JP6863056B2 - チャック付きフィルムの検査方法およびチャック付きフィルムの検査装置、並びにフィルムの検査方法および検査装置 - Google Patents

チャック付きフィルムの検査方法およびチャック付きフィルムの検査装置、並びにフィルムの検査方法および検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、チャック付きフィルムの検査方法、および同検査方法を実行するチャック付きフィルムの検査装置、並びにフィルムの検査方法および検査装置に関する。
病院などにおいては、患者などに栄養剤や医薬品などの流動食を投与する際、胃や腸に挿入したチューブを通して流動食を投与することがある。この場合、あらかじめ、パウチ内に収納されていた内容物に希釈液などを追加して、パウチの下方に設けられた注出口にチューブを連結させて流動食の投与を行っている。
このようなパウチでは、希釈液などを追加するための充填口が設けられ、この充填口を再封するためのチャックが設けられているものがある。このようなパウチとして、例えば、特許文献1に記載の「注出口付きパウチ」がある。
この注出口付きパウチは、上部シール部分に外部より飲料水などを注入するための開口部を有し、かつ前記開口部に左右に跨る開閉封自在なチャックが形成され、さらには、パウチを吊り下げるための吊下げ孔がシール部分に形成され、開口部の左右に少なくとも僅かなシール幅を残し、シール部分の一部を切り取った形状からなる切欠き部が形成され、開口部のチャックの上方の位置にシール部分の左右から内方に突出するシール部分が設けられている。
このような、栄養剤や医薬品などの内容物は、保存性や体内に投与されることから、無菌であることが求められる。そのため、一般にパウチは内容物が充填密封された後、加圧加熱殺菌されている。
この加圧加熱殺菌では、内容物の中心部まで充分に殺菌するために、外側部分の内容物には過度の熱処理が行われ、その結果、内容物の変質により、栄養分の損失や吸収され難くなることが考えられる。
このような過度の熱処理を行わずに、充分な無菌性を得る方法として、無菌充填方法がある。これは、内容物は液体殺菌機などで殺菌しておき、殺菌処理した包装材料に、無菌の雰囲気中で無菌的に内容物を充填し密封シールする方法である。
このような無菌充填の場合は、包装材料の殺菌処理には、過酸化水素水へ浸漬させたり、過酸化水素ガスの雰囲気中を通したりして殺菌し、その後、包装材料に残留した過酸化水素を除去している。
特許第5003037号公報
無菌充填方法を用いて包装材料を製造する際、チャック内に過酸化水素水等の液体が進入する不具合が発生することがある。詳細は後述するが、このような液体の存在を確実に検出することは容易ではない。しかしながら、チャック内に液体が存在する包装材料は、使用に適さないため、このような包装材料を確実に検出することが求められている。
チャックを有さないパウチを包装材料とする場合も、パウチを形成するフィルムに過酸化水素水等の液体が付着していると問題となることがある。
上記事情を踏まえ、本発明は、チャック内に存在する液体を確実に検出することができるチャック付きフィルムの検査方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、チャック内に存在する液体を確実に検出することができるチャック付きフィルムの検査装置を提供することである。
本発明の他の目的は、フィルムに付着した過酸化水素水を確実に検出することができるフィルムの検査方法および検査装置を提供することである。
本発明の第一の態様は、嵌合部を有し、周縁に熱封止処理が施されたチャックが樹脂フィルムに接合されたチャック付きフィルムの検査方法であって、第一の波長の第一赤外光に基づく第一赤外光画像と、前記第一の波長と異なる第二の波長の第二赤外光に基づく第二赤外光画像とを、前記チャックの同一部分について取得し、前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにおいて対応する画素ごとの差分値を算出し、所定の閾値以上の差分値を有する画素が存在する場合に、前記チャック内に液体が存在すると判定するものである。
本発明の第二の態様は、本発明のチャック付きフィルムの検査方法を実行するチャック付きフィルムの検査装置であって、前記第一赤外光および前記第二赤外光を前記チャックに照射可能に構成された赤外光源部と、前記チャックを撮像して前記第一赤外光画像および前記第二赤外光画像を取得可能に構成された赤外線カメラと、前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにもとづく前記差分値を算出可能に構成された画像処理部と、前記画像処理部から前記差分値を取得可能に構成された判定部とを備える。
本発明のチャック付きフィルムの検査方法およびチャック付きフィルムの検査装置によれば、チャック内に存在する液体を確実に検出することができる。
本発明のフィルムの検査方法および検査装置によれば、フィルムに付着した過酸化水素水を確実に検出することができる。
本発明の一実施形態に係るチャック付き包装袋においてフィルムに取り付けられるチャックの雄側取付基部側から見た前記チャックの斜視図である。 前記チャックの雌側取付基部側から見た前記チャックの斜視図である。 本実施形態に係るチャック付き包装袋の製造方法を示すフローチャートである。 前記チャック付き包装袋の製造工程の全体を示す模式図である。 前記チャック付き包装袋の製造方法における各工程を示す模式図である。 前記チャック付き包装袋の製造方法における各工程を示す模式図である。 前記チャック付き包装袋の製造方法における各工程を示す模式図である。 前記チャック付き包装袋の製造方法の第二シール工程における一対のシールバーの配置を示す図である。 前記チャック付き包装袋の製造方法の第三シール工程における一対のシールバーの配置を示す図である。 本実施形態に係る検査装置の構成を模式的に示す図である。 同検査装置における赤外光源部を模式的に示す図である。 検査工程の詳細を示すフローチャートである。 第一判定工程の詳細を示すフローチャートである。 第一赤外画像の一例である。 第二赤外画像の一例である。 第一差分画像の一例である。 第二判定工程の詳細を示すフローチャートである。 薄膜状の液体が存在する場合の第二赤外画像の一例である。 第三判定工程の詳細を示すフローチャートである。 チャックの可視光画像の一例である。
以下、本発明の一実施形態に係るチャック付きフィルムの製造装置について、図1から図20を参照して説明する。
まず、本実施形態に係るチャック付き包装袋(以下、単に「包装袋」と称することがある。)の製造装置で製造される包装袋に取り付けられるチャック20の構成について説明する。図1は、チャック20の雄側取付基部21側から見たチャック20の斜視図である。図2は、チャック20の雌側取付基部22側から見たチャック20の斜視図である。
図1および図2に示すように、チャック20は、互いに着脱可能に嵌まり合う雄型嵌合部(第二嵌合部)23および雌型嵌合部(第一嵌合部)24と、雄側取付基部(第二取付基部)21と、雌側取付基部(第一取付基部)22と、を有している。雄型嵌合部23および雌型嵌合部24は、ともに所定の一方向(第一方向)に延びて形成されている。なお、以下の説明では、この所定の一方向を長手方向Daと適宜称する。
雄側取付基部21は、雄型嵌合部23に一体に形成されている。雌側取付基部22は、雌型嵌合部24に一体に形成されている。雄側取付基部21および雌側取付基部22は、それぞれシート状に形成されている。本実施形態では、雄側取付基部21および雌側取付基部22はそれぞれ、長手方向Daと、長手方向Daおよび雄型嵌合部23と雌型嵌合部24とが互いに嵌まり合う方向(以下、この方向を上下方向Dcと適宜称する。)の両方に直交する方向(以下、この方向を幅方向(第二方向)Dbと適宜称する。)と、に延びている。
雄型嵌合部23は、雄側取付基部21の第一面21sに設けられており、第一面21sから突出している。雌型嵌合部24は、雌側取付基部22の第一面22sに設けられており、第一面22sから突出している。また、雌型嵌合部24には、雄型嵌合部23が着脱可能に嵌まる溝部が長手方向Daに延びて形成されている。
