JP2689502B2 - 石膏焼成装置の製御方法 - Google Patents

石膏焼成装置の製御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築その他の工業材料として用いられる石膏
を焼成する焼成装置に係り、特に多段式連続流動焙焼炉
方式による、設備費が低く、かつ燃料原単位の低い、高
品質の石膏の焼成装置の制御方法に関するものである。
〔従来の技術〕
焼石膏は半水石膏を主体とする石膏で、従来より石膏
ボード用、石膏プラスター、陶磁器製造時等の型材用、
医用材料等として広く用いられており、その用途によっ
て製品としての要求される性状、特に活性度が異なる。
その製造は天然石膏あるいは工業副産品である化学石膏
を焼成して行われる。
II型無水石膏は天然には二水石膏と共存しており、二
水石膏と同時に産出され、また弗酸製造時の副産物とし
て工業的に得られるが、水に対する溶解度が低く反応性
が悪いので工業的に使用されることは少なかった。しか
し最近になって高炉水砕スラグを主体とした良質の建築
用板材製造に際して主要な材料としての用途や速硬性セ
メントの凝結調節材としての用途などにその需要が多く
なっている。
二水石膏を大気中で130℃以上の温度で加熱すると結
晶水の一部が脱水し半水石膏となる。これをさらに170
℃以上で焼成すると可溶性無水石膏となる。これをさら
に400℃以上の温度で焼成するとII型無水石膏となる。
可溶性無水石膏は不安定型であり、空気中の水分を吸
収して半水または二水石膏に変化する。
II型無水石膏は安定型であり空気中では容易に水和反
応を起こさない。
石膏は主として平窯、回転窯または単層の流動炉で焼
成されている。平窯は回分操作による焼成窯であり、操
作が容易で製品の品質が比較的安定しているので種々の
用途の焼石膏の製造に用いられている。
窯で焼成されたままの焼石膏は反応性が強いので、用
途によっては使用し難いため熟成を行う必要がある。熟
成は窯で焼成されたままの石膏を空気に暴露しその表面
の一部を水和させ、表面の活性を劣化させることを目的
とする。石膏は熟成されると混練作業が容易になるの
で、混練に多くの水を必要とせず、その結果として強度
が高くなる。
焼石膏に要求される熟成の程度はその用途により異な
り、製品の用途に応じて熟成の度合いを変える必要があ
る。
製造された焼石膏の熟成は一般的には貯蔵サイロで長
期間保存する方法、袋詰にしたものを倉庫内に長期間保
存する方法あるいは空気と強制的に接触させるために工
業敷地内に広げる方法などが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
平窯による焼石膏の焼成は、操作が容易で製品の品質
も安定しているが、回分操作であるために生産性が低く
製造原価が高くなる。また設備が複雑であるために設備
費が高い。
回転窯での焼成は連続焼成であるために製造原価を低
く製造できるが、原料である石膏の水分や粒度の変化等
によって焼成度合いが変化し品質管理の面での問題があ
る。また回転窯は設備費が高い欠点を有する。
単層の流動炉での焼成では原料として炉に供給された
石膏が順次製品として排出されるのではなく、中には短
絡して十分に焼成されていないものが排出されるので、
製品の焼きむらをなくすためには、流動炉の温度をある
程度以上に高くする必要があり、そのため燃料消費が多
くなり、かつ熱損失も多くなる。
従来行われている焼成された石膏の熟成方法は、熟成
終了までに長い時間を有するとともに、そのための特別
な設備あるいは敷地を必要とするものである。またその
時の気象状況により熟成の程度が変化する欠点をも有す
る。
本発明の目的とするところは上記従来の石膏製造装置
の問題点を解決することにある。
その目的は構造が簡易で建設価格が低く、かつメンテ
ナンスの容易な装置を用いて自動制御により、製品製造
