JP6964133B2 - 石膏をか焼するための方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石膏をか焼するための方法、および上記方法を実行するために使用することができる、石膏をか焼するための装置に関する。
石膏は、広く採掘されているか、または工業的プロセスにおける副産物、例えば、FGD石膏(排煙脱硫)、チタン石膏、リン酸石膏、シトロ石膏(citrogypsum)として得られる硫酸カルシウム二水和物で構成される軟質硫酸塩鉱物である。石膏は、結晶水を含有しており、CaSO・2HOの化学式を有する。結晶水の他に、石膏は、以下では「水分」と呼ばれる、化学的に結合されていない水を含んでいる場合もある。か焼により、結晶水を除去して、石膏の幾つかの改質体を得ることができる。
・石膏を、湿潤雰囲気のオートクレーブで加熱するか、または酸もしくは塩水溶液で処理することにより、α−半水和物(CaSO・1/2HO)が得られる。α−半水和物は、密度がより高いため、より高い硬さを有する石膏に使用される。硬化には、より少ない水しか必要とされないが、長い硬化時間が求められる。
・石膏を開放雰囲気でか焼することにより、β−半水和物(CaSO・1/2HO)が得られる。β−半水和物は、水を添加すると数分以内に二水和物に変換される。β−半水和物は、より低い硬さを有する石膏に使用され、例えば、建設業で使用される。
・最大300℃の温度でか焼すると、無水石膏III(CaSO・0.xHO)が得られる。水、例えば、空気中水分の存在下では、半水和物または二水和物への変換が非常に迅速に生じる。
・300〜500℃の温度でか焼すると、無水石膏II(CaSO)が得られる。無水石膏IIは、水に難溶性である。水の存在下では、数時間または数日内に遅い水和が生じる。
・500〜700℃の温度でか焼すると、無水石膏II(CaSO)が得られる。この石膏改質体は、水に不溶性である。
・無水石膏I(CaSO)は、石膏の高温改質体であり、1180℃を超える温度で形成される(死焼石膏)。
か焼は、通常、キルンで実施される。例示的なか焼ユニットは、間接的に加熱することができるケトル、ローラミル、ボールミル、およびハンマーミルである。原材料として、天然または合成石膏、硫酸カルシウム二水和物(Ca[SO]・2HO)が使用される。か焼中に、原材料に含有されている水分およびカルシウムイオンに結合されている結晶水が除去される。か焼石膏の特性は、例えば、か焼中に除去される結晶水の量に影響を及ぼすか焼条件および粉砕中の処理より大きく影響を受ける。たとえ同じ原材料から開始したとしても、異なるか焼方法により得られる産物は、例えば、初期硬化時間が異なる。一定の品質水準のか焼石膏を達成するためには、一定量の水が原材料から除去され、例えば、不要な石膏改質体が発生しないように、か焼条件を一定に保つことが望ましい。技術水準によると、か焼石膏の品質は、試料を定期的に採取して、研究所でそれを分析することにより管理される。か焼石膏の品質が仕様から外れた場合、か焼条件は、例えば、キルン内の温度を調整することにより、またはキルンへの原材料の供給を調整することにより調整される。この調整は、通常、機械操作者により行われる。
か焼石膏は、生産ラインで直ちに使用してもよく、輸送のために袋詰めしてもよく、またはさらに加工される。
か焼石膏を破砕して、所望の粒子サイズにしてもよい。破砕/粉砕は、か焼とは別々に実施することができ、か焼前および/またはか焼後に実施することができる。粉砕およびか焼は、連続的ステップで異なるユニットにて実施してもよく、または単一のユニットにて1段階で実施してもよい。フラッシュか焼ユニットでは、乾燥、破砕/粉砕、およびか焼は、単一の機械にて単一の段階で行われる。さらに、石膏をか焼するためのキルンの加熱に必要なエネルギー量は、非常に大きい。電力消費量は、所望の産物を得るために必要な量に制限されることが望ましい。
特に、生石膏が天然供給源から採掘される場合だけでなく、工業的プロセスにおける副産物として得られる石膏の場合でも、物理的に結合されている水分の量は、変動する場合がある。したがって、石膏のか焼に必要なエネルギー消費量も、経時的に変動する可能性がある。また、工業的規模で石膏か焼を実施する場合、原材料の品質は、経時的に変動する可能性がある。これは、ひいては、か焼石膏の品質に影響を及ぼし得る。さらに、結晶水を所望の度合いに確実に除去して、か焼石膏の品質を調整するために、通常は、キルンの温度をより高いレベルに維持して、生石膏材料の品質のばらつきをカバーしている。しかしながら、必要とされるよりも高い温度にすると、より多くの量の無水石膏IIIが付随的に生成される。これは、無水石膏IIIが非常に迅速に硬化し、スタッコよりも高い水要求量を有するため、望ましくない。したがって、例えば、プラスターボード生産ラインで使用される場合、スタッコ中に未知量の無水石膏IIIがあることは、深刻な問題をもたらす。
本発明の目的は、か焼プロセスの電力消費量の削減を可能にし、さらに、一定の品質のか焼石膏の達成を可能にする、石膏のか焼方法を提供することである。
本発明によると、この目的は、請求項1で定義されている方法により解決される。好ましい実施形態は、従属請求項で定義されている。
本発明による方法では、
・連続供給される生石膏を準備し、
・か焼ユニットにて生石膏を焼成速度でか焼して、生石膏から水を除去し、定められた範囲内の含水量を有するか焼石膏を得、
・か焼石膏の含水量を、近赤外分光法により決定し、
・焼成速度を、か焼石膏の含水量に基づいて調整する。
か焼後の石膏の含水量を決定することにより、石膏の焼成速度を非常に迅速に調整することができ、一定の品質のか焼石膏が得られるように、石膏品質のばらつきのバランスをとることができる。非常に緊密なプロセス制御により、プロセスを非常に効率的に実施することができ、エネルギー消費量を、か焼により所望の品質のか焼石膏を得るのに必要な最小要求量に最小化することができる。
