以下に添付図面を参照して、本発明に係る放射性物質の搬出装置、放射性物質の搬入装置、放射性物質の格納装置並びに放射性物質の搬送システム及びその方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
本実施形態の放射性廃棄物の搬送システム(放射性物質の搬送システム)は、放射性物質としての放射性廃棄物を小容量の容器から大容量の容器に搬送するものである。放射性廃棄物の搬送システムは、小容量の容器から放射性廃棄物を搬出する放射性廃棄物の搬出装置(放射性物質の搬出装置)と、大容量の容器に放射性廃棄物を搬入する放射性廃棄物の搬入装置(放射性物質の搬入装置)と、小容量の容器から取り出された放射性廃棄物を格納して大容量の容器まで搬送する放射性廃棄物の格納装置(放射性物質の格納装置)とを有している。
図1は、本実施形態の放射性廃棄物の搬送システムに適用される放射性廃棄物の搬出装置を表す概略図、図2は、放射性廃棄物の搬出装置における掴み工具を表す概略図、図3は、放射性廃棄物の搬出装置の作動を表す概略図である。
図1に示すように、小容量の第1容器201は、遮蔽壁202により構成され、内部に放射性廃棄物RW(図3参照)が収容されている。第1容器201は、上部に開口部203が設けられており、開口部203は、水平方向に移動する開閉蓋204により開閉自在となっている。
放射性廃棄物の搬出装置(以下、搬出装置と称する。)11は、第1容器201上に設置可能となっている。搬出装置11は、第1格納容器21と、第1移動装置22と、第1多関節アーム23と、掴み工具24とを備えている。
第1格納容器21は、周囲が遮蔽壁31により構成され、第1入口部32と第1出口部33が設けられている。第1入口部32と第1出口部33は、第1格納容器21の下部に鉛直方向に沿って開口すると共に、水平方向及び鉛直方向にずれている。即ち、第1入口部32は、第1格納容器21における水平方向の一側部で、搬出装置11が第1容器201上に設置されたとき、第1容器201の開口部203に対向する位置に形成されている。第1出口部33は、第1格納容器21における水平方向の他側部で、搬出装置11が第1容器201上に設置されたとき、第1容器201から鉛直方向に所定距離だけ離間する位置に形成されている。
第1格納容器21は、第1入口部32を開閉自在な第1入口部開閉蓋34が設けられている。第1入口部開閉蓋34は、水平方向に移動することで、第1入口部32を開閉可能となっている。第1格納容器21は、第1出口部33を開閉自在な第1出口部開閉蓋35が設けられている。第1出口部開閉蓋35は、水平方向に移動することで、第1出口部33を開閉可能となっている。この第1入口部開閉蓋34と第1出口部開閉蓋35は、図示しない開閉装置により遠隔操作で作動することができる。
第1移動装置22は、第1格納容器21内に配置されており、第1入口部32に向けて配置されている。第1格納容器21は、水平方向の一側部における遮蔽壁31の内壁面に第1レール36が鉛直方向に沿って固定され、第1レール36に第1ガイド37を介して移動フレーム38が移動自在に支持されている。移動体39は、第2ガイド40を介して移動フレーム38に固定された第2レール41に移動自在に支持されている。第1多関節アーム23は、ブラケット42を介して移動体39に支持されている。また、第1格納容器21は、水平方向の他側部で、且つ、鉛直方向の上端部における遮蔽壁31の内壁面にウインチ43が設けられている。ウインチ43は、牽引ワイヤ44の一端部が巻き付けられており、他端部がプーリ45を介して移動体39に連結されている。そのため、ウインチ43を駆動すると、牽引ワイヤ44を介して移動体39を鉛直方向に移動し、第1多関節アーム23を昇降することができる。
第1多関節アーム23は、基端部が第1移動装置22を構成する移動体39のブラケット42に吊り下げ支持されており、先端部に放射性廃棄物RWを掴むことができる掴み工具24が装着されている。第1多関節アーム23は、支持部46がブラケット42に固定され、支持部46に鉛直方向に沿う回転軸芯をもって第1回転部47が回転自在に支持され、第1回転部47に水平方向に沿う回転軸芯をもって第1揺動部48が揺動自在に支持され、第1揺動部48に伸縮部(第1伸縮部)49が支持されている。伸縮部49は、テレスコピック構造をなしており、鉛直方向に沿う回転軸芯をもって第2回転部(水平方向旋回部)50が回転自在に支持され、第2回転部50に水平方向に沿う回転軸芯をもって第2揺動部51が揺動自在に支持され、第2揺動部51に鉛直方向に沿う回転軸芯をもって第3揺動部52が揺動自在に支持され、第3揺動部52に掴み工具24が支持されている。なお、第1多関節アーム23は、各関節部に図示しない駆動モータが装着されており、遠隔操作により作動することができる。
第1多関節アーム23は、第1格納容器21の第1入口部32(第1容器201の開口部203)に対して、鉛直方向の上方に対向して配置されており、第1移動装置22により下降することで、下部が第1入口部32から外部に延出し、開口部203を通して第1容器201内に侵入することができる。このとき、第1多関節アーム23は、少なくとも伸縮部49の一部と第2回転部50と第2揺動部51と第3揺動部52と掴み工具24が第1容器201内に侵入する。また、第1多関節アーム23は、下部が第1出口部33から外部に延出することができる。