原価が低く、焼きむらがなく、常に安定して高品質の製
品を製造可能とし、熟成に特別な装置や場所を必要とせ
ず、かつ製品の要求される性状に応じた段階の熟成度の
製品を得ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的のものと発明者らが鋭意研究の結果
得られたものであり、その要点は多段式連続流動焙焼炉
を用いて石膏の焼成条件を制御する方法である。まず、
第1図を以って本発明に用いる石膏焼成装置について説
明する。
第1図は石膏焼成装置の縦断面図である。
第1図において、焼成室1は仕切板7により仕切られ
て連設されている複数の流動炉2と焼成排ガスの導出路
となるガス室12を包含する焼成室である。ガス供給室3
から流動炉2に焼成用ガスを供給する。散気盤4はガス
室から流動炉へ焼成用ガスを供給するためのノズルを備
えるか、またはそれ自身が細孔を有し、焼成用ガスを通
気することが可能となっている。焼成室1へ原料石膏を
供給する原料供給シュート5、焼成室より焼成された石
膏を排出する原料排出シュート8、各々のガス供給室へ
焼成用ガスを供給するためのガス供給管9が設けられて
いる。
1以上の流動炉のガス室に冷風管15を接続することが
できる。この場合ガス供給管9には焼成用ガスと冷風と
を切替えるための冷風ダンパ10または熱風ダンパ11を取
付けることが可能である。
焼成排ガスはガス排出管6から排出される。また流動
炉には必要に応じて燃料を供給する燃料供給管13を設け
ることが好ましい。また必要に応じて流動炉に細粒の水
滴を吹き込む水噴射管14が設けられている。
本発明に係る石膏焼成装置には1以上の流動炉の流動
室に熱交換装置を取付けることができる。この熱交換装
置には外部より熱を供給する。熱交換装置に外部より熱
を供給するには、熱交換装置を電熱発生材料で構成し、
電気を通じて熱を発生する装置、または熱交換装置に加
熱気体を通じる装置でもよい。加熱気体としては電熱ま
たは燃焼ガスで加熱された空気あるいは燃焼ガスを用い
ることができる。
熱交換装置の配置や形状は問わないが、散気盤に対し
て垂直な方向に配設された板状に近い形状のものが好適
である。
また石膏焼成の装置には1以上の流動炉の流動室に原
料水分測定装置を取付ける。この原料水分測定装置によ
って各流動室内の原料石膏の付着水量および/または結
晶水量を測定し、その水分量が一定となるように原料の
供給量、流動化用ガスの温度や量を制御することができ
る。各流動室の原料水分量を一定とすることによって安
定した品質の製品を低原価で製造可能となる。
原料水分測定装置としては例えば、赤外吸収分光分析
計を用いる。本測定器を取付ける場合、流動室の側壁に
石英ガラス等の窓を取付け、それを通して連続測定が可
能なようにする。
石膏焼成設備の各流動炉は直線的に連続して設置する
のみでなく、連続であれば任意の平面配列で設置するこ
とが可能であり、各流動室の形状や面積も任意とするこ
とができる。
例えば第10図、第11図に示すような平面配列状態で流
動炉2a,2b,2c,…を配置し、外壁面積の減少による熱損
失の減少や原料の移動方向長を延長することにより、原
料の短絡を減少させることが可能である。
〔作用〕
次に上記石膏焼成装置を用いて石膏を焼成する作用に
ついて説明する。
原料供給シュート5より焼成室に供給された原料石膏
は第1段の流動炉に入り、ガス室3および散気盤4を経
過した熱風により浮遊し流動状態となり熱風との間に熱
交換が行われる。次いで仕切板7の上部より第2段の流
動炉に入り、同様に流動状態で熱交換し、順次各流動炉
で熱交換を行い、原料石膏は温度が上昇し、脱水し焼成
され、最終段の流動炉より原料排出シュート8を経由し
て装置外へ排出される。
この石膏焼成装置へ供給する原料石膏は予め乾燥した
うえ粉砕し供給してもよく、また水分を含んだまま供給
