(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図面を参照しながら説明する。
(筐体12、前扉14)
図1に示すように、本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数(以下、「クレジットメダル数」とする)を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、たとえば2個の7セグメントLEDで構成され、それぞれの7セグメントLEDは、1桁の数字を表示する7つのセグメントからなる数値部と、1つのドット(点)を表示するドット部とを備えている。このような構成により、クレジット表示器87では、クレジットメダル数に対応する2桁の数字が表示可能となっており、払出枚数表示器88では、払出枚数に対応する2桁の数字が表示可能となっている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機10は、後述するメダル投入口38に投入したメダルを最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。そして、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を「最大クレジットメダル数」とする。
(区間報知ランプ90)
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知する区間報知ランプ90が設けられている。
ここで、「有利区間」とは、遊技者にとって有利な後述するストップスイッチ50の押し順の報知が許容される区間を意味する。すなわち、「有利区間」とは、後述するAT遊技を行うことが許容される区間である。
この区間報知ランプ90は、後述する「非有利区間」から「有利区間」に移行したことを契機に後述するメイン制御手段200により点灯され、「有利区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ90は、「有利区間」から「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
なお、区間報知ランプ90のみで現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知することに限らず、たとえば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDのドット部と区間報知ランプ90との双方を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。
また、クレジット表示器87と払出枚数表示器88とは別に区間報知ランプ90を設けることに限らず、区間報知ランプ90を設けずに、たとえば、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する特定の7セグメントLEDのドット部を用いて、現在の状態が「有利区間」であることを発光態様により報知してもよい。この場合には、クレジット表示器87又は払出枚数表示器88を構成する7セグメントLEDのドット部が区間報知ランプ90に相当する。
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。この操作部30は、メダル投入口38と、精算スイッチ36と、ストップスイッチ50と、スタートスイッチ40と、ベットスイッチ32と、演出用ボタンスイッチ42と、を備えている。
(メダル投入口38)
操作部30の右側部分には、遊技機10の内部へ遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、特定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合に後述するホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示部84と、バックランプ67(図2参照)と、を備えている。
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
(表示部84)
前記表示部84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
(バックランプ67)
前記バックランプ67は、リールユニット60に設けられており、回転リール62上の図柄61を照らすためのものである。
また、図2に示すように、前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている。
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、複数段階設けられた設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
(リールユニット60)
図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。リール駆動モータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。
また、前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている。
(ホッパーユニット24)
ホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
(電源ユニット43)
電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
(メダルセレクタ17)
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検知する投入センサ92が設けられている。
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うサブ制御手段500とを備えている。
