JP2007261866A - 半水石膏の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半水石膏が硬化し始めるまでの時間の長い半水石膏を製造する。
【解決手段】生石灰の消化反応により得られた水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液とを反応させた後、水溶媒中で半水化させて半水石膏を製造する方法において、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減し、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を延長して作業性に優れた半水石膏を製造する。半水石膏に含まれる無水石膏の含有量は10重量%以下であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】生石灰の消化反応により得られた水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液とを反応させた後、水溶媒中で半水化させて半水石膏を製造する方法において、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減し、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を延長して作業性に優れた半水石膏を製造する。半水石膏に含まれる無水石膏の含有量は10重量%以下であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、半水石膏の製造方法に関する。更に詳しくは半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くし、作業面、および品質面に優れた石膏を製造する方法に関する。
工業的な半水石膏の製造方法としては、天然に存在する二水石膏又は工業的に生産された二水石膏を、半水化・濃縮・乾燥・粉砕などの工程を経て製造する方法が一般的である。
工業的な二水石膏の製造方法としては、排煙脱硫石膏、リン酸製造工程における副成石膏、半水石膏などがあり、何れも硫酸根とカルシウム源との反応により合成され、生成反応(一例)は下記のように示される。
Ca(OH)2+H2SO4→CaSO4+2H2O
Ca(OH)2+H2SO4→CaSO4+2H2O
この反応は通常水を溶媒として用いて実施されるため、得られる石膏は二水石膏(CaSO4・2H2O)であり、半水石膏を得るには二水石膏を半水化する工程が必要となる。
半水化には焼成法、加圧水蒸気法、加圧溶液法などの手法があり、反応は下記のように示される。
CaSO4・2H2O→CaSO4・1/2H2O+3/2H2O
CaSO4・2H2O→CaSO4・1/2H2O+3/2H2O
上記の反応によって得られた半水石膏は、水分を取り除くため通常乾燥工程に送られて水分を蒸発させた後、粒度調整のための粉砕工程を経た上で、製品半水石膏となる。この粉砕工程の後に、第3成分として硬化遅延剤や硬化遅延強化助剤を混ぜることで、石膏が硬化し始めるまでの時間を長くする方法がある。
半水石膏のような水硬化性固形材が硬化し始めるまでの時間を長くする方法としては、例えば硬化遅延剤(クエン酸、リグニン、マルトース、イソマルオリゴ糖、ポリアクリル酸等)、および硬化遅延強化助剤(アルカリ金属の酸化物、水酸化物、亜硫酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩等)を用いて、水硬性固化材の硬化を遅延させる方法が提案されている(特許文献1)。
また、半水石膏から不純物を除去する方法としては、硫酸カルシウムを溶解して固体の不純物を除去し、反応媒体に添加物を入れて二水石膏を半水石膏に再結晶化・分離し、そのろ液を再循環させて硫酸カルシウムを回収するという手法で不純物の少ない半水石膏を生成する方法が提案されている(特許文献2)。
特開2004−043275号公報
特表平04−500064号公報
しかし特許文献1に開示された方法のように、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くするために第3成分を添加すると、生成した半水石膏の物理性能(強度・膨張率など)に大きな悪影響を及ぼしてしまい、さらに第4・第5成分を添加して半水石膏の物理性能を制御する必要がある。このため、工程管理・品質管理が煩雑になり、さらに添加剤の大量使用によるコスト上昇も招いてしまう。
特許文献2に開示された方法においても、第3成分として再結晶を遅らせるための遅延剤が添加されている。さらに、不純物を除去する手法として硫酸カルシウムを溶解させて固形物の除去する手法を用いているが、この手法では化合水の異なる石膏(無水石膏と半水石膏)を分離することは出来ない。
