JP6965438B2 - 活物質、電極、非水電解質電池及び電池パック - Google Patents

活物質、電極、非水電解質電池及び電池パック Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、活物質、電極、非水電解質電池及び電池パックに関する。
リチウムイオンが正極と負極との間を移動することにより充放電が行われるリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度及び高出力が得られるという利点を有する。リチウムイオン二次電池は、これらの利点を生かし、携帯電子機器などの小型用途から、電気自動車や電力需要調整システムなどの大型用途まで広く適用が進められている。
負極活物質としては、炭素材料の代わりに、リチウム吸蔵放出電位がリチウム電極基準で約1.55Vと高いスピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムを用いた非水電解質電池も実用化されている。スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムは、充放電に伴う体積変化が少ないため、サイクル特性に優れている。また、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムを含む負極は、リチウム吸蔵及び放出時のリチウム金属の析出を抑えることができる。その結果、この負極を備えた二次電池は大電流での充電が可能になる。しかしながら、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムはリチウム吸蔵放出電位が1.55V(vs. Li/Li+)程度と高いため、このチタン酸リチウムを含んだ負極を具備する非水電解質電池は、電池電圧が低い。また、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムは、リチウム吸蔵及び放出電位範囲において平坦な充放電曲線を示すため、充電状態の変化に伴う電位の変化が非常に小さいという特徴を有する。
国際公開第2016/175311号公報 特開2017−59390号公報 特開2017−59392号公報 特開2017−59394号公報 特開2017−59397号公報
優れた寿命性能を示すことができる非水電解質電池を実現できる活物質、この活物質を具備した電極、この電極を具備した非水電解質電池、及びこの非水電解質電池を具備する電池パックを提供することを目的とする。
第1の実施形態によると、活物質が提供される。この活物質は、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む。このNa含有ニオブチタン複合酸化物は、一般式Li 2+v Na 2-w M1 x Ti 6-y-z Nb y M2 z 14+δ で表される組成を有する。一般式において、M1は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1種である。M2は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種である。0≦v≦4、0<w<2、0≦x<2、0<y<6、0≦z<3、0<(y+z)<6、−0.5≦δ≦0.5である。この粒子は、800nm以上1500nm未満の範囲内にある平均結晶子径を有する。また、この粒子は、第1の相と、第2の相とを含む。第1の相は、斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第1の原子配列を有する。第2の相は、斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第2の原子配列を有する。第2の原子配列の周期P2[Å]は、第1の原子配列の周期P1[Å]より小さい。
第2の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、第1の実施形態に係る活物質を含む。
第3の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極としての第2の実施形態に係る電極と、正極と、非水電解質とを具備する。
第4の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池を具備する。
図1は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第1の相の結晶構造の模式図である。 図2は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第1の原子配列の模式図である。 図3は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第2の原子配列の模式図である。 図4は、第1の実施形態に係る一例の活物質の一例の走査型透過電子顕微鏡像である。 図5は、図4の像の一部の拡大図である。 図6は、図4に示した一例の活物質の他の一例の走査型透過電子顕微鏡像である。 図7は、図6の像から得られた1つの電子線回折パターンである。 図8は、図6の像から得られた他の1つの電子線回折パターンである。 図9は、図1に示す結晶構造から算出した電子線回折パターンのシミュレーションパターンである。 図10は、図7の電子線回折パターンの一部を模式的に示した図である。 図11は、図8の電子線回折パターンの一部を模式的に示した図である。 図12は、第2の実施形態に係る一例の電極の一部切欠平面図である。 図13は、第3の実施形態に係る一例の非水電解質電池の一部切欠斜視図である。 図14は、図13のA部の拡大断面図である。 図15は、第3の実施形態に係る非水電解質電池が具備することができる電極群の他の一例の概略断面図である。 図16は、第4の実施形態に係る一例の電池パックの分解斜視図である。 図17は、図16に示す電池パックの電気回路を示すブロック図である。
以下に、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態によると、活物質が提供される。この活物質は、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む。この粒子は、第1の相と、第2の相とを含む。第1の相は、斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第1の原子配列を有する。第2の相は、斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第2の原子配列を有する。第2の原子配列の周期P2[Å]は、第1の原子配列の周期P1[Å]より小さい。
斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、例えば1.2〜1.4V(vs.Li/Li+)の範囲内のリチウム挿入及び脱離電位を示すことができる。このリチウム挿入及び脱離電位は、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムのリチウム吸蔵及び放出電位(1.55V(vs. Li/Li+)程度)よりも低い。電池の電圧は、正極の電位と負極の電位との差である。そのため、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む第1の実施形態に係る活物質を含む電極は、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムを含む電極よりも、同じ正極と組み合わせた際に、高い電圧を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。
また、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、作動電位範囲において充電状態の変化に伴う電位の変化が大きな充放電曲線を示すことができる。そのため、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、電位に基づいて、その充電状態を把握することが容易である。
しかしながら、本発明者らは、鋭意研究の結果、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物を用いた非水電解質電池は、特に、高い充電状態を経由する充放電サイクルに供した際に乏しい容量維持率を示すという問題があることが分かった。
本発明者らは、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物を用いた非水電解質電池に関するこの問題を解決すべく鋭意研究に取り組んだ結果、第1の実施形態に係る活物質を見出した。
以下に、第1の実施形態に係る活物質を、図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第1の相の結晶構造の模式図である。図2は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第1の原子配列の模式図である。図3は、第1の実施形態に係る一例の活物質が含む粒子の第2の原子配列の模式図である。図1〜図3では、複数の元素を、球で模式的に示している。しかしながら、図1〜図3はそれぞれ模式図であるため、これらの図に示した複数の球の相対的な大きさは、実際の粒子における元素の相対的な大きさとは無関係である。また、図1〜図3における元素の大きさと元素間の距離との比も、実際の粒子におけるそれらとは異なる。
第1の実施形態に係る活物質は、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む。この粒子は、第1の相と、第2の相とを含む。
第1の相は、例えば、図1に示す結晶構造と同様の結晶構造を有することができる。
図1に概略的に示す結晶構造は、空間群Fmmmの対称性を有する複合酸化物の一例である複合酸化物の結晶構造である。図1に結晶構造を示す複合酸化物は、Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成式を有する。
図1に示す斜方晶型の結晶構造において、最も小さな球200が、酸化物イオンの位置を示している。図1に示す結晶構造において、領域Aは、結晶構造中で3次元にリチウムイオンが移動可能なチャネルを有する空孔を示す。この領域Aにリチウムイオンを挿入することができる。また、この領域Aからリチウムイオンを脱離することもできる。領域Bは、結晶構造の骨格となるTi又はNbを中心とした酸化物の多面体構造を持つ。一方、領域Cの球は、挿入及び脱離が可能なリチウムイオンが存在するサイトである。領域Dに含まれる球は、結晶構造を安定化するための骨格として機能するNa及びLi、並びに空孔が存在するサイトである。
また、図1に示す斜方晶型の結晶構造は、領域Dを含んだ(002)面の結晶面を有する。(002)面は、図1に示す斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に垂直である。(002)面は、図1に示すように、面間隔P1[Å]でc軸に沿って配列している。また、(002)面の結晶面は、領域Dに含まれる球の間に、領域Eを含んでいる。領域Eは、リチウムイオンを受け入れることができる。また、領域Eからリチウムイオンを脱離することもできる。
また、第1の相は、例えば図1に示す斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第1の原子配列を有する。第1の原子配列の例を、図2を参照しながら説明する。
図2に示す第1の原子配列R1は、複数の元素51Aを含んでいる。複数の元素51Aは、周期P1[Å]で、矢印(c)の方向に沿って並んでいる。複数の元素51Aの各々は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれる元素であればよく、特に限定されない。また、矢印(c)の方向は、図1に示す斜方晶型の結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向である。周期P1は、図1に示す、Na含有ニオブチタン複合酸化物の斜方晶型の結晶構造の単位格子の(002)面の面間隔に対応する。
一方、第1の実施形態に係る活物質が含む粒子の第2の相は、第1の原子配列のそれとは周期が異なる第2の原子配列を有する。第2の原子配列の例を、図3を参照しながら説明する。
図3に示す第2の原子配列R2は、複数の元素52Aを含んでいる。複数の元素52Aは、周期P2[Å]で、矢印(c)の方向に沿って並んでいる。複数の元素52Aの各々は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれる元素であればよく、特に限定されない。また、矢印(c)の方向は、図1に示す斜方晶型の結晶構造のc軸に平行な方向である。すなわち、図2における矢印(c)の方向と、図3における矢印(c)の方向とは、共に、図1に示す斜方晶型の結晶構造のc軸に平行である。
図3に示す周期P2[Å]は、図2に示す周期P1[Å]よりも小さい。そして、図2と図3との比較から、第2の原子配列R2は、第1の原子配列R1における2つの元素の間に更なる元素が入った配列に対応しているということができることがわかる。
なお、第2の相は、以上に説明したように、第1の相の第1の原子配列とは異なる第2の原子配列を有しているが、斜方晶型の結晶構造を有する複合酸化物の粒子に含まれているので、斜方晶型の結晶構造を有することができる。
このような第2の相を含む粒子は、高充電状態であっても、リチウムイオンの挿入に対し、低い抵抗を示すことができ、それにより、リチウムイオンの挿入によって結晶構造が歪むのを防ぐことができる。その理由は、理論により縛られることを望まないが、以下の通りであると考えられる。
発明者らの鋭意研究により、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、高充電状態でのリチウムイオンの挿入抵抗が高く、結晶構造が歪みやすいことが分かった。その理由は、以下の通りであると考えられる。まず、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、リチウムイオンの挿入抵抗が比較的高いサイトと、挿入抵抗が比較的低いサイトとを含むと考えられる。充電(Li挿入)の際、Na含有ニオブチタン複合酸化物の挿入抵抗がより低いサイトに優先的に、リチウムイオンが挿入される。そのため、高い充電状態にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物においてリチウムイオンを受け入れることができるサイトは、挿入抵抗が比較的高いサイトとなる。高い充電状態のNa含有ニオブチタン複合酸化物は、リチウムイオンの挿入抵抗が高く、リチウムイオンの挿入により結晶構造の歪みが生じやすいと考えられる。なお、図1に例を示した結晶構造においては、領域Eが、リチウムイオンの挿入抵抗が比較的高いサイトであり得る。
