JP4250931B2 - 外観検査装置および外観検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象物のパターンの形成状態又はパターン上の異物付着やキズなどの不良を検出する外観検査装置および外観検査方法に関し、特に検査対象物のパターンを撮像した濃淡画像データを基準画像データと比較することによって検査対象物の良否の判定を行う外観検査装置および外観検査方法に関する。本発明の外観検査装置および外観検査方法は、例えば半導体ウエハや半導体チップ等の欠陥やキズ、異物付着を検出することにより良否判定を行う。
【0002】
【従来の技術】
従来、検査対象物のパターンの形成状態又はパターン上の異物付着やキズなどの不良を検出する外観検査方法としては、比較画像データと検査対象画像データを比較して違いがあれば欠陥があると判定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図17は、従来技術の問題点を説明するための濃淡値プロファイルである。
ところが、この方法では、良品でもパターン形状の微小差異や膜厚のばらつき等に起因する濃淡値の差異等があるため不一致箇所が生じ、誤検出が多発する場合があるという問題点があった。
【0004】
図17(a)は、比較画像データである良品のパターンの濃淡値プロファイルを示しており、図17(b)は、異物が付着した検査対象のプロファイルを示している。図17(c)は、図17(a)と(b)とを比較した差を示したプロファイルであり、異物付着箇所のみに差が表れており、異物付着ありと判定することができる。
【0005】
図17(a’)は、比較画像データである良品のパターンの濃淡値プロファイルを示しており、図17(d)は、パターンの線幅が太くなっている場合を示している。図17(e)は、図17(a’)と(d)とを比較した差を示したプロファイルであり、パターンの線幅が太くなっている箇所のみに差が表れており、図17(c)同様に異物付着ありと判定されてしまう。
【0006】
図17に一例を示したように、比較画像データと検査対象画像の差だけでは、パターンの太り細りなどのばらつきか異物付着か区別することができないので、パターンの線幅などのばらつきが良品の範囲のばらつきであっても不良と誤判定したり、良品の範囲のパターンの線幅などのばらつきを誤判定しないように判定の閾値を変更すると本当の異物付着を見逃したりしてしまう。
【0007】
そこで、被検査パターンの定めたチップから画像信号を検出し、この検出画像信号に対して統計量からなる統計画像を生成し、この統計画像を用いることによって欠陥を検出、或いは統計画像を用いてパターンのでき具合を定量化しプロセスの診断を行う技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開昭57−196377号公報
【特許文献2】
特開平10−74812号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2に示す従来技術では、統計量からなる統計画像の基になる検出画像信号には、不良品が含まれている可能性があるため、統計画像を比較画像データとして用いた場合には、検査対象製品毎のパターン形状の微小差異や濃淡値の差異、また、良品の規格内である異物付着やキズなどの過検出やカメラノイズ等の影響によって、良判定を誤ってしまうという問題点があった。
【0010】
また、特許文献2に示す従来技術では、被検査パターンの統計量で示される統計情報を生成し、当該統計情報を用いて検査を行うため統計情報を算出するのに用いたサンプルの濃淡値に影響を受け誤判定をするという問題点があった。すなわち、任意の画素において、複数のサンプルの濃淡値がたまたま任意の近い値に集中して分布した場合、許容されるばらつき量は小さくなってしまい、検査時に良品を不良品と誤判定してしまったり、複数のサンプル中に不良や不良に近い濃淡値が含まれていた場合、許容されるばらつき量は大きくなってしまい、検査時に不良品を良品と誤判定してしまうという問題点があった。
【0011】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象製品毎にパターン形状の微小差異や濃淡値の差異があっても誤判定せずに、また、良品の規格内である異物付着やキズなどの過検出やカメラノイズ等の影響によっても誤判定せずに、良品の規格からはずれた検出すべき不良品のみを精度良く検出することができる外観検査装置および外観検査方法を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の外観検査装置は、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査装置であって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する画像データ入力手段と、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出する統計処理手段と、前記基準画像データと前記画像データ入力手段によって入力された前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力する比較手段と、前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成し、前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う判定手段とを具備し、前記判定手段は、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記判定手段は、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限ばらつきデータに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記判定手段は、前記不良品判定ばらつき範囲を前記良否判定に使用するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記ばらつきデータを算出させ、前記判定手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記ばらつきデータを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記判定手段は、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする。
また、本発明の外観検査装置は、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査装置であって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する画像データ入力手段と、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出し、前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出する統計処理手段と、前記画像データ入力手段によって入力された前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う判定手段とを具備し、
前記統計処理手段は、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、前記不良品判定ばらつき範囲を前記良品範囲基準画像データとして算出するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記良品範囲基準画像データを算出させ、前記判定手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記良品範囲基準画像データを用いて前記検査対象物の良否判定を行わせることを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査装置においては、前記統計処理手段は、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする。
また、本発明の外観検査方法は、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法であって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力し、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出し、前記基準画像データと前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力し、前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成し、前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行い、前記良否判定では、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記良否判定では、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が大きい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記良否判定において、前記不良品判定ばらつき範囲を使用するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記濃淡画像データの画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記濃淡画像データの画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記ばらつきデータを算出し、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記ばらつきデータを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記良否判定では、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする。
また、本発明の外観検査方法は、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法であって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力し、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出し、前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出し、前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行い、前記良品範囲基準画像データの算出に際し、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記良品範囲基準画像データの算出に際し、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記不良品判定ばらつき範囲を前記良品範囲基準画像データとして算出するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記良品範囲基準画像データを算出し、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記良品範囲基準画像データを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする。