ここで、メイン制御手段200の制御に基づくスロットマシンの作動状態を遊技状態といい、サブ制御手段500の制御に基づくスロットマシンの作動状態を演出状態というものとする。なお、メイン制御手段200とサブ制御手段500との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段500への一方向の通信により行われ、サブ制御手段500からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、メダルセレクタ17、スタートスイッチ40、ベットスイッチ32、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源ユニット43、リールユニット60及びホッパーユニット24の入力を受け付け、クレジット表示器87、払出枚数表示器88、リールユニット60、ホッパーユニット24、設定表示器89及び区間報知ランプ90の作動を制御する。サブ制御手段500は、メイン制御手段200及び演出用ボタンスイッチ42からの信号を入力し、演出用ランプ78等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段500には、演出装置70としての演出用ランプ78、スピーカー72、表示部84及びバックランプ67の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン基板と、サブ制御手段500を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段500は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御手段200及びサブ制御手段500は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、図3に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、配当付与手段240、遊技状態制御手段250、演出状態制御手段260、移行抽選手段270、振分手段280及び保障抽選手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技の流れについて説明する。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により規定の賭け数を設定することにより遊技を開始するものである。規定の賭け数(3枚)が設定されると、所定の役の図柄61の組合せが当該ライン上に揃った場合にメダルが付与されるライン(以下、「有効ライン86」とする(図1参照))が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。
そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役の少なくとも何れか1つに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応する回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応する処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に配当としてのメダルが付与されるように形成されている。例えば小役に対応する図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応する枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
また、有効ライン86上に再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。以上の流れにより、1回の遊技が終了する。
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。具体的には、役抽選手段210は、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役の少なくとも何れか1つに当選か又はハズレかの役抽選を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための役抽選テーブルを、主な分類としてノーマル状態用、RT状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返して計数するループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、図示しない役抽選テーブルにより、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である複数段階の設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ46を操作することにより、複数段階の設定値のうち何れか1つの特定の設定値が選択される。そして、役抽選手段210は、選択された設定値毎に予め定められた抽選確率で役抽選を行っている。
また、本実施の形態における設定値は、設定値「1」から「6」の6段階に設定されている。なお、設定値は複数段階であれば、設定値「1」から「6」の6段階に限られず、たとえば「1・3・6」、「2・4・6」又は「1・6」としてもよい。
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、リプレイ役、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。なお、小役としては、ベル役と、レア役としてのスイカ役やチェリー役等が設けられている。そして、役のうち、少なくとも、上記のリプレイ役、ベル役、及びレア役(スイカ役・チェリー役)は、設定値によって当選確率が異ならない全設定値共通の当選確率となる「設定差なし」の役とされている。
そして、本実施の形態では、役抽選手段210による役抽選の結果は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に書き込まれており、その後の処理にて読み出し可能とされている。このとき、上記の所定の記憶領域には、少なくとも、同一の役に連続で当選した情報である連続当選情報が記憶可能とされている。なお、この連続当選情報は、当該連続で当選している役の連続当選が途切れたことに基づいて初期化される。
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の役抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50の押し順が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
(配当付与手段240)
配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の配当の付与を行うものである。配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されると配当としてのメダルの払い出しを行う。なお、配当付与手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果のみに基づいてメダルの払い出しを行うものに限らず、他の条件を参照してメダルの払い出しを行ってもよい。たとえば、配当付与手段240は、停止図柄判定手段230による判定が行われたときの遊技状態を参照してメダルの払い出しを行ってもよい。この場合には、別の契機において、停止図柄判定手段230の判定結果が同じであったとしても、ノーマル状態やRT状態に滞在中のメダルの払い出しと、ボーナス状態に滞在中のメダルの払い出しとを異ならせることができる。