掴み工具24は、図2に示すように、第3揺動部52の先端部に固定されている。第3揺動部52は、連結部材53を介して左右一対の支持板54が連結されており、左右一対の支持板54に下向きの円弧形状をなすガイドレール55が固定されている。左右一対の移動部材56は、ガイドレール55に沿って移動自在に支持され、それぞれ円弧形状をなす掴み部57が形成されている。また、一対のエアシリンダ58が左右一対の支持板54に揺動自在に装着され、駆動ロッドの先端部が移動部材56に連結されている。そのため、図2に実線に表す位置から、各エアシリンダ58を伸長すると、移動部材56がそれぞれガイドレール55に沿って移動し、各掴み部57が、図2に二点鎖線に表す位置に移動し、放射性廃棄物RWを掴むことができる。なお、放射性廃棄物RWの掴み工具24は、この構造に限定されるものではない。例えば、掴み部が放射性廃棄物RWの上部や下部を掴んだり、吸引して把持したりする構造であってもよく、また、吸引部が放射性廃棄物RWの上部を吸引し、掴み部が放射性廃棄物RWの側部を掴んで把持するような構成であってもよい。
なお、第1多関節アーム23は、第3揺動部52に図示しない工具交換装置が設けられ、第1格納容器21は、内部に工具箱59が設けられている。そのため、第1多関節アーム23は、工具交換装置により掴み工具24を工具箱59に収納された別の工具に交換することができる。工具箱59は、例えば、すくい上げ工具、破砕工具、切断工具、把持工具などが収納されている。また、第1格納容器21は、第1入口部32に隣接して放射性廃棄物RWを仮置きする仮置台60が設けられている。なお、仮置台60は、図1にて、第1多関節アーム23の右側に配置したが、この位置に限定されるものではなく、仮置台60を、図1にて、第1多関節アーム23の奥側または手前側に配置してもよい。
図4は、本実施形態の放射性廃棄物の搬送システムに適用される放射性廃棄物の搬入装置を表す概略図、図5は、放射性廃棄物の搬入装置の作動を表す概略図、図6は、放射性廃棄物の搬入装置の別の作動を表す概略図である。
図4に示すように、大容量の第2容器211は、遮蔽壁212により構成され、内部に放射性廃棄物RW(図5参照)が収容されている。第2容器211は、上部に開口部213が設けられており、開口部213は、水平方向に移動する開閉蓋214により開閉自在となっている。
放射性廃棄物の搬入装置(以下、搬入装置と称する。)12は、第2容器211上に設置可能となっている。搬入装置12は、第2格納容器61と、第2移動装置62と、第2多関節アーム63と、スロープ64とを備えている。
第2格納容器61は、周囲が遮蔽壁71により構成され、第2入口部72と第2出口部73が設けられている。第2入口部72と第2出口部73は、第2格納容器61の下部に鉛直方向に沿って開口すると共に、水平方向及び鉛直方向にずれている。即ち、第2出口部73は、第2格納容器61における水平方向の一側部で、搬入装置12が第2容器211上に設置されたとき、第2容器211の開口部213に対向する位置に形成されている。第2入口部72は、第2格納容器61における水平方向の他側部で、搬入装置12が第2容器211上に設置されたとき、第2容器211から鉛直方向に所定距離だけ離間する位置に形成されている。
第2格納容器61は、第2入口部72を開閉自在な第2入口部開閉蓋74が設けられている。第2入口部開閉蓋74は、鉛直方向に回動することで、第2入口部72を開閉可能となっている。第2格納容器61は、第2出口部73を開閉自在な第2出口部開閉蓋75が設けられている。第2出口部開閉蓋75は、水平方向に移動することで、第2出口部73を開閉可能となっている。この第2入口部開閉蓋74と第2出口部開閉蓋75は、図示しない開閉装置により遠隔操作で作動することができる。
第2移動装置62は、第2格納容器61内に配置されており、第2出口部73に向けて配置されている。第2格納容器61は、水平方向の一側部における遮蔽壁71の内壁面にレール76が鉛直方向に沿って固定され、レール76にガイド77を介して移動体78が移動自在に支持されている。第2多関節アーム63は、この移動体78に支持されている。なお、図示しないが、第2移動装置62は、第1移動装置22(図1参照)と同様に、第2格納容器61内にウインチが設けられ、牽引ワイヤの端部がプーリを介して移動体78に連結されている。そのため、ウインチを駆動すると、牽引ワイヤを介して移動体78を鉛直方向に移動し、第2多関節アーム63を昇降することができる。
また、第2格納容器61は、放射性廃棄物RWを第2入口部72から内部に取り入れて第2多関節アーム63に搬送する搬送機構79が設けられている。即ち、第2格納容器61は、鉛直方向の上端部における遮蔽壁71の内壁面にレール80が水平方向に沿って固定され、レール80に移動ブロック81が移動自在に支持されている。移動ブロック81は、レール80により水平方向に沿って移動可能であり、吊りワイヤ82を介して把持工具83が吊り下げられている。把持工具83は、放射性廃棄物RWを掴んで第2入口部72から内部に取り入れることができる。
