JP2021161978A - エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却損失の低減を図りつつ、プリイグニッションの発生要因となるようなバルブの高温化を抑止する。【解決手段】エンジンの燃焼室構造は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、ピストン5、吸気バルブ11及び排気バルブ12によって区画される燃焼室6を備える。吸気バルブ11(排気バルブ12)は、バルブヘッド113及びバルブフェース114を有する傘部111を含む吸気バルブ本体110と、バルブヘッド113に配置され、熱伝導率がバルブ本体110よりも小さい断熱層71と、断熱層71が配置されたバルブヘッド113を覆うように配置され、熱伝導率がバルブ本体110及び断熱層71よりも小さい遮熱層72と、断熱層71と遮熱層72との間に配置され、熱伝導率が断熱層71及び遮熱層72よりも大きい熱拡散層73とを含む。熱拡散層73は、吸気バルブ11の閉弁時にシリンダヘッド4に当接する当接部731を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、冷却損失を抑制する遮熱層を備えたエンジンの燃焼室構造に関する。
車両用のガソリンエンジン等の燃焼室では、燃焼室壁面を通した放熱(冷損)を低減することが求められる。冷損の低減のため、ピストンの冠面などの燃焼室壁面に、低熱伝導率の材料からなる遮熱層をコーティングする技術が知られている。遮熱層を設けることで、燃焼室内で発生する燃焼ガスと燃焼室壁面との温度差を小さくし、冷損を低減することができる。
特許文献1には、ピストン冠面に、遮熱層に加えて断熱層を設けてなる燃焼室構造が開示されている。前記遮熱層は、ピストン冠面の全面を覆い、ピストン本体を通した放熱を抑制する。前記断熱層は、前記遮熱層の下方であってピストン冠面の径方向中央領域に配置され、当該中央領域を熱が逃げ難い領域としている。これにより、燃焼室の径方向中央領域が比較的高温で、径方向外側領域が比較的低温となる温度分布が形成される。このような温度分布は、予混合圧縮着火燃焼を実行させる場合に燃焼を緩慢化させ、筒内圧の急上昇や冷損を抑止できる利点がある。
特開2018−172997号公報
エンジンの燃焼室は、吸気バルブ及び排気バルブによっても区画されている。従って、燃焼室の冷損低減には、吸気バルブ及び排気バルブからの放熱も抑止する必要がある。そこで、吸気バルブ及び排気バルブのバルブヘッドにも、特許文献1のように遮熱層及び断熱層を設けることが考えられる。しかし、前記断熱層が過度に熱を蓄熱し、バルブを高温化させる不具合が生じ得る。すなわち、前記遮熱層で遮熱し切れない熱を前記断熱層が蓄熱し、高熱を保有した前記断熱層が前記遮熱層を加温する。この加温によってバルブ自体が高温化し、筒内温度を上昇させてしまう。これにより、吸気行程で取り入れた空気が過度に熱せられ、圧縮行程において過早着火(プリイグニッション)が生じる。
本発明の目的は、冷却損失の低減を図りつつ、プリイグニッションの発生要因となるようなバルブの高温化を抑止できるエンジンの燃焼室構造を提供することにある。
本発明の一局面に係るエンジンの燃焼室構造は、シリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン及びバルブによって区画される燃焼室を備えるエンジンの燃焼室構造であって、
前記バルブは、前記燃焼室に対するポート開口を開閉する部材であって、傘部及び軸部を有し、前記傘部が、前記燃焼室に対向するバルブヘッドと、前記燃焼室とは反対側のバルブフェースと、を含むバルブ本体と、前記バルブヘッドに配置され、熱伝導率が前記バルブ本体よりも小さい断熱層と、前記断熱層が配置された前記バルブヘッドを覆うように配置され、熱伝導率が前記バルブ本体及び前記断熱層よりも小さい遮熱層と、前記断熱層と前記遮熱層との間に配置され、熱伝導率が前記断熱層及び前記遮熱層よりも大きい熱拡散層と、を含み、前記熱拡散層は、前記バルブの閉弁時に前記傘部が前記シリンダヘッドに対して当接する位置まで延設された当接部を備えていることを特徴とする。
この燃焼室構造によれば、熱伝導率が前記バルブ本体及び前記断熱層よりも小さい遮熱層によって、バルブヘッドが覆われる。このため、バルブヘッドと燃焼室との温度差を小さくし、バルブ本体への熱伝達を抑制することができる。また、前記遮熱層を通過した熱は、前記断熱層に蓄熱される。このため、前記遮熱層(バルブヘッド)を高温に維持することができる。一方、断熱層と遮熱層との間には、熱拡散層が介在される。前記熱拡散層は、熱伝導率が前記断熱層及び前記遮熱層の双方よりも大きく、シリンダヘッドに当接する当接部を備えている。このため、前記断熱層が過剰に蓄熱する状態に至ったとしても、前記熱拡散層を通してその熱を前記シリンダヘッドに放熱させることができる。従って、プリイグニッションの発生要因となるようなバルブの高温化を防止することができる。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記シリンダヘッドが、前記バルブ本体の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を備えていることが望ましい。
この燃焼室構造によれば、前記熱拡散層が運ぶ断熱層の熱を、バルブ本体よりもシリンダヘッド側へ積極的に逃がすことができる。
上記エンジンの燃焼室構造において、前記シリンダヘッドは、前記ポート開口に配置され、前記バルブ本体の前記傘部の一部が当接するバルブシートを備え、前記熱拡散層の前記当接部は、前記傘部における前記バルブシートへの当接部分に配置されていることが望ましい。
ポート開口に配置されるバルブシートは、吸気又は排気のポートが閉とされるときに傘部が必ず当接する。従って、前記傘部の前記バルブシートへの当接部分に、前記熱拡散層の当接部を配置することで、バルブ本体から記シリンダヘッドへの確実な放熱ルートを確保することができる。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記バルブが吸気バルブであって、前記遮熱層は、前記傘部の前記バルブフェース上にも配置されていることが望ましい。この場合、前記遮熱層は、さらに前記軸部の上にも配置されていることが望ましい。
この燃焼室構造によれば、吸気バルブのバルブ本体が高温化した場合でも、バルブフェース又は軸部からの放熱を、遮熱層によって抑止することができる。従って、吸気ポートを通過する吸気を吸気バルブが過剰に加温しないようにし、プリイグニッションを防止することができる。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記バルブが排気バルブであって、前記遮熱層は、前記傘部の前記バルブフェース上にも配置されていることが望ましい。この場合、前記遮熱層は、さらに前記軸部の上にも配置されていることが望ましい。