(遊技状態制御手段250)
遊技状態制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技状態制御手段250は、図3に示すように、ノーマル状態制御手段251、RT状態制御手段252、ボーナス内部中状態制御手段253及びボーナス状態制御手段254の各手段を有する。
(ノーマル状態制御手段251)
ノーマル状態制御手段251は、「ノーマル状態」を制御するものである。ここで、「ノーマル状態」は、後述するRT状態制御手段252による「RT状態」(リプレイタイム状態)、ボーナス内部中状態制御手段253によるボーナス内部中状態又はボーナス状態制御手段254によるボーナス状態以外の状態をいう。
(RT状態制御手段252)
RT状態制御手段252は、「RT状態」を制御するものである。また、「RT」は、「リプレイタイム」の略語であり、「RT状態」に移行すると、リプレイ役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が原則として高くなるRT遊技が開始される。
(ボーナス内部中状態制御手段253)
ボーナス内部中状態制御手段253は、「ボーナス内部中状態」を制御するものである。
「ボーナス内部中状態」は、役抽選手段210による役抽選にてボーナス状態への移行に係るボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する状態である。そして、ボーナス内部中状態において、ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示することで終了する(ボーナス状態へ移行する)。
(ボーナス状態制御手段254)
ボーナス状態制御手段254は、「ボーナス状態」を制御するものである。このボーナス状態では、ボーナス遊技が行われる。ボーナス遊技では、一例として、いわゆるRB(レギュラーボーナス)が連続作動するBB(ビッグボーナス)が行われる。そして、ボーナス遊技は、所定の枚数、たとえば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。
(演出状態制御手段260)
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。
具体的には、演出状態制御手段260は、図3に示すように、通常状態制御手段261、ストック獲得状態制御手段262、AT状態制御手段263及び特化状態制御手段264を有する。
(通常状態制御手段261)
通常状態制御手段261は、非有利区間に属する「非有利区間通常状態」(非AT遊技)と、有利区間に属する「有利区間通常状態」とを制御するものである。
ここで、「非有利区間」とは、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない区間を意味する。すなわち、「非有利区間」とは、後述するAT遊技を行うことが許容されない区間である。また、「非AT遊技」は、「AT遊技」の非作動状態を意味する。
(ストック獲得状態制御手段262)
ストック獲得状態制御手段262は、有利区間に属する「ストック獲得状態」を制御するものである。ここで、「ストック獲得状態」とは、移行先の後述する通常ART状態で用いられるストックを獲得する状態である。また、「ストック」とは、当該ストックを用いることにより、後述する移行抽選手段270による特殊移行抽選を行い後述する特化状態へ移行するか否かを決定できる権利である。また、この「ストック」は、当該ストックを用いることにより、当該ストックに対応する終了条件が成立するまで通常ART状態での遊技を行うことができる権利でもある。なお、本実施の形態における「ストック」は、本発明における「権利」に相当する。
ここで、本実施の形態では複数種類のストックが設けられている。具体的には、「通常ストック」と、この「通常ストック」よりも有利度が高い「特別ストック」とが設けられている。そして、「通常ストック」は「ストック1」、「ストック2」、「ストック3」及び「ストック4」の有利度の異なる4種類のストックを備え、「特別ストック」は「ストック5」の1種類のストックを備えている。つまり、本実施の形態におけるストックは5種類とされている。また、本実施の形態におけるストックには、ストックが設定された際の初期レベルとしての「レベル低」と、「レベル低」よりも遊技者にとって有利な「レベル高」との2種類の状態(レベル)が設けられている。
(AT状態制御手段263)
AT状態制御手段263は、有利区間に属する「ART準備中状態」及び「通常ART状態(ART状態)」(AT遊技)を制御するものである。
ここで、AT遊技における「AT」とは「アシストタイム」の略語であり、「AT遊技」が開始されると、当選した小役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。
また、「AT遊技」が開始されると、当選した押し順役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した押し順役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、押し順役の押し順が不正解となることを回避でき、押し順役の押し順不正解を遊技状態の移行(転落)条件とした場合における遊技状態の転落を回避できる。
また、「AT遊技」が開始されると、当選したリプレイ役の押し順が報知され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選したリプレイ役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立したリプレイ役に対応して再遊技が開始される。
このとき、「AT遊技」の実行中に、RT状態制御手段252で制御される「RT状態」に移行すると「ART状態」となる。「ART状態」は、「RT遊技」かつ「AT遊技」の「ART遊技」が行われる。
(特化状態制御手段264)
特化状態制御手段264は、有利区間に属する「特化状態(ART状態)」を制御するものである。ここで、「特化状態」とは、「通常ART状態」よりも遊技者にとって有利な状態であって、移行先の通常ART状態で用いられるストックを獲得する状態である。そして、本実施の形態における特化状態には、「特化状態A」と、「特化状態A」よりも遊技者にとって有利な「特化状態B」との2種類の状態が設けられている。
(移行抽選手段270)
