JP4190135B2 - 圧縮自着火エンジン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室において、吸気された新気をピストンによって圧縮し、燃料を自着火させて燃焼させる圧縮自着火エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関であるエンジンは、大きく、火花点火エンジンと、吸気された新気をピストンによって圧縮し、燃料を自着火させて燃焼させる圧縮自着火エンジンとに別けられる。
基本的に、圧縮自着火エンジンは、燃料の自着火を利用するものであるため、Siエンジンよりも圧縮比を高く設定して高効率化を図ることが可能であると共に、燃料を希薄状態で燃焼させ低NOx化が可能である。圧縮自着火エンジンの中でも、ディーゼルエンジンのように圧縮された空気中に軽油等の液体燃料を噴射するのではなく、火花点火エンジンの様に空気と燃料との予混合気をピストンによって圧縮して、予混合気中の燃料を自着火燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンのコンセプトが話題になっている。特に、燃料が天然ガスを主成分とする気体燃料である場合、ディーゼルエンジンのように燃料を高圧で噴射させることは困難であるため、予混合圧縮自着火エンジンのように予混合気を圧縮して自着火燃焼させるほうが容易に構成できる。
【0003】
このような圧縮自着火エンジン、特に予混合圧縮自着火エンジンは、燃料を希薄状態で燃焼させるので、自着火発生後に火炎伝播させて燃料を完全燃焼させることは困難であり、できるだけ多くの燃料を自着火させるために、圧縮比を高く設定したり、新気の過給圧を高く設定したり、燃焼室に供給される前の新気を予熱することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、着火温度が高いメタンを主成分とする天然ガス系の気体燃料を利用する圧縮自着火エンジンにおいては、高圧縮化若しくは高過給化を行う場合、自着火時の新気の圧力を非常に高く設定する必要が有り、自着火発生直後の燃焼室の急激な圧力上昇によりノッキングが発生し、効率低下及び機器の損傷の原因となる。また、燃焼室に供給される新気を予め予熱して、燃料の自着火を促進させる場合、吸気路に熱源等を設ける必要が有り構造が複雑化する。
また、通常、エンジンは、焼付き防止等の理由から、シリンダやシリンダヘッドは冷却水等によって冷却され、ピストンはその下方のエンジンオイル等によって冷却されているので、燃焼室側の壁面付近の燃料は、その壁面に熱を奪われ着火に至り難く、上記の何れの方法によっても、その燃料を充分に自着火させることはできなかった。
【0005】
よって、本発明は、上記の事情に鑑みて、希薄状態の燃料を自着火させても未燃成分の排出が少なく、高効率且つ低NOxの圧縮自着火エンジンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
本発明に係る圧縮自着火エンジンは、請求項1に記載したごとく、燃焼室において、吸気された新気をピストンによって圧縮し、燃料を自着火させて燃焼させる圧縮自着火エンジンであって、
前記燃焼室における燃焼によって発生する熱を蓄熱し、前記吸気された新気に熱を与える蓄熱部材を、前記ピストンの頂部に断熱構造部を介して設け、
前記蓄熱部材が、前記断熱構造部に面する底部と、前記底部から前記燃焼室側に突出した凸部とを有し、
前記凸部が、前記ピストンの頂部の外周部側ほど、前記燃焼室に対する前記蓄熱部材の表面積を拡大するとともに、前記ピストンが上死点に位置する時に前記燃焼室を複数の空間に仕切る壁部として形成されていることを特徴とする。
【0007】
〔作用効果〕
本構成のごとく、圧縮自着火エンジンに上記の蓄熱部材を備えることで、先ず、燃料の自着火後に燃焼室の容積を膨張させてピストンを押し下げる膨張行程、及び、膨張行程後にピストンを上昇させて燃焼室の容積を減少させ燃焼室の排ガスを外部へ排出する排気行程において、蓄熱部材は、燃焼によって発生する熱、言換えれば、燃焼排ガス中の熱の一部を蓄熱して昇温する。
