以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
(実施の形態)
以下、図1から図38を用いて、本実施の形態の洗濯機について、項目毎に分けて個別に、説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.洗濯機の構成]
まず、本実施の形態の洗濯機の構成について、図1および図2を参照しながら、説明する。
図1は、本実施の形態における洗濯機の外観斜視図である。図2は、同洗濯機の縦断面を示す図である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の洗濯機は、筐体101と、筐体101の内部に設けられる、有底円筒形の水槽105などを含む。筐体101は、洗濯機100の外郭を構成する。水槽105は、複数のサスペンション(図示せず)およびダンパー163により、弾性的に防振支持される。水槽105内には、有底円筒形の、洗濯槽を構成するドラム106が回転可能に配設される。ドラム106は、内壁面に、複数個のバッフル106aを備える。バッフル106aは、ドラム106の低速回転時において、衣類を引っ掛けて上方に持ち上げ、落下させるなどの撹拌動作を、衣類に与える。また、ドラム106は、周面に形成される、複数の貫通する小孔(図示せず)を有する。水槽105は、底部に配設される、槽回転モータ(図示せず)を有する。槽回転モータは、ドラム106を回転駆動させる。
筐体101は、前面に形成される、衣類を出し入れするため開口された衣類投入取出口103を備える。筐体101の前面には、蓋体102が設けられる。蓋体102は、衣類投入取出口103を開閉自在に覆う。蓋体102の開放により、使用者は、衣類投入取出口103からドラム106内へ衣類を投入できる。
筐体101は、さらに、液体供給装置を構成する液剤自動投入装置109を備える。液剤自動投入装置109は、水槽105よりも上部に設けられる。なお、液剤自動投入装置109の構成については、[1−1−2.液剤自動投入装置の構成]で詳述する。
また、図1に示すように、筐体101は、上部に、開閉可能な蓋体114aを有する。蓋体114aの開放により、開口114b内に洗剤タンク117および柔軟剤タンク126を着脱可能に装着できる。
蓋体102は、上部に配設される、操作表示部104を有する。操作表示部104は、運転を操作する操作部と、運転状態を表示する表示部と、を備える。
筐体101は、さらに、コントローラ(図示せず)を備える。コントローラは、槽回転モータなどを制御し、洗い、すすぎ、脱水などの一連のステップを、逐次、制御しながら実行する。コントローラは、布量判定部(図示せず)と、液剤投入量算出部(図示せず)などを備える。布量判定部は、例えば槽回転モータを一定回転数で回転させた時のトルク電流値を検出する。これに基づいて、布量判定部は、例えば10kgまでの洗濯物を10段階程度に分類して、布量を判定する。また、コントローラは、布量判定部の判定結果に基づいて、洗濯で使用する水量を決定する。液剤投入量算出部は、布量判定部により検出した布量から、洗剤投入量および柔軟剤投入量を算出する。
洗濯機100は、記憶部(図示せず)を備える。記憶部は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などから構成される。記憶部は、洗剤の種類に関する情報を記憶する洗剤種類記憶部(図示せず)を含む、洗濯運転に関する各種設定情報などを記憶する。
以上のように、本実施の形態の洗濯機は構成される。
[1−1−2.液剤自動投入装置109(液体供給装置)の構成]
つぎに、液剤自動投入装置109の構成について、図3から図27を参照しながら、説明する。
図3は、同実施の形態における洗濯機の要部の分解斜視図である。図4は、同洗濯機の液剤自動投入装置の平面図である。図5は、同液剤自動投入装置の右側面図である。図6は、同液剤自動投入装置の左側面図である。図7は、同液剤自動投入装置の左側断面図である。図8は、同液剤自動投入装置の前断面図である。図9は、同液剤自動投入装置の要部の分解斜視図である。図10Aは、同洗濯機の水道水を給水するときの三方弁ユニットの概略図である。図10Bは、同洗濯機の洗剤液を水槽に供給するときの三方弁ユニットの概略図である。図10Cは、同洗濯機の柔軟剤液を水槽に供給するときの三方弁ユニットの概略図である。図11は、同洗濯機のポンプユニットの断面図である。図12は、洗剤タンクと柔軟剤タンクの裏面図である。図13は、洗剤タンクと柔軟剤タンクが取り付けられた状態のタンク収容ケースの断面図である。図14は、図13のE1部の拡大図である。図15は、洗剤タンクと柔軟剤タンクが取り付けられた状態のタンク収容ケースの後方断面図である。図16は、図15の16−16断面図である。図17は、同洗濯機の洗剤タンクおよび洗剤タンク蓋の上面図である。図18Aは、図17の洗剤タンク蓋下面にフロートが取り付けられていない状態における18A−18A断面図である。図18Bは、図17の洗剤タンク蓋下面にフロートが取り付けられた状態における18B−18B断面図である。図19は、図17のフィルタが取り付けられていない状態における19−19断面図である。図20は、同洗濯機の身長が異なる使用者がそれぞれ開口から洗剤タンク内部を覗いた場合の視線を示す洗剤タンク断面図である。図21は、同洗濯機の洗剤タンクと洗剤側三方弁の要部拡大断面図である。図22は、同洗濯機のフィルタの斜視図である。図23Aは、図22の23A−23A断面を示す図である。図23Bは、図22のE2部の拡大図である。図24は、同洗濯機の要部の構成を示すブロック図である。図25は、同洗濯機の液剤自動投入装置の上面図である。図26は、図25の26−26断面図である。図27は、同洗濯機の洗剤タンク、洗剤タンク蓋、フロート部の分解斜視図である。
液剤自動投入装置109(図2参照)は、上述したように、筐体101の水槽105よりも上部に設けられる。液剤自動投入装置109は、以下で個別に詳述する、給水器110、ポンプユニット111、切り替え部を構成する三方弁ユニット113、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126が装着され、タンク収容部を構成するタンク収容ケース114などを含む。なお、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126を区別せずに表現する場合、単に「タンク」と表記する。また、洗剤液および柔軟剤液を区別せずに表現する場合、単に「液剤」または「液体」と表記する。
(給水器110)
給水器110は、筐体101上部に設けられ、給水路110c、第1給水弁110a、第2給水弁110bなどを含む。なお、第1給水弁110aおよび第2給水弁110bを区別せずに表現する場合、単に「給水弁」と表記する。
給水路110cは、一端が、給水ホース(図示せず)を介して、水道配管などの蛇口と連通される。第1給水弁110aと第2給水弁110bの開閉を制御することにより、水道水が流れる水路が選択される。なお、水道水の水路については、後述する(注水ケース116の構成、および、水路の構成)で説明する。
(三方弁ユニット113)
三方弁ユニット113は、タンク収容ケース114に装着された、洗剤タンク117の液剤と、柔軟剤タンク126の液剤とを、選択的に、ピストンポンプユニット112(図11参照)へ吐出するユニットを構成する。なお、三方弁ユニットは、切り替え部の例示である。
図9に示すように、三方弁ユニット113は、洗剤側三方弁113aと、柔軟剤側三方弁113bと、洗剤側コイル113dと、柔軟剤側コイル113iなどを含む。
図10Aに示すように、三方弁ユニット113には、洗剤液や柔軟剤液をポンプユニット111へ流すための、水路124が設けられる。三方弁ユニット113により、水路124内の水の流れが制御される。水路124は、前方で、洗剤タンク117と連通する洗剤側筒部111b、および、柔軟剤タンク126と連通する柔軟剤側筒部111fと、連通する。さらに、水路124は、第2水路182(水路)および、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hと、連通する。
図24に示すように、洗剤側三方弁113aは、第2水路182を流れる水道水の流れと、洗剤タンク117から流れる洗剤液の流れを、選択的に切り替える。これにより、水道水または洗剤液のいずれか一方が、柔軟剤側三方弁113bへ供給される。
つぎに、図10Aから図10Cを用いて、洗剤側三方弁113aの具体的な動作について説明する。
洗剤側三方弁113aは、洗剤側シリンダ113lと、洗剤側プランジャ113eと、洗剤側弁体113fと、洗剤側バネ113cなどを含む。洗剤側プランジャ113eは、洗剤側シリンダ113l内に設けられ、前後に往復動作する。洗剤側弁体113fは、洗剤側プランジャ113eの前方端部に設けられる。洗剤側バネ113cは、一端が洗剤側シリンダ113lの後壁に位置し、他端が洗剤側プランジャ113eの後方端部に位置するように配設される。洗剤側シリンダ113lは、前方端部に開口部aを有する。洗剤側シリンダ113lの周囲には、洗剤側プランジャ113eを覆うように洗剤側コイル113dが設けられる。
まず、図10Aおよび図10Cに示すように、洗剤側コイル113dに通電していない状態において、洗剤側プランジャ113eは、洗剤側バネ113cから前方への付勢力を受ける。付勢された洗剤側弁体113fは、洗剤側筒部111bの後方端部に形成された開口部bを塞ぐ。そのため、洗剤タンク117からの洗剤液の流れが、洗剤側弁体113fにより遮られる。このとき、洗剤側シリンダ113lの開口部aが開放される。これにより、第2水路182内を矢印X1方向に水路124内に流入した水道水は、洗剤側シリンダ113lの開口部a内を通り(矢印X2)、柔軟剤側三方弁113bへと流れる(矢印X3)。
つぎに、図10Bに示すように、洗剤側コイル113dに通電すると、洗剤側コイル113dに磁界が発生する。そのため、洗剤側プランジャ113eは、磁場から受ける電磁力により、洗剤側バネ113cの付勢力に抗して、後方に移動する。これにより、洗剤側筒部111bの開口部bが開放される。その結果、洗剤タンク117の洗剤液は、矢印X5、矢印X6のように、開口部b内を通り、柔軟剤側三方弁113bへと流れる。このとき、洗剤側シリンダ113lの開口部aは、洗剤側弁体113fにより塞がれる。そのため、第2水路182を流れる水道水の流れが、洗剤側弁体113fにより遮られる。
以上のように、洗剤側三方弁113aの動作により、第2水路182からの水道水の流れと、洗剤タンク117からの洗剤液の流れとが、切り替えられる。これにより、水道水または洗剤液のいずれか一方を、選択的に、柔軟剤側三方弁113bへ供給できる。
また、柔軟剤側三方弁113bは、洗剤側三方弁113aの動作と同様に、洗剤側三方弁113aから流れる液体の流れと、柔軟剤タンク126から流れる柔軟剤液の流れとを、選択的に、切り替える。これにより、水道水または柔軟剤のいずれか一方が、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ供給可能に構成される。
具体的には、柔軟剤側三方弁113bは、洗剤側三方弁113aと同様に、柔軟剤側シリンダ113mと、柔軟剤側プランジャ113jと、柔軟剤側弁体113kと、柔軟剤側バネ113hなどを含む。柔軟剤側プランジャ113jは、柔軟剤側シリンダ113m内に設けられ、前後に往復動作する。柔軟剤側弁体113kは、柔軟剤側プランジャ113jの前方端部に設けられる。柔軟剤側バネ113hは、一端が柔軟剤側シリンダ113mの後壁に位置し、他端が柔軟剤側プランジャ113jの後方端部に位置するように配設される。柔軟剤側シリンダ113mは、洗剤側三方弁113aからの液体が流入するように構成される。柔軟剤側シリンダ113mは、前方端部に開口部cを有する。柔軟剤側シリンダ113mの周囲には、柔軟剤側プランジャ113jを覆うように柔軟剤側コイル113iが設けられる。
まず、図10Aおよび図10Bに示すように、柔軟剤側コイル113iに通電していない状態において、柔軟剤側プランジャ113jは、柔軟剤側バネ113hの前方への付勢力を受ける。付勢された柔軟剤側弁体113kは、柔軟剤側筒部111fの後方端部に形成された開口部dを塞ぐ。そのため、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れが、柔軟剤側筒部111fの開口部dを塞ぐ柔軟剤側弁体113kにより遮られる。このとき、柔軟剤側プランジャ113jの開口部cが開放される。これにより、洗剤側三方弁113aから柔軟剤側三方弁113bへ供給された洗剤液または水道水は、矢印X4や矢印X7のように、開口部cからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。
つぎに、図10Cに示すように、柔軟剤側コイル113iに通電すると、柔軟剤側コイル113iに磁界が発生する。そのため、柔軟剤側プランジャ113jは、磁場から受ける電磁力により、柔軟剤側バネ113hの付勢力に抗して、後方へ移動する。これにより、柔軟剤側筒部111fの開口部dが開放される。その結果、柔軟剤タンク126の柔軟剤液は、矢印X8、矢印X9のように、開口部dからピストンポンプユニット112の吸入水路112hへと流れる。このとき、柔軟剤側プランジャ113jの開口部cは、柔軟剤側弁体113kにより塞がれる。そのため、洗剤側三方弁113aからの液体の流れが、柔軟剤側弁体113kにより遮られる。
以上のように、柔軟剤側三方弁113bの動作により、洗剤側三方弁113aからの液体の流れと、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の流れとが、切り替えられる。これにより、液体または柔軟剤液のいずれか一方が、選択的に、吸入水路112hへ供給される。
つまり、上記構成により、図10Aに示すように、洗剤側コイル113dと柔軟剤側コイル113iを共に非通電状態にすると、第2水路182内の水道水が、三方弁ユニット113を経由して、ピストンポンプユニット112へ供給される。また、図10Bに示すように、洗剤側コイル113dに通電し、柔軟剤側コイル113iを非通電状態にすると、洗剤タンク117の洗剤液が、三方弁ユニット113を経由して、ピストンポンプユニット112へ供給される。さらに、図10Cに示すように、洗剤側コイル113dを非通電とし、柔軟剤側コイル113iを通電状態にすると、柔軟剤タンク126の柔軟剤液が、三方弁ユニット113を経由してピストンポンプユニット112へ供給される。
(ポンプユニット111)
ポンプユニット111は、図9に示すように、洗剤タンク117内の洗剤液、または柔軟剤タンク126内の柔軟剤液を吸引し、水槽105へ吐出するためのユニットを構成する。
ポンプユニット111は、外枠111aと、外枠111a内に設けられたピストンポンプユニット112などを含む。