この燃焼室構造によれば、排気バルブの傘部のバルブフェース、さらには軸部の表面温度を、遮熱層によって高温に維持することができる。排気ポートに配置される排気バルブは、燃焼ガスの排気熱により高温に曝される。従って、前記バルブフェース並びに前記軸部にも遮熱層を配置することで、排気バルブのバルブ本体への入熱、つまり冷損を抑制することができる。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記熱拡散層は、前記バルブヘッドにおいて前記断熱層と前記遮熱層との間に配置される第1部分と、前記当接部と、前記バルブフェース及び前記軸部に配置された前記遮熱層の下地層となる第2部分とを含むことが望ましい。
この燃焼室構造によれば、バルブヘッドの熱を熱拡散層の第1部分が受熱し、バルブフェース及び軸部の熱を第2部分が受熱する。前記第1部分及び第2部分が受け取った熱は、前記当接部からシリンダヘッドに逃がされる。排気バルブにあっては、排気ポートを通過する排気から受熱するため、高温化する。また、吸気バルブにあっては、バルブオーバーラップ期間の設定により、燃焼室からの燃焼ガスの吹き戻しガスやEGRガスから受熱するため、高温化し得る。従って、上記第1部分及び第2部分を備えた熱拡散層を具備させることで、排気バルブ又は吸気バルブの過剰な加温を防止することができる。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記バルブが排気バルブであって、前記断熱層及び前記熱拡散層は、前記傘部の全体を覆うように配置され、前記遮熱層は、前記当接部を除いて、前記傘部の全体を覆うように配置されていることが望ましい。この場合、前記断熱層、前記熱拡散層及び前記遮熱層は、前記軸部の少なくとも前記傘部に連なる部分を覆うように配置されていることが望ましい。
この燃焼室構造によれば、バルブの傘部が、前記当接部を除いて、断熱層、熱拡散層及び遮熱層の三層構造で覆われる。より好ましくは、前記軸部の少なくとも前記傘部に連なる部分も、前記三層構造とされる。つまり、燃焼室に対向するバルブヘッドだけでなく、その反対側のバルブフェース、さらには軸部にも断熱層が配置される。従って、バルブフェース並びに軸部上の遮熱層を断熱層によって高温に維持でき、排気バルブにおいて冷損を抑制することができる。また、断熱層が過剰に蓄熱しないよう、熱拡散層による放熱ルートが確保されるので、排気バルブが過度に高温化することはない。
上記のエンジンの燃焼室構造において、前記バルブが、前記バルブ本体に冷媒の封入部を備えた冷却機能付きの排気バルブであり、前記断熱層及び前記熱拡散層は、前記傘部を覆うように配置され、前記遮熱層は、前記当接部を除いて、前記傘部を覆うように配置され、さらに前記遮熱層及び前記熱拡散層は、前記封入部と重複する位置まで延設されていることが望ましい。
この燃焼室構造によれば、断熱層が溜め込んだ熱、或いは遮熱層が受けた熱を、熱流層を介して冷媒の封入部に運ばせることが可能となる。従って、排気バルブが過度に高温化しない構造とすることができる。
本発明によれば、冷却損失の低減を図りつつ、プリイグニッションの発生要因となるようなバルブの高温化を抑止できるエンジンの燃焼室構造を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造が適用されるエンジンを示す概略断面図である。 図2は、図1に示された吸気バルブの詳細を示す断面図である。 図3は、比較例1のバルブを示す一部破断側面図である。 図4は、比較例2のバルブを示す一部破断側面図である。 図5は、比較例の燃焼室構造において発生し得るプリイグニッションの説明図である。 図6は、本発明の実施例1に係るバルブを示す一部破断側面図である。 図7は、実施例1のバルブを用いた場合の熱の挙動を説明するため図である。 図8は、エンジンの燃焼室構造の構成部材に適用可能な材料を示す表形式の図である。 図9は、実施例2に係る吸気バルブを示す一部破断側面図である。 図10は、実施例3に係る吸気バルブを示す一部破断側面図である。 図11は、実施例4に係る排気バルブを示す一部破断側面図である。 図12は、実施例5に係る排気バルブを示す一部破断側面図である。 図13は、実施例6に係る排気バルブを示す一部破断側面図である。
[エンジンの全体構成]
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るエンジンの燃焼室構造が適用されるエンジンを示す概略断面図である。ここに示されるエンジンは、シリンダ及びピストンを含み、自動車等の車両の走行駆動用の動力源として前記車両に搭載される多気筒エンジンである。エンジンは、エンジン本体1と、これに組付けられた図外の吸排気マニホールド及び各種ポンプ等の補機とを含む。
本実施形態のエンジン本体1は、燃焼室内で燃料と空気との混合気に火花で点火する火花点火燃焼(SI燃焼)と、前記混合気を自着火させる予混合圧縮着火燃焼(HCCI燃焼)とを実行させることが可能なエンジンである。エンジン本体1に供給される燃料は、ガソリンを主成分とするものである。大略的に、エンジン本体1では、高負荷又は高回転の運転領域では火花点火燃焼が実行され、中・低負荷で中・低回転の運転領域では予混合圧縮着火燃焼が実行される。なお、本発明は、予混合圧縮着火燃焼を実行することができないエンジンの燃焼室にも適用が可能である。
エンジン本体1は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5を備える。シリンダブロック3は、図1の紙面に垂直な方向に並ぶ複数のシリンダ2(図中ではそのうちの1つのみを示す)を有している。シリンダヘッド4は、シリンダブロック3の上面に取り付けられ、シリンダ2の上部開口を塞いでいる。ピストン5は、各シリンダ2に往復摺動可能に収容されており、コネクティングロッド8を介してクランク軸7と連結されている。ピストン5の往復運動に応じて、クランク軸7はその中心軸回りに回転する。ピストン5の冠面5Hには、シリンダ軸方向の下方に窪んだキャビティ5Cが形成されている。
ピストン5の上方には燃焼室6が形成されている。シリンダヘッド4には、燃焼室6と連通する吸気ポート9及び排気ポート10が形成されている。シリンダヘッド4の底面4a(燃焼室天井面6U)には、燃焼室6に対する開口として、吸気ポート9の下流端である吸気側開口部41(ポート開口)と、排気ポート10の上流端である排気側開口部42(ポート開口)とが形成されている。
シリンダヘッド4には、吸気側開口部41を開閉する吸気バルブ11と、排気側開口部42を開閉する排気バルブ12とが組み付けられている。例えば、ダブルオーバーヘッドカムシャフト式(DOHC)エンジンである場合、吸気側開口部41と排気側開口部42とは、各シリンダ2につき2つずつ設けられると共に、吸気バルブ11および排気バルブ12も2つずつ設けられる。吸気バルブ11及び排気バルブ12の構造については、後記で詳述する。
