JP6963747B2 - 負極の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子の負極の製造方法に関する。
従来、電極箔と該電極箔上に形成された負極活物質層とを有する電極板(リチウムイオン二次電池の電極板)の製造方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の製造方法では、電極板の負極活物質層は、電極箔上に形成され且つ第1負極活物質を含む第1活物質層と、第1活物質層上に形成され且つ第1活物質よりもリチウムイオンに対する電位が高い第2負極活物質を含む第2活物質層と、を有する。特許文献1に記載の製造方法は、電極箔上に第1負極活物質を含む第1ペーストを塗布して乾燥させ、第1活物質層を形成する第1活物質層形成工程と、第1活物質層上に、炭素化合物からなる炭素化合物層を形成する炭素化合物層形成工程と、炭素化合物層上に第2負極活物質を含む第2ペーストを塗布して乾燥させ、第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、第2活物質層形成工程の後、炭素化合物層の炭素化合物を炭化させる炭化工程と、備える。
特開2014−078318号公報
通常、負極板を作製する際には、極板内の結着性を確保するためにバインダを添加する。しかしながら、バインダは絶縁体であるため、負極合剤層の抵抗を増大させる。一方、バインダ量を少なくすると、スラリーの粘性が不足して、合剤層を集電箔に形成するのが難しくなる。そこで、本実施形態は、合剤層を集電体に形成する際には十分なバインダ量を確保しつつ、出力の保持が良好な負極板の製造方法を提供する。
本実施形態の負極の製造方法は、非晶質炭素とバインダとを含有する組成物を集電体に積層させて活物質層を形成した後に、活物質層を加熱して、活物質層におけるバインダの質量比率を1質量%以下とする。
本実施形態によれば、蓄電素子の出力の保持を向上することができる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、図1のII−II線位置の断面図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1及び図2を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。
蓄電素子1は、図1及び図2に示すように、正極と負極とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電部材5等を有する。
正極(正極板)は、金属箔(集電体)と、金属箔の表面に重ねられ且つ活物質粒子を含む正極活物質層と、を有する。本実施形態では、正極活物質層は、金属箔の両面にそれぞれ重なる。なお、正極の厚さは、40μm以上300μm以下であってもよい。
金属箔は帯状である。本実施形態の正極の金属箔は、例えば、アルミニウム箔である。正極は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)を有する。
正極活物質層は、粒子状の活物質(活物質粒子)と、粒子状の導電助剤と、バインダとを含む。正極活物質層(1層分)の厚さは、12μm以上142μm以下であってもよい。正極活物質層(1層分)の目付量は、3mg/cm以上30mg/cm 以下であってもよい。正極活物質層の密度(1層分)は、1.5g/cm 以上3.5g/cm以下であってもよい。
正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO等)である。
正極活物質は、LiNiMnCo2−δの化学組成で表されるリチウム遷移金属複合酸化物であってもよい。ただし、0<x<1.2であり、0.8<a+b+c+d<1であり、0≦a≦1であり、0≦b≦1であり、0≦c≦1であり、0≦d≦1であり、0≦δ≦0.5であり、Mは、B、Mg、Al、Ti、V、Zn、Y、Zr、Mo、Wからなる群より選択された少なくとも1種である。
本実施形態では、正極活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム遷移金属複合酸化物(ただし、0<p<1.2であり、0.8<q+r+s<1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
正極活物質層に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)等である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層の導電助剤は、炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。正極活物質層は、導電助剤を1質量%以上10質量%以下含んでもよい。
負極(負極板)は、金属箔(集電体)と、金属箔の上に形成された負極活物質層と、を有する。本実施形態では、負極活物質層は、金属箔の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔は帯状である。本実施形態の負極の金属箔は、例えば、銅箔である。負極は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)を有する。負極の厚さは、40μm以上300μm以下であってもよい。
負極活物質層は、粒子状の活物質(活物質粒子)を少なくとも含み、バインダを含み得る。負極活物質層は、セパレータを介して正極と向き合うように配置される。負極活物質層の幅は、正極活物質層の幅よりも大きい。
負極活物質層(1層分)の厚さは、16μm以上146μm以下であってもよい。負極活物質層の目付量(1層分)は、3mg/100cm以上20mg/100cm 以下であってもよい。負極活物質層の密度(1層分)は、0.9g/cm 以上2g/cm以下であってもよい。