さらに、本発明の外観検査方法においては、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする。
また、外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力工程と、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出する工程と、前記基準画像データと前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力する工程と、前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成する工程と、前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う工程とを有し、前記良否判定を行う工程では、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする。
また、外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する工程と、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出する工程と、前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出する工程と、前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う工程とを有し、前記良品範囲基準画像データを算出する工程では、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る外観検査装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0015】
第1の実施の形態の外観検査装置は、プログラムの制御により動作する情報処理装置であり、図1を参照すると、半導体チップ等の検査対象製品2を撮像するカメラ1と、カメラ1で撮像された濃淡画像データが記憶される濃淡画像データ記憶部3と、濃淡画像データ記憶部3に記憶された複数の濃淡画像データの統計処理を行って基準画像データおよびばらつきデータを作成する統計処理部4と、統計処理部4によって作成された基準画像データおよびばらつきデータが記憶される統計結果記憶部5と、統計結果記憶部5に記憶されている基準画像データとカメラ1で撮像された濃淡画像データとを比較する比較部6と、比較部6による比較結果と統計結果記憶部5に記憶されているばらつきデータとに基づいて良否判定を行う判定部7と、キーボード等の入力部8と、ディスプレイ装置等の表示部9とからなる。
【0016】
濃淡画像データ記憶部3は、ハードディスク等の情報記憶手段であり、カメラ1によって検査対象製品2を撮像することによって得られた濃淡画像データを複数記憶することができる記憶容量を有する。なお、濃淡画像データ記憶部3に記憶される濃淡画像データは、カメラ1によって検査対象製品2を撮像することによって得られた濃淡画像データ以外に、レーザを検査対象製品2に照射し、その反射光を受光することによって得られた濃淡画像データでも、ネットワークや記録媒体経由で外部から入力された濃淡画像データでも良く、濃淡画像データの入力手段を限定するものではない。また、濃淡画像データは、検査対象製品2の外観を濃淡値で表す画像データであり、画像データの各画素に濃淡値が割り当てられているデータである。
【0017】
統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶された複数の濃淡画像データから画素毎の基準画素値とバラツキ値とを算出し、各画素毎に算出された基準画素値とバラツキ値とから基準画像データとばらつきデータとを統計データとして作成する。
【0018】
統計結果記憶部5は、基準画像データとばらつきデータとを記憶するメモリやハードディスク等の情報記憶手段であり、記憶している基準画像データを比較部6に供給すると共に、記憶しているばらつきデータを判定部7に供給する。
【0019】
比較部6は、統計結果記憶部5に記憶されている基準画像データと、カメラ1で撮像された濃淡画像データとを比較し、基準画像データと濃淡画像データとの差画像データを判定部7に出力する。
【0020】
判定部7は、ばらつきデータと予め設定されている良否判別データとから差画像良品範囲上限データと差画像良品範囲下限データとを作成し、差画像データが差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲内であるか否かを画素毎に判定することで、検査対象製品2の良否判定を行う。差画像データの全ての画素が差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲内に収まっている場合には、良品と判定し、差画像データのいずれかの画素が差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲外である場合には、不良品と判定し、判定結果を表示部9に表示する。なお、良否判別データは、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲(C1、−C1)と、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)とからなる。
【0021】
次に、第1の実施の形態の動作について図2乃至図6を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明に係る外観検査装置の第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートであり、図3は、図1に示す統計処理部によって算出される基準画素値およびバラツキ値を説明するための濃淡値ヒストグラムであり、図4および図5は、図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値プロファイルであり、図6は、図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【0022】
まず、外観検査開始の準備として、カメラ1によって複数の良品を順次撮像し、複数の良品の濃淡画像データを濃淡画像データ記憶部3に記憶させる(ステップA1)。濃淡画像データ記憶部3に記憶される濃淡画像データは、各画素毎、すなわち各位置座標毎の濃淡値からなるデジタルデータである。
【0023】
次に、統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶されている複数の良品の濃淡画像データの統計処理を行い、各画素、すなわち各位置座標の基準画素値が定められたデータである基準画像データを作成する。基準画像データを作成するための統計処理は、例えば、複数の良品の濃淡画像データから画素毎の平均濃淡値を基準画素値として算出し(ステップA2)、画素毎の基準画素値からなる画像データを基準画像データとする(ステップA3)。すなわち、複数の良品の濃淡画像データの内の1画素(同一位置座標)の濃淡値の分布が図3に示すような分布である場合、分布のほぼ中心の濃淡値をその画素の基準画素値として算出し、同様にして濃淡画像データの全て画素の基準画素値を算出し、全て画素の基準画素値の集合を基準画像データとする。なお、ステップA2での基準画素値の算出方法としては、複数の良品の濃淡画像データから画素毎に濃淡値のヒストグラムの最頻値を基準画素値として算出するようにしても良い。
【0024】
次に、統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶されている複数の良品の濃淡画像データの統計処理を行い、各画素、すなわち各位置座標のバラツキ値が定められたデータであるばらつきデータを作成する。ばらつきデータを作成するための統計処理は、例えば、複数の良品の濃淡画像データから最大濃淡値と最小濃淡値とを検索し、(最大濃淡値−基準画素値)を正方向のバラツキ値として算出し、(基準画素値−最小濃淡値)を負方向のバラツキ値として算出し(ステップA4)、画素毎の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とからばらつきデータを作成する(ステップA5)。すなわち、複数の良品の濃淡画像データの内の1画素(同一位置座標)の濃淡値の分布が図3に示すような分布である場合、分布の最大濃淡値と最小濃淡値とを検索し、(最大濃淡値−基準画素値)をその画素の正方向のバラツキ値として算出し、(基準画素値−最小濃淡値)をその画素の負方向のバラツキ値として算出し、同様にして濃淡画像データの全て画素の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とを算出し、全て画素の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値との集合をばらつきデータとする。
【0025】
次に、統計処理部4によって作成された基準画像データとばらつきデータとは、統計結果記憶部5に記憶され(ステップA6)、外観検査開始の準備が完了する。
【0026】
外観検査時は、カメラ1によって検査対象製品2の検査対象濃淡画像データを取り込み、カメラ1から出力される検査対象濃淡画像データは、比較部6に入力され、比較部6は、入力された検査対象濃淡画像データと統計結果記憶部5に記憶されている基準画像データとを画素毎に比較し(ステップA7)、画素毎の検査対象濃淡画像データの濃淡値と基準画像データの基準画素値との差を算出し、検査対象濃淡画像データと基準画像データとの差である差画像データを比較結果データとして判定部7に出力する。すなわち、差画像データは、差画像データ=(検査対象濃淡画像データ)−(基準画像データ)によって求められ、検査対象濃淡画像データと基準画像データとの同一位置座標の画素の濃淡値の差が差画像データのそれぞれの画素の濃淡値となる。
【0027】
次に、判定部7は、統計結果記憶部5に記憶されているばらつきデータから差画像良品範囲上限データと差画像良品範囲下限データとを作成し(ステップA8)、比較部6から入力される差画像データが差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲内であるか否かを画素毎に判定することで(ステップA9)、検査対象製品2の良否判定を行う。
【0028】
判定部7による差画像良品範囲上下限データの作成は、まず、正方向のばらつきデータによって第1上限ばらつきデータを作成し、負方向のばらつきデータによって第1下限ばらつきデータが作成され、図4に示すような、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとからなる濃淡値プロファイルが作成される。第1上限ばらつきデータおよび第1下限ばらつきデータとからなる濃淡値プロファイルは、複数の良品の濃淡画像データの内の1画素(同一位置座標)毎にそれぞれ求められた正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とからなるため、図4に示すように、位置座標によって異なる値になる。第1上限ばらつきデータは、第1上限ばらつきデータ=正方向のばらつきデータ×α+βによって求められ、第1下限ばらつきデータは、第1下限ばらつきデータ=−(負方向のばらつきデータ×α+β)によって求められる。なお、αは、予め設定した乗算係数であり、βは、予め設定したオフセット値である。第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとの算出に用いる乗算係数α又はオフセット値βは、上限と下限とで異なる値を用いても良く、また、乗算係数α又はオフセット値βを用いなくても良く、ばらつきデータから第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとを算出する方法を限定するものではない。