燃焼室6は、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5によって区画されている。より詳しくは、燃焼室6を区画している燃焼室壁面は、シリンダ2の内壁面、ピストン5の上面である冠面5H、シリンダヘッド4の底面である燃焼室天井面6U、吸気バルブ11及び排気バルブ12の各傘部(バルブヘッド113、123)からなる。
シリンダヘッド4には、吸気バルブ11、排気バルブ12を各々駆動する吸気側動弁機構13、排気側動弁機構14が配設されている。これら動弁機構13、14によりクランク軸7の回転に連動して、吸気バルブ11及び排気バルブ12の各軸部が駆動される。この駆動により、吸気バルブ11のバルブヘッドが吸気側開口部41を開閉し、排気バルブ12のバルブヘッドが排気側開口部42を開閉する。
吸気側動弁機構13には、吸気側可変バルブタイミング機構(吸気側S−VT)15が組み込まれている。吸気側S−VT15は、吸気カム軸に設けられた電動式のS−VTであり、クランク軸7に対する吸気カム軸の回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更することにより、吸気バルブ11の開閉タイミングを変更する。同様に、排気側動弁機構14には、排気側可変バルブタイミング機構(排気側S−VT)16が組み込まれている。排気側SV−T16は、排気カム軸に設けられた電動式のS−VTであり、クランク軸7に対する排気カム軸の回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更することにより、排気バルブ12の開閉タイミングを変更する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6内の混合気に点火エネルギーを供給する点火プラグ17が各シリンダ2につき1つずつ取り付けられている。点火プラグ17は、燃焼室6の径方向中央空間に配置され、その点火点が燃焼室6内に臨む姿勢でシリンダヘッド4に取り付けられている。点火プラグ17は、図外の点火回路からの給電に応じてその先端から火花を放電して、燃焼室6内の混合気に点火する。本実施形態では点火プラグ17は、高負荷・高回転時に火花点火燃焼を実行させる際に使用される。また、予混合圧縮着火燃焼を実行させる際に、エンジンが冷間始動された直後のように自着火が困難な場合や、所定の負荷や速度条件の下で予混合圧縮着火燃焼を補助する場合(スパークアシスト)等に使用される。
シリンダヘッド4には、先端部から燃焼室6内にガソリンを主成分とする燃料を噴射するインジェクタ18が、各シリンダ2につき1つずつ取り付けられている。インジェクタ18には燃料供給管19が接続されている。インジェクタ18は、燃料供給管19を通じて供給された燃料をキャビティ5Cに向けて噴射する。燃料供給管19の上流側には、クランク軸7と連動連結されたプランジャー式のポンプ等からなる高圧燃料ポンプ(図示せず)が接続されている。この高圧燃料ポンプと燃料供給管19との間には、全シリンダ2に共通の蓄圧用のコモンレール(図示せず)が設けられている。このコモンレール内で蓄圧された燃料が各シリンダ2のインジェクタ18に供給されることにより、各インジェクタ18からは、高い圧力の燃料が燃焼室6内に噴射される。
[バルブの詳細構造]
続いて、吸気バルブ11(バルブ)の詳細構造について説明する。なお、排気バルブ12の基本構造も、この吸気バルブ11と同様である。図2は、吸気バルブ11の詳細を示す断面図である。吸気バルブ11(排気バルブ12)は、いわゆるポペットバルブであって、傘部111と軸部112とを有する吸気バルブ本体110(バルブ本体)を備える。
傘部111は、燃焼室6に対向するバルブヘッド113と、燃焼室6とは反対側に位置するバルブフェース114とを備えている。既述の通り、バルブヘッド113は、燃焼室6の一部を区画する燃焼室壁面でもある。軸部112は、傘部111に連結される先端部112Aと、吸気側動弁機構13から駆動力を与えられる基端部112Bとを備える。軸部112は、バルブガイド131によって軸方向へ移動可能に保持されている。
軸部112には、バルブスプリング132が遊嵌されている。バルブスプリング132は、基端部112B付近に固定されたスプリングシート133とシリンダヘッド4の上面との間に介在されている。バルブスプリング132がスプリングシート133を押圧することで、吸気バルブ11は、傘部111が吸気側開口部41を封止する方向(上方向)に付勢されている。
吸気側開口部41の開口縁には、リング状のバルブシート4Sが配置されている。バルブシート4Sには、傘部111の一部が当接する。詳しくは、吸気バルブ11の閉弁時に、バルブフェース114の外周縁付近が、バルブシート4Sの内周壁に当接する。傘部111のバルブシート4Sへの当接により、吸気ポート9と燃焼室6とは遮断され、燃焼室6は気密化される。一方、吸気バルブ11の開弁時には、吸気バルブ11の下降に伴い傘部111はバルブシート4Sから離間し、吸気ポート9と燃焼室6とは連通状態となる。
[バルブの比較例の説明]
本発明の実施形態に係るバルブの説明に先立ち、比較例に係るバルブについて説明する。図3は、比較例1の吸気バルブ11P1(排気バルブも同様)を示す一部破断側面図である。吸気バルブ11P1は、遮熱層720のみを有している。具体的には吸気バルブ11P1は、傘部111と軸部112とを含む吸気バルブ本体110を備え、その傘部111の全体(バルブヘッド113及びバルブフェース114)が遮熱層720によって覆われている。遮熱層720は、耐熱性のシリコーン樹脂のような、吸気バルブ本体110に対して熱伝導率が十分に小さいコーティング層からなる。
吸気バルブ11P1の傘部111、とりわけバルブヘッド113は、燃焼室6と対峙するため、高温に曝される。例えば吸気/排気4バルブ形式のエンジン本体1であれば、4つのバルブヘッド113が占める面積は、燃焼室壁面の全面積に対して相当大きな割合となる。このため、吸気バルブ11P1を通した冷損を抑止する対策を施す必要がある。
傘部111を覆っている遮熱層720は、熱伝導率が小さい層であり、燃焼室6の室内温度に依存して温度変化する。このため、燃焼室6の内の燃焼ガスの温度と傘部111の表面温度との間の温度差を小さくし、吸気バルブ本体110への熱伝達をある程度は遮断することができる。従って、冷損をある程度は低減できる。しかし、一般に遮熱層720は、体積比熱の小さい材料にて形成される薄層である。このため、遮熱層720は蓄熱機能に乏しく、完全には吸気バルブ本体110への熱伝達を遮断することはできず、十分に冷損を低減することはできない。
図4は、比較例2の吸気バルブ11P2(排気バルブも同様)を示す一部破断側面図である。吸気バルブ11P2は、遮熱層720に加えて断熱層710を有している。吸気バルブ11P2の傘部111の全体が遮熱層720によって覆われている点は、比較例1の吸気バルブ11P1と同じである。さらに吸気バルブ11P2は、バルブヘッド113に対応する領域において、遮熱層720の裏面側に断熱層710が隣接して配置されている。つまり、バルブヘッド113は、断熱層710と、その上の遮熱層720との2層によって覆われている。