外枠111aは、例えばポリプロピレンなどの樹脂で形成され、ピストンポンプユニット112を囲って、保護する。外枠111aは、図6に示すように、給水器110とタンク収容ケース114との間に配設される。
図9、図10Aから図10Cおよび図21に示すように、外枠111aは、外壁前面の下方で、前方と後方に延伸して形成される洗剤側筒部111bを備える。洗剤側筒部111bの前方端部は、図21に示すように、洗剤タンク117の下方後壁に形成された筒部123内に挿入される。洗剤側筒部111bの前方外周面には、離間して設けられる複数のパッキン111cを有する。また、図9および図21に示すように、洗剤側筒部111bの前方には、前方向に延伸して形成される突出リブ111eを備える。洗剤側筒部111bの後方端部は、図10Aに示すように、水路124と接続される。水路124は、ポンプユニット111の吸入水路112hと連通する。
また、図9に示すように、外枠111aは、外壁前面の下方に、前方および後方に延伸して形成される柔軟剤側筒部111fを備える。外枠111aよりも前方に延伸する柔軟剤側筒部111fは、柔軟剤タンク126の下方後壁に形成された筒部(図示せず)内に挿入される。柔軟剤側筒部111fの後方端部は、図10Aなどに示すように、水路124と連通接続される。
また、図9および図11に示すように、ピストンポンプユニット112は、シリンダ112dと、シリンダ112d内に液剤が流入する吸入水路112hと、シリンダ112dから液剤を吐出する吐出水路112g、および駆動モータ112fなどを含む。駆動モータ112fは、シリンダ112d内に設けられ、上下に往復動作可能なピストン112eを駆動する。
つまり、シリンダ112dは、中空の略円筒形状(円筒形状を含む)で形成される。シリンダ112dの内部には、上下に往復動作可能なピストン112eが配設される。ピストン112eは、リンク112aおよびカム112bを介して、駆動モータ112fと連結される。上記構成により、駆動モータ112fの回転が、リンク112aおよびカム112bを介して、ピストン112eに伝達され、ピストン112eが上下に往復動作する。
また、シリンダ112dは、下部に、吸入水路112hおよび吐出水路112gが連通して取り付けられる。吸入水路112hおよび吐出水路112gは、ピストン112eよりも下方に配設される。これにより、ピストン112eにより吐出された液剤を、勢いよく下方に吐出させることができる。
吸入水路112hは、図10Aに示すように、水路124の吐出口eと連通し、柔軟剤側三方弁113bから吐出された液体を、シリンダ112d内の収容部112cへ吸引する水路を構成する。
吸入水路112hは、図11に示すように、内部に設けられる、吸入側逆止弁164を備える。吸入側逆止弁164は、下部に形成される凸部164aを有する。さらに、吸入水路112hには、吸入側逆止弁164を下方に付勢するバネ164bが配設される。バネ164bの付勢により、凸部164aは、吸入水路112hの内壁面112iの段差部と当接する。これにより、吸入側逆止弁164は、上方には移動するが、吸入水路112hの内壁面112iの当接位置以上、シリンダ112dの下方には、移動しないように構成される。
一方、吐出水路112gは、シリンダ112d内の液体を吐出する水路を構成する。吐出水路112gは、図5に示すように、連結ホース129の分岐水路129aと接続される。
吐出水路112gは、内部に設けられる、吐出側逆止弁165を備える。吐出側逆止弁165は、上部に形成される凸部165aを有する。さらに、吐出水路112gには、吐出側逆止弁165を上方に付勢するバネ165bが配設される。バネ165bの付勢により、凸部165aが、吐出水路112gの内壁面112jの段差部と当接する。これにより、吐出側逆止弁165は、下方には移動するが、吐出水路112gの内壁面112jの当接位置以上、シリンダ112dの上方には、移動しないように構成される。
上記構成において、ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112dの収容部112c内が負圧となるため、吸入側逆止弁164に上向きの力が加わる。このとき、上向きの力が、吸入側逆止弁164の重力(自重)と、バネ164bの弾性力との合力よりも大きい場合、吸入側逆止弁164は、上向きに移動する。これにより、吸入側逆止弁164の凸部164aと吸入水路112hの内壁面112iとの間に、隙間が生じる。その結果、三方弁ユニット113を経由した液体が、隙間を介して、吸入水路112hを流れ、シリンダ112d内に流入する。
一方、ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ112dの収容部112c内が正圧となるため、吐出側逆止弁165に下向きの力が加わる。このとき、吐出側逆止弁165の重力(自重)と、吐出側逆止弁165に加わる下向きの力との合力が、吐出側逆止弁165を上向きに付勢するバネ165bの弾性力よりも大きい場合、吐出側逆止弁165は、下方に移動する。これにより、吐出側逆止弁165の凸部165aと吐出水路112gの内壁面112jとの間に、隙間が生じる。その結果、シリンダ112dの収容部112c内の液体が、隙間を介して、吐出水路112gを流れ、分岐水路129aに吐出される。
なお、図5に示すように、吐出水路112gは、連結ホース129の分岐水路129aと連通接続されている。連結ホース129は、タンク収容ケース114の排水口114cと水槽105とを連通するホースである。これにより、ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ112dの収容部112c内の液剤が、吐出水路112gに連通される連結ホース129の分岐水路129aを経由して、水槽105内へと吐出される。
以上のように、ピストンポンプユニット112のピストン112eは、上下動作を繰り返す。これにより、図24に示すように、洗剤タンク117の洗剤液や、柔軟剤タンク126の柔軟剤液がポンプユニット111内に吸引され、水槽105へ吐出される。
なお、上記吸入水路112h、吐出水路112gおよび分岐水路129aは、液剤などが自由落下するように、略鉛直方向(鉛直方向を含む)に配置される。
(タンク収容ケース114(タンク収容部))
タンク収容ケース114は、図3に示すように、上面が開口した収容部を有する容器を構成する。タンク収容ケース114の収容部の後方側には、着脱可能に取り付けられる、洗剤タンク117と柔軟剤タンク126を備える。タンク収容ケース114の収容部の前方側には、着脱可能に取り付けられる、洗剤ケース115を備える。
また、図21に示すように、タンク収容ケース114は、下方後壁に形成された挿入孔114dを有する。挿入孔114dには、ポンプユニット111の洗剤側筒部111bが挿入される。
図3および図5に示すように、タンク収容ケース114は、左右側壁に配設され、検出部を構成するリニアホール素子136を備える。リニアホール素子136は、例えばアナログ方式の素子などで構成される。なお、リニアホール素子136は、磁力センサの例示である。
また、タンク収容ケース114は、側壁下部に、下部注水口114g(注水口)が配設される。下部注水口114gは、後述する迂回水路184と連通する。
図5に示すように、タンク収容ケース114は、底部に形成される、排水口114cを有する。排水口114cは、連結ホース129の一端と接続される。連結ホース129の他端は、水槽105に揺動可能に接続される。連結ホース129は、連結ホース129の途中から鉛直方向に分岐する分岐水路129aが接続される。分岐水路129aは、上述したように、ポンプユニット111の吐出水路112gと連通する。
(洗剤タンク117、柔軟剤タンク126)
洗剤タンク117および柔軟剤タンク126は、図27に示すように、上部に上面開口部118を有する容器を構成する。なお、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126を区別せずに表現する場合、単に、「タンク」と表記する。
洗剤タンク117は、上部周縁に、パッキン117fが配設される。洗剤タンク117の上部には、パッキン117fを介して、上面開口部118を開閉可能に覆い、タンク蓋を構成する洗剤タンク蓋119が取り付けられる。洗剤タンク蓋119が洗剤タンク117の上部に取り付けられると、パッキン117fが押し潰され、洗剤タンク117が水密に固定される。これにより、例えば洗剤タンク117を横向きに倒した場合でも、内部の洗剤液が、洗剤タンク117から漏れることを防止する。なお、パッキンは、洗剤タンク117側でなく、洗剤タンク蓋119側に設ける構成でもよく、同様の効果が得られる。
図27に示すように、洗剤タンク蓋119は、前方に形成される開口部139を有する。また、洗剤タンク蓋119は、開口部139を開閉可能に覆い、液剤補給フタを構成する小窓119bを備える。なお、小窓119bは、例えばポリプロピレンなどの光透過性を有する部材により構成することが好ましい。
図21に示すように、洗剤タンク117は、後壁117a下方に、内方(前方)に延伸して形成される筒部123を備える。筒部123は、内周面に配設される逆止弁123bを備える。逆止弁123bは、例えばばね(図示せず)によって後方へ付勢される。付勢された自然状態において、逆止弁123bは、筒部123の内周壁を押圧する。そのため、逆止弁123bと筒部123の内周壁との間には、隙間が生じない。これにより、洗剤タンク117内の洗剤液の筒部123からの漏れ出しが防止される。
上記構成により、洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着すると、筒部123(第1の筒部に相当)に、液剤自動投入装置109の洗剤側筒部111b(第2の筒部に相当)が挿入される。このとき、洗剤側筒部111bの突出リブ111eが、逆止弁123bを前方に押す。これにより、逆止弁123bと筒部123内壁との間に、隙間が生じる。その結果、図21の矢印Iで示すように、洗剤タンク117内の洗剤液が、筒部123から三方弁ユニット113に吐出可能となる。
一方、洗剤タンク117をタンク収容ケース114から引き抜くと、逆止弁123bが、ばねによって後方に付勢される。これにより、逆止弁123bと筒部123内周との間の隙間がなくなる。そのため、洗剤タンク117からの洗剤液の漏れが防止される。
また、洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着すると、パッキン111cにより、筒部123と洗剤側筒部111bとが水密に保持される。これにより、洗剤タンク117の装着時において、洗剤タンク117の筒部123からタンク収容ケース114への洗剤液の漏れが防止される。その結果、三方弁ユニット113を介して、洗濯槽106への、所望の水量の洗剤液の吐出が可能となる。
さらに、図27に示すように、洗剤タンク117は、前方外壁面に形成される、掴み部117gを備える。掴み部117gは、洗剤タンク117の壁面と距離を置いて設けられる。これにより、使用者は、掴み部117gを掴むことが可能となる。そして、使用者が掴み部117gを掴んで、洗剤タンク117を手前へ引くことにより、タンク収容ケース114内から洗剤タンク117を引き抜くことができる。この場合、使用者は、例えば指を、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に上から挿入しても、下から挿入して、掴んでもよい。また、例えば親指を、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に上から挿入するとともに、残りの2本または3本の指を下からも挿入することにより、掴み部117gを握ってもよい。
なお、下から掴み部117gを掴んで、洗剤タンク117を引き抜く場合、洗剤ケース115の収容部の狭いスペース内に手首を入れる必要があるため、手首が窮屈になる。そこで、掴み部117gと洗剤タンク117の隙間に上から指を挿入する。これにより、手首の姿勢が窮屈にならず、容易に洗剤タンク117を引き抜くことができる。
また、図12に示すように、洗剤タンク117は、後方の外底面に形成される、上方に窪んだ凹部117kを有する。凹部117kは、周縁部に、後方に延伸して形成される受け部117hを備える。受け部117hは、後方に延伸する延伸部117iと、延伸部117iの後方端部に形成される突起部117jとから構成される。
また、図13から図15に示すように、タンク収容ケース114は、底面120に、2本のガイドリブ114hを備える。ガイドリブ114hは、洗剤タンク117が装着された状態で、洗剤タンク117の受け部117hを挟む位置に形成される。洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着する際、洗剤タンク117は、タンク収容ケース114の収容部に入れた状態で、後方に押し込まれる。このとき、図13から図16に示すように、ガイドリブ114hの間に、受け部117hの突起部117jが入り込む。これにより、受け部117hとガイドリブ114hとが嵌合し、洗剤タンク117がタンク収容ケース114に固定される。
なお、洗剤タンク117がタンク収容ケース114に完全に装着されていない場合、筒部123や洗剤側筒部111bから洗剤液が漏れ出す虞がある。これにより、所望量の洗剤液を水槽105に供給できず、洗濯性能に影響を与える虞がある。
そこで、本実施の形態の洗濯機は、洗剤タンク117の受け部117hをタンク収容ケース114の2本のガイドリブ114h内に嵌め込むように構成される。これにより、洗剤タンク117を、タンク収容ケース114に確実に装着できる。また、使用者が洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着する際、突起部117jがガイドリブ114hの間を通る。そのため、使用者は、力強く洗剤タンク117を後方に押し込む必要がある。このとき、突起部117jの先端がガイドリブ114hの間を通り過ぎると、洗剤タンク117を押し込む際の抵抗感が、弱まる。そのため、使用者は、洗剤タンク117をタンク収容ケース114に装着する際に、クリック感を感じる。これにより、使用者は、受け部117hがガイドリブ114hに確実に挿入されたことを認識できる。そのため、筒部123や洗剤側筒部111bからの洗剤液の漏れを、より確実に抑制できる。その結果、所望量の洗剤液を水槽105へ供給できる。また、ガイドリブ114hは、洗剤タンク117を挿入する際の位置決めとしても、機能する。
なお、本実施の形態では、受け部117hと、ガイドリブ114hにより、洗剤タンク117とタンク収容ケース114とを固定する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、洗剤タンク117を後方に押し込むことにより、スナップフィットによってタンク収容ケース114と取り付ける構成としてもよい。具体的には、タンク収容ケース114に、受け部117hと嵌合するリング状の止め部を形成し、スナップフィット可能に構成してもよい。