【0029】
乗算係数αを大きな値に設定するほど検査としては良品画素として判定する範囲が広がり、よりばらつきに対して許容範囲が大きく設定されることになり、逆に乗算係数αを小さな値に設定するほど良品画素として判定する範囲が狭くなり不良の検出感度が高く設定されることになる。また、オフセット値βは、正の値又は負の値のいずれの値を設定することができ、オフセット値βを大きくするほど検査としては良品画素として判定する範囲が広がり、検査としてはより甘く判定されることになり、逆にオフセット値βを小さくするほど検査としては良品画素として判定する範囲が狭くなり、検査としてはより厳しく判定されることになる。
【0030】
図4の濃淡値プロファイルにおいて、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとの間が良品範囲であり、位置座標毎に異なるばらつきデータに比例した値になっている。すなわち、複数の良品においてばらつきの大きい領域は、許容範囲も大きく、複数の良品においてばらつきの小さい領域は許容範囲も小さくすることで、ばらつきの許容範囲を一律にするよりも高精度な検出性能を得ることができる。
【0031】
次に、図5(a)に示すように、良否判別データである予め強制的に良品と判定するばらつき範囲(C1、−C1)を設定した第2上限ばらつきデータと第2下限ばらつきデータとを第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとからそれぞれ作成する。予め基準画像データとばらつきデータとの算出に用いた複数の良品の濃淡画像データのある画素において、たまたま濃淡値が同じ値であったり極めて近い値であった場合、その画素におけるばらつきデータはゼロか極めて小さな値になってしまうために第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとによる良品範囲が極端に狭くなってしまい、検査時に実際には良品の画素であっても多少の濃淡値のばらつきがあるために不良と判定され誤検出となってしまう可能性があるが、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0032】
第2上限ばらつきデータと第2下限ばらつきデータとは、それぞれ、第2上限ばらつきデータ=max(第1上限ばらつきデータ、C1)と、第2下限ばらつきデータ=min(第1下限ばらつきデータ、−C1)とにより求め、第1上限ばらつきデータよりもばらつき範囲C1が大きい位置座標では、第1上限ばらつきデータに替えてばらつき範囲C1を第2上限ばらつきデータとして使用し、第1下限ばらつきデータよりもばらつき範囲C2が小さい位置座標では、第1下限ばらつきデータに替えてばらつき範囲−C1を第2下限ばらつきデータとして使用することにより、図5(a)に示すような第2上限ばらつきデータと第2下限ばらつきデータとの濃淡値プロファイルが得られる。なお、C1は、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定するための値であり、第2上限ばらつきデータの算出と第2下限ばらつきデータの算出とに同じ値を用いているが、第2上限ばらつきデータの算出と第2下限ばらつきデータの算出とで異なる値を設定しても良い。
【0033】
図5(a)に示す範囲Aにおける位置座標では、第1上限ばらつきデータのバラツキ値よりもC1の方が大きいので第2上限ばらつきデータのバラツキ値は、C1となり、範囲A’における位置座標では、第1下限ばらつきデータのバラツキ値よりも−C1の方が小さいので第2下限ばらつきデータのバラツキ値は、−C1となる。従って、範囲Aおよび範囲A’における位置座標で、第2上限ばらつきデータと第2下限ばらつきデータとの間隔である良品範囲は、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとの間隔である良品範囲よりも広くなり、基準画像データを生成した良品の濃淡画像データにおいて、たまたまばらつきが小さく、良品範囲が必要以上に狭くなってしまった範囲A、範囲A’でのバラツキ値の範囲を広くすることができ、実際には製品自体のばらつきやカメラ1のノイズなどの原因によって場所によらず濃淡値のばらつく範囲を、C1から−C1の範囲を不良と判定しない範囲として設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0034】
さらに、図5(b)に示すように、良否判別データである予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を設定した第3上限ばらつきデータと第3下限ばらつきデータとを第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとからそれぞれ作成する。予め基準画像データとばらつきデータとの算出に用いた複数の良品の濃淡画像データのある画素において、たまたま良品限界に近い濃淡値を含んでいた場合、その画素におけるばらつきデータは大きな値になるため、乗算係数αやオフセット値βによっては本当は不良にしたい濃淡値の画素も良品画素と判定してしまう可能性があるが、濃淡値が基準画素値から離れたり明るすぎたり暗すぎたりする明らかに不良画素と判定したい画素を、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとによる良品範囲内であっても、予め設定したばらつき範囲を超えた場合に強制的に確実に不良画素と判定することで、誤検出を防止することができる。
【0035】
第3上限ばらつきデータと第3下限ばらつきデータとは、それぞれ、第3上限ばらつきデータ=min(第1上限ばらつきデータ、C2)と、第3下限ばらつきデータ=max(第1下限ばらつきデータ、−C2)とにより求め、第1上限ばらつきデータよりもばらつき範囲C2が小さい位置座標では、第1上限ばらつきデータに替えてばらつき範囲C2を第3上限ばらつきデータとして使用し、第1下限ばらつきデータよりもばらつき範囲−C2が大きい位置座標では、第1下限ばらつきデータに替えてばらつき範囲−C2を第3下限ばらつきデータとして使用することにより、図5(a)に示すような第2上限ばらつきデータと第2下限ばらつきデータとの濃淡値プロファイルが得られる。なお、C2は、予め強制的に不良と判定する範囲を設定するための値であり、第3上限ばらつきデータの算出と第3下限ばらつきデータの算出とに同じ値を用いているが、第3上限ばらつきデータの算出と第3下限ばらつきデータの算出とで異なる値を設定しても良い。
【0036】
図5(b)に示す範囲Bにおける位置座標では、第1上限ばらつきデータのバラツキ値よりもC2の方が小さいので第3上限ばらつきデータのバラツキ値は、C2となり、範囲A’における位置座標では、第1下限ばらつきデータのバラツキ値よりも−C2の方が大きいので第3下限ばらつきデータのバラツキ値は、−C2となる。従って、範囲Bおよび範囲B’における位置座標で、第3上限ばらつきデータと第3下限ばらつきデータとの間隔である良品範囲は、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとの間隔である良品範囲よりも狭くなり、基準画像データを生成した良品の濃淡画像データにおいて、たまたま良否限界画素が含まれているなどの理由によりばらつきが大きく、良品範囲が必要以上に広くなってしまった範囲B、範囲B’でのバラツキ値の範囲を狭くすることができ、実際に不良と判定したい領域において濃淡値がばらつく範囲がわかっていれば、C2以上および−C2以下の範囲を強制的に不良と判定する範囲として設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0037】
さらに、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定すると共に、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定した第4上限ばらつきデータと第4下限ばらつきデータとを第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとからそれぞれ作成し、作成した第4上限ばらつきデータと第4下限ばらつきデータとをそれぞれ差画像良品範囲上限データと差画像良品範囲下限データとして用いる。
【0038】
第4上限ばらつきデータおよび第4下限ばらつきデータは、上述した第2上限ばらつきデータおよび第2下限ばらつきデータの特徴と、上述した第3上限ばらつきデータおよび第3下限ばらつきデータの特徴とを兼ね備えるものであり、第4上限ばらつきデータと第4下限ばらつきデータとは、それぞれ第4上限ばらつきデータ=min(max(第1上限ばらつきデータ、C1)、C2)と、第4下限ばらつきデータ=max(min(第1下限ばらつきデータ、−C1)、−C2)とにより求めることができ、図5(c)に示すような第4上限ばらつきデータと第4下限ばらつきデータとの濃淡値プロファイルが得られる。
【0039】
なお、上述の第2上限ばらつきデータおよび第2下限ばらつきデータと第4上限ばらつきデータと第4下限ばらつきデータとを作成する際に用いる予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を設定する場合には、ばらつきデータを算出した際の画素毎の濃淡値ヒストグラムを参照することにより、強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を設定するか否かを決定すると良い。すなわち、図6(a)に示すように、ある画素において、強制的に不良品と判定するばらつき範囲であるC2以上、−C2以下の頻度が少ない場合には、強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定しても問題はないが、図6(b)に示すように、強制的に不良品と判定するばらつき範囲であるC2以上、−C2以下の頻度が多い場合には、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を設定すると、その画素において誤検出が多発することになる。従って、ばらつきデータを算出した際の濃淡値ヒストグラムにおいて、強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)に含まれない頻度が全体の所定の割合以上、例えば95%以上である場合の画素のみ強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を設定すると好適である。
【0040】
