以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
本願明細書(特許請求の範囲でも同様)においては、底部シートと天面シートとが対向する方向を「上下方向」とし、一対の胴部シートが積層される方向を容器の「表裏方向」とし、上下方向及び表裏方向と直交する方向を容器の「幅方向」とする。
以下においては、本実施形態の製造装置によって製造されるパウチ容器が、一対の胴部シートの間の下部に底部シートが設けられた自立型のパウチ容器である例について説明する。一方、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明は底部シートを有しない非自立型のスパウト付きパウチ容器に適用されてもよい。
図1は、本実施形態のパウチ容器10の製造装置1の概略構成図である。この製造装置1は、シート材を適宜、折り曲げて接合することにより自立型のパウチ容器10(スタンディングパウチ)を製造する装置である。
この製造装置1の説明に先立って、まず、当該製造装置1で製造されるパウチ容器について説明する。図2は、内容物を充填した後のパウチ容器10の一実施形態を示す斜視図である。図3は、内容物の充填前において折り畳まれた状態にあるパウチ容器10の表面図(a)と裏面図(b)である。図4は、図3(a)に示したパウチ容器10を矢印A方向から見た側面図である。
図2及び図3に示すように、パウチ容器10は、一対の胴部シートのうちの一方側の胴部シートである表面シート11と、一対の胴部シートのうちの他方側の胴部シートである裏面シート12と、底部シート13と、天面シート14とを備える。このパウチ容器10は、内容物の充填により底部シート13が展開して自立可能になるスタンディングパウチである。表面シート11及び裏面シート12は、容器の表面部及び裏面部をそれぞれ構成するシート材であり、底部シート13は、表面シート11と裏面シート12との間に折り込まれて挿入され、底ガセット部を構成するシート材である。底部シート13は、幅方向に沿って形成された折り目線15により、容器の内部側に向かって山折りに折り返されている。天面シート14は、容器の上面部を構成するシート材である。
パウチ容器10には、互いに重ね合わされた表面シート11と裏面シート12との間に、底部シート13を折り畳んだ状態で各シート材の端縁同士を接合するシール部が形成され、内容物が充填される容器内部空間である充填部17を密閉した袋状の構造を有する。
詳しくは、パウチ容器10は、上記シール部として、トップシール部20と、ボトムシール部21と、一対のサイドシール部22とを有する。トップシール部20は、天面シート14の端縁に略八角形をなす枠状に形成されるシール部であり、天面シート14の外周端縁と表面シート11及び裏面シート12の各上端部11a,12aとが接合されて形成される。また、ボトムシール部21は、底部シート13の端縁に形成されるシール部であり、底部シート13と表面シート11及び裏面シート12の各下端部とが接合されて形成される。また、底部シート13には、幅方向両端に三角形状の未シール部16が形成されており、この未シール部16に対応する幅方向縁部に半円状の切欠き18が形成されている。この底部シート13の切欠き18を介して表面シート11と裏面シート12とが直接接合されている。
一対のサイドシール部22は、表面シート11及び裏面シート12の幅方向端縁同士を直接接合して幅方向両端に形成される。サイドシール部22は、他のシール部と同様に、充填部17を密閉するための端縁シール部である。サイドシール部22は、上下方向に沿って延びるように形成されている。また、サイドシール部22は、上端部及び下端部を除いて一定の幅Wで形成されている。このように各シール部20,21,22を構成することによって、容器内部空間である充填部17を密閉する。充填部17に充填される内容物としては、特に限定されず、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、洗剤等の生活用各種ケア製品やスポーツドリンク等の飲料が挙げられる。内容部は、液体に限らず、粘性物や粉状物であってもよい。
表面シート11及び裏面シート12は、いずれも上下方向にやや長く延びた略矩形状を呈する。底部シート13も略矩形状を呈する。天面シート14は、略八角形状を呈し、表面シート11及び裏面シート12の上端に設けられる。なお、天面シート14は、略八角形のものに限定されず、例えば、四角形、六角形等の他の多角形形状であってもよいし、あるいは、円形、楕円形、菱形等の形状であってもよい。
パウチ容器10では、ボトムシール部21とサイドシール部22との境界部に下部ポイントシール19aが形成され、トップシール部20とサイドシール部22の境界部に上部ポイントシール19bが形成されている。これらの下部及び上部ポイントシール19a,19bは、各シール部20,21,22が形成された後に、別途形成される。なお、「ポイントシール」は、「スポットシール」と呼ばれる場合もある。このため、本願明細書及び特許請求の範囲の全体で、ポイントシールは、スポットシールと読み換え可能である。
下部ポイントシール19aは、図3、図4に示すように、表面シート11及び裏面シート12と底部シート13との間に形成されるシール境界部23において、ボトムシール部21とサイドシール部22との隙間を埋めるために局部的に形成される。また、上部ポイントシール19bは、表面シート11及び裏面シート12と天面シート14との間に形成されるシール境界部24において、トップシール部20とサイドシール部22との隙間を埋めるために局部的に形成される。
各シート11〜14を形成するシート材は、パウチ容器10の壁面部を構成するシート状部材であって、通常、樹脂フィルムから構成される。シート材を構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、シール部は、通常、ヒートシールにより形成されるので、シート材には、ヒートシール性も要求される。シート材としては、ベースフィルム層と、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層シート材が好適であり、高いガスバリア性が要求される場合には、ベースフィルム層とシーラント層との間にガスバリア層を設けることが好適である。シート材の厚みは、例えば10μm〜300μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。
ベースフィルム層、シーラント層、及びガスバリア層の構成材料の例示は省略するが、ベースフィルム層の厚みは、例えば10μm〜200μmであり、好ましくは10μm〜100μmである。シーラント層の厚みは、例えば20μm〜200μmであり、好ましくは30μm〜180μmである。ガスバリア層の厚みは、例えば0.1μm〜20μmであり、好ましくは0.2μm〜10μmである。なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーションなどにより行うことができる。