また、図18Aに示すように、洗剤タンク117は、内壁面に離間して形成され、底面から上方向に延伸する、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cを有する。なお、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cを区別せずに表現する場合、単に、「縦リブ」と表記する。
第2縦リブ138bは、第1縦リブ138aよりも後方に位置し、短い長さで形成される。第3縦リブ138cは、第2縦リブ138bよりも後方に位置し、短い長さで形成される。これにより、使用者は、洗剤タンク117内部の洗剤液の水面と、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部との長さを確認することで、洗剤タンク117内部の洗剤液の、おおよその残量を把握できる。つまり、3本の縦リブの内、何本の縦リブが見えるかにより、おおよその洗剤の残量を容易に把握できる。例えば、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cが全て洗剤液中に隠れて見えない状態であれば、洗剤タンク117内の洗剤液の残量が多いと判断できる。一方、第1縦リブ138a、第2縦リブ138bが見え、第3縦リブ138cだけが洗剤液中に隠れて見えない状態であれば、洗剤の残量が少なくなってきており、さらに、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cとも見える状態であれば不足気味であると判断できる。
また、図18Bに示すように、洗剤タンク117は、洗剤タンク蓋119の下面に配設されるフロート部130aを収容する。フロート部130aは、図19に示すように、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cに対して、左右方向において、隙間を隔てて配設される。フロート部130aは、第3縦リブ138cよりも、前方に回動しないように構成される。これにより、使用者が洗剤タンク蓋119の小窓119bを開けて、開口部139を覗いた際、フロート部130aにより第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cが見えなくなることを防止できる。
つまり、図20に示すように、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの長さは、洗濯機の手前にいる使用者が小窓119bから洗剤タンク117内を覗いた際の視線に合わせて設定される。具体的には、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの長さは、手前の方が長く、後方の方が短くなるように形成される。これにより、前方から開口部139を覗いた際、使用者は、小窓119bから第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部を、容易に視認できる。また、図20に示すように、身長の低い人の視線B(1点鎖線)からでも、身長の高い人の視線A(点線)からでも、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部を容易に視認して、洗剤液の残量を把握できる。
なお、柔軟剤タンク126は、洗剤タンク117と同様に構成されるので、説明は割愛する。柔軟剤タンク126の場合、それぞれの構成要素は、図12に示すように、掴み部126g、受け部126h、延伸部126i、突起部126j、凹部126k、柔軟剤筒部127(第2の筒部に相当)およびタンク収容ケース114のガイドリブ114i(図15参照)、図示しない筒部(第1の筒部に相当)が対応する。また、柔軟剤タンク126も、洗剤タンク117と同様に、タンク蓋を構成する柔軟剤タンク蓋(図示せず)と、柔軟剤タンク蓋に設けられ、液剤補給フタを構成する小窓(図示せず)を備える。
(フィルタ122)
フィルタ122は、図18Bおよび図27に示すように、洗剤タンク117内に、以下に示す状態を考慮して、斜めに傾斜した状態で、着脱可能に設けられる。フィルタ122は、例えばポリプロピレンなどの樹脂で構成される。フィルタ122は、表裏に貫通する、格子状に形成される貫通孔(図示せず)を有する。フィルタ122は、洗剤タンク117内の洗剤液をろ過する。これにより、洗剤液の固着物などが筒部123や洗剤側筒部111b内で詰まることを抑制できる。
つまり、一般に、洗剤液は粘性が高い。そのため、フィルタ122を、洗剤タンク117内部に水平に配置すると、洗剤液がフィルタ122の貫通孔を通過しないで、フィルタ122の表面に残留、固着する虞がある。フィルタ122の表面に洗剤液が残留、固着すると、洗剤タンク117から適切な量の洗剤液が吐出されない虞がある。また、洗剤液がフィルタ122の貫通孔を塞ぐと、洗剤タンク117内部のフィルタ122よりも下方の空間に空気だまりが生じる。そのため、ポンプユニット111の駆動モータ112fが空回りして、所望の量の洗剤液を吐出できない虞がある。
そこで、本実施の形態では、フィルタ122を洗剤タンク117内に斜めに設置する。
また、図22および図23Bに示すように、フィルタ122は、複数の縦リブ部122eと、複数の横リブ部122fとで、格子状に構成される。縦リブ部122eは、洗剤タンク117に取り付けられた状態において、水平面に対して傾斜した方向に、延伸して形成される。横リブ部122fは、縦リブ部122eと交差するように、縦リブ部122eの背面に配設される。上記構成により、フィルタ122の表面に付着した洗剤液は、縦リブ部122eの方向に沿って、洗剤タンク117の底面120(図18B参照)に向けて流れる。これにより、フィルタ122の表面に、洗剤液が残留、固着することを抑制できる。また、フィルタ122の貫通孔を通過した洗剤液は、横リブ部122fの側面に沿って斜め下方に流れ、横リブ部122fの先端部から流れ落ちる。これにより、フィルタ122に付着した洗剤液が、フィルタ122の貫通孔を塞ぐことを抑制できる。
図18A、図18Bおよび図23Aに示すように、フィルタ122は、洗剤タンク117内に取り付けられた状態で、下端122dが折れ曲がって形成される。また、フィルタ122は、背面に、係合爪122gを備える。係合爪122gは、延伸リブ122bと、凸部122cなどを含む。延伸リブ122bは、フィルタ122の背面方向に延伸するように形成される。凸部122cは、延伸リブ122bの先端部分に後方に向けて凸状に形成される。
一方、図18Aに示すように、洗剤タンク117は、底面120に形成される、引掛部121を備える。引掛部121は、フィルタ122の下端122dと係合される。また、洗剤タンク117は、後壁117aに形成される、洗剤タンク117の内側へ突出した突出部117bを備える。突出部117bは、フィルタ122の係合爪122gの凸部122cと係合される。上記構成により、フィルタ122は、洗剤タンク117内に、斜め方向に傾斜して係合され、固定される。
以下、フィルタ122と洗剤タンク117との着脱方法について、説明する。
まず、フィルタ122は、以下に示す方法により、洗剤タンク117内に取り付けられる。
具体的には、洗剤タンク117の引掛部121にフィルタ122の下端122dを係合させる。係合した状態で、下端122dを支点にしながら、フィルタ122を、図18Aに示すように、洗剤タンク117内で後方へ押し込む。これにより、フィルタ122の係合爪122gと、洗剤タンク117の突出部117bとが係合される。その結果、フィルタ122が洗剤タンク117内に、斜め方向に固定、保持される。
一方、フィルタ122は、以下に示す方法により、洗剤タンク117からフィルタ122を取り外すことができる。
具体的には、フィルタ122を、図18Aに示す後方へ押し込み、撓ませる。これにより、係合爪122gと突出部117bとの係合が外れる。その結果、フィルタ122を、洗剤タンク117から、容易に引き抜くことができる。
さらに、図22に示すように、フィルタ122は、下方に形成される下方延伸リブ122aを備える。一方、図21に示すように、洗剤タンク117は、底面の筒部123付近に形成される下方窪み部117cを備える。下方窪み部117cは、洗剤液の残量が少なくても、洗剤液を吐出できるように設けられる。下方延伸リブ122aは、下方窪み部117c内に装着され、下方窪み部117cへの液剤固着物などの異物の侵入を防ぐ。
(洗剤ケース115)
洗剤ケース115は、図4に示すように、タンク収容ケース114の洗剤タンク117および柔軟剤タンク126よりも前方側に、着脱可能に設けられる。
図7に示すように、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126と当接して配置される。そのため、洗剤ケース115を、タンク収容ケース114に取り付けると、洗剤ケース115は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126を後方へ押し込む。洗剤タンク117が、後方へ押し込まれると、洗剤側筒部111bが、ポンプユニット111の外枠111aに設けられた筒部123内に、挿入される。これにより、洗剤タンク117からの洗剤液などの漏れを、確実に防止できる。
柔軟剤タンク126も、同様に、洗剤ケース115により後方へ押し込まれることにより、タンク収容ケース114内へ確実に装着される。これにより、柔軟剤タンク126からの柔軟剤液の漏れを、確実に防止できる。
また、洗剤ケース115は、図4に示すように、上面が開口した容器を構成し、隔壁115aを備える。隔壁115aは、洗剤ケース115の収容部を、洗剤収容部115bと柔軟剤収容部115cとに区画する。これにより、使用者は、洗剤収容部115bに粉末洗剤を、柔軟剤収容部115cに柔軟剤を、手動で投入することができる。
洗剤ケース115は、底面に形成される排出口(図示せず)を備える。排出口から流れる液剤は、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して、水槽105へ供給される。
なお、洗剤収容部115bに投入された粉末洗剤を洗い流す場合、コントローラは、図24に示す第1給水弁110aを開ける。これにより、蛇口から給水された水道水が、図24の矢印A1に示すように、第1水路181および注水路を流れる。そして、水道水は、第1上部注水口116bから、洗剤ケース115の洗剤収容部115bへ注水される。
一方、柔軟剤収容部115cは、従来の周知のサイフォン機構を、さらに備える。柔軟剤収容部115cに投入した柔軟剤液を流す場合、コントローラは、図24に示す第2給水弁110bを開ける。これにより、水道水は、図24の矢印A3に示すように、第3水路183を流れる。そして、水道水は、第2上部注水口116cから、洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cへ注水される。注水により、柔軟剤収容部115c内の水位が上昇する。これにより、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤収容部115cに投入された柔軟剤液は、柔軟剤収容部115c内に残ることなく、完全に水槽105内へ流される。
(注水ケース116の構成、および、水路の構成)
図3および図4に示すように、タンク収容ケース114は、上部に配設される、水道水が流れる注水ケース116を備える。注水ケース116は爪部116aを備え、爪部116aはタンク収容ケース114の係合部114mと係合する。これにより、注水ケース116とタンク収容ケース114とが固定される。
図24に示すように、注水ケース116は、第1給水弁110aと連通する注水路と、第2給水弁110bと連通する注水路とに、連通する。また、注水ケース116は、前方に形成される、第1上部注水口116bおよび第2上部注水口116cを有する。第1上部注水口116bおよび第2上部注水口116cは、注水路と連通する。さらに、注水ケース116は、後方に形成される第3上部注水口116d(第2の注水口に相当)を備える。
また、図24に示すように、第1水路181は、第1給水弁110aから流入した水が注水ケース116の注水路を流れ、第1上部注水口116bから洗剤ケース115の洗剤収容部115b内に注水される水路を構成する。つまり、コントローラにより、第1給水弁110aが開放されると、水道水が、第1水路181を流れ、第1上部注水口116bから洗剤収容部115bに注水される。さらに、第1水路181は、注水ケース116よりも上流側で、第2水路182と分岐される。
第2水路182は、三方弁ユニット113、ポンプユニット111を経由して、連結ホース129の分岐水路129aに流入する水路を構成する。第2水路182は、三方弁ユニット113よりも上流側で、迂回水路184が鉛直の下方に向かうように、分岐される。迂回水路184は、タンク収容ケース114の下部注水口114g(注水口)と連通する。
なお、一般的に、異物の詰まりや、経時変化により、洗剤側三方弁113aの開閉部が閉じ切らない場合が発生する。この場合、洗剤タンク117の洗剤液が、第2水路182内を逆流する虞がある。しかし、本実施の形態の水路構成の場合、第2水路182内を逆流した液剤は、迂回水路184へと流れる。そのため、液剤の給水栓までの逆流を、確実に防止できる。
また、図24に示すように、第3水路183は、第2給水弁110bから流入した水道水が注水ケース116の注水路を流れ、第2上部注水口116cから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115c内に注水される水路を構成する。
つまり、コントローラにより、第2給水弁110bが開放されると、水道水が、第3水路183を流れる。そして、水道水は、第2上部注水口116cから、洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cに注水される。
図24に示すように、第3水路183は、第3分岐点183aで分岐水路185に分岐される。分岐水路185は、第3上部注水口116dと連通する。これにより、第3水路183を流れる水道水の一部が、分岐水路185を流れる。そして、水道水は、図8の矢印Dで示す方向に、第3上部注水口116dから傾斜面114jに向けて注水される。注水された水は、傾斜面114j上を筒部123と洗剤側筒部111bに向けて流れる。
以上のように、各水路は構成される。
(逆流防止装置170)
図26は、同実施の形態における洗濯機100の液剤自動投入装置109の逆流防止装置170の断面図である。
逆流防止装置170は、図24に示すように、第1水路181の第1分岐点181aよりも上流側に設けられる。逆流防止装置170は、停電や断水などにより、洗剤タンク117内の洗剤液や柔軟剤タンク126内の柔軟剤液が第2水路182を逆流した場合、液剤の給水栓までの逆流を防止する。逆流防止装置170は、例えば外枠111a、アスピレータ172、上蓋177などから構成される。
