秤量済みの300メッシュの金網で濾過し、その後トルエンを蒸発乾燥させ、その乾燥後重量からメッシュ重量を減じて、試料の乾燥後重量を秤量しYgとする。
ゲル含量(%)=Y/X×100
共重合体ラテックスの平均粒子径の測定
共重合体ラテックスの光子相関法による平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、FPAR−1000(大塚電子製)を使用した。
安定性の評価
カチオンポリマーとの安定性の指標として塩化カルシウムに対する安定性を評価した。0.3重量%濃度の塩化カルシウム水溶液を30g準備し、固形分濃度40%に調整したラテックス1gを塩化カルシウム水溶液に滴下し撹拌後、静置する。2時間後に200メッシュ金網にて濾過し、その後金網上の濾過残渣を十分に乾燥して凝集物量(乾燥重量)を測定した。以下の式より凝集物割合(%)を算出し、4段階評価した。
凝集物割合(%)=A/(B× 固形分濃度(40%))×100
A:凝集物量(乾燥重量)、B:試料重量(ラテックス重量)
◎・・・0.1%未満 (非常に良い)
○・・・0.1%以上1%未満 ( 良い )
△・・・1%以上10%未満 ( 少し悪い )
×・・・10%以上 (非常に悪い)
塗工紙の表面強度の評価
塗工層の表面にセロハンテープ(セロテープCT405AP、ニチバン株式会社製)を貼り付けゆっくりと剥がした際のセロハンテープへの塗工層の付着の程度を肉眼で判定し、◎(優)から×(劣)まで相対的に目視評価した。
◎(優) 塗工層は全く剥がれない。
○ わずかな剥がれが確認される。
△ 塗工層の半分程度が剥離する。
×(劣) 塗工層のほとんどが剥離する。
塗工紙の耐水強度の評価
RI印刷機で各塗工紙試料にモルトンロールを用いて一定量の水を塗布した直後に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、◎(優)から×(劣)まで相対的に目視評価した。
◎(優) ピッキングが発生しない。
○ わずかなピッキングが確認される。
△ 塗工紙試料の半分程度にピッキングが確認される。
×(劣) 塗工紙試料のほとんどにピッキングが確認される。
組成物の泡立ち性評価
インクジェット塗工紙用組成物200mlを、メスシリンダー(1000ml)に投入し、組成物に空気800mlを吹き込み、発泡させた。発泡直後の組成物の上端(発泡体積)を、メスシリンダーの目盛りで確認した。発泡体積を元の体積(200ml)で除した値を以下のように評価した。
◎(優) 2倍未満
○ 2倍以上3倍未満
△ 3倍以上4倍未満
×(劣) 4倍以上
共重合体ラテックス(A、B、D、J、K、L、M)の合成
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。重合転化率が70%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスA、J、K、L、Mを得た。また、共重合体ラテックスB、Dにおいては、更に表1および表2記載のノニオン性界面活性剤を添加した。
共重合体ラテックス(C)の合成
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、最終重合転化率が95%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、更に表1記載のノニオン性界面活性剤を添加し共重合体ラテックスCを得た。
共重合体ラテックス(E、F、G、H、I)の合成
耐圧製の重合反応器に、イオン交換水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。重合転化率が50%を越えた時点で、2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、重合転化率が70%を越えた時点で、3段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、更に表1および表2記載のノニオン性界面活性剤を添加し、共重合体ラテックスE、F、G、H、Iを得た。
インクジェット塗工紙用組成物の作製と評価
下記に示した配合処方1に従って共重合体ラテックスA〜Mを用い、インクジェット塗工紙用組成物を作製した。また、配合処方2に従って共重合体ラテックスの代わりにポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−217、株式会社クラレ製)を用い、インクジェット塗工紙用組成物を作製した。カチオンポリマーはポリエチレンイミン(エポミンP1000、株式会社日本触媒製)を使用した。
(インクジェット塗工紙用組成物の配合処方)
配合処方1
コロイダルシリカ(平均一次粒径20nm)100部
カチオンポリマー 3部
共重合体ラテックス 10部
――――――――――――――――――――――――――――
固形分濃度 9%

配合処方2
コロイダルシリカ(平均一次粒径20nm)100部
カチオンポリマー 3部
ポリビニルアルコール 10部
――――――――――――――――――――――――――――
固形分濃度 9%
塗工紙の作製と評価
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記のインクジェット塗工紙用組成物を片面あたりの塗被量が15g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥しインクジェット塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1、表2に示した。
Figure 0006967378
Figure 0006967378
表1に示すとおり、本発明による共重合体ラテックスA〜Gはいずれも安定性に優れ、インクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが少なく、得られたインクジェット塗工紙の表面強度、耐水強度も良好である。
表2に示す比較例1は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位が0.6重量部を超え、安定性が劣る。
比較例2は、アニオン性界面活性剤の含有量が7重量部を超えており、インクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが多く発生する。
比較例3は、ノニオン性界面活性剤の含有量が0.5重量部未満であり、安定性が劣る。
比較例4では、ノニオン性界面活性剤の含有量が10重量部を超えており安定性と塗工紙の表面強度が劣る。
比較例5では、共重合体ラテックスの替わりにポリビニルアルコールを用いたが、本発明の共重合体ラテックスを使用したものに比べインクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが多く発生し、インクジェット塗工紙の表面強度、耐水強度が劣る。
比較例6では脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位が15重量%未満であり塗工紙の表面強度が劣る。
比較例7では脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位が65重量%を越えるため塗工紙の耐水強度が劣る。
上記のとおり、本発明の共重合体ラテックスは安定性に優れ、インクジェット塗工紙用組成物の泡立ちが少なく、得られたインクジェット塗工紙の表面強度、耐水強度も良好であることから、インクジェット塗工紙用組成物に使用されるバインダーとして有用である。

Claims (1)

  1. インク受容層にカチオンポリマーを含有するインクジェット塗工紙用組成物に使用される共重合体ラテックス含有組成物であり、該共重合体が脂肪族共役ジエン系単量体由来の構造単位を1 5 〜 6 5 重量% 、エチレン系不飽和カルボン酸系単量体由来の構造単位を0 . 6 重量%未満、およびこれらと共重合可能な他の単量体由来の構造単位を3 4 . 4 〜 8 5 重量% (単量体合計1 0 0 重量% ) から構成され、
    共重合可能な他の単量体由来の構造単位として、不飽和カルボン酸アミド系単量体及び/またはヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体由来の構造単位を0.1〜5重量%含み、
    該共重合体1 0 0 重量部に対して、ノニオン性界面活性剤を0 . 5 〜 1 0 重量部、アニオン性界面活性剤を0 〜 7 重量部含有することを特徴とする共重合体ラテックス含有組成物
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