負極板の作製において、非晶質炭素とバインダとを含有する組成物を集電体にさせて活物質層を形成した後に、活物質層を加熱することで、バインダの質量比率を1%以下とする。具体的には、非晶質炭素とバインダとを含有する組成物(スラリー)を作製して、集電体に塗布又は噴霧することで活物質層を形成する。この際、組成物におけるバインダの質量比率を非晶質炭素とバインダとの合計質量に対して1%より大きくする。バインダの質量比率を1%より大きくすることで、スラリーの粘性を確保することができるので、集電体への塗布又は噴霧が安定して、活物質層の形成が容易である。その後、活物質層を加熱することでバインダを炭化させて、バインダの質量比率を非晶質炭素とバインダとの合計質量に対して1%以下とする。バインダを炭化させることにより、出力の保持を向上させることができる。
活物質層を加熱する前の組成物におけるバインダの質量は、非晶質炭素とバインダとの合計質量に対して2%以上が好ましく、さらには、3%以上が好ましい。バインダの質量を2%以上とすることで、組成物の粘性を十分に確保することができる。一方、バインダの質量が大きいとエネルギー密度が低下するので、バインダの質量の上限としては、非晶質炭素とバインダとの合計質量に対して10%が好ましい。
負極活物質は、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)である。具体的には、負極活物質は難黒鉛化炭素が好ましい。難黒鉛化炭素は充放電に伴う活物質粒子の膨張及び収縮が小さいため、活物質層を加熱してバインダ量を低減させたとしても、活物質層内で結着性を保持することができ、活物質層の剥離を防ぐことができる。これに対して、活物質粒子としての黒鉛は、非晶質炭素よりも、充放電に伴う体積変化が大きい。活物質粒子が黒鉛である場合、バインダ量を低減すると黒鉛の体積変化によって粒子間の結着性が低下して、活物質層の剥離が生じる。
負極活物質層の質量に対する非晶質炭素の質量は90%以上が好ましい。また、負極活物質層は非晶質炭素以外の負極活物質を活物質層の剥離に影響ない程度に含有していてもよい。
非晶質炭素とは、放電状態において、線源としてCuKα線を用いた広角X線回折法によって求められる(002)面の平均面間隔d002が、0.340nm以上0.390nm以下のものである。また、難黒鉛化炭素とは、前記平均面間隔d002が、0.360nm以上0.390nm以下のものである。
負極活物質のメジアン径は、5μm以下であることが好ましい。活物質のメジアン径が5μm以下であることにより、充放電に伴う活物質の体積変化がメジアン径の大きい活物質と比較して相対的に小さくなり、活物質層を加熱してバインダ量を低減させたとしても、活物質層内で結着性を保持することができ、活物質層の剥離を防ぐことができる。なお、活物質のメジアン径は、2μm以上であってもよい。活物質粒子のメジアン径(平均粒径D50)は、下記のようにして粒度分布を測定することによって求める。
粒径頻度分布は、レーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いた測定によって求められる。粒径頻度分布は、粒子の体積基準によって求められる。測定条件は、実施例において詳しく説明されている。なお、製造された電池の活物質層に含まれる粒子の粒径頻度分布を測定する場合、例えば、1.0Cレートで4.2Vに達するまで電池を充電した後、さらに4.2Vの定電圧で電池を3時間放電し、その後、1.0Cレートで2.0Vまで定電流放電する。続いて、2.0Vで5時間の定電圧放電を行う。そして、電池を乾燥雰囲気下で解体する。活物質層を取り出してジメチルカーボネートで洗浄して分散させた後、活物質を2時間以上真空乾燥する。その後、粒度分布測定装置を用いて測定する。
負極活物質層に含まれ得るバインダ(有機バインダ)は、正極活物質層に用いられるバインダと同様のものである。スチレンブタジエンゴム(SBR)は粒子間に存在し易く、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)が活物質粒子の表面全体に存在し易い。炭化した後に粒子間の導電性を確保するという観点でバインダとしてSBR又はCMCが好ましい。
負極活物質層におけるバインダの量は、熱重量(TG)測定によって決定される。具体的には、温度(25℃から450℃へと上昇)、加熱速度(10℃/min.)、測定雰囲気(窒素雰囲気)の条件下において、測定をおこなうことによって、負極活物質層におけるバインダの含有量が測定される。バインダの含有量が1質量%以下であることは、上記TG測定の結果において、100℃から400℃の間における重量減少が1%以内であることによって決定される。
負極活物質粒子の表面には、バインダが炭化した炭化物が付着している。活物質粒子の表面は、斯かる炭化物を含む炭化層で覆われていてもよい。バインダの質量比率を低減する他に、導電性を有する炭化物が負極活物質粒子の表面に存在することで、負極活物質層における抵抗が比較的低く抑えられると推測される。なお、バインダ炭化物は、TEM観察等による炭化物と非晶質炭素との界面の存在により把握することができる。
負極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の負極活物質層は、導電助剤を有していない。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極板と負極板とがセパレータを介して積層される。本実施形態の負極板はバインダ量が少ないため、負極板の折り曲げや湾曲などの外力によって活物質層が剥離する可能性がある。そのため、負極を折り曲げたり、湾曲したりすることのない状態で積層することが好ましい。つまり、電極体には、帯状の極板とセパレータとを巻回する巻回型と、極板とセパレータとを交互に積層する積層型があるが、積層型の電極体が好ましい。