本発明の説明に使用される場合、「生石膏」は、まだか焼されておらず、特に100℃を超える温度でか焼されていない石膏であると理解される。
生石膏としては、例えば、天然供給源から採掘される石膏、または工業的プロセスまたは別の供給源に由来する副産物として得られる石膏を使用することができる。一実施形態によると、生石膏は、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)である。大量の硫酸カルシウム、好ましくは70重量%よりも多くの、さらなる実施形態によると75重量%よりも多くの、さらなる実施形態によると80重量%よりも多くの硫酸カルシウム、またさらなる実施形態によると85重量%よりも多くの硫酸カルシウムを含有する石膏を使用することが好ましい。一実施形態によると、生石膏は、100重量%未満の、またさらなる実施形態によると95重量%未満の硫酸カルシウム、またさらなる実施形態によると90重量%未満の硫酸カルシウムを含有する。パーセントは、乾燥石膏、つまり、重量が一定になるまで130℃で乾燥した石膏を指す。生石膏は、少量の他の鉱物、つまり不純物を含有していてもよいが、大量の硫酸カルシウムを含有する生石膏を使用することが好ましい。
生石膏は、か焼前に破砕または粉砕されてもよい。例えば採掘した生石膏の破砕または粉砕には、通常のミルが使用される。一実施形態によると、生石膏は、5cm未満の直径の、さらなる実施形態によると2cm未満の直径の粒子に破砕および粉砕される。一実施形態によると、生石膏は、0.01mmより大きい、さらなる実施形態によると0.05mmより大きい直径を有する粒子へと破砕される。粒子サイズは、破砕または粉砕後に、例えば、特定の網目サイズ、例えば、5cm、2cm、0.5mm、0.2mm、または0.063mmのふるいでふるい分けすることにより調整することができる。当業者に公知の他の分離技法、例えば、サイクロンでの選別または分離も同様に使用することができる。
生石膏は、か焼前に、例えばキルンで乾燥して、生石膏の水分含有量を調整してもよい。一実施形態によると、か焼前の生石膏は、10重量%未満の、さらなる実施形態によると5重量%未満の水を含有する。一実施形態によると、生石膏は、1重量%よりも多くの、さらなる実施形態によると2重量%よりも多くの水を含有する。しかしながら、より高い水分含有量、つまり10重量%よりも高い水分含有量を有する生石膏を使用することも可能である。
生石膏は、2つのタイプの水を含む。第1のタイプの水は、例えば、石膏の細孔に含有されているか、または石膏粒子の表面に吸収されている、物理的に結合された水である。こうした水分子は、およそ100℃のより低い温度で離脱または蒸発させることができる。物理的に結合された水の量は、例えば、採掘された天然供給源(鉱山)に応じて、非常に広い範囲内で変動し得る。以下では、この含水量は、「水分」または「水分含有量」と呼ばれるであろう。両用語は同じ意味で使用される。
第2のタイプの水は、化学的に結合された結晶水である。水分子は、カルシウムイオンに配位されており、この水分子を離脱させるには、より大きな量のエネルギーが必要である。以下では、この水および対応する含水量は、「結晶水」または「結晶水含有量」と呼ばれるであろう。
以下で使用されているように、用語として使用される「含水量」は、総含水量、つまり、水分含有量および結晶水含有量の合計であると理解される。
生石膏は、連続供給で提供される。連続供給は、生石膏が、制御ユニットを設置するために使用することができる固定位置を通過するように、より長期間、例えば1時間または1日にわたって、生石膏をか焼ユニットへと輸送する供給であると理解される。一実施形態による連続供給は、一定の供給速度を有する。連続供給は、例えば、ベルトコンベヤにより提供することができる。一実施形態によると、供給速度を制御するために、重量計が提供されていてもよい。基本的には、不連続供給を使用して、生石膏を提供することもできる。しかしながら、連続供給が好ましい。
供給速度は、生石膏のか焼に使用される装置、例えば、か焼ユニットの処理能力、か焼ユニットの加熱速度、およびか焼ユニットにおける生石膏の滞留時間などに応じて調整される。この調整は、当業者の一般的知識に基づき当業者により日常的になされる。
本発明によると、か焼石膏の含水量は、近赤外分光法(NIR)測定により連続供給中で決定される。
近赤外分光法は、当業者に周知の分析方法である。近赤外分光法は、13,000〜4,000cm−1の範囲を使用し、水分を決定するための十分に確立されている方法である。本方法の測定では、既知の含水量、特に既知の水分含有量および既知の結晶水含有量を有する既知試料の分析により、NIRスペクトルのデータセットが生成される。その後、このデータセットを使用して数式を確立し、その後、その数式を使用して、未知試料中の、つまり生石膏の連続供給中の含水量、水分含有量、および結晶水含有量を算出することができる。そのような数式を確立するための方法は、当業者に周知であり、例えば、市販のNIR分光計のユーザマニュアルまたは科学文献に記載されている。
NIR分光法による分析は、好ましくは、プローブヘッドの汚染を回避するために非接触で実施される。しかしながら、別の実施形態によると、NIR分光計のプローブヘッドを、連続供給される生石膏と直接接触させることも可能である。
NIRスペクトルの分析は、市販のNIR分光計にごく普通にインストールされているソフトウェアで実施され、生石膏に含まれている水の量が得られる。
一実施形態によると、NIR分析は、連続供給される生石膏中の含水量の連続制御が提供されるように、定期的な時間間隔で、例えば1分毎に実施される。生石膏の含水量の決定には、他の時間間隔を使用することが可能である。一実施形態によると、連続的NIR測定間の時間間隔は、5分未満、さらなる実施形態によると2分未満が選択される。一実施形態によると、連続的NIR測定間の時間間隔は、10秒より長く、さらなる実施形態によると30秒よりも長く選択される。