上蓋177は、図9に示すように、外枠111aの上部を覆うように配設される。このとき、図26に示すように、外枠111aの上部と上蓋177とにより囲まれた空間で、通水路171が形成される。通水路171は、給水路110cから第1給水弁110aを通過した水を、後方から前方に向けて流す。
アスピレータ172は、図9および図26に示すように、通水路171内に配設される。アスピレータ172は、上蓋177の下面と溶着、固定される。アスピレータ172は、断面が略四角形(四角形を含む)で形成され、前方と後方に向けて内径が広がるように構成される。
通水路171には、入水路173と、負圧発生部174と、出水路175などが、形成される。入水路173は、アスピレータ172よりも上流側に形成される。負圧発生部174は、アスピレータ172内に形成され、内径が狭まった水路で構成される。出水路175は、アスピレータ172よりも下流側で、負圧発生部174よりも内径が広がって形成される。具体的には、入水路173の高さ寸法L1は例えば12.12mm、負圧発生部174の高さ寸法L2は例えば1.9mm、出水路175の高さ寸法L5は例えば15mmで形成される。負圧発生部174は、入水路173および出水路175に比べ、内径が、さらに狭小に形成される。上記構成により、通水路171を流れる水の流速は、ベンチュリー効果によって、水路径が狭い負圧発生部174で速くなる。
アスピレータ172は、負圧発生部174に形成される吸気孔174aを備える。吸気孔174aの直径L3は、例えば2.5mmである。上蓋177には、吸気孔174aを囲うように形成される、内部に空洞177dを有する突出部177aを備える。
突出部177aは、図25に示すように、内部が貫通して形成され、接続部177bと接続される。接続部177bは、端部に開口177cを備える。開口177cは、図3から図5に示す大気導入ホース176の一端と接続される。大気導入ホース176の他端は、接続口176aを介して、タンク収容ケース114の上部と連通して接続される。これにより、タンク収容ケース114内は、大気開放される。上記構成により、負圧発生部174は、アスピレータ172の吸気孔174aを介して、タンク収容ケース114と連通する。そのため、負圧発生部174内も、大気開放される。
また、図26に示すように、アスピレータ172は、吸気孔174aより下流側の水路の内周上部172bの高さが、吸気孔174aより上流側の水路の内周上部172aの高さよりも、高くなるように構成される。これにより、吸気孔174aの下流側の水路と、吸気孔174aの上流側の水路との間に、段差mが形成される。本実施の形態では、段差mの高さ寸法は、例えば0.9mmである。
さらに、負圧発生部174の吸気孔174aは、上方側の周縁が、面取り174bされる。面取り174bは、突出部177a側から負圧発生部174側に向けて径が小さくなるように形成される。
[1−1−3.風呂水ポンプの構成]
風呂水ポンプ140は、図3に示すように、タンク収容ケース114よりも後方に配設される。風呂水ポンプ140は、浴槽内の風呂水を、風呂水ホース(図示せず)を介して吸い上げ、水槽105へ供給する。
図24に示すように、第1水路181は、注水ケース116内の第2分岐点181bで分岐され、注水ケース116の後壁の注水ケース孔(図示せず)で補助ホース141(補助水路)の一端と連通される。一方、補助ホース141の他端は、風呂水ポンプ140の吸入口(図示せず)と連通される。
図3に示すように、風呂水ポンプ140の吐出口(図示せず)は、吐出ホース142(吐出水路)の一端と連通する。吐出ホース142の他端は、タンク収容ケース114の後壁に形成され、第1の注水口を構成する孔114kと連通する。
これにより、洗いステップ時において、第1水路181を流れる水は、第2分岐点181bから補助ホース141を流れ、風呂水ポンプ140の補助水となる。風呂水ポンプ140内が補助水で満たされると、風呂水ポンプ140を介して、風呂水が吸水される。風呂水は、吐出ホース142を介して、図3の矢印Aで示すように、孔114kからタンク収容ケース114に流入する。流入した風呂水は、タンク収容ケース114後方の傾斜面114jを、図3の矢印Bや図8の矢印Eに示す方向に流れる。
つまり、風呂水ポンプ140を、注水ケース孔と孔114kの対向する位置に配設することにより、補助ホース141や吐出ホース142の長さを短くできる。これにより、補助ホース141や吐出ホース142の破れなどによる水漏れの虞を低減できるとともに、コストダウンが図れる。
[1−1−4.残量検知部の構成]
以下、本実施の形態の洗濯機100の残量検知部の構成について、図28から図30を用いて、説明する。
図28は、同実施の形態の洗濯機100の洗剤タンク蓋119とフロート部130aを下方から見た分解斜視図である。図29は、同洗濯機100の洗剤タンク117を上方から見た斜視図である。図30は、リニアホール素子136が受ける磁束密度とリニアホール素子136の出力電圧との関係を示す図である。
液剤自動投入装置109は、第1残量検知部130と、第2残量検知部(図示せず)などを備える。第1残量検知部130は、洗剤タンク117内の洗剤量を検知する。第2残量検知部は、柔軟剤タンク126内の柔軟剤量を検知する。なお、第1残量検知部130および第2残量検知部を区別せずに表現する場合、単に「残量検知部」と表記する。
第1残量検知部130は、以下で説明する、フロート部130aと、リニアホール素子136などから構成される。第2残量検知部も、第1残量検知部130と同様に構成されるので、説明は割愛する。
(フロート部130a)
図28に示すように、洗剤タンク蓋119は、下面の離間した位置に平行に形成される第1軸受け部119cと第2軸受け部119eを備える。第1軸受け部119cは第1孔119dが形成され、第2軸受け部119eは第2孔119fが形成される。
フロート部130aは、リンク133、リンク133の上端に設けられた回動軸131、リンク133の下端に設けられたマグネットボックス135などを含む。回動軸131は、第1回動軸131a、第2回動軸131bなどを含む。第1回動軸131aは、第1孔119d内に回動可能に挿入される。第2回動軸131bは、第2孔119f内に回動可能に挿入される。これにより、フロート部130aの回動軸131は、洗剤タンク蓋119の下面に、回動可能に配設される。
このとき、第2孔119fは、第1孔119dよりも孔の直径が大きくなるように形成される。第1回動軸131aの径は、第1孔119dの径に合うように形成される。同様に、第2回動軸131bの径は、第2孔119fの径に合うように形成される。これにより、第1回動軸131aの第2孔119f内への誤挿入、あるいは第2回動軸131bの第1孔119d内への誤挿入を防止できる。
また、第1軸受け部119cの形成される高さ位置は、上下方向において、第2軸受け部119eの高さ位置よりも高くなるように形成される。
さらに、フロート部130aのリンク133には、第2回動軸131b近傍に形成されるストッパーリブ132を備える。ストッパーリブ132は、第1回動軸131aを第2孔119fに誤挿入、あるいは第2回動軸131bを第1孔119d内に誤挿入した場合、ストッパーリブ132が第1軸受け部119cに当接する。そのため、フロート部130aは、回動不能な状態になる。これにより、使用者は、フロート部130aの誤装着を、容易に把握できる。
図27に示すように、マグネットボックス135は、内部が中空で、カバー135aとともに、密閉された中空の容器を構成する。マグネットボックス135は、内部に、第1マグネット134aと第2マグネット134bが配設される。なお、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bを区別せずに表現する場合、単に「被検出部」または「マグネット」と表記する。また、マグネットは、「磁力発生部」または「磁性体」の例示である。
第1マグネット134aおよび第2マグネット134bは、マグネットボックス135とカバー135aにより、密封状態で内包される。これにより、マグネット134内部への洗剤液の浸入が防止される。さらに、マグネットボックス135は、内部に形成される、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bを保持する保持リブ135c(図27参照)を備える。
なお、マグネットボックス135は、内部が中空な構造であるため、洗剤液中において、マグネットボックス135自体が浮力を受ける。そのため、フロート部130aは、通常、洗剤タンク117内の洗剤液の液面上に浮遊する。これにより、フロート部130aの回動軸131は、洗剤液の水位変化に応じて、上下方向に回動する。
また、図28に示すように、マグネットボックス135は、下方に、例えばU字状で形成される受け部135bを備える。一方、洗剤タンク117は、内底面に形成されるマグネットストッパー137を備える。マグネットストッパー137は、受け部135bとの当接箇所137aが、U字状の受け部135bに合うように、U字状の丸みを有するように形成される。マグネットストッパー137は、洗剤タンク117内の洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量で、受け部135bと当接する。
つまり、洗剤タンク117内の洗剤液の水位が下がると、フロート部130aが下方へ回動し、受け部135bとマグネットストッパー137とが当接する。これにより、フロート部130aのマグネットストッパー137よりも下方への回動が防止される。つまり、洗剤タンク117内の洗剤液が不足していると判断される所定の洗剤水量から液面がさらに低下した場合でも、マグネットボックス135は、それ以上、下方に回動しない。そのため、リニアホール素子136の出力電圧は変化せず、後述する、設定される出力電圧値である(1/2)Vdd近傍の電圧を出力する。
また、U字状の受け部135bと、類似形状のマグネットストッパー137とは、面で当接する。マグネットストッパー137との当接により、受け部135bの前後左右のがたつきが抑制され、フロート部130aが安定して支持される。また、フロート部130aの位置が左右方向にずれていた場合でも、U字状の受け部135bがマグネットストッパー137に対するガイドとなる。そのため、マグネットボックス135を所望の位置まで、より確実に誘導できる。
(リニアホール素子136)
図5に示すように、リニアホール素子136は、検出部を構成し、タンク収容ケース114の左右側壁の外面の下部側に、それぞれ設けられる。リニアホール素子136は、検知した磁束密度に応じた電圧を出力する。なお、リニアホール素子136は、磁力センサの例示である。
一般に、リニアホール素子136は、図30に示す特性を有する。図30の横軸はリニアホール素子136が検出した磁束密度、縦軸はリニアホール素子136の出力電圧値である。
そして、リニアホール素子136は、検知する磁束密度が0(ゼロ)Wb/m2に近い場合、最大電圧値Vdd(V)の半分に相当する(1/2)Vdd(V)の電圧を出力する。なお、磁力が0(ゼロ)Wb/m2に近い場合とは、磁性体の磁力がリニアホール素子136で検知できない程度、磁性体とリニアホール素子136とが離れている状態を意味する。
上記状態から、リニアホール素子136に、磁性がN極である磁性体が近づくと、リニアホール素子136は、N極の磁力を強く検出する。そのため、リニアホール素子136の出力電圧は、(1/2)Vddよりも大きくなる。つまり、検出するN極の磁力が強くなるにしたがって、出力電圧は、図30の矢印O方向に向かって増加する。
一方、リニアホール素子136に、磁性がS極である磁性体が近づくと、リニアホール素子136は、S極の磁力を強く検出する。そのため、リニアホール素子136の出力電圧は、(1/2)Vddより小さくなる。つまり、検出するS極の磁力が強くなるにしたがって、出力電圧は、図30の矢印N方向に向かって減少する。
上述したように、リニアホール素子136は、タンク収容ケース114の側壁外面の下部側に設けられる。そのため、洗剤タンク117内の洗剤液の水位が低下すると、リニアホール素子136とマグネットボックス135との距離が近づく。これにより、リニアホール素子136の出力電圧が変化するので、洗剤タンク117内の洗剤液の水位の変化を検出できる。
なお、リニアホール素子136を洗剤タンク117の外底面側に配設した場合、洗剤が洗剤タンク117の内底面に溜まるため、リニアホール素子136で洗剤タンク117内の洗剤液の減少を検知できない。そこで、本実施の形態では、リニアホール素子136をタンク収容ケース114の側壁の外側に設ける。これにより、洗剤は側壁の内面に沿って流れ落ちるため、上記の誤検知を防止できる。
[1―2.動作、作用]
上記のように構成される洗濯機100の動作および作用について、以下に説明する。
[1―2−1.洗濯運転動作]
まず、本実施の形態における洗濯機100の洗濯運転の動作について、説明する。
通常、洗濯機100の洗濯運転には、洗いステップ、濯ぎステップ、脱水ステップ、および乾燥ステップなどがある。洗いステップは、衣類を洗濯水に浸し、ドラム106を回転することで汚れを落とす。濯ぎステップは、洗剤液で浸った衣類を水で濯いで、洗剤液を除く。脱水ステップは、水を含んだ衣類を脱水する。乾燥ステップは、温風をドラム106へ供給し、ドラム106内の衣類を乾燥させる。
まず、使用者は、洗濯機100の洗濯運転の動作を開始する前に、予め、洗剤液を洗剤タンク117へ投入し、柔軟剤液を柔軟剤タンク126へ投入する。
具体的には、洗剤タンク117に洗剤液を補充する場合、使用者は、蓋体114aを開け、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を取り外す。そして、使用者は、洗剤タンク蓋119を開け、洗剤タンク117内に洗剤液を投入し、タンク収容ケース114に戻す。なお、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を取り外さずに、洗剤タンク117内に洗剤液を、直接投入してもよい。
同様に、柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を補充する場合、使用者は、蓋体114aを開け、タンク収容ケース114から柔軟剤タンク126を取り外す。そして、使用者は、柔軟剤タンク蓋128を開け、柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を投入し、タンク収容ケース114に戻す。なお、タンク収容ケース114から柔軟剤タンク126を取り外さずに、柔軟剤タンク126内に柔軟剤液を、直接投入してもよい。
ここで、本実施の形態における洗濯機100の、蓋体114a、洗剤タンク蓋119、および柔軟剤タンク蓋128は、例えばヒンジ機構により、上下に回動しながら開閉するように構成される。そのため、洗剤タンク蓋119および柔軟剤タンク蓋128が開いた状態で閉じる場合、蓋体114aを閉じることにより、洗剤タンク蓋119と柔軟剤タンク蓋128も、同様に、閉じることができる。