次に、判定部7は、第1乃至第4上限ばらつきデータのいずれかを差画像良品範囲上限データとし、第1乃至第4下限ばらつきデータのいずれかを差画像良品範囲下限データとし、比較部6から入力される差画像データが差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲内であるか否かを画素毎に判定することで、検査対象製品2の良否判定を行う。差画像データの全ての画素が差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲内に収まっている場合には、良品と判定し(ステップA10)、差画像データのいずれかの画素が差画像良品範囲上限データおよび差画像良品範囲下限データの範囲外である場合には、不良品と判定し(ステップA11)、判定結果を表示部9に表示する。
【0041】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、良品の濃淡画像データから算出されたばらつきデータによって各画素毎の良否判定を行うため、良品の特徴に応じた良否判定を行うことができ、検査対象製品2毎にパターン形状の微小差異や濃淡値の差異があっても誤判定せずに、また、良品の規格内である異物付着やキズなどの過検出やカメラ1のノイズ等の影響によっても誤判定せずに、良品の規格からはずれた検出すべき不良品のみを精度良く検出することができるという効果を奏する。
【0042】
さらに、第1の実施の形態によれば、複数の良品の濃淡画像データのある画素の濃淡値がたまたま近い値であった場合、ばらつきデータの良品範囲が狭くなってしまうが、強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定することにより、良品を不良品と判定する誤判定を防止することができると共に、複数の良品の濃淡画像データのある画素の濃淡値に不良や不良に近い濃淡値が含まれていた場合、ばらつきデータの良品範囲が広くなってしまいが、強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定することにより、不良品を良品と判定する誤判定を防止することができる。
【0043】
なお、第1の実施の形態では、基準画像データからの正方向のばらつきデータと負方向のばらつきデータとを算出したが、(最大濃淡値−最小濃淡値)をばらつきデータとして算出しても良く、複数の良品の濃淡画像データの画素毎の標準偏差を算出し、標準偏差に予め設定した係数を掛けた値をばらつきデータとしても良い。
【0044】
(最大濃淡値−最小濃淡値)もしくは標準偏差に予め設定した係数を掛けた値をばらつきデータとした場合には、第1上限ばらつきデータは、第1上限ばらつきデータ=ばらつきデータ×α+βによって求められ、第1下限ばらつきデータは、第1下限ばらつきデータ=−(ばらつきデータ×α+β)によって求められ、第1上限ばらつきデータと第1下限ばらつきデータとは、図7に示すように、絶対値が正方向と負方向とで同じ値となる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明に係る外観検査装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0046】
第2の実施の形態は、プログラムの制御により動作する情報処理装置であり、図8を参照すると、半導体チップ等の検査対象製品2を撮像するカメラ1と、カメラ1で撮像された濃淡画像データが記憶される濃淡画像データ記憶部3と、濃淡画像データ記憶部3に記憶された複数の濃淡画像データの統計処理を行って基準画像データおよびばらつきデータを作成する統計処理部4と、統計処理部4によって作成された基準画像データとばらつきデータと予め設定されている良否判別データとから良品範囲を示す良品範囲基準画像データを生成する良品範囲基準画像データ生成部10と、良品範囲基準画像データ生成部10によって生成された良品範囲基準画像データとカメラ1で撮像された濃淡画像データとを比較して良否判定を行う比較判定部11と、キーボード等の入力部8と、ディスプレイ装置等の表示部9とからなる。
【0047】
統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶された複数の濃淡画像データから画素毎に基準画素値とバラツキ値とを算出し、各画素毎に算出された基準画素値とバラツキ値とから基準画像データとばらつきデータとを作成する。
【0048】
良品範囲基準画像データ生成部10は、統計処理部4によって作成された基準画像データとばらつきデータと予め設定されている良否判別データとから良品範囲を示す良品範囲基準画像データを生成し、生成した良品範囲基準画像データを比較判定部11に供給する。なお、良否判別データは、基準画像データに対するばらつき範囲(C3、−C3)と、基準画像データに対するばらつき範囲(C4、−C4)とからなり、ばらつき範囲(C3、−C3)によって強制的に良品と判定するばらつき範囲が算出され、ばらつき範囲(C4、−C4)によって強制的に不良品と判定するばらつき範囲が算出される。
【0049】
比較判定部11は、良品範囲基準画像データ生成部10で生成された良品範囲基準画像データと、カメラ1で撮像された濃淡画像データとを比較し、濃淡画像データが良品範囲基準画像データが示す良品範囲内にあるか否かを判定し、検査対象製品2の良否判定を行う。濃淡画像データの全ての画素が良品範囲基準画像データが示す良品範囲内に収まっている場合には、良品と判定し、濃淡画像データのいずれかの画素が良品範囲基準画像データが示す良品範囲外である場合には、不良品と判定し、判定結果を表示部9に表示する。
【0050】
次に、第2の実施の形態の動作について図9乃至図11を参照して詳細に説明する。
図9は、本発明に係る外観検査装置の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートであり、図10および図11は、図7に示す統計処理部での良品範囲基準画像データの算出動作を説明するための濃淡値プロファイルである。
【0051】
まず、外観検査開始の準備として、カメラ1によって複数の良品を順次撮像し、複数の良品の濃淡画像データを濃淡画像データ記憶部3に記憶させる(ステップA1)。濃淡画像データ記憶部3に記憶される濃淡画像データは、各画素毎、すなわち各位置座標毎の濃淡値からなるデジタルデータである。
【0052】
次に、統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶されている複数の良品の濃淡画像データの統計処理を行い、各画素、すなわち各位置座標の基準画素値が定められたデータである基準画像データを作成する。基準画像データを作成するための統計処理は、例えば、複数の良品の濃淡画像データから画素毎の平均濃淡値を基準画素値として算出し(ステップA2)、画素毎の基準画素値からなる画像データを基準画像データとする(ステップA3)。
【0053】
次に、統計処理部4は、濃淡画像データ記憶部3に記憶されている複数の良品の濃淡画像データの統計処理を行い、各画素、すなわち各位置座標のバラツキ値が定められたデータであるばらつきデータを作成する。ばらつきデータを作成するための統計処理は、例えば、複数の良品の濃淡画像データから最大濃淡値と最小濃淡値とを検索し、(最大濃淡値−基準画素値)を正方向のバラツキ値として算出し、(基準画素値−最小濃淡値)を負方向のバラツキ値として算出し(ステップA4)、画素毎の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とからばらつきデータを作成する(ステップA5)。すなわち、複数の良品の濃淡画像データの内の1画素(同一位置座標)の濃淡値の分布が図3に示すような分布である場合、分布の最大濃淡値と最小濃淡値とを検索し、(最大濃淡値−基準画素値)をその画素の正方向のバラツキ値として算出し、(基準画素値−最小濃淡値)をその画素の負方向のバラツキ値として算出し、同様にして濃淡画像データの全て画素の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とを算出し、全て画素の正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値との集合をばらつきデータとする。
【0054】
良品範囲基準画像データ生成部10では、基準画像データとばらつきデータとから検査時の判定に用いる良品上限画像データと良品下限画像データとからなる良品範囲基準画像データを生成し(ステップB1)、良品範囲基準画像データを比較判定部11に出力する。
【0055】
良品範囲基準画像データ生成部10による良品範囲基準画像データの生成は、まず、正方向のばらつきデータによって第1上限画像データを作成し、負方向のばらつきデータによって第1下限画像データを作成し、図10に示すような、第1上限画像データと第1下限画像データとからなる濃淡値プロファイルを作成する。第1上限画像データおよび第1下限画像データとからなる濃淡値プロファイルは、複数の良品の濃淡画像データの内の1画素(同一位置座標)毎にそれぞれ求められた正方向のバラツキ値と負方向のバラツキ値とがそれぞれ反映されているため、図10に示すように、位置座標によって異なる値になる。第1上限画像データは、第1上限画像データ=基準画像データ+(正方向のばらつきデータ×α+β)によって求められ、第1下限画像データは、第1下限画像データ=基準画像データ−(負方向のばらつきデータ×α+β)によって求められる。なお、αは、予め設定した乗算係数であり、βは、予め設定したオフセット値である。第1上限画像データと第1下限画像データとの算出に用いる乗算係数α又はオフセット値βは、上限と下限とで異なる値を用いても良く、また、乗算係数α又はオフセット値βを用いなくても良く、ばらつきデータから第1上限ばらつきデータと第1下限データとを算出する方法を限定するものではない。
【0056】
乗算係数αを大きな値に設定するほど検査としては良品画素として判定する範囲が広がり、よりばらつきに対して許容範囲が大きく設定されることになり、逆に乗算係数αを小さな値に設定するほど良品画素として判定する範囲が狭くなり不良の検出感度が高く設定されることになる。また、オフセット値βは、正の値又は負の値のいずれの値を設定することができ、オフセット値βを大きくするほど検査としては良品画素として判定する範囲が広がり、検査としてはより甘く判定されることになり、逆にオフセット値βを小さくするほど検査としては良品画素として判定する範囲が狭くなり、検査としてはより厳しく判定されることになる。
【0057】
図10の濃淡値プロファイルにおいて、第1上限画像データと第1下限画像データとの間が良品範囲であり、位置座標毎に異なるばらつきデータに比例した値になっている。すなわち、複数の良品においてばらつきの大きい領域は、許容範囲も大きく、複数の良品においてばらつきの小さい領域は許容範囲も小さくすることで、ばらつきの許容範囲を一律にするよりも高精度な検出性能を得ることができる。
【0058】
次に、図11(a)に示すように、基準画像データと良否判別データとから算出される予め強制的に良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C3)、(基準画像データ−C3))を設定した第2上限画像データと第2下限画像データとを第1上限画像データと第1下限画像データとからそれぞれ作成する。予め基準画像データとばらつきデータとの算出に用いた複数の良品の濃淡画像データのある画素において、たまたま濃淡値が同じ値であったり極めて近い値であった場合、その画素におけるばらつきデータはゼロか極めて小さな値になってしまうために第1上限画像データと第1下限画像データとによる良品範囲が極端に狭くなってしまい、検査時に実際には良品の画素であっても多少の濃淡値のばらつきがあるために不良と判定され誤検出となってしまう可能性があるが、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C3)、(基準画像データ−C3))を設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0059】