次に、ピストンを降下させて燃焼室の容積を増加させて新気を吸気する吸気行程、及びピストンを上昇させて燃焼室の容積を減少させ新気を圧縮する圧縮行程において、蓄熱部材は、蓄熱した熱を、吸気された新気に与え、圧縮後の新気の温度が充分に自着火に至る程度になるように新気を加熱する。よって、自着火に至らずに未燃成分として排出される燃料を低減させ、効率の向上を図ることができる高効率の圧縮自着火エンジンを実現することができる。
さらに、燃焼排ガスからの蓄熱及び新気への予熱を瞬時に行うことができ、さらに、通常冷却されている燃焼室の壁面と前記高熱伝導率部材との間に、空隙若しくは低熱伝導率材料層等の断熱構造部を設けることで、蓄熱部材が蓄熱した熱が燃焼室壁面に奪われることを防いで、効率よく新気に熱を与えることができ、燃料を充分に自着火に至らしめることができる。
さらに、蓄熱部材は、吸気及び排気バルブ等が存在する燃焼室の天井部よりも、特に何もなく平坦であるピストンの頂部に設けるほうが、簡単に蓄熱部材を設けた本発明の圧縮自着火エンジンを構成することができる。また、ピストンの頂部に蓄熱部材を設ける場合、蓄熱部材を、ピストンの頂部全体に渡って設けられる底部と、底部から燃焼室側へ突出する凸部とを設けて構成することで、燃焼室に対する蓄熱部材の表面積を稼ぎ、燃焼排ガスからの蓄熱及び新気への予熱を良好に行うことができる。
さらに、蓄熱部材の凸部を、ピストンの頂部の中心部よりも外周部側ほど、例えば密集させて分布して、燃焼室に対する蓄熱部材の表面積を拡大するように形成することで、特に冷却され低温であるシリンダに近い側の燃料を確実に自着火に至らしめることができる。
さらに、前記凸部が、前記ピストンが上死点に位置する時に前記燃焼室を複数の空間に仕切る壁部として形成されていることで、圧縮行程後に複数の箇所で発生する自着火による圧力波を、蓄熱部材からなる複数の壁部に衝突させ、その圧力波が燃焼室全体に急激に 伝搬することを防止し、ノッキングを抑制することができる。
【0008】
〔構成2〕
本発明に係る圧縮自着火エンジンは、請求項2に記載したごとく、上記構成1の圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記蓄熱部材が、高熱伝導率材料製の部材であることを特徴とする。
【0009】
〔作用効果〕
本構成のごとく、蓄熱部材を、アルミニウム、鉄、若しくは銅製等の高熱伝導率材料製の部材として構成することができる。
【0010】
〔構成3〕
本発明に係る圧縮自着火エンジンは、請求項3に記載したごとく、上記構成1から2の圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記燃料が、メタンを主成分とする天然ガス系の気体燃料であることを特徴とする。
【0011】
〔作用効果〕
メタンを主成分とする天然ガス系の気体燃料を利用する圧縮自着火エンジンは、着火温度が比較的高いメタンを充分に自着火させるために、圧縮行程後の燃焼室内の温度を例えば800℃程度と充分に高くする必要が有るが、本発明の特徴構成である蓄熱部材によって、燃焼排ガスから蓄熱した熱を、吸気された新気に与え、圧縮後の新気の温度が充分に自着火に至る程度になるように新気を加熱することができるので、天然ガス系の気体燃料を利用した圧縮自着火エンジンにおいて、圧縮比を比較的低く設定することができ、高圧縮比化によるノッキングや機械効率の低下を抑制することができる。
【0012】
〔構成4〕
本発明に係る圧縮自着火エンジンは、請求項4に記載したごとく、上記構成1から3の何れかの圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記燃焼室において、予混合気を圧縮し、前記予混合気内の燃料を自着火させて燃焼させることを特徴とする。
【0013】
〔作用効果〕