雌側取付基部22は、幅方向Dbにおいて雄側取付基部21の両端よりも幅方向Dbにそれぞれ長く延びる第一延長部25および第二延長部26を有している。本実施形態では、雌側取付基部22において雌型嵌合部24が設けられた位置から第一延長部25の延長方向(本実施形態では、幅方向Dbの一方)の先端までの幅方向Dbの寸法は、雌側取付基部22において雌型嵌合部24が設けられた位置から第二延長部26の延長方向(本実施形態では、幅方向Dbの他方)の先端までの幅方向Dbの寸法よりも、短く設定されている。
第二延長部26は、中間接合部27と、薄肉部28と、を有している。中間接合部27は、第二延長部26の延長方向の先端部26aと雌型嵌合部24との間に設けられ、雌側取付基部22の長手方向Daの両端部22a、22bの間を長手方向Daに沿って延びている。薄肉部28は、中間接合部27と第二延長部26の先端部26aとの間に設けられ、雌側取付基部22の両端部22a、22bの間を長手方向Daに沿って延びている。薄肉部28の厚さは、中間接合部27の厚さおよび第二延長部26の先端部26aの厚さのそれぞれよりも薄い。なお、ここで厚さとは、上下方向Dcにおける寸法を指す。本実施形態では、薄肉部28は、中間接合部27における雌側取付基部22の第一面22s側の面および第二延長部26の先端部26aにおける雌側取付基部22の第一面22s側の面の両方に対して凹むように形成されているとともに、中間接合部27における雌側取付基部22の第一面22sとは反対側の第二面22t側の面および第二延長部26の先端部26aにおける雌側取付基部22の第二面22t側の面の両方に対して凹むように形成されている。
雌側取付基部22では、第一延長部25の延長方向の先端部25a、第二延長部26の先端部26a、および中間接合部27が、フィルムに接合される部分である。このうち、第一延長部25の先端部25aにおいて雌側取付基部22の第一面22sの側の面25sには、易剥離性が付与されている。すなわち、第一延長部25の先端部25aが易剥離性を有する面25sでフィルムに接合している場合には、所定の力以上の外力(比較的小さい力)が作用することでフィルムから第一延長部25の先端部25aが剥離する。本実施形態では、第一延長部25の先端部25aの面25sは、公知のイージーピールフィルム29によって構成されている。このイージーピールフィルム29によって、第一延長部25の先端部25aの面25sに易剥離性が付与されている。
雌側取付基部22において中間接合部27と雌型嵌合部24との間の部分の厚さは、中間接合部27の厚さよりも薄い。また、雌側取付基部22において第一延長部25の先端部25aと雌型嵌合部24との間の部分の厚さは、第一延長部25の先端部25aの厚さよりも薄い。本実施形態では、第一延長部25の先端部25aと雌型嵌合部24との間の部分は、第一延長部25の先端部25aの面25sに対して凹むように形成されている。
雄側取付基部21の第一面21sには、雄型嵌合部23の幅方向Dbの両側に複数のリブ21cが形成されている。リブ21cは、雄側取付基部21の第一面21sから上下方向Dcに突出するように形成されており、雄側取付基部21の長手方向Daの両端部21a、21bの間を長手方向Daに沿って延びている。リブ21cが雄側取付基部21の第一面21sから上下方向Dcに突出する寸法は、雄型嵌合部23が雄側取付基部21の第一面21sから上下方向Dcに突出する寸法よりも、短く設定されている。本実施形態では、雄型嵌合部23の幅方向Dbの両側に、それぞれ3つのリブ21cが互いに幅方向Dbに間隔をあけて配置されている。
上述したチャック20が取り付けられるフィルムには、例えば、基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムが好ましく用いられる。基材層としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの樹脂の2軸延伸、あるいは、1軸延伸、未延伸のフィルムが好ましく使用できる。その場合の厚さは12〜50μm程度である。
基材層は、例えば多層であってもよい。多層の基材層としては、外層側から、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ナイロン/ポリエチレンテレフタレート、ナイロン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート、ナイロン/エチレンビニルアルコール共重合体、などの積層したフィルムを用いることができる。蒸着に用いる無機酸化物としては、アルミナやシリカなどが好ましく用いられる。
シーラント層には、例えば熱溶融性樹脂が用いられ、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。また、シーラント層には、上記した樹脂と他の樹脂からなる、多層の共押し出しフィルムが用いられてもよい。
シーラント層の厚さは、内容物の量によって、調整されるものであるが、例えば50μmから180μmであってよい。
基材層とシーラント層の貼り合せ方法、および、多層の基材層の基材同士の貼り合せ方法は、例えばドライラミネート法で行うことが好ましい。また、これらの貼り合わせ方法は、例えばサンドイッチラミネート法で行ってもよいし、シーラント層を押出機から製膜しながら押出して、基材層に貼り合わせる押出ラミネート法で行ってもよい。
また、基材層の裏面には、例えば絵柄印刷層を設けることも可能である。また、多層の基材層の場合は、基材層を構成する二つの層の間に絵柄印刷層を設けてもよい。絵柄印刷層を設ける印刷方式は、特に限定するものではないが、通常、グラビア印刷、あるいは、フレキソ印刷が用いられる。
チャック20には、上記したシーラント層に融着可能な樹脂が用いられるとよい。シーラント層として、例えば低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンを用いた場合には、チャック20にポリエチレン系樹脂を用いて、押出成型により連続して製造することができる。
次に、本実施形態に係るチャック付きフィルムの製造方法およびチャック付き包装袋の製造方法について、図3から図9を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るチャック付き包装袋の製造方法を示すフローチャートである。図4は、チャック付き包装袋の製造工程の全体を示す模式図である。図5から図7は、チャック付き包装袋の製造方法における各工程を示す模式図である。なお、図5は、図2のV−V矢視から見たチャック20およびチャック20が取り付けられるフィルム12を示している。図6は、チャック20およびフィルム12を雌側取付基部22側から見た斜視図である。図7は、チャック20を雌側取付基部22側から見た斜視図である。また、図7では、フィルム12の図示を省略している。
本実施形態に係るチャック付きフィルムの製造方法は、嵌合潰し工程(ステップS2)、第一シール工程(ステップS4)、第二シール工程(ステップS5)、および第三シール工程(ステップS6)を少なくとも備えている。よって、図3に示されるチャック付き包装袋の製造方法を示すフローチャートにおいて、第三シール工程まで実施することによって本実施形態に係るチャック付きフィルムを製造することができる。また、本実施形態に係るチャック付き包装袋の製造方法は、嵌合潰し工程(ステップS2)、第一シール工程(ステップS4)、第二シール工程(ステップS5)、第三シール工程(ステップS6)、フィルム曲げ工程(ステップS8)、第四シール工程(ステップS9)、第五シール工程(ステップS10)、および製袋シール工程(ステップS11)を少なくとも備えている。よって、本実施形態に係るチャック付きフィルムの製造方法とチャック付き包装袋の製造方法とは、嵌合潰し工程から第三シール工程までが共通している。このため、本実施形態に係るチャック付きフィルムの製造方法によって製造されたチャック付きフィルムを用いて、フィルム曲げ工程、第四シール工程、第五シール工程、および製袋シール工程を少なくとも実施することによっても、本実施形態に係るチャック付き包装袋を製造することができる。
以下では、本実施形態に係るチャック付き包装袋の製造方法について説明するが、上述したように共通する嵌合潰し工程から第三シール工程までは本実施形態に係るチャック付きフィルムの製造方法を構成している。