このように、石膏の製造方法において半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くする手法としては、第3成分を添加することで制御する方法が一般的であるが、工程管理・品質管理双方の面から、効果的な手法であるとは言い難い。
また石膏の不純物を除去する方法としては、石膏を水溶液に溶解させた後、再結晶化させることで不純物を分離する手法が一般的であるが、この手法では無水石膏と半水石膏を分離することはできない。
したがって、本発明では、品質を低下させることなく半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くした半水石膏の製造方法を提供することを課題とする。
上記につき鋭意検討を行った結果、製造過程において大量に副生し、かつ半水石膏との分離が非常に困難である無水石膏の含有量を減少させることで、品質を低下させることなく半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くすることが可能であることを見いだした。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)生石灰の消化反応により得られた水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液とを反応させた後、水溶媒中で半水化させて半水石膏を製造する方法において、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減することで、半水石膏に水を加えてから硬化が始まるまでの時間を長くすることを特徴とする半水石膏の製造方法、
(2)半水石膏に含まれる無水石膏の含有量が10重量%以下であることを特長とする(1)に記載の半水石膏の製造方法、
(3)粒径75μm以上の半水石膏粒状物を20重量%以上含有することを特長とする(1)に記載の半水石膏の製造方法である。
(1)生石灰の消化反応により得られた水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液とを反応させた後、水溶媒中で半水化させて半水石膏を製造する方法において、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減することで、半水石膏に水を加えてから硬化が始まるまでの時間を長くすることを特徴とする半水石膏の製造方法、
(2)半水石膏に含まれる無水石膏の含有量が10重量%以下であることを特長とする(1)に記載の半水石膏の製造方法、
(3)粒径75μm以上の半水石膏粒状物を20重量%以上含有することを特長とする(1)に記載の半水石膏の製造方法である。
本発明によって製造された半水石膏は、品質に影響を及ぼすような第3成分の添加を必要とすることなく半水石膏が硬化し始めるまでの時間が延長されるため、高品質で作業性に優れた石膏の製造が可能となる。
本発明は、半水石膏に含まれる無水石膏の量を低減し、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くすることで、作業性に優れた石膏を製造する方法である。
ここで、半水石膏が硬化し始めるまでの時間とは、JIS−R−9112(2003年)「陶磁器型材用せっこうの物理試験方法」に記載の「流し込み開始時間」測定法に準拠した手法にて計測される、半水石膏に水を加えてから硬化が始まるまでの時間のことであり、測定手法は下記の通りである。
300mlのビーカーに20±1℃の水100mlを入れ、次に試料をビーカーの中に少量ずつ(毎秒6g程度)散布しながら水中に沈め、余剰の上澄み液が全くなくなった時点で散布を中止する。なお、試料の投入に要する時間は1分間とする。試料投入開始から3分間静置した後に棒で撹拌する、撹拌は試料が均一になるまで120回転/分、均一になったら80回転/分とする。終点近くになったら15秒に一度「の」の字を書き、棒の跡がかすかに現れてもただちに消滅するような粘りになった時点を半水石膏が硬化し始めるまでの時間とする。
水酸化カルシウムスラリーは生石灰の消化反応により製造されるが、その条件としては、生石灰を、水/生石灰の重量比1〜30、消化水温度または消化温度85〜100℃、消化時間10〜120分で十分に攪拌混合することが好ましい。
硫酸根を含む水溶液としては、硫酸または硫酸アンモニウム水溶液を用いることが好ましく、カプロラクタム製造工程で副産物として生じた硫酸アンモニウムを水に溶解させ、濃度35%〜42%に調整した硫酸アンモニウム水溶液を反応に用いるのがより好ましい。