燃料と空気の予混合気を圧縮して自着火させる所謂予混合圧縮自着火エンジンは、燃料を希薄状態で自着火燃焼させるので、特に未燃成分が排出されやすいが、本構成のごとく、このような予混合圧縮自着火エンジンを本発明の圧縮自着火エンジンとして構成することで、燃焼排ガスから蓄熱した熱を、吸気された新気に与え、圧縮後の新気の温度が充分に自着火に至る程度になるように新気を加熱することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の圧縮自着火エンジン100の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(イ)に示すエンジン100は、燃焼室11において、予混合気を圧縮し、予混合気内の燃料を自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンであり、吸気弁1及び排気弁2を備えたシリンダヘッド5と、内部にピストン4を収納するシリンダ3とを備え、ピストン4は連結棒8の一端に連結されており、ピストン4の往復動は連結棒8によってクランク軸(図示せず)の回転運動として得られる。この構成により、予混合気は、吸気路13、吸気弁1を介し、燃焼室11へ導かれ、圧縮・膨張行程を経た後、排気弁2、排気路14を介して排気側へ排気される。
【0015】
エンジン100の動作サイクルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を経て、一サイクルを完了するように構成されている。
即ち、前記吸気行程においては、吸気弁1のみが開状態とされて、予混合気の吸気が行われる。圧縮行程においては、吸気弁1及び排気弁2が共に閉状態とされピストン4が燃焼室11内空間を減少させる方向に移動し、燃焼室11内のガスの圧縮が起こる。この圧縮が完了する状態におけるピストン4の位置(図1に示す位置)が、上死点と呼ばれ、予混合圧縮自着火エンジンにおける予混合気の圧縮自着火は、この位置の近傍にピストン4があるタイミングで起こる。膨張行程は、燃焼によって発生する高圧ガスによりピストン4がシリンダ内空間を増加する方向に移動する行程である。この行程にあっても、吸気弁1及び排気弁2が共に閉状態とされる。さらに、排気行程においては、排気弁2のみが開状態とされ、ピストン4の燃焼室11内空間を減少させる方向への移動に伴って燃焼室11内の排ガスが排出される。
以上の行程は、4サイクルエンジンが普通に備える行程であり、基本的に予混合圧縮自着火エンジンも、着火形式が、予混合気の圧縮による自着火(予混合圧縮自着火)である以外、他のエンジンと変わるところはない。
【0016】
このような圧縮自着火エンジン100は、燃料を希薄状態で燃焼させるので、自着火発生後に火炎伝播させて燃料を完全燃焼させることは困難であり、できるだけ多くの燃料を自着火させるために、圧縮後の予混合気が充分に昇温されている必要がある。
一方、シリンダ3及びシリンダヘッド5の内部には冷却水を流通させる水ジャケット3a,5aが設けられており、通常のエンジンと同様に、焼付き防止等の目的で冷却されている。また、ピストン4においても、ピストン4下方のクランクケース(図示せず)内のエンジンオイルによって冷却されている。
よって、燃焼室11の壁面付近の予混合気は、圧縮されて昇温しても、その冷却された壁面に熱を奪われるので、燃料が着火に至り難く、未燃成分として排出され効率低下を招くことになる。
【0017】
そこで、本発明の圧縮自着火エンジン100は、平坦なピストン4の頂部全体に渡って、高熱伝導率材料であるアルミニウム製の蓄熱部材15が設けられている。
詳しくは、図1(ロ)に示す蓄熱部材15の平面図も参照して、蓄熱部材15は、嵌め込み部22とネジ部21とによってピストン4頂部に固定され、ピストン4頂部を覆う円盤状の底部15aと、底部15aの燃焼室11側の面には、燃焼室11側に突出する凸部としての、軸芯を中心とした同心円状の壁部15b,15c,15dとを有して形成され、燃焼室11に対する蓄熱部材15の表面積
を稼ぐ構成になっている。また、壁部15b,15c,15dは、ピストン4の軸芯から半径方向において、ほぼ等間隔に配設されている。
また、蓄熱部材15のピストン4側には、複数の突起部20が設けられており、蓄熱部材11とピストン4との熱の授受を抑制する断熱構造部として、蓄熱部材15とピストン4頂部との間に空隙19が形成されている。
【0018】