断熱層710は、体積比熱の大きい部材からなり、蓄熱性を備える。断熱層710は、遮熱層720を通過した熱を蓄熱する。このため、断熱層710は、バルブヘッド113上に配置された断熱層710を加温(保温)する。従って、バルブヘッド113の表面温度は高温化され、燃焼室6内の燃焼ガスとの温度差を小さくすることができる。換言すると、断熱層710が燃焼室6側から吸気バルブ本体110への熱伝達をブロックし、放熱が抑止される。これにより、冷損を相当程度低減することができる。
しかし、本発明者らの研究によれば、吸気バルブ11P2の構造では、次のような問題が有ることが判明した。燃焼室6内が比較的高温化しない場合、例えば、低負荷の運転領域においてリーンな混合気を用いた予混合圧縮着火燃焼が実行される場合、比較例2の吸気バルブ11P2は有効に機能する。すなわち、断熱層710が適度な蓄熱温度を持ち、遮熱層720を適度に加温する。従って、バルブヘッド113の表面を、冷損の抑制に適した温度に至らせることができる。
これに対し、燃焼室6内が比較的高温化する場合には、高温を蓄熱した断熱層710が過剰に遮熱層720を加温する。エンジン本体1は、例えば、中負荷の運転領域ではリーンな混合気を用いた予混合圧縮着火燃焼を実行し、高負荷の運転領域ではλ=1の火花点火燃焼を実行する。中負荷・高負荷運転時には燃料噴射量が比較的多くなるため、燃焼室6内の燃焼ガスの温度が比較的高くなる。このため、バルブヘッド113も高熱を受けるようになり、断熱層710も高温の熱を蓄熱することになる。このような断熱層710によって遮熱層720が加温されることから、バルブヘッド113の表面温度は相当に高くなる。
図5は、比較例の吸気バルブ11P2を用いた燃焼室構造において中負荷・高負荷運転時に発生し得る現象を示す図である。図5では、吸気バルブ11P2だけでなく、これと同等の構造を備える排気バルブ12P2も示している。排気バルブ12P2は、傘部121と軸部122とを備え、傘部121は吸気バルブ11P2と同様な断熱層710及び遮熱層720を具備しているものとする。
断熱層710が高い熱を蓄熱し、その熱で遮熱層720が加温されると、吸気バルブ11P2及び排気バルブ12P2の各バルブヘッド113、123が高温を帯びるようになる。過剰な高温に加温されたバルブヘッド113、123は、燃焼室6を加熱する熱(図5の矢印H)を発生し、筒内温度を過剰に高くしてしまう。すると、吸気行程中において燃焼室6内に取り入れられた空気の温度が上昇し、圧縮行程でその加温された空気が圧縮されると、プリイグニッションPIGが発生する。つまり、本来の圧縮着火時期よりも早い時期に、混合気の一部に着火してしまう現象が生じる。この場合、エンジン本体1のトルク変動や出力低下等の不具合が生じることがある。
[バルブの実施例の説明]
本実施形態では、吸気バルブ11及び排気バルブ12を通した冷損を低減しつつ、図5に示したプリイグニッションPIGの発生を抑制することが可能な燃焼室構造を提供する。以下に示す実施例1〜6では、上記燃焼室構造を実現可能な吸気バルブ11及び排気バルブ12の各種構造を例示する。
<実施例1>
図6は、実施例1に係る吸気バルブ11を示す一部破断側面図である。図7は、図6における吸気バルブ11の断面部分の拡大図であって、バルブシート4S(シリンダヘッド4)に対する位置関係が示されている。ここに示す吸気バルブ11の構造は、排気バルブ12にも適用できる。吸気バルブ11は、傘部111と軸部112とを含む吸気バルブ本体110と、比較例2でも示した断熱層71及び遮熱層72と、比較例2では具備されていない熱拡散層73とを備えている。
断熱層71は、傘部111のうち、バルブヘッド113に配置されている。断熱層71は、バルブ軸方向に所定の厚みを有し、バルブ軸方向の平面視でバルブヘッド113と同様の円形の形状を有している。断熱層71の円形の外周縁711は、バルブヘッド113(傘部111)の外周縁付近まで延在している。勿論、断熱層71を平面視で円形とするのは一例であり、多角形や他の形状としても良い。また、バルブヘッド113より小サイズの断熱層71としても良く、例えばバルブヘッド113の径方向中央領域だけに断熱層71を配置しても良い。断熱層71のバルブ軸方向の厚さは、例えば1mm〜6mmの範囲から選択することができる。
断熱層71としては、燃焼室6から吸気バルブ11(排気バルブ12)を通して熱が逃げることを抑止(冷損を抑止)する観点からは、熱伝導率が可及的に小さいことが望ましく、少なくとも吸気バルブ本体110(排気バルブ本体120)よりも小さい熱伝導率を有する材料が用いられる。また、バルブヘッド113を高温に維持するという観点からは、断熱層71は、可及的に大きい体積比熱を有していること、すなわち高い蓄熱性を有していることが望ましい。
遮熱層72は、吸気バルブ本体110を通した冷損の抑止のため、断熱層71が配置されたバルブヘッド113を覆うように配置されている。つまり、バルブヘッド113の表面には遮熱層72が露出している。遮熱層72は、バルブヘッド113から吸気バルブ本体110への放熱を抑止するという観点から、吸気バルブ本体110及び断熱層71よりも熱伝導率が小さく設定される。遮熱層72を設けることで、燃焼室6内で発生する燃焼ガスとバルブヘッド113との温度差を小さくし、冷損を低減することができる。遮熱層72のバルブ軸方向の厚さは、例えば0.03mm〜0.25mmの範囲から選択することができる。
熱拡散層73は、その燃焼室側の面が断熱層71に接触すると共に、その反対面が断熱層71に接触するように、断熱層71と遮熱層72との間に配置されている。熱拡散層73は、断熱層71が配置されたバルブヘッド113が高温化しすぎないよう、断熱層71に蓄熱された熱をシリンダヘッド4へ逃がす機能を持つ層である。断熱層71が保有する熱をシリンダヘッド4へ直ちに伝達する観点から、熱拡散層73は熱伝導率が可及的に大きいことが望ましい。このため、熱拡散層73は、断熱層71及び遮熱層72よりも大きい熱伝導率を具備する層とされる。熱拡散層73のバルブ軸方向の厚さは、例えば1mm〜5mmの範囲から選択することができる。なお、熱拡散層73は、「熱伝導率/厚さ」で表される熱抵抗が可及的に小さい層であることが、熱拡散を良好とする点で望ましい。このため、熱拡散層73の厚さは、用いる材料の熱伝導率を考慮して設定される。
図7を参照して、熱拡散層73は、バルブヘッド113の外周縁からバルブフェース114の一部に至る位置まで回り込むように延設された当接部731を備えている。バルブフェース114の外周縁(最も径が大きい部分)付近が、傘部111において吸気バルブ11の閉弁時にバルブシート4Sと接触する接触面CP(当接する位置)となる。当接部731は、この接触面CPの位置まで延設されている。つまり、当接部731は、吸気バルブ11の閉弁時にバルブシート4Sの受け面43と直接的に当接する部分に配置されている。熱拡散層73は、断熱層71に蓄えられすぎた熱を受け取り、この熱を当接部731からバルブシート4Sを介してシリンダヘッド4へ放熱する。
