JP6963751B2 - 圧縮着火式エンジン - Google Patents

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本発明は、圧縮着火式エンジンに関するものである。
エンジンにあっては、特許文献1に示すように、ピストン冠面(頂面)に遮熱材層を形成したものがある。遮熱材層を、例えば中空状粒子を含むものとして構成することにより、断熱性と熱応答性(周囲の熱変化に対する温度変化の応答性)とが両立されて、燃焼性向上や冷損低減の上で好ましいものとなる。
特開2015−081527号公報
ところで、ピストン冠面には、煤が付着しやすいものとなる。特に排気ポートの開口部に対峙する部位やその付近では煤が付着しやすくて偏在しやすいものとなる。ピストン冠面への煤の付着が進行して、煤の堆積量が多くなると、排気ガスの流れが阻害されたり有効圧縮比が変化されることになり、好ましくない。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ピストン冠面に対して煤が堆積しにくいようにした圧縮着火式エンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
シリンダブロックとシリンダヘッドとピストンとにより燃焼室が画成され、
前記燃焼室の中心軸を挟んで、一方側に吸気ポートの開口部が位置されると共に他方側に排気ポートの開口部が位置され、
前記ピストンの冠面に、遮熱材層が形成され、
前記遮熱材層のうち、前記吸気ポートの開口部に対峙する側となる吸気側遮熱材層の厚さが、前記排気ポートの開口部に対峙する側となる排気側遮熱材層の厚さに比して小さくされ、
1つの前記燃焼室に対して、前記排気ポートの開口部が2つとされ、
前記遮熱材層のうち前記2つの排気ポートの開口部への対峙部位の間となる部分の厚さが、前記吸気側遮熱材層の厚さとほぼ同一とされ、
前記遮熱材層が、中空状粒子を含むものとして構成されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、基本的に、ピストン冠面に遮熱材層を形成しておくことにより、冷損低減を図ることができる。また、煤が付着しやすい部位となる排気側遮熱材層の厚さを、煤が付着しにくい部位となる吸気側遮熱材層の厚さよりも厚くしておくという簡単な手法により、排気側遮熱材層部分での煤の付着を防止あるいは抑制することができる。また、たとえ排気側遮熱材層部分に煤が付着しても、排気側遮熱材層部分が極めて高温になったときに煤を燃焼させて、煤を除去することができる。そして、吸気側遮熱材層の厚さを、排気側遮熱材層の厚さよりも薄くすることにより、全体的に遮熱材層の厚さを排気側遮熱材層の厚さを同じように設定した場合に比して、遮熱材の使用量を低減して、その分コストを抑えることができる。
以上に加えて、2つの排気ポートの開口部への対峙部位の間となる部分の遮熱材層の厚さを相対的に薄いものとして、遮熱材の使用量を低減する上で好ましいものとなる。さらに、遮熱材層が、中空状粒子を含むものとして構成されていることから、熱応答性を高めて、断熱性による燃焼性向上を得つつ、ピストン冠面がいたずらに高温になったままに維持されてしまう事態を防止することができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記吸気側遮熱材層の厚さが、700μm〜1000μm未満の範囲に設定され、
前記排気側遮熱材層の厚さが、1000μm〜1300μmの範囲に設定されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、断熱性をより十分に高めることができる。また、ピストン冠面の温度が400℃以上であればピストン冠面への煤の付着が防止できることを実験的に確認したが、遮熱材層の厚さを上記のように設定することにより、一般的に行われる定常走行を継続した際にピストン冠面の温度を400℃以上に維持させることが可能となり、煤の付着防止の上で極めて好ましいものとなる。
ピストン冠面の中央部に、中央凹部が形成され、