水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液との反応は、温度95〜105℃で実施することが好ましい。反応温度が高すぎると、反応速度が速いため半水石膏粒子が微細となり、さらに半水石膏の一部が無水化してしまう。また、反応温度が低すぎる場合には、反応が十分進行せず、未反応の消石灰や硫酸根が残存してしまう。
上記半水石膏を含む反応液は、通常、蒸留してアンモニアを除去した後、二水化される。上記半水石膏を含む反応液を蒸留する方法としては、特に制限はないが、精留塔を用いてアンモニアを除去することが好ましく、多孔板式の精留塔を用いてアンモニアを除去することがより好ましい。蒸留温度は100〜120℃の範囲にあることが好ましい。蒸留温度が低すぎる場合にはアンモニア除去率が低くなり、蒸留温度が高すぎると半水石膏が無水化してしまう。
水溶液中で二水化させる手法としては、水溶液の温度を80〜100℃、pHを4〜5に保つことで、半水石膏を二水化させる手法が好ましい。二水化の温度が高すぎる場合には半水石膏の溶解が遅くなる傾向にあり、低すぎる場合には二水石膏の結晶化が遅くなる傾向にある。また水溶液のpHが上記範囲である場合には、中性の二水石膏が得られる。
二水化後の石膏を含む反応液は、分級することが好ましく、その分級方法としては、液体サイクロンを用いることが好ましい。
水溶媒中で半水化させる手法としては、特に制限はないが、加圧溶液法を用いて、温度100〜120℃、圧力150〜250kPaの条件で二水石膏を半水化させることが好ましい。温度・圧力上記上限以下である場合に、適度に反応を制御でき、優れた品質の半水石膏が得られる。温度・圧力が上記下限以上である場合に、十分に半水化が進行し、粒径の大きい半水石膏が得られる。また、媒晶剤を添加することで、結晶成長の方向を調整し、粒度を成長させることも有効である。媒晶剤としてはコハク酸およびその塩を用いることが好ましい。かくして得られた半水石膏に水を加えてから硬化が始まるまでの時間は、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減することにより、長くすることが可能である。
無水石膏と水とが反応して硬化する速度は、半水石膏と水との反応による硬化速度よりも速いため、無水石膏の含有量が多い半水石膏は硬化が始まるまでの時間が短くなる。このため無水石膏の含有量を低減することで、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を延長することが可能となる。半水石膏に含まれる無水石膏の含有量は、10重量%以下にすることが好ましい。
本発明における半水石膏中の無水石膏含有率は、JIS−R−9101(2000年)に記載の手法で化合水を測定し、以下の式を用いて無水石膏の含有率を計算することにより得られた値とする。
(無水石膏含有率[%])=100−(化合水[%])×145.15/(145.15-136.14)
145.15:α石膏の分子量 136.14:無水石膏の分子量
(無水石膏含有率[%])=100−(化合水[%])×145.15/(145.15-136.14)
145.15:α石膏の分子量 136.14:無水石膏の分子量
半水石膏の乾燥方法としては、熱風受熱式、伝導受熱式、ふく射受熱式などの加熱式乾燥方式による乾燥機を使用することが好ましく、熱媒として高圧スチームを使用した多段円盤乾燥機を用いることがより好ましい。
無水石膏は、主として半水石膏の乾燥工程にて過乾燥、もしくは局所的な過乾燥により半水石膏中の化合水が脱離して生成する。このため、生成した半水石膏の乾燥工程の出力を制御することで、生成した半水石膏の化合水を調整し、無水石膏の含有量を低減する方法があり、半水石膏の乾燥工程において、生成した半水石膏の化合水測定結果を乾燥工程の熱源供給量にフィードバックすることで、化合水を調節し無水石膏の含有量を低下させる手法が好ましい。乾燥器としては乾燥と撹拌を同時に実施できる乾燥機を用いることが好ましく、乾燥工程を経た半水石膏の化合水を5.6%〜6.0%の範囲に保つように、乾燥の熱エネルギーの供給を制御、例えば多段円盤型乾燥機を用いる場合、それに供給する熱媒の圧力を制御しつつ十分な撹拌を実施し、乾燥器から出る半水石膏の温度を135〜145℃の範囲に保つことで過度の乾燥や局所的な過乾燥による無水石膏副成を防止し、さらに十分な撹拌を実施することで局所的な過乾燥による無水石膏副成を防止し、無水石膏の含有量を10%以下に制御することが出来る。
乾燥器へ供給する熱媒には特に制限はないが、スチームを用いることが好ましく、圧力300〜550kPaの範囲に調整したスチームを熱媒として供給することがより好ましい。供給圧力が低すぎる場合には乾燥が不十分となり、供給圧力が高すぎる場合には、過乾燥による無水石膏副成を引き起こす。
また、無水石膏の含有量を低減する方法として、無水石膏を含む半水石膏を空気中で長期間エージングして、空気中の水分を吸収させることで無水石膏を半水石膏にする手法を用いても良い。