シート材には、内容物の商品名や原材料・使用上の注意事項等の商品説明、その他各種デザインなどを表示するための印刷層(図示せず)を設けている。例えば、印刷層は、グラビア印刷等の公知の方法により、ベースフィルム層の内側の面に形成できる。また、印刷層には、後述の第1シールユニット120及び第2シールユニット127でシール位置の制御に用いられる第1印刷マーク41(図6)と、シール位置の検査に用いられる第2印刷マーク42(図14A)とが含まれる。第2印刷マーク42は、シール基準に相当する。例えば各印刷マーク41,42は、印刷層の他の印刷とともに、後述のシートロールSR(図1)の状態となる前に予め印刷されている。第1印刷マーク41は、例えば、図6に示すように容器連続体2において、隣り合うパウチ容器の連続部3の下側部分に連続部3を幅方向(図6の左右方向)に跨ぐように所定色で所定形状(矩形等)が印刷される。第2印刷マーク42は、例えば、後述の図14Aに示すようにトップシール部20(図2)を構成するトップ構成シール部分20Aとなる部分に予め印刷されている黒地等の所定色の十字形である。なお、第2印刷マークは、十字形に限定するものではなく種々の形状が用いられる。第2印刷マーク42は、サイドシール部及びポイントシールについて、印刷に対する位置を検査するために用いられる。また、第2印刷マーク42の代わりに、印刷層の印刷に含まれる文字または図形等の印刷表示の一部を、予め設定されたシール基準として用いてもよい。ここで、上記のシール基準とは、シート材に予め設けられたシール位置の制御や検査に用いられる基準となるもので、例えばシート材に所定単位ピッチで印刷されたマーク、文字や図形等の商品意匠の一部、シート材に所定単位ピッチで形成された孔や切欠き等の加工部位をいう。例えば、第1印刷マーク41は、第2印刷マーク42の代わりにシール基準として、シール位置の検査に用いることもできる。
シール部は、ヒートシールにより形成されることが好適である。ヒートシールによるシール部は、各シート材のシーラント層が容器の内側となるように重ね合わせて熱圧着することで形成できる。
図2に示すように、パウチ容器10には、天面シート14の中央部に、内容物を充填及び取り出すための口栓30が設けられている。口栓30は、天面シート14に固定されるスパウト31と、スパウト31の外周に形成されたネジ部に螺合されたキャップ32とで構成される。
図3、図4に示すように、スパウト31は、天面シート14から外側に突出する円筒状の筒部31aと、筒部31aの一端部外周から径方向外側に張り出したフランジ部31bとを有する。スパウト31は、例えばポリエチレン等の樹脂材料によって構成されている。本実施形態では、フランジ部31bは略矩形状を呈し、天面シート14の内面(すなわち充填部17側の面)にフランジ部31bがヒートシールされて取り付けられている。フランジ部31bの形状は、略矩形状に限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、長円形、多角形等の他の形状であってもよい。
図4に示すように、スパウト31の筒部31aは、その外周面上に2つの円環状のフランジf1、f2を有する。これら2つのフランジf1、f2は、略同一の形状及び大きさに形成されている。一方のフランジf1は、他方のフランジf2に対してスパウト31の軸方向に間隔を置いて形成されている。
スパウト31からパウチ容器10の充填部17に内容物を充填すると、底部シート13が展開して表面シート11及び裏面シート12が互いに離間し、図2に示すように胴部が膨らんだ形態となる。この状態で、キャップ32をスパウト31に締めこんで、パウチ容器10内に内容物を封入する。こうして、パウチ容器10の自立性が発現する。パウチ容器10では、天面シート14を設けたことにより、図2に示すように容器の上部も膨らんで、あたかもボトルのような形態となる。
次に、図1に戻って、上述したパウチ容器10の製造装置1の全体的な構成を説明する。製造装置1には、パウチ容器10の材料となるシート材Mをロール状に巻回したシートロールSRがセットされており、図示しない送出機構により、シート材Mが連続的に送出される。
送出されたシート材Mには、罫線形成ユニット100、パンチングユニット112、折り畳みユニット116、スパウト装着ユニット118、第1シールユニット120、切除ユニット122、第2シールユニット127により、順次、所定の処理が施される。そして、複数の処理が施されたシート材Mは、最終的には、切断ユニット126により所定幅間隔でパウチ容器の間に形成された連続部3(図6)を除去するように切断され、分離した個々のパウチ容器10として出力される。
罫線形成ユニット100は、送出されてきたシート材Mに、長手方向に沿って複数本の罫線を平行に形成するユニットである。各罫線は、下流での折り畳み作業を容易にするために形成されるもので、例えば、シート材Mに細幅のローラを当接させることで形成できる。罫線は、後工程の折り畳みユニット116において、各罫線でシート材が折られることで、表面シート11、底部シート13、裏面シート12、及び天面シート14を形成する複数のシート部分を区画するためのものである。
パンチングユニット112は、シート材Mの天面シート14を形成するシート部分S4に円形のスパウト孔51(図5)を形成するとともに、底部シート13を形成するシート部分S3に一対の円形の接合孔55(図6)を形成するユニットである。パンチングユニット112は、シート部分S4に例えば円柱状のパンチを打ち込むことによって、スパウト孔51を形成する。このスパウト孔51は、シート部分S4にパウチ容器幅相当の間隔Pを空けて順次形成される。一対の接合孔55は、最終的に半円の切欠き18(図3)を形成する孔である。この一対の接合孔55は、シート部分S3において、底部シートを二つ折りする際の折目線となる罫線を挟んで対称な位置に形成される。この接合孔55は、スパウト孔51に対して、搬送方向にパウチ容器幅相当の間隔Pの半分程度の距離ずれた位置に形成される。
折り畳みユニット116(図1)は、上流側から送られてきたシート材Mを、複数の罫線に沿って、シート材Mの幅方向に折り曲げる。図5は、折り畳まれたシート材からなる容器連続体の天面シート部分に3つのスパウト31が装着される状態を示す斜視図である。折り畳みユニット116では、シート材Mが、図5に示すように、折り畳みユニット116によって形成された6本の折目線L1〜L6で折り曲げられる。これにより、表面シート11を構成する表面シート部分S1、裏面シート12を構成する裏面シート部分S2、底部シート13を構成する底部シート部分S3、及び、天面シート14を構成する天面シート部分S4が区画形成される。
天面シート部分S4には、上述したパンチングユニット112によって形成されたスパウト孔51が所定間隔Pで配置されている。ここで、隣接するスパウト孔51の間隔Pは、パウチ容器10の全幅に一致する。なお、図5では、個々のパウチ容器10に分離されたときに半円状の切欠き18となる接合孔の図示が省略されている。
スパウト装着ユニット118(図1)は、天面シート部分S4に形成されたスパウト孔51にスパウト31の筒部31aを挿通した状態でフランジ部31bを天面シート部分S4にヒートシールして装着する。