これらの知見から、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、高充電状態を経由する充放電サイクルに繰り返し供されると、結晶構造の歪みが増大し、その結果、この複合酸化物に挿入することができるリチウムイオンが減少することが推測される。これが、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物が、高い充電状態を経由するサイクル性能に劣る原因であると考えられる。
一方、第1の実施形態に係る活物質が含む粒子の第2の相の第2の原子配列は、先に説明したように、第1の相の原子配列の元素間に更なる元素が入った原子配列に対応する。第2の原子配列におけるこの更なる元素が存在しているサイトは、第1の相におけるリチウムイオンの挿入抵抗が高いサイトに対応したサイトであると考えられる。このような第2の相を含むことにより、第1の実施形態に係る活物質は、高充電領域においてリチウムイオンの挿入抵抗が高いサイトにリチウムイオンが挿入されるのを防ぐことができ、それにより、高充電領域を経由する充放電サイクルに供された場合に結晶構造が歪むのを低減することができると考えられる。
すなわち、第1の実施形態に係る活物質が含むNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、高充電状態に達する充放電サイクルに供しても、結晶構造変化が生じるのを抑制することができる。
また、第2の相のみからなるNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、リチウムイオンが挿入できるサイトを十分に有することができない。第1の実施形態に係る活物質が含む粒子は、以上に説明したように第1の相と第2の相との両方を含むので、第1の相のみからなるNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子と同様の充放電容量を示しながら、先に説明した結晶構造変化が生じるのを防ぐことができる。
これらの結果、第1の実施形態に係る活物質は、優れた寿命性能を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。
一方、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子が均一の原子配列を有している場合、先に説明したように、高充電領域を経由する充放電サイクルに供された際に結晶構造に歪みが生じる。そのため、このようなNa含有ニオブチタン複合酸化物を含む活物質は、高い充電状態を経由する充放電サイクルに供した場合に乏しい容量維持率を示す。
周期P1及びP2は、式:0.23P1≦P2≦0.27P1を満たすことが好ましく、式0.24P1≦P2≦0.26P1を満たすことがより好ましい。周期P1及びP2は、0.25P1=P2を満たすことが特に好ましい。
次に、第1の実施形態に係る活物質を、より詳細に説明する。
Na含有ニオブチタン複合酸化物は、例えば、一般式Li2+vNa2-wM1xTi6-y-zNbyM2z14+δで表される組成を有することができる。この一般式において、M1は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1種である。M2は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種である。各添字の値は、以下の関係式を満たす:0≦v≦4、0<w<2、0≦x<2、0<y<6、0≦z<3、0<(y+z)<6、及び−0.5≦δ≦0.5。
上記一般式において、添字vの値は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれるLiの量に対応する。添字vの値は、Na含有ニオブチタン複合酸化物の充電状態に応じて、0≦v≦4の範囲内で変化することができる。
上記一般式において、添字wの値は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれるNaの量に対応する。Na含有ニオブチタン複合酸化物のリチウム挿入及び脱離電位は、そこに含まれるNaの量に依存し得る。添字wは、0<w<2の範囲内の値をとることができる。添字wの値は、0<w≦1.5の範囲内にあることが好ましい。添字wの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、結晶構造の安定性を維持しつつ、リチウムイオンを挿入及び脱離することができる空間をより多く有することができる。そのため、添字wの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、優れた寿命性能と、単位重量あたりの高い充放電容量とを示すことができる。添字wの値は、0<w<1の範囲内にあることがより好ましい。添字wの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、1モル当りNaを1モル以上含む。このNa含有ニオブチタン複合酸化物は、より安定な結晶構造を有することができる。そのため、Na含有ニオブチタン複合酸化物は、充放電に伴う不可逆的な結晶構造変化を抑制することができ、ひいては電池の寿命特性の劣化を抑えることができる。
上記一般式において、M1は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1種である。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Csを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Kを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Srを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Baを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Caを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。M1は、Sr又はBaの少なくとも1種を含むことがより好ましい。
上記一般式において、添字xの値は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれるM1の量に対応する。添字xは、0≦x<2の範囲内の値をとることができる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、添字xの値がこの範囲になるようにM1を含むと、単相の結晶相として存在しやすい。さらに、このような複合酸化物は、十分な固体内のLi拡散性を示すことができ、優れた入出力特性を発揮できる。添字xは、0.05以上0.2以下の範囲内の値をとることが好ましい。添字xがこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、より優れたレート特性を示すことができる。
上記一般式において、添字yは、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれるNbの量に対応する。添字yは、0<y<6の範囲内の値をとることができる。添字yは、0.05以上1未満(0.05≦y<1)の範囲内の値をとることが好ましい。添字yの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、優れたサイクル特性及び優れたレート特性を発揮できる。
M2は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種である。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Zrを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Snを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。V及びTaは、Nbと同様の物理的及び化学的性質を示すことができる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Moを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Wを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Feを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Coを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Mnを含むことにより、より優れたサイクル特性を実現できる。Na含有ニオブチタン複合酸化物は、Alを含むことにより、より優れたレート特性を実現できる。M2は、Al、Zr、Sn及びVからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。他の好ましい態様では、M2は、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co及びMnからなる群より選択される少なくとも1種である。
上記一般式において、添字zの値は、Na含有ニオブチタン複合酸化物に含まれるM2の量に対応する。添字zは、0≦z<3の範囲内の値をとる。添字zの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、単相の結晶相として存在しやすい。さらに、このような複合酸化物は、優れた固体内のLi拡散性を示すことができ、優れた入出力特性を示すことができる。添字zは、0.1以上0.3以下の範囲内の値をとることが好ましい。添字zの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、より優れたレート特性を示すことができる。
Na含有ニオブチタン複合酸化物は、上記一般式における添字yの値が0より大きく6未満であり、且つyとzとの和が6未満であることにより、Ti及びNbを含むことができる。
上記一般式において、添字δは、−0.5≦δ≦0.5の範囲内の値をとる。添字δの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、優れた充放電サイクルを実現することができると共に、単相の結晶相として存在しやすく、不純物の生成を抑えることができる。添字δは、−0.1≦δ≦0.1の範囲内の値をとることが好ましい。添字δの値がこの範囲内にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物は、より優れたレート特性及びより優れたサイクル特性を示すことができる。
Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子において、第2の相は、例えば、第1の相よりも粒子の表面側に位置することができる。例えば、Na含有ニオブ複合酸化物の粒子は、コア部分としての第1の相と、第1の相の周りに位置する外殻部分としての第2の相とを含むことができる。
第1の実施形態に係る活物質が含む粒子の第2の相の第2の原子配列は、先に説明したように、第1の相の原子配列の元素間に更なる元素が入った原子配列に対応する。従って、このような第2の原子配列を有する第2の相は、主相としての第1の相に対する構造変化相と呼ぶこともできる。
第2の原子配列が含むことができる更なる元素は、例えば、Ti、Nb及び元素M2からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり得る。第2の相は、第1の相に対して、カチオンミキシングによる構造変化が起きているということもできる。
Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、800nm以上1500nm未満の範囲内にある平均結晶子径を有することが好ましい。カチオンミキシングによる第1の相から第2の相への構造変化は、粒子表面において一定の割合で生じると考えることができる。そして、粒子の結晶子径と比表面積とには相関関係がある。平均結晶子径がこの範囲内にあると、第1の相と第2の相との比を適切な範囲とすることができ、その結果、より優れたサイクル特性を実現しやすくなる。Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、1000nm以上1300nm未満の範囲内にある平均結晶子径を有することがより好ましい。
Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、一次粒子でもよいし、複数の一次粒子の凝集体としての2次粒子でもよいし、又は一次粒子と二次粒子との混合物でもよい。平均一次粒子径は、0.5μm以上2μm以下であることが好ましく、0.8μm以上1.6μm以下であることがより好ましい。平均二次粒子径は、4μm以上12μm以下であることが好ましく、6μm以上10μm以下であることがより好ましい。一次粒子と二次粒子との混合物である場合、一次粒子及び二次粒子との区別をしない平均粒子径が、2μm以上10μm以下であることが好ましく、5μm以上9μm以下であることがより好ましい。
[活物質の同定]
測定対象の活物質に含まれる化合物の結晶構造及び組成は、以下の手順で同定することができる。
まず、測定対象の活物質に含まれる化合物の結晶構造は、粉末X線回折測定(X-ray diffraction;XRD)を行うことによって同定することができる。測定は、CuKα線を線源として、2θが10〜90°の測定範囲で行う。この測定により、測定対象の活物質に含まれる化合物のX線回折パターンを得ることができる。粉末X線回折測定の装置としては、例えばRigaku社製SmartLabを用いる。測定条件は以下の通りとする:Cuターゲット;45kV 200mA;ソーラスリット:入射及び受光共に5°;ステップ幅:0.02deg;スキャン速度:20deg/分;半導体検出器:D/teX Ultra 250;試料板ホルダ:平板ガラス試料板ホルダ(厚さ0.5mm);測定範囲:10°≦2θ≦90°の範囲。その他の装置を使用する場合は、粉末X線回折用標準Si粉末を用いた測定を行って、上記装置によって得られる結果と同等のピーク強度、半値幅及び回折角の測定結果が得られる条件を見つけ、その条件で試料の測定を行う。