乾燥機に投入する半水石膏が、粒径の細かいものを多く含んでいると、粒径の大きな石膏粒子よりも比表面積が大きいため、乾燥工程において過度の乾燥を受けやすくなり、無水石膏の含有量が増加する。その結果、粒径の細かいものを多く含む半水石膏は、水を加えたときに硬化し始めるまでの時間が短くなる。このため、水を加えたときに硬化し始めるまでの時間を長くするためには、粒径の大きい半水石膏粒状物の含有量が多い方が好ましく、乾燥・粉砕後の石膏が、粒径75μm以上の半水石膏粒状物を20重量%以上含んでいるように粉砕することがより好ましい。半水石膏の粒径を測定する方法は特に限定されないが、上記値はレーザー粒度測定装置を使用して測定し、粒度分布を求めて得られる値とする。
粒径の大きい半水石膏の含有量を調整する方法は特に指定はしないが、ボールミル、ロールミル、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、ターボミル等の粉砕器を用いることで目的の粒度を得られるように調整するのが好ましい。また、半水石膏を直接あるいは粉砕後に、篩や重力、慣性力、遠心力などを用いた分級操作を実施することで粒度を調整しても良く、乾燥後の半水石膏を、ピンミルを用いて粉砕し、粉砕後の半水石膏をサイクロンを用いて分級する事で、粒径75μm以上の半水石膏を20重量%以上含むようにすることがより好ましい。以下、本発明の一実施形態を説明する。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
生石灰(CaO含有率97.5重量%)を、水/生石灰の重量比7、消化温度88℃にて消化し、濃度40重量%の硫酸アンモニウム溶液と温度100℃の反応槽にて反応させた。得られた後の半水石膏を含む反応液を、塔底温度110℃の多孔板式蒸留塔を用いて蒸留し、液中のアンモニアを除去した。さらに反応液に硫酸を添加してpHを6に調整した後、結晶槽に送り込み、温度90℃、pH5.5の条件で二水化させた。得られた二水石膏を含む反応液を、スラリー濃度50重量%となるように分級した後、反応温度100℃、反応圧力200kPaの条件で半水化を行った。得られた半水石膏(半水石膏)を熱水フラッシングによりスラリー濃度75%まで濃縮した後、2段円盤乾燥機(玉川マシナリー製)に供給した。乾燥機の熱源にスチームを用い、供給圧力を450〜550kpaの範囲に調整して乾燥を実施した。乾燥器出の半水石膏の温度は140℃であった。この半水石膏を、ピンミル(奈良機械社製 M−5型)を用いて粉砕した後、サイクロン(木村化工機製)に供給し分級した後、保管のためにサイロに投入した。
生石灰(CaO含有率97.5重量%)を、水/生石灰の重量比7、消化温度88℃にて消化し、濃度40重量%の硫酸アンモニウム溶液と温度100℃の反応槽にて反応させた。得られた後の半水石膏を含む反応液を、塔底温度110℃の多孔板式蒸留塔を用いて蒸留し、液中のアンモニアを除去した。さらに反応液に硫酸を添加してpHを6に調整した後、結晶槽に送り込み、温度90℃、pH5.5の条件で二水化させた。得られた二水石膏を含む反応液を、スラリー濃度50重量%となるように分級した後、反応温度100℃、反応圧力200kPaの条件で半水化を行った。得られた半水石膏(半水石膏)を熱水フラッシングによりスラリー濃度75%まで濃縮した後、2段円盤乾燥機(玉川マシナリー製)に供給した。乾燥機の熱源にスチームを用い、供給圧力を450〜550kpaの範囲に調整して乾燥を実施した。乾燥器出の半水石膏の温度は140℃であった。この半水石膏を、ピンミル(奈良機械社製 M−5型)を用いて粉砕した後、サイクロン(木村化工機製)に供給し分級した後、保管のためにサイロに投入した。
サイロで10時間保管した後、取り出した半水石膏の化合水を、JIS−R−9101(2000年)に記載の手法で測定したところ、5.82%であり、計算される無水石膏含有率は、6.3重量%であった。また粒度をレーザー粒度測定装置(堀場製作所社製LA−920型)にて粒度を測定したところ、粒径が75μm以上の半水石膏粒子の含有量は20.4重量%であり、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を測定したところ、4分45秒であった。
比較例1
乾燥機のスチーム供給圧力を560kPa以上にする以外は、実施例1と同様の手法で半水石膏を製造した。
乾燥機のスチーム供給圧力を560kPa以上にする以外は、実施例1と同様の手法で半水石膏を製造した。
乾燥器出の半水石膏の温度は146℃であり、分級後にサイロで10時間保管した後、取り出した半水石膏の化合水を、JIS−R−9101に記載の手法で測定したところ、5.45重量%であり、計算される無水石膏含有率は、12.2重量%であった。また粒度をレーザー粒度測定装置(堀場製作所社製LA−920型)にて粒度を測定したところ、粒径が75μm以上の半水石膏粒子の含有量は20.3重量%であり、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を測定したところ、3分45秒であった。