つぎに、洗濯運転を開始する際、使用者は、蓋体102を開け、衣類投入取出口103からドラム106内に衣類を投入する。
つぎに、使用者は、操作表示部104を操作して電源スイッチをONにするとともに、洗いやすすぎ、脱水など、各種洗濯コースや洗濯条件を設定する。このとき、設定できる洗濯コースは、例えば、『洗いのみ』、『すすぎのみ』、『脱水のみ』などである。
以下、『洗濯コース』における運転動作について、説明する。
『洗濯コース』において、コントローラは、布量判定ステップ、給水ステップ、洗いステップ、すすぎステップ、脱水ステップを、逐次、実行するように制御する。
まず、布量判定ステップにおいて、コントローラは、槽回転モータを一定の回転数で、正転方向、反転方向に繰り返し回転させた時のトルク電流値を、布量判定部で測定する。布量判定部は、測定したトルク電流値から、ドラム106内の布量を検出する。
つぎに、コントローラは、ポンプユニット111を駆動して、液剤投入量算出部により算出された量の洗剤液を、洗剤タンク117からドラム106内へ、自動で、投入する。
つぎに、コントローラは、第1給水弁110aを開け、検出した布量に応じた水量の水道水を、ドラム106内に給水する、給水ステップを実行する。
給水ステップ終了後、コントローラは、槽回転モータを駆動して、ドラム106を、正逆回転させる。これにより、ドラム106内の洗濯物を攪拌させる洗いステップが実行される。
洗いステップ終了後、コントローラは、脱水ステップを実行し、その後、すすぎステップを実行する。
なお、すすぎステップにおいて、コントローラは、第1給水弁110aを開け、所定量の水道水を水槽105内へ供給する。その後、コントローラは、ポンプユニット111を駆動して、液剤投入量算出部により算出された量の柔軟剤液を、柔軟剤タンク126から水槽105内へ、自動で、供給する。
つぎに、洗剤液や柔軟剤液を供給後、コントローラは、さらに水道水を水路に給水し、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126や水路内に残留する洗剤や柔軟剤液を洗い流す。これにより、洗剤タンク117および柔軟剤タンク126や水路内の洗剤液や柔軟剤液の固着などが、防止される。
そして、すすぎステップが終了すると、コントローラは、脱水ステップを実行する。これにより、一連の洗濯コースの動作が完了する。
[1−2−2.給水方法、および液剤自動投入装置を用いた液剤の供給方法]
以下、水槽105への、給水方法および液剤の供給方法について、具体的に、説明する。
まず、洗いステップでは、水槽105に水道水を給水する。
図24に示すように、水道水を給水する際、コントローラは、第1給水弁110aを開けるとともに、第2給水弁110bを閉じる。また、コントローラは、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを非通電状態にする。これにより、水道配管などの蛇口から給水される水道水が、図24に示す第1水路181を流れ、タンク収容ケース114、連結ホース129などを介して、水槽105に給水される。
給水完了後、コントローラは、洗剤タンク117内の洗剤液を水槽105に供給する。この場合、図10Bに示すように、コントローラは、洗剤側コイル113d、駆動モータ112fを通電状態とし、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする。これにより、洗剤タンク117とポンプユニット111の吸入水路112hとが、連通する。このとき、洗剤タンク117の筒部123内の逆止弁123bは、後方へ移動する。そのため、洗剤タンク117内の洗剤液は、筒部123から、洗剤側筒部111b、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113bを経由して、ポンプユニット111の吸入水路112hに流入する。
つぎに、図11に示すように、コントローラは、ピストンポンプユニット112の駆動モータ112fを駆動して、ピストン112eをシリンダ112d内で上下方向に往復動作させる。これにより、シリンダ112d内は、負圧と正圧の状態が繰り返される。
このとき、ピストン112eが上方へ移動すると、シリンダ112d内が負圧になる。これにより、吸入側逆止弁164が上方へ移動し、洗剤液が、吸入側逆止弁164と吸入水路112hとの隙間からシリンダ112d内の収容部112c内に流入する。そして、ピストン112eが下方へ移動すると、シリンダ112d内が正圧になる。これにより、吐出側逆止弁165が下方へ移動する。そのため、シリンダ内の収容部112c内の洗剤液は、図7の矢印Cで示すように、吐出側逆止弁165と吐出水路112gの内壁面112jとの隙間から分岐水路129aへ向けて、真下方向に吐出される。吐出された洗剤液は、鉛直方向に配設された、連結ホース129の分岐水路129aを流れて、水槽105へと供給される。
上述のように、ピストン112eが、所定時間、上下運動を繰り返すことにより、所定量の洗剤液が水槽105へ供給される。このとき、第2水路182は、水槽105と連通している。通常、蓋体102が開いた状態では、水槽105内は、大気開放される。そのため、ピストンポンプユニット112から水槽105までの液剤が通流する水路内で、液剤が乾燥し、固着、堆積する虞がある。
そこで、本実施の形態の洗濯機100は、ピストンポンプユニット112の吐出水路112gを、連結ホース129の分岐水路129aに接続している。そのため、洗剤液は、タンク収容ケース114の注水ケース116の注水路を経由せず、水槽105に向けて真下方向に、自由落下しながら吐出される(図7の矢印C参照)。これにより、吐出水路112gの距離を短くするとともに、水路も複雑とならない。そのため、水路内における洗剤液の固着などの発生を、効果的に抑制できる。
つぎに、洗剤液の投入完了後、図10Aに示すように、コントローラは、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とする。同時に、コントローラは、第1給水弁110aを、所定時間(例えば10秒間)、開放する。これにより、第1水路181から第2水路182へと流れた水は、三方弁ユニット113やポンプユニット111に流れ込む。その結果、流れ込んだ水により、三方弁ユニット113やポンプユニット111、連結ホース129内に残留する洗剤液を洗い流すことができる。
なお、一般的に、給水開始時においては、通流する水道水の勢いが弱い。そのため、ピストンポンプユニット112の吸入側逆止弁164および吐出側逆止弁165が、十分に移動せず、給水される水の流れが遮られる虞がある。そこで、本実施の形態においては、第1給水弁110aを開け始めてから、所定時間(例えば20秒間)、駆動モータ112fを駆動する構成としてもよい。上記構成により、ピストンポンプユニット112のピストン112eが上下に往復動作し、シリンダ内の収容部112c内が正圧と負圧とを繰り返される状態となる。これにより、吸入側逆止弁164および吐出側逆止弁165が十分に移動し、水道水を勢いよくポンプユニット111内に流入させることができる。その結果、三方弁ユニット113、ポンプユニット111、連結ホース129などに残留する洗剤液を、より確実に洗い流すことができる。
また、本実施の形態の洗濯機100は、図5に示すように、ポンプユニット111の吐出水路112gを、タンク収容ケース114を経由することなく、連結ホース129を介して、水槽105と連通させる。そのため、ポンプユニット111から水槽105までの水路に、液剤が残留、固着することを防止できる。
一方、図10Cに示すように、柔軟剤タンク126から柔軟剤液を供給する場合、コントローラは、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112fを通電状態とするとともに、洗剤側コイル113dを非通電状態にする。なお、柔軟剤液の供給方法は、洗剤液の供給方法と同様であるため、説明は割愛する。
上記構成において、洗剤側三方弁113aの開閉部に異物を噛み込んだ場合、洗剤側三方弁113aの開閉部に隙間が生じる虞がある。このとき、第1給水弁110aが開放した状態において、例えば停電や断水などが起こると、洗剤タンク117内の洗剤液が、洗剤側三方弁113aの開閉部の隙間から流れ、第2水路182内を給水栓に向けて逆流する虞がある。
そこで、図24に示すように、本実施の形態の洗濯機100の第2水路182は、下方に向けて分岐する迂回水路184を設けている。さらに、迂回水路184の出水口である下部注水口114gを、洗剤タンク117よりも下方に配置している。そのため、上述の洗剤タンク117から洗剤側三方弁113aを介して、逆流した洗剤液は、図24の矢印A4で示す迂回水路184へ流れる。そして、洗剤液は、タンク収容ケース114、連結ホース129を経由して、水槽105へと流れる。これにより、洗剤液の給水栓までの逆流が防止される。その結果、洗剤液による給水栓の故障を、未然に抑制できる。
この場合、迂回水路184を流れる水道水は、タンク収容ケース114に流入する。そのため、給水時において、タンク収容ケース114に固着した洗剤液を洗い流すことに利用することもできる。
なお、柔軟剤タンク126内の柔軟剤が逆流した場合も、洗剤液の場合と同様に防止されるので、説明は割愛する。
[1−2−3.手動投入した洗剤、柔軟剤の水槽への供給方法]
以下、使用者が、洗剤の手動投入を設定した場合の粉末洗剤や柔軟剤の水槽105への供給方法について、説明する。
まず、図24に示すように、コントローラは、使用者が手動で洗剤ケース115に投入した粉末洗剤を水槽105に供給する際、第1給水弁110aを開けるとともに、第2給水弁110bを閉じる。このとき、図24の矢印A1で示すように、蛇口から給水される水道水は、第1水路181を流れ、第1上部注水口116bから洗剤ケース115の洗剤収容部115bに向けて注水される。これにより、洗剤収容部115b内の粉末洗剤は、注水された水道水とともに、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内に供給される。
また、蛇口から第1水路181に給水された水道水は、図24の矢印A2に示すように、第1分岐点181aで第2水路182に供給される。第2水路182を流れる水道水は、図24の矢印A4に示すように、迂回水路184内を流れ、下部注水口114gからタンク収容ケース114の内底面に向けて給水される。これにより、タンク収容ケース114には、上側から注水される水と、下側から注水される水が、供給される。その結果、洗剤収容部115b内に投入された粉末洗剤は、タンク収容ケース114内に残留することなく、連結ホース129へ洗い流される。
一方、使用者が手動で洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cに投入した柔軟剤を水槽105へ供給する場合、コントローラは、第1給水弁110aを閉制御し、同時に、第2給水弁110bを開制御する。これにより、蛇口から給水される水道水は、図24の矢印A3のように、第3水路183を流れ、第2上部注水口116cから洗剤ケース115の柔軟剤収容部115cへ向けて注水される。これにより、柔軟剤収容部115c内の水位が上昇する。そして、サイフォン機構によるサイフォン効果によって、柔軟剤液は、柔軟剤収容部115cに残留することなく、タンク収容ケース114へ流出する。タンク収容ケース114に流出した柔軟剤液は、排水口114cから連結ホース129を流れ、水槽105内へと供給される。
[1−2−4.逆流防止装置170の作用]
以下、逆流防止装置170の作用について、図26を参照しながら、説明する。
図26に示す逆流防止装置170の負圧発生部174は、上述したように、入水路173や出水路175よりも水路の内径が狭くなるように形成している。これにより、負圧発生部174を通過する水道水の流速が、速くなる。そのため、いわゆるベンチュリー効果によって、入水路173や出水路175に比べて、負圧発生部174内が、負圧状態となる。
ここで、大気圧をP0(N/m2)、入水路173内を水道水が流れる際の水圧をP+P0(N/m2)とする。この場合、負圧発生部174内の水道水の流れにより動圧がP(N/m2)以上となると、負圧発生部174内の静圧は大気圧P0(N/m2)以下となる。本実施の形態では、タンク収容ケース114は大気開放されている。そのため、吸気孔174aよりも大気導入ホース176側(図4参照)の圧力は、P0(N/m2)である。
通常、流体は、圧力の高い方から圧力の低い方へ流れる。そこで、本実施の形態では、負圧発生部174内の静圧が大気圧P0(N/m2)以下となるようアスピレータ172の水路径を設計している。これにより、通水路171を流れる水道水は、吸気孔174aから上蓋177の突出部177aへ流出することなく、出水路175へと流れる。一方、大気開放された吸気孔174aから負圧発生部174内へ空気が導入される。そのため、アスピレータ172から出水路175に流れ出る水道水は、気液混合状態となる。
また、停電や断水などにより給水路が負圧状態となった場合、洗剤タンク117内の洗剤液や柔軟剤タンク126内の柔軟剤液が、給水栓側へ逆流する虞がある。この場合、本実施の形態では、大気開放された大気導入ホース176を介して、吸気孔174aから負圧発生部174内へ空気が導入される。これにより、入水路173と出水路175との間の水道水の連通が遮断される。そのため、通水路171内の水道水は、吸気孔174aから入水路173側と、吸気孔174aから出水路175側とに分離される。その結果、出水路175よりも下流にある洗剤タンク117の洗剤液、柔軟剤タンク126内の柔軟剤液などの水道栓(給水栓)までの逆流を防止できる。
また、本実施の形態では、負圧発生部174に、吸気孔174aよりも下流側の水路の方が、吸気孔174aの上流側の水路より、水路の内径が広がるように、段差mを設けている。これにより、通水路171を流れる水道水は、吸気孔174aより上流側の水路(内周上部172a)から、吸気孔174aより下流側の水路(内周上部172b)に放出され、同時に吸気孔174aから空気を吸い込む。その結果、負圧発生部174の吸気孔174aから突出部177aの空洞177d内への、水道水の流出を抑制できる。
また、本実施の形態では、吸気孔174aは、周縁に、負圧発生部174に向けて径が狭くなるように形成される面取り174bを備える。これにより、通水時において、吸気孔174aから大気導入ホース176へ水しぶきが飛んだ場合でも、水滴は面取り174b上を負圧発生部174に向けて流れ落ちる。そのため、水滴により、吸気孔174aが塞がれることを抑制できる。
また、本実施の形態では、アスピレータ172を、1つの部品で構成している。これにより、簡素な構造で逆流防止装置170を構成できる。そのため、逆流防止装置170の組立ばらつきによる性能低下を防止できる。また、複数の構成部品で形成される逆流防止装置170と比べて、構成部品間の経時変化が無い。そのため、逆流防止装置170を使用し続けても、故障が発生するリスクを、大幅に低減できる。