また、測定対象の活物質に含まれる化合物の組成は、エネルギー分散型X線分光(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy;EDX)装置を備えた走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope;SEM)(SEM−EDX)による分析及び誘導結合プラズマ発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP−AES)による分析により同定することができる。以下に、組成の同定方法を説明する。
まず、測定対象の活物質の一部を、SEM−EDXによって観察する。試料のサンプリングについても大気に触れないようにし、アルゴンや窒素など不活性雰囲気で行う。
3000倍のSEM観察像にて、視野内で確認される一次粒子あるいは二次粒子の形態を持つ幾つかの粒子を選定する。この際、選定した粒子の粒度分布ができるだけ広くなるように選定する。観察できた活物質粒子に対し、EDX装置で活物質の構成元素の種類及び組成を特定する。これにより、選定したそれぞれの粒子に含まれる元素のうちLi以外の元素の種類及び量を特定することができる。
一方で、活物質の他の一部を、アセトンで洗浄し、乾燥させ、秤量する。秤量した粉末を塩酸で溶解し、導電剤をろ過により除去し、ろ液を得る。ろ液をイオン交換水で希釈して、測定サンプルとする。この測定サンプルを、ICP−AESによる分析に供し、測定サンプルに含まれている金属元素の量を算出する。
以上のSEM−EDXによる分析結果及びICP−AESによる分析結果に基づいて、測定対象の活物質に含まれる化合物の組成を同定することができる。
なお、電池に含まれている活物質に含まれている化合物については、以下の手順で分析を行う。
まず、測定対象の活物質を含んだ電池を準備する。この電池を電池電圧が1.0Vになるまで1Cで放電する。次に、このような状態にした電池を、アルゴンを充填したグローブボックス中で分解する。分解した電池から、測定対象の活物質が含まれている電極を取り出す。取り出した電極を適切な溶媒で洗浄する。たとえばエチルメチルカーボネートなどを用いると良い。洗浄した後、電極を真空乾燥に供する。乾燥後、スパチュラなどを用いて活物質が含まれている層、例えば活物質含有層を集電体から剥離させ、粉末状の活物質含有層を得る。
かくして得られた粉末に対して、それぞれ先に説明したXRD測定、SEM−EDXによる分析及びICP−AESによる分析を行うことにより、測定対象の活物質に含まれる化合物の結晶構造及び組成を同定することができる。また、活物質が複数種類の化合物を含む場合、XRD測定結果において、複数の結晶構造に帰属されるピークが表れるかどうかで活物質中の混合状態を判断することができる。SEM−EDX分析においては、複数の粒子のそれぞれに対し同様の操作を行い、活物質における粒子の混合状態を判断することができる。ICP−AES分析においては、各化合物に固有の元素の含有比率からその重量比を推定することができる。
[原子配列の確認方法]
次に、活物質に含まれる粒子における原子配列の確認方法を説明する。
まず、測定対象の活物質を含んだ電池を準備する。この電池を放電する。次いで、電池をアルゴン雰囲気のグローブボックス内で解体する。同じくグローブボックス内で、電池から測定対象の活物質を含んだ電極を取り出す。電極を、ジメチルカーボネートで洗浄し、次いで真空乾燥する。
乾燥させた電極から、収束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)法により薄膜試料を作製する。この薄膜試料に対して、走査型透過電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)観察を実施する。測定には、高角度環状暗視野(High Angle Annular Dark Field:HAADF)検出器、明視野(Bright Field:BF)検出器及びエネルギー分散型X線分光分析器(EDX)を備えた走査型透過電子顕微鏡を用いる。具体的な測定装置としては、例えば、JEOL製の原子分解能分析電子顕微鏡JEM-ARM200F形又はこれと等価な機能を有する装置を挙げることができる。測定に際し、加速電圧を200kVに設定し、ビーム径を直径0.2nmに設定する。この観察により、測定対象の電極に含まれる活物質の走査型透過電子顕微鏡像(HAADF−STEM像及びBF−STEM像)を得ることができる。また、顕微鏡が備えたEDX分析器により、各視野内の元素を特定することができる。
電極に含まれていない活物質については、以下の手順で作製した薄膜試料をSTEM観察する。まず、活物質の粉末を熱硬化性エポキシ樹脂に分散し、分散液を得る。この分散液を、シリコンウエハ上に塗布する。その上にカバーガラスを貼り付け熱硬化させた後、ダイシングソーなどで厚さ100μm程度に切り出し、観察試料とする。
次に、得られたBF−STEM像から、測定対象の活物質に含まれている粒子の表面から50nm程度の領域の部分の像(コアの像)と、粒子の表面から3nm以内の領域の像(外殻の像)とを選択する。これらの像を、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)解析に供し、電子線回折パターンを得る。高速フーリエ変換解析には、NEC製のCryStMapp又はこれと等価な機能を有するソフトウェアを用いることができる。
次に、[活物質の同定]で説明した手順により、測定対象の活物質に含まれる粒子の結晶構造に関するデータを得る。この測定により得られた結晶構造のデータから、この構造に対応する電子線回折パターンのシミュレーションパターンを得る。
かくして得られたシミュレーションパターンを用いて、活物質粒子のコア及び外殻のそれぞれの電子線回折FFTパターンから、活物質の単位格子のc軸に平行な方向に沿って並んだスポットの配列を選択する。スポットの配列は、[001]入射に対応する配列を5列以上選択する。
選択した配列における各スポット間の間隔を、ソフトウェアを用いて算出する。ここで用いることができるソフトウェアは、例えば、NEC製のCryStMapp又はこれと等価な機能を有するソフトウェアである。
コアの電子線回折FFTパターンにおける各スポット間の間隔から、平均値C1を算出する。同様に、外殻の電子線回折FFTパターンにおける各スポット間の間隔から、平均値C2を算出する。
ここで、高速フーリエ変換により得られる電子線回折パターン(電子線回折FFTパターン)について、簡単に説明する。電子線回折FFTパターンは、実際の結晶における結晶面に対応する逆格子空間である。そのため、電子線回折FFTパターンにおける格子間隔は、実際の結晶における格子間隔の逆数となる。なお、逆格子空間の格子点は、実格子の面に対応し、実格子の面を特徴付ける面間隔及び方位などの情報を有している。
従って、平均値C1の逆数を、測定対象の活物質に含まれる粒子のコアにおける原子配列、すなわち第1の相の第1の原子配列の周期P1[Å]とすることができる。同様に、平均値C2の逆数を、測定対象の活物質に含まれる粒子の外殻における原子配列、すなわち第2の相の第2の原子配列の周期P2[Å]とすることができる。
なお、走査型透過電子顕微鏡により得られたHAADF−STEM像では、より重い原子がより明るく可視化される。そのため、HAADF−STEM像では、重原子の存在をより効果的に確認することができる。従って、BF−STEM像を高速フーリエ変換して得られた電子線回折パターンと、HAADF−STEM像と、更にEDX分析器による元素分析結果とから、第1及び第2の原子配列に重原子が含まれているか否かを確認することができる。
以下に、図4〜図11を参照しながら、また図2及び3を再度参照しながら、第1の実施形態に係る一例の活物質に含まれる粒子における原子配列を説明する。
図4は、第1の実施形態に係る一例の活物質の一例の走査型透過電子顕微鏡像である。図5は、図4の像の一部の拡大図である。図6は、図4に示した一例の活物質の他の一例の走査型透過電子顕微鏡像である。図7は、図6の像から得られた1つの電子線回折パターンである。図8は、図6の像から得られた他の1つの電子線回折パターンである。図9は、図1に示す結晶構造から算出した電子線回折パターンのシミュレーションパターンである。図10は、図7の電子線回折パターンの一部を模式的に示した図である。図11は、図8の電子線回折パターンの一部を模式的に示した図である。
図4及び図5は、Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成式を有し且つ斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の一部の高角度環状暗視野走査型透過電子顕微鏡像(HAADF−STEM像)及びその一部の拡大図である。図6は、図4に示したのと同じ部分についての明視野走査型透過電子顕微鏡像(BF−STEM像)である。図4及び図5の像の左下を占める暗部と右上を占める明部との境界線が、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の表面である。同様に、図6の像の左下を占める明部と右上を占める暗部との境界線が、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の表面である。特に、図5に示す領域(X)が、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子のコアに対応する。また、図5に示す領域(Y)が、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の外殻に対応する。
図5の像において、領域(X)に現れている輝点の配列が、領域(Y)に現れている輝点の配列と異なることが分かる。具体的には、領域(Y)の輝点の配列パターンでは、領域(X)の輝点の配列パターンにおいて輝点が存在していなかった部分に対応する部分に、輝点が現れている。先に説明したように、HAADF−STEM像では、より重い原子がより明るく可視化される。すなわち、図5の領域(Y)では、領域(X)における空孔の一部に対応するサイトが、重原子によって占められている。
また、図6に示す像のうち、図5の領域(X)及び領域(Y)にそれぞれ対応する部分を高速フーリエ変換解析に供することよって、図7及び図8にそれぞれ示す電子線回折FFTパターンが得られる。すなわち、図7は、図6の像のうち、図5の領域(X)に対応する部分(すなわち、コア)から得られた1つの電子線回折FFTパターンである。図8は、図6の像のうち、図5の領域(Y)に対応する部分(すなわち、外殻)から得られた1つの電子線回折FFTパターンである。
一方、図9は、図1に概略的に示した結晶構造のデータに基づいて得られた、Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成式を有し且つ斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の電子線回折パターンのシミュレーションパターンである。図9に示すパターンでは、中心に示すスポットからの各格子点の距離及び各格子点の面指数が示されている。図9に示すパターンにおいて、(00−10)、(00−8)、(00−6)、(00−4)、(00−2)、(000)、(002)、(004)、(006)及び(008)の各面指数が示された格子点の配列が、Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成式を有し且つ斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の単位格子のc軸に沿った配列である。
図9のシミュレーションパターンを用いることにより、図7及び図8に示す活物質粒子の電子線回折FFTパターンから、Na含有ニオブチタン複合酸化物の単位格子のc軸に平行な方向に沿って並んだスポットの配列を選択することができる。
図7に示す電子線回折FFTパターンから選択した一例の原子配列の模式図を、図10に示す。図8に示す電子線回折FFTパターンから選択した一例の原子配列の模式図を、図11に示す。
図10に示す配列Q1は、複数のスポット51Bを含んでいる。複数のスポット51Bは、周期C1[1/Å]で、矢印(c)の方向に沿って並んでいる。周期C1は、先に説明したソフトウェアにより算出した、各スポット間の間隔の平均値である。矢印(c)の方向は、図1に示す斜方晶型の結晶構造のc軸に平行な方向である。周囲C1の逆数が、図4〜図6の透過電子顕微鏡写真に示されたNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子のコアにおける原子配列の周期P1[Å]である。
同様に、図11に示す配列Q2は、複数のスポット52Bを含んでいる。複数のスポット52Bは、周期C2[1/Å]で、矢印(c)の方向に沿って並んでいる。周期C2は、先に説明したソフトウェアにより算出した、各スポット間の間隔の平均値である。矢印(c)の方向は、図1に示す斜方晶型の結晶構造のc軸に平行な方向である。周囲C2の逆数が、図4〜図6の透過電子顕微鏡写真に示されたNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の外殻における原子配列の周期P2[Å]である。
[活物質粒子の平均結晶子径の測定方法]
以下に、活物質粒子の平均結晶子径の測定方法を説明する。活物質粒子の平均結晶子サイズは、活物質粒子についての広角X線回折法で得られるX線回折パターンからピークの半値幅を求め、以下に示すシェラーの式を用いて結晶子径(平均結晶子サイズ)Dを算出することができる。
D = Kλ/βcosθ
ここで、K:シェラー定数、λ:Cu‐Kα線の波長(=0.15406nm)、β:回折ピークの半値幅である。
ピークの半値幅は、X線回折パターンのピークをフィッティングさせることにより得られる値を用いる。X線回折パターンのピークのフィッティングは、以下のように行なう。まず、バックグラウンドの除去、Kα1ピークとKα2ピークとの分離、及びスムージングによる前処理を実施する。次に、前処理後のX線回折パターンについて、二次微分法によるピークサーチを実施する。次に、ピークサーチによって選出したピークから形成されるピークプロファイルを前処理後のX線回折パターンから差し引くことにより、バックグラウンドプロファイルを得る。このようにして得られたバックグラウンドプロファイルを多項式によりフィッティングさせる。ピークサーチによって選出したピークから形成されるピークプロファイルとバックグラウンドの情報とを用いて、前処理後のX線回折パターンと最小二乗法によるプロファイルフィッティングを実施することにより、ピーク情報とバックグラウンドの情報の各変数を最適化させる。なお、ピークのフィッティング関数は分割型擬Voigt関数を用いる。この方法は、例えば解析ソフト「Rigaku PDXL2 ver.2.1」を用いて自動プロファイル処理を実施することにより、一連の操作を自動的に実施することが出来る。上記の方法によって、各ピークの半値幅を求めることができる。