図4に示すように、まず、フィルム供給体10およびチャック供給体30を準備する。フィルム供給体10は、上述した構成を有するフィルム12を連続して供給するための長尺のフィルム連続体11がロール状に巻かれている。チャック供給体30は、上述したチャック20を連続して供給するための長尺のチャック連続体31がロール状に巻かれている。チャック連続体31において、チャック20の雄型嵌合部23および雌型嵌合部24は互いに嵌合している。フィルム供給体10からフィルム連続体11を搬送し、チャック供給体30からチャック連続体31を搬送する(ステップS1)。
続いて、嵌合潰し工程を行う(ステップS2)。嵌合潰し工程では、チャック連続体31において、チャック20の雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部を潰す。本実施形態では、一例として、チャック連続体31の移動方向の先端に位置する、チャック連続体31から分離される前のチャック20に対して、嵌合潰し工程を行う。具体的には、チャック連続体31において、チャック連続体31の先端に位置する分離前のチャック20において移動方向の後端側に位置する雄型嵌合部23の長手方向Daの端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの端部と、このチャック20の後端側に隣接する分離前のチャック20において移動方向の先端側に位置する雄型嵌合部23の長手方向Daの端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの端部と、を含む領域である領域R1(図6(a)参照)を、図7(a)に示すように一対のバー41A、41Bを用いて、チャック連続体31の厚さ方向(チャック20における上下方向Dc)の両側から加熱して、チャック連続体31の厚さ方向に圧力を加える。これによって、チャック連続体31の先端に位置する分離前のチャック20の雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部のうち移動方向の後端側の端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部のうち移動方向の後端側の端部と、この先端に位置する分離前のチャック20の後端側に隣接する分離前のチャック20の雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部のうち移動方向の先端側の端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部のうち移動方向の先端側の端部と、を同時に潰す。すなわち、チャック連続体31から分離される前のチャック20において、雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部のうち、まずチャック連続体31の移動方向の先端側に位置する雄型嵌合部23の長手方向Daの端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの端部が潰され、続いてチャック連続体31の移動方向の後端側に位置する雄型嵌合部23の長手方向Daの端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの端部が潰される。この嵌合潰し工程において、チャック20において雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部以外の部分は、図5(a)に示すように潰れていない状態のままである。
続いて、ピッチカット工程を行う(ステップS3)。ピッチカット工程では、チャック供給体30のチャック連続体31から、チャック20をチャック20の長手方向Daに分離する。本実施形態では、チャック連続体31の短手方向(チャック20における幅方向Db)に対して平行であり、チャック連続体31の移動方向の先端に位置する分離前のチャック20およびこのチャック20の後端側に隣接する分離前のチャック20に跨る領域R1においてチャック連続体31の長手方向(チャック20における長手方向Da)の略中央に位置する切断線CL(図6(a)参照)に沿って、チャック連続体31を順次切断する。これによって、チャック連続体31の先端に位置するチャック20がチャック連続体31からチャック20の長手方向Daに分離される。また、本実施形態では、チャック20の長手方向Daの寸法は、フィルム連続体11の長手方向におけるフィルム12の寸法よりも短く設定されており、例えば80mm程度である。チャック連続体31から分離されたチャック20を、フィルム12の面12s上の所定の位置に配置する。
続いて、第一シール工程を行う(ステップS4)。第一シール工程では、チャック20の雄側取付基部21において雄型嵌合部23が設けられた第一面21sとは反対側の第二面21tをフィルム12の面12sに接合する。フィルム12の面12sは、上述したシーラント層が形成された面である。このため、チャック20は、上述したようにシーラント層に融着可能な材料で構成されることによって、フィルム12の面12sに融着させることができる。
第一シール工程では、図7(b)に示すように、一対のシールバー42A、42Bを用いて、雄側取付基部21を加熱してフィルム12に融着させる。一対のシールバー42A、42Bは、チャック20の雄側取付基部21およびフィルム12を上下方向Dcに挟むように配置されており、チャック20の長手方向Daに渡って延びている。一対のシールバー42A、42Bは、例えば鋼材などの金属材で構成されている。一対のシールバー42A、42Bのうちフィルム12側に配置されたシールバー42Bは、例えば雄側取付基部21が融着可能な温度である180℃〜200℃程度に加熱されている。一方で、チャック20の雌側取付基部22側に配置されたシールバー42Aは、加熱されていない。この状態で、一対のシールバー42A、42Bで雄側取付基部21およびフィルム12を互いに密着するように挟む。これにより、図5(b)および図6(b)に示すように、シールバー42Bによって雄側取付基部21の第二面21tが加熱されて、フィルム12の面12sに融着する。すなわち、図5(b)および図6(b)に示す接合領域R2において、雄側取付基部21とフィルム12とがヒートシールされる。
このとき、雄側取付基部21の第一面21sには複数のリブ21cが設けられているので、雄側取付基部21の第一面21sと雌側取付基部22の第一面22sとが融着することをリブ21cによって防止することができる。また、図7(b)に示すように、一対のシールバー42A、42Bには、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24を避けるように長手方向Daに延びる溝部がそれぞれ形成されている。このため、一対のシールバー42A、42Bで雄側取付基部21およびフィルム12を互いに密着するように挟んだ場合に、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24を潰すことが防止されている。
続いて、第二シール工程を行う(ステップS5)。第二シール工程では、第一延長部25の先端部25aにおいて易剥離性を有する面25sをフィルム12の面12sに接合し、第二延長部26の先端部26aを、フィルム12の面12sにおいて第二延長部26の先端部26aと第一延長部25の先端部25aとの間に雄側取付基部21が配置されるようにフィルム12の面12sに接合する。