具体的には、スパウト装着ユニット118は、天面シート部分S4に形成されたスパウト孔51に、スパウト31の筒部31aを挿入するとともに、当該筒部31aの端部から外側に張り出したフランジ部31bを天面シート部分S4にヒートシールして接合する。すなわち、スパウト装着ユニット118は、スパウト孔51が形成された天面シート部分S4を略水平姿勢にした後、筒部31aが下方に突出し、かつ、フランジ部31bが天面シート部分S4に当たるように、スパウト31をスパウト孔51に挿入する。そして、図5に示すように展開した天面シート部分S4を、表面シート部分S1及び裏面シート部分S2の上部と重なるように折り曲げる。その後、フランジ部31bを天面シート部分S4におけるスパウト孔51の周縁でヒートシールし、スパウト31をシート材Mに接合及び装着する。
スパウト31が装着されたシート材Mは、その後、第1シールユニット120(図1)に送出される。第1シールユニット120は、送出されてきたシート材Mに対して、ヒートシール処理を施し、トップシール部20、ボトムシール部21、サイドシール部22となるシール部分を形成する第1シールステップを行う。このとき、シート材Mには、上記のように予め印刷層に第1印刷マーク41(図6)が印刷されている。製造装置1に設けられた図示しないカメラ部がこの第1印刷マーク41を撮影し、その撮影画像から得られた第1印刷マーク41の位置を基準にシート材Mの搬送及び搬送停止が制御される。第1シールユニット120は、シート材Mの搬送停止状態でヒートシール処理を施すので、第1印刷マーク41を基準に、トップシール部20、ボトムシール部21、サイドシール部22となるシール部分の位置が制御される。
第1シールユニット120において、シート材Mにトップシール部20、ボトムシール部21、サイドシール部22となるシール部分が形成された後、第2印刷マーク42(図14A)と各シール部分のエッジとがカメラ部(図示せず)で撮影される。そして、サイドシール部22を含む各シール部の印刷に対する幅方向(図14Aの左右方向)及び上下方向(図14Aの上下方向)についての位置が適正か否かが検査される。
切除ユニット122(図1)は、パウチ容器10の天面の外形形状を成形するために不要部分を切除する。具体的には、天面シート14となる天面シート部分S4の両側縁部の長手方向複数位置を略三角状に切除する。これにより、個々のパウチ容器10に分離されたときに天面シート14が略八角形状になる。
図6は、切除ユニット122を通過する前の容器連続体2を示す平面図である。なお、図6では、図3の場合と異なり、容器連続体2は、スパウト31の開口端が向く側であって、天面シート14に対応する天面シート部分S4が重なった側のシートを裏面シート12としている(図8〜図12で同様である)。容器連続体2は、個々のパウチ容器10に切断されたときに、トップシール部20となるトップ構成シール部分20A、ボトムシール部21となるボトム構成シール部分21A、及び、サイドシール部22となるサイド構成シール部分22Aが上記の第1シールユニット120によって形成されている。サイドシール部22となるサイド構成シール部分22Aの幅方向(図6の左右方向)中央には、上下方向(図6の上下方向)に延びる2本の切断予定線CL1、CL2がそれぞれ示されている。これにより、容器連続体2では、複数のパウチ容器10が2本の切断予定線CL1,CL2の間の連続部3によってパウチ容器10の幅方向(図6の左右方向)に連結されている。連続部3は、上下方向に伸びて幅が極く小さい矩形状である。また、容器連続体2において天面シート14となるシート部分は、それぞれ両側縁部が上記の切除ユニット122によって略三角状に切除されて略八角形状に形成されている。これにより、容器連続体2において、トップ構成シール部分20Aは、隣り合うパウチ容器のトップシール部20を形成する。また、容器連続体2において、サイド構成シール部分22Aは、隣り合うパウチ容器のサイドシール部22を構成する。
図1に戻って、第2シールユニット127は、第2シールステップを行う。第2シールステップは、パウチ容器10における下部及び上部ポイントシール19a,19b(図3)を形成するために、図6に示すように、サイドシール部22になるサイド構成シール部分22Aとボトムシール部21になるボトム構成シール部分21Aとの境界部に、先端面が長方形状をなす加熱されたポイントシールバー52を表裏方向に押圧する。これとともに、第2シールステップは、サイドシール部22になるサイド構成シール部分22Aとトップシール部20になるトップ構成シール部分20Aとの境界部には、先端面が長方形状をなす加熱されたポイントシールバー53を表裏方向に押圧する。これにより、個々のパウチ容器10に分離されたときの下部及び上部ポイントシール19a,19bに対応するポイント構成シール部分がポイントシールバー52,53の形状に応じて容器連続体2の下部及び上部に形成される。後述の図14Aでは、斜線部により、容器連続体2の上部に形成されるポイント構成シール部分40を示している。ポイント構成シール部分40は、トップ構成シール部分20A及びサイド構成シール部分22Aより加圧時の圧力を高くして形成される。これにより、ポイント構成シール部分40には長方形の輪郭が形成される。このため、容器連続体2において、ポイント構成シール部分40は、隣り合うパウチ容器の上部ポイントシール19bを形成する。その結果、サイドシール部22と底部シール部21とのシール境界部23(図4参照)において、サイドシール部22と底部シール部21との隙間が埋められる。これとともに、サイドシール部22とトップシール部20とのシール境界部24(図4参照)において、サイドシール部22とトップシール部20との隙間が埋められる。これにより、パウチ容器10の落下時等の破袋強度が増大する。
図1に示すように、ポイント冷却装置128は、第2シールユニット127で加熱されたポイント構成シール部分40(図14A)を冷却する。例えば、各ポイント構成シール部分40に冷却バー(図示せず)を押し付けて、各ポイント構成シール部分40を冷却する。冷却バーは、例えば冷却水等の冷却液が流れる配管により冷却される。ポイント冷却装置128は、各ポイント構成シール部分40に冷却エアを吹き付けて各ポイント構成シール部分40を冷却するものであってもよい。
また、第2シールユニット127で容器連続体2に下部及び上部のポイント構成シール部分40が形成された後、第2印刷マーク42(図14A)と各ポイント構成シール部分のエッジとがカメラ部(図示せず)で撮影される。そして、上部ポイントシール19bと下部ポイントシール19aとの印刷に対する幅方向(図14Aの左右方向)及び上下方向(図14Aの上下方向)についての位置が適正か否かが検査される。
本実施形態のシール位置検査装置130は、製造装置1に含まれる。シール位置検査装置130は、複数のパウチ容器10における上部ポイントシール19b(図3)のサイドシール部22に対する位置が適正か否かを検査するシール位置検査ステップを行う。具体的には、シール位置検査装置130は、複数のパウチ容器10が幅方向につながった容器連続体2の状態において、隣り合うサイドシール部22を構成するサイド構成シール部分22A(図14A)における容器連続体2の長手方向の端に位置するエッジの位置に対し、隣り合う上部ポイントシール19bを構成するポイント構成シール部分40(図14A)における上記長手方向の端に位置するエッジの位置が適正か否かを、撮影部139(図9)で撮影された画像に基づいて検査する。容器連続体2の長手方向は、パウチ容器10の幅方向に対応する所定方向に相当する。このとき、サイド構成シール部分22Aのエッジと、ポイント構成シール部分40(図14A)のエッジとの位置関係が適正の場合には、報知部である表示部142において当該上部ポイントシールの位置が適正であることが報知される。一方、上記位置関係が不適正の場合には、表示部142において当該上部ポイントシールの位置が不適正であることが報知される。表示部142の表示は制御部143により制御される。また、制御部143には操作部144が接続され、ユーザによる操作部144の操作に応じて制御部143の動作が実行される。なお、表示部142は省略することもできる。例えば、シール位置検査装置130によりポイント構成シール部分40の位置が不適正な不良品のパウチ容器が見つけられた場合に不良品検出信号が出力され、表示部に表示させることなく、その信号に基づいて後述のように不良品が系外に排出されてもよい。シール位置検査装置130は、後で詳しく説明する。