NIR測定は、定期的な間隔で実施することができる。しかしながら、不定期な時間間隔でNIR測定を実施することも可能である。
一実施形態によると、NIR測定は、連続モードで実施される。
一実施形態によると、NIR測定は、固定位置に設置されている測定ステーションで実施され、連続供給されるか焼石膏は、測定ステーションを通過する。
連続供給の速度が既知である本発明の方法の実施形態では、方法の各段階、例えば、生石膏のか焼前もしくはか焼後、またはか焼石膏の冷却前もしくは冷却後において、連続供給されるか焼石膏においてNIR測定が実施されるスポットを特定することが可能である。
連続供給される石膏から採取されたNIRスペクトルは、記録のために保存してもよく、または他のプロセスデータと組み合わせてプロセス制御に使用してもよい。保存およびさらなる使用は、電子的に、例えばある種のコンピュータデバイスにより実施することができる。
か焼ユニットにて生石膏を焼成速度でか焼して、生石膏から水を除去し、選択された範囲内の含水量、特に所定の範囲内の結晶水含有量を有するか焼石膏を得る。本発明によると、焼成速度は、NIR分光法により決定されたか焼石膏中の水の量に基づいて調整される。か焼石膏中の含水量を決定するために、NIR分光法の第1の測定ステーションが提供されている。
生石膏のか焼には、公知のか焼ユニットが使用される。好ましくは、連続供給される生石膏の連続的なか焼を可能にするか焼ユニットが使用される。連続供給される生石膏は、か焼ユニットに連続的に供給され、連続的にか焼され、それによりか焼ユニットを通して連続的に輸送される。好適なか焼ユニットは、当業者に公知である。好適なか焼ユニットの例示的な実施形態は、ロータリーキルン、ベルトか焼炉、インパクトミル、ハンマーミル、ローラミル、およびボールリングミルである。か焼ユニットは、フラッシュか焼炉としても使用することができる。
一実施形態によると、か焼ユニットは、少なくとも1つのステージを含むが、さらなる実施形態によると、複数のステージ、例えば2つまたは3つのステージを含んでいてもよい。異なるステージでは、異なる温度を使用することができる。一実施形態によると、第1のステージでは、石膏が乾燥および粉砕され、第2のステージでは、石膏がか焼される。
さらなる実施形態によると、か焼ユニットは、1つのユニットしか含んでおらず、さらなる実施形態によると、そこで石膏が乾燥、粉砕、およびか焼される。
一実施形態によると、か焼ユニットは、フラッシュか焼ユニットである。フラッシュか焼ユニットでは、石膏は、短い時間間隔内でか焼される。したがって、例えば、ケトルでのか焼よりも高い温度が、か焼に使用される。フラッシュか焼では、か焼のための温度は、対応する石膏改質体が形成される温度よりも高い温度が選択される。フラッシュか焼ユニットでは滞留時間が短いため、石膏は、過剰に加熱されない。しかしながら、副産物として不要な石膏改質体が形成されることを回避するために、か焼を注意深く監視することが必要である。一例として、あらかじめ破砕されており、場合に応じて乾燥または部分的にか焼されている石膏を、750℃の温度に加熱されたフラッシュか焼ユニットに入れてもよい。フラッシュか焼ユニットの内部で、石膏は、所定の温度に加熱される。所定の温度に到達し、所望の石膏改質体が形成されたら、か焼石膏は、フラッシュか焼ユニットを出て、冷却される。例えば、石膏半水和物を生産する場合、石膏二水和物の石膏半水和物への完全変換に必要な温度は、約160℃である。石膏がこの温度に到達したら、か焼石膏は、か焼ユニットの低か焼区画を通過して、ユニットを出る。
か焼の処理条件は、石膏の量、滞留時間、か焼に使用されるガス雰囲気および高温ガスの量、か焼ユニットの設計などに応じて、当業者の知識に基づき選択される。
一実施形態によると、フラッシュか焼では、ステージは、高温ガスおよび微細石膏粒子の混合物が特定の温度および速度で回転するサイクロンにより形成される。
一実施形態によると、微細に分割された生石膏が、ガス入口ダクトから最上部の予熱サイクロンに導入される。その後、ガス懸濁か焼炉に入る前に、連続的に収集され、予加熱器の他のサイクロンステージへと受け渡されると共に、高温の向流ガス流により予熱される。一実施形態によると、ガス懸濁か焼炉は、燃料燃焼が、石膏と密接にまたは外部空気加熱器を介して接触する垂直円筒形設計である。予熱燃焼空気が、か焼炉の底部へと導入され、そこで燃料および予熱供給材料と混合される。燃焼ガス、燃料、および材料の乱流回旋混合物は、炉全体にわたって高度に均一な温度プロファイルを生成する。
しかしながら、当業者に公知の他のか焼プロセスも、石膏のか焼に使用することができる。
高温ガスおよび固体石膏粒子の混合物は、か焼後に分離される。分離には、フィルタを使用することができる。一実施形態によると、炉の出口に位置決めされているサイクロンにより、ガスおよび材料が分離される。か焼温度および雰囲気は、均等な焼成、均一な産物品質、および排出制御のために、緊密に制御することができる。
フラッシュか焼を使用する場合、一実施形態によると、石膏粒子は、10mm未満の範囲内の、さらなる実施形態によると0.1〜8mmの範囲内の、さらなる実施形態によると0.2〜5mmの範囲内の粒子サイズに調整される。
また、粉砕と組み合わせてフラッシュか焼を実施する場合、生石膏粒子は、より大きな粒子サイズを選択してもよい。一実施形態によると、か焼前の生石膏の粒子サイズは、80mm未満の範囲内の、さらなる実施形態によると60mm未満の範囲内の粒子サイズが選択される。
フラッシュか焼を参照してか焼を説明した。しかしながら、当業者に公知の代替的なか焼技法を同様に使用することができる。