第二シール工程では、図7(c)に示すように、一対のシールバー(第一シールバー)43A、43Bを用いて、第一延長部25の先端部25aおよび第二延長部26の先端部26aをそれぞれ加熱してフィルム12に融着させる。一対のシールバー43A、43Bは、チャック20の雌側取付基部22およびフィルム12を上下方向Dcに挟むように配置されており、チャック20の長手方向Daに渡って延びている。一対のシールバー43A、43Bは、例えば鋼材などの金属材で構成されている。一対のシールバー43A、43Bのうちフィルム12側に配置されたシールバー43Bは、シールバー42Bと同様に例えば180℃〜200℃程度に加熱されている。一方で、一対のシールバー43A、43Bのうちチャック20の雌側取付基部22側に配置されたシールバー43Aは、加熱されていない。この状態で、一対のシールバー43A、43Bで第一延長部25の先端部25aとフィルム12とを互いに密着するように挟むとともに、第二延長部26の先端部26aとフィルム12とを互いに密着するように挟む。これにより、図5(c)および図6(c)に示すように、シールバー43Bによって第一延長部25の先端部25aの面25sが加熱されてフィルム12の面12sに融着し、第二延長部26の先端部26aが加熱されてフィルム12の面12sに融着する。すなわち、図5(c)および図6(c)に示す接合領域R3において、第一延長部25の先端部25aとフィルム12とがヒートシールされ、接合領域R4において、第二延長部26の先端部26aとフィルム12とがヒートシールされる。
また、このとき、一対のシールバー43A、43Bは、図8に示すように配置されている。図8は、第二シール工程における一対のシールバー43A、43Bの配置を示す図であり、図2のV−V矢視から見たチャック20およびフィルム12を示している。図8に示すように、一対のシールバー43A、43Bは、一対のシールバー43A、43Bで第一延長部25の先端部25aとフィルム12とを挟んだ場合に、一対のシールバー43A、43Bの一部が第一延長部25の先端部25aよりも第一延長部25の延長方向に張り出すように配置され、かつ、一対のシールバー43A、43Bで第二延長部26の先端部26aとフィルム12とを挟んだ場合に、一対のシールバー43A、43Bの一部が第二延長部26の先端部26aよりも第二延長部26の延長方向に張り出すように配置されている。本実施形態では、一対のシールバー43A、43Bは、第一延長部25の先端部25aよりも第一延長部25の延長方向に長さL1だけ張り出している。また、一対のシールバー43A、43Bは、第二延長部26の先端部26aよりも第二延長部26の延長方向に長さL2だけ張り出している。長さL1および長さL2は、例えば3mm程度に設定されている。一対のシールバー43A、43Bをこのように構成することによって、仮に一対のシールバー43A、43Bとチャック20との間で設定された位置関係に対してずれが生じた場合であっても、第一延長部25の先端部25aの延長方向の縁部まで確実にフィルム12に接合することができるとともに、第二延長部26の先端部26aの延長方向の縁部まで確実にフィルム12に接合することができる。
加えて、上述したように、雌側取付基部22において第一延長部25の先端部25aと雌型嵌合部24との間の部分は、第一延長部25の先端部25aよりも薄く形成されている。このため、一対のシールバー43A、43Bで第一延長部25の先端部25aとフィルム12とを挟んだ場合に、第一延長部25の先端部25aと雌型嵌合部24との間の部分はフィルム12と接触しにくくなる。これによって、第一延長部25の先端部25aと雌型嵌合部24との間の部分がフィルム12に接合することが防止されている。また、第二延長部26の先端部26aと中間接合部27との間に設けられた薄肉部28は、第二延長部26の先端部26aよりも薄く形成されている。このため、一対のシールバー43A、43Bで第二延長部26の先端部26aとフィルム12とを挟んだ場合に、薄肉部28はフィルム12と接触しにくくなる。これによって、薄肉部28がフィルム12に接合することが防止されている。
続いて、第三シール工程を行う(ステップS6)。第三シール工程では、雌側取付基部22の長手方向Daの両端部22a、22bをフィルム12の面12sにそれぞれ接合するとともに、雄側取付基部21の長手方向Daの両端部21a、21bをフィルム12の面12sにそれぞれ接合する。
第三シール工程では、図7(d)に示すように、一対のシールバー(第二シールバー)44A、44Bを用いて、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよび雄側取付基部21の両端部21a、21bをそれぞれ加熱してフィルム12に融着させる。一対のシールバー44A、44Bは、チャック20の雌側取付基部22の両端部22a、22b、雄側取付基部21の両端部21a、21b、およびフィルム12を上下方向Dcに挟むように配置されており、チャック20の幅方向Dbに渡って延びている。一対のシールバー44A、44Bのうちフィルム12側に配置されたシールバー44Bは、例えば鋼材などの金属材で構成されており、シールバー42Bなどと同様に例えば180℃〜200℃程度に加熱されている。一方で、一対のシールバー44A、44Bのうちチャック20の雌側取付基部22側に配置されたシールバー44Aは、例えばラバーなどの弾性体で構成されており、加熱されていない。この状態で、一対のシールバー44A、44Bで雌側取付基部22の両端部22a、22b、雄側取付基部21の両端部21a、21b、およびフィルム12を互いに密着するように挟む。これにより、図5(d)および図6(d)に示すように、雌側取付基部22の両端部22a、22bにおいて第一面22sが加熱されてフィルム12の面12sに融着するとともに、雄側取付基部21の両端部21a、21bにおいて第二面21tが加熱されてフィルム12の面12sに融着する。このとき、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよび雄側取付基部21の両端部21a、21bにおいて上下方向Dcに重なる部分も互いに融着する。すなわち、図5(d)および図6(d)に示す接合領域R5において、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよび雄側取付基部21の両端部21a、21bとフィルム12とがヒートシールされる。
上述した嵌合潰し工程において、雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部を潰しているものの、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよび雄側取付基部21の両端部21a、21bにおいて雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部が設けられた部分が、他の部分に比べて厚くなっている可能性がある。この場合、一対のシールバー44A、44Bにおいて雌側取付基部22の両端部22a、22b、雄側取付基部21の両端部21a、21b、およびフィルム12を挟む二つ面がともに平坦な場合には、上述した厚さの違いによって一対のシールバー44A、44Bが押圧できない部分が生じて、雄型嵌合部23の長手方向Daの両端部および雌型嵌合部24の長手方向Daの両端部においてフィルム12に接合されていない部分が残る可能性がある。これに対して、本実施形態では、一対のシールバー44A、44Bのうちシールバー44Aを弾性体で構成しているので、上述した厚さの違いが存在してもシールバー44Aが適宜弾性変形することによって、より確実に雌側取付基部22の両端部22a、22b、雄側取付基部21の両端部21a、21b、およびフィルム12を互いに密着するように押圧することができる。
また、第三シール工程では、一対のシールバー44A、44Bは、図9に示すように配置されている。図9は、第三シール工程における一対のシールバー44A、44Bの配置を示す図であり、幅方向Dbに沿って見たチャック20およびフィルム12を示している。図9に示すように、一対のシールバー44A、44Bは、一対のシールバー44A、44Bで雌側取付基部22の両端部22a、22b、雄側取付基部21の両端部21a、21b、およびフィルム12を挟んだ場合に、一対のシールバー44A、44Bの一部が雌側取付基部22の両端部22a、22bよりもそれぞれチャック20の長手方向Daに張り出すように配置されている。本実施形態では、一対のシールバー44A、44Bは、雌側取付基部22の両端部22a、22bよりもそれぞれ長手方向Daに長さL3だけ張り出している。長さL3は、例えば3mm程度に設定されている。一対のシールバー44A、44Bをこのように構成することによって、仮に一対のシールバー44A、44Bとチャック20との間で設定された位置関係に対してずれが生じた場合であっても、雌側取付基部22の両端部22a、22bの長手方向Daの縁部および雄側取付基部21の両端部21a、21bの長手方向Daの縁部まで確実にフィルム12に接合することができる。