[1−2−5.洗剤タンクと液剤自動投入装置の連結部のお手入れ]
洗剤収容部115bに粉末洗剤、柔軟剤収容部115cに柔軟剤を手動で投入して、手動洗濯モードで洗濯を実行する場合、洗剤や柔軟剤がタンク収容ケース114の排水口114cから水槽105に供給される。このとき、洗濯終了後も、洗剤や柔軟剤が、タンク収容ケース114に残留する可能性がある。残留する洗剤や柔軟剤は、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部である筒部123や洗剤側筒部111bに付着し、固着する虞がある。そのため、付着した固着物が、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を引き抜く際に剥離し、液剤自動投入装置109の洗剤供給水路内へ入り、流路を狭くする虞がある。これにより、水路内で圧損を生じる虞がある。また、液剤などの固着物が筒部123と洗剤側筒部111bとのパッキン111cに付着し、連結部の水密性が損なわれる虞がある。
以上などの理由により、洗剤タンク117から、必要量の洗剤液を吐出できず、洗い性能やすすぎ性能が低下するという虞がある。
そのため、通常、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との定期的な、お手入れが必要となる。
しかし、本実施の形態では、図3に示すように、タンク収容ケース114の上部に、注水ケース116を設けている。そのため、タンク収容ケース114後壁付近に配置される筒部123や洗剤側筒部111bのお手入れがし難く、使用者にとって、大きな負担となる。
そこで、本実施の形態の洗濯機100は、図3および図24に示すように、洗いステップの給水時において、第1水路181を流れる水を、第2分岐点181bで補助ホース141に流入させる。流入した水は、風呂水ポンプ140、吐出ホース142を流れ、図3の矢印Aのように、タンク収容ケース114後方の孔114kからタンク収容ケース114内へ注水される。注水された水は、図3の矢印Bや図8の矢印Eのように、タンク収容ケース114後方側面の傾斜面114jに沿って流れる。傾斜面114jを流れた水は、タンク収容ケース114と液剤自動投入装置109の連結部である筒部123や洗剤側筒部111bへ向かって流れる。
上記構成により、孔114kから注水される水は、給水の度に、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部の汚れを洗い流す。そのため、連結部の汚れを除去するなどの、使用者の定期的なお手入れが不要となる。
また、注水される水は、パッキン111cに付着した汚れも洗い流す。そのため、筒部123と洗剤側筒部111bとの連結部の水密性が保たれる。これにより、洗剤タンク117からの洗剤液の漏れを防止できるとともに、必要量の洗剤液を水槽105へ吐出できる。さらに、残留物が洗剤側筒部111bに入り込むことを防止できる。その結果、水路内での圧力の損失を防ぐとともに、必要量の洗剤液を、安定して水槽105へ吐出できる。
また、孔114kから注水された水は、排水口114cから連結ホース129を通って水槽105へ供給される。そのため、洗いステップで用いる水を利用して、筒部123や洗剤側筒部111bの周辺を、お手入れできる。これにより、タンク収容ケース114の汚れを洗い流すための専用の給水弁や水路を構成するホース類も不要となるため、コストを抑制できる。
さらに、図24に示すように、すすぎステップの給水時において、第3水路183を流れる水は、第3分岐点183aで、分岐水路185に流入する。流入した水は、図8の矢印Dのように、第3上部注水口116dからタンク収容ケース114の後方へ流入する。さらに、流入した水は、タンク収容ケース114後方側面の傾斜面114jを流れながら、タンク収容ケース114と液剤自動投入装置109の連結部である筒部123や洗剤側筒部111bへ向かって流れる。これにより、筒部123や洗剤側筒部111bの周辺を洗い流すことが可能となる。つまり、洗いステップ時の給水時と同様の効果を得ることができる。
また、使用者が、洗いステップにおいて、水槽105に風呂水を給水する『風呂水コース』を選択した場合、洗剤の自動投入が終了した後、コントローラは、風呂水ポンプ140を作動させる。これにより、第1給水弁110aから第1水路181へ供給される水の一部が、第2分岐点181bで補助ホース141から風呂水ポンプ140へ流れ込む。風呂水ポンプ140へ流れ込んだ水により、一端が風呂水ポンプ140と連通し、他端が浴槽(図示せず)の風呂水内に入れられたホース(図示せず)内が、水道水で満たされる。この状態で、風呂水ポンプ140を駆動すると、浴槽内の風呂水が、ホースを流れて風呂水ポンプ140内へ吸水される。吸水された風呂水は、図3の矢印Aのように、吐出ホース142を介して、タンク収容ケース114後方の孔114kからタンク収容ケース114内に流入する。タンク収容ケース114に流入した風呂水は、傾斜面114jを流れ、洗剤タンク117と液剤自動投入装置109との連結部である筒部123および洗剤側筒部111bへ向かって流れる。これにより、筒部123、洗剤側筒部111b周辺に付着した洗剤液の残留物を、洗い流すことができる。
なお、本実施の形態において、タンク収容ケース114から洗剤タンク117を外した状態で、タンク収容ケース114の後壁や洗剤側筒部111bの周辺を洗浄する『タンク収容ケースお手入れコース』を備える構成としてもよい。
具体的には、使用者が『タンク収容ケースお手入れコース』を選択すると、コントローラは、所定時間、第1給水弁110aを開く。これにより、水道水は、第1水路181を流れ、第2分岐点181bで補助ホース141、風呂水ポンプ140、吐出ホース142を流れて、孔114kからタンク収容ケース114内へ流入する。タンク収容ケース114に流入した水は、傾斜面114jを矢印B方向に流れて、タンク収容ケース114後方や洗剤側筒部111bの周辺を洗い流す。
さらに、孔114kからタンク収容ケース114内へ注水された水道水は、傾斜面114jを、図15の矢印F1に示すように流れる。これにより、洗剤タンク117とタンク収容ケース114とを固定するガイドリブ114hと、受け部117hを、洗浄できる。同様に、柔軟剤タンク126とタンク収容ケース114とを固定するガイドリブ114iと、受け部126hを、洗浄できる。そして、ガイドリブ114hと受け部117hとの間は、液剤の固着を防止することにより、洗剤タンク117がタンク収容ケース114から抜けやすくでき、また、固着によるガイドリブ114hと受け部117hの嵌合不良を防止できる。これにより、筒部123や洗剤側筒部111bからの洗剤液の漏れ出しを抑制できる。
[1−2−6.洗剤タンク内の残量不足判定方法]
以下、洗剤タンク117内の洗剤残量不足の判定方法について、図32から図36を参照しながら、説明する。なお、柔軟剤タンク126内の柔軟剤残量不足判定も同様であるので、説明は割愛する。
まず、コントローラは、図36のTH線で示す、洗剤の残量が不足していると判定する閾値電圧(例えば2.1V)を、予め記憶部に格納しておく。
洗剤タンク117から洗剤液が吐出されると、洗剤タンク117の水位が下がり、フロート部130aが下方へ回動する。これにより、マグネット134とリニアホール素子136との距離が変化するため、リニアホール素子136の出力電圧も変化する。そして、リニアホール素子136の出力電圧が、記憶部に記憶された閾値電圧未満となったとき、コントローラは、洗剤の残量が不足したと判定し、操作表示部104にその旨を表示する。
なお、本実施の形態では、マグネットボックス135内のフロート部130aの回動方向に沿う位置に、第1マグネット134aと第2マグネット134bからなる2個のマグネット134を配設している。第1マグネット134aはリニアホール素子136に対してN極側を向け、第2マグネット134bはリニアホール素子136にS極側を向けている。そのため、リニアホール素子136は、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bから異なる極性の磁力を検出する。
以下、図32から図36を用いて、洗剤タンク117の洗剤液の各水位に対するリニアホール素子136の出力電圧について、説明する。
図32から図35は、洗剤タンク117内の各洗剤水位におけるマグネット134とリニアホール素子136との位置関係を示す模式図である。
図36は、同実施の形態における洗濯機100の洗剤タンク117内の洗剤残量とリニアホール素子136の出力電圧との関係を示す図である。
図32に示すように、洗剤タンク117が洗剤液で満たされた状態において、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからN極の磁力を受ける。これにより、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa1のようになる。
つぎに、図32の状態から洗剤タンク117から洗剤液を、さらに吐出すると、洗剤タンク117の液面が、さらに下がる。これにより、リニアホール素子136の出力電圧が上昇する。
そして、洗剤液の吐出とともに、図33に示すように、第1マグネット134aがリニアホール素子136の高さ位置まで回動すると、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa2のように最大電圧となる。
図33の状態から、洗剤タンク117の洗剤液を、さらに吐出すると、フロート部130aが、さらに回動する。このとき、リニアホール素子136と第1マグネット134aとの距離が離れるとともに、リニアホール素子136と第2マグネット134bとの距離が近づく。そのため、リニアホール素子136の出力電圧が減少する。
図34に示す位置までフロート部130aが回動すると、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa3のようになる。この状態から、さらに洗剤タンク117内から洗剤液を吐出すると、リニアホール素子136の出力電圧が、さらに減少する。
そして、図35に示すように、フロート部130aの第2マグネット134bの高さ位置が、リニアホール素子136と対向する位置まで回動すると、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のa4のようになる。
上記のように、洗剤液の吐出に従って、まず、リニアホール素子136に第1マグネット134aが接近する(図36のa1〜a2区間)。その後、第1マグネット134aが、リニアホール素子136から離れるとともに、第2マグネット134bがリニアホール素子136に接近する(図36のa2〜a3区間)。そして、リニアホール素子136に第2マグネット134bが近づく(図36のa3〜a4区間)。
つまり、フロート部130aが図33から図35まで回動するとき(図36のa2〜a4区間)、リニアホール素子136と第1マグネット134aとの距離が離れるとともに、リニアホール素子136と第2マグネット134bとの距離が近づく。これにより、リニアホール素子136が受ける磁束密度は、N極成分が少なくなり、S極成分が多くなる。そのため、図36のa2〜a4区間においては、マグネットボックス135内にマグネットを1個配設する構成の場合と比べて、リニアホール素子136が受ける磁力の変化が大きい。つまり、洗剤液の吐出量に対するリニアホール素子136の出力電圧の変化量が大きくなる。その結果、マグネットボックス135内にマグネットが1個配設する場合よりも、リニアホール素子136の出力電圧による洗剤残量の不足判定精度を高めることができる。
また、本実施の形態では、図28に示すように、洗剤タンク蓋119の下面に、フロート部130aの回動軸131の周囲を囲むように形成される、隔壁リブ119aを備える。このとき、図32に示すように、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされた場合、隔壁リブ119aで囲まれた領域の内側に空気だまり200が形成される。そのため、隔壁リブ119aの領域内には、洗剤液が流入できない。その結果、フロート部130aの回動軸131への洗剤液の付着を防止できる。また、洗剤タンク117から洗剤タンク蓋119を取り外した状態で洗剤タンク蓋119を傾斜させた場合、洗剤タンク蓋119下面には、液剤が付着する。この場合でも、隔壁リブ119aにより、付着した液剤が、フロート部130aの回動軸131まで流れることを遮る。これにより、洗剤液の固着による回動軸131のスムーズな回動の低下を防止できる。その結果、洗剤の残量の測定精度の低下を抑制できる。
また、本実施の形態では、図29に示すように、洗剤タンク117の内底面に、洗剤残量が不足していると判断される洗剤水量において、マグネットボックス135の受け部135bと当接するようにマグネットストッパー137を配設している。これにより、液剤残量の不足状態から、さらに液剤が吐出された場合でも、フロート部130aの、さらなる下方への回動が阻止される。そのため、洗剤残量の不足状態において、リニアホール素子136の出力電圧は変化しない。その結果、さらなる回動による出力電圧の変動による、洗剤残量が不足していないと誤検知されることが防止できる。
なお、本実施の形態では、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからN極の磁性を受け、第2マグネット134bからS極の磁性を受けるように配置した構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、リニアホール素子136は、第1マグネット134aからS極の磁性を受け、第2マグネット134bからN極の磁性を受ける構成としてもよい。この場合、リニアホール素子136が受ける出力電圧の波形は、図36の波形と上下が反転する。
また、マグネットボックス135内のフロート部130aの回動方向に沿った位置にマグネットを3個以上、設ける構成としてもよい。このとき、リニアホール素子136に与える磁性が、交互に異なるように設けてもよい。この場合でも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、洗濯機の製造時において、液剤自動投入装置109を取り付けた状態で、洗剤タンク117に洗剤液を満たした状態のリニアホール素子136の電圧と、洗剤液が補充されていない状態のリニアホール素子136の出力電圧を測定して、予め記憶部に記憶させる。なお、洗剤タンク117に洗剤液を満たした状態は、図36のM1区間に対応する。また、洗剤タンク117内に洗剤液が補充されていない状態は、図36のM2区間に対応する。これにより、洗濯機毎の残量検出の製造ばらつきや、リニアホール素子136の設置のばらつきなどによる、洗剤残量の不足判定の誤差を軽減できる。