実施例2
生石灰(CaO含有率97.8重量%)を、水/生石灰の重量比7、消化温度87℃にて消化し、濃度40%の硫酸アンモニウム溶液と温度100℃の反応槽にて反応させた。得られた後の半水石膏を含む反応液を、塔底温度110℃の多孔板式蒸留塔を用いて蒸留し、液中のアンモニアを除去した。さらに反応液に硫酸を添加してpHを6に調整した後、結晶槽に送り込み、温度90℃、pH5.5の条件で二水化させた。得られた二水石膏を含む反応液を、スラリー濃度50重量%なるように分級した後、反応温度100℃、反応圧力200kPaの条件で半水化を行った。得られた半水石膏を熱水フラッシングによりスラリー濃度75重量%まで濃縮した後、2段円盤乾燥機(玉川マシナリー製)に供給して乾燥した。乾燥器出の半水石膏の温度は142℃であった。この半水石膏を、ピンミル(奈良機械社製 M−5型)を用いて粉砕した後、供給圧力2〜5kPaの範囲でサイクロン(木村化工機製)に供給して分級した後、保管のためにサイロに投入した。
生石灰(CaO含有率97.8重量%)を、水/生石灰の重量比7、消化温度87℃にて消化し、濃度40%の硫酸アンモニウム溶液と温度100℃の反応槽にて反応させた。得られた後の半水石膏を含む反応液を、塔底温度110℃の多孔板式蒸留塔を用いて蒸留し、液中のアンモニアを除去した。さらに反応液に硫酸を添加してpHを6に調整した後、結晶槽に送り込み、温度90℃、pH5.5の条件で二水化させた。得られた二水石膏を含む反応液を、スラリー濃度50重量%なるように分級した後、反応温度100℃、反応圧力200kPaの条件で半水化を行った。得られた半水石膏を熱水フラッシングによりスラリー濃度75重量%まで濃縮した後、2段円盤乾燥機(玉川マシナリー製)に供給して乾燥した。乾燥器出の半水石膏の温度は142℃であった。この半水石膏を、ピンミル(奈良機械社製 M−5型)を用いて粉砕した後、供給圧力2〜5kPaの範囲でサイクロン(木村化工機製)に供給して分級した後、保管のためにサイロに投入した。
サイロで10時間保管した後、取り出した半水石膏の化合水を、JIS−R−9101(2000年)に記載の手法で測定したところ、5.90%であり、計算される無水石膏含有率は、5.0重量%であった。また粒度をレーザー粒度測定装置(堀場製作所社製LA−920型)にて粒度を測定し、分布を求めたところ、粒径が75μm以上の半水石膏粒子の含有率は20.4重量%であり、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を測定したところ、5分であった。
比較例2
乾燥機のスチーム供給圧力を560kPa以上、サイクロンへの供給圧力を2kPa以下とする以外は、実施例2と同様の手法で半水石膏を製造した。
乾燥機のスチーム供給圧力を560kPa以上、サイクロンへの供給圧力を2kPa以下とする以外は、実施例2と同様の手法で半水石膏を製造した。
乾燥器出の半水石膏の温度は147℃であり、サイロで10時間保管した後、取り出した半水石膏の化合水を、JIS−R−9101(2000年)に記載の手法で測定したところ、5.30%であり、計算される無水石膏含有率は、14.6重量%であった。また粒度をレーザー粒度測定装置(堀場製作所社製LA−920型)にて粒度を測定したところ、粒径が75μm以上の半水石膏粒子の含有量は12.7重量%であり、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を測定したところ、3分30秒であった。
本発明によって製造された半水石膏は、品質に悪影響を及ぼす第3成分の添加を必要とすることなく、半水石膏が硬化し始めるまでの時間を長くすることができるため、高品質で作業性に優れた石膏を提供することが可能となる。
Claims (3)
- 生石灰の消化反応により得られた水酸化カルシウムスラリーと硫酸根を含む水溶液とを反応させた後、水溶媒中で半水化させ、さらに乾燥させて半水石膏を製造する方法において、半水石膏に含まれる無水石膏の含有量を低減することで、半水石膏に水を加えてから硬化が始まるまでの時間を長くしたことを特徴とする半水石膏の製造方法。
- 半水石膏に含まれる無水石膏の含有量が10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の半水石膏の製造方法。
- 粒径75μm以上の半水石膏粒状物を20重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の半水石膏の製造方法。
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