第二シール工程および第三シール工程によって、雌側取付基部22の周縁22cは、雌側取付基部22とフィルム12との間に密閉空間SPが形成されるように、フィルム12の面12sに接合される。この密閉空間SP内には、チャック20の雄型嵌合部23および雌型嵌合部24が配置されている。また、上述したように、第一延長部25の先端部25aの延長方向の縁部、第二延長部26の先端部26aの延長方向の縁部、雌側取付基部22の両端部22a、22bの長手方向Daの縁部、および雄側取付基部21の両端部21a、21bの長手方向Daの縁部はフィルム12に接合されるので、雌側取付基部22の周縁22cは全てフィルム12の面12sに接合される。
続いて、殺菌処理を行う(ステップS7)。殺菌処理は、チャック20を取り付けたフィルム12を過酸化水素水に浸漬させることで行う(図4のブースB1)。このとき、チャック20において雄型嵌合部23および雌型嵌合部24は、雌側取付基部22とフィルム12との間に形成された密閉空間SP内に配置されている。このため、フィルム12にチャック20を取り付けた状態で、過酸化水素によりフィルム12の殺菌処理を行っても、過酸化水素がチャック20の雄型嵌合部23および雌型嵌合部24に触れることを防止できる。
加えて、チャック20において雌側取付基部22の周縁22cは全てフィルム12の面12sに接合されている。このため、フィルム12にチャック20を取り付けた状態で、過酸化水素によりフィルム12の殺菌処理を行っても、雌側取付基部22の周縁22cとフィルム12との隙間に過酸化水素が入り込むことを防止できる。
過酸化水素による殺菌処理後では、過酸化水素がチャック20を含むフィルム12の表面に付着したり、表面近傍に浸透したりしている。そこで、無菌エアーなどの無菌ガスをフィルム12に吹き付けて過酸化水素を除去する(図4のブースB2)。
ステップS7の終了後、チャック20内に存在する液体を検出する検査工程(ステップS75)が行われる。上述したように、チャック20は、その周縁に熱封止処理が行われた状態でフィルム12に接合されているため、熱封止処理が適切に行われていれば、ステップS7を行ってもチャック20内に過酸化水素水が浸入することはない。しかし、熱封止処理が適切に行われなかった等の場合や、何らかの理由で熱封止処理の前にチャック20内に水等の液体が入り込んだ等の場合、チャック20内に液体が存在する可能性がある。検査工程S75の目的は、そのようなチャック付きフィルムを検出することにより、出荷されないように制御することにある。
本実施形態における検査工程S75は、本発明に係るチャック付きフィルムの検査方法の一態様であり、その詳細については後述する。検査工程S75を終えたチャック付きフィルムは、次工程のステップS8に進む。
続いて、フィルム曲げ工程を行う(ステップS8)。フィルム曲げ工程では、図4に示すように、フィルム12の面12sにおいてチャック20が取り付けられた第一半分13Aと第一半分13A以外の第二半分13Bとが互いに対向するように、フィルム12を曲げる。本実施形態では、フィルム12の面12sの第一半分13Aと第二半分13Bとは、ほぼ同じ面積を有し、折り曲げた状態では第一半分13Aの周縁部と第二半分13Bの周縁部とが互いに重なるように、設定されている。フィルム曲げ工程によって、フィルム12の面12sの第二半分13Bは、雌側取付基部22の第一面22sとは反対側の第二面22tと対向するように配置される。
続いて、第四シール工程を行う(ステップS9)。第四シール工程では、雌側取付基部22の第二延長部26の中間接合部27を、フィルム12の面12sの第二半分13Bに接合する。
第四シール工程では、図7(e)に示すように、一対のシールバー(第三シールバー)45A、45Bを用いて、中間接合部27を加熱してフィルム12に融着させる。一対のシールバー45A、45Bは、チャック20の中間接合部27およびフィルム12の面12sの第二半分13Bを上下方向Dcに挟むように配置されており、チャック20の長手方向Daに渡って延びている。一対のシールバー45A、45Bのうち雌側取付基部22においてフィルム12の面12sの第二半分13Bと対向する第二面22tの側に配置されたシールバー45Aは、例えば鋼材などの金属材で構成されており、シールバー42Bなどと同様に例えば180℃〜200℃程度に加熱されている。一方で、一対のシールバー45A、45Bのうち雌側取付基部22においてフィルム12の面12sの第一半分13Aと対向する第一面22sの側に配置されたシールバー45Bは、例えばラバーなどの弾性体で構成されており、加熱されていない。この状態で、一対のシールバー45A、45Bで中間接合部27およびフィルム12の面12sの第二半分13Bを互いに密着するように挟む。これにより、図5(e)および図6(e)に示すように、中間接合部27においてフィルム12の面12sの第二半分13Bに対向する面が加熱されてフィルム12の面12sの第二半分13Bに融着する。すなわち、図5(e)および図6(e)に示す接合領域R6において、中間接合部27とフィルム12の面12sの第二半分13Bとがヒートシールされる。
このとき、上述したように、中間接合部27と第二延長部26の先端部26aとの間に設けられた薄肉部28は、中間接合部27よりも薄く形成されているので、一対のシールバー45A、45Bで中間接合部27とフィルム12の面12sの第二半分13Bとを挟んだ場合に、薄肉部28はフィルム12の面12sの第二半分13Bと接触しにくくなる。これによって、薄肉部28がフィルム12の面12sの第二半分13Bに接合することが防止されている。
また、一対のシールバー45A、45Bのうち雌側取付基部22の第二面22tの側に配置されたシールバー45Aによって中間接合部27およびフィルム12の面12sの第二半分13Bを加熱し、他方のシールバー45Bは加熱されていないので、中間接合部27とフィルム12の面12sの第一半分13Aとが融着することを防止できる。
続いて、第五シール工程(ステップS10)、製袋シール工程(ステップS11)、および充填(ステップS12)を行う。第五シール工程では、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよびフィルム12の面12sの第一半分13Aにおいて雌側取付基部22の両端部22a、22bに隣接する部分を、フィルム12の面12sの第二半分13Bに接合する。製袋シール工程では、フィルム12の面12sの第一半分13Aの周縁部と第二半分13Bの周縁部とを互いに接合する。充填では、包装袋の内容物を充填する。
図3に示すフローチャートでは、説明の便宜上、第五シール工程、製袋シール工程、および充填を明確に分けて記載しているが、これらの工程は一体的に行ってよい。本実施形態では、内容物の充填は、製袋シール工程の途中段階で行われる。また、第五シール工程は、製袋シール工程と同時に行われる。
図4に示す製造工程では、第四シール工程の後、まず製袋シール工程として、フィルム12の面12sの第一半分13Aの周縁部のうちチャック20の長手方向Daに沿って延びる縁部と第二半分13Bの周縁部のうちチャック20の長手方向Daに沿って延びる縁部とを互いに接合する。同時に、チャック20の下側に位置するフィルム12の部分の面12sの第一半分13Aと第二半分13Bとを互いに接合する。そして、フィルム12の面12sの第一半分13Aの周縁部のうちチャック20の幅方向Dbに沿って延びる縁部のうちの下側に位置する縁部と第二半分13Bの周縁部のうちチャック20の幅方向Dbに沿って延びる縁部のうち下側に位置する縁部とを互いに接合する。この状態で、下側の縁部がシールされたフィルム12の中に、シールされていない上側の縁部から内容物を充填する。