算出に使用する回折ピークは、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の結晶構造の(024)面に対応する、2θが44.5〜45.5°である範囲内の最強ピークとする。シェラー定数は、K=0.9とする。
以下に前記広角X線回折法について説明する。活物質試料は、ガラス試料板の深さ0.2mmのホルダ内に充填する。外部からガラス板を使い、指で数十MPa〜数百MPaの圧力にて押し付けてガラス試料板に充填された試料表面を平滑化にする。このとき、試料が十分にホルダ部分に充填されるように留意し、試料の充填不足(ひび割れ、空隙)のないように注意する。試料は、ガラスホルダの深さ(0.2mm)と均等となるように充填する。この際、充填量の過不足により、ガラスホルダの基準面より凹凸が生じることのないように注意する。
また、試料を圧粉体ペレットにして、このペレット表面を測定する方法は、ガラス試料板への充填方法による回折線ピーク位置のずれや強度比の変化を排除することができるために、より好ましい。具体的には、この方法では、例えば、試料に約250MPaの圧力を15分間かけることによって直径10mm、厚さ約2mmの圧粉体ペレットを作製し、そのペレット表面を測定する。圧粉体ペレットは、標準ガラスホルダ(例えば直径25mm)に詰める。測定装置及び広角X線回折法による測定条件は、以下の通りである。なお、測定環境は、室温大気中(18〜25℃)とする。
(1)X線回折装置:Bruker AXS 社製;D8 ADVANCE(封入管型)
X線源:CuKα線(Niフィルター使用)
出力 :40kV,40mA
スリット系:Div. Slit;0.3°
検出器:LynxEye(高速検出器)
(2)スキャン方式:2θ/θ連続スキャン
(3)測定範囲(2θ):5〜100°
(4)ステップ幅(2θ):0.01712°
(5)計数時間:1秒間/ステップ。
その他の装置を使用する場合は、Si標準試料を用いた測定を行って、上記装置によって得られる結果と同等のピーク強度、半値幅及び回折角の測定結果が得られる条件を見つけ、その条件で試料の測定を行う。
[製造方法]
第1の実施形態に係る活物質は、例えば、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子に対して、以下に説明する段階的リチウム挿入を行うことにより、製造することができる。以下に説明する段階的リチウム挿入は、例えば、「ステップ充電」と呼ぶこともできる。
まず、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を準備する。斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子は、例えば、後段で説明する方法によって合成することができる。
また、導電剤及び結着剤を更に準備する。次に、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子、導電剤及び結着剤を混合し、混合物を得る。この混合物に、適切な溶媒を添加して混合し、スラリーを調製する。
調製したスラリーを帯状の集電体に塗布し、塗膜を得る。次いで、塗膜を乾燥させる。次いで、塗膜を集電体ごとロールプレスに供する。かくして、集電体と、集電体の表面上に設けられた活物質含有層とを含む帯状の電極を得ることができる。
次に、以上のようにして得られた電極を作用極として用い、リチウム挿入セルを作製する。リチウム挿入セルは、作用極と、対極と、非水電解質とを備える。対極としては、金属リチウム箔を用いる。
次いで、リチウム挿入セルに対し、以下の手順に沿って、充電及び放電の電流値を0.2C程度、例えば0.05C〜0.33C(時間放電率)として、定電流充放電を行う。
まず、作製したリチウム挿入セルを、室温よりも高い温度に保持された恒温槽内に置く。恒温槽の温度は、30℃以上80℃以下とすることが好ましく、40℃以上60℃以下とすることがより好ましい。
次に、リチウム挿入セルを、リチウム挿入サイクルに繰り返し供する。リチウム挿入サイクルは、例えば3回以上行うことができる。1つのリチウム挿入サイクルは、充電(リチウム挿入)、充電後の放置(緩和)、放電(リチウム脱離)及び放電後の放置(緩和)からなる。充電は、先に説明した定電流で行う。複数回のリチウム挿入サイクルにおいて、金属リチウム基準での充電終止電位(V(vs.Li/Li+))を、回を追う毎に段階的に低くなるように設定する。ここで、各回の充電終止電位は、回を追うごとの充電後の作用極の充電状態(state-of-charge:SOC)の差が30%以下となるように設定する。また、最終回のリチウム挿入サイクルでは、充電終止電位を約1.0V(vs.Li/Li+)、例えば1.0V(vs.Li/Li+)〜1.1(vs.Li/Li+)に設定する。各回における放電は、先に説明した定電流で行う。放電終止電位は、放電後の作用極の充電状態が0%〜20%に達するように設定する。充電後及び放電後の放置は、恒温槽において、回路状態で、10分程度、例えば5分〜30分間行う。このように充電終止電位を段階的に低くしながらリチウム挿入サイクルを繰り返し行うことにより、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子に対して、段階的にリチウムを挿入することができる。
次いで、リチウム挿入セルを、恒温槽から取り出し、室温環境(例えば、20℃〜30℃)に置く。次いで、リチウム挿入セルを、更なる充放電サイクルに繰り返し供してもよい。この充放電サイクルにおける充電及び放電は、例えば0.2C〜1Cの定電流で行うことができる。室温環境下での充放電サイクルを行わなくてもよい。
次に、リチウム挿入セルを、作用極の電位が金属リチウム基準で3.0V(vs.Li/Li+)になるまで、1Cの定電流で放電する。作用極の電位が3.0V(vs.Li/Li+)に近い場合には、この放電を省略することができる。次に、このような状態にしたセルを、アルゴンを充填したグローブボックス中で分解する。分解した電池から、作用極を取り出す。取り出した作用極を適切な溶媒で洗浄する。例えば、エチルメチルカーボネートなどを用いると良い。洗浄した後、作用極を真空乾燥に供する。乾燥後、スパチュラなどを用いて活物質含有層を集電体から剥離させ、粉末状の活物質含有層を得る。
次に、粉末状の活物質含有層をアセトンで洗浄し、乾燥させて、粉末を得る。この粉末を遠心分離機にかけることで、導電剤と活物質とを単離することができる。かくして、第1の実施形態に係る活物質を得ることができる。
上に説明した手順に従う段階的リチウム挿入によって第1の実施形態に係る活物質を得ることができる理由を、以下に説明する。ただし、段階的リチウム挿入によって第1の実施形態に係る活物質を得ることができる理由は、以下に説明する理論に縛られることを望まない。
まず、段階的リチウム挿入によると、Na含有ニオブチタン複合酸化物の充電深度を段階的に高めることができる。このような段階的リチウム挿入では、Na含有ニオブチタン複合酸化物が高い充電状態にあっても、結晶構造の歪みを抑えながらLiを挿入できる。それにより、高い充電状態にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物へ挿入可能なLiの量を増やすことができる。そして、高い充電状態でのNa含有ニオブチタン複合酸化物の結晶構造内に挿入されたLi間の静電反発を解消するために、Na含有ニオブチタン複合酸化物を構成する元素の移動が起こると考えられる。詳細な理由は分からないが、複合酸化物を構成する元素の移動する先がLiの挿入抵抗の高いサイトとなる確率が高い。また、以上に説明した段階的リチウム挿入では、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の全てではなく一部において、この複合酸化物を構成する元素の移動が起こる。これらの結果、以上に説明した段階的リチウム挿入によると、第1の実施形態に係る活物質を得ることができる。
一方、放電状態から一度に満充電状態となるようにリチウム挿入を行い、次いで放電を行うといったリチウム挿入サイクルでは、高い充電状態でのNa含有ニオブチタン複合酸化物へのLi挿入抵抗が高く、Li挿入が妨げられる。このようなリチウム挿入では、高充電状態にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物へと挿入可能なLiの量が少ない。そのため、高充電状態にあるNa含有ニオブチタン複合酸化物の結晶構造におけるLi間の静電反発が十分に大きくなく、第1の実施形態に係る活物質を得られる程度のNa含有ニオブチタン複合酸化物を構成する元素の移動が起こらない。
ここで、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の合成方法の一例を説明する。ここでは固相法による合成方法の一例を説明する。しかしながら、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、固相法による合成方法だけでなく、例えばゾルゲル法及び水熱合成法などの湿式の合成方法でも合成することができる。
まず、目的組成に合わせて、例えばTi源、Li源、Na源、Nb源、金属元素M1源及び金属元素M2源のうち必要な原料を準備する。これらの原料は、例えば、酸化物又は塩などの化合物であり得る。上記の塩は、炭酸塩及び硝酸塩のような、比較的低温で分解して酸化物を生じる塩であることが好ましい。
次に、準備した原料を、適切な化学量論比で混合して、混合物を得る。例えば、組成式Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414で表される斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物を合成する場合、酸化チタンTiO2と、炭酸リチウムLi2CO3と、炭酸ナトリウムNa2CO3と、水酸化ニオブNb(V)(OH)5とを、混合物におけるLi:Na:Ti:Nbのモル比が2:1.6:5.6:0.4となるように混合する。
原料の混合の際、原料を十分に粉砕して混合することが好ましい。十分に粉砕した原料を混合することで、原料同士が反応しやすくなり、斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物を合成する際に不純物の生成を抑制できる。また、Li及びNaは、所定量よりも多く混合してもよい。特に、Liは、熱処理中に損失することが懸念されるため、所定量より多く入れてもよい。
次に、先の混合により得られた混合物を、大気雰囲気において、800℃以上1000℃以下の温度で、1時間以上24時間以下の時間に亘って熱処理を行う。800℃以下では十分な結晶化が得られにくい。一方、1000℃以上では、粒成長が進み過ぎ、粗大粒子となり好ましくない。同様に、熱処理時間が1時間未満であると、十分な結晶化が得られにくい。また、熱処理時間を24時間より長くすると、粒成長が進み過ぎ、粗大粒子となり好ましくない。
850℃以上950℃以下の温度で、2時間以上5時間以下の時間に亘って、混合物の熱処理を行うことが好ましい。このような熱処理により、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物を得ることができる。また、得られた斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物を回収後、アニール処理を行ってもよい。焼成条件を調整して、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子の平均結晶子径を制御することができる。
例えば、組成式Li2Na1.6Ti5.6Nb0.414で表される斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物は、先のように原料を混合して得られた混合物を、大気雰囲気において、900℃で3時間熱処理することによって得ることができる。
第1の実施形態によると、活物質が提供される。活物質は、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む。この粒子は、第1の相と第2の相と含む。第2の相の第2の原子配列の周期P2は、第1の相の第1の原子配列の周期P1よりも小さい。このような粒子を含むことにより、第1の実施形態に係る活物質は、高充電状態に達する充放電サイクルに供しても、結晶構造の変化が生じるのを抑制することができる。その結果、第1の実施形態に係る活物質は、優れた寿命性能を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態によると、電極が提供される。この電極は、第1の実施形態に係る活物質を含む。
第1の実施形態に係る電極は、例えば、集電体と、活物質含有層とを含むことができる。第1の実施形態に係る活物質は、例えば活物質含有層に含まれ得る。
集電体は、例えば、第1の面と、第1の面の裏面としての第2の面とを有することができる。集電体は、例えば、帯状の平面形状を有することができる。
集電体は、アルミニウム箔、又はAlと、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiのような元素とを含むアルミニウム合金箔から形成されることが好ましい。
活物質含有層は、例えば集電体の第1の面及び第2の面の両方上に形成され得る。或いは、活物質含有層は、集電体の第1の面及び第2の面の何れか一方の面上に形成されてもよい。集電体は、第1の面及び第2の面の何れにも活物質含有層を担持していない部分を含むこともできる。この部分は、例えば、電極リードとして用いられ得る。
活物質含有層は、第1の実施形態に係る活物質以外の更なる活物質を含むこともできる。更なる活物質としては、例えばチタン含有酸化物(Na含有ニオブチタン複合酸化物を除く)が挙げられる。
チタン含有酸化物の例には、リチウムチタン複合酸化物、アナターゼ型の結晶構造を有するチタン含有酸化物、ルチル型の結晶構造を有するチタン含有酸化物、ブロンズ型の結晶構造を有するチタン含有酸化物、斜方晶型の結晶構造を有するチタン含有酸化物、単斜晶型の結晶構造を有するニオブチタン含有酸化物、並びにTiとP、V、Sn、Cu、Ni、Nb及びFeからなる群より選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物が含まれる。