上記の放熱動作を、図7に示した矢印D1〜D3に基づき説明する。矢印D1で示すように、遮熱層72は、極めて熱伝導率が小さい層であり、燃焼室6の室内温度に依存して温度変化するため、燃焼室6の内の燃焼ガスから吸気バルブ本体110への熱伝達を相当程度は遮断することができる。つまり、燃焼室6からバルブヘッド113を通した熱の逃げ出しを阻止することができる。これにより、冷熱損失を低減できる。但し、遮熱層72は完全には熱伝達を遮断することはできないので、矢印D2に示すように、ある程度は熱を通過させる。本実施形態では断熱層71が体積比熱の大きい部材からなるため、優れた蓄熱機能を発揮する。このため、遮熱層72を通過した熱(矢印D2)や、周囲の熱が断熱層71に蓄熱される。
すると、熱を保有した断熱層71が、遮熱層72を加熱するようになる。従って、断熱層71が配置されたバルブヘッド113を高温に維持することができる。しかし、比較例2で説明した通り、燃焼ガスの温度が比較的高い運転領域になると、断熱層71は高温の熱を蓄熱する。このため、遮熱層72を過剰に加熱し、プリイグニッションを惹起してしまう。この不具合を防止するため、断熱層71の熱を受け取らせるように、熱拡散層73が断熱層71及び遮熱層72との間に配置される。そして、矢印D3で示すように、当接部731がバルブシート4Sの当接する際に、熱拡散層73が断熱層71から受け取った熱をバルブシート4Sへ放熱させる。その熱は、バルブシート4Sからシリンダヘッド4へ伝熱される。従って、バルブヘッド113が過剰に高温化せず、プリイグニッションの発生を未然に防止することができる。
続いて、燃焼室6の構成部材として好適に用いることができる材料例を示す。シリンダブロック3の基材及びシリンダヘッド4の基材としては、例えば、アルミニウム合金AC4B(熱伝導率=96W/mK、体積比熱=2667kJ/mK)などの金属製母材の鋳造品を用いることができる。また、ピストン5の基材(ピストン本体50)については、アルミニウム合金AC8A(熱伝導率=125W/mK、体積比熱=2600kJ/mK)を用いることができる。
吸気バルブ本体110及び排気バルブ本体120としては、耐熱性、耐摩耗性、耐腐食性に優れた耐熱鋼を用いることができる。例えば、吸気バルブ本体110としては、クロム、シリコーン及び炭素をベースとしたマルテンサイト系の耐熱鋼SUH11(熱伝導率=25W/mK、体積比熱=3850kJ/mK)を用いることができる。また、排気バルブ本体120としては、クロム、ニッケル及び炭素をベースとしたオーステナイト系の耐熱鋼SUH35(熱伝導率=18W/mK、体積比熱=3565kJ/mK)を用いることができる。
上掲の例の通り、シリンダヘッド4が、吸気バルブ本体110及び排気バルブ本体120の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を備えていることが望ましい。熱拡散層73の当接部731は、傘部111のバルブフェース114に接しているので、吸気バルブ本体110へも放熱し得る。しかし、シリンダヘッド4の熱伝導率を、吸気バルブ本体110及び排気バルブ本体120の熱伝導率よりも大きく設定しておくことで、当接部731から、バルブ本体110、120よりもシリンダヘッド4側へ積極的に逃がすことができる。
遮熱層72は、吸気バルブ11又は排気バルブ12の構成部材(吸気バルブ本体110又は排気バルブ本体120、断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73)の中で、最も小さい熱伝導率及び体積比熱を有する材料が選ばれる。つまり、熱を拡散させ難く、熱を溜め込み難い層となるように、遮熱層72の構成材料が選ばれる。遮熱層72としての好ましい熱伝導率の範囲は、0.05〜1.50W/mK、好ましい体積比熱の範囲は500〜1500kJ/mK程度である。
上記の要件を満たす遮熱層72の材料としては、例えば耐熱性のシリコーン樹脂を例示することができる。シリコーン樹脂としては、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂に代表される、分岐度の高い3次元ポリマからなるシリコーン樹脂を例示することができ、例えば、ポリアルキルフェニルシロキサンなどが好適である。このようなシリコーン樹脂に、シラスバルーンのような中空粒子が含まれていても良い。遮熱層72は、例えば断熱層71及び熱拡散層73が形成された傘部111のバルブフェース114に、上記のシリコーン樹脂にてコーティング処理を施すことによって形成することができる。
断熱層71は、熱を拡散させ難い一方で、熱を溜め込み易い層とされる。熱拡散の抑制のため、断熱層71は、遮熱層72よりも大きいものの、吸気バルブ本体110又は排気バルブ本体120よりも極めて小さい熱伝導率を持つ材料が選ばれる。また、良好な蓄熱性を具備させるため、断熱層71は、遮熱層72よりも大きい体積比熱及び熱抵抗を持つ材料が選ばれる。断熱層71としての好ましい熱伝導率の範囲は、0.2〜10W/mK、好ましい体積比熱の範囲は1800〜3500kJ/mK程度である。
上記の要件を満たす断熱層71の材料としては、例えばセラミックス材料を例示することができる。一般に、セラミックス材料は、熱伝導率が低い一方で体積比熱が大きく、また耐熱性にも優れるので、断熱層71として好適である。具体的に、好ましいセラミックス材料は、ジルコニア(熱伝導率=3W/mK、体積比熱=2576kJ/mK)である。この他、窒化ケイ素、シリカ、コージライト、ムライト等のセラミックス材料、或いは、ポーラスなSUS系材料やケイ酸カルシウム等も、断熱層71の形成材料として用いることができる。
熱拡散層73は、断熱層71に蓄熱された熱を当接部731からシリンダヘッド4へ逃がす役目を担うので、熱を拡散させ易い層とされる。このため熱拡散層73は、吸気バルブ11又は排気バルブ12の構成部材の中で最も大きい熱伝導率を持つ層とされる。熱拡散層73として好ましい熱伝導率の範囲は、35〜600W/mK程度である。また、熱拡散層73は、熱抵抗が0.002〜0.06mK/Wの範囲となるように、厚さを設定することが望ましい。上記の要件を満たす熱拡散層73の材料としては、例えば銅系材料(熱伝導率=400W/mK、体積比熱=3500kJ/mK)や、コルソン合金、ベリリウム銅、繊維強化アルミ合金、チタンアルミ等を用いることができる。前記銅系材料を用いる場合、厚さを2mmに設定した場合でも、熱拡散層73の熱抵抗=0.005mK/Wに抑制できるので特に好ましい。