セパレータは、多孔質である。セパレータは、例えば、織物、不織布、又は多孔膜である。セパレータの材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、及び、セルロースからなる群より選択された少なくとも1種が挙げられる。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5mol/L以上1.5mol/L以下のLiPFを溶解させたものである。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、まず、活物質を含む組成物を金属箔に塗布し、活物質層を形成して、正極及び負極をそれぞれ作製する。また、市販のセパレータを用意するか、又は、セパレータを作製する。次に、正極、セパレータ、及び負極を重ね合わせて電極体2を形成する。さらに、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
正極の作製では、例えば、金属箔の両面に、活物質粒子と、バインダと、導電助剤と、溶媒と、を含む組成物をそれぞれ塗布することによって正極活物質層を形成する。正極活物質層を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された正極活物質層を所定の圧力でロールプレスする。プレス圧を調整することにより、正極活物質層の厚さや密度を調整できる。
負極の作製では、例えば、金属箔の両面に、活物質粒子と、バインダと、溶媒と、を含む組成物をそれぞれ塗布することによって負極活物質層を形成する。塗布方法としては、一般的な方法が採用される。例えば30℃以上120℃以下に加熱することによって、塗布された組成物から溶媒を揮発させる。続いて、所定の圧力でロールプレスする。プレス圧を調整することにより、負極活物質層の厚さや密度を調整できる。さらに、バインダが炭化する温度以上(例えば250℃以上)で窒素などの不活性ガス中で加熱する。これにより、バインダを炭化させて負極活物質層におけるバインダの含有率を1質量%以下にする。バインダがスチレンブタジエンゴム(SBR)である場合、例えば250℃以上450℃以下に加熱して、SBRを炭化させる。バインダがカルボキシメチルセルロース塩(CMC)である場合、例えば100℃以上250℃以下に加熱して、CMCを炭化させる。
バインダの含有量が1質量%以下となるように加熱してバインダを炭化させることで、絶縁体であるバインダを低減して、導電性を有する炭化物が粒子状の非晶質炭素同士をつなぐように配置されることとなる。これにより、蓄電素子の出力の保持を向上させることができる。
正極板と負極板との間にセパレータを配置して積層させることにより、電極体2を形成する。詳細には、正極板を袋状に形成したセパレータに収容した状態で負極板と交互に積層する方法や、セパレータをつづら状にして正極板と負極板との間に配置させる方法などがある。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のようにして製造された蓄電素子1は、上記の電極体2が圧縮力を受けた状態で使用されることが好ましい。電極体2の負極活物質層のバインダ量が上記のごとく比較的少ない分、負極活物質の粒子同士が結着しにくい。しかしながら、充放電の繰り返しによって電極体2が膨張や収縮をしても、上記の圧縮力によって、負極活物質の粒子同士の接触が保たれやすい。従って、充放電が繰り返されたあとであっても、出力が低下することを抑制できる。なお、例えば、複数の蓄電素子が互いに接しつつ一方向に並べられ、該方向の最も外側の各蓄電素子の配置が制限されることによって、各蓄電素子1の電極体2が圧縮力を受けた状態となる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態では、積層された電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回された電極体を備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の一次電池、二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置は、上記の蓄電素子1を一以上備える。蓄電装置は、通常、少なくとも二つの蓄電素子1と、蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
(実施例1)
(1)正極の作製
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の粒子とを、混合し、混練することで、正極用の組成物を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量は、それぞれ5質量%、5質量%、90質量%とした。調製した正極用の組成物を、アルミニウム箔の片面に、目付量が8.5mg/cmとなるように塗布した。乾燥後、ロールプレスを行った。その後、真空乾燥して、水分等を除去した。プレス後の活物質層(1層分)の厚さは50μmであった。
(2)負極の作製
活物質としては、メジアン径が4.8μmの粒子状の難黒鉛化炭素(d002 3.65Å)を用いた。また、バインダとしては、SBRおよびCMCを用いた。負極用の組成物は、溶剤としての水と、バインダと、活物質とを混合、混練することで調製した。バインダは、SBRが2.0質量%、CMCが1.0質量%となるように配合し、活物質は、97質量%となるように配合した。調製した負極用の組成物を、乾燥後の目付量が3.6mg/cmとなるように、銅箔の片面に塗布した。水分を揮発させた後、400℃で加熱することによって、バインダを炭化させて活物質層を形成した。活物質層におけるバインダの含有量は、下記の方法によって測定した結果、0.1質量%(1質量%未満)であった。ロールプレスを行い、真空乾燥して、水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚さは68μmであった。
(3)セパレータ(セパレータ基材)