リチウムチタン複合酸化物には、リチウムチタン複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物の構成元素の一部を異種元素で置換したリチウムチタン複合酸化物が含まれる。リチウムチタン複合酸化物には、例えば、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウム(例えばLi4+aTi512(aは充放電により変化する値で、0≦a≦3の範囲内の値をとる))、ラムスデライト型の結晶構造を有するチタン酸リチウム(例えばLi2+bTi37(bは充放電により変化する値で、0≦b≦3の範囲内の値をとる))等を挙げることができる。なお、酸素のモル比については、スピネル型の結晶構造を有するチタン酸リチウムの一般式Li4+aTi512では「12」と形式的に示しており、ラムスデライト型の結晶構造を有するチタン酸リチウムの一般式Li2+bTi37では「7」と形式的には示している。しかしながら、酸素ノンストイキオメトリーなどの影響によって、これらの値は変化し得る。
TiとP、V、Sn、Cu、Ni、Nb及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素とを含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(Meは、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素である)などを挙げることができる。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相とが共存もしくは、アモルファス相単独で存在したミクロ構造であることが好ましい。このようなミクロ構造であることによりサイクル性能を大幅に向上させることができる。
アナターゼ型、ルチル型、ブロンズ型の結晶構造を有するチタン含有酸化物は、TiO2で表される組成を有することができる。
単斜晶型ニオブチタン含有酸化物としては、例えば、一般式LimTi1-nM3nNb2-lM4l7+σで表される組成を有する単斜晶型の結晶構造を有するニオブチタン複合酸化物を挙げることができる。上記一般式において、M3は、Zr、Si、Sn、Fe、Co、Mn及びNiからなる群より選択される少なくとも1種であり、M4は、V、Nb、Ta、Mo、W及びBiからなる群より選択される少なくとも1種である。また、0≦m≦5、0≦n<1、0≦l<2、−0.3≦σ≦0.3である。
チタン含有酸化物は、リチウムチタン複合酸化物を含むことが好ましい。リチウムチタン複合酸化物のようなチタン含有酸化物を含む電極は、0.4V(vs.Li/Li+)以上のLi吸蔵電位を示すことができるため、大電流での入出力を繰り返した際の電極表面上での金属リチウムの析出を防止することができる。チタン含有酸化物は、スピネル型の結晶構造を有するリチウムチタン複合酸化物を含むことが特に好ましい。
更なる活物質は、チタン含有酸化物以外の活物質を含んでいてもよい。この場合、0.4V(vs.Li/Li+)以上のLi吸蔵電位を示すことができる活物質を使用することが望ましい。
更なる活物質が含まれる場合、第1の実施形態に係る活物質に対する更なる活物質の重量割合は、5重量%以上40重量%以下であることが好ましく、10重量%以上30重量%以下であることがより好ましい。
活物質含有層は、必要に応じて、導電剤と結着剤とを更に含むこともできる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑える作用を有することができる。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブのような炭素質物が含まれる。これらの炭素質物のうちの1種を導電剤として単独で用いてもよい。或いは、複数種類の炭素質物の混合物を導電剤として用いてもよい。
結着剤は、活物質、導電剤及び集電体を結着させる作用を有することができる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及びフッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリル樹脂及びその共重合体、ポリアクリル酸、並びにポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
活物質(第1の実施形態に係る活物質と、任意の更なる活物質との合計)、導電剤及び結着剤の配合比は、それぞれ、活物質については70質量%以上96質量%以下、導電剤については2質量%以上28質量%以下、結着剤については2質量%以上28質量%以下の範囲内にあることが好ましい。導電剤の量を2質量%以上とすることにより、活物質含有層の集電性能を向上させ、優れた大電流特性を期待できる。また、結着剤の量を2質量%以上とすることにより、活物質含有層と集電体との結着性が十分で、優れたサイクル特性を期待できる。一方、高容量化の観点から、導電剤及び結着剤は各々28質量%以下であることが好ましい。
第2の実施形態に係る電極は、電池において用いることができる。例えば、第2の実施形態に係る電極は、例えば非水電解質電池において用いることができる。
第2の実施形態に係る電極は、電池において、正極又は負極の何れかとして用いることができる。例えば、第2の実施形態に係る電極は、非水電解質電池における負極として用いることができる。
第2の実施形態に係る電極は、例えば、以下に示す例の方法で製造することができる。しかしながら、第2の実施形態に係る電極の製造方法は、以下の例に限定されない
(第1の例)
この例の方法では、まず、第1の実施形態のセクションで説明した手順で、リチウム挿入セルを作製する。次に、このリチウム挿入セルに対して、第1の実施形態のセクションで説明した手順で、段階的リチウム挿入を行う。次いで、先に説明した手順に従って、リチウム挿入セルを放電状態にする。次いで、リチウム挿入セルを解体し、解体したリチウム挿入セルから、作用極を取り出す。この作用極を、第2の実施形態に係る一例の電極とすることができる。
(第2の例)
この例の方法では、段階的リチウム挿入に供したリチウム挿入セルから作用極を取り出すまでは、第1の例の方法と同様の手順を踏襲する。次いで、取り出した作用極から、第1の実施形態のセクションで説明したのと同様の手順で、第1の実施形態に係る活物質を取り出す。次いで、取り出した活物質と、任意の導電剤及び結着剤とを溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを集電体の片方の表面又は両方の表面に塗布し、塗膜を乾燥させる。次いで、乾燥させた塗膜をプレスに供する。かくして、第2の実施形態に係る一例の電極を製造することができる。
次に、図面を参照しながら、第2の実施形態に係る電極の具体例を説明する。
図12は、第2の実施形態に係る一例の電極の一部切欠平面図である。
図12に示す電極7は、集電体71と、集電体71の表面に形成された活物質含有層72とを具備する。活物質含有層72は、集電体71の両方の面上に担持されている。活物質含有層72は、第1の実施形態に係る活物質を含んでいる。
また、集電体71は、表面に活物質含有層72が形成されていない部分73を含んでいる。この部分73は、電極リードとして働く。電極リード73は、活物質含有層72よりも幅の狭い狭小部となっている。
第2の実施形態に係る電極は、第1の実施形態に係る活物質を含んでいるので、優れた寿命性能を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態によると、非水電解質電池が提供される。この非水電解質電池は、負極としての第2の実施形態に係る電極と、正極と、非水電解質とを具備する。
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、正極と負極(第2の実施形態に係る電極)との間に配されたセパレータを更に具備することもできる。正極、負極及びセパレータは、電極群を構成することができる。
このようにして形成される電極群の構造は、特に限定されない。例えば、電極群はスタック構造を有することができる。スタック構造は、先に説明した正極及び負極を間にセパレータを挟んで積層した構造を有する。或いは、電極群は捲回構造を有することができる。捲回構造は、先に説明した正極及び負極を間にセパレータを挟んで積層し、かくして得られた積層体を渦巻状に捲回した構造である。
非水電解質は、例えば電極群に保持され得る。例えば、電極群に、非水電解質を含浸させることができる。
非水電解質は、例えば、非水溶媒と、電解質とを含むことができる。電解質は、非水溶媒中に溶解され得る。
また、第3の実施形態に係る非水電解質電池は、電極群及び非水電解質を収容する外装部材を更に具備することができる。
さらに、第3の実施形態に係る非水電解質電池は、正極に電気的に接続された正極端子及び負極に電気的に接続された負極端子を更に具備することができる。正極端子の少なくとも一部及び負極端子の少なくとも一部は、外装部材の外側に延出し得る。
以下、第3の実施形態に係る非水電解質電池の各部材を、より詳細に説明する。
(負極)
第3の実施形態に係る非水電解質電池が具備する負極は、第2の実施形態に係る電極である。負極としての第2の実施形態に係る電極は、負極集電体と、負極活物質含有層とを具備することができる。負極集電体は、第2の実施形態のセクションで述べた集電体である。負極活物質含有層は、第2の実施形態のセクションで述べた活物質含有層である。従って、負極集電体は、例えば、第1の面と、第1の面の裏面としての第2の面とを有する帯状形状を有することができる。負極活物質含有層は、例えば、負極集電体の第1の面及び第2の面の両方上に形成され得る。或いは、負極活物質含有層は、負極集電体の第1の面及び第2の面の何れか一方の面上に形成されてもよい。負極集電体は、第1の面及び第2の面の何れにも負極活物質含有層を担持していない部分を含むこともできる。この部分は、例えば、負極リードとして用いられ得る。
負極の材料として用いることができる材料としては、例えば、第2の実施形態のセクションで説明した材料が挙げられる。第1の実施形態に係る活物質は、例えば負極活物質として、負極に含まれる。
(正極)
正極は、例えば、正極集電体と、正極活物質含有層とを具備することができる。
正極集電体は、例えば、第1の面と、第1の面の裏面としての第2の面とを有することができる。正極集電体は、例えば、帯状の平面形状を有することができる。
正極集電体は、アルミニウム箔、又は、アルミニウムと、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素とを含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。
正極活物質含有層は、例えば、正極集電体の第1の面及び第2の面の両方上に形成され得る。或いは、正極活物質含有層は、正極集電体の第1の面及び第2の面の何れか一方の面上に形成されてもよい。正極集電体は、第1の面及び第2の面の何れにも正極活物質含有層を担持していない部分を含むことができる。この部分は、例えば、正極リードとして働くことができる。
正極活物質含有層は、正極活物質を具備することができる。
正極活物質の例としては、層状構造を有するLiuMeO2(Me=Ni、Co及びMnから選択される少なくとも1種)が挙げられる。具体例としては、例えば、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiuNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiuCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiuNi1-sCos2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LiuMnsCo1-s2)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiuNi1-s-tCosMnt2)を挙げることができる。或いは、層状構造を有する正極活物質は、Li、Ni、Co及びMn以外の金属元素を含んでいてもよい。具体例としては、例えばリチウムニッケルコバルトアルミニウム複合酸化物(例えば、LiuNi1-s-tCosAlt2)が挙げられる。上記において、0<u≦1であり、0≦s≦1であり、0≦t≦1であることが好ましい。
正極活物質の他の例としては、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を挙げることもできる。スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物は、一般式LiefMn2-f4で表される組成を有することが好ましい。ここで、0<e≦1.2及び0.2≦f≦0.7である。Mは、Mg、Ti、Cr、Fe、Co、Zn、Al、Li及びGaからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。この元素Mは、一般式LieMn24で表される組成を有するマンガン酸リチウムにおけるMnの一部を置換した元素ということができる。fは、0.22≦f≦0.7の範囲内にあることがより好ましい。添字eは、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物の充電状態に応じて、0<e≦1.2の範囲内で変化し得る。なお、元素MとしてLiを含むリチウムマンガン複合酸化物において、元素MとしてのLiは、この複合酸化物の充電状態によってその量が変化するものではない。
正極活物質の更に他の例としては、オリビン型の結晶構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LigFePO4、LigMnPO4、LigMn1-hFehPO4、LigCoPO4)が挙げられる。上記において、0<g≦1であり、0≦h≦1であることが好ましい。
正極活物質として、以上に挙げた化合物のうちの1種を単独で用いてもよい。或いは、以上に挙げた化合物の2種以上の混合物を正極活物質として用いてもよい。
高い入出力特性および優れた寿命特性を得やすいため、正極活物質は、以上に挙げた化合物の中でも、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、又はオリビン型の結晶構造を有するリチウムリン酸化物を含むことが好ましい。
正極活物質含有層は、必要に応じて、導電剤と結着剤とを更に含むこともできる。
正極が含むことができる導電剤は、集電性能を高め、また、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑える作用を有することができる。導電剤の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノファイバー、及びカーボンナノチューブのような炭素質物が含まれる。炭素質物としては、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、或いは複数の炭素質物を用いてもよい。