前記中央凹部における前記遮熱材層の厚さが、前記吸気側遮熱材層の厚さとほぼ同一とされて、前記排気側遮熱材層の厚さよりも薄くされている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、ピストン冠面に中央凹部を有する場合に、遮熱材層の好ましい厚さ分布が提供される。
少なくとも所定の運転領域においてHCCI燃焼が行われる、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、HCCI燃焼を行うことによって、遮熱材層による冷損低減と合わせて燃費向上を十分に図ることができる。また、遮熱材層によって、HCCI燃焼に要求される圧縮熱を十分に確保することができる。
本発明によれば、ピストン冠面に対して煤が堆積してしまう事態を防止あるいは抑制することができる。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す要部側面断面図。 ピストンの冠面を示すもので、吸・排気ポートの開口部との位置関係示す平面図。 遮熱材層の厚さを相違させる参考例を示すもので、図2に対応した平面図。 図3のX4−X4線相当断面図。 遮熱材層の構成を模式的に示す断面図。 本発明の実施形態を示すもので、図3に対応した平面図。
図1において、エンジンEは、シリンダブロック1とシリンダヘッド2とピストン3とにより燃焼室4が画成された往復動型エンジンとされている。シリンダヘッド2には、それぞれ燃焼室4に開口する吸気ポート5および排気ポート6が形成されている。吸気ポート5は吸気弁7により開閉され、排気ポート6は排気弁8により開閉される。吸気ポート4(吸気弁7)は、クランク軸方向となる紙面直角方向に間隔をあけて2個設けられている。同様に、排気ポート6(排気弁8)は、クランク軸方向となる紙面直角方向に間隔をあけて2個設けられている。
ピストン3の頂面つまり冠面3aには、その中央部においてキャビティを構成する中央中央凹部が形成されている。そして、シリンダヘッド2には、中央凹部9の中心部(ピストン3の中央部)に臨ませて、燃料噴射弁10が配設されている。なお、シリンダヘッド2には、2つの吸気ポート5の間に位置させて、点火プラグ(図示略)が配設されている。
エンジンEは、例えばガソリンを燃料とするもので、所定の運転領域で圧縮着火が行われる。より具体的には、エンジン負荷が所定負荷以下となる低負荷領域では、リーン雰囲気((例えば空燃比25〜35)でHCCI燃焼(予混合圧縮自己着火で、Homogeneous Charg Compression Ignition)が行われる。また、エンジン負荷が上記所定負荷よりも大きい高負荷領域では、理論空燃比あるいはその付近の空燃比でもって、点火プラグによるSI燃焼(Spark Ignitionで、通常のガソリンエンジンの場合と同じ燃焼)。なお、高負荷領域でも、HCCI燃焼を行うようにすることもでき、この場合、点火プラグを利用して燃焼開始のタイミング設定を行うことができる(燃焼そのものはHCCI燃焼)。
図2は、ピストン冠面3aを示すものである。この図2において、それぞれ破線によって、吸気ポート5の燃焼室4への開口部位に対峙する対峙部位5a、排気ポート6の燃焼室4への開口部位に対峙する対峙部位6a、および燃料噴射弁10の先端が燃焼室4に臨む位置対峙する対峙部位10aが示される。2つの吸気ポート5への対峙部位5aは、燃焼室4の中心軸を挟んで一方側に配設され、2つの排気ポート6への対峙部位6aは燃焼室4の中心軸を挟んで他方側に配設されている。なお、ピストン冠面3aの外周縁部には、クランク軸方向(図2上下方向)の端部2箇所と、クランク軸と直交する方向の端部2箇所に、それぞれスキッシュエリア3bが形成されている。
図2に示す領域A〜Fにおいて、エンジンEを運転した際に付着する煤の量を計測した。このときのエンジンEの運転条件は1、000rpm、IMEP440kpa、運転継続時間20時間、空燃比20である。まず、領域Aでは、目視によって煤の付着が認められなかった。領域Bでの煤の付着量は、平均13μm、最高で13.4μm、最低で12.2μmであった。領域Cでの煤の付着量は、平均22.6μm、最高で23.7μm、最低で21.5μmであった。領域Dでの煤の付着量は、平均27.1μm、最高で28.3μm、最低で25.7μmであった。領域Eでの煤の付着量は、平均18.6μm、最高で20.3μm、最低で18.3μmであった。領域Fでの煤の付着量は、平均30.2μm、最高で32.1μm、最低で29.5μmであった。