図8に、吸気バルブ本体110及び排気バルブ本体120(バルブ基材)、シリンダブロック3、シリンダヘッド4及びピストン5の基材、断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73の好ましい材料選定例を示す。図8では、これらの材料の熱伝導率λ、体積比熱ρc、熱拡散率(λ/ρc)、Z方向厚さt、熱抵抗(t/λ)及び熱浸透率(√λρc)を示している。なお、熱拡散率の右側の小欄は、遮熱層72の熱拡散率を「1」とした場合の、各層の比率を示している。
<実施例2>
実施例2では、吸気バルブ11として好適な例を示す。図9は、実施例2に係る吸気バルブ11Aを示す一部破断側面図である。吸気バルブ11Aは、傘部111と軸部112とを含む吸気バルブ本体110、断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73を備えている。実施例1と相違する点は、傘部111のバルブフェース114上を覆うように配置されたバルブフェース遮熱層721を備えている点である。
バルブフェース遮熱層721は、傘部111の基端部111A(軸部112の先端部112Aに連結される部分)から、当接部731と一部重なる位置まで、バルブフェース114を覆っている。つまり、当接部731が傘部111の接触面CPにおいて露出している点は、実施例1と同様である。バルブフェース遮熱層721としては、遮熱層72と同じ材料、厚さのものを用いることができる。なお、軸部112の一部(先端部112Aから基端部112Bへ向けて所定長さ)の上まで遮熱層721を延在させても良い。
バルブヘッド113側に断熱層71及び遮熱層72を配置したとしても、吸気バルブ本体110は熱を帯びる。燃焼室6における燃焼ガスの温度が高くなるほど、吸気バルブ本体110は高温化する。図2に示したように、吸気バルブ本体110の傘部111は、閉弁時には吸気ポート9内に位置する。このとき、吸気ポート9内の吸気は、傘部111のバルブフェース114と接する。また、開弁時においても、吸気ポート9から燃焼室6へ流れ込む吸気が、バルブフェース114に吹き当たる。このため、バルブフェース114の表面が高温化していると、吸気の温度を上昇させてしまう。加温されすぎた吸気が吸気行程で燃焼室6に導入されると、圧縮行程においてプリイグニッションが発生し得る。
バルブフェース遮熱層721は、傘部111の保有する熱が、バルブフェース114から外部へ放熱されることを防止する層である。つまり、図9の矢印D4で示すように、バルブフェース遮熱層721は傘部111内に熱を閉じ込める役目を果たす。このため、吸気バルブ11の傘部111が高温化した場合でも、バルブフェース114からの放熱を抑止することができる。従って、吸気ポート9を通過する吸気を吸気バルブ11が過剰に加温しないようにし、前記プリイグニッションを防止することができる。
なお、傘部111の熱は、熱拡散層73の当接部731を通して、ある程度はシリンダヘッド4へ放熱される。この点は、バルブフェース遮熱層721を具備しない実施例1の吸気バルブ11でも同様である。しかし、当接部731を通した放熱は十分でない場合が多いので、本実施例のように、バルブフェース遮熱層721を設けてバルブフェース114からの放熱を抑止することが望ましい。
<実施例3>
実施例3でも、吸気バルブ11として好適な例を示す。図10は、実施例3に係る吸気バルブ11Bを示す一部破断側面図である。吸気バルブ11Bは、傘部111と軸部112とを含む吸気バルブ本体110、断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73を備えている。実施例2と相違する点は、バルブフェース遮熱層721に加えて、軸部112上を覆う軸部遮熱層722を備える点、及び、熱拡散層73がバルブフェース114から軸部112まで延在している点である。
実施例2と同様に、バルブフェース遮熱層721は、当接部731の端縁から基端部111Aまで、バルブフェース114の上に配置されている。軸部遮熱層722は、バルブフェース遮熱層721に連なって、軸部112の上に配置されている。すなわち、バルブフェース遮熱層721及び軸部遮熱層722は、当接部731を除いて、バルブフェース114及び軸部112を覆っている。軸部遮熱層722は、軸部112の先端部112A付近、特にバルブガイド131(図2)から下方に突出する部分を覆っていることが望ましい。
熱拡散層73は、バルブヘッド熱拡散層730(第1部分)、上記の当接部731、バルブフェース熱拡散層732(第2部分)及び軸部熱拡散層733(第2部分)を備えている。バルブヘッド熱拡散層730は、バルブヘッド113において断熱層71と遮熱層72との間に配置される部分である。当接部731は、実施例1,2と同様に、傘部111の接触面CPにおいて露出し、バルブシート4Sと接触する部分である。バルブフェース熱拡散層732は、バルブフェース114上に配置されるバルブフェース遮熱層721の下地層となる部分である。軸部熱拡散層733は、軸部112上に配置される軸部遮熱層722の下地層となる部分である。
吸気バルブ11は、排気ガスから受熱することがある。例えば、バルブオーバーラップ期間の設定により、吸気バルブ11の閉時期が遅延された場合、燃焼室6から吸気ポート9へ燃焼後の排気ガスが吹き戻ることがある。この場合、吹き戻りの排気ガスによって吸気バルブ11が加温される。とりわけ、傘部111が加温される。また、EGRガスによっても吸気バルブ11は加温され得る。このように排気ガスで加温された吸気バルブ11は、吸気を過度に加温することがある。
そこで、第3実施例の吸気バルブ11Bは、熱拡散層73にバルブフェース熱拡散層732及び軸部熱拡散層733を具備させることで、傘部111及び軸部112が受熱した熱を、当接部731からシリンダヘッド4へ逃がす構造としている。すなわち、図10の矢印D4で示すように、バルブフェース遮熱層721は傘部111内に熱を閉じ込める役目を果たす。これは、実施例2と同じである。また、軸部遮熱層722は、矢印D41で示すように、軸部112内に熱を閉じ込める役目を果たす。このため、吸気バルブ11の傘部111及び軸部112が高温化した場合でも、バルブフェース114及び軸部112表面からの放熱を抑止することができる。
一方、バルブフェース遮熱層721及び軸部遮熱層722が排気ガス等との接触によって高温に曝された場合、熱拡散層73が放熱の機能を果たす。すなわち、バルブフェース熱拡散層732がバルブフェース遮熱層721から、軸部熱拡散層733が軸部遮熱層722から各々熱を受け取る。その熱は、矢印D5で示すように、当接部731からシリンダヘッド4に逃がされる。従って、吸気バルブ11Bの過剰な加温を防止することができる。
<実施例4>