移行抽選手段270は、各状態へ移行するか否かを決定する抽選を行うものである。この移行抽選手段270は、非有利区間において行われる有利区間移行抽選と、有利区間通常状態において行われるAT抽選と、通常ART状態において行われる特殊移行抽選を行う。また、移行抽選手段270は、後述する保障抽選手段290による保障抽選に当選したことに基づいて、特化状態へ移行するか否かが決定される復活抽選を行う。この復活抽選については後述する。なお、移行抽選手段270が行う抽選は前述のものには限られない。
移行抽選手段270が行う有利区間移行抽選は、有利区間へ移行するか否かを決定するものである。この有利区間移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、有利区間移行抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定の有利区間移行契機役に当選したことに基づいて行われる。
移行抽選手段270が行うAT抽選は、通常ART状態へ移行するか否かを決定するものである。このAT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選の当選役に基づいて行われる。本実施の形態では、AT抽選は、役抽選手段210が行う役抽選にて所定のART獲得契機役に当選したことに基づいて行われる。
移行抽選手段270が行う特殊移行抽選では、その抽選結果に応じて以下の3つの内容が決定される。
(1)通常ART状態から特化状態へ移行するか否か
(2)「レベル低」から「レベル高」へ昇格するか否か
(3)現在設定されているストックを他のストックへ変更するか否か
具体的には、上記(3)では、現在設定されている通常ストック(ストック1からストック4)を特別ストック(ストック5)へ変更(昇格)するか否かが決定される。そして、上記(3)の内容が決定される「特殊移行抽選」は、本発明における「変更抽選」が行われているといえ、また、「特殊移行抽選」を行う「移行抽選手段270」は、本発明における「変更抽選手段」に相当するといえる。
この特殊移行抽選は、所定条件が成立したことに基づいて行われる。本実施の形態では、役抽選手段210が行う役抽選にて、ベル役に当選した場合、又はレア役(例:スイカ役又はチェリー役)に当選した場合を「所定条件の成立」としている。つまり、本実施の形態では、役抽選における「ベル役の当選」又は「レア役の当選」に基づいて特殊移行抽選が行われる。
ここで、「ベル役の当選」又は「レア役の当選」に基づいて特殊移行抽選が行われた場合には、何れの実行契機であっても上記(1)の内容が決定される。ただし、特殊移行抽選の実行契機によっては、上記(1)から(3)のうち、決定される内容と決定されない内容とがある。
たとえば、役抽選におけるベル役の当選回数が3回未満で特殊移行抽選が行われる場合には、上記(1)の内容のみが決定される(図5(A)参照)。なお、「ベル役の当選回数が3回未満」とは、「ベル役の当選回数が2回目であること(ベル役の連続当選回数が2回であること)」と「ベル役の当選回数が1回目であること(ベル役の連続当選ではないこと)」とが含まれる。つまり、この場合に行われる特殊移行抽選では、上記(2)及び(3)の内容は決定されないこととなっている。
また、役抽選にてベル役に3回以上連続で当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、上記(1)及び(3)の内容が決定される(図5(B)参照)。つまり、この場合に行われる特殊移行抽選では、上記(2)の内容は決定されないこととなっている。
また、役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、上記(1)の内容が決定される(図5(C)参照)。ただし、「レベル低」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、上記(1)の内容に加え、上記(2)の内容が決定される。そして、これらの場合に行われる特殊移行抽選では、上記(3)の内容は決定されないこととなっている。
ここで、特殊移行抽選の振分率は、ストックのレベルの高低、及び特殊移行抽選の実行契機に応じて異なっている。また、特殊移行抽選の振分率は、現在設定されているストックの種類に応じて異なっている。具体的には、「ストック1」と「ストック4」とで特殊移行抽選の振分率が異なっている。なお、「ストック1」、「ストック2」及び「ストック3」の特殊移行抽選の振分率は同様である。また、現在設定されているストックが「ストック5」である場合には、「ベル役の当選」又は「レア役の当選」に基づいて特化状態への移行が決定される。そのため、現在設定されているストックが「ストック5」である場合には、特殊移行抽選が行われないこととなっている。
以下、図5及び図6を用いて、「ストック1」及び「ストック4」の特殊移行抽選の振分率について説明する。
図5は、「ストック1」の特殊移行抽選の振分率を示す抽選テーブルである。
図5(A)に示すように、ストック1において、「レベル低」の状態におけるベル役の当選回数が3回未満で特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「95%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「5%」とされている。また、ストック1において、「レベル高」の状態におけるベル役の当選回数が3回未満で特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「85%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「15%」とされている。
図5(B)に示すように、ストック1において、「レベル低」の状態における役抽選にてベル役に3回以上連続で当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「85%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「14%」とされ、ストック5への昇格が決定する確率が「1%」とされている。また、ストック1において、「レベル高」の状態における役抽選にてベル役に3回以上連続で当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「75%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「23%」とされ、ストック5への昇格が決定する確率が「2%」とされている。