第2上限画像データと第2下限画像データとは、それぞれ、第2上限画像データ=max(第1上限画像データ、(基準画像データ+C3))と、第2下限画像データ=min(第1下限画像データ、(基準画像データ−C3))とにより求め、第1上限画像データよりもばらつき範囲(基準画像データ+C3)が大きい位置座標では、第1上限画像データに替えてばらつき範囲(基準画像データ+C3)を第2上限画像データとして使用し、第1下限画像データよりもばらつき範囲(基準画像データ−C3)が小さい位置座標では、第1下限ばらつきデータに替えてばらつき範囲(基準画像データ−C3)を第2下限画像データとして使用することにより、図11(a)に示すような第2上限画像データと第2下限画像データとの濃淡値プロファイルが得られる。なお、C3は、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定するための値であり、第2上限画像データの算出と第2下限画像データの算出とに同じ値を用いているが、第2上限画像データの算出と第2下限画像データの算出とで異なる値を設定しても良い。
【0060】
図11(a)に示す範囲Dにおける位置座標では、第1上限画像データの濃淡値よりも(基準画像データ+C3)の方が大きいので第2上限画像データの濃淡値は、(基準画像データ+C3)となり、範囲D’における位置座標では、第1下画像データの濃淡値よりも(基準画像データ−C3)の方が小さいので第2下限画像データの濃淡値は、(基準画像データ−C3)となる。従って、範囲Dおよび範囲D’における位置座標で、第2上限画像データと第2下限画像データとの間隔である良品範囲は、第1上限画像データと第1下限画像データとの間隔である良品範囲よりも広くなり、基準画像データを生成した良品の濃淡画像データにおいて、たまたまばらつきが小さく、良品範囲が必要以上に狭くなってしまった範囲D、範囲D’の良品範囲を広くすることができ、実際には製品自体のばらつきやカメラ1のノイズなどの原因によって場所によらず濃淡値のばらつく範囲を、(基準画像データ+C3)から(基準画像データ−C3)の不良と判定しない範囲として設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0061】
さらに、図11(b)に示すように、基準画像データと良否判別データとから算出される予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C4)、(基準画像データ−C4))を設定した第3上限画像データと第3下限画像データとを第1上限画像データと第1下限画像データとからそれぞれ作成する。予め基準画像データとばらつきデータとの算出に用いた複数の良品の濃淡画像データのある画素において、たまたま良品限界に近い濃淡値を含んでいた場合、その画素におけるばらつきデータは大きな値になってしまうため第1上限画像データと第1下限画像データとによる良品範囲が極端に広くなってしまい、濃淡値が基準画素値から離れたり明るすぎたり暗すぎたりする明らかに不良画素と判定したい画素が存在しても良品と判定され誤検出となってしまう可能性があるが、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C4)、(基準画像データ−C4))を設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0062】
第3上限画像データと第3下限画像データとは、それぞれ、第3上限画像データ=min(第1上限画像データ、(基準画像データ+C4))と、第3下限画像データ=max(第1下限画像データ、(基準画像データ−C4))とにより求め、第1上限画像データよりもばらつき範囲(基準画像データ+C4)が小さい位置座標では、第1上限画像データに替えてばらつき範囲(基準画像データ+C4)を第3上限画像データとして使用し、第1下限画像データよりもばらつき範囲(基準画像データ−C4)が大きい位置座標では、第1下限ばらつきデータに替えてばらつき範囲(基準画像データ−C4)を第3下限画像データとして使用することにより、図11(b)に示すような第3上限画像データと第3下限画像データとの濃淡値プロファイルが得られる。なお、C3は、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定するための値であり、第2上限画像データの算出と第2下限画像データの算出とに同じ値を用いているが、第2上限画像データの算出と第2下限画像データの算出とで異なる値を設定しても良い。
【0063】
図11(b)に示す範囲Eにおける位置座標では、第1上限画像データの濃淡値よりも(基準画像データ+C4)の方が大きいので第3上限画像データの濃淡値は、(基準画像データ+C4)となり、範囲E’における位置座標では、第1下画像データの濃淡値よりも(基準画像データ−C4)の方が小さいので第3下限画像データの濃淡値は、(基準画像データ−C4)となる。従って、範囲Eおよび範囲E’における位置座標で、第3上限画像データと第3下限画像データとの間隔である良品範囲は、第1上限画像データと第1下限画像データとの間隔である良品範囲よりも狭くなり、基準画像データを生成した良品の濃淡画像データにおいて、たまたまばらつきが大きく、良品範囲が必要以上に広くなってしまった範囲E、範囲E’の良品範囲を狭くすることができ、実際に不良と判定したい領域において濃淡値がばらつく範囲がわかっていれば、(基準画像データ+C4)以上および(基準画像データ−C4)以下の範囲を強制的に不良と判定する範囲として設定しておくことで、誤検出を防止することができる。
【0064】
さらに、予め強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定すると共に、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定した第4上限画像データと第4下限画像データとを第1上限画像データと第1下限画像データとからそれぞれ作成し、作成した第4上限画像データと第4下限画像データとをそれぞれ良品上限画像データと良品下限画像データとする良品範囲基準画像データとして用いる。
【0065】
第4上限画像データおよび第4下限画像データは、上述した第2上限画像データおよび第2下限画像データの特徴と、上述した第3上限画像データおよび第3下限画像データの特徴とを兼ね備えるものであり、第4上限画像データと第4下限画像データとは、それぞれ、第4上限画像データ=min(max(第1上限画像データ、(基準画像データ+C3))、(基準画像データ+C4))と、第4下限画像データ=max(min(第1下限画像データ、(基準画像データ−C3))、(基準画像データ−C4))とにより求めることができ、図11(c)に示すような第4上限画像データと第4下限画像データとの濃淡値プロファイルが得られる。
【0066】
外観検査時は、カメラ1によって検査対象製品2の検査対象濃淡画像データを取り込み、カメラ1から出力される検査対象濃淡画像データは、比較判定部11に入力され、比較判定部11は、入力された検査対象濃淡画像データと良品範囲基準画像データ生成部10で生成された良品範囲基準画像データとを画素毎に比較し(ステップB2)、画素毎の検査対象濃淡画像データの濃淡値が良品範囲基準画像データが示す良品範囲内であるか否かを画素毎に判定することで(ステップB3)、検査対象製品2の良否判定を行う。検査対象濃淡画像データの全ての画素の濃淡値が良品範囲基準画像データが示す良品範囲内に収まっている場合には、良品と判定し(ステップA10)、検査対象濃淡画像データのいずれかの画素の濃淡値が良品範囲基準画像データが示す良品範囲外である場合には、不良品と判定し(ステップA11)、判定結果を表示部9に表示する。なお、比較判定部11は、第2乃至第4上限画像データのいずれかを良品上限画像データとし、第2乃至第4下限画像データのいずれかを良品下限画像データとする良品範囲基準画像データが用いられる。
【0067】
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、(最大濃淡値−最小濃淡値)をばらつきデータとして算出しても良く、複数の良品の濃淡画像データの画素毎の標準偏差を算出し、標準偏差に予め設定した係数を掛けた値をばらつきデータとしても良い。
【0068】
さらに、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、予め強制的に不良品と判定するばらつき範囲を良品範囲基準画像データに設定する場合には、ばらつきデータを算出した際の画素毎の濃淡値ヒストグラムを参照することにより、強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定するか否かを決定すると良い。
【0069】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、検査開始前に前記ばらつきデータと予め設定された良否判別データとから判定に用いる上限基準画像データと下限基準画像データとからなる良品範囲基準画像データを生成し、生成した良品範囲基準画像データに基づいて検査を行うため、検査中に前記ばらつきデータと予め設定された良否判別データとを用いた演算を行う必要がないので、検査中の演算量を少なくすることが可能になり、検査時間を短くすることができるという効果を奏する。
【0070】
(第3の実施の形態)
図12は、本発明に係る外観検査装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図であり、図13は、図12に示す不良候補画像生成部によって生成される不良候補画像データ例を示す図である。
【0071】
第3の実施の形態は、第1もしくは第2の実施の形態の構成に、図12に示すような、不良候補画像生成部12と、画像処理部13と、計測部14と、最終判定部15とが付加されてなる。
【0072】
不良候補画像生成部12は、図1に示す判定部7もしくは図8に示す比較判定部11における判定結果に基づいて2次元画像の不良候補画像データを作成する。不良候補画像データとして、例えば、良品範囲内である良品画素を”0”とし、良品範囲内でない画素すなわち不良候補画素を”1”とする2値化画像を生成する。また、不良候補画像データとして、不良候補画素においては、どの程度の濃淡値が良品範囲外になっているか示すデータを含む多値画像を生成するようにしても良い。
【0073】
画像処理部13は、不良候補画像生成部12によって作成された不良候補画像データに対して予め設定された手順の画像処理を実行し、画像処理した不良候補画像データを計測部14に出力する。
【0074】
画像処理部13で行われる画像処理としては、例えば少なくとも最小化を含んでノイズ除去を行う処理、少なくとも最大化を含んで不良候補の領域を連結させる処理、ラベリング処理を行い連結領域毎の面積を計測して予め設定した面積より小さい領域を良品画素に置き換えることによりノイズ除去を行う処理等が考えられ、各処理は、単独であっても、複数の処理を連続させて行っても、途中で記憶させた画像との画像間演算であっても良い。また、画像処理部13では、処理を何も行わないで不良候補画像データをそのまま計測部14に出力するようにしても良い。
【0075】