か焼を焼成速度で実施して、生石膏から水を除去し、選択された範囲内の結晶水含有量を有するか焼石膏を得る。用語「焼成速度」は、か焼ユニットでのか焼に使用される条件を決定する。そのような条件は、例えば、特定の時間間隔(供給速度)内でか焼ユニットに導入される生石膏の量、か焼ユニット内の温度、か焼ユニットに導入されるガスおよび燃料の量、か焼ユニット内の石膏の速度または輸送速度などのようなパラメータにより決定される。こうしたパラメータは、選択された範囲内の含水量を有するか焼石膏を得するように調整することができる。含水量の範囲は、か焼石膏の所望の品質およびその使用目的に応じて、当業者により選択される。
一実施形態によると、か焼ユニット内の温度は、110℃よりも高く、さらなる実施形態によると100℃よりも高く選択される。さらなる実施形態によると、生石膏をか焼するためのか焼ユニット内の温度は、110〜180℃の範囲内に選択される。さらなる実施形態によると、か焼ユニット内の温度は、900℃未満の範囲に選択される。
焼石膏の生産には、110℃〜180℃の範囲が好適である。無水石膏の生産には、290℃〜900℃の範囲が好適である。
フラッシュか焼を使用する場合、か焼ユニット内の温度は、より高く選択されるが、石膏粒子は、滞留時間を調整することで、以前に言及されている温度に加熱される。
か焼後、さらなる処理のためにか焼ユニットを出て連続供給されるか焼石膏が提供される。
か焼後、か焼石膏に含まれる水の量は、NIR分光法により決定される。含水量の決定は、以前に記載されているような手法で実施することができる。
一実施形態によると、生石膏の含水量は、近赤外分光法(NIR)測定により連続供給中で決定される。生石膏の含水量を決定するために、NIR分光法の第2の測定ステーションが提供される。このように、か焼ユニットでの焼成速度の調整は、か焼石膏で決定された含水量ならびに生石膏で決定された含水量に基づいて調整される。
一実施形態によると、NIR分光法の測定ステーションは固定位置に設置されており、供給されるか焼石膏は測定ステーションを通過する。NIRスペクトルを、連続的にまたは定期的間隔もしくは不定期間隔で収集し、か焼石膏に含有されている水の量を決定するために処理することができる。測定ステーションで得られたデータは、記録のために保存されてもよく、またはプロセス制御に使用されてもよい。好ましくは、それらは、生石膏のデータと同じ場所またはコンピュータに保存される。
本発明による方法の一実施形態によると、か焼石膏の含水量がNIR分光法により決定される連続供給されるか焼石膏内のスポットは、生石膏の含水量が決定される連続供給される生石膏中のスポットと、おおよそ同等である。これは、その時間間隔中に、石膏が、生石膏の含水量を決定するための測定ステーションから、か焼石膏の含水量を決定するための測定ステーションへと輸送されるように、供給される生石膏中の含水量の決定よりも後の時点で、か焼石膏の含水量を決定することにより達成することができる。
その後、生石膏の含水量およびか焼石膏の含水量を使用して、か焼ユニット内の焼成速度が調整される。調整は、例えば、か焼ユニットへの生石膏の供給速度を調整することによって、またはか焼ユニット内の温度を、例えば、か焼ユニットへの燃料またはガス供給速度を調整することにより調整することによって、または石膏がか焼ユニットを通過する供給速度を調整することによって、達成することができる。か焼中に石膏から水が除去される速度に影響を及ぼす他のパラメータを、同様に使用することができる。
か焼ユニットの下流に位置決めされているNIR測定ステーションで決定されるか焼石膏の含水量が、か焼石膏のために選択された範囲と比較され、決定された含水量が選択された範囲の外側にある場合、決定された含水量が選択された範囲内に入るまで、焼成速度が適切に調整される。生石膏の含水量を使用して、生石膏の様々な含水量に応じて焼成速度を調整することができる。
生石膏の含水量およびか焼石膏の含水量が定期的間隔で決定される実施形態では、決定された含水量を、生石膏の含水量およびか焼石膏の含水量について定められた選択された範囲と比較することにより、か焼ユニットの焼成速度を自動的に調整するためのプロセスユニットが提供されていてもよい。
か焼ユニットを出た時点では、か焼石膏は、依然として高温、例えば、130℃〜160℃である。一実施形態によると、か焼石膏を冷却するために、冷却ユニットが、か焼ユニットの後に提供されている。一実施形態によると、か焼石膏は、110℃未満の温度に、さらなる実施形態によると100℃未満の温度に、さらなる実施形態によると80℃未満の温度に、またさらなる実施形態によると50℃未満の温度に冷却される。さらなる実施形態によると、か焼石膏は、10℃よりも高い温度に冷却される。一実施形態によると、か焼石膏は、周囲温度にまたは周囲温度よりもわずかに高い温度に冷却される。周囲温度は、10〜40℃の範囲内の温度であると理解される。しかしながら、温度を、その範囲よりも高いまたは低い値に調整することも可能である。周囲温度よりもわずかに高い温度は、周囲温度よりも最大20℃高い温度であると理解される。
一実施形態によると、か焼石膏の含水量は、か焼石膏の冷却後にNIR分光法により決定される。
またさらなる実施形態によると、石膏供給中に存在する水の量は、生石膏の連続供給中で、か焼石膏の連続供給中で、および/または冷却されたか焼石膏の連続供給中で、NIR分光法により決定される。
生石膏の含水量およびか焼石膏の含水量は、連続供給される生石膏中で、連続供給されるか焼石膏中で、および/または連続供給される冷却されたか焼石膏中で、直接的に決定することができる。したがって、分析に使用されるNIR分光計は、連続供給と隣接する好適な位置に位置決めされる。
しかしながら、NIR測定の結果に影響を及ぼし得るばらつきが、連続供給される石膏に生じる場合がある。