第2多関節アーム63は、基端部が第2移動装置62を構成する移動体78に吊り下げ支持されており、先端部に放射性廃棄物RWを送り出すスロープ64が装着されている。第2多関節アーム63は、支持部84が移動体78に固定され、支持部84に鉛直方向に沿う回転軸芯をもって回転部85が回転自在に支持され、回転部85に伸縮部(第2伸縮部)86が支持されている。伸縮部86は、テレスコピック構造をなしており、複数(本実施形態では、3個)の円筒部87,88,89により構成されている。伸縮部86(円筒部89)は、先端部に水平方向に沿う回転軸芯をもってスロープ64が揺動自在に支持されている。スロープ64は、本体90の先端部に移動体91が軸方向に移動自在に設けられている。スロープ64は、本体90だけで、移動体91をなくしてもよい。なお、第2多関節アーム63は、各関節部に図示しない駆動モータが装着されており、遠隔操作により作動することができる。
第2多関節アーム63は、伸縮部86が各円筒部87,88,89により構成されることから、内部が中空形状となっている。また、移動体78と支持部84と回転部85も、内部に中空部が形成され、伸縮部86と連通している。そのため、第2多関節アーム63は、移動体78と支持部84と回転部85と伸縮部86(円筒部87,88,89)が中空形状をなすことから、内部に空洞となる案内部92(図6参照)が形成されることとなる。また、スロープ64の本体90は、円筒形状をなし、移動体91は、一側部が開口するU字断面形状をなしている。
第2多関節アーム63は、第2格納容器61の第2出口部73(第2容器211の開口部213)に対して、鉛直方向の上方に対向して配置されており、第2移動装置62により下降することで、下部が第2出口部73から外部に延出し、開口部213を通して第2容器211内に侵入することができる。このとき、第2多関節アーム63は、少なくとも伸縮部86の一部とスロープ64が第2容器211内に侵入する。また、把持工具83は、放射性廃棄物RWを掴んだ状態で、第2多関節アーム63の案内部92(図6参照)内を挿通することができる。なお、図4から図6では、把持工具83の構成を明確にするため、把持工具83などを拡大して表している。また、第2多関節アーム63は、下部が第2入口部72から外部に延出することができる。
図7は、本実施形態の放射性廃棄物の搬送システムに適用される放射性廃棄物の格納装置を表す縦断面図、図8は、放射性廃棄物の格納装置を表す図7のVIII−VIII断面図、図9は、放射性廃棄物の格納装置における搬送ローラの駆動系統を表す概略図である。
図7から図9に示すように、放射性廃棄物の格納装置(以下、格納装置と称する。)13は、第1容器201または第2容器211上に設置可能となっている。格納装置13は、第3格納容器101と、第3移動装置102と、仕切装置103とを備えている。
第3格納容器101は、周囲が遮蔽壁111により構成され、出入口部112が設けられている。出入口部112は、第3格納容器101の上部に鉛直方向に沿って開口すると共に、水平方向の端部に設けられている。即ち、出入口部112は、図1に示すように、格納装置13が第1容器201上で搬出装置11に隣接して設置されたとき、第1容器201の開口部203に鉛直方向に対向する位置に形成されている。また、出入口部112は、図4に示すように、格納装置13が第2容器211上で搬入装置12に隣接して設置されたとき、第2容器211の開口部213に鉛直方向に対向する位置に形成されている。図7から図9に示すように、第3格納容器101は、出入口部112を開閉自在な出入口部開閉蓋113が設けられている。出入口部開閉蓋113は、水平方向に移動することで、出入口部112を開閉可能となっている。この出入口部開閉蓋113は、図示しない開閉装置により遠隔操作で作動することができる。
第3移動装置102は、第3格納容器101内に配置されており、出入口部112に向けて配置されており、放射性廃棄物RWを水平方向に移動自在となっている。本実施形態にて、第3移動装置102は、2列の移動装置102A,102Bとから構成されており、各移動装置102A,102Bは、ほぼ同様の構成となっていることから、同様の符号を付けて説明する。
第3格納容器101は、底面上に長手方向に沿って左右一対の支持板114が平行をなして配置され、底面に固定されている。複数の支持ローラ115は、水平をなすと共に水平方向に沿って所定間隔を空けて配置され、軸方向の各端部が左右一対の支持板114に回転自在に支持されている。この複数の支持ローラ115は、上部に放射性廃棄物RWを載置可能であり、各支持ローラ115が自転することで、放射性廃棄物RWを並列方向に移動することができる。なお、第3格納容器101は、出入口部112が各支持ローラ115の並列方向における一端部の上方に対向して設けられている。