結着剤は、正極活物質、導電剤及び正極集電体を結着させる作用を有することができる。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及びフッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、アクリル樹脂又はその共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。
正極活物質含有層中の正極活物質、導電剤及び結着剤は、それぞれ80質量%以上95質量%以下、3質量%以上18質量%以下、及び2質量%以上17質量%以下の割合で配合することが好ましい。導電剤は、3質量%以上の量にすることにより上述した効果を発揮することができる。導電剤は、18質量%以下の量にすることにより高温保存下での導電剤表面での非水電解質の分解を低減することができる。結着剤は、2質量%以上の量にすることにより十分な電極強度が得られる。結着剤は、17質量%以下の量にすることにより、正極中の絶縁材料である結着剤の配合量を減少させ、内部抵抗を減少できる。
正極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、正極活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを正極集電体の片方の表面又は両方の表面に塗布し、塗膜を乾燥させる。次いで、乾燥させた塗膜をプレスに供する。かくして、正極集電体と、正極集電体の片面又は両面に形成された正極活物質含有層とを具備した正極を得ることができる。
(セパレータ)
セパレータは、特に限定されるものではなく、例えば、微多孔性の膜、織布、若しくは不織布、又はこれらのうち同一材若しくは異種材の積層物などを用いることができる。セパレータを形成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー、及びセルロースなどを挙げることができる。
(非水電解質)
非水電解質としては、例えば、液状非水電解質又はゲル状非水電解質を用いることができる。
液状非水電解質は、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製することができる。電解質の濃度は、0.5〜3mol/lの範囲であることが好ましい。ゲル状非水電解質は、液状電解質と高分子材料とを複合化することにより調製される。
電解質の例には、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及び、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]のようなリチウム塩が含まれる。電解質としては、これらの電解質のうちの1種を単独で用いてもよいし、又は2種類以上の電解質を組合せて用いることもできる。電解質は、LiPF6を含むことが好ましい。
有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネートのような環状カーボネート;ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)のような鎖状カーボネート;テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、ジオキソラン(DOX)のような環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)、ジエトキシエタン(DEE)のような鎖状エーテル;アセトニトリル(AN)、γ−ブチルラクトン(GBL)及び、スルホラン(SL)が含まれる。有機溶媒としては、これらの溶媒のうちの1種を単独で用いてもよいし、又は2種類以上の溶媒を組合せて用いることもできる。
より好ましい有機溶媒の例には、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びメチルエチルカーボネート(MEC)よりなる群から選択される2種以上を混合した混合溶媒が含まれる。このような混合溶媒を用いることによって、充放電サイクル特性の優れた非水電解質電池を得ることができる。また、非水電解質には添加剤を加えることもできる。
(外装部材)
外装部材としては、例えば、ラミネートフィルム製の袋状容器又は金属製容器を用いることができる。
形状としては、特に限定されないが、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型等が挙げられる。なお、無論、携帯用電子機器等に積載される小型電池の他、二輪乃至四輪の自動車等に積載される大型電池でも良い。
ラミネートフィルムとしては、例えば、樹脂フィルム間に金属層を挟み込んだ多層フィルムを用いることができる。或いは、金属層と、金属層を被覆する樹脂層とからなる多層フィルムを用いることもできる。
金属層としては、軽量化のためにアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔を用いることが好ましい。樹脂フィルムには、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(PET)のような高分子材料を用いることができる。ラミネートフィルムは、熱融着によりシールを行って外装部材の形状に成形することができる。ラミネートフィルムは、肉厚が0.2mm以下であることが好ましい。
金属製容器は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されることができる。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛及びケイ素のような元素を含むことが好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属の含有量は100ppm以下にすることが好ましい。これにより、高温環境下での長期信頼性、放熱性を飛躍的に向上させることが可能となる。金属製容器は、肉厚が0.5mm以下であることが好ましく、肉厚が0.2mm以下であることがより好ましい。金属製容器は、正極端子又は負極端子の何れかとして働くこともできる。
(正極端子)
正極端子は、例えばリチウムの酸化還元電位に対する電位が3.0V以上4.5V以下の範囲において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成されることが好ましい。正極端子は、アルミニウム、又はMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiのような元素を含むアルミニウム合金から形成されることが好ましい。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体の材料と同様の材料から形成されることが好ましい。なお、正極端子と正極集電体、例えば正極リードとは、正極集電タブを介して接続することもできる。正極集電タブは、正極端子の材料及び負極集電体の材料と同様の材料から形成されることが好ましい。
(負極端子)
負極端子は、リチウムの酸化還元電位に対する電位が0.8V以上3.0V以下の範囲において電気的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成されることが好ましい。負極端子は、アルミニウム、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Siのような元素を含むアルミニウム合金から形成されることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体の材料と同様の材料から形成されることが好ましい。なお、負極端子と負極集電体、例えば負極リードとは、負極集電タブを介して接続することもできる。負極集電タブは、負極端子の材料及び負極集電体の材料と同様の材料から形成されることが好ましい。
[製造方法]
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、以下に示す例の方法で得ることができる。
(第1の例)
まず、第2の実施形態に係る電極を製造できる第1の例の方法で、負極としての電極を作製する。次いで、この負極と、正極と、非水電解質電池とを用いて、第3の実施形態に係る一例の非水電解質電池を作製することができる。
(第2の例)
まず、第2の実施形態に係る電極を製造できる第2の例の方法で、負極としての電極を作製する。次いで、この負極と、正極と、非水電解質電池とを用いて、第3の実施形態に係る一例の非水電解質電池を作製することができる。
(第3の例)
まず、第1の実施形態のセクションで述べたのと同様の手順で、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子、導電剤及び結着剤を準備し、これらを用いて電極を作製する。この例では、かくして得られた電極を、負極として用いる。一方で、正極、セパレータ及び非水電解質を準備する。
次に、準備した負極、正極、セパレータ及び非水電解質を用いて、例えば後段で図13及び14を参照しながら説明する非水電解質電池1と同様の構成を有する電池ユニットを作製する。
次いで、電池ユニットに対し、以下の手順に沿って、充電及び放電の電流値を0.2C程度、例えば0.05C〜0.33C(時間放電率)として、定電流充放電を行う。
まず、電池ユニットを、室温よりも高い温度に保持された恒温槽内に置く。恒温槽の温度は、30℃以上80℃以下とすることが好ましく、40℃以上60℃以下とすることがより好ましい。
次に、電池ユニットを、リチウム挿入サイクルに繰り返し供する。リチウム挿入サイクルは、例えば3回以上行うことができる。1つのリチウム挿入サイクルは、充電(リチウム挿入)、充電後の放置(緩和)、放電(リチウム脱離)及び放電後の放置(緩和)からなる。充電は、先に説明した定電流で行う。複数回のリチウム挿入サイクルにおいて、充電終止電圧(V)を、回を追う毎に段階的に高くなるように設定する。ここで、各回の充電終止電圧は、回を追うごとの充電後の電池ユニットの充電状態(state-of-charge:SOC)の差が30%以下となるように設定する。初回のリチウム挿入サイクルでの充電では、電池ユニットをSOC60%まで充電することができる。また、最終回のリチウム挿入サイクルでは、充電終止電圧を約2.9V、例えば2.9V〜3.0Vに設定する。各回における放電は、先に説明した定電流で行う。放電終止電位は、放電後の電池ユニットの充電状態が0%〜20%に達するように設定する。充電後及び放電後の放置は、恒温槽において、回路状態で、10分程度、例えば5分〜30分間行う。
かくして、第3の実施形態に係る一例の非水電解質電池を得ることができる。なお、この非水電解質電池から、第1の実施形態のセクションで説明したのと同様の手順に沿って負極活物質を取り出すことにより、第1の実施形態に係る一例の活物質を得ることもできる。また、この非水電解質電池から、第1の実施形態のセクションで説明したのと同様の手順に沿って負極を取り出すことにより、第2の実施形態に係る一例の電極を得ることもできる。
また、以上のようにして得られた非水電解質電池を、室温環境(例えば、20℃〜30℃)で、更なる充放電サイクルに繰り返し供してもよい。この充放電サイクルにおける充電及び放電は、例えば0.2C〜1Cの定電流で行うことができる。
次に、図13及び図14を参照しながら、第3の実施形態に係る非水電解質電池の一例を更に詳細に説明する。
図13は、第3の実施形態に係る一例の非水電解質電池の一部切欠斜視図である。図14は、図13のA部の拡大断面図である。
図13及び14に示す第1の例の非水電解質電池1は、図13及び図14に示す電極群2と、図13及び図14に示す容器3と、図13及び図14に示す正極集電タブ4と、図13に示す負極集電タブ5とを具備している。
図13及び図14に示す電極群2は、複数の正極6と、複数の負極7と、1枚のセパレータ8とを備える。
各正極6は、図14に示すように、正極集電体61と、この正極集電体61の両面に形成された正極活物質含有層62とを備えている。また、図14に示すように、正極集電体61は、表面に正極活物質含有層62が形成されていない部分63を含んでいる。この部分63は、正極リードとして働く。正極リード63は、例えば図12に示した電極リード73と同様に、正極活物質含有層62よりも幅の狭い狭小部となっている。
各負極7は、図12に示す一例の電極7と同様の構造を有している。すなわち、各負極7は、負極集電体71と、この負極集電体71の両面に形成された負極活物質含有層72とを備えている。また、負極集電体71は、表面に負極活物質含有層72が形成されていない部分73を含んでいる。この部分73は、負極リードとして働く。
図14に一部を示すように、セパレータ8は九十九折にされている。九十九折にされたセパレータ8の互いに対向する面によって規定される空間には、正極6又は負極7がそれぞれ配置されている。それにより、正極6と負極7とは、図2に示すように、正極活物質含有層62と負極活物質含有層72とがセパレータ8を間に介在させて対向するように積層されている。かくして、電極群2が形成されている。
電極群2の正極リード63は、図14に示すように、電極群2から延出している。これらの正極リード63は、図14に示すように、1つにまとめられて、正極集電タブ4に接続されている。また、図示はしていないが、電極群2の負極リード73も電極群2から延出している。これらの負極リード73は、図示していないが、1つにまとめられて、図13に示す負極集電タブ5に接続されている。
このような電極群2は、図13及び図14に示すように、外装部材である容器3に収納されている。
容器3は、アルミニウム箔31とその両面に形成された樹脂フィルム32及び33とからなるアルミニウム含有ラミネートフィルムから形成されている。容器3を形成するアルミニウム含有ラミネートフィルムは、折り曲げ部3dを折り目として、樹脂フィルム32が内側を向くように折り曲げられて、電極群2を収納している。また、図13及び図14に示すように、容器3の周縁部3bにおいて、樹脂フィルム32の互いに向き合った部分が、間に正極集電タブ4を挟み込んでいる。同様に、容器3の周縁部3cにおいて、樹脂フィルム32の互いに向き合った部分が、間に負極集電タブ5を挟み込んでいる。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、容器3から、互いに反対の向きに延出している。
正極集電タブ4及び負極集電タブ5を挟み込んだ部分を除く容器3の周縁部3a、3b及び3cにおいて、樹脂フィルム32の互いに対向した部分が熱融着されている。