一実施形態によると、NIR分光法により分析するための石膏試料は、連続供給される生石膏、連続供給されるか焼石膏、および連続供給される冷却された石膏の群の少なくとも1つから採取される。
試料を採取することにより、試料をさらに処理して、NIR分光法による分析のための調製を行うことが可能である。そのような調製は、例えば、粉砕ステップもしくは特定の量の試料の提供、試料の均質化もしくは特定の層厚の試料の提供、または試料の平坦な表面の調製であってもよい。そのような試料調製は、試料の含水量の決定の正確性および再現性の向上を可能にする。
試料は、規定の間隔で、好ましくは一定の間隔で採取することができる。一実施形態によると、連続的試料採取間の時間間隔は、5分未満で、さらなる実施形態によると2分未満で選択される。一実施形態によると、連続的試料採取間の時間間隔は、10秒より長く、さらなる実施形態によると30秒よりも長く選択される。
さらなる実施形態によると、試料採取は、連続的な様式で、例えば、連続供給されている石膏から試料用の連続供給を分岐させることにより実施される。
一実施形態によると、試料は、2mm未満の粒子サイズに粉砕される。さらなる実施形態によると、試料は、1.5mm未満の範囲内の粒子サイズに粉砕される。さらなる実施形態によると、試料は、0.01mmよりも大きな粒子サイズに粉砕され、またさらなる実施形態によると、試料は、0.1mmよりも大きな粒子サイズに粉砕される。粒子サイズは、例えば、粉砕プロセスを調整することにより、またはふるい分けステップにより調整することができる。
NIR分光法により含水量を決定するための測定ステーションは、連続供給中の石膏の含水量を直接的に決定するために、連続供給される石膏に提供されていてもよい。
本発明の実施形態によると、少なくとも1つの外部測定ステーションが、NIR測定のために提供されており、石膏試料は、石膏試料の含水量を決定するために、上記少なくとも1つの外部測定ステーションへと輸送される。外部測定ステーションは、連続供給される石膏から距離を置いて位置決めされている測定ステーションであると理解され、石膏試料は、分析のために、外部測定ステーションへと輸送されなければならない。石膏試料の輸送のためには、好適な移送手段、例えばコンベヤベルトが提供されている。
外部測定ステーションは、利用可能な十分な空間を有する場所に位置決めすることができ、大量の石膏が最終的に高温で処理される連続生産プロセスとの干渉を最小限に抑えることができる。石膏の処理では、測定ステーションの装置を腐食させる場合がある大量のほこりが生じ、そのような要因の影響を低減させる場所に測定ステーションを位置決めすることが好ましい。
試料採取は、例えば、連続供給されている石膏から試料用の連続供給を分岐させることにより、連続的に実施することができる。しかしながら、また、特に間隔をおいて、例えば、上記で言及されている間隔で試料を採取し、その後、試料を外部測定ステーションへと輸送することも可能である。試料採取としては、一実施形態によると、連続供給を、試料採取のために停止させ、その後試料採取後に再び継続させてもよい。
さらなる実施形態によると、石膏試料は、標準化された試料形態で測定ステーションに提供される。
標準化形態の石膏試料は、含水量を決定するためのNIR測定のために再現性のある形態で提供される試料であると理解される。したがって、NIR測定から得られるデータは、再現性があり、か焼プロセスの自動プロセス制御に特に好適である。
標準化形態の石膏試料は、常に、同じ形態で測定ステーションに提供される。標準化する場合、試料は、一実施形態によると、特定の粒子サイズに粉砕される。さらなる実施形態によると、試料層の特定の層厚が調整され、試料層の平坦な表面が提供される。試料の平坦な表面は、測定ステーションへと試料を輸送するための輸送手段の上に位置決めされている平坦化手段により試料層を平坦化することにより得ることができる。試料層は、平坦化手段を通過し、過剰な試料材料は、平坦化手段により除去され、試料層の平坦な表面が得られる。
さらなる実施形態によると、石膏試料は、含水量の決定後に連続石膏供給に戻される。その後、試料は、連続石膏供給と一緒にさらに処理される。
連続石膏供給中の処理される石膏の量および採取された試料の量に応じて、特に、採取された試料の量が、連続石膏供給の量と比較して非常に少ない場合、試料採取および試料の返還は、輸送中に連続石膏供給で生じる混合プロセスのため、NIR測定に過剰な影響を及ぼさない。
連続石膏供給から採取される試料間の影響を最小限に抑えるために、一実施形態によると、石膏供給への試料の返還は、採取試料および試料の返還が相互作用せず、試料が2回分析されない様式で実施される。これは、試料を採取するためのスポットおよび分析後に連続石膏供給に試料を返還するためのスポットの好適な位置決めにより達成することができる。さらなる実施形態によると、試料採取は、既に分析された試料が連続試料供給へと返還される間は、中断される。
既に上記で考察したように、特に、か焼プロセスの自動化のためには、試料は、石膏供給が生産プロセスを通過し、それにより測定ステーションまたは試料採取のスポットを通過する間に、連続石膏供給内の同じスポットから採取されることが好ましい。
一実施形態によると、第1の石膏試料が、連続供給される生石膏から採取され、連続供給される生石膏は、か焼ユニットでか焼され、第2の試料が、連続供給されるか焼石膏から採取され、第2の試料は、第1の石膏試料が採取された、連続供給される生石膏のスポットに対応する、連続供給されるか焼石膏内のスポットから採取される。
その後、生石膏の試料から得られた結果を、か焼石膏の試料の結果と直接的に比較することができ、それにより、か焼プロセスを、連続石膏供給内の特定のスポットで採取された石膏試料のばらつきに応じて直接的に改変することができるため、プロセス制御の精度のさらなる向上、およびか焼石膏の品質のさらなる向上が可能になる。言い換えれば、か焼プロセスを自動的に制御することができる連続フィードバック機構が存在する。