計測部14は、画像処理部13によって画像処理された不良候補画像データに対して予め設定された特徴量の計測を行い、計測結果を最終判定部15に出力する。
【0076】
計測部14では、画像処理された不良候補画像データに対してラベリング処理を行い、連結領域毎に特徴量を計測する。計測する特徴量としては、面積、外周上の最遠点間長さ、周囲長、外接矩形サイズ等があり、計測した計測値同士の演算を行い、演算結果を計測結果として最終判定部15に出力しても良い。また、計測部14では、画像処理された不良候補画像データの他に濃淡画像データ記憶部3から出力される濃淡値画像データを入力して、画像処理された不良候補画像データにおける連結領域毎に濃淡値の総和や平均値を算出し、計測結果として出力することでも良い。さらに、計測部14では、検査対象の領域を複数の領域に区切り、それぞれの領域における不良候補画素の数を計測して、計測結果として出力することでも良い。
【0077】
最終判定部15は、計測部14による計測結果が予め設定された良品範囲内に入っていれば最終判定を良品と判定し、計測部14による計測結果が予め設定された良品範囲外であれば最終判定を不良品と判定する。
【0078】
画像処理部13での画像処理手順や、計測部14で計測する特徴量や、最終判定部15での良品の範囲の設定によって、不良として検出したい領域を適宜設定することが可能になる。例えば、図13に示す不良候補画像データ例において、領域F1よりも広い面積の領域を不良としたい場合には、領域F2、線分F3、線分F4および線分F5が画像処理部13による画像処理によってノイズとして除去するようにするか、最終判定部15による最終判定に用いる良品の範囲の基準に面積を用いて領域F1よりも狭い面積の領域を良品判定するようにする。また、線分F4よりも長い部分のある領域を不良としたい場合は、最終判定部15による最終判定に用いる良品の範囲の基準に外周上の最遠点間長さを用いて線分F4よりも短い外周上の最遠点長さの領域を良品判定するようにすることで、領域F1、線分F3、線分F4および線分F5を不良とし、領域F2を良品と判定することができる。
【0079】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、不良のサイズや面積などの特徴量を計測して判定を行うので、計測された特徴量の統計処理を行うことで定量的な傾向管理を行うことが可能となる。例えば、検査結果は全て良品判定であっても計測値が良品範囲の限界に近づきつつあるので、そろそろ不良が発生し始めることが予想されることから前工程へフィードバックをかけ、前工程の改善を行うことで不良の発生を防止することもできる。また、不良になった計測値を例えば面積毎に分類することで、不良のモード分析を行うことができ、不良発生の要因を推定し不良発生要因を取り除くことで早く歩留まりの向上を図ることができる。
【0080】
さらに、第3の実施の形態によれば、不良の領域を特定して判定するので、不良の座標を計測することができ、計測された座標の統計処理を行うことにより、検出対象製品内で不良の発生する座標上の傾向をみつけることが可能になり、不良の発生する座標上の傾向を前工程へフィードバックし、前工程の改善をすることで製品の作り込み品質を向上させ、検査で検出される不良の率を低減することに活用することもできる。
【0081】
第1および第2の実施の形態のように、全画素データが良品範囲内でなければ、すなわち1画素でも良品範囲外の画素があれば判定結果を不良としても良いが、この場合には、不良と判定したい規格以下の異物やキズなどの領域も不良とされてしまい、不良を過剰に検出してしまう可能性があるが、第3の実施の形態によれば、不良として検出したい領域を適宜設定することで、不良のサイズや面積などの特徴量を計測して検査規格からはずれた領域のみを不良と判定でき、検査規格内の領域やカメラ1のノイズは、不良にならず精度良く検査を行うことができ、不良として検出したい検査対象製品2のみを効率的に不良判定することができるという効果を奏する。
【0082】
なお、画像処理部13で予め設定しておく画像処理手順や、計測部14で計測する特徴量や最終判定部15で予め設定しておく良品の範囲等は、製品毎に検査データの一部として登録・変更できるよう構成すると好適である。この場合には、検査対象製品2毎に検査規格や検出したい不良項目が異なっても、検査対象製品2の変更時に検査データを読み出して設定すれば良いので、検査対象製品2毎の違いに容易に対応することができる。
【0083】
(第4の実施の形態)
図14は、本発明に係る外観検査装置の第4の実施の形態の構成を示すブロック図であり、図15および図16は、図14に示す良品画像データ抽出部による良品画素データ抽出動作を説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【0084】
第4の実施の形態は、図1および図8に示す統計処理部4の替わりに、図14に示す濃淡値分布データ生成部16と、良品画像データ抽出部17と、良品画素データ統計処理部18とを設けられている。
【0085】
濃淡値分布データ生成部16は、濃淡画像データ記憶部3から出力される複数の検査対象製品2の濃淡画像データを入力とし、画素毎の濃淡値分布データを生成して良品画像データ抽出部17に出力する。濃淡値分布データ生成部16によって生成される濃淡値分布データは、例えば濃淡値毎に出現度数をカウントした濃淡値ヒストグラムである。
【0086】
良品画像データ抽出部17は、濃淡値分布データ生成部16で生成された画素毎の濃淡値分布データを入力とし、良品からのデータの領域と不良品からのデータの領域とを分離し、良品からのデータのみを良品画素データとして抽出し、抽出した良品画素データを良品画素データ統計処理部18に出力する。
【0087】
良品画像データ抽出部17において、良品からのデータの領域と不良からのデータの領域を分離する方法としては、画素毎の濃淡値ヒストグラムにおいて度数が最大となるピーク濃淡値を検出し、濃淡値の大きい方と小さい方にそれぞれ谷間検索を行い、検索した谷間間の外の画素データを除外する方法がある。例えば、濃淡値分布データ生成部16によって生成された濃淡値分布データが、図15に示すように、濃淡値の明るい領域と暗い領域とにそれぞれ不良原因による小さなピークを示す領域がある濃淡値ヒストグラムである場合には、まず度数が最大となるピーク濃淡値P1を検出し、ピーク濃淡値P1から濃淡値の高い方へ度数の谷間検索を行うとH1が検索され、度数ピークの濃淡値から濃淡値の低い方へ度数の谷間検索を行うとL1が検索される。濃淡値L1からH1の範囲の濃淡値データを良品画素データの領域として、濃淡値L1からH1の範囲の濃淡値データのみを良品画素データとして良品画素データ統計処理部18に出力する。
【0088】
また、良品画像データ抽出部17において、良品からのデータの領域と不良からのデータの領域を分離する方法としては、画素毎の濃淡値ヒストグラムにおいて平均値と標準偏差データを算出し、標準偏差データに予め設定した係数を掛けた値を平均値に対して加算した濃淡値と減算した濃淡値の範囲外の画素データを除外する方法もある。例えば、濃淡値分布データ生成部16によって生成された濃淡値分布データが、図16に示すように、濃淡値の明るい領域と暗い領域とにそれぞれ不良原因による小さなピークを示す領域がある濃淡値ヒストグラムである場合には、まず平均濃淡値P2と標準偏差データを算出し、平均濃淡値P2を中心として、標準偏差に予め設定した係数を掛けた値に平均濃淡値P2を加算した濃淡値H2と標準偏差に予め設定した係数を掛けた値を平均濃淡値P2から減算した濃淡値L2とを求め、濃淡値L2からH2の範囲の濃淡値データを良品画素データの領域として、濃淡値L2からH2の範囲の濃淡値データのみを良品画素データとして良品画素データ統計処理部18に出力する。
【0089】
さらに、良品画像データ抽出部17において、まず画素毎の濃淡値ヒストグラムに対して平滑化処理を行ってからピーク濃淡値検出や谷間検出を行うことにより、カメラ1のノイズなどによる濃淡値のばらつきの影響を削減してより正確なピーク濃淡値検出や谷間検出をすることもできる。
【0090】
良品画素データ統計処理部18は、良品画像データ抽出部17で抽出された良品画素データから画素毎に基準画素値とバラツキ値とを算出し、各画素毎に算出された基準画素値とバラツキ値とから基準画像データとばらつきデータとを作成する。
【0091】
第1乃至第3の実施の形態では、検査開始前の準備として良品の濃淡画像データを取り込み、統計処理を行うので、予め良品と不良の選別を行う必要があるが、第4の実施の形態では、検査開始前の準備として取り込む濃淡画像データには、良品に限らず不良品がまざっていても良いので、検査開始前の準備で良品のチップを選別する必要がなく、検査開始前の準備が短くて済むという効果を奏する。
【0092】
また良品の選別時に不良の見逃しをすると良品ばかりでなく不良品から取り込んだ濃淡画像データも統計処理にまざってしまうので、不良品のデータに影響を受けて統計処理部4で算出する基準画像データとばらつきデータとからなる統計結果データに誤差が含まれてしまい、良品と判定する範囲が変わってしまうので不良を見逃ししたり、良品を不良と誤判定したりしてしまうが、第4の実施の形態では、不良品からの濃淡画像データを自動的に除いて統計処理を行うので不良品の濃淡画像データに影響を受けないという効果を奏する。
【0093】
本実施の形態において、図1および図4に示す濃淡画像データ記憶部3は、必ずしも必要ではなく、濃淡画像データを取り込みする度に、統計処理部4で統計処理を行うように構成することで省略することもできる。
【0094】
また、本実施の形態において、画素毎と記載されている箇所は、予め設定された位置合わせ手段により相対的に検査対象製品2上の同じ座標に相当する画素同士を意味する。位置合わせ手段としては例えば、基準とする1検査対象製品2の画面内の特徴的なパターン領域をテンプレートとして各検査対象画像内をパターンマッチングにより検出する方法がある。1箇所又は複数のパターンマッチングにより検出した座標より相対的にチップ上の同じ座標になるように座標補正を行ってから統計処理および検査が行われる。
【0095】
さらに、本実施の形態において、画素毎と記載されている箇所は全て1画素毎であっても微小領域毎であっても良い。例えば検査項目によって検出精度が1画素単位まで必要ない場合には、例えば縦2画素横2画素のサイズの合計4画素を1画素として取り扱うことにより、画素毎に行う各種処理は、1/4になり処理時間が短縮される。複数の画素からなる微小領域を1画素とした時の濃淡値としては、複数の画素の平均値を用いる方法、複数の画素の中央値を用いる方法、複数の画素の最頻値を用いる方法等がある。
【0096】
さらに、本実施の形態において、検査対象製品2の濃淡画像データを取り込むために点灯させる照明を複数異なる角度で照射するように取り付け、検査領域又は検査項目毎に点灯させる照明を切り替えることで、それぞれの検査に適した画像を取り込むことができ高い検査精度を得ることができる。
【0097】
さらに、本実施の形態において、検査対象製品2において常に全面を検査対象としないで、検査の領域を複数独立した位置座標として設定できるようにして複数の位置座標が異なる領域を設定し、複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる画像処理手順や計測値また判定値を設定できるようにし、検査データの一部として登録・変更できるようにしておくことで、位置座標が異なる領域毎に検出する不良を変えたり、位置座標が異なる領域毎に検査精度を変えたりすることができるので、実際に検出したい不良をより正確に検出することができると共に、かつ検査の領域を必要な領域に限定することができるので検査時間を短縮することができる。例えば、複数の位置座標が異なる領域として、パターン領域とバンプ領域とを設定し、パターン領域よりもバンプ領域の方が検出すべき不良範囲を小さく設定して検査精度を高くすることによって、パターン領域よりもバンプ領域を厳しく検査することができる。