領域C、D、Fで煤の付着量が多いことが理解され、特に排気ポートへの対峙部位6aとピストン3の外側面(シリンダブロック1の内壁面)との間の間隔が狭くなる領域D、Fでの煤の付着量が多いことが理解される。これは、排気ガスの流れが、領域D、Fでは悪くなるための考えられる。また、2つの排気ポートへの対峙部位6aの間の位置となる領域Eが、領域D、Fに比して煤の付着量が少ないのは、領域Eが排気ポートへの対峙部位6aの間に位置して、排気ガスの流れが領域D、Fに比して良好なためと考えられる。
図3、図4に示すように、ピストン冠面3aには、遮熱材層20が形成されている。なお、図3は本発明の参考例を示すものであり、図4では、遮熱材層20の厚さを誇張して描いてある。この遮熱材層20は、全体的に同一の材質のものが用いられて、吸気側は薄く、排気側は厚くなるように形成されている。すなわち、遮熱材層20は、図3ハッチングを付して示す吸気側領域となる第1領域X1の厚さが例えば700μm〜1000μm未満とされる。また、遮熱材層20は、図3ダブルハッチングを付して示す排気側領域となる第2領域X2の厚さが例えば1000μm〜1300μmとされている。なお、遮熱材層20は、スキッシュエリア3bを除いて、ピストン冠面3aの全面に形成されている。遮熱材層20の厚さが大きくされる第2領域X2は、前述した煤の付着量が多くなる領域C、D、Fの他、領域Eを含む範囲とされている。
上記第1領域X1と第2領域X2との境界線が、符号αで示される。この境界線αについて図3を参照しつつ説明する。まず、図3中、ピストン3の中心を通りクランク軸方向に延びる中心線を符号βで示す。境界線αは、凹部10を挟んで、それぞれクランク軸方向に延びる一対の直線状の第1部位α1と第2部位α2を有する。そして、この第一部位α1と第2部位α2とのうち凹部10側の端部同士を連結する湾曲された第3部位α3を有する。第1部位α2と第2部位α2とは、中心線βよりも若干排気ポートへの対峙部位6a側に位置されている。また、第3部位α3は、凹部10の直近で、凹部10に沿う形状に湾曲されている。
なお、凹部10は、外周形状が略円形で、図4に示すようにその外周縁部から中央部に向けて徐々に隆起する形状に設定されているが、凹部10の形状はこれに限定されないものである。また、図3から明かなように、第1領域X1の面積が第2領域X2の面積よりも大きくされているが、この2つの領域の面積割合は適宜設定(変更)することができる。
次に、遮熱材層20の材質等について、図5を参照しつつ説明する。遮熱材層20は、無機酸化物を主体とする中空状粒子23、及び緻密質バインダ材25を含む。遮熱材層20では、緻密質バインダ材25が中空状粒子23を覆い、中空状粒子23同士を結合し、中空状粒子23とピストン冠面3aとを結合することで、ピストン冠面3a上に層構造を成している。緻密質バインダ材25は、中空状粒子23同士の間隙を埋めるようにしてそれらを結合しており、また、緻密質バインダ材25は、非粉末状であって、それ自体が緻密に構成されている。このため、中空状粒子23同士の間や緻密質バインダ材25自体に燃料が通過可能な間隙がなく、その結果、燃焼室4に噴射された燃料が遮熱材層20に浸み込むことを防止できる。
緻密質バインダ材25は、上記のように非粉末状であり、それ自体が緻密に構成されていれば、その材料は特に限定されず、例えばシリコーン系樹脂を用いることができる。シリコーン系樹脂としては、例えばメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマーからなるシリコーン樹脂を好適に用いることができ、具体例としては、例えばポリアルキルフェニルシロキサンを挙げることができる。