続いて、製袋シール工程として、フィルム12の面12sの第一半分13Aの周縁部のうちチャック20の幅方向Dbに沿って延びる縁部のうちの上側に位置する縁部と第二半分13Bの周縁部のうちチャック20の幅方向Dbに沿って延びる縁部のうち上側に位置する縁部とを互いに接合するとともに、第五シール工程を行う。第五シール工程では、図7(f)に示す一対のシールバー46A、46Bを用いて、図6(f)の接合領域R7に示すように、雌側取付基部22の両端部22a、22bおよびフィルム12の面12sの第一半分13Aにおいて雌側取付基部22の両端部22a、22bに隣接する部分をそれぞれ加熱してフィルム12の面12sの第二半分13Bに融着させる。これにより、図5(f)に示すように、雌側取付基部22の第二面22tに沿ってフィルム12の面12sの第二半分13Bが配置される。このとき、一対のシールバー46A、46Bによって、フィルム12の面12sの第一半分13Aの周縁部の上側の縁部と第二半分13Bの周縁部の上側の縁部との接合と、第五シール工程との両方を一度に行えるように、一対のシールバー46A、46Bを構成してもよい。
以上の工程の最後に、抜きや裁断などによってフィルム連続体11からフィルム12を分離するとともにフィルム12の外形を適宜整えることで、内容物の充填されたチャック付き包装袋1が得られる。
上述した全ての工程は、クレーンルームやクリーンブースなどの無菌雰囲気内にて行う。また、過酸化水素による殺菌や過酸化水素の除去は、無菌雰囲気内においてさらに囲われたゾーンを設けて、他の工程に過酸化水素が拡散しないようにして行う。
また、チャック付き包装袋1のうち、上述した検査工程S75においてチャック20内に液体が検出されたものについては、以後の工程でも監視されており、内容物の充填および分離後に不良品として廃棄される。
次に、検査工程S75の内容について説明する。検査工程S75は、ステップS7が終了したチャック付きフィルムに対して、ステップS8が実行されるまでにチャック付きフィルムが通過する経路上に設置された検査装置100(図4参照)により自動的に実行される。
図10に、検査装置100の構成を模式的に示す。検査装置100は、図10に示すように、チャック20の赤外光画像を取得する第一撮像部110と、チャック20の可視光画像を取得する第二撮像部120と、第一撮像部110および第二撮像部120と接続された画像処理部130と、画像処理部130と接続された判定部140とを備えている。
第一撮像部110は、少なくとも2波長の赤外光をチャック20に照射する赤外光源部111と、前記2波長の各赤外光に基づくチャック20の画像を撮像する赤外線カメラ112とを有している。
図11に赤外光源部111の構造を模式的に示す。図11に示すように、光源部111は、第一の波長の赤外光(第一赤外光)を出射する第一光源111aと、第一の波長と異なる第二の波長の赤外光(第二赤外光)を出射する第二光源111bとが、交互に一列に並べて配置されて構成されている。赤外光源部111における光源の列は、図10の紙面に垂直な方向に延びているため、第一光源111aから出射される第一赤外光と、第二光源111bから出射される第二赤外光とは、概ね同一角度でチャック20に入射する。
第一の波長は、検出対象とする液体が吸収する波長であり、第二の波長は検出対象とする液体が吸収しない波長である。この条件を満たす限り、第一の波長および第二の波長の具体的な値は、検出対象を踏まえて適宜設定されてよく、第一の波長と第二の波長との大小関係も特に制限されない。
例えば、本実施形態のように過酸化水素水を検出対象とする場合、第一の波長を1450ナノメートル(nm)、第二の波長を1200nmとすることができる。なお、第一の波長としては、1400nm以上1500nm以下の範囲で、第二の波長としては、1000nm以上1300nm以下もしくは1600nm以上1700nm以下の範囲で選択できる。
赤外線カメラ112は、入射する第一赤外光および第二赤外光を分光して、チャック20における第一赤外光の反射像である第一赤外光画像と、チャック20における第二赤外光の反射像である第二赤外光画像との2枚の赤外光画像を取得可能に構成されている。赤外線カメラ112としては、公知の2波長カメラを適宜設定することにより用いることができる。
第二撮像部120は、可視光画像を撮像可能な可視光カメラ121と、チャック付きフィルムに対して可視光カメラと反対側に設置された可視光光源122とを有している。
画像処理部130および判定部140としては、コンピュータ、ロジック回路等のハードウェアや、プログラム等のソフトウェアのいずれを用いることも可能である。
図12は、検査工程S75の詳細を示すフローチャートである。検査工程S75は、図12に示すように、第一判定工程S751と、第二判定工程S752と、第三判定工程S753とを備えている。
図13は、第一判定工程S751の流れを示すフローチャートである。
第一判定工程S751においては、まずステップS751aにおいて、赤外光源部111から第一の波長および第二の波長を含む赤外光がチャック20全体に照射された状態で、赤外線カメラ112が検査対象のチャック付きフィルムのうち、チャック20全体を含む赤外画像を取得する。このとき、赤外線カメラ112は、チャック付きフィルムから入射した反射光を分光する等により、第一赤外光に基づく第一赤外画像と、第二赤外光に基づく第二赤外画像との二つの赤外画像を取得する。第一赤外画像および第二赤外画像の撮像範囲は同一であり、いずれもチャック20全体を含んでいる。したがって、第二赤外画像は、第一赤外画像のすべての画素に対して、それぞれ対応する画素を有する。
ステップS751aで取得された第一赤外画像および第二赤外画像のデータは、第一撮像部110から画像処理部130に送信される。
続くステップS751bにおいて、画像処理部130は、受信した第一赤外画像および第二赤外画像を用いて、対応する画素間の輝度の差分値を全画素について算出し、差分値に基づいた差分画像を生成する。
チャック20内に検出対象の液体(本実施形態では過酸化水素水)が存在する場合、第一赤外画像では、図14に示す例のように、液体が第一赤外光を吸収することにより、液体の存在する部位P1が黒っぽくなるが、第二赤外画像では、液体が透明であり、かつ第二赤外光を吸収しないため、図15に示す例のように、外見において部位P1と他の部位との間に大きな差が生じない。したがって、画像処理部130で算出される差分値は、検出対象の液体が存在する部位のみにおいて大きくなる傾向を有する。一方、第一赤外画像および第二赤外画像においては、液体が存在しなくても、表面の凹凸等に起因する陰影等により黒っぽく映る箇所が存在する場合があるが、このような陰影は、第一赤外画像と第二赤外画像とで概ね同様であるため、このような箇所では画像処理部130で算出される差分値が大きくなりにくい。すなわち、差分画像を生成することにより、チャック表面の陰影等に起因するノイズは排除される。
画像処理部130は、生成された差分画像に対し、所定の閾値以上の差分値を有する画素を白、所定の閾値未満の差分値を有する画素を黒とするよう処理して、図16に示すような第一差分画像Di1として生成する。画像処理部130の生成した第一差分画像は、判定部140に送信される。
続くステップS751cにおいて、判定部140では、第一差分画像において、所定の閾値以上の差分値を有する画素が二値化された部位(ここでは白い画素)が存在するか否かを判定することにより、チャック20内の液体の存否を判定する。判定の結果がYesである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体が存在すると判定し、このチャック付きフィルムに不良品である旨の識別情報を付与し、ステップS751cを終了する。判定の結果がNoである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体は存在しないと判定し、ステップS751cを終了する。
以上で、第一判定工程S751が終了する。
第一判定工程S751が終了したチャック付きフィルムは、続いて第二判定工程S752に進む。
第二判定工程S752は、チャック内において、例えば厚さ20μm以下の薄膜状に存在する液体を検出することを主な目的とする工程である。
図17は、第二判定工程S752の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS752aにおいて、画像処理部130は、ステップS751aで取得された第二赤外画像と、別途取得されて予め記憶された液体の存在しないチャック付きフィルムの第二赤外画像(基準赤外画像)とを用いて、差分値に基づいた差分画像(第二差分画像)を生成する。基準赤外画像は、第二赤外画像と同一または略同一の態様で第二赤外光が照射された状態で撮像されており、撮像範囲も同一または略同一である。したがって、第二赤外画像と基準赤外画像との間でもすべての画素が対応関係にあるため、画像処理部130は、全画素の差分値に基づいて第二差分画像を生成することができる。