上記のように構成することで、エンジン100は、膨張行程及び排気行程において、燃焼室11の燃焼によって発生する熱、言換えれば燃焼排ガス中の熱を、蓄熱部材15の底部15a及び壁部15b,15c,15dに蓄熱する。蓄熱部材15は、上記の空隙19によりピストン4に対して断熱されているので、常に高い温度に維持されることになる。
そして、吸気行程及び圧縮行程において、燃焼室11に吸気された予混合気は、上記の高温の蓄熱部材15によって予熱され、圧縮後の予混合気の温度は、燃料が充分に自着火に至る程度に上昇されることになり、未燃成分の排出を抑制し、効率の向上を図ることができる。
【0019】
燃焼室11の容積は、ピストン4の往復運動によって変化し、ピストン4が上死点位置のときにおいて最小となる。この最小となる燃焼室11において、通常、予混合気が圧縮自着火して圧力波の伝播が発生するが、その圧力波の衝撃的な伝播がノッキングの原因となることがある。
そこで、本発明の圧縮自着火エンジン100は、ピストン4の頂部に設けられた蓄熱部材15の凸部としての壁部15b,15c,15dを、ピストン4の位置が上死点位置のときの燃焼室11を、ピストン4の頂部の面方向、言換えればピストン4の作動方向と直角面方向において、複数の小空間11a,11b,11cに仕切るように構成することで、圧縮行程後に複数の箇所で発生する自着火による圧力波を、蓄熱部材15の壁部15b,15c,15dに衝突させ、その圧力波が燃焼室11全体に急激に伝播することを防止し、ノッキングを抑制することができる。
また、上記の圧力波の伝播の抑制程度を考慮して、壁部15b,15c,に夫
々隙間部16a,16bを設けても構わない。
【0020】
〔実施例〕
上記の構成の本発明の圧縮自着火エンジン100の性能を確認するために、上記の蓄熱部材15を頂部に設けたピストン4を有する本発明の圧縮自着火エンジン100と、比較例としての蓄熱部材15を有さない通常のピストンを有する圧縮自着火エンジンとにおいて、圧縮比を効率が最高となるように圧縮比を設定して、その時の正味効率を測定した。
尚、エンジンの仕様は、以下の通りである。
燃料:天然ガス系気体燃料
着火方式:予混合圧縮自着火
気筒数:1(単気筒)
ボア径:φ106mm
ピストンストローク:110mm
過給圧(吸気圧力):73.5kPa(0.75kgf/cm2 )
吸気温度:90℃
【0021】
結果、比較例の圧縮自着火エンジンは、高効率化のために圧縮比を20.3と高く設定しても正味効率が高々36.8%であったのに対し、本発明の圧縮自着火エンジン100は、圧縮比を17.5と比較的低く設定しても、正味効率が41.5%と非常に高い値であった。
このことで、本発明の圧縮自着火エンジン100は、蓄熱部材15により、燃焼排ガスの熱を蓄熱して、予混合気の予熱に利用し、多くの燃料を自着火させていることが分かり、また、圧縮比を比較的低く設定することができるので、高圧縮比化によるノッキングの発生を抑制することができる。
【0022】
〔別実施の形態〕
次に、本発明の圧縮自着火エンジンの別の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〈1〉 上記の実施の形態で説明した蓄熱部材15の代わりに、図2(イ)(ロ)に示すように、底部15aから燃焼室11側へ突出した同心円状の壁部15b,15c,15d,15eを、ピストン4の軸芯から半径方向において、外側のシリンダ3側に行くほど、間隔が狭くなるように形成した蓄熱部材15を利用することもできる。このような蓄熱部材15は、シリンダ3に近いほど表面積が大きくなっているので、シリンダ3によって熱が奪われて自着火に至らない可能性があるシリンダ3付近の燃料を、積極的に加熱して自着火に至らしめることができ、一層の効率向上を期待することができる。
【0023】
〈2〉 上記の実施の形態で説明した蓄熱部材15の代わりに、図3に示すように、底部15aから燃焼室11側へ突出する凸部としての複数の円柱体15f(凸部の一例)を形成した蓄熱部材15を利用することもでき、この場合は、その円柱体15fによって、燃焼室11に対する表面積を稼いで、燃焼によって発生する熱を蓄熱し、予混合気を加熱することができ、また、この円柱体15fの分布を、シリンダ3側に近い程密にすることで、シリンダ3によって冷却される燃料を自着火に至らしめることができる。