シール位置検査装置130を通過した容器連続体2は、次に、切断ユニット126に送出される。切断ユニット126は、容器連続体2を切断予定線CL1、CL2(図6)で切断して個々のパウチ容器10に分離する。図7は、容器連続体2が切断されて個々のパウチ容器10が生成された状態を示している。切断ユニット126の構成は、どのようなものであってもよく、例えば、はさみ型の切断装置や、固定刃及び可動刃を含む切断装置等が挙げられる。このようにしてパウチ容器10が連続的に製造される。
次に、図1と、図8〜図12とを用いて、シール位置検査装置130を詳しく説明する。シール位置検査装置130は、例えばフォトメトリックステレオ法を利用するものであり、装置本体131(図8)と、制御部143と、表示部142と、操作部144とを含む。フォトメトリックステレオ法は、異なる複数の照明方向から照明した画像を撮影し、その陰影情報からワークの法線ベクトルを求める三次元計測である。図8は、シール位置検査装置130の装置本体131において、容器連続体2における上部ポイントシール19b(図3)に対応するポイント構成シール部分40(図10、図11)の位置を検査する状態を示す正面図である。図9は、装置本体131を図8の右側から見た図である。図10は、図9のB−B断面図であり、図11は、図9のC−C断面図であり、図12は、図9のD−D断面図である。
装置本体131には、図8に示すように容器連続体2が横方向(図8の左右方向)に沿って移動するように案内されている。このとき、容器連続体2は、スパウト31の開口端が正面側(図8の紙面の表側)に向いた状態で、天面シート14に対応する天面シート部分S4が裏面シート12に対応する裏面シート部分S2に重なって折り畳まれた状態にある。また、容器連続体2は、表面シート11に対応する表面シート部分S1及び裏面シート部分S2が水平面に対し略直立した状態で、装置本体131において横方向に移動可能に支持されている。このために、装置本体131は、基台132と、基台132から直立した支持壁133と、支持壁133の裏面(図9の左側面)の上部において、上下に分かれて固定された2つのスパウト案内部134,135とを含む。各スパウト案内部134,135は、裏側に突出し、水平面に平行な板部136,137を含む。2つのスパウト案内部134,135の板部136,137の間でスパウト31のフランジf1、f2(図4)が案内された状態で、容器連続体2が横方向(図8、図10の左右方向、図9の紙面の表裏方向)に移動可能に案内されて装置本体131に支持される。
また、装置本体131は、支持壁133の裏側(図9の右側)に固定された照明部138と、基台132に対し、照明部138より裏側に離れて固定された撮影部139とを含む。照明部138は、リング部の周方向複数位置に配置された図示しない複数の発光部(例えばLED(発光ダイオード))を有し、複数の発光部を順に点灯させることで、容器連続体2の表面シート部分S1側(図9の右側)を複数の点灯状態で照射する。照明部138には、各発光部の点灯を制御する制御回路が搭載されてもよい。
撮影部139は、容器連続体2の表面シート部分S1側の長手方向(図9の紙面の表裏方向)一部にレンズを向けた状態で配置したカメラを含んで構成される。カメラは、例えば超高速撮像CMOSセンサを含んで構成される。また、カメラには専用の制御回路が搭載されてもよい。撮影部139は、各点灯状態に応じて容器連続体2の表面シート部分S1側を撮影する。このとき、容器連続体2は、複数のパウチ容器10が幅方向につながった状態で搬送される。そして、この状態で容器連続体2の搬送時において、撮影部139は、表面シート部分S1及び裏面シート部分S2のうち、表面シート部分S1の側からサイド構成シール部分22Aにおいて、トップ構成シール部分20Aとのシール境界部24(図14A)を含む部分、及びポイント構成シール部分40を撮影する。なお、実施形態では、表面シート部分S1の側から撮影しているが、天面シート14を表面シート部分S1の側に折り畳んで裏面シート部分S2の側から撮影してもよい。このとき、裏面シート部分S2に対応する裏面シート12が一方の胴部シートに相当する。
撮影部139で撮影された撮影画像は、制御部143(図1)に送信される。制御部143は、操作部144の操作に応じて撮影画像から、容器連続体2における上部ポイントシール19bに対応するポイント構成シール部分40(図10)の位置を検査する。操作部144は、例えば操作盤またはキーボード等である。そして、制御部143は、撮影画像に基づいて、容器連続体2において隣り合うパウチ容器10の上部ポイントシール19bの位置が適正か否かを表示部142に表示させる。これとともに、切断ユニット126で容器連続体2を切断した後の不良品となるパウチ容器を系外に排出する系外排出機構を制御する制御部(図示せず)に対し、制御部143が、不良品を系外に排出させるための不良品検出信号を出力する。表示部142は、ディスプレイ等である。制御部143は、撮影部139、照明部138及び表示部142の動作を制御する。制御部143は、演算処理部、メモリ等の記憶部、及び、I/Oインターフェースなどを備えるマイクロコンピュータによって好適に構成される。制御部143は、記憶部に記憶されたプログラム、データ等を読み出して、所定の動作を実行する。制御部143がプログラムを実行することによって、撮影部139、照明部138及び表示部142の動作が制御される。
演算処理部は、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。演算処理部は、1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。
図13は、シール位置検査装置130において、上部ポイントシール19bの位置が適正か否かを検査する処理を示すフローチャートである。図13の処理は制御部143により実行される。まず、ステップS11において、制御部143は、撮影部139により、容器連続体2において、表面シート部分S1の側からサイド構成シール部分22Aにおいて、トップ構成シール部分20Aとのシール境界部24(図14A)を含む部分、及びポイント構成シール部分40を撮影させる。ポイント構成シール部分40は、シール境界部24を跨ぐように配置されるものであるため、シール境界部24を含む部分を撮影することが必要となる。