してもよい。石膏焼成装置へ供給される熱風は燃料の焼
成により得られた燃焼ガス、電熱等により加熱された加
熱空気あるいは他の装置の高温排ガスまたはこれらを混
合したものでもよい。
最終段の流動炉のガス室に、冷風管15を接続し、冷風
を供給することにより、焼成された石膏を冷却して、粉
砕の際の無用な再脱水を防止するとともに、焼成された
石膏を冷空気に暴露することにより、その一部を水和熟
成させる。
1以上の流動炉に燃料管13を設置し、この燃料管13に
より燃料を供給して燃焼させ石膏の焼成温度を高くする
ことができる。燃料管13を設置することにより、高い温
度での石膏の焼成が容易となり、II型無水石膏を容易に
効率よく得ることができる。
1以上の流動炉に設置した水噴射管14より、細粒の水
を流動炉に噴射することができる。細粒の水を噴射する
ことにより、焼成された石膏の冷却効果を高めるととも
に、焼成された石膏の熟成度を上げることができる。
単層の流動炉においては可溶性無水石膏あるいは可溶
性無水石膏と半水石膏の混合物を焼成する場合、流動層
全体を可溶性無水石膏の焼成温度190℃以上に維持する
必要があるので、装置の外壁よりの熱損失が大きくなる
と共に、原料石膏の付着水量が多い場合、これをいきな
り高い温度に暴露すると固結してしまい、流動室内の流
動状態を維持できなくなることがある。
本発明に係る石膏焼成装置においては、各流動室にそ
れぞれ異なった機能を持たせることが可能である。すな
わち原料石膏供給側より第1室目を原料石膏の乾燥室と
しての機能を持たせることができる。原料石膏の乾燥は
90℃程度で行うことができる。従って原料石膏の水分量
が多くても、徐々に乾燥されて固結されることはない。
第2室目において二水石膏より半水石膏への脱水工程
度を行なわせることができる。二水石膏より半水石膏へ
の脱水反応は130℃で行われるので、この流動室の温度
は130℃に維持することができる。第3室目において、
半水石膏より可溶性無水石膏への脱水反応を行わせるこ
とができる。半水石膏より可溶性無水石膏への脱水は19
0℃で行われるので、この流動室の温度は190℃以上とす
ることができる。第4室目において焼成された石膏を冷
却させるか、あるいはその一部ないし全量を熟成させる
ことができる。
上記の説明においては、I室毎に機能を変えたが、2
室以上に同一機能を持たせることも可能である。例えば
原料石膏の水量が多い場合、乾燥室を2室以上とするこ
とができるし、原料石膏の粒子が大きく焼成が困難な場
合には、半水石膏への脱水室や可溶性無水石膏の脱水室
を2室以上とすることが可能である。また可溶性無水石
膏のまま熟成しないで出荷する必要のある場合は、冷却
や熟成は行わず、III型可溶性無水石膏の状態で排出し
貯蔵する。
上記の説明による乾燥室は90℃程度の温度で原料石膏
を乾燥させるが、供給原料石膏の付着水分が変動する
と、それにつれて流動層内温度も変動する。二水石膏よ
り半水石膏よりの脱水は比較的多くの吸熱を伴う反応で
あるために、この反応を行わせる流動室の温度は比較的
安定している。
従って流動層内の温度の測定では反応の進行度合の判
定は困難である。半水石膏より可溶性無水石膏の脱水反
応を行わせる流動室は半水石膏と可溶性無水石膏が混在
するため、原料石膏の量により層内温度が変動する。こ
の層の温度が過剰に上昇すると可溶性無水石膏の一部が
II型無水石膏に転移することがあり、製品活性が低下す
る可能性がある。装置の運転上、このような状態となる
のを防止するためにはこの流動層の温度を管理していた
のでは原料の滞留時間が長い場合、時間遅れが大きく、
温度は変動するので、この変動室に入る原料量および原
料の焼成状態を一定とするのが望ましい。
例えば乾燥室の温度で原料石膏の供給量を管理する方
法では、原料の水分が上昇すると乾燥室の温度は低下す