複数の支持ローラ115は、移動装置102A,102Bの間に配置された複数のスプロケット116と同軸上に連結されている。第3格納容器101は、各支持ローラ115の並列方向における他端部に駆動モータ117が配置されており、出力軸に駆動スプロケット118が固定されている。そして、複数のスプロケット116と駆動スプロケット118とアイドラ119にチェーン120が掛け回されている。そのため、駆動モータ117を駆動すると、駆動スプロケット118が駆動回転し、回転力がチェーン120を介して各スプロケット116に伝達されて回転し、複数の支持ローラ115を回転することができる。このとき、駆動モータ117を正転駆動し、複数の支持ローラ115を正回転させると、各支持ローラ115上に載置された放射性廃棄物RWを出入口部112から離間する方向に移動することができ、駆動モータ117を逆転駆動し、複数の支持ローラ115を逆回転させると、各支持ローラ115上に載置された放射性廃棄物RWを出入口部112に接近する方向に移動することができる。なお、移動装置102の構成は、上述した構成に限定されるものではない。
また、第3格納容器101は、駆動モータ117の故障時に、放射性廃棄物RWを出入口部112に移動する移動ハンドル131が設けられている。移動ハンドル131は、第3格納容器101の外部に回転自在に設けられており、第3格納容器101の内部に侵入した先端部にボールねじ(図示略)により押し出し部材132が連結されている。そのため、複数の支持ローラ115が回転できなくても、移動ハンドル131を回転すると、押し出し部材132が前進し、放射性廃棄物RWを出入口部112に移動することができる。また、図示しないが、第3格納容器101は、駆動モータ117の故障時に、放射性廃棄物RWを出入口部112から離間する方向に移動する移動ハンドルが設けられている。なお、この駆動モータ117の故障時のための各移動ハンドル131は、片方だけとしてもよく、また、必要に応じてなくしてもよい。
また、第3格納容器101は、第3移動装置102により各支持ローラ115上を移動する放射性廃棄物RW同士の干渉を阻止する仕切装置103としての仕切部材121と、この仕切部材121を鉛直方向に沿って移動する移動機構としてのエアシリンダ122が設けられている。本実施形態にて、仕切装置103は、2列の仕切装置103A,103Bから構成されており、各仕切装置103A,103Bは、ほぼ同様の構成となっていることから、同様の符号を付けて説明する。即ち、左右一対の支持板114は、その上方に連結板123を介して左右一対の取付板124が連結されている。各支持板114と各取付板124は、平行をなしている。エアシリンダ122は、各取付板124上に取付板124の長手方向に所定間隔を空けて複数固定されている。仕切部材121は、取付板124の長手方向に所定間隔を空けて放射性廃棄物RWの移動方向に直交する水平方向に沿って配置され、各端部が各エアシリンダ122の鉛直方向に伸縮する駆動ロッドの先端部に連結されている。そのため各エアシリンダ122を伸縮することで、各仕切部材121を隣接する各放射性廃棄物RWの間の仕切位置と、放射性廃棄物RWより上方の対比位置に移動することができる。なお、放射性廃棄物RW同士の干渉のおそれがない場合、仕切装置103をなくしてもよい。
なお、駆動モータ117とエアシリンダ122は、図示しない操作装置により遠隔操作で作動することができる。
そして、第3格納容器101は、下部に取付ブラケット125により回転軸126が回転自在に支持され回転軸126の各軸端部に車輪127が固定されている。図1に示すように、第1容器201の上面部にレール205が敷設され、また、図4に示すように、第2容器211の上面部にレール215が敷設され、第3格納容器101は、各車輪127により第1容器201のレール205、または、第2容器211のレール215に沿って移動することができる。なお、上述した説明では、各容器201,211の上面部にレール205,215をそれぞれ敷設し、第3格納容器101を各レール205,215から吊り上げて搬送可能としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、第3格納容器101のレールを共用化し、第3格納容器101の車輪127がレールに乗ったままで、第3格納容器101とレールを一体として搬送可能としてもよい。また、このとき、レール付きの台車を用意し、台車を用いて第3格納容器101を搬送してもよい。更に、台車の4隅に昇降ジャッキを設け、この昇降ジャッキにより台車の高さを調整可能としてもよい。
なお、図1に示すように、搬出装置11は、第1出口部33側の下方に格納装置13が配置された状態で、放射性廃棄物RWを搬出装置11から格納装置13に搬送する。そして、格納装置13が満載状態になると、搬出装置11から格納装置13が離間する。このとき、搬出装置11は、第1多関節アーム23の移動位置に応じて重量バランスが崩れる可能性があることから、支持装置151が設けられている。即ち、支持装置151は、搬出装置11における第1格納容器21の第1出口部33側に壁面に設けられており、鉛直方向に伸縮する複数の支持脚152が設けられている。支持装置151は、格納装置13が載置されていない位置で、支持脚152を下方に伸長し、第1容器201上に接地することで、搬出装置11の重量を支持する。