また、この図3に示す蓄熱部材15を備えた圧縮自着火エンジン100において、上記の実施例と同仕様のエンジンを利用して、圧縮比を効率が最高となるように圧縮比を設定して、その時の正味効率を測定した。
結果、圧縮比を17.0と比較的低く設定しても、正味効率が41.8%と非常に高い値であった。
【0024】
〈3〉 上記の実施の形態において、本発明において、着火温度が高い燃料でも充分に加熱した自着火させることができることを確認するために、燃料として着火温度が高く燃料を充分に自着火させ難いメタンを主成分とした天然ガス系の気体燃料を利用した構成を示したが、本発明の圧縮自着火エンジンは利用する燃料を限定するものではなく、天然ガス以外のガソリン、プロパン、メタノール、水素、軽油等、任意の炭化水素系燃料も利用することができる。
【0025】
〈4〉 上記の実施の形態においては、本発明の圧縮自着火エンジンを、燃料と空気との予混合気を燃焼室に吸気し、圧縮して燃料を自着火させる予混合圧縮自着火エンジンとして構成したが、別に、燃料及び空気を別々に、例えば、吸気路から空気のみを吸気し、燃焼室に燃料を直接噴射して予混合気を形成し、その予混合気を圧縮自着火させる予混合圧縮自着火エンジンとして構成することもでき、さらに、圧縮行程後の燃焼室に燃料を噴射して着火させるディーゼルエンジンとして構成することもできる。
【0026】
〈5〉 上記の実施の形態においては、本発明の圧縮自着火エンジンを、所謂、4サイクルエンジンとして説明したが、本願は、2サイクルエンジンにおいても適応可能である。
【0027】
〈6〉 上記の実施の形態において、蓄熱部材15の材質をアルミニウム製とした構成を説明したが、蓄熱部材の材質としては、アルミニウム以外に、鉄若しくは銅等の高熱伝導率材料製とすることができる。
また、蓄熱部材15の断熱構造部として、蓄熱部材15とピストン4頂部の間に空隙19を設けた構成を説明したが、別に空隙19の代わりに、低熱伝導率材料層を設けることもでき、例えば、アルミナファイバーを圧縮成型したものや窒化珪素等製の層を設けて断熱構造部とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧縮自着火エンジンの実施の形態を示す概略断面図
【図2】 本発明の圧縮自着火エンジンの別の実施の形態を示す概略断面図
【図3】 本発明の圧縮自着火エンジンに設けられた蓄熱部材の別の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 吸気弁
2 排気弁
3 シリンダ
4 ピストン
5 シリンダヘッド
8 連結棒
11 燃焼室
15 蓄熱部材
15a 底部
15b 壁部
15c 壁部
15d 壁部
15e 壁部
15f 円柱体(凸部)

Claims (4)

  1. 燃焼室において、吸気された新気をピストンによって圧縮し、燃料を自着火させて燃焼させる圧縮自着火エンジンであって、
    前記燃焼室における燃焼によって発生する熱を蓄熱し、前記吸気された新気に熱を与える蓄熱部材を、前記ピストンの頂部に断熱構造部を介して設け、
    前記蓄熱部材が、前記断熱構造部に面する底部と、前記底部から前記燃焼室側に突出した凸部とを有し、
    前記凸部が、前記ピストンの頂部の外周部側ほど、前記燃焼室に対する前記蓄熱部材の表面積を拡大するとともに、前記ピストンが上死点に位置する時に前記燃焼室を複数の空間に仕切る壁部として形成されている圧縮自着火エンジン。
  2. 前記蓄熱部材が、高熱伝導率材料製の部材である請求項1に記載の圧縮自着火エンジン。
  3. 前記燃料が、メタンを主成分とする天然ガス系の気体燃料である請求項1又は2の何れか1項に記載の圧縮自着火エンジン。
  4. 前記燃焼室において、予混合気を圧縮し、前記予混合気内の燃料を自着火させて燃焼させる請求項1又は3の何れか1項に記載の圧縮自着火エンジン。
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