なお、マグネットボックス135がマグネットストッパー137に当接した時点でのリニアホール素子136の出力電圧で、洗剤残量の不足を判定する構成としてもよい。これにより、マグネットボックス135の当接時におけるリニアホール素子136の出力電圧と、出荷時において、予めマグネットストッパー137を当接させた状態で記憶部に記憶されたM2区間での出力電圧値とを比較できる。そのため、洗濯機毎の洗剤の残量判定のばらつき誤差を軽減できる。
[1−2−7.洗剤タンクの故障検知方法]
以下、洗剤タンク117の故障検知方法について、図36を参照しながら、説明する。なお、柔軟剤タンク126の故障検知方法も同様であるので、説明は割愛する。
例えば、長期間、液剤自動投入装置109を使用しない場合、洗剤タンク117内の洗剤液が固着する可能性がある。このとき、固着した洗剤液が、洗剤タンク117内の吐出口である筒部123や液剤自動投入装置109の洗剤側筒部111bに詰まる。そのため、洗剤タンク117から所望の量の洗剤液が吐出できない虞がある。また、フロート部130aの回動軸131に洗剤液が固着した場合、洗剤タンク117から洗剤液を吐出しても、フロート部130aが回動しない。そのため、フロート部130aの回動によって検出する洗剤残量の検出精度が低下する。
そこで、本実施の形態のコントローラは、洗剤タンク117内に洗剤液が付着して、上記不具合が生じているかの判定を行う不具合判定部(図示せず)を、備える。
以下、不具合判定部による洗剤タンク117の不具合判定方法について、説明する。
通常、洗剤タンク117から洗剤液が吐出されると、洗剤タンク117の水位が下がり、フロート部130aが下方へ回動する。これにより、マグネット134とリニアホール素子136との間の距離が変化し、リニアホール素子136の出力電圧が変化する。
しかし、洗剤液などが、フロート部130aの回動軸131に固着、あるいは筒部123などに詰まると、洗剤タンク117から洗剤液を吐出しても、リニアホール素子136の出力電圧が、十分変化しない。
そこで、まず、コントローラは、洗剤タンク117から吐出される累積洗剤量が所定値(例えば、30ml)より多くなった時点での、リニアホール素子136の出力電圧を検出する。そして、コントローラは、検出した電圧と、前回の洗剤タンク117から吐出された累積洗剤量が所定値より多くなった時点でのリニアホール素子136の出力電圧との差分値を算出する。このとき、差分値が所定値(例えば、0.1V)未満の場合、コントローラは、不具合判定部により、洗剤タンク117から洗剤液を吐出したにも関わらず、フロート部130aが回動していないと判定する。これにより、洗剤タンク117に、上記不具合が発生していると判定される。
そして、コントローラは、操作表示部104に、不具合が発生している旨を表示して、使用者に通知する。これにより、早期に、洗剤タンク117の不具合の発生を検出できる。その結果、所望の量の洗剤液が吐出されていない、あるいは洗剤液の残量不足を、使用者に速やかに認識させ、対応を促すことができる。
また、本実施の形態では、図32に示すように、洗剤タンク117内が洗剤液で満たされている場合、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bと、リニアホール素子136との距離が離れる。このとき、第1マグネット134aおよび第2マグネット134bからの磁力線は、リニアホール素子136に到達しない。そのため、例えば洗剤液残量が600mlから400mlまで減少しても、リニアホール素子136の出力電圧は、図36のM1区間に示すような、一定の値となる場合がある。つまり、洗剤液の残量が600mlから、例えば150ml程度の洗剤液を洗剤タンク117から吐出してフロート部130aが下方に回動しても、リニアホール素子136の出力電圧が変化しない。すなわち、図36のM1区間では、洗剤タンク117内において、固着や詰まりなどにより、上記不具合が発生していない場合でも、不具合判定部が、不具合が発生したと誤検知する虞がある。
そこで、本実施の形態のコントローラは、洗剤タンク117内の洗剤液が満たされた状態において、リニアホール素子136の出力電圧が所定の範囲内の場合、不具合判定部で不具合判定を行わないように制御している。なお、上記所定の範囲とは、例えば、2.7Vから2.9V程度である。
以上のように、洗剤タンク117などの故障(不具合)が検知される。
以下、[1−2−6.洗剤タンク内の残量不足判定方法]および[1−2−7.洗剤タンクの故障検知方法]で説明した判定方法および検知方法について、図37を用いて、具体的に説明する。
図37は、洗剤タンク117内の洗剤残量不足検知方法、および洗剤タンク117の故障検知の方法を示すフローチャートである。
なお、本実施の形態の洗濯機100は、液剤残量算出部の算出値を累積記憶する洗剤吐出量記憶部(図示せず)と、リニアホール素子136の出力電圧を記憶する、第1記憶部(図示せず)および第2記憶部(図示せず)を備える。
まず、図37に示すように、コントローラは、洗剤液が洗剤タンク117から吐出されたか否かを判定する。洗剤液が吐出されていない場合(ステップS0のNo)、コントローラは、洗剤液が吐出されるまで、所定間隔ごとに、判定動作を繰り返す。
洗剤液が吐出されている場合(ステップS0のYes)、コントローラは、リニアホール素子136の出力電圧が2.1V未満か否かを判定する(ステップS1)。出力電圧が2.1V未満の場合(ステップS1のYes)、コントローラは、洗剤タンク117内の洗剤の残量が不足していると判定し、操作表示部104の洗剤残量不足メッセージを表示する(ステップS2)。そして、使用者は、操作表示部104の洗剤の残量不足メッセージを確認すると、タンク収容ケース114の収容部から洗剤タンク117を取り出し、洗剤タンク117に洗剤液を補充する。これにより、洗剤タンク117内の洗剤液の水位が上昇し、フロート部130aが上方に回動する。この状態で、使用者は、洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に、再度、装着する。そして、コントローラは、再度、リニアホール素子136の出力電圧を検知する。このとき、検知した出力電圧が閾値電圧である2.1V(図36のTH線)より大きくなった場合、コントローラは、洗剤タンク117内に洗剤液が補充されたと判定する。そして、コントローラは、操作表示部104の洗剤残量不足メッセージを取り消す。
一方、リニアホール素子136の出力電圧が2.1V以上の場合(ステップS1のNo)、コントローラは、液剤残量算出部の算出値を、洗剤吐出量記憶部に格納されている値Xに加算する(ステップS3)。そして、コントローラは、加算後の洗剤吐出量記憶部の値Xが30mlより大きいか否かを判定する(ステップS4)。洗剤吐出量記憶部の値Xが30ml以下の場合(ステップS4のNo)、未だ所定量の洗剤液が吐出されていないため、コントローラは故障検知判定を行わず、処理を終了する。
一方、洗剤吐出量記憶部の値Xが30mlより大きい場合(ステップS4のYes)、コントローラは、不具合判定部により、以降の、例えば洗剤タンク117の不具合判定のフローを実行する。
具体的には、コントローラは、まず、洗剤吐出量記憶部の値Xから30mlを減じる(ステップS5)。そして、コントローラは、リニアホール素子136の出力電圧の値Yを、第1記憶部へ格納する(ステップS6)。
つぎに、コントローラは、第1記憶部に格納した値Yが、2.7V〜2.9Vの範囲内にあるか否かを判定する(ステップS7)。格納した値Yが2.7V〜2.9Vの範囲内である場合(ステップS7のYes)、コントローラは、洗剤タンク117内に洗剤液が満たされている状態であると判断する。そして、コントローラは、洗剤タンク117の不具合判定を行わず、第1記憶部に格納した値Yを、第2記憶部に格納する(ステップS10)。
一方、第1記憶部に格納した値Yが2.7V〜2.9Vの範囲外である場合(ステップS7のNo)、コントローラは、不具合判定部で、第1記憶部に格納した値Yと第2記憶部の格納した値(Y−1)との差分の絶対値が、0.1V未満であるか否かを判定する(ステップS8)。差分の絶対値が、0.1V未満である場合(ステップS8のYes)、コントローラの不具合判定部は、洗剤タンク117に液剤が固着していると判定する。そして、コントローラは、操作表示部104に、洗剤タンク117に不具合が発生している旨を表示する(ステップS9)。つまり、差分の絶対値が0.1V未満である場合、洗剤タンク117から洗剤液が吐出されているにも関わらず、フロート部130aが十分に回動していない。そこで、不具合判定部は、洗剤タンク117に液剤が固着していると判定する。その後、コントローラは、第1記憶部に格納した値Yを、第2記憶部に格納する(ステップS10)。
一方、第1記憶部に格納した値Yと第2記憶部の格納した値(Y−1)との差分の絶対値が0.1V以上である場合(ステップS8のNo)、コントローラの不具合判定部は、洗剤タンク117内に洗剤液の固着などによる不具合が発生していないと判定する。そして、コントローラは、第1記憶部に格納した値Yを、第2記憶部に格納する(ステップS10)。
以上のように、洗剤タンク117内の洗剤の残量不足判定および故障検知が実行される。
なお、柔軟剤タンク126の故障検知方法も、洗剤タンク117の故障検知方法と同様であるので、説明は割愛する。
ここで、通常、洗濯ステップにおけるドラム106への柔軟剤液の供給量は、洗剤液の供給よりも少ない。そのため、ステップS4における所定の柔軟剤液の吐出量は、所定の洗剤吐出量(30ml)よりも少なく、例えば20ml程度に設定することが好ましい。
以上のように、本実施の形態の洗濯機100は、洗剤タンク117や柔軟剤タンク126の不具合を検出する不具合判定部を、備える。具体的には、不具合判定部は、まず、洗剤タンク117からの所定量の液剤投入前後における、リニアホール素子136の出力電圧を検出し、その差分の値を算出する。このとき、差分の値が0.1V未満の場合、不具合判定部は、洗剤タンク117に液剤が固着したと判定する。そして、コントローラは、操作表示部104に、不具合の発生を表示する。これにより、早期に、洗剤タンク117の不具合の発生を検出できる。その結果、所望の量の洗剤液が吐出されていない、あるいは洗剤液の残量不足を、使用者に速やかに認識させ、対応を促すことができる。
なお、本実施の形態のコントローラは、洗剤タンク117内に液剤が満たされた状態のリニアホール素子136の出力電圧が、例えば2.7V〜2.9Vの範囲内の場合、洗剤タンク117の不具合判定を行わないように構成される。これにより、洗剤タンク117内に洗剤液が固着していない場合における、不具合判定部による不具合の誤検知を防止できる。
また、本実施の形態では、マグネットボックス135内に、フロート部130aの回動方向に沿った位置にマグネットを複数個、離間して設ける。これにより、リニアホール素子136は、フロート部130aが回動する広い範囲で、マグネットの磁力を検出できる。そのため、例えばマグネットが1個の構成と比べて、洗剤タンク117の洗剤の残量が多い場合でも、洗剤タンク117の不具合を検出できる。
なお、上記では、まず、ステップS8において、第1記憶部に格納した値Yと第2記憶部の格納した値(Y−1)との差分の絶対値と、所定の閾値電圧(0.1V)とを比較して、洗剤タンク117内に不具合が生じているか否か判定する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、リニアホール素子136の出力電圧に応じて、閾値電圧を変化させる構成としてもよい。つまり、図36に示すように、洗剤タンク117内の洗剤の変化量に対するリニアホール素子136の出力電圧の変化量は、一定ではない。そこで、リニアホール素子136の出力電圧に応じて、適切な閾値電圧を変化させて設定する。これにより、洗剤タンク117の不具合判定の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、フロート部130aが回動する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、フロート部130aが、洗剤タンク117内の洗剤液の液面に浮遊し、回動しない構成でもよく、同様の作用効果が得られる。つまり、フロート部130aが液面に浮遊しながら、洗剤液の水位の変化に応じて、フロート部130aが上下に移動する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、リニアホール素子136の出力電圧を測定して、洗剤タンク117内の液剤の残量を検出する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、光センサなどを用いて、液剤の残量を検出してもよい。
また、本実施の形態では、不具合判定部が洗剤タンク117の異常の発生を判定すると、異常の発生を操作表示部104に表示して、使用者に通知する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、洗濯機からインターネット回線を通じてサーバに送信し、サーバからスマートフォンなどに送信して、スマートフォンの画面に、洗剤タンク117の異常の発生を表示させる構成としてもよい。さらに、洗濯機から、スピーカなどを介して音声などで、使用者に報知する構成としてもよい。これらにより、使用者が、洗濯機の近くに居ない場合でも、即座に、不具合の発生を通知して、対応を促すことができる。
また、本実施の形態では、所定量(例えば、30ml)の洗剤液の吐出前後のリニアホール素子136の出力電圧の差分の値を算出し、洗剤タンク117の不具合を判定する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、洗剤タンク117から洗剤液を吐出した後のリニアホール素子136の出力電圧と、前回、洗剤タンク117から洗剤液を吐出した後のリニアホール素子136の出力電圧との、差分の値を算出して、判定する構成としてもよい。
また、上記では、図37のステップS8において、(Y―(Y−1))の絶対値と、閾値(0.1V)とを比較し、洗剤の残量不足を判定する構成としている。つまり、リニアホール素子136の検出電圧は、マグネットの極性によって、正負が反転する。しかし、絶対値で比較することにより、マグネットの極性による、不具合発生の誤検知を防止できる。また、マグネットの磁性の方向を考慮してマグネットボックス135を生産する必要がない。そのため、マグネットボックス135の生産に要する工数と、確認検査に要する工数などを削減できる。これにより、マグネットボックス135などの製造コストを抑制できる。
[1−2−8.洗剤タンクと自動投入装置との連結箇所、および、液剤供給水路のお手入れ]
図38は、『お手入れコース』における、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112f、第1給水弁110a、排水ポンプの各状態を示すタイムチャートである。