ここで、本実施形態の放射性廃棄物の搬送システムによる搬送方法について説明する。
放射性廃棄物の搬送方法は、放射性廃棄物RWが収容される第1容器201に隣接して搬出装置11を設置する工程と、搬出装置11に隣接して格納装置13を設置する工程と、搬出装置11内の第1多関節アーム23を第1容器201内に侵入させて放射性廃棄物RWを掴む工程と、第1多関節アーム23が掴んだ放射性廃棄物RWを搬出装置11内に取り入れて格納装置13に搬出する工程と、放射性廃棄物RWを収容する第2容器211に隣接して搬入装置12を設置する工程と、格納装置13を搬入装置12に隣接して設置する工程と、搬入装置12内の第2多関節アーム63を第2容器211内に侵入させる工程と、格納装置13内の放射性廃棄物RWを搬入装置12内に取り入れて第2多関節アーム63を用いて第2容器211に搬入する工程とを有する。
ここで、隣接して設置とは、鉛直方向または水平方向に隣り合って配置された状態を表すものである。そして、本実施形態では、搬出装置11や搬入装置12や格納装置13を第1容器201や第2容器211の上部に設置することで、作業性をよくしている。
具体的に説明すると、図1に示すように、まず、放射性廃棄物RWが収容されている第1容器201上に搬出装置11を設置する。また、この第1容器201上で搬出装置11に隣接して格納装置13を設置する。このとき、第1容器201の開口部203と搬出装置11の第1入口部32を一致させて密着させると共に、搬出装置11の第1出口部33と格納装置13の出入口部112を一致させて密着させる。そして、開閉蓋204と第1入口部開閉蓋34を開放して第1容器201と搬出装置11(第1格納容器21)を連通すると共に、第1出口部開閉蓋35と出入口部開閉蓋113を開放して搬出装置11(第1格納容器21)と格納装置13(第3格納容器101)を連通する。
次に、図3に示すように、第1移動装置22を作動して第1多関節アーム23を下降し、先端部を第1格納容器21から開口部203及び第1入口部32を通して第1容器201内に侵入させる。そして、第1多関節アーム23を作動して掴み工具24により第1容器201内にある放射性廃棄物RWを掴む。このとき、第1多関節アーム23は、先端部にカメラ及び照明が設けられており、第1容器201内にある放射性廃棄物RWの載置状態を視認すると共に、掴み工具24により掴んだ放射性廃棄物RWの健全性を視認する。また、第1格納容器21は、内部にカメラ及び照明が設けられており、第1多関節アーム23、第1入口部32、第1出口部33を視認することができる。
ここで、放射性廃棄物RWが破損してその健全性が損なわれている場合、掴み工具24が掴んだ放射性廃棄物RWの把持を解除する。即ち、第1多関節アーム23は、まず、健全性が確保されている放射性廃棄物RWだけを掴む。第1多関節アーム23は、掴み工具24が放射性廃棄物RWを掴むと、第1多関節アーム23を作動すると共に、第1移動装置22を作動して第1多関節アーム23を上昇させ、放射性廃棄物RWを第1格納容器21内に取り込む。
続いて、第1格納容器21内で、第1多関節アーム23を作動し、掴み工具24が掴んでいる放射性廃棄物RWを第1出口部33及び出入口部112を通して格納装置13内に搬出する。このとき、格納装置13は、第3移動装置102が停止しており、放射性廃棄物RWは、複数の支持ローラ115上に載置される。格納装置13は、放射性廃棄物RWが支持ローラ115上に載置されると、仕切装置103により仕切部材121を上昇させた後、駆動モータ117により各支持ローラ115を正回転し、放射性廃棄物RWを出入口部112から離間する方向に所定距離だけ移動する。放射性廃棄物RWが各支持ローラ115上を1個分移動すると、各支持ローラ115の回転を停止し、仕切装置103により仕切部材121を下降させる。上述した搬出装置11における第1移動装置22と第1多関節アーム23の作動、並びに、格納装置13における第3移動装置102と仕切装置103の作動を繰り返し行うことで、第1容器201内の複数の放射性廃棄物RWを搬出装置11により格納装置13に搬出する。
なお、第1多関節アーム23が第1格納容器21内の破損していない放射性廃棄物RWの全てを格納装置13に搬出すると、次に、第1多関節アーム23は、破損している放射性廃棄物RWを格納装置13に搬出する。この場合、新しい空の容器が収容された図示しない格納装置を第1容器201上で搬出装置11に隣接して設置する。そして、第1多関節アーム23により格納装置内の空の容器を搬出装置11内に取り込み、仮置台60上に載置する。第1多関節アーム23は、工具箱59内にあるすくい上げ工具、破砕工具、切断工具などを用いて破損している放射性廃棄物RWを細かく破砕し、仮置台60上の容器に収納する。そして、第1多関節アーム23は、前述した破損していない放射性廃棄物RWの搬出方法と同様に、破砕された放射性廃棄物RWが収納された新しい容器を格納装置13に搬出する。