無機酸化物を主体とする中空状粒子23としては、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、エアロゲルバルーン等のSi系酸化物成分(例えば、シリカ(SiO2))又はAl系酸化物成分(例えば、アルミナ(Al2O3))を含有するセラミック系中空状粒子を採用することが好ましい(各々の材質及び粒径は特許文献1の表1に開示されているのと同様に設定することができる)。なお、中空状粒子23は、メディアン径が5μm以上30μm以下のものを用いることが好ましく、5μm未満のメディアン径の中空重粒子をさらに追加してもよい。
例えば、フライアッシュバルーンの化学組成は、SiO2;40.1〜74.4%、Al2O3;15.7〜35.2%、Fe2O3;1.4〜17.5%、MgO;0.2〜7.4%、CaO;0.3〜10.1%(以上は質量%)である。シラスバルーンの化学組成は、SiO2;75〜77%、Al2O3;12〜14%、Fe2O3;1〜2%、Na2O;3〜4%、K2O;2〜4%、IgLoss;2〜5%(以上は質量%)である。遮熱材層20には、このような中空状粒子23が60vol%以上75vol%以下の体積比率で含まれている。遮熱材層20の成分としての中空状粒子23の含有量が体積比率で60vol%以上と大きいので、遮熱材層20内に空気層を多く含有できる。このため、遮熱材層20の熱伝導率及び体積比熱を低減することができて、遮熱材層20の断熱性能を向上することができる。また、遮熱材層20における中空状粒子23の体積比率が75vol%以下であるため、中空状粒子23同士を結合する緻密質バインダ材25の量を十分に確保できて、耐久性のある膜を形成することが可能となる。なお、含有させる中空状粒子23の体積比率は、粒子のみかけ密度と緻密質バインダ材25の密度とを測定し、続いて緻密質バインダ材25に対して添加する中空状粒子23の質量から算出することができる。なお、遮熱材層20の強度又は硬度を向上するために、遮熱材層20にフィラー材が含まれていてもよい。
遮熱材層20は、溶射や塗布によって形成することができる。また、遮熱材層20の材質(構造)は、上記したものに限定されるものではない。ただし、中空状粒子23を用いることにより、単に断熱性の向上のみならず、熱応答性(熱変化の応答性)がよくなり、ピストン3やその冠面3aが高温になったままの状態が維持されるのを阻止する上で好ましいものとなる(例えばノッキング防止等に有利)。ちなみに、遮熱材層20として断熱性が良好で熱応答性が悪いもの(例えば中実のセラミック材)を用いると、ピストン3やその冠面3aが高温になったままの状態が維持され続けてしまうおそれが強くなる。なお、スキッシュエリア3bにも遮熱材層20を形成することでき、この場合は、遮熱材層20の厚さは、第1領域X1での遮熱材層20の厚さと同じかそれ以下の厚さとすることもできる。また2つの排気ポートへの対峙部位6aの近くに位置するスキッシュエリア3bにおいては、遮熱材層20の厚さを第2領域X2での厚さと同じ厚さ(1000μm〜1300μm)とする一方、その他のスキッシュエリア3bでの遮熱材層20の厚さを、第1領域X1での厚さと同じ厚さに設定することもできる。
また、遮熱材層20は、その厚みが50μm以上であれば、実用的な断熱効果を得ることが可能であるが、特にピストン冠面3aへの煤の付着防止のために、700μm以上とするのが好ましい。すなわち、実験の結果、ピストン冠面3aの温度が400℃以上であれば、煤の付着を防止できることが確認された。そして、遮熱材層20の厚さを700μm以上とすることにより、頻繁に行われる定常走行中でのエンジンの運転状態を継続したときに、ピストン冠面3aの温度を400度以上に維持することができる。特に、煤が付着しやすい第2領域X2では、遮熱材層20の厚さを1000μm以上とすることにより、煤の付着防止と、付着した煤を燃焼させることによる煤の除去とを行うことが可能になる。
第1領域X1における遮熱材層20の厚さは、1000μm以上とすることも可能であるが、元来煤が付着しにくい領域なので、遮熱材層20の使用量を低減する上で、1000μm未満の厚さとするのが好ましい。