さらに、画像処理部130は、第二差分画像に対し、所定の閾値(第二閾値)に基づいた二値化処理を行い、二値化された第二差分画像を判定部140に送信する。
続くステップS752bにおいて、判定部140は、第二差分画像において、所定の閾値以上の差分値を有する画素が二値化された部位が存在するか否かを判定することにより、チャック20内の液体の存否を判定する。判定の結果がYesである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体が存在すると判定し、このチャック付きフィルムに不良品である旨の識別情報を付与し、ステップS752bが終了する。判定の結果がNoである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体は存在しないと判定し、ステップS752bが終了する。
以上で、第一判定工程S752が終了する。
ここで、第二判定工程の原理について説明する。チャック20内において、薄膜状の過酸化水素水は、通常チャックとフィルムとの間において、チャックおよびフィルムの両方に接触した状態で存在する。発明者らの検討により、このような薄膜状の過酸化水素水は、上述した第一判定工程ではうまく検出されない場合があることが分かった。
過酸化水素水とフィルムとの界面反射率は、空気とフィルムとの界面反射率よりも小さいため、下方からチャック付きフィルムを透過して赤外光カメラ111に入射する第二赤外光と同一波長の光は、チャックおよびフィルムとの間に空気が存在する部位よりも、過酸化水素水が存在する部位においてより多くなる。したがって、薄膜状の過酸化水素水が存在する部位は、透過する光量がより多くなることにより、第二赤外画像において図18に示す部位P2のように、白っぽく(より輝度が高く)なる。過酸化水素水の存在しない部位については、第二赤外画像と基準赤外画像とで輝度は概ね同様であるため、過酸化水素水の存在する部位のみが所定値以上の差分値を有することになり、二値化処理された第二差分画像によって過酸化水素水の存在する部位を抽出することができる。
第二判定工程においては、第一赤外画像と基準赤外画像とに基づいて第二差分画像が生成されてもよい。ただし、第一赤外画像では、第一赤外光が液体を透過する際に一部吸収されるため、第二赤外画像に比して薄膜状の液体が存在する部位の差分値が小さくなる傾向がある点に留意する。この場合でも適切な閾値に基づいた二値化処理を行うことにより、薄膜状の液体の存在を好適に検出することができるが、第二赤外画像を用いる場合に比して、ノイズを拾いやすくなるため、第二赤外画像を用いて第二判定工程を行うことが好ましい。
第二判定工程S752が終了したチャック付きフィルムは、続いて第三判定工程S753に進む。
第三判定工程S753は、チャック内において、雄型嵌合部23と雌型嵌合部24との間に存在する液体を検出することを主な目的とする工程である。
図19は、第三判定工程S753の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS753aにおいて、第二撮像部120の可視光カメラ121が、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24の全体を含むチャック付きフィルムの可視光画像を取得する。可視光画像の取得は、可視光光源122により、チャック付きフィルムの下方から可視光を照射した状態で行う。
続くステップS753bにおいて、画像処理部130は、チャック付きフィルムの可視光画像から、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24の延在方向に並ぶ3以上の同一寸法の領域を抽出する。本実施形態では、チャック付きフィルムの可視光画像から、画像処理部130が同一寸法の3つの領域R1、R2、およびR3を抽出する。
画像処理部130は、3つの領域R1、R2、R3の画像から2つを選択して画素ごとの差分値を算出し、差分画像を生成する。本実施形態では、3つの分割画像から2つを選択する組み合わせが3通り存在するため、3枚の差分画像が生成される。
次に画像処理部130は、3枚の差分画像それぞれに対して二値化処理を行い、3枚の第三差分画像を取得する。
続くステップS753cにおいて、画像処理部130は、3枚の第三差分画像に対して、所定の閾値(第三閾値)以上の差分値を有する画素が二値化された部位の収縮処理を行う。収縮処理とは、対象となる画素の周囲に存在する画素の少なくとも一つが、二値化の他方である場合、対象画素を二値化の他方に変化する公知の処理である。例えば、所定の閾値以上の差分値を有する画素は白に、所定の閾値未満の差分値を有する画素は黒に、それぞれ二値化される設定の場合、周囲に一つでも黒い画素が存在する白い画素は、収縮処理により黒く変換される。
チャック付きフィルムやチャックのないフィルムの可視光画像においては、フィルム表面における凹凸や波打ち等に起因する光の反射等により、実際には過酸化水素水が存在しないにもかかわらず、存在した場合と同様に二値化された領域が生じることがある。上述した収縮処理は、このような現象で発生したノイズによる誤判定の発生を防ぐことを目的としている。
そのため、嵌合部に過酸化水素水が進入していない良品のチャック付きフィルムを用いて、領域R1と同一寸法の2領域を抽出して生成した差分画像を二値化した対照差分画像をあらかじめ準備しておく。そして、ステップS753cにおいては、画像処理部130が3枚の第三差分画像に対して、対照差分画像に収縮対象の画素が存在しなくなるまで収縮処理を行う。これにより、誤判定の原因となるノイズを除去する。
画像処理部130は、対照差分画像に収縮対象の画素が存在しなくなったところで収縮処理を終了し、収縮処理後の第三差分画像をすべて判定部に送信する。
ステップS753dにおいて、判定部140は、3枚の第三差分画像のいずれかに所定の閾値以上の差分値を有する画素が二値化された部位が存在するか否かを判定する。判定の結果がYesである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体が存在すると判定し、このチャック付きフィルムに不良品である旨の識別情報を付与し、ステップS753cが終了する。判定の結果がNoである場合、判定部140は、検査対象のチャック付きフィルムにおいて、チャック20内に検出対象の液体は存在しないと判定し、ステップS753cが終了する。
以上で、第三判定工程S753が終了する。
ここで、第三判定工程の原理について説明する。チャック20内において、雄型嵌合部23と雌型嵌合部24との間に入り込んだ過酸化水素水は、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24の延在方向に延びる細い線状に分布する。発明者らの検討により、このような細い線状の液体は、上述した第一判定工程および第二判定工程ではうまく検出されない場合があることが分かった。
発明者らは、これを検出する方法について検討した結果、チャックに透過光を当てた場合、雄型嵌合部23と雌型嵌合部24との間に入り込んだ過酸化水素水が、可視光画像において黒っぽく映ることを見出した。その詳細な原理は不明であるが、透過光が雌型嵌合部24内で複雑に反射することが一因と考えられる。
これを踏まえ、第三判定工程では、赤外画像ではなく、可視光画像を用い、さらに、差分画像を用いた収縮処理によってノイズを除去することで雄型嵌合部23と雌型嵌合部24との間に入り込んだ過酸化水素水を好適に検出することに成功した。
第三判定工程S753が終了すると、検査工程S75全体が終了し、チャック付きフィルムは次工程に進む。検査工程S75において、いずれかの工程において液体が検出されたチャック付きフィルムには、不良品識別情報が付与され、その後に各工程において監視される。
以上説明したように、本実施形態のチャック付きフィルムの検査方向によれば、第一判定工程S751において、第一赤外画像と第二赤外画像とを用いた画素の差分情報に基づいてチャック内の液体の有無を検出するため、チャックおよび液体が透明であっても、好適にその存在を検出することができる。