【0098】
すなわち、第1の実施の形態の場合には、第1上限ばらつきデータおよび第1下限ばらつきデータを求める際に、乗算係数αとオフセット値βとを用いた算定式を使用するが、検出精度を高めたい領域では、乗算係数αの値を小さく設定すると共にオフセット値βを大きく設定し、検出精度が低くても良い領域では、乗算係数αの値を大きく設定すると共にオフセット値βを小さく設定し、検出精度を高めたい領域と検出精度が低くても良い領域とで異なる算定式を用いて第1上限ばらつきデータおよび第1下限ばらつきデータを算出する。また、検出精度を高めたい領域では、強制的に良品と判定するばらつき範囲(C1、−C1)を狭く設定し、検出精度が低くても良い領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C1、−C1)を広く設定する。さらに、検出精度を高めたい領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を狭く設定し、検出精度が低くても良い領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲(C2、−C2)を広く設定する。
【0099】
また、第2の実施の形態の場合には、第1上限画像データおよび第1下限画像データを求める際に、乗算係数αとオフセット値βとを用いた算定式を使用するが、検出精度を高めたい領域では、乗算係数αの値を小さく設定すると共にオフセット値βを大きく設定し、検出精度が低くても良い領域では、乗算係数αの値を大きく設定すると共にオフセット値βを小さく設定し、検出精度を高めたい領域と検出精度が低くても良い領域とでとで異なる算定式を用いて第1上限画像データおよび第1下限画像データを算出する。
する。また、検出精度を高めたい領域では、強制的に良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C3)、(基準画像データ−C3))を狭く設定し、検出精度が低くても良い領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C3)、(基準画像データ−C3))を広く設定する。さらに、検出精度を高めたい領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C4)、(基準画像データ−C4))を狭く設定し、検出精度が低くても良い領域では、強制的に不良品と判定するばらつき範囲((基準画像データ+C4)、(基準画像データ−C4))を広く設定する。
【0100】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0101】
【発明の効果】
本発明の外観検査装置および外観検査方法は、良品の濃淡画像データから算出されたばらつきデータによって各画素毎の良否判定を行うため、良品の特徴に応じた良否判定を行うことができ、検査対象製品2毎にパターン形状の微小差異や濃淡値の差異があっても誤判定せずに、また、良品の規格内である異物付着やキズなどの過検出やカメラ1のノイズ等の影響によっても誤判定せずに、良品の規格からはずれた検出すべき不良品のみを精度良く検出することができるという効果を奏する。
【0102】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、複数の良品の濃淡画像データのある画素の濃淡値がたまたま近い値であった場合、ばらつきデータの良品範囲が狭くなってしまうが、強制的に良品と判定するばらつき範囲を設定することにより、良品を不良品と判定する誤判定を防止することができると共に、複数の良品の濃淡画像データのある画素の濃淡値に不良や不良に近い濃淡値が含まれていた場合、ばらつきデータの良品範囲が広くなってしまいが、強制的に不良品と判定するばらつき範囲を設定することにより、不良品を良品と判定する誤判定を防止することができる。
【0103】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、検査開始前に統計情報から判定に用いる上限基準画像データと下限基準画像データとからなる良品範囲基準画像データを生成し、生成した良品範囲基準画像データに基づいて検査を行うため、差画像データ等の検査用の画像データを作成することなく検査を行うことができ、演算量を少なくすることが可能になり、検査時間を短くすることができるという効果を奏する。
【0104】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、不良のサイズや面積などの特徴量を計測して判定を行うので、計測された特徴量の統計処理を行うことで定量的な傾向管理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0105】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、不良の領域を特定して判定するので、不良の座標を計測することができ、計測された座標の統計処理を行うことにより、検出対象製品内で不良の発生する座標上の傾向をみつけることが可能になり、不良の発生する座標上の傾向を前工程へフィードバックし、前工程の改善をすることで製品の作り込み品質を向上させ、検査で検出される不良の率を低減することに活用することもできるという効果を奏する。
【0106】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、不良として検出したい領域を適宜設定することで、不良のサイズや面積などの特徴量を計測して検査規格からはずれた領域のみを不良と判定でき、検査規格内の領域やカメラのノイズは、不良にならず精度良く検査を行うことができ、不良として検出したい検査対象製品のみを効率的に不良判定することができるという効果を奏する。
【0107】
さらに、本発明の外観検査装置および外観検査方法は、検査開始前の準備として取り込む濃淡画像データには、良品に限らず不良品がまざっていても良いので、検査開始前の準備で良品のチップを選別する必要がなく、検査開始前の準備が短くて済むという効果を奏する。さらに、不良品からの濃淡画像データを自動的に除いて統計処理を行うので不良品の濃淡画像データに影響を受けないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外観検査装置の第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る外観検査装置の第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】図1に示す統計処理部によって算出される基準画素値およびバラツキ値を説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【図4】図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値プロファイルである。
【図5】図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値プロファイルである。
【図6】図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【図7】図1に示す判定部によってばらつきデータから作成される差画像良品範囲上下限データを説明するための濃淡値プロファイルである。
【図8】本発明に係る外観検査装置の第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る外観検査装置の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7に示す統計処理部での良品範囲基準画像データの算出動作を説明するための濃淡値プロファイルである。
【図11】図7に示す統計処理部での良品範囲基準画像データの算出動作を説明するための濃淡値プロファイルである。
【図12】本発明に係る外観検査装置の第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図13】図12に示す不良候補画像生成部によって生成される不良候補画像データ例を示す図である。
【図14】本発明に係る外観検査装置の第4の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示す良品画像データ抽出部による良品画素データ抽出動作を説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【図16】図14に示す良品画像データ抽出部による良品画素データ抽出動作を説明するための濃淡値ヒストグラムである。
【図17】従来技術の問題点を説明するための濃淡値プロファイルである。
【符号の説明】
1 カメラ
2 検査対象製品
3 濃淡画像データ記憶部
4 統計処理部
5 統計結果記憶部
6 比較部
7 判定部
8 入力部
9 表示部
10 良品範囲基準画像データ生成部
11 比較判定部
12 不良候補画像生成部
13 画像処理部
14 計測部
15 最終判定部
16 濃淡値分布データ生成部
17 良品画像データ抽出部
18 良品画素データ統計処理部
Claims (30)
- 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査装置であって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する画像データ入力手段と、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出する統計処理手段と、
前記基準画像データと前記画像データ入力手段によって入力された前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力する比較手段と、
前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成し、前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う判定手段とを具備し、
前記判定手段は、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする外観検査装置。 - 前記判定手段は、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限ばらつきデータに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
- 前記判定手段は、前記不良品判定ばらつき範囲を前記良否判定に使用するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする請求項2記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記ばらつきデータを算出させ、
前記判定手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記ばらつきデータを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の外観検査装置。 - 前記判定手段は、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の外観検査装置。