るが、温度を上げようとして供給量を減少させると二水
石膏より半水石膏への脱水を行う流動室では温度はほぼ
一定であるが、半水石膏より可溶性無水石膏への脱水が
行われる流動室の温度は高くなり、II型無水石膏が生成
する可能性がある。そこで原料石膏の供給量を一定と
し、常に一定の状態で乾燥室より原料石膏を次室へ送り
出すことが可能であれば上記のような状態は発生しなく
なる。
石膏焼成装置に熱交換装置を取付けて、流動状態での
熱交換をさせることにより、同一製造量の場合、流動用
のガスの量を減ずることができる。一般に流動炉で石膏
を焼成する場合は、その容積効率を考えると流動層内の
原料が飛散しない限度内の最大ガス量を用いる。そのた
め排ガスの持去り熱が多くなり、また排ガス中への一部
原料の飛散を生じる。しかし、流動室内に熱交換装置を
設置し、焼成用熱量の一部を供給することによって、流
動用ガスの量を減じることが可能となるため、流動用ガ
ス量を流動化開始速度まで下げることが可能となり、過
剰なガスによる余分な熱損失を減じることが可能であ
る。また流動用ガスによる原料の同伴量が無視できるの
で、第4図に示すような流動用ガスがの循環が可能とな
り、バックフィルタ等の除塵装置が不要となる。
第4図は石膏の焼成装置の第1室の流動層に熱交換器
31を配設したもので、ボイラ32で加熱された蒸気は気水
分離器33で気水分離した後、熱交換器31に送られる。
熱交換器31は多数のフィン付管を並列結合したものを
管が水平または鉛直になるように流動層内に配設すると
よい。
熱交換器31で第1室の石膏と熱交換して凝縮したドレ
ンは水槽34に貯水されポンプ35によってボイラ32に供給
される。一方、第1室の流動層の石膏の温度測定制御器
(TC)36は燃料ポンプ37を制御しボイラの燃焼器38の燃
料を制御する。焼成室1の原料は原料供給シュート5か
ら供給され、排出シュート8から排出される。ガス排出
管6から排出されたガスは必要に応じて入気39を混入
し、ファン40によって弁41を経て各流動層に循環され、
または弁42を経て系外に排出される。
流動化空気を循環するとこの循環空気中の蒸気分圧が
上がるので、一部を放散する必要があるが、放散して新
しい外気を吸入するよりも、循環空気を冷却してドレン
を抜く方が得策の場合もあり、何れを選択してもよい。
第5図は流動層各層に熱交換器31a,31b、31cを直列に
装着した系統図を示し、第6図は循環する流動化気体を
冷却器43で冷却して水44を抜く場合の系統図である。第
7図は熱交換器に電熱シーズヒータまたは遠赤外線放射
ヒータ45を用いた実施例の系統図である。第7図の実施
例では流動炉の負荷量の制御が極めて容易となる利点が
ある。
本発明では石膏焼成装置に1室以上の流動炉の流動室
へ原料水分測定装置を取付ける。原料水分測定装置とし
ては、赤外吸収分光分析計を好適に用いることができ
る。第8図はこれを模式的に示したもので、赤外分光分
析計46の水分測定により吹込空気加熱器47を制御し、流
動化空気の温度を制御する系統図である。本測定装置46
は第9図に示すように焼成室1の側壁に石英ガラスの窓
48を取付け、この窓を通して原料水分量を測定する。こ
の場合センサ49と光ファイバ50を用いることができる。
第8図において乾燥室Iでは供給原料の付着水分の増
減で温度が下降、上昇し、焼成室IIでは結合水の分解反
応だけが行われるため、温度がほぼ一定であり、焼成室
IIIでは半水と無水が混在するために製品の増減で温度
が下降、上昇する。
炉の滞留時間が長いので焼成室IIの温度を管理してい
たのでは時間遅れが大きい。乾燥室温度と供給量の制御
を行う場合は、例えば原料の水分が増加した場合、乾燥
室の温度が低下するが、温度を上げるために供給量を低
下させると、製品量が減少して焼成室IIの温度が上りII
型無水になる場合がある。従って、乾燥室の流動層側壁