次いで、制御部143は、ステップS12において、撮影部139から送信された撮影画像に基づいて、サイド構成シール部分22Aにおけるパウチ容器10の幅方向に対応する所定方向である容器連続体2の長手方向(図14Aの左右方向)の両端に位置するエッジE1a、E1bの容器連続体2の長手方向位置を算出する。また、上記撮影画像に基づいて、ポイント構成シール部分40における容器連続体2の長手方向の両端に位置するエッジE2a、E2bの容器連続体2の長手方向位置を算出する。このとき、例えば、照明部138(図9)の複数の発光部を1つずつ順に点灯させ、各照明タイミングで撮影部139(図9)を駆動させることにより複数の画像を生成する。そして、複数の画像で対応関係にある画素毎の画素値を用いて、各画素の検出対象である容器連続体2のサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40の表面に対する法線ベクトルを算出する。そして、算出された各画素の法線ベクトルに対して、直交する2方向(X方向、Y方向)に微分処理を施し、上記表面の傾きが急になる輪郭を示す輪郭画像を生成する。サイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1b及びポイント構成シール部分40のエッジE2a、E2bは輪郭となるので、この輪郭を示す画像からこれらのエッジE1a、E1b、E2a、E2bの位置が算出される。サイド構成シール部分22AのエッジE1a(図15A)は、パウチ容器10におけるサイドシール部22の幅方向内側のエッジE1a(図15B参照)である。また、ポイント構成シール部分40のエッジE2a(図15A)は、パウチ容器10における上部ポイントシール19bの幅方向内側のエッジE2a(図15B参照)である。
なお、シール位置検査装置は、このような構成に限定するものではない。シール位置検査装置には、例えばフォトメトリックス法を用いてワークの表面の高さ情報を取得する方法や、照明部138のすべての点灯部を点灯させた状態でワークを撮影し、得られた画素の輝度値の違いから二値化処理して輪郭を求める等、種々の方法を利用できる。
次に、図13のステップS13において、制御部143が、隣り合うパウチ容器10に対応して、サイド構成シール部分22Aのエッジと、ポイント構成シール部分40のエッジとの位置関係が適正であるか否かを判定する。具体的には、ステップS13では、制御部143により、所定条件が成立するか否かが判定される。所定条件は、サイド構成シール部分22Aにおけるパウチ容器10の幅方向に対応する所定方向両端に位置するエッジの内側にポイント構成シール部分40が配置され、かつ、この所定方向両端のエッジとポイント構成シール部分40の所定方向両端のエッジとの距離が所定値以上であることである。
図14Aは、上部ポイントシール19bに対応するポイント構成シール部分40のエッジの位置がサイドシール部22に対応するサイド構成シール部分22Aのエッジの位置に対し適正である場合の状態を示している図6のE部を裏から見た状態に相当する図である。
撮影部139の撮影画像が図14Aに示す画像である場合には、サイド構成シール部分22Aにおける容器連続体2の長手方向(図14Aの左右方向)の両端に位置する2つのエッジE1a、E1bの内側に、図14Aに斜線部で示すポイント構成シール部分40が配置される。このとき、ポイント構成シール部分40は、トップ構成シール部分20Aとサイド構成シール部分22Aとのシール境界部24を跨ぐように位置する。容器連続体2の長手方向は、パウチ容器10の幅方向に対応する所定方向に相当する。また、上記2つのエッジE1a、E1bと、ポイント構成シール部分40における容器連続体2の長手方向両端のエッジE2a、E2bのエッジE1a、E1bと対応する側のエッジとの距離A1,A2(図14A)がそれぞれ所定値以上となっている。このため、上記の所定条件が成立する。図14Aでは、サイド構成シール部分22Aの上端部がサイド構成シール部分22Aの長手方向中間部より幅広となっており、この幅広となった部分で、サイド構成シール部分22Aの幅方向両端のエッジE1a、E1bと、ポイント構成シール部分40との位置の関係が判定される。なお、図14Aでは、トップシール部20を形成するトップ構成シール部分20Aの一部に、第2印刷マーク42が表示されている。
図14Aのように上記の所定条件が成立する、すなわちステップS13の判定結果が肯定(Yes)の場合には、制御部143により適正判定がされる。この場合には、容器連続体2における隣り合うパウチ容器10について、サイド構成シール部分22Aのエッジと、ポイント構成シール部分40のエッジとの位置関係が適正であると判定される。そして、この場合には、制御部143が、表示部142に、容器連続体2において隣り合うパウチ容器の隣り合う上部ポイントシールの位置が適正であることを報知、すなわち表示させる。例えば、表示部142では、適正を示す「OK」の文字が表示される(ステップS14)。
図14Bは、ポイント構成シール部分40のエッジの位置がサイド構成シール部分22Aのエッジの位置に対し不適正である場合の状態を示している図6のE部を裏から見た状態に相当する図である。
撮影部139の撮影画像が図14Bに示す画像である場合には、サイド構成シール部分22Aにおける容器連続体2の長手方向の両端の2つのエッジE1a、E1bの内側に、ポイント構成シール部分40が配置されていない。そして、その2つのエッジE1a、E1bの間からポイント構成シール部分40の一部がはみ出している。このため、上記の所定条件が不成立となる。
そして、図14Bのように上記の所定条件が不成立である、すなわちステップS13の判定結果が否定(No)の場合には、制御部143により不適正判定がされる。この場合には、制御部143が、容器連続体2における隣り合うパウチ容器10について、隣り合う上部ポイントシール19bの少なくとも一方の上部ポイントシール19bの位置が不適正であることを表示部142により報知、すなわち表示させる。例えば、表示部142では、不適正を示す「NG」の文字が表示される(ステップS15)。
これとともに、制御部143は、系外排出機構を制御する制御部(図示せず)に対し、不良品となるパウチ容器を系外に排出させるための不良品検出信号を出力する。このとき、図14Bの状態では、サイド構成シール部分22AのエッジE1aからポイント構成シール部分40のエッジE2aまでの距離が所定値未満であるパウチ容器が不良品と判断される。
一方、図14Aと同様に、サイド構成シール部分22Aの2つのエッジE1a、E1bの内側に、ポイント構成シール部分40が配置されている場合でも、2つのエッジE1a、E1bの一方と、それに対応する側のポイント構成シール部分40のエッジE2a、E2bとの距離A1(またはA2)(図14A)が所定値未満となる場合がある。この場合には、ポイント構成シール部分40のエッジとサイド構成シール部分22Aのエッジとの距離が、公差等の面から過少となる可能性が高い。この場合には、図14Bの場合と同様に、制御部143が、表示部142に、容器連続体2において、隣り合う上部ポイントシール19bの少なくとも一方の上部ポイントシールの位置が不適正であることを表示させる。また、これとともに、図14Bの場合と同様に、制御部143が、系外排出機構を制御する制御部(図示せず)に対し、不良品となるパウチ容器を系外に排出させるための不良品検出信号を出力する。図13のステップS14,S15の処理の終了によって、上部ポイントシールの位置を検査する処理が終了する。