さらなる実施形態によると、生石膏および/またはか焼石膏に含有されている結晶水の量がNIR分光法により決定され、か焼プロセスを制御するために、特に焼成速度を調整するためにさらに使用される。
本発明による方法の実施形態によると、
・生石膏の含水量は、物理的に結合された水の水分含有量および結晶水含有量を含み、生石膏中の結晶水含有量Cを、NIR分光法により決定し、
・生石膏から除去しようとする結晶水の量に対応する量Δを定め、
・CからΔを減算することにより、か焼石膏に含まれる結晶水含有量のセットポイントSを決定し(S=C−Δ)、
・生石膏を焼成速度で焼成して、か焼石膏を得、
・か焼石膏の結晶水含有量Cを、NIR分光法により決定し、
・焼成速度を、S−C=0±δになるように調整し、式中δは、最大偏差である。
既に説明されているように、生石膏は、2つのタイプの水を含有する。第1のタイプの水は、生石膏に物理的に結合されている。物理的に結合された水の量は、幅広い範囲内で変動する場合があり、乾燥により除去することができる。第2のタイプの水は、カルシウムイオンとの配位結合により石膏に化学的に結合されている。それは、結晶水を形成する。そのような配位的に結合されている水分子を除去するには、より大きな量のエネルギーが必要である。除去後、水の存在下では水分子の再配位が生じる場合がある。
鉱山から得られる石膏は、通常、CaSO・2HOから形成されており、つまり、理論的には、カルシウムイオンに配位されている2つの水分子を含む。しかしながら、鉱山、つまり天然供給源から採掘される石膏は、少量の他の鉱物を含む場合があるため、生石膏に含まれる結晶水の量は、理論値から逸脱する場合がある。
第1のステップでは、生石膏に含まれる結晶水含有量が、NIR分光法により決定される。生石膏に含まれる結晶水含有量は、「C」と呼ばれる。
その後、生石膏から除去しようとする結晶水の量に対応する量Δを定める。
例えば、硫酸カルシウム二水和物を、生石膏、つまりか焼プロセスの出発物質として使用する場合、2つの水分子が、NIR分光法により生石膏中で決定される結晶水含有量Cに相当する。
か焼プロセスによりβ−半水和物(CaSO・1/2HO)を得ようとする場合、理論的には、NIR分光法によりか焼石膏中で決定して、0.5個の水分子が、か焼石膏に含まれる。
したがって、か焼プロセスにより除去しなければならないΔは、1.5個の水分子と定められる。
この説明は、本明細書では、水分子を参照して提供されている。しかしながら、含水量およびΔを重量%で定めることも可能である。
か焼石膏に含まれる結晶水含有量のセットポイントSは、CからΔを減算することにより決定される(S=C−Δ)。セットポイントSは、か焼石膏に含まれる理論的結晶水含有量に相当する。上記で説明されている例では、Cは2個の水分子に相当し、Δは1.5個の水分子に相当し、セットポイントSは、0.5個の水分子となるであろう。
その後、生石膏を焼成速度で焼成して、か焼石膏を得る。
その後、か焼石膏の結晶水含有量Cを、NIR分光法により決定する。
結晶水含有量CがセットポイントSに相当している場合、事前に設定されている条件でか焼プロセスを継続する。
結晶水含有量CがセットポイントSから逸脱している場合、か焼プロセスを、S−C=0±δとなるように調整する。式中δは、最大偏差である。焼成速度を調整した後、結晶水含有量Cは、再びセットポイントSに相当する。
技術的プロセスでは、理論値からの偏差が常に生じるものであり、許容され得るため、最終産物、つまりか焼石膏の品質の著しい喪失を起こすことなく許容され得る最大偏差δが定められる。最大偏差は、プロセス条件、か焼ユニットのサイズ、およびか焼石膏の品質仕様に応じて定められ、当業者の一般的知識に基づき当業者により定めることができる。最大偏差は、一実施形態によると±10%に、さらなる実施形態によると±5%に設定することができる。
一実施形態によると、焼成速度は、か焼ユニットへの生石膏の供給速度を調整することにより調整される。
別の実施形態によると、焼成速度は、焼成温度を調整することにより調整される。
か焼石膏の含水量、またはさらなる実施形態によるとか焼石膏の結晶水含有量Cが、か焼石膏に含まれる水の所望量よりも高いか、またはセットポイントSよりも高い場合、焼成温度を上昇させるか、またはか焼ユニットへの生石膏の供給速度を低下させる。
か焼石膏の含水量、またはさらなる実施形態によるとか焼石膏の結晶水含有量Cが、か焼石膏に含まれる水の所望量よりも低いか、またはセットポイントSよりも低い場合、焼成温度を低下させるか、またはか焼ユニットへの生石膏の供給速度を上昇させる。
焼成温度および生石膏の供給速度を同時に調整することにより両実施形態を組み合わせることも可能である。
例えば、か焼ユニットに導入される燃料の量を調整することによる焼成温度の調整は遅いため、焼成温度の調整は、好ましくは、例えば、生石膏の水分含有量の大きな増加により大きなばらつきが引き起こされた場合に、または生石膏の純度のばらつきが大きい場合に実施される。
上記で言及されているように、本発明による方法は、か焼プロセスを自動化するために使用することができる。一実施形態によると、プロセス制御装置、例えば、好適なコンピュータユニットが提供されており、焼成速度の調整は、プロセス制御装置により実施される。
一実施形態によると、か焼石膏は焼石膏である。焼石膏は、少量の無水石膏の他に、大量の半水和物を含む。
本発明は、石膏を改質するための装置であって、
・か焼ユニットに生石膏を供給するためのフィーダ、
・生石膏をか焼するためのか焼ユニット、
・か焼ユニットからか焼石膏を放出するための放出ユニット、および
・か焼石膏に含まれる水含有量または結晶水含有量を決定するための第1のNIR(近赤外線)分光法測定ステーションを含む装置にさらに関する。
本発明の一実施形態によると、生石膏の水含有量または結晶水含有量を決定するための第2のNIR分光法測定ステーションが提供されている。