また、非水電解質電池1では、正極集電タブ4と樹脂フィルム32との接合強度を向上させるために、図2に示すように、正極集電タブ4と樹脂フィルム32との間に絶縁フィルム9が設けられている。また、周縁部3bにおいて、正極集電タブ4と絶縁フィルム9とが熱融着されており、樹脂フィルム32と絶縁フィルム9とが熱融着されている。同様に、図示していないが、負極集電タブ5と樹脂フィルム32との間にも絶縁フィルム9が設けられている。また、周縁部3cにおいて、負極集電タブ5と絶縁フィルム9とが熱融着されており、樹脂フィルム32と絶縁フィルム9とが熱融着されている。すなわち、図1〜図3に示す非水電解質電池1では、容器3の周縁部3a、3b及び3cの全てがヒートシールされている。
容器3は、図示していない非水電解質を更に収納している。非水電解質は、電極群2に含浸されている。
図13及び図14に示す非水電解質電池1では、図14に示すように、電極群2の最下層に複数の正極リード63をまとめている。同様に、図示していないが、電極群2の最下層に複数の負極リード73をまとめている。しかしながら、例えば図15に示すように、電極群2の中段付近に複数の正極リード63及び複数の負極リード73を、それぞれ1つにまとめて、正極集電タブ4及び負極集電タブ5のそれぞれに接続することもできる。
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、第2の実施形態に係る電極を具備するので、優れた寿命性能を示すことができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池を具備する。
第4の実施形態に係る電池パックは、複数の非水電解質電池を備えることもできる。複数の非水電解質電池は、電気的に直列に接続することもできるし、又は電気的に並列に接続することもできる。或いは、複数の非水電解質電池を、直列及び並列の組み合わせで接続することもできる。
例えば、第4の実施形態に係る電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池を5つ具備することもできる。これらの非水電解質電池は、例えば直列に接続されることができる。
また、接続された非水電解質電池は、組電池を構成することができる。すなわち、第4の実施形態に係る電池パックは、組電池を具備することもできる。
第4の実施形態に係る電池パックは、例えば複数の組電池を具備することができる。複数の組電池は、直列、並列、又は直列及び並列の組み合わせで接続することができる。
以下に、第4の実施形態に係る電池パックの一例を、図16及び図17を参照しながら説明する。
図16は、第4の実施形態に係る一例の電池パックの分解斜視図である。図17は、図16に示す電池パックの電気回路を示すブロック図である。
図16及び図17に示す電池パック20は、複数個の単電池1を備える。単電池1は、第3の実施形態に係る一例の扁平型非水電解質電池である。単電池1は、図示しない電極群と、図示しない非水電解質と、図16に示す容器3と、図16に示す正極端子11及び負極端子12とを具備する。電極群及び非水電解質は、容器3内に収容されている。電極群には非水電解質が含浸されている。
容器3は、有底角筒形状を有している。容器3は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄又はステンレス鋼などの金属から形成されている。
電極群は、図13及び図14を参照しながら説明した非水電解質電池が具備する電極群と同様に、正極、負極及びセパレータを具備する。
正極端子11は、正極に電気的に接続されている。負極端子12は、負極に電気的に接続されている。正極端子11の一方の端部及び負極端子12の一方の端部は、それぞれ、単電池1の同じ端面から延出している。
複数の単電池1は、外部に延出した正極端子11及び負極端子12が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池10を構成している。これらの単電池1は、図17に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、単電池1の負極端子12及び正極端子11が延出する端面に対向して配置されている。プリント配線基板24には、図17に示すようにサーミスタ25、保護回路26及び外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、プリント配線基板24には、組電池10と対向する面に組電池10の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池10の最下層に位置する正極端子11に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ41に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード29は、組電池10の最上層に位置する負極端子12に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ42に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ41及び42は、プリント配線基板24に形成された配線43及び44を通して保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池1の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線45及びマイナス側配線46を遮断できる。所定の条件の一例とは、例えば、サーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件の他の例とは、例えば、単電池1の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池1又は組電池10全体について行われる。個々の単電池1を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池1中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図16及び図17の電池パック20の場合、単電池1それぞれに電圧検出のための配線47が接続されている。これら配線47を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子11及び負極端子12が突出する側面を除く組電池10の三側面には、ゴム又は樹脂からなる保護シート91がそれぞれ配置されている。
組電池10は、各保護シート91及びプリント配線基板24と共に収納容器100内に収納される。すなわち、収納容器100の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート91が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池10は、保護シート91及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋110は、収納容器100の上面に取り付けられている。
なお、組電池10の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池10の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池10を結束させる。
図16及び図17では、単電池1を直列接続した形態を示している。一方、電池容量を増大させるためには、単電池1を並列に接続してもよい。さらに、組み上がった電池パックを直列及び/又は並列に接続することもできる。
また、第4の実施形態に係る電池パックの態様は用途により適宜変更される。第4の実施形態に係る電池パックの用途としては、大電流性能でのサイクル性能が望まれるものが好ましい。具体的な用途としては、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。第4の実施形態に係る電池パックは、特に、車載用が好適である。
第4の実施形態に係る電池パックは、第3の実施形態に係る非水電解質電池を具備するので、優れた寿命性能を示すことができる。
[実施例]
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
実施例1では、以下の手順により、実施例1の非水電解質電池を作製した。
[正極の作製]
まず、正極活物質として、スピネル型の結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物の粉末を準備した。このリチウムマンガン複合酸化物は、LiAl0.2Mn1.84の組成を有していた。
次に、この正極活物質に対して、導電剤としてのアセチレンブラックを添加し、ヘンシェルミキサーにおいて混合して、混合物を得た。次に、この混合物に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)と加え、プラネタリーミキサーで混錬した。かくして、スラリーを得た。
以上の混合では、得られるスラリーにおける正極活物質:アセチレンブラック:PVdFの比が90重量部:5重量部:5重量部となるように、アセチレンブラック及びPVdFの添加量を調整した。
このスラリーを、厚さが15μmであるアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた。更に、乾燥させた塗膜をロールプレス処理に供した。かくして、集電体と、この集電体の両面上に形成され且つ電極密度(集電体含まず)が3.0g/cm3である正極活物質含有層とを具備する正極を作製した。
[負極の作製]
まず、以下の手順で、斜方晶型の結晶構造を有し且つLi2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粉末を準備した。
原料として、酸化チタン(TiO2)と、水酸化リチウム(LiOH)と、炭酸ナトリウム(Na2CO3)と、酸化ニオブ(V)(Nb25)とを準備した。これらの原料を、混合物のLi:Na:Ti:Nbのモル比が2:1.6:5.6:0.4となるように混合した。混合に先立ち、原料を十分に粉砕した。
混合した原料を、大気雰囲気において、1000℃での5時間にわたる熱処理に供した。かくして焼成物を得た。ついで、焼成物をハンマーミルで粉砕した。かくして、生成物の粉末を得た。
得られた生成物の粉末の平均一次粒子径をSEMにて分析した。その結果、得られた生成物の粉末は、平均一次粒子径が2μmの一次粒子状の粒子であることが分かった。
また、得られた生成物の組成及び結晶構造を、ICP及びX線回折測定を用いて分析した。その結果、得られた生成物は、斜方晶型の結晶構造を有し且つLi2Na1.6Ti5.6Nb0.414の組成を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物であることが分かった。この生成物の粉末を、負極活物質として用いた。
次に、負極活物質としての斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物の粉末に、導電剤としてのアセチレンブラックを添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、混合物を得た。次に、この混合物に、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、分散媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)と加え、プラネタリーミキサーで混錬した。かくして、スラリー(負極作製用スラリー)を得た。
以上の混合では、得られるスラリーにおける負極活物質:アセチレンブラック:PVdFの比が85重量部:10重量部:5重量部となるように、アセチレンブラック及びPVdFの添加量を調整した。
このスラリーを、厚さが15μmであるアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた。更に、乾燥させた塗膜をロールプレス処理に供した。かくして、集電体と、この集電体の両面上に形成され且つ電極密度(集電体含まず)が2.5g/cm3である負極活物質含有層とを具備する負極を作製した。
[電極群の作製]
次に、厚さが25μmであるポリエチレン製多孔質フィルムからなる2枚のセパレータを準備した。
次に、先に作製した正極、1枚のセパレータ、先に作製した負極及びもう1枚のセパレータをこの順序で積層して積層体を得た。この積層体を、渦巻き状に捲回した。これを90℃で加熱プレスすることにより、幅が30mmであり厚さが3.0mmである偏平状電極群を作製した。
得られた電極群を、ラミネートフィルムからなるパックに収納し、85℃で24時間真空乾燥を施した。ラミネートフィルムは、厚さが40μmであるアルミニウム箔と、このアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層とを含んでいた。ラミネートフィルムの全体の厚さは、0.1mmであった。
[液状非水電解質の調製]
プロピレンカーボネート(PC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を1:1の体積比率で混合して混合溶媒とした。この混合溶媒に電解質である六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1Mの濃度で溶解することにより、液状非水電解質を調製した。
[電池ユニットの作製]
先のようにして電極群を収納したラミネートフィルムのパック内に、液状非水電解質を注入した。その後、パックをヒートシールにより完全密閉した。かくして、前述した図13及び図14に示す構造と同様の構造を有し、幅が35mmであり、厚さが3.2mmであり、高さが65mmであり、定格容量が1Ahである電池ユニットを製造した。
[段階的リチウム挿入]
電池ユニットを、45℃に保持された恒温槽内に置いた。次に、電池ユニットを、0.2C(時間放電率)の定電流で、電圧が2.6Vになるまで充電した。次いで、10分間にわたり、電池ユニットを開回路状態で放置した。次いで、電池ユニットを、0.2Cの定電流で、電圧が1.8Vになるまで放電した。次いで、10分間にわたり、電池ユニットを開回路状態で放置した。以上に説明した定電流充電、開回路状態での放置、定電流放電及び開回路状態での放置の組を、1つのリチウム挿入サイクルとした。
次いで、定電流充電での充電終止電圧を順に2.7V、2.8V、2.9V及び3.0Vに変更する以外は先に説明したのと同様の手順で、電池ユニットに対するリチウム挿入サイクルを繰り返し行った。
その後、恒温槽の温度を25℃に変更した。次いで、電池ユニットを、1Cの定電流で、電圧が2.9Vになるまで充電した。次いで、電池ユニットを、2.9Vの定電圧で、電流値が0.05Cになるまで充電した。その後、電池ユニットを、30分間にわたり、開回路状態で放置した。次いで、電池ユニットを、1Cの定電流で電圧が1.8Vになるまで放電した。以上に説明した充電、開回路状態での放置及び放電の組を、1つの充放電サイクルとした。この充放電サイクルを3回繰り返した。かくして、実施例1の非水電解質電池を作製した。