格納装置13に所定数の放射性廃棄物RWが格納されると、開閉蓋204と第1入口部開閉蓋34を作動して開口部203と第1入口部32を閉止すると共に、第1出口部開閉蓋35と出入口部開閉蓋113を作動して第1出口部33と出入口部112を閉止する。そして、図4に示すように、放射性廃棄物RWをこれから収容する第2容器211上に搬入装置12を設置する。また、第1容器201上に設置されている格納装置13をクレーンなどにより搬送し、第2容器211上で搬出装置11に隣接する位置に設置する。このとき、第2容器211の開口部213と搬入装置12の第2出口部73を一致させて密着させると共に、搬入装置12の第2入口部72と格納装置13の出入口部112を一致させて密着させる。そして、開閉蓋214と第2出口部開閉蓋75を開放して第2容器211と搬入装置12(第2格納容器61)を連通すると共に、第2入口部開閉蓋74と出入口部開閉蓋113を開放して搬入装置12(第2格納容器61)と格納装置13(第3格納容器101)を連通する。
そして、図5に示すように、第2移動装置62を作動して第2多関節アーム63を下降し、先端部を第2格納容器61から開口部213及び第2出口部73を通して第2容器211内に侵入させる。なお、第2多関節アーム63の先端部、第2格納容器61の内部や移動ブロック81(または、把持工具83)のいずれかまたは全てにカメラ及び照明が設けられており、第2容器211内、第2多関節アーム63、第2入口部72、第2出口部73を視認することができる。そして、第2多関節アーム63を作動してスロープ64を第2容器211の底面に沿わせる。このとき、スロープ64は、水平方向に対して1度から10度の範囲の角度にすることが望ましい。続いて、搬送機構79を作動し、吊りワイヤ82に吊り下げられた把持工具83を第2入口部72及び出入口部112を通して格納装置13内に侵入させ、支持ローラ115上の放射性廃棄物RWを掴む。そして、搬送機構79により把持工具83が掴んだ放射性廃棄物RWを格納装置13から取り出し、搬入装置12内に取り込む。
搬送機構79は、把持工具83が掴んで搬入装置12内に取り込んだ放射性廃棄物RWを第2多関節アーム63の案内部92に投入する。すると、放射性廃棄物RWは、第2多関節アーム63の案内部92を通って自由落下し、スロープ64に移動する。スロープ64は、所定の傾斜角度に維持されていることから、放射性廃棄物RWは、この傾斜したスロープ64を滑って第2容器211に搬入される。
また、搬入装置12により放射性廃棄物RWの搬入方法は、上述した方法に限定されるものではない。図6に示すように、第2移動装置62を作動して第2多関節アーム63を下降し、先端部を第2格納容器61から開口部213及び第2出口部73を通して第2容器211内に侵入させる。続いて、搬送機構79を作動し、吊りワイヤ82に吊り下げられた把持工具83を第2入口部72及び出入口部112を通して格納装置13内に侵入させ、支持ローラ115上の放射性廃棄物RWを掴む。そして、搬送機構79により把持工具83が掴んだ放射性廃棄物RWを格納装置13から取り出し、搬入装置12内に取り込む。搬送機構79は、把持工具83が掴んだ放射性廃棄物RWを第2多関節アーム63の案内部92に侵入させ、そのまま案内部92を下降して放射性廃棄物RWを第2容器211に搬入する。
一方、格納装置13は、第3移動装置102にて、仕切装置103により仕切部材121を上昇させた後、駆動モータ117により各支持ローラ115を逆回転し、放射性廃棄物RWを出入口部112に接近する方向に所定距離だけ移動する。放射性廃棄物RWが各支持ローラ115上を1個分移動して出入口部112の真下にくると、各支持ローラ115の回転を停止し、仕切装置103により仕切部材121を下降させる。上述した搬入装置12における第2移動装置62と第2多関節アーム63の作動、並びに、格納装置13における第3移動装置102と仕切装置103の作動を繰り返し行うことで、格納装置13内の複数の放射性廃棄物RWを搬入装置12により第2容器211に搬入する。
なお、上述した各種の作業時に、各容器201,211上に載置された搬出装置11と搬入装置12と格納装置13は、図示しない遮蔽体を配置して遮蔽する必要がある。この遮蔽体は、搬出装置11、搬入装置12、格納装置13から分割して設けることで、搬出装置11と搬入装置12と格納装置13重量を低減することができる。
このように本実施形態の放射性廃棄物の搬出装置にあっては、遮蔽壁31により構成されて第1入口部32及び第1出口部33を有する第1格納容器21と、第1入口部32及び第1出口部33を開閉自在な第1入口部開閉蓋34及び第1出口部開閉蓋35と、第1格納容器21内に第1入口部32に向けて配置される第1移動装置22と、第1移動装置22に支持されて先端部が第1入口部32から外部に延出自在な第1多関節アーム23と、第1多関節アーム23の先端部に設けられて放射性廃棄物RWを掴む掴み工具24とを設けている。