本装置は、上記に記載されている方法の実施に好適である。したがって、上記に記載されている方法の詳細は、本発明による装置にも当てはまり、その逆も同様である。
基本的には、か焼石膏の結晶水含有量を決定するための少なくとも1つのNIR測定ステーションを追加することにより、生石膏をか焼するための公知の装置を改変することができる。有利には、本装置は、結晶水含有量に加えて、生石膏の含水量を決定することができるように、少なくとも2つのNIR測定ステーションを含む。
本発明による装置は、生石膏をか焼ユニットに供給するためのフィーダを含む。フィーダは、連続供給される生石膏を提供する。公知のフィーダを使用することができる。
本装置は、生石膏を改質するための追加の装置をさらに含むことができる。そのような装置は、例えば、生石膏を所望の粒子サイズに破砕または粉砕するためのミル、または生石膏から過剰な水分を除去し、生石膏に含まれる水含有量を調整するための乾燥器である。
本発明による装置は、生石膏をか焼するためのか焼ユニットをさらに含む。公知のか焼ユニットを使用することができる。またさらなる実施形態によると、本装置は、複合粉砕/か焼ユニットを含む。好適なか焼ユニットは既に記載されている。一実施形態によると、市場で入手可能なフラッシュか焼炉が使用される。
本発明による装置は、か焼石膏をか焼ユニットから放出するための放出ユニットをさらに含む。放出ユニットは、連続供給されるか焼石膏を提供する。公知の放出ユニットを使用することができる。
本発明によると、NIR(近赤外線)分光法ユニットが、上記に記載されている本発明による方法の処理ステップにて、石膏に含まれる水または結晶水の含有量を決定するために提供される。NIR分光法ユニットは、上記に記載されているNIR測定ステーションを形成する。上記で既に記載されているように、NIR分光法ユニットは、含水量を石膏供給中で直接的に決定するために、連続供給される石膏に直接的に位置決めすることができる。好ましい実施形態によると、NIR分光法ユニットは、連続石膏供給から隔てられて位置決めされており、連続石膏供給から試料が採取され、分析のためにNIR分光法ユニットへと輸送される。
か焼石膏に含まれる水または結晶水の含有量を決定するために、第1のNIR(近赤外線)分光法ユニットが提供される。この第1のNIR分光法ユニットは、か焼ユニットの下流に位置決めされる。
本発明の一実施形態によると、生石膏中の水および/または結晶水の含有量を決定するために、第2のNIR分光法ユニットが、さらに提供されてもよい。第2のNIR分光法ユニットは、か焼ユニットの上流に提供される。
好適なNIR分光法ユニットは、市場で入手可能であり、プロセス制御で、例えば食品産業で公知である。
さらなる実施形態によると、か焼石膏を冷却するための冷却ユニットが提供される。一実施形態によると、第1のNIR分光法ユニットは、か焼石膏の冷却後に結晶水含有量を決定するような位置に提供される。したがって、第1のNIR分光法ユニットは、冷却ユニットの下流、つまりか焼ユニットおよび冷却ユニットの下流に位置決めされる。
好適な冷却ユニットは、当業者に公知であり、市場で入手可能である。
さらなる実施形態によると、か焼石膏の冷却前にか焼石膏の結晶水含有量を決定するために、第3のNIR分光法ユニットが提供される。
この実施形態によると、第3のNIR分光法ユニットは、か焼ユニットの下流であるが、冷却ユニットの上流に位置決めされる。3つのNIR分光法ユニットを使用することにより、か焼プロセスの非常に精密な制御が可能になる。
既に記載されているように、本発明による方法は、か焼プロセスの自動化を可能にする。一実施形態によると、第1のNIR分光法ユニットにより決定されたデータ、ならびに好ましくは第2および第3のNIR分光法ユニットの少なくとも1つのデータに基づいて、か焼ユニットの焼成速度を調整するためのプロセス制御装置が提供される。
本発明による方法は、添付の図面を参照してより詳細に記載される。図面の図は以下の通りである。
本発明による装置の構成要素の模式図である。 試料が、NIR分析のために連続供給される生石膏から採取される実施形態を示す模式図である。
図1は、本発明による装置の構成要素の模式図を示す。生石膏は、コンベヤ1、例えば、ベルトコンベヤで輸送される。コンベヤは、連続供給される生石膏を提供するために、一定の輸送速度を有する。生石膏は、ミル(図示略)で所望の粒子サイズに調整され、乾燥器(図示略)で所望の含水量に調整されてもよい。重量計2は、コンベヤ1により輸送される石膏供給の供給速度を決定するために、コンベヤ1に提供されている。重量計2では、生石膏供給で提供される生石膏の量が、連続的にまたは不連続的に計量される。NIR分光法ユニット3は、生石膏中の水または結晶水の含有量を決定するために提供されている。その後、生石膏は、か焼ユニット4、例えばフラッシュか焼炉に輸送される。か焼炉ユニット4には、か焼のための熱を提供するための加熱ユニット5が装備されている。燃焼させようとする燃料および空気が加熱装置5へと導入され、その後、高温ガスが、か焼ユニット4へと導入される。燃料としては、あらゆる好適な燃料、例えば天然ガス、石油エーテルガス、重油、石炭などを使用することができる。か焼後、か焼石膏は、か焼ユニット(4)から取り出される。フラッシュか焼炉の場合、高温ガスおよびか焼石膏の混合物が、分離ユニット6に輸送され、か焼石膏から放出ライン7を通って放出されるガスが分離される。依然として高温のか焼石膏が、分離器6から放出され、コンベヤ8、例えばコンベヤスクリューにより輸送される。高温か焼石膏は、冷却ユニット9にて、ほぼ室温に冷却される。冷却ユニットの下流には、か焼石膏の含水量または結晶水含有量を決定するためのさらなるNIR分光法ユニット10が位置決めされている。