また、第二判定工程S752を備えるため、チャック内に薄膜状の液体が存在する場合でも、好適に検出することができる。
さらに、第三判定工程S753を備えるため、チャックの嵌合部内に存在する液体についても、好適に検出することができる。
本実施形態の検査装置100は、赤外線カメラ112を備えるため、1回の撮像で第一赤外画像および第二赤外画像を取得することができ、効率よく検査を行うことができる。
また、赤外光源部111は、第一光源111aと第二光源112aとが交互に並べて配置された構成を有するため、ほぼ同一の態様で第一赤外光および第二赤外光をチャックに照射することができる。その結果、第一撮像部110で取得される第一赤外画像および第二赤外画像において、照明光の照射態様に起因するノイズが生じにくくなり、液体の検出精度を高くすることができる。
本実施形態において、第一ないし第三判定工程は、どのような順番で行われてもよい。
また、第二判定工程において、新たに第二赤外画像が取得されてもよい。
さらに、第二判定工程は、チャックの一部領域に対して行われてもよい。例えば、本実施形態のチャック20においては、中間接合部27およびその周辺において液体が薄膜状になりやすい。このように、浸入した液体が薄膜状になりやすい部位が予め特定されている等の場合は、当該部位およびその周辺のみを対象として第二判定工程が実行されてもよい。
同様に、第三判定工程は、雄型嵌合部23および雌型嵌合部24のみを撮像して行われてもよい。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、本発明の検査方法においては、必ずしも差分画像が生成されなくてもよい。すなわち、撮像領域における全画素の差分値の情報を取得し、所定の閾値以上の差分値を有する画素が存在するか否かに基づいて液体の存否が判定されてもよい。この場合、液体がどこに存在するかはわからないものの、チャック内に液体が存在する不良品を発見することは上記実施形態と同様に可能である。
上記実施形態のように、差分画像を用いることで、液体の存否に加えて、液体が存在する場合の具体的位置の情報も得ることができる。したがって、この場合は、液体の存在位置を解析することにより、製造工程および製造装置の改善に役立てることができるというプラスアルファの効果が得られる。
また、第一判定工程および第二判定工程においては、差分画像が二値化されていることも本発明には必須ではない。二値化されていない差分画像を用いた場合も、所定の閾値以上の差分値を有する画素が存在するか否かを判定すれば、液体の存否を判定することは可能である。
さらに、本発明の検査方法において、第二判定工程および第三判定工程は必須ではなく、備えなくてもよい。ただし、これらの工程を備えた方が高精度に液体の存在を検出できることは当然である。
同様に、第三判定工程を実行しない場合、本発明の検査装置には、第二撮像部が設けられなくてもよい。
加えて、第三判定工程において、予め記憶された液体の存在しないチャックの画像から複数の領域の一つが抽出されて差分画像の生成に用いられてもよい。
また、第一ないし第三判定工程のそれぞれにおいて用いられる閾値は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、上述した検査方法の対象は、チャック付きフィルムには限定されない。過酸化水素水の他、水分を多く含む液体を用いた処理が行われるフィルムであれば、上述した検査方法および検査装置を用いて、過酸化水素水の付着の有無を好適に検査することができる。
12 フィルム
20 チャック
100 検査装置
111 赤外光源部
112 赤外線カメラ
130 画像処理部
140 判定部
S751 第一判定工程
S752 第二判定工程
S753 第三判定工程

Claims (9)

  1. 嵌合部を有し、周縁に熱封止処理が施されたチャックが樹脂フィルムに接合されたチャック付きフィルムの検査方法であって、
    第一の波長の第一赤外光に基づく第一赤外光画像と、前記第一の波長と異なる第二の波長の第二赤外光に基づく第二赤外光画像とを、前記チャックの同一部分について取得し、
    前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにおいて対応する画素ごとの差分値を算出し、
    所定の閾値以上の差分値を有する画素が存在する場合に、前記チャック内に液体が存在すると判定する、
    チャック付きフィルムの検査方法。
  2. 前記差分値に基づいて差分画像が生成される、
    請求項1に記載のチャック付きフィルムの検査方法。
  3. 前記差分画像が二値化処理を経て生成される、
    請求項2に記載のチャック付きフィルムの検査方法。
  4. 薄膜状の液体の存否を判定する第二判定工程をさらに備え、
    前記第二判定工程において、
    前記第一赤外光画像および前記第二赤外光画像の一方と、内部に液体が存在しないチャックを同一の赤外光で撮像した基準赤外画像とにおいて対応する画素ごとの差分値を算出し、
    所定の第二閾値以上の差分値を有する画素が存在する場合に、前記チャック内に液体が存在すると判定する、
    請求項1に記載のチャック付きフィルムの検査方法。
  5. 前記第二赤外光画像と、内部に液体が存在しないチャックを前記第二赤外光画像で撮像した基準赤外画像とにおいて対応する画素ごとの差分値を算出する、
    請求項4に記載のチャック付きフィルムの検査方法。
  6. 前記嵌合部内の液体の存否を判定する第三判定工程をさらに備え、
    前記第三判定工程において、
    前記嵌合部を含む前記チャックの可視光画像を取得し、
    前記可視光画像から前記嵌合部の延在方向に並ぶ同一の大きさの3以上の領域を抽出し、
    前記領域のうちの2つにおいて対応する画素ごとの差分値を算出する処理を複数回行って複数の差分画像を取得し、
    前記複数の差分画像に対して収縮処理を行い、前記収縮処理後の前記複数の差分画像の少なくとも一つに前記第三閾値以上の差分値を有する画素が存在する場合に、前記チャック内に液体が存在すると判定する、
    請求項1に記載のチャック付きフィルムの検査方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のチャック付きフィルムの検査方法を実行するチャック付きフィルムの検査装置であって、
    前記第一赤外光および前記第二赤外光を前記チャックに照射可能に構成された赤外光源部と、
    前記チャックを撮像して前記第一赤外光画像および前記第二赤外光画像を取得可能に構成された赤外線カメラと、
    前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにもとづく前記差分値を算出可能に構成された画像処理部と、
    前記画像処理部から前記差分値を取得可能に構成された判定部と、
    を備える、
    チャック付きフィルムの検査装置。
  8. 樹脂フィルムにおける過酸化水素水の付着の有無を検査する検査方法であって、
    第一の波長の第一赤外光に基づく第一赤外光画像と、前記第一の波長と異なる第二の波長の第二赤外光に基づく第二赤外光画像とを、前記フィルムの同一部分について取得し、
    前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにおいて対応する画素ごとの差分値を算出し、
    所定の閾値以上の差分値を有する画素が存在する場合に、前記フィルムに過酸化水素水が存在すると判定する、
    フィルムの検査方法。
  9. 請求項8に記載のフィルムの検査方法を実行するフィルムの検査装置であって、
    前記第一赤外光および前記第二赤外光を前記フィルムに照射可能に構成された赤外光源部と、
    前記フィルムを撮像して前記第一赤外光画像および前記第二赤外光画像を取得可能に構成された赤外線カメラと、
    前記第一赤外光画像と前記第二赤外光画像とにもとづく前記差分値を算出可能に構成された画像処理部と、
    前記画像処理部から前記差分値を取得可能に構成された判定部と、
    を備える、
    フィルムの検査装置。
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