通常、洗剤タンク117から洗剤液を繰り返し吐出すると、水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの金属と、洗剤液に含まれる脂肪酸とが結合し、金属石鹸が析出する。析出した金属石鹸は、洗剤タンク117の洗剤液が水槽105に供給されるまでに流れる水路(以下、「洗剤液供給水路」と記す)に付着する。なお、洗剤液供給水路は、図24に示す、筒部123、洗剤側筒部111b、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113b、吸入水路112h,収容部112c、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129などである。洗剤液供給水路に付着した金属石鹸は、洗剤タンク117から吐出する洗剤液や、給水される水道水の流れに対して、抵抗となる。そのため、洗剤液の吐出量の低下や、通流する水の勢いを弱める虞がある。さらに、金属石鹸がドラム106内に侵入し、洗濯物に付着する虞もある。
そこで、上記不具合を抑制するために、以下で説明するように、定期的に、洗剤液供給水路に付着した金属石鹸を洗い流し、除去する必要がある。
まず、洗剤液供給水路をお手入れする際、使用者は、タンク収容ケース114の収容部から洗剤タンク117を取り外し、洗剤タンク117内を洗浄する。そして、使用者は、洗剤タンク117に、例えば200mlのクエン酸水を補充する。
その後、使用者は、洗剤タンク117をタンク収容ケース114の収容部に、再度、取り付ける。そして、使用者は、操作表示部104を介して、『お手入れモード』を選択する。
『お手入れモード』が選択されると、コントローラは、排水ポンプ(図示せず)を駆動させるとともに、下記第1ステップおよび第2ステップを、交互に実行する。
なお、第1ステップは、第1給水弁110aを閉じて、洗剤側コイル113dを通電状態にし、柔軟剤側コイル113iを非通電状態とするステップである。
また、第2ステップは、第1給水弁110aを開けて、洗剤側コイル113dおよび柔軟剤側コイル113iを非通電状態とするステップである。
まず、第1ステップの実行により、洗剤タンク117内のクエン酸水が、洗剤液供給水路を流れて水槽105へ供給される。一般的に、金属石鹸は、酸性の水溶液により溶解される性質がある。そのため、酸性のクエン酸水は、洗剤液供給水路内を、付着する金属石鹸を溶解しながら洗い流れる。洗い流された金属石鹸は、クエン酸水とともに水槽105へ供給される。そして、排水ポンプの駆動により、金属石鹸を含むクエン酸水は、排水口(図示せず)から排水ホース(図示せず)を流れて、筐体101外に排水される。
つぎに、第2ステップの実行により、図24に示すように、給水栓から給水される水道水は、第1給水弁110aから第1水路181内を流れる。第1水路181を流れる水道水の一部は、図24の矢印A2に示すように、第2水路182へと流れる。第2水路182を流れた水は、洗剤側三方弁113a、柔軟剤側三方弁113b、吸入水路112h,収容部112c、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129を流れて、水槽105へ供給される。これにより、第1ステップにおいて、洗剤液供給水路内に残留したクエン酸水が、第2ステップで供給される水により洗い流される。
以下、『お手入れモード』を実行したときの制御動作について、図38を用いて、具体的に説明する。
図38は、洗濯機100の洗剤タンク117の『お手入れモード』における、洗剤側コイル113d、柔軟剤側コイル113i、駆動モータ112f、第1給水弁110a、排水ポンプの状態を示すタイムチャートである。
使用者が『お手入れモード』を選択すると、コントローラは、時刻T0において、洗剤側コイル113dに通電し、第1ステップを開始する。このとき、図10Bに示すように、洗剤側プランジャ113eおよび洗剤側弁体113fが後方へ移動する。これにより、洗剤タンク117内のクエン酸水が、洗剤側筒部111bの後方に形成された開口部bから水路124内に流入する。流入したクエン酸水は、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ向けて流れる。
つぎに、時刻T0から0.5秒後の時刻T1において、コントローラは、駆動モータ112fおよび排水ポンプを駆動する。駆動モータ112fの駆動により、ピストン112eが上下に往復動作する。これにより、収容部112c内の圧力状態は、正圧状態と負圧状態が繰り返される。
つまり、図11に示すように、ピストン112eが上方へ移動すると、収容部112c内が負圧状態になる。そのため、吸入側逆止弁164は、バネ164bの付勢力に抗して、上方へ移動する。これにより、クエン酸水が、吸入水路112hから収容部112cに流入する。
つぎに、ピストン112eが下方へ移動すると、収容部112c内が正圧状態になる。そのため、吐出側逆止弁165は、バネ165bの付勢力に抗して、下向きに移動する。これにより、収容部112c内のクエン酸水が、出水路112g、分岐水路129a、連結ホース129を流れて、水槽105へ供給される。
以上の動作を繰り返すことにより、クエン酸水は、洗剤液供給水路内を、金属石鹸を溶解しながら流れる。
そして、排水ポンプの駆動により、水槽105内のクエン酸水は、排水口から排水ホースを流れて、筐体101外へ排水される。
このとき、駆動モータ112fの駆動により、洗剤側コイル113dが通電状態であるにも関わらず、洗剤側弁体113fが後方へ移動できないという状態が発生する虞がある。つまり、駆動モータ112fが駆動していると、図10Aに示すX1の水の流れが強くなるため、水の流れが抵抗となって、洗剤側弁体113fが後方へ移動できない状態が発生し得る。そこで、コントローラは、まず、時刻T0において、洗剤側コイル113dへの通電を開始し、0.5秒後の時刻T1において、駆動モータ112fを駆動するように制御する。これにより、上記状態の発生を回避できる。
また、本実施の形態では、コントローラは、洗いステップでの洗剤液の最大吐出量(例えば120ml)や、すすぎステップでの柔軟剤の最大吐出量(例えば100ml)よりも、クエン酸水の吐出量(例えば200ml)が、多くなるように制御する。これにより、洗剤液供給水路内の金属石鹸をしっかり溶解することができる。
つぎに、時刻T1から55秒後の時刻T2において、コントローラは、駆動モータ112fの駆動を停止する。そして、時刻T2から0.5秒後の時刻T3において、コントローラは、洗剤側コイル113dを非通電状態とする。これにより、図10Aに示すように、洗剤側プランジャ113eおよび洗剤側弁体113fが前方へ移動する。そして、洗剤側弁体113fは、洗剤側筒部111bの後方に形成された開口部bを塞ぐ。そのため、洗剤タンク117からのクエン酸水の流れが、洗剤側弁体113fにより遮られる。
そして、時刻T3において、第1ステップが終了する。
このとき、駆動モータ112fの駆動により、洗剤側コイル113dが非通電状態であるにも関わらず、洗剤側弁体113fが前方へ移動できないという状態が発生する虞がある。つまり、駆動モータ112fが駆動していると、図10Bの状態のとき、水の流れ(X1に相当)が強くなるため、水の流れが抵抗となって、洗剤側弁体113fが前方へ移動できない状態が発生し得る。そこで、コントローラは、時刻T2において、駆動モータ112fを非駆動状態とし、0.5秒後の時刻T3において、洗剤側コイル113dを非通電状態としている。これにより、上記状態の発生を回避できる。
つぎに、時刻T3から0.5秒後の時刻T4において、コントローラは、駆動モータ112fを駆動するとともに、第1給水弁110aを開ける。これにより、第2ステップが開始される。第2ステップでは、図10Aに示すように、給水された水道水は、第2水路182を流れ、開口部aから三方弁ユニット113の水路124に流入し、ピストンポンプユニット112の吸入水路112hへ向けて流れる。このとき、流入する水道水により、三方弁ユニット113やピストンポンプユニット112などに残留するクエン酸水が洗い流される。
なお、上述したように、通常、給水開始時においては、流入する水道水の勢いが弱い。そのため、供給される水道水の水圧だけでは、図11に示すピストンポンプユニット112の吸入側逆止弁164の上方への移動や、吐出側逆止弁165の下方への移動が、できない虞がある。そこで、上記状態を回避するために、第2ステップにおいて、コントローラは、駆動モータ112fを駆動し、水道水を加圧する。これにより、水道水が、ピストンポンプユニット112を確実に通過できる。
また、駆動モータ112fの駆動により、三方弁ユニット113の洗剤側弁体113fの移動が妨げられる虞がある。そこで、コントローラは、洗剤側コイル113dの通電終了(時刻T3)から0.5秒後の時刻T4において、駆動モータ112fを駆動するように制御する。これにより、上記状態の発生が回避できる。
つぎに、時刻T4から5秒後の時刻T5において、コントローラは、駆動モータ112fの駆動を停止するとともに、第1給水弁110aを閉制御する。これにより、第2ステップが終了する。
つぎに、時刻T5から0.5秒後の時刻T6において、コントローラは、時刻T0と同様の制御を実行し、第1ステップを開始する。
以後、時刻T6〜時刻T11、および時刻T12〜時刻T17において、コントローラは、時刻T0〜時刻T5と同様の制御を実行する。
そして、時刻T17において、コントローラは、第2ステップを終了する。その後、時刻T17から40秒後の時刻T18において、コントローラは、排水ポンプの駆動を停止する。これにより、ドラム106内に残留するクエン酸水や水道水が、排水される。
なお、柔軟剤タンク126の『お手入れモード』における各部の動作も同様であるので、説明は割愛する。
[1−3.効果等]
本発明の洗濯機は、洗剤タンク117の内壁面に、離間して形成される、底面から上方向に延伸する長さの異なる第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cを備える。この構成によれば、使用者は、洗剤タンク117内の液剤水面と、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部との距離を確認できる。これにより、使用者は、洗剤タンク117内の液剤残量を、容易に把握できる。
また、本実施の形態の、例えば洗剤タンク蓋119は、筐体101の前方側に形成される開口部139に開閉可能に設けられる液剤補給フタを構成する小窓119bを備える。そして、縦リブを構成する第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cは、開口部139よりも後方側に設けられる。さらに、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cは、前方側へ向かうにつれて高さが高くなるように形成される。この構成によれば、洗濯機の手前(前方側)にいる使用者の視線に合わせるように、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cが配設される。そのため、使用者が前方側から開口部139を覗くことにより、小窓119bから第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの上端部を、容易に視認できる。
また、本実施の形態の例えば洗剤タンク蓋119は、回動可能に配設されるフロート部130aを備える。フロート部130aは、第3縦リブ138cよりも前方側には回動しないよう構成される。この構成によれば、洗剤タンク117内の第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cの視認が、フロート部130aにより遮られることを防止できる。
(他の実施の形態)
本実施の形態では、縦リブを3本で構成する例で説明したが、これに限らない。例えば、縦リブは、1本また2本でも、さらに4本以上で構成してもよい。
また、本実施の形態では、第1縦リブ138a、第2縦リブ138b、第3縦リブ138cは底面から上方に延伸して形成する例で説明したが、これに限られない。例えば、洗剤タンク117の内壁面の途中から上方に延伸して形成する構成でもよい。
また、小窓119bは、例えばポリプロピレンなどの光透過性を有する部材により構成してもよい。この構成によれば、小窓119bを開けることなく、使用者は、洗剤タンク117内を視認できる。そのため、使用者は、洗剤タンク117内の液剤の、おおよその残量を、容易に把握できる。
以上で説明したように、本発明の洗濯機は、筐体と、筐体内に支持される水槽と、水槽内に回転可能に設けられる洗濯槽と、上部に開口を有し液剤を収容するタンクと、開口を開閉するタンク蓋と、タンク内の液剤を水槽内へ供給する液体供給装置を備える。そして、タンクは、内壁面に形成され、鉛直方向に延伸する縦リブを有する。この構成によれば、使用者は、タンク内の液剤の液面と、縦リブの上端部との長さを、目視により確認できる。これにより、使用者は、タンク内の、おおよその液剤残量を、容易に把握できる。
また、本発明の洗濯機のタンクは、内壁面に、離散して形成される、複数個の長さの異なる縦リブを備えてもよい。この構成によれば、使用者は、縦リブの見える本数により、おおよその液剤残量を、容易に認識できる。また、長さが異なる複数個の縦リブの内、タンク内の液面よりも上方に位置する最も短い縦リブの上端部と、液剤面との距離を確認できる。これにより、タンク内の、おおよその液剤残量を、容易に把握できる。
また、本発明の洗濯機のタンク蓋は、筐体の前方側に形成される開口部に開閉可能に設けられる液剤補給フタを備える。そして、縦リブは、開口部よりも後方側に設けてもよい。この構成によれば、使用者は、液剤補給フタを開けて、開口部から液剤を供給できる。さらに、使用者は、開口部からタンク内を覗いて、縦リブの上端部と液面との距離を確認できる。これにより、タンク内の、おおよその液剤残量を、容易に把握できる。
また、本発明の洗濯機は、液剤補給フタは、光透過性を有する部材により構成してもよい。この構成によれば、使用者は、液剤補給フタを開けることなく、タンク内の縦リブを目視できる。これにより、使用者は、タンク内の、おおよその液剤残量を、容易に把握できる。
また、本発明の洗濯機は、複数個の縦リブを、前方側へ向かうにつれて高さが高くなるように形成してもよい。この構成によれば、複数個の縦リブの長さは、使用者が開口部からタンク内を覗いた際の視線に合わせて、手前(前方側)が長く、後方側が短くなるよう構成される。そのため、複数個の縦リブの上端部を、容易に目視できる。
また、本発明の洗濯機は、タンク蓋に回動可能に配設され、タンク内の液剤面に浮遊するフロート部を備える。そして、フロート部は、複数個の縦リブの内、最も後方側の縦リブよりも前方側には回動しないよう構成してもよい。これにより、タンク内の縦リブが、フロート部により見えなくなることを防止できる。