図2は、試料が、NIR分析のために連続供給される生石膏から採取される実施形態を示す模式図を示す。
サイロ20からの生石膏供給は、コンベヤ1でベルト重量計2に輸送されて計量され、生石膏供給が調整される。生石膏の粒子サイズは、60mm未満に調整される。生石膏供給の一部は、分離ライン11へと分離され、主供給は、コンベヤ1により、か焼ユニット4に向けてさらに輸送される。分離された生石膏は、粒子サイズを2mm未満に調整するために、ミル12に向けて分離ラインで輸送される。ミル12の下流では、粉砕された生石膏が、ベルトコンベヤ13で輸送され、調整装置14を通過し、ベルトコンベヤ13で輸送されている生石膏層の層厚が調整され、生石膏層の上部表面が滑らかにされる。その後、生石膏層は、生石膏の含水量または結晶水含有量を決定するためのNIR分光法ユニット3を通過する。NIR分光法ユニット3を通過した後、生石膏は、バケットエレベータ15により輸送され、コンベヤ1で輸送されている生石膏の主供給に戻される。
1 コンベヤ
2 重量計
3 NIR分光法ユニット
4 か焼ユニット
5 加熱ユニット
6 分離器
7 放出ライン
8 コンベヤ
9 冷却ユニット
10 NIR分光法ユニット
11 分離ライン
12 ミル
13 ベルトコンベヤ
14 調整装置
15 バケットエレベータ
20 サイロ

Claims (11)

  1. 石膏を脱水するための方法であって、
    ・連続供給される生石膏を提供し、
    ・前記生石膏の含水量が、近赤外分光法(NIR)により前記連続供給中で決定され、
    ・か焼ユニットにて生石膏を焼成速度でか焼して、前記生石膏から水を除去し、選択された範囲内の含水量を有する連続供給されるか焼石膏を得、
    ・か焼後、前記か焼石膏が冷却され、前記か焼石膏の含水量を、冷却されたか焼石膏の連続供給中で近赤外分光法により決定し、
    ・前記焼成速度を、前記生石膏の含水量および前記か焼石膏の含水量に基づいて調整する方法。
  2. 石膏試料が、連続供給される生石膏、連続供給されるか焼石膏、および連続供給される冷却された石膏の群の少なくとも1つから採取され、NIR分光法により分析される、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの外部測定ステーションが、NIR測定のために提供され、前記石膏試料が、前記石膏試料の含水量を決定するために、前記少なくとも1つの外部測定ステーションへと輸送される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記石膏試料が、標準化された試料形態で前記測定ステーションに提供される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記焼成速度の調整が、前記か焼ユニットへの前記生石膏の供給速度を調整することにより実施される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記連続供給される生石膏から第1の石膏試料が採取され、前記連続供給される生石膏は、前記か焼ユニットでか焼され、前記連続供給されるか焼石膏から第2の試料が採取され、前記第2の試料は、前記連続供給される生石膏の、前記第1の石膏試料が採取されたスポットに対応する、前記連続供給されるか焼石膏内のスポットから採取される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ・前記生石膏の含水量が、物理的に結合された水の水分含有量および結晶水含有量を含み、前記生石膏の結晶水含有量Cを、NIR分光法により決定し、
    ・前記生石膏から除去しようとする結晶水の量に対応する量Δを定め、
    ・CからΔを減算することにより、前記か焼石膏に含まれる結晶水含有量のセットポイントSを決定し(S=C−Δ)、
    ・前記生石膏を焼成速度で焼成して、か焼石膏を得、
    ・前記か焼石膏の結晶水含有量Cを、NIR分光法により決定し、
    ・前記焼成速度を、S−C=0±δになるように調整し、式中、δは最大偏差である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. プロセス制御装置が提供され、前記焼成速度の調整が、前記プロセス制御装置により実施される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 石膏を脱水するための装置であって、
    ・か焼ユニットに生石膏を供給するためのフィーダ、
    ・前記生石膏をか焼するためのか焼ユニット、
    ・前記か焼ユニットからか焼石膏を放出するための放出ユニット、
    ・前記か焼石膏を冷却するための冷却ユニット、
    ・前記か焼石膏に含まれる水または結晶水の含有量を決定するための第1のNIR(近赤外線)分光法ユニット、および
    ・前記生石膏中に含まれる水または結晶水の含有量を決定するための第2のNIR分光法ユニットを含み、
    前記第1のNIR分光法ユニットが、前記か焼石膏の冷却後に前記結晶水の含有量を決定するための位置に提供されていることを特徴とする装置。
  10. 前記か焼石膏の冷却前に前記か焼石膏の結晶水含有量を決定するための第3のNIR分光法ユニットが提供されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  11. 前記第1のNIR分光法ユニットにより決定されたデータ、ならびに前記第2および第3のNIR分光法ユニットの少なくとも1つのデータに基づいて、前記か焼ユニットの焼成速度を調整するためのプロセス制御装置が提供されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
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