図6は、本発明の実施形態を示すものであり、図3に示す構成要素と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明は省略する。本実施形態では、前記参考例の場合に比して、第1領域X1を、図2における領域E側に向けて拡大したものとなっている。より具体的には、境界線α3の中間部位から、2つの排気ポートへの対峙部位6aの間の領域を形成するように放射状に延びる2本の境界線α4を分岐してある。各境界線α4は、排気ポートへの対峙部位6a(における外周縁部)の直近を通るようにされている。本実施形態では、遮熱材層20のうち厚さの薄い領域を拡大するため、遮熱材層20を形成するための材料節約となる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。本発明が適用されるエンジンとしては、ディーゼルエンジンであってもよい。遮熱材層20の熱容量を相違させるには、その厚さの変更に代えてあるいは加えて、材質(構造)を変更することにより行うこともできる(例えば中空状粒子23の直径や材質を変更したり、その含有割合を変更する)。また、遮熱材層の厚さが厚くされる領域としては、凹部10よりも排気側となる領域のうち、ピストン中心から排気ポートへの対峙部位6aに向けて放射状に延び、しかもこの対峙部位6aを含むような領域であれば、適宜の形状設定とすることができる。特に、排気ポートへの対峙部位6aの中心からピストン3の外側面(シリンダブロック1の壁面)にかけての領域(図2で領域D、Fとして示す領域とその周辺を含む領域)において、遮熱材層20の厚さを他の部位よりも厚く設定することができる。ピストン中心を挟んで、一方側に吸気ポート(吸気弁)、他方側に排気ポート(排気弁)を位置させる場合に、吸気ポートの数は適宜設定できる(例えば、吸気ポートが1つあるいは3以上のもの等)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、圧縮着火式エンジンに適用して好適である。
E:エンジン
1:シリンダブロック
2:シリンダヘッド
3:ピストン
3a:ピストン冠面
3b:スキッシュエリア
4:燃焼室
5:吸気ポート
5a:吸気ポートへの対峙部位
6:排気ポート
6a:排気ポートへの対峙部位
7:吸気弁
8:排気弁
9:凹部
10:燃料噴射弁
20:遮熱材層
X1:第1領域(遮熱材層の薄い領域)
X2:第2領域(遮熱材層の厚い領域)
α:境界線(領域X1とX2との境界線)

Claims (4)

  1. シリンダブロックとシリンダヘッドとピストンとにより燃焼室が画成され、
    前記燃焼室の中心軸を挟んで、一方側に吸気ポートの開口部が位置されると共に他方側に排気ポートの開口部が位置され、
    前記ピストンの冠面に、遮熱材層が形成され、
    前記遮熱材層のうち、前記吸気ポートの開口部に対峙する側となる吸気側遮熱材層の厚さが、前記排気ポートの開口部に対峙する側となる排気側遮熱材層の厚さに比して小さくされ、
    1つの前記燃焼室に対して、前記排気ポートの開口部が2つとされ、
    前記遮熱材層のうち前記2つの排気ポートの開口部への対峙部位の間となる部分の厚さが、前記吸気側遮熱材層の厚さとほぼ同一とされ、
    前記遮熱材層が、中空状粒子を含むものとして構成されている、
    ことを特徴とする圧縮着火式エンジン。
  2. 請求項1において、
    前記吸気側遮熱材層の厚さが、700μm〜1000μm未満の範囲に設定され、
    前記排気側遮熱材層の厚さが、1000μm〜1300μmの範囲に設定されている、
    ことを特徴とする圧縮着火式エンジン。
  3. 請求項1または請求項2において、
    ピストン冠面の中央部に、中央凹部が形成され、
    前記中央凹部における前記遮熱材層の厚さが、前記吸気側遮熱材層の厚さとほぼ同一とされて、前記排気側遮熱材層の厚さよりも薄くされている、
    ことを特徴とする圧縮着火式エンジン。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    少なくとも所定の運転領域においてHCCI燃焼が行われる、ことを特徴とする圧縮着火式エンジン。
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