実施例4では、排気バルブ12として好適な例を示す。図11は、実施例4に係る排気バルブ12Aを示す一部破断側面図である。排気バルブ12Aは、傘部121と軸部122とを含む排気バルブ本体120と、断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73と、傘部121のバルブフェース124上を覆うように配置されたバルブフェース遮熱層721と、を備えている。実施例4の層構造は、実施例2の吸気バルブ11Aと同じである。
バルブフェース遮熱層721は、傘部121の基端部121Aから、熱拡散層73の当接部731と一部重なる位置まで、バルブフェース124を覆っている。上掲の各実施例と同様に、当接部731は、傘部121のバルブシート4Sへの接触面CPにおいて露出している。なお、軸部122の一部((先端部112Aから基端部112Bへ向けて所定長さ)の上まで遮熱層721を延在させても良い。
排気ポート10に配置される排気バルブ12Aは、燃焼ガスの排気熱により高温に曝される。実施例2とは異なり、ここでのバルブフェース遮熱層721は、傘部121が排気熱を受熱することを抑制する層である。バルブフェース遮熱層721は、高温の排気ガスとの接触により高温化し、排気ガスとバルブフェース124との温度差を小さくする。従って、バルブフェース遮熱層721の配置によって、図11に矢印D6で示すように、バルブフェース124を通して排気熱が傘部121に入熱することを抑制することができる。つまり、冷損を抑制することができる。
<実施例5>
実施例5でも、排気バルブ12として好適な例を示す。図12は、実施例5に係る排気バルブ12Bを示す一部破断側面図である。排気バルブ12Bは、排気バルブ本体120が、当接部731を除いて、断熱層、遮熱層及び熱拡散層の三層構造で覆われた構造を備えている。実施例5では、軸部122の傘部121に連なる部分が前記三層構造で覆われる例を示すが、傘部121だけが前記三層構造で覆われるようにしても良い。
排気バルブ12Bは、断熱層として、バルブヘッド123に対応して配置された断熱層71、この断熱層71の外周縁711からバルブフェース124上に延びて配置されたバルブフェース断熱層712、及び、軸部122上に配置された軸部断熱層713を備えている。また、遮熱層として、バルブヘッド123を覆う遮熱層72に加えて、バルブフェース124を覆うバルブフェース遮熱層721、軸部122を覆う軸部遮熱層722が備えられている。
熱拡散層73は、バルブヘッド熱拡散層730(第1部分)、上記の当接部731、バルブフェース熱拡散層732(第2部分)及び軸部熱拡散層733(第2部分)を備えている。バルブヘッド熱拡散層730は、バルブヘッド123において断熱層71と遮熱層72との間に配置される部分である。当接部731は、傘部121の接触面CPにおいて露出し、バルブシート4Sと接触する部分である。バルブフェース熱拡散層732は、バルブフェース124において、バルブフェース断熱層712とバルブフェース遮熱層721との間に配置されている。軸部熱拡散層733は、軸部122において、軸部断熱層713と軸部遮熱層722との間に配置されている。
バルブフェース遮熱層721は、実施例4と同様に、傘部121が排気熱を受熱することを抑制する層である。バルブフェース遮熱層721の配置によって、図12に矢印D6で示すように、バルブフェース124を通して排気熱が傘部121に入熱することを抑制できる。軸部遮熱層722も同様に、矢印61で示すように、排気熱の軸部122への入熱を抑制する。バルブフェース断熱層712、軸部断熱層713は、それぞれ、バルブフェース遮熱層721、軸部遮熱層722を高温に維持させるために配置されている。バルブフェース断熱層712及び軸部断熱層713は、矢印D7で示すように、バルブフェース遮熱層721及び軸部遮熱層722を通過する熱を蓄熱し、これら遮熱層721、722を加温する。かかる構成により、排気バルブ12Bを通した冷損を確実に抑制することができる。
バルブフェース熱拡散層732及び軸部熱拡散層733は、バルブフェース断熱層712及び軸部断熱層713に蓄熱された熱を放熱するために配置されている。バルブフェース熱拡散層732は、バルブフェース断熱層712及びバルブフェース遮熱層721から熱を受け取る。軸部熱拡散層733は、軸部断熱層713及び軸部遮熱層722から各々熱を受け取る。その熱は、矢印D8で示すように、当接部731からシリンダヘッド4に逃がされる。つまり、バルブフェース断熱層712及び軸部断熱層713が過度に高温に蓄熱した場合でも、熱拡散層732、733による放熱ルートが確保されている。なお、バルブヘッド熱拡散層730が、バルブヘッド123の断熱層71の放熱機能を果たすことは、他の実施例と同じである。従って、プリイグニッションの発生に繋がるような、排気バルブ12Bの過剰な昇温を防止することができる。
<実施例6>
実施例6も、排気バルブ12として好適な例である。図13は、実施例6に係る排気バルブ12Cを示す一部破断側面図である。排気バルブ12Cは、排気バルブ本体120内に、冷媒の封入部125を備えた冷却機能付きの排気バルブである。封入部125は、軸部122から傘部121の基端部121Aよりやや奥側の領域まで延びている。封入部125に封入される冷媒は、例えば金属ナトリウムである。
排気バルブ12Cの断熱層71及び熱拡散層73は、傘部121を覆うように配置されている。遮熱層72は、当接部731を除いて、傘部121を覆うように配置されている。さらに遮熱層72及び熱拡散層73は、封入部125と重複するように、軸部122まで延設されている。つまり、傘部121における封入部125の端縁までは、先の実施例5と同様に、当接部731を除いて断熱層71、遮熱層72及び熱拡散層73の三層構造である。一方、封入部125と重複する部分については、遮熱層72及び熱拡散層73の二層構造である。
詳しくは、バルブフェース124において、バルブフェース熱拡散層732はバルブフェース断熱層712とバルブフェース遮熱層721との間に配置されている。これに対し、軸部熱拡散層733は、その外側面は軸部遮熱層722と接触しているが、内側面は軸部122の表面と接している。つまり、軸部熱拡散層733は封入部125と対向している。
バルブフェース遮熱層721、軸部遮熱層722の配置によって、図13に矢印D6、矢印61で示すように、排気バルブ本体120への入熱を抑制できる。バルブフェース断熱層712は、バルブフェース遮熱層721を通過する熱を蓄熱し(矢印D7)、当該遮熱層721を高温に維持する。バルブフェース断熱層712が過度に高温に蓄熱した場合には、矢印D8で示すように、その熱はバルブフェース熱拡散層732にて伝熱され、当接部731からシリンダヘッド4に逃がされる。
断熱層71及びバルブフェース断熱層712の熱は、熱拡散層73によって封入部125へも放熱される。すなわち、熱拡散層73は、断熱層71に接するバルブヘッド熱拡散層730と、バルブフェース断熱層712に接するバルブフェース熱拡散層732とが当接部731によって繋がれ、封入部125と対向する軸部熱拡散層733を有する。このため、断熱層71、712の熱が軸部熱拡散層733へ運ばれ、矢印D9で示すように、封入部125へ放熱される。軸部遮熱層722が高温に曝された場合も、封入部125へ放熱される。従って、プリイグニッションの発生に繋がるような、排気バルブ12Cの過剰な昇温を防止することができる。