従って、遮蔽壁31により構成された第1格納容器21内に掴み工具24を有する第1多関節アーム23が第1移動装置22により移動自在に格納されることから、搬出装置11の構成を簡素化することができる。また、第1多関節アーム23が格納された第1格納容器21を放射性廃棄物RWが収容された第1容器201の上部に設置した後、第1入口部開閉蓋34により第1入口部32を開放し、第1多関節アーム23の先端部を第1容器201内に侵入させて掴み工具24により放射性廃棄物RWを掴み、この放射性廃棄物RWを第1格納容器21内に搬入することができ、作業の効率化を図ることができる。その結果、作業者に対する被ばくが低減され、作業の安全性の向上を図ることができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬出装置では、第1入口部32及び第1出口部33は、鉛直方向に沿って開口すると共に、水平方向及び鉛直方向にずれて設けられる。従って、第1格納容器21の第1入口部32と第1出口部33の開口方向が同じ鉛直方向であることから、外部の放射性廃棄物RWを第1入口部32から第1格納容器21に入れる方向と、放射性廃棄物RWを第1出口部33から出す方向が同方向となり、第1多関節アーム23の操作性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬出装置では、第1移動装置22は、第1多関節アーム23を鉛直方向に沿って移動自在であり、第1多関節アーム23は、掴み工具24を鉛直方向に沿って移動自在な伸縮部49を有している。従って、第1移動装置22により第1多関節アーム23を鉛直方向に沿って移動することで第1多関節アーム23の先端部を第1容器201内に侵入させ、この状態で伸縮部49により掴み工具24を鉛直方向に沿って移動することから、掴み工具24の可動範囲を拡大して作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬出装置では、第1多関節アーム23は、伸縮部49より先端部側に第2回転部50と第2揺動部51と第3揺動部52を有している。従って、第1格納容器21の第1容器201内に侵入した伸縮部49より先端部側で掴み工具24が移動することとなり、掴み工具24の作動性を向上することができる。
また、本実施形態の放射性廃棄物の搬入装置にあっては、遮蔽壁71により構成されて第2入口部72及び第2出口部73を有する第2格納容器61と、第2入口部72及び第2出口部73を開閉自在な第2入口部開閉蓋74及び第2出口部開閉蓋75と、第2格納容器61内に第2出口部73に向けて配置される第2移動装置62と、第2移動装置62に支持されて先端部が第2出口部73から外部に延出自在な第2多関節アーム63と、第2多関節アーム63の先端部に設けられて放射性廃棄物RWを送り出すスロープ64とを設けている。
従って、遮蔽壁71により構成された第2格納容器61内にスロープ64を有する第2多関節アーム63が第2移動装置62により移動自在に格納されることから、搬入装置12の構成を簡素化することができる。また、第2多関節アーム63が格納された第2格納容器61を第2容器211の上部に設置した後、第2出口部開閉蓋75により第2出口部73を開放し、第2多関節アーム63の先端部を第2容器211内に侵入させてスロープ64を用いて放射性廃棄物RWを第2容器211内にゆっくりと搬入することができ、作業の効率化を図ることができる。その結果、作業者に対する被ばくが低減され、作業の安全性の向上を図ることができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬入装置では、第2多関節アーム63は、スロープ64に連通する案内部92を有している。従って、放射性廃棄物RWが第2多関節アーム63に受け渡されると、放射性廃棄物RWは、案内部92を通ってスロープ64に移動することとなり、放射性廃棄物RWに損傷を与えることなく安全に搬出することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬入装置では、放射性廃棄物RWを第2入口部72から取り入れて案内部92に搬送する搬送機構79を設けている。従って、第2入口部72から取り入れられた放射性廃棄物RWは、搬送機構79により案内部92に搬送されることとなり、放射性廃棄物RWを容易に搬入することができ、作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬入装置では、第2入口部72及び第2出口部73は、鉛直方向に沿って開口すると共に、水平方向及び鉛直方向にずれて設けられる。従って、第2格納容器61の第2入口部72と第2出口部73の開口方向が同じ鉛直方向であることから、放射性廃棄物RWを第2入口部72から第2格納容器61に入れる方向と、放射性物質を第2出口部73から出す方向が同方向となり、第2多関節アーム63の操作性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の搬入装置では、第2移動装置62は、第2多関節アーム63を鉛直方向に沿って移動自在であり、第2多関節アーム63は、スロープ64を鉛直方向に沿って移動自在な伸縮部86を有している。従って、第2移動装置62により第2多関節アーム63を鉛直方向に沿って移動することで第2多関節アーム63の先端部を第2容器211内に侵入させ、この状態で伸縮部86によりスロープ64を鉛直方向に沿って移動することから、スロープ64の可動範囲を拡大して作業性を向上することができる。