に石英ガラスの窓を取付け、この窓を通して赤外吸収分
光分析計を使用して、付着水分を測定し、この水分が一
定になるように乾燥室吹込み空気温度を制御するのであ
る。
または焼成室Iで上記同様の方法で二水石膏と半水石
膏の比率を測定し、これが一定となるように乾燥室に吹
込、空気温度を制御する。
また、例えば原料水分が増加し乾燥室温度が低下した
場合は、供給量を減少させる。これにより焼成室IIの温
度が上昇するが、この温度が一定になるよう、焼成室II
の吹込空気温度を低下させる。
上記原料水分測定装置を用いて運転中の乾燥室の原料
水分を測定する。この水分量が常に一定となるように乾
燥室に吹込む流動用ガスの量や温度を調節する。または
二水石膏より半水石膏への脱水を行わせる流動室におい
て、同様の方法で二水石膏と半水石膏の比率を測定し、
この比率が一定となるように乾燥室に吹込む流動用ガス
の量温度を調節する。
〔実施例〕
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明は以下に記す実施例で制限されるものではな
い。
第1図は本発明の実施例に用いる石膏焼成装置の側面
断面図である。
焼成室1は第1図に実施例を示すように5段の流動炉
2を連設して形成され、各々の流動炉2はガス供給室
3、散気盤4を備えている。各流動炉間の仕切板7は原
料石膏が原料供給シュート5側から排出シュート8側へ
円滑に流れるように原料出口側を順次低くした構造とな
っている。第1図中、仕切板7は下部にて保持する構造
を示しているが、上部より保持する構造とし原料石膏を
仕切板の下部の間隙より次段階の流動炉へ移送させるこ
とも可能である。また仕切板7の高さあるいは仕切板の
下部の間隙の幅を調節可能な構造とすることもできる。
焼成室1の上部は第3図に示すように、流動炉2より
の焼成用ガスの浮遊してくる細粒の石膏を沈降させ流動
炉2に戻す目的で流動炉の幅より拡幅された構造とする
ことも可能である。
散気盤4はステンレススチール板にステンレススチー
ル製のノズルを取付けたものを用いたが、散気盤として
はこれに限らずセラミックス製、あるいは金属製の気孔
盤を用いることも可能である。
第2図は本発明の実施に用いる装置を含む全体装置の
フローシートである。この全体装置の主な構成は、複数
の流動炉を並設した焼成室1、この焼成室1に原料石膏
を供給する原料定量供給機22、焼成された焼石膏を貯蔵
する焼石膏ホッパ23、焼石膏を粉砕する粉砕機24、粉砕
された石膏を熟成する熟成ホッパ25、焼成室への焼成用
ガスを加熱する空気加熱機26、焼成用ガスを流動炉へ吹
込むための吹込みファン29、焼成室への冷風を供給する
ための冷風ファン27および焼成室よりの排出ガスを外部
へ誘引する排気ダクト28である。
原料定量供給機22はホッパ、テーブルフィーダおよび
スクリューコンベヤよりなる。
原料定量供給装置22のテーブルフィーダにより、第1
段の流動炉に供給された原料石膏は、ガス室より散気盤
を通じた加熱空気により、浮遊し流動状態で乾燥、加熱
される。
原料を供給するコンベヤは、特にスクリューコンベヤ
に限定されないが焼成室への空気の流入あるいは流出を
極力防止する目的で、気密性の高いものが望ましい。
原料焼成用ガスはセメント焼成装置のクリンカクーラ
の予熱を用いて加熱した空気を用いた。この加熱空気
を、必要に応じて空気加熱機26でさらに加熱して用い
た。クリンカクーラの余熱で空気を加熱することにより
燃料の使用量を大幅に低減することができた。
排気ダクト28より排出された焼成排ガスは本装置にお
いてはクリンカクーラ用のバグフィルタに導かれ、含ん
でいる微細粒の石膏を集塵した後、外気へ放出される。
第1段の流動炉で加熱された石膏は第1段と第2段の
流動炉の間にある仕切板を越えて第2段の流動炉へ入
る。第2段の流動炉で石膏はさらに加熱される。同様の