- 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査装置であって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する画像データ入力手段と、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出し、前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出する統計処理手段と、
前記画像データ入力手段によって入力された前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う判定手段とを具備し、
前記統計処理手段は、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする外観検査装置。 - 前記統計処理手段は、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする請求項8記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、前記不良品判定ばらつき範囲を前記良品範囲基準画像データとして算出するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする請求項9記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出させることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の外観検査装置。
- 前記統計処理手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記良品範囲基準画像データを算出させ、
前記判定手段は、前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記良品範囲基準画像データを用いて前記検査対象物の良否判定を行わせることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の外観検査装置。 - 前記統計処理手段は、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の外観検査装置。
- 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法であって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力し、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出し、
前記基準画像データと前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力し、
前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成し、
前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行い、
前記良否判定では、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする外観検査方法。 - 前記良否判定では、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が大きい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする請求項15記載の外観検査方法。
- 前記良否判定において、前記不良品判定ばらつき範囲を使用するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする請求項16記載の外観検査方法。
- 前記濃淡画像データの画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の外観検査方法。
- 前記濃淡画像データの画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の外観検査方法。
- 前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記ばらつきデータを算出し、
前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記ばらつきデータを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載の外観検査方法。 - 前記良否判定では、前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載の外観検査方法。
- 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法であって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力し、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出し、
前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出し、
前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行い、
前記良品範囲基準画像データの算出に際し、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする外観検査方法。 - 前記良品範囲基準画像データの算出に際し、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に不良品と判定する不良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の上限が小さい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記不良品判定ばらつき範囲の下限が大きい場合には、前記下限基準画像データに替えて前記不良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする請求項22記載の外観検査方法。
- 前記不良品判定ばらつき範囲を前記良品範囲基準画像データとして算出するか否かを、前記基準画像データと前記ばらつきデータとを算出する際に使用された前記濃淡画像データの濃淡値の分布によって判断することを特徴とする請求項23記載の外観検査方法。
- 複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の最大濃淡値と最小濃淡値とを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする請求項22乃至24のいずれかに記載の外観検査方法。
- 複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データにおける画素毎の濃淡値の偏差データを用いて前記ばらつきデータを算出することを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載の外観検査方法。
- 前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる算定式に基づいてそれぞれ異なる検査精度の前記良品範囲基準画像データを算出し、
前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ検査精度が異なる前記良品範囲基準画像データを用いて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の外観検査方法。 - 前記良品判定ばらつき範囲を前記濃淡画像データの複数の位置座標が異なる領域毎にそれぞれ異なる値に設定することを特徴とする請求項22乃至27のいずれかに記載の外観検査方法。
- 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法であって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力工程と、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データと位置座標毎のばらつき値が定められたばらつきデータとを算出する工程と、
前記基準画像データと前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データとを比較して差画像データを出力する工程と、
前記ばらつきデータから上限ばらつきデータと下限ばらつきデータとを作成する工程と、
前記差画像データが前記上限ばらつきデータと前記下限ばらつきデータとの範囲内であるか否かを位置座標毎に判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う工程とを有し、
前記良否判定を行う工程では、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を使用すると共に、前記下限ばらつきデータよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限ばらつきデータに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を使用することを特徴とする外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 基準画像データを用いて検査対象物の良否判定を行う外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記検査対象物の外観を濃淡値で表す濃淡画像データを入力する工程と、
複数の良品の前記検査対象物の前記濃淡画像データから前記基準画像データに対するばらつきデータを算出する工程と、
前記基準画像データと前記ばらつきデータとから上限基準画像データと下限基準画像データとによって良品範囲を示す良品範囲基準画像データを算出する工程と、
前記入力した前記検査対象物の前記濃淡画像データが、前記良品範囲基準画像データが示す前記良品範囲内にあるか否かを判定することで、前記検査対象物の良否判定を行う工程とを有し、
前記良品範囲基準画像データを算出する工程では、前記基準画像データを基準にして、予め強制的に良品と判定する良品判定ばらつき範囲を設定し、前記上限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の上限が大きい位置座標では、前記上限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の上限を前記良品範囲基準画像データとして算出すると共に、前記下限基準画像データよりも前記良品判定ばらつき範囲の下限が小さい位置座標では、前記下限基準画像データに替えて前記良品判定ばらつき範囲の下限を前記良品範囲基準画像データとして算出することを特徴とする外観検査方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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