また、本実施形態の放射性廃棄物の格納装置にあっては、遮蔽壁111により構成されて出入口部112を有する第3格納容器101と、出入口部112を開閉自在な出入口部開閉蓋113と、第3格納容器101内に出入口部112に向けて配置されて放射性廃棄物RWを水平方向に移動自在な第3移動装置102と、第3移動装置102により移動する放射性廃棄物RW同士の干渉を阻止する仕切装置103とを設けている。
従って、遮蔽壁111により構成された第3格納容器101内に放射性廃棄物RWを移動する第3移動装置102が格納されることから、格納装置13の構成を簡素化することができる。また、第3移動装置102が格納された第3格納容器101を第1容器201の上部に設置した後、第1容器201内にある放射性廃棄物RWを搬出したり、第2容器211に放射性廃棄物RWを搬入したりすることができ、作業の効率化を図ることができる。更に、第3移動装置102により放射性廃棄物RWを移動するとき、仕切装置103により放射性廃棄物RW同士の干渉が阻止され、放射性廃棄物RWの損傷を抑制することができる。その結果、作業者に対する被ばくが低減され、作業の安全性の向上を図ることができる。
本実施形態の放射性廃棄物の格納装置では、出入口部112は、鉛直方向に沿って開口すると共に、第3移動装置102における端部に対向して設けられている。従って、第3移動装置102による放射性廃棄物RWの移動方向と出入口部112の開口方向が直交することから、放射性廃棄物RWの出し入れを容易として作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の格納装置では、第3移動装置102は、出入口部112に対して放射性廃棄物RWを接近移動及び離間移動可能である。従って、第3移動装置102が放射性廃棄物RWを出入口部112に対して接近させたり、離間させたりすることで、放射性廃棄物RWの出し入れを容易として作業性を向上することができる。
本実施形態の放射性廃棄物の格納装置では、仕切装置103は、複数の放射性廃棄物RWの間に配置される仕切部材121と、仕切部材121を鉛直方向に沿って移動するエアシリンダ(移動機構)122とを有している。従って、エアシリンダ122により仕切部材121を鉛直方向に沿って移動することで、仕切部材121を仕切位置と退避位置に移動することができ、作業性を向上することができる。
また、本実施形態の放射性廃棄物の搬送システムにあっては、放射性廃棄物の搬出装置11と、放射性廃棄物の搬入装置12と、放射性廃棄物の格納装置13とを備えている。従って、遮蔽壁31,71,111により構成された格納容器21,61,101内に移動装置22,62,102や多関節アーム23,63などを格納することから、装置の構成を簡素化することができる。また、搬出装置11を第1容器201の上部などに設置した後、第1多関節アーム23を用いて第1容器201内の放射性廃棄物RWを格納装置13内に搬出し、この格納装置13を第2容器211の上部などに設置した後、第2多関節アーム63を用いて格納装置13内の放射性廃棄物RWを第2容器211内に搬入することができ、作業の効率化を図ることができる。その結果、作業者に対する被ばくが低減され、作業の安全性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の放射性廃棄物の搬送方法にあっては、放射性廃棄物RWが収容される第1容器201に隣接して搬出装置11を設置する工程と、搬出装置11に隣接して格納装置13を設置する工程と、搬出装置11内の第1多関節アーム23を第1容器201内に侵入させて放射性廃棄物RWを掴む工程と、第1多関節アーム23が掴んだ放射性廃棄物RWを搬出装置11内に取り入れて格納装置13に搬出する工程と、放射性廃棄物RWを収容する第2容器211に隣接して搬入装置12を設置する工程と、格納装置13を搬入装置12に隣接して設置する工程と、搬入装置12内の第2多関節アーム63を第2容器211内に侵入させる工程と、格納装置13内の放射性廃棄物RWを搬入装置12内に取り入れて第2多関節アーム63を用いて第2容器211に搬入する工程とを有する。従って、装置の簡素化及び作業の効率化を図ることができると共に、作業の安全性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、搬出装置11の各開閉蓋34,35及び搬入装置12の各開閉蓋74,75を水平方向に移動して開閉可能としたが、この構成に限定されるものではなく、開閉蓋を鉛直方向に回動して開閉可能としてもよい。また、搬出装置11の各開閉蓋34,35や搬入装置12の各開閉蓋74,75をなくしてもよい。
また、上述した実施形態では、搬出装置11、搬入装置12、格納装置13を各容器201,211の上部に設置したが、側方の床面に設置してもよい。
また、上述した実施形態では、放射性物質を放射性廃棄物として説明したが、放射性廃棄物に限らず、原子炉燃料などであってもよい。