状態を繰り返し、各々の段階の流動炉において原料石膏
は熱風により流動化された状態で効率よく熱風との間に
熱交換し、付着水分の乾燥脱水等の焼成作用を受ける。
各々の段階の流動炉において効率よく焼成されるので、
焼成された石膏は焼むらのない高品質のものとなる。
ガス室に入る風管にダンパを設け、その開度を調整す
ることにより、各々の流動炉に入る加熱空気の量を制御
することも可能である。流動炉に入る加熱空気の量を調
節することにより、流動炉での原料石膏の流動状態を流
動層の状態で管理することも可能であり、またさらに激
しい流動状態である、いわゆる噴流層の状態で管理する
ことも可能である。
焼成の度合いを変化させるのは、石膏の供給量の変
化、熱風温度の変化、熱風量の変化等により容易に行う
ことができる。これらの処理により、外乱すなわち原料
石膏の水分や粒度の変化等に対して、常に的確に運転状
態を適切なものとすることができる。
焼成を終了した石膏は冷風ファン27により最終段の流
動炉で冷却され、その一部は熟成された後、焼石膏ホッ
パ23に貯蔵される。焼石膏ホッパー23よりスクリューコ
ンベヤで抜出された焼成石膏は粉砕機24で粉砕され一部
焼成品についてはこの段階で製品とすることが可能であ
り、残り焼成品は熟成ホッパ25に入り、その中で冷空気
に暴露されてさらに熟成されて製品となる。
最終段の流動炉は冷風ファンにより冷風を吹込み石膏
を冷却できる構造となっている。冷風により石膏を冷却
する目的は、粉砕の際に石膏が高温であると石膏に無用
の脱水が起こり製品の品質が変動するのでこれを防止す
ること、および焼成された石膏の一部を水和させるこ
と、すなわち熟成の初期の段階を終らせることにある。
製品の用途によっては、この段階で熟成を終了させる
ことも可能である。さらに冷風の吹込み可能な流動炉を
増加することにより、製品の要求する異なった程度の熟
成度を得ることが可能である。
第3段と第4段の流動炉に燃料供給管13を取付け可能
な構造とした。この燃料供給管より流動層内に燃料を吹
込み層内燃焼することにより焼成温度を高くすることが
容易にでき、II型無水石膏を容易に製造することができ
る。
また、最終段の流動層に細粒の水滴を吹込む水噴射管
を取付けることが可能な構造とした。本水噴射管を用い
て流動炉内に細粒の水滴を吹込むことにより、焼成され
た石膏の冷却効率を高めるとともに、石膏の熟成の度合
いを高くすることが可能である。噴射する水の量は製品
石膏の要求により、変化することができる。上記のよう
な熟成手段を用いてもなお達成が困難な熟成度を要求さ
れる製品については、さらに熟成ホッパでの熟成が可能
である。熟成ホッパでは冷風を吹込むことにより石膏を
熟成する。
第4は別の例のフローならびに概略図である。炉本体
は第1図構造と変わりない。
第4図では1室を乾燥室とし、2室を焼成室Iとし、
3室を焼成室IIとしているが、実施例1のように熟成用
として4室、5室を設置してもよい。
流動炉に定量供給された原料石膏は、ガス室より散気
盤を通じた循環空気により浮游し、流動状態で流動室内
に配置された蒸気管との熱交換で乾燥および加熱され
る。
蒸気管にはボイラから汽水分離器を通した蒸気が流
れ、熱交換された後の蒸気は給水タンクへ戻され、再循
環される。
炉層内の温度は蒸気温度で調整され、蒸気温度はボイ
ラ燃料で制御される。その際の1室層内温度は90℃、2
室温度は130℃、3室温度は170℃である。
この場合、炉室が3室に分れているので、それぞれの
ボイラが設置される(第4図は1基のみ例示してあ
る)。3室で熱交換された蒸気を1室の蒸気管に送り、
再利用することによってボイラは2基としてもよい。
流動用の空気は、炉出口より、サイクロンで集塵され
たのち、循環ファンから、再度散気盤へ吹き込まれる。
サイクロンで捕集された産物は、二水石膏、半水石膏
も含まれているので、再度1室へ戻し再加熱する。