容器連続体2がシール位置検査装置130を通過した後には、容器連続体2における隣り合うパウチ容器10の連続部3が切断ユニット126(図1)で切断される。これにより、例えば、図14Aに示すようにサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正である場合に、連続部3が切り離されると、後述の図15Bに示す状態となる。
また、本実施形態のパウチ容器の製造方法は、上記の第1シールステップ、第2シールステップ及びシール位置検査ステップを含む。
上記のパウチ容器のシール位置検査装置130、製造装置1及び製造方法によれば、複数のパウチ容器10が幅方向につながった容器連続体2を搬送してサイド構成シール部分22Aとポイント構成シール部分40とを撮影部139により撮影する。そして、撮影後の画像に基づいてシール位置検査装置130が、容器連続体2の状態においてサイド構成シール部分22A(図14A)のエッジの位置に対し、ポイント構成シール部分40(図14A)のエッジの位置が適正か否かを検査する。また、シール位置検査装置130は、表示部142により、ポイント構成シール部分40におけるエッジの位置が適正か否かの検査結果を表示させる。これにより、複数のパウチ容器10の上部ポイントシール19bの位置が適正か否かを、短時間かつ高精度で検査できる。また、パウチ容器10の製造中に、製造ラインを止めることなく検査できる。このため、パウチ容器10の品質向上及びコスト削減に大きく貢献できる。
上記では、上部ポイントシール19bのサイドシール部22に対する位置が適正か否かを検査する場合を説明したが、これとともに、下部ポイントシール19aのサイドシール部22に対する位置が適正か否かを検査してもよい。この場合、例えば容器連続体2において、隣り合う下部ポイントシール19aを構成するポイント構成シール部分と、サイド構成シール部分22Aとを撮影部で撮影し、その撮影画像から下部ポイントシール19aのサイドシール部22に対する位置が適正か否かを検査してもよい。
また、上記では、パウチ容器の幅方向に対応する方向についての上部ポイントシール19bの位置ずれを検査しているが、パウチ容器の上下方向(図2、図3の上下方向)に対応する方向についての上部ポイントシール19bの位置が所定範囲内にあるか否かを検査することもできる。
また、印刷に対しての幅方向及び上下方向についてのサイドシール部22の位置の検査と、印刷に対しての幅方向及び上下方向についての上部ポイントシール19bの位置の検査とは、上記のように第2印刷マーク42を用いて行われる。
図15Aは、実施形態の別例のシール位置検査装置において、サイドシール部22に対応するサイド構成シール部分22Aの形成時に、容器連続体2の連続部3に基準マーク44が形成された状態を示している図6のE部を裏から見た状態に相当する図である。図15Bは、容器連続体2の連続部3が除去された状態を示している図15Aに相当する図である。
本例の構成では、シール位置検査装置の検査対象である容器連続体2において、複数のパウチ容器10の連続部3に、サイド構成シール部分22Aの形成と同時にシール位置推測用の基準マーク44(図15A)が形成される。図15Aに示す例では、この基準マーク44は、先端面が円形の軸部(図示せず)により押圧されて形成された円形の押し跡である。この軸部は、サイド構成シール部分22Aを形成する第1シールユニット120の押圧部(図示せず)が固定される部分に一体に固定される。そして、その押圧部が容器連続体2に押圧されることと同時に、その押圧位置に対応する連続部3に基準マーク形成用の軸部の先端が押圧される。これにより、基準マーク44が形成される。一方、図15Bに示すように、この基準マーク44が形成される連続部3は、後工程で切断ユニット126(図1)によって、複数のパウチ容器10の切り離し時に除去できる。これにより、基準マーク44が適正範囲にある場合に、その基準マーク44を、複数のパウチ容器10の切り離し時に除去できる。このため、パウチ容器10の完成後に不用な基準マーク44が残った状態となりにくいので、パウチ容器10の商品性を高くできる。
本例のシール位置検査装置130では、このように形成される基準マーク44を利用して、上部ポイントシールを構成するポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正か否かを検査する。
図16は、実施形態の別例のシール位置検査装置において、上部ポイントシールの位置が適正か否かを検査する処理を示すフローチャートである。図16のステップS20において、制御部143は、図13のステップS11と同様に、撮影部139により、容器連続体2において、表面シート部分S1の側からサイド構成シール部分22Aにおいて、トップ構成シール部分20Aとのシール境界部24を含む部分、及びポイント構成シール部分40を撮影させる。次いで、ステップS21において、制御部143は、撮影部139の撮影画像から得られた基準マーク44の位置に基づいて、サイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1bにおける所定方向である容器連続体2の長手方向(図15Aの左右方向)の位置を推測する。
そして、ステップS22において、制御部143が、所定条件が成立したか否かを判定する。このとき、サイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1bの位置として、ステップS21で推測されたポイント構成シール部分40のエッジE1a、E1bの位置が用いられる。ステップS22において、その他の処理は、図13のステップS13と同様である。ステップS22の判定結果が肯定(Yes)であれば、ステップS23に進み、判定結果が否定(No)であれば、ステップS24に進む。ステップS23、S24の処理は、それぞれ図13のステップS14、S15の処理と同様である。
本例の構成は、撮影部139で撮影したサイド構成シール部分22Aの撮影画像を用いることなく、サイド構成シール部分22Aのエッジの位置に対するポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正か否かを検査できる。本例の構成はサイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1bの位置が撮影画像で不鮮明である場合に有効である。特に、ポイント構成シール部分40よりもサイド構成シール部分22Aの方がエッジの位置が不鮮明となりやすいので、有効である。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図14Bの構成と同様である。
なお、図15A〜図16の構成において、制御部143は、上部ポイントシールを構成するポイント構成シール部分40のエッジの位置を撮影画像から計測せず、ポイント構成シール部分40の形成と同時に容器連続体2の連続部3に形成される基準マークの位置を計測してもよい。このとき、基準マークを形成する軸部は、ポイント構成シール部分40を形成する第2シールユニット127のポイントシールバー53(図6)が固定される部分に一体に固定される。そして、そのポイントシールバー53が容器連続体2に押圧されることと同時に、その押圧位置に対応する連続部3に基準マーク形成用の軸部の先端が押圧される。これにより、基準マークが形成される。この構成の場合には、連続部3にポイント構成シール部分40の形成と同時に基準マークが形成される。そして、この場合に、撮影部139は、複数のパウチ容器10の切り離し前の搬送時において、表面シート部分S1側から複数のパウチ容器10の連続部3を撮影する。また、制御部143は、撮影部139の撮影画像から得られた基準マークの位置に基づいて、ポイント構成シール部分40のエッジにおける容器連続体2の長手方向位置を推測する。