(実施例2〜8)
実施例2〜8の各々では、準備した負極活物質の組成を以下の表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例2〜8の各々の非水電解質電池を作製した。
(実施例9及び10)
実施例9では、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粉末を準備する際、混合した原料を、大気雰囲気において、900℃での5時間にわたる熱処理に供したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例9の非水電解質電池を作製した。
実施例10では、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粉末を準備する際、混合した原料を、大気雰囲気において、1100℃での5時間にわたる熱処理に供したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例10の非水電解質電池を作製した。
(実施例11〜13)
実施例11〜13の各々では、準備した正極活物質の組成を以下の表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例11〜13の各々の非水電解質電池を作製した。
(実施例14〜16)
実施例14〜16では、段階的リチウム挿入の際の恒温槽の温度を以下の表2に示す温度に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例14〜16の各々の非水電解質電池を作製した。
(実施例17〜20)
実施例17〜20では、段階的リチウム挿入の際のリチウム挿入サイクルを4回行ったこと、及び各回の充電終止電圧を以下の表2に示した値に設定したこと以外は実施例1と同様の手順で、実施例17〜20の各々の非水電解質電池を作製した。
(比較例1)
段階的リチウム挿入を行わなかったこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例1の非水電解質電池を作製した。
(比較例2)
段階的リチウム挿入を25℃で行ったこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例2の非水電解質電池を作製した。
(比較例3)
段階的リチウム挿入を行う代わりに、45℃及び0.2C(時間放電率)で、電圧が1.8Vから3.0Vに達するまで充電したこと以外は実施例1と同様の手順で、比較例3の非水電解質電池を作製した。
Figure 0006965438
Figure 0006965438
[評価]
[負極活物質の平均結晶子径の測定]
実施例1〜20、及び比較例1〜3の各非水電解質電池の負極が含む負極活物質粒子の平均結晶子径を、先に説明した手順により測定した。その結果を以下の表3に示す。
[負極活物質の原子配列の確認]
実施例1〜20、及び比較例1〜3の各非水電解質電池の負極が含む負極活物質粒子における原子配列を、先に説明した手順により確認した。以下の表3に、実施例1〜20、及び比較例1〜3についての周期の比P2/P1の値をまとめる。
[寿命性能の評価]
実施例1〜20、及び比較例1〜3の各非水電解質電池を、以下の手順で寿命性能試験に供した。以下では、実施例1〜20、及び比較例1〜3の各非水電解質電池を単に「電池」と呼ぶ。
まず、電池を、25℃に保持された恒温槽内で、5Cの定電流で電圧が2.9Vになるまで充電した。次いで、電池を、同じ恒温槽内で、5Cの定電流で、電圧が1.8Vになるまで放電した。以上の定電流充電及び定電流での放電を1つの充放電サイクルとした。
この充放電サイクルを、1000回繰り返し行った。1回目のサイクルの放電の際の放電容量と、1000回目のサイクルの放電の際の放電容量とを測定した。各電池について、1回目のサイクルで放電容量に対する、1000回目のサイクルの放電容量の割合を、1000サイクル後の容量維持率(%)とした。
実施例1〜20、及び比較例1〜3の各非水電解質電池の1000サイクル後の容量維持率を、以下の表3に示す。
Figure 0006965438
表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜20の各非水電解質電池では、負極活物質についての周期の比P2/P1が1未満であった。すなわち、周期P2が周期P1よりも小さかった。一方、比較例1〜3の各非水電解質電池では、負極活物質についての周期の比P2/P1が1であった。よって、比較例1〜3の各非水電解質電池の負極は、Na含有ニオブチタン複合酸化物の粒子が、均質な原子配列を有していた。また、表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜20の各非水電解質電池の1000サイクル後の容量維持率は、比較例1〜3の非水電解質電池のそれらよりも高かった。この結果から、実施例1〜20の各非水電解質電池は、比較例1〜3の非水電解質電池よりも、優れた寿命性能を示すことができたことが分かる。
(実施例1A)
実施例1Aでは、以下の手順で、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む活物質を調製した。
まず、実施例1と同様の手順で、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を合成した。一方で、導電剤としてのアセチレンブラックの粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを更に準備した。
これらを用いて、実施例1での負極作製用のスラリーの調製手順と同様の手順で、スラリーを作製した。なお、スラリーにおける負極活物質:アセチレンブラック:PVdFの比は、85重量%:10重量%:5重量%とした。
調製したスラリーを帯状の集電体に塗布し、塗膜を得た。集電体としては、厚さが20μmであるアルミニウム箔を用いた。スラリーは、集電体の片方の主面に塗布した。次いで、塗膜を乾燥させた。スラリーの塗布量は、片面に塗布した塗膜1m2当りの乾燥後の重量が50g/m2になるように調整した。次いで、塗膜を集電体ごとロールプレスに供した。かくして、集電体と、集電体の片方の表面上に設けられた活物質含有層とを含む帯状の電極を得た。ロールプレス後の活物質含有層の密度(集電体を含まず)は、2.4g/cm3とした。
次に、作用極と、対極と、非水電解質とを備えたリチウム挿入セルを作製した。先に作製した電極を、作用極として用いた。対極としては、金属リチウム箔を用いた。非水電解質は、以下の手順で調製した。まず、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを例えば体積比1:1で混合し、混合溶媒を調製した。この混合溶媒中に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1Mの濃度で溶解させて、非水電解質を調製した。
次いで、リチウム挿入セルに対し、以下の手順に沿って、充電及び放電の電流値を0.2C(時間放電率)として、定電流充放電を行った。
まず、作製したリチウム挿入セルを、45℃に保持された恒温槽内に置いた。次に、リチウム挿入セルを、0.2Cの定電流で、金属リチウム電極基準で電位が1.4V(vs.Li/Li+)になるまで充電した。次いで、リチウム挿入セルを、10分間にわたり、開回路状態で放置した。次いで、リチウム挿入セルを、0.2Cの定電流で、金属リチウム電極基準で電位が3.0V(vs.Li/Li+)になるまで放電した。次いで、リチウム挿入セルを、10分間にわたり、開回路状態で放置した。以上に説明した定電流充電、開回路状態での放置、定電流放電及び開回路状態での放置の組を、1つのリチウム挿入サイクルとした。
次いで、定電流充電での充電終止電位を順に1.3V(vs.Li/Li+)、1.2V(vs.Li/Li+)、1.1(vs.Li/Li+)V及び1.0(vs.Li/Li+)Vに変更した以外は先に説明したのと同様の手順で、リチウム挿入セルに対するリチウム挿入サイクルを繰り返し行った。
その後、恒温槽の温度を25℃に変更した。次いで、リチウム挿入セルを、1Cの定電流で、金属リチウム電極基準での電位が1.2V(vs.Li/Li+)になるまで充電した。次いで、リチウム挿入セルを、1.2V(vs.Li/Li+)の定電位で、電流値が0.05Cになるまで充電した。その後、リチウム挿入セルを、30分間にわたり、開回路状態で放置した。次いで、リチウム挿入セルを、1Cの定電流で電位が3.0V(vs.Li/Li+)になるまで放電した。以上に説明した充電、開回路状態での放置及び放電の組を、1つの充放電サイクルとした。この充放電サイクルを3回繰り返した。
次に、このような状態にしたセルを、アルゴンを充填したグローブボックス中で分解した。分解した電池から、作用極を取り出した。取り出した作用極を、エチルメチルカーボネートを用いて洗浄した。次いで、作用極を真空乾燥に供した。次に、スパチュラを用いて活物質含有層を集電体から剥離させ、粉末状の活物質含有層を得た。
次に、先に説明した手順と同様の手順に従い、粉末状の活物質含有層から、活物質を単離した。かくして、実施例1Aの活物質を調製した。
次に、かくして得られた活物質を負極活物質として用いたこと以外は実施例1の電池ユニットの作製手順と同様の手順に従い、実施例1Aの電池ユニットを得た。この電池ユニットを、実施例1Aの非水電解質電池とした。
(実施例1B)
実施例1Bでは、以下の手順で、実施例1Bの電極を得た。
まず、実施例1Aのリチウム挿入セルの作製手順と同様の手順で、リチウム挿入セルを作製した。次いで、リチウム挿入セルに対し、実施例1Aと同様の手順で、45℃でのリチウム挿入サイクル及び25℃での充放電サイクルを行った。次いで、実施例1Aと同様の手順で、リチウム挿入セルから作用極を取り出した。取り出した作用極を、実施例1Bの電極とした。
次に、実施例1Bの電極を負極として用いたこと以外は実施例1と同様の手順に従って、実施例1Bの電池ユニットを得た。この電池ユニットを、実施例1Bの非水電解質電池とした。
[評価]
実施例1A及び1Bの非水電解質電池に対し、実施例1の電池に対して行ったのと同様の評価を行った。結果を、実施例1の結果と合わせて、以下の表4に示す。
Figure 0006965438
表4に示した結果から明らかなように、実施例1A及び1Bの各非水電解質電池では、周期P2が周期P1よりも小さかった。また、実施例1A及び1Bの各非水電解質電池は、実施例1の非水電解質電池と同様に、優れた寿命性能を示すことができた。
以上に説明した実施形態及び実施例の少なくとも一つによると、活物質が提供される。活物質は、斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含む。この粒子は、第1の相と第2の相と含む。第2の相の第2の原子配列の周期P2は、第1の相の第1の原子配列の周期P1よりも小さい。このような粒子を含むことにより、この活物質は、高充電状態に達する充放電サイクルに供しても、結晶構造変化が生じるのを抑制することができる。その結果、この活物質は、優れた寿命性能を示すことができる非水電解質電池を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含み、
前記粒子は、前記結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第1の原子配列を有する第1の相と、前記c軸に平行な方向における第2の原子配列を有する第2の相とを含み、
前記第2の原子配列の周期P2[Å]は、前記第1の原子配列の周期P1[Å]よりも小さい活物質。
[2]
前記周期P1及びP2は、式:0.23P1≦P2≦0.27P1を満たす[1]に記載の活物質。
[3]
前記Na含有ニオブチタン複合酸化物は、一般式Li 2+v Na 2-w M1 x Ti 6-y-z Nb y M2 z 14+δ で表される組成を有し、
前記一般式において、M1は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1種であり、M2は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種であり、0≦v≦4、0<w<2、0≦x<2、0<y<6、0≦z<3、0<(y+z)<6、−0.5≦δ≦0.5である[1]又は[2]に記載の活物質。
[4]
前記一般式において、0.05≦y<1である[3]に記載の活物質。
[5]
前記粒子は、800nm以上1500nm未満の範囲内にある平均結晶子径を有する[1]〜[4]の何れか1項に記載の活物質。
[6]
[1]〜[5]の何れか1項に記載の活物質を含む電極。
[7]
負極としての[6]に記載の電極と、
正極と、
非水電解質と
を具備する非水電解質電池。
[8]
[7]に記載の非水電解質電池を具備する電池パック。

Claims (6)

  1. 斜方晶型の結晶構造を有するNa含有ニオブチタン複合酸化物の粒子を含み、
    前記Na含有ニオブチタン複合酸化物は、一般式Li 2+v Na 2-w M1 x Ti 6-y-z Nb y M2 z 14+δ で表される組成を有し、
    前記一般式において、M1は、Cs、K、Sr、Ba及びCaからなる群より選択される少なくとも1種であり、M2は、Zr、Sn、V、Ta、Mo、W、Fe、Co、Mn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種であり、0≦v≦4、0<w<2、0≦x<2、0<y<6、0≦z<3、0<(y+z)<6、−0.5≦δ≦0.5であり、
    前記粒子は、800nm以上1500nm未満の範囲内にある平均結晶子径を有し、前記結晶構造の単位格子のc軸に平行な方向における第1の原子配列を有する第1の相と、前記c軸に平行な方向における第2の原子配列を有する第2の相とを含み、
    前記第2の原子配列の周期P2[Å]は、前記第1の原子配列の周期P1[Å]よりも小さい活物質。
  2. 前記周期P1及びP2は、式:0.23P1≦P2≦0.27P1を満たす請求項1に記載の活物質。
  3. 前記一般式において、0.05≦y<1である請求項1または2に記載の活物質。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載の活物質を含む電極。
  5. 負極としての請求項に記載の電極と、
    正極と、
    非水電解質と
    を具備する非水電解質電池。
  6. 請求項に記載の非水電解質電池を具備する電池パック。
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