セパレータ基材として厚さが22μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、体積比30/35/35で混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ラミネート外装体を用いた電池の作製
上記正極板と上記負極板とをお互いの活物質層が対向するように積層した。正極板と負極板との間には上記セパレータを配置して電極体を作製した。次に、この電極体を一辺が開口された袋状のラミネート外装体に挿入して、正極板および負極板に設けた各リードをラミネート外装体の開口部から突出するように配置した。ラミネート外装体の開口部から上記電解液を注入した後に開口部を封口することで電池を作製した。
<負極活物質層に含有されるバインダ量の測定>
測定機器として、TG−DTA測定装置「BRUKER社製(TGDTA2000SA)」を用い、昇温速度10℃/min、窒素雰囲気という測定条件下で、バインダ含有量を測定した。TG曲線において、400℃における質量減少から100℃における質量減少を引いた値をバインダの含有量とした。
<負極活物質粒子のメジアン径の測定>
いったん製造した電池から負極を取り出した。取り出した負極を50倍以上の質量のNMPに浸漬し、15分間の超音波分散によって前処理を施した。さらに、負極から金属箔を取り除き、負極活物質層をNMPに浸漬した状態で15分間の超音波分散処理を施した。その後、活物質粒子の測定試料を含む分散液を調製した。測定試料の粒径頻度分布の測定では、測定装置としてレーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD2300」)、測定制御ソフトとして専用アプリケーションソフトフェアDMSver.2を用いた。具体的な測定手法としては、散乱式の測定モードを採用し、上記分散液が循環する湿式セルを、2分間超音波環境下に置いた後に、レーザー光を照射し、測定試料から散乱光分布を得た。そして、散乱光分布を対数正規分布により近似し、その粒径頻度分布(横軸、σ)において最小を0.021μm、最大を2000μmに設定した範囲で測定を行った。活物質粒子の体積基準によるメジアン径は、4.8μmであった。
(実施例2)
負極活物質にメジアン径が7.5μmの難黒鉛化炭素を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3)
負極活物質にメジアン径が5.0μmの易黒鉛化炭素(d002 3.45Å)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例4)
負極活物質層の加熱温度を350℃とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例5)
負極活物質層の加熱温度を300℃とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1)
負極活物質にメジアン径が5.5μmの黒鉛(d002 3.35Å)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2)
負極活物質を400℃で加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 0006963747
<回生出力の算出>
1. 25℃において3.5mA定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2V定電圧で合計3時間充電した。その後、7.0mA定電流で、終止電圧2.4Vまで放電することで、初期放電容量を求めた。
2. 25℃において初期放電容量の85%相当の電気量になる電圧まで充電し、さらに当該電圧で合計2時間充電した。
3. −10℃に5時間が保存した後に−10℃でA1(7.0mA)→A2(14.0mA)→A3(21.0mA)の順でそれぞれ1秒充電し、各充電電流での充電後の電圧V1、V2およびV3を測定した。
4. 測定されたA1〜A3をX軸、V1〜V3をY軸にプロットし、最小二乗法により傾きを算出した。算出した傾きとY=4.2Vとの交点における電流値を算出し、交点における電流値と4.2Vとを乗じた値を回生出力とした。
<高温保存試験>
回生出力の算出した後に、再度、25℃において初期放電容量の85%相当の電気量になる電圧まで充電し、さらに当該電圧で合計2時間充電した。その後、65℃の恒温槽内で15日間保存した。次に、−10℃の恒温槽に5時間保存した後に−10℃で同様に回生出力を算出した。65℃−15日間保存後の回生出力を65℃−15日間保存前の回生出力で除した値を回生出力保持率とした。
表1から把握されるように、実施例1〜5において、高温保存後の低温での回生出力の保持率が80%以上であり、良好な出力の保持を示した。一方、負極活物質に黒鉛を用いた比較例1および炭化するための加熱をおこなっていない比較例2の出力の保持率は低かった。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
5:集電部材、
7:外部端子。

Claims (3)

  1. 非晶質炭素とバインダとを含有する組成物を集電体に積層させて活物質層を形成した後に、前記活物質層を不活性ガス中で加熱して前記バインダを炭化させることによって、前記活物質層における前記バインダの含有率を1質量%以下とする、負極の製造方法であって、
    前記活物質層を加熱する前の前記組成物では、前記非晶質炭素と前記バインダとの合計に対する前記バインダの比率が、1質量%よりも大きい、負極の製造方法
  2. 前記非晶質炭素が、難黒鉛化炭素である、請求項1に記載の負極の製造方法。
  3. 前記非晶質炭素のメジアン径が5μm以下である、請求項1又は2に記載の負極の製造方法。
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