この構成の場合には、撮影部139で撮影したポイント構成シール部分40の撮影画像を用いることなく、サイド構成シール部分22Aのエッジの位置に対するポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正か否かを検査できる。この構成は、ポイント構成シール部分40のエッジの位置が撮影画像で不鮮明である場合に有効である。
また、基準マークの形状は、円形に限定するものではなく、所定形状である三角形、四角形等の多角形等とすることもできる。また、基準マークは、押し跡に限定するものではなく、所定形状の貫通孔、または着色部とすることができる。例えば貫通孔は、打ち抜きパンチで連続部3を打ち抜くことにより、例えば円形または多角形等の基準マークを形成できる。また、着色部は、インクジェット等により所定の色のインクを連続部3に着色することができる。この場合の着色部の色は、連続部3のベースの色とは大きく異なる色とすることが基準マークのエッジの位置を計測しやすくする面から好ましい。上記の貫通孔または着色部は、サイド構成シール部分22Aの形成用の押圧部、またはポイントシールバー53が容器連続体2に押圧されることと同時に、連続部3に形成される。
図17は、実施形態の別例のシール位置検査装置において、サイドシール部22に対応するサイド構成シール部分22A及び上部ポイントシール19bに対応するポイント構成シール部分40の形成時に、容器連続体2の連続部3に第1及び第2基準マーク45,46がそれぞれ形成された状態を示している図6のE部を裏から見た状態に相当する図である。
本例の構成では、容器連続体2において、複数のパウチ容器10の連続部3に、サイド構成シール部分22Aびポイント構成シール部分40の形成と同時にそれぞれシール位置推測用の第1及び第2基準マーク45,46が形成される。図17に示す例では、各基準マーク45,46は、図15Aに示した構成と同様に、円形の押し跡である。第1基準マーク45は、先端面が円形の第1軸部(図示せず)により押圧されて形成され、第2基準マーク46は、先端面が円形の第2軸部(図示せず)により押圧されて形成される。具体的には、第1基準マーク45を形成する第1軸部は、サイド構成シール部分22Aを形成する第1シールユニット120の押圧部(図示せず)が固定される部分に一体に固定されている。押圧部が容器連続体2に押圧されることと同時に、その押圧位置に対応する連続部3に第1軸部の先端が押圧される。これにより、第1基準マーク45が形成される。この場合には、サイド構成シール部分22Aの形成と同時に連続部3に第1基準マーク45が形成される。図17では、連続部3の幅方向中央位置に第1基準マーク45が形成される。
一方、第2基準マーク46を形成する第2軸部は、ポイント構成シール部分40を形成するポイントシールバー53が固定される部分に一体に固定されている。ポイントシールバー53が容器連続体2に押圧されることと同時に、その押圧位置に対応する連続部3に第2軸部の先端が押圧される。これにより、第2基準マーク46が形成される。この場合には、ポイント構成シール部分40の形成と同時に連続部3に第2基準マーク46が形成される。図17では、連続部3において、第1基準マーク45に対し幅方向一方側(図17の左側)にずれた位置に、第2基準マーク46が形成される。これに伴って、上部ポイントシールを構成するポイント構成シール部分40は、一方のエッジE2aがサイド構成シール部分22Aの一端のエッジE1aに近づくように、トップ構成シール部分20Aとサイド構成シール部分22Aとのシール境界部24の幅方向(図17の左右方向)中央からずれている。
上記の第1及び第2基準マーク45,46が形成される連続部3は、後工程で切断ユニット126によって、複数のパウチ容器10の切り離し時に除去できる。これにより、各基準マーク45,46が適正範囲にある場合に、各基準マーク45,46を複数のパウチ容器10の切り離し時に除去できる。このため、パウチ容器10の完成後に不用な基準マーク45,46が残った状態となりにくいので、パウチ容器10の商品性を高くできる。
本例のシール位置検査装置では、このように形成される第1及び第2基準マーク45,46を利用して、上部ポイントシールを形成するポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正か否かを検査する。
図18は、実施形態の別例のシール位置検査装置において、上部ポイントシールの位置が適正か否かを検査する処理を示すフローチャートである。図18のステップS30において、制御部143は、図13のステップS11と同様に、撮影部139により、容器連続体2において、表面シート部分S1の側からサイド構成シール部分22Aにおいてトップ構成シール部分20Aとのシール境界部24を含む部分、及びポイント構成シール部分40を撮影させる。次いで、ステップS31において、制御部143は、撮影部139の撮影画像から得られた第1及び第2基準マーク45,46の位置から、サイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジE1a、E1b、E2a、E2bにおける容器連続体2の長手方向(図17の左右方向)の位置を推測する。
そして、ステップS32において、制御部143が、所定条件が成立したか否かを判定する。このとき、サイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジE1a、E1b、E2a、E2bの位置として、ステップS31で推測されたサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジの位置が用いられる。ステップS32において、その他の処理は、図13のステップS13と同様である。ステップS32の判定結果が肯定(Yes)であれば、ステップS33に進み、判定結果が否定(No)であれば、ステップS34に進む。ステップS33、S34の処理は、それぞれ図13のステップS14、S15の処理と同様である。
本例の構成は、撮影部139で撮影したサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40の撮影画像を用いることなく、サイド構成シール部分22Aのエッジの位置に対するポイント構成シール部分40のエッジの位置が適正か否かを検査できる。サイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジの位置が撮影画像で不鮮明である場合に、本例の構成は有効である。本例において、その他の構成及び作用は、図1〜図14Bの構成、または図15A〜図16の構成と同様である。
なお、図17〜図18の構成において、図15A〜図16の構成と同様に、第1及び第2基準マーク45,46の形状を円形以外とすることもできる。また、第1及び第2基準マーク45,46は、押し跡以外に、所定形状の貫通孔、または着色部とすることもできる。