実施例 第1図、第2図の装置に制御用センサとして、第8図
に示すように、赤外吸収分光分析計を使用し、水分およ
び二水石膏、半水石膏の割合を測定し吹込空気加熱器に
フィードバックする。
1室は、原料石膏付着水(通常8〜10%水分)を乾燥
することを目的とし、センサにて水分量を測定し、この
付着水がほぼ0になるように、流動用熱風の量は一定と
し、給鉱量の増減制御を行う。
2室では、結合水の分解を行い、ほぼ半水石膏まで反
応することを目的とし、結合水の量を測定することによ
り半水石膏と二水石膏との比率を知り、上記制御にて給
鉱量が減じた場合、層内温度が上昇し、II型無水に反応
されることを防ぐため、流動用熱風温度の増減制御を行
う。
〔発明の効果〕
本発明は以上説明したように、多段式連続流動焙焼炉
を用いる石膏焼成装置の制御方法であって、この装置は
従来の石膏焼成装置と比較すると、 (1)構造が簡易であり建設コストが低く、かつメンテ
ナンスが容易である。
(2)運転操作が簡単で自動化、省力化が可能である。
(3)水分の変動や粒度の変化等の外乱に対して容易に
対応可能である。
(4)多段式連続流動焙焼炉であるために、原料が各段
の流動炉において十分に焼成されるため焼むらがなく製
品の品質が安定している。
(5)熟成が焼成と同一装置で可能であり、かつ製品の
要求に応じて多段階にできる。また従来装置のように熟
成に特別の装置や敷地を必要としない。
以上のような長所があり本発明の制御方法により操業
することを安定した高品質の石膏を焼成することがで
き、工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は石膏焼成装置の模式断面図、第2図は石膏焼成
装置の全体フローシート、第3図は別の例の横断面図、
第4図〜第7図は焼成室内に熱交換器を設けた実施例の
フローシート、第8図は赤外分光分析器を用いた制御系
統のフローシート、第9図は赤外分光分析器の設置関係
図、第10図、第11図は別の実施例の焼成室の平面配列図
である。 1……焼成室、2……流動炉 3……ガス供給室、4……散気盤 5……原料供給シュート、6……ガス排出管 7……仕切板、8……排出シュート 9……ガス供給管、10……冷風ダンパ 11……熱風ダンパ、12……ガス室 13……燃料供給管、14……水噴射管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 正康 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番地1 三菱鉱業セメント株式会社九州事業所 内 (72)発明者 前嶋 康成 福岡県北九州市八幡西区洞南町1番地1 三菱鉱業セメント株式会社九州事業所 内 (56)参考文献 特公 昭54−13437(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仕切板により隔てられた複数個の流動炉を
    連設した焼成室と、各流動炉をガス室と流動室に分離し
    ガス室より流動室に供給するガスの流れを均一に分散さ
    せる散気盤と、各々のガス室に焼成用ガスを供給するガ
    ス供給管と、焼成室よりガスを排出するガス排出管と、
    流動炉に原料を供給する原料供給シュートと、焼成室に
    より焼成物を排出する排出シュートとを備えた石膏焼成
    装置の制御方法において、1以上の流動炉の流動室に原
    料水分測定装置を取付け、該原料水分測定装置により流
    動室の原料付着水分および/または結晶水量を測定し、
    該原料付着水分および/または結晶水量が一定となるよ
    うに流動室の温度を制御することを特徴とする石膏焼成
    装置の制御方法。
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