[作用効果]
以上説明した本実施形態に係るエンジンの燃焼室構造によれば、熱伝導率が吸気バルブ本体110、排気バルブ本体120及び断熱層71よりも小さい遮熱層72によって、少なくともバルブヘッド113、123が覆われる。このため、バルブヘッド113、123と燃焼室6内の燃焼ガスとの温度差を小さくし、バルブ本体110、120への熱伝達を抑制することができる。また、遮熱層72を通過した熱は、断熱層71に蓄熱される。このため、遮熱層72(バルブヘッド113、123)を高温に維持することができる。従って、吸気バルブ11及び排気バルブ12を通した冷損を低減できる。
一方、断熱層71と遮熱層72との間には、熱拡散層73が介在される。熱拡散層73は、熱伝導率が断熱層71及び遮熱層72の双方よりも大きく、シリンダヘッド4のバルブシート4Sに当接する当接部731を備えている。このため、断熱層71が過剰な高温を蓄熱する状態に至ったとしても、その熱を熱拡散層73で受け取り、当接部731を通してシリンダヘッド4に放熱させることができる。従って、プリイグニッションの発生要因となるような、吸気バルブ11及び排気バルブ12の高温化を防止することができる。
1 エンジン本体
11、11A、11B 吸気バルブ(バルブ)
110 吸気バルブ本体(バルブ本体)
111 傘部
112 軸部
113 バルブヘッド
114 バルブフェース
12 排気バルブ(バルブ)
120 排気バルブ本体(バルブ本体)
121 傘部
122 軸部
123 バルブヘッド
124 バルブフェース
125 封入部
2 シリンダ
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
4S バルブシート
41 吸気側開口部(ポート開口)
42 排気側開口部(ポート開口)
5 ピストン
6 燃焼室
71 断熱層
72 遮熱層
73 熱拡散層
730 バルブヘッド熱拡散層(第1部分)
731 当接部
732 バルブフェース熱拡散層(第2部分)
733 軸部熱拡散層(第2部分)
CP 接触面(当接する位置)
PIG プリイグニッション

Claims (11)

  1. シリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン及びバルブによって区画される燃焼室を備えるエンジンの燃焼室構造であって、
    前記バルブは、前記燃焼室に対するポート開口を開閉する部材であって、
    傘部及び軸部を有し、前記傘部が、前記燃焼室に対向するバルブヘッドと、前記燃焼室とは反対側のバルブフェースと、を含むバルブ本体と、
    前記バルブヘッドに配置され、熱伝導率が前記バルブ本体よりも小さい断熱層と、
    前記断熱層が配置された前記バルブヘッドを覆うように配置され、熱伝導率が前記バルブ本体及び前記断熱層よりも小さい遮熱層と、
    前記断熱層と前記遮熱層との間に配置され、熱伝導率が前記断熱層及び前記遮熱層よりも大きい熱拡散層と、を含み、
    前記熱拡散層は、前記バルブの閉弁時に前記傘部が前記シリンダヘッドに対して当接する位置まで延設された当接部を備えている、
    エンジンの燃焼室構造。
  2. 請求項1に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記シリンダヘッドが、前記バルブ本体の熱伝導率よりも大きい熱伝導率を備えている、エンジンの燃焼室構造。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記シリンダヘッドは、前記ポート開口に配置され、前記バルブ本体の前記傘部の一部が当接するバルブシートを備え、
    前記熱拡散層の前記当接部は、前記傘部における前記バルブシートへの当接部分に配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記バルブが吸気バルブであって、
    前記遮熱層は、前記傘部の前記バルブフェース上にも配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  5. 請求項4に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記遮熱層は、さらに前記軸部の上にも配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記バルブが排気バルブであって、
    前記遮熱層は、前記傘部の前記バルブフェース上にも配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  7. 請求項6に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記遮熱層は、さらに前記軸部の上にも配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  8. 請求項5又は7に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記熱拡散層は、前記バルブヘッドにおいて前記断熱層と前記遮熱層との間に配置される第1部分と、前記当接部と、前記バルブフェース及び前記軸部に配置された前記遮熱層の下地層となる第2部分とを含む、エンジンの燃焼室構造。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記バルブが排気バルブであって、
    前記断熱層及び前記熱拡散層は、前記傘部の全体を覆うように配置され、
    前記遮熱層は、前記当接部を除いて、前記傘部の全体を覆うように配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  10. 請求項9に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記断熱層、前記熱拡散層及び前記遮熱層は、前記軸部の少なくとも前記傘部に連なる部分を覆うように配置されている、エンジンの燃焼室構造。
  11. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの燃焼室構造において、
    前記バルブが、前記バルブ本体に冷媒の封入部を備えた冷却機能付きの排気バルブであり、
    前記断熱層及び前記熱拡散層は、前記傘部を覆うように配置され、
    前記遮熱層は、前記当接部を除いて、前記傘部を覆うように配置され、
    さらに前記遮熱層及び前記熱拡散層は、前記封入部と重複する位置まで延設されている、エンジンの燃焼室構造。
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