なお、図示は省略するが、別例の構成として、図1〜図14Bの構成において、撮影部139(図9)が、容器連続体2において第2印刷マーク42(図14A)、サイド構成シール部分22A、及びポイント構成シール部分40を撮影してもよい。そして、制御部143(図1)が、撮影部139の撮影画像に基づいて、第2印刷マーク42の位置からサイド構成シール部分22Aのエッジにおける位置までの第1距離を推測する。また、制御部143が、撮影部139の撮影画像に基づいて、第2印刷マーク42の位置からポイント構成シール部分40のエッジにおける位置までの第2距離を計測する。制御部143は、上記の第1距離及び第2距離に基づいて、サイド構成シール部分22Aのエッジ及びポイント構成シール部分40のエッジの所定方向である容器連続体2の長手方向における位置の関係を推測する。
この構成によれば、サイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジの所定方向における位置の関係を、第2印刷マーク42との関係から間接的に推測することができる。また、第2印刷マーク42を用いることで印刷層の印刷に対してサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のそれぞれが適正な位置関係にあるか否かを検査することもできる。
図19は、実施形態の別例の製造装置の一部の構成をシート材M及び容器連続体2の処理方向とともに示す構成図である。図20は、図19に示す製造装置における第1撮影ユニット150で撮影された画像において、サイドシール部22(図2、図3)に対応するサイド構成シール部分22Aのエッジと第2印刷マーク42との位置関係を示す図である。
本例の構成では、図19に示すように、第1シールユニット120にシート材Mを通過させてヒートシール処理を施すことで、シート材Mにトップ構成シール部分20A、ボトム構成シール部分21A(図6)及びサイド構成シール部分22Aを形成する。この処理は、図1を用いて説明した第1シールユニット120での処理と同様である。そして、第1シールユニット120を通過後のシート材Mを、第1撮影ユニット150で撮影する。このとき、第1撮影ユニット150は、図20に示すように、第1シールユニット120を通過後のシート材Mに対し、シート材Mに予め設けられた印刷層に含まれるように印刷された第2印刷マーク42、及びサイド構成シール部分22Aを、表面シート11及び裏面シート12のうち、表面シート11の側から撮影する。第1撮影ユニット150で撮影された撮影画像を示すデータは、後述の制御部160(図19)に送信される。第1撮影ユニット150は、後述の第2撮影ユニット152とともに、撮影部148を構成する。
その後、第1撮影ユニット150で撮影後のシート材Mを第2シールユニット127に通過させて、トップ構成シール部分20Aとサイド構成シール部分22Aとのシール境界部にポイントシールバー53(図6)を表裏方向に押圧することにより上側のポイント構成シール部分40を形成する。これとともに、ボトム構成シール部分21A(図6)とサイド構成シール部分22Aとのシール境界部にポイントシールバー52(図6)を表裏方向に押圧することにより下側のポイント構成シール部分(図示せず)を形成し、容器連続体2を形成する。そして、第2シールユニット127を通過後の容器連続体2を、第2撮影ユニット152で撮影する。このとき、第2撮影ユニット152は、図14Aを参照して、第2シールユニット127を通過後の容器連続体2に対し、第2印刷マーク42、及びポイント構成シール部分40を、表面シート11及び裏面シート12のうち、表面シート11の側から撮影する。第2撮影ユニット152で撮影された撮影画像を示すデータは、後述の制御部160に送信される。
制御部160は、操作部144の操作に応じて、第1撮影ユニット150及び第2撮影ユニット152の撮影画像に基づいて、所定条件が成立したか否かを判定する。この所定条件は、図14Aに示したように、サイド構成シール部分22Aにおけるパウチ容器10の幅方向に対応する所定方向両端に位置するエッジE1a、E1bの内側にポイント構成シール部分40が配置され、かつ、上記所定方向両端のエッジE1a、E1bとポイント構成シール部分40の上記所定方向両端のエッジE2a、E2bとの距離A1,A2(図14A)が所定値以上であることである。制御部160は、上記の所定条件が成立と判定した場合に、隣り合うパウチ容器10の隣り合う上部ポイントシール19bの位置が適正であることを報知部である表示部142により報知、すなわち表示させる。
一方、制御部160は、上記の所定条件が不成立と判定した場合に、隣り合うパウチ容器10の隣り合う上部ポイントシール19b(図3、図7)の少なくとも一方のポイントシールの位置が不適正であることを表示部142により表示させる。これとともに、制御部160は、系外排出機構を制御する制御部(図示せず)に対し、不良品となるパウチ容器を系外に排出させるための不良品検出信号を出力する。
また、制御部160は、上記の判定において、第1撮影ユニット150の撮影画像から得られた第2印刷マーク42の位置とサイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1bにおける位置とに基づいて、第2印刷マーク42及びサイド構成シール部分22Aの位置関係である第1位置関係を推測する。また、制御部160は、第2撮影ユニット152の撮影画像から得られた第2印刷マーク42の位置とポイント構成シール部分40(図14A)のエッジE2a、E2bにおける位置とに基づいて、第2印刷マーク42及びポイント構成シール部分40の位置関係である第2位置関係を推測する。そして、制御部160は、第1位置関係及び第2位置関係に基づいて、サイド構成シール部分22AのエッジE1a、E1b及びポイント構成シール部分40のエッジE2a、E2bの容器連続体2の長手方向における位置関係を推測する。制御部160は、この位置関係を用いて、上記の所定条件が成立したか否かを判定できる。
上記の構成によれば、サイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のエッジE1a、E1b、E2a、E2bの容器連続体2の長手方向における位置の関係を、第2印刷マーク42の位置との関係から間接的に推測することができる。また、第2印刷マーク42を用いることで印刷層の印刷に対してサイド構成シール部分22A及びポイント構成シール部分40のそれぞれが適正な位置関係にあるか否かを検査することもできる。その他の構成及び作用は、図1〜図14Bの構成と同様である。
本発明は、上述した実施形態及びその変形例の構成に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項及びその均等な範囲で種々の改良や変更が可能である。例えば、上記の各例では、報知部を表示部142としたが、報知部を音声発生部または点灯部としてもよい。例えば、上部ポイントシール19bの位置が適正または不適正であることを音声発生部により報知させてもよい。また、点灯部の点灯により上部ポイントシール19bの位置が適正であることを報知させ、点灯部の点滅により上部ポイントシール19bの位置が不適正であることを報知させてもよい。