図5(C)に示すように、ストック1において、「レベル低」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「50%」とされ、レベル高への昇格が決定する確率が「35%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「15%」とされている。また、ストック1において、「レベル高」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「75%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「25%」とされている。
図6は、「ストック4」の特殊移行抽選の振分率を示す抽選テーブルである。
図6(A)に示すように、ストック4において、「レベル低」の状態におけるベル役の当選回数が3回未満で特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「85%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「15%」とされている。また、ストック4において、「レベル高」の状態におけるベル役の当選回数が3回未満で特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「75%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「25%」とされている。
図6(B)に示すように、ストック4において、「レベル低」の状態における役抽選にてベル役に3回以上連続で当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「75%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「23%」とされ、ストック5への昇格が決定する確率が「2%」とされている。また、ストック4において、「レベル高」の状態における役抽選にてベル役に3回以上連続で当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「65%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「32%」とされ、ストック5への昇格が決定する確率が「3%」とされている。
図6(C)に示すように、ストック4において、「レベル低」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「40%」とされ、レベル高への昇格が決定する確率が「40%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「20%」とされている。また、ストック4において、「レベル高」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われる場合には、ハズレ(非当選)の確率が「65%」とされ、特化状態への移行が決定する確率が「35%」とされている。
(振分手段280)
振分手段280は、獲得したストックの種類の振り分け、及び特化状態へ移行する場合における特化状態の種類の振り分けを行うものである。
振分手段280は、ストックを獲得した場合には、その獲得したストックをストック1からストック5の何れかに振り分けるストック振分抽選を行う。振分手段280が行うストック振分抽選では、図7に示すように、「80%」の確率で「ストック1」に振り分けられ、「10%」の確率で「ストック2」に振り分けられ、「5%」の確率で「ストック3」に振り分けられ、「4%」の確率で「ストック4」に振り分けられ、「1%」の確率で「ストック5」に振り分けられる。つまり、本実施の形態では、ストックが付与される場合には、ストック1の付与される確率がストック2からストック5の付与される確率よりも高くなっている。
また、振分手段280は、特化状態への移行条件が成立した場合には、移行先の特化状態の種類を特化状態A又は特化状態Bに振り分ける特化状態振分抽選を行う。
ここで、本実施の形態では、「特化状態への移行条件の成立」として、
(1)移行抽選手段270が行う特殊移行抽選にて、特化状態への移行が決定されること
(2)「ストック5」が設定されている場合における役抽選にて「ベル役」又は「レア役」に当選すること
(3)移行抽選手段270が行う後述する復活抽選にて、特化状態への移行が決定されること
の3種類がある。
そして、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、図8に示すように、特化状態への移行条件が成立した際に設定されているストックの種類に応じて特化状態振分抽選の振分率が異なっている。
図8(A)に示すように、ストック1が設定されている際に特化状態への移行条件が成立した場合、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、「95%」の確率で「特化状態A」に振り分けられ、「5%」の確率で「特化状態B」に振り分けられる。
図8(B)に示すように、ストック2が設定されている際に特化状態への移行条件が成立した場合、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、「70%」の確率で「特化状態A」に振り分けられ、「30%」の確率で「特化状態B」に振り分けられる。
図8(C)に示すように、ストック3が設定されている際に特化状態への移行条件が成立した場合、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、「95%」の確率で「特化状態A」に振り分けられ、「5%」の確率で「特化状態B」に振り分けられる。
図8(D)に示すように、ストック4が設定されている際に特化状態への移行条件が成立した場合、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、「90%」の確率で「特化状態A」に振り分けられ、「10%」の確率で「特化状態B」に振り分けられる。
図8(E)に示すように、ストック5が設定されている際に特化状態への移行条件が成立した場合、振分手段280が行う特化状態振分抽選では、「65%」の確率で「特化状態A」に振り分けられ、「35%」の確率で「特化状態B」に振り分けられる。
(保障抽選手段290)
保障抽選手段290は、現在設定されているストックが消化されたことに基づいて、次回以降の特殊移行抽選にハズレた場合の遊技者に対する保障を付与するか否かを決定する保障抽選を行うものである。この保障抽選の実行契機である「現在設定されているストックが消化される場合」としては、「ストックに対応する終了条件が成立した場合」又は「特化状態への移行条件が成立した場合」の2種類がある。なお、「ストックに対応する終了条件」の詳細については後述する。
また、本実施の形態における「遊技者に対する保障」とは、次回以降の特殊移行抽選にハズレたことに基づいて「特化状態へ移行するか否かが決定される復活抽選が移行抽選手段270により行われること」をいう。そして、この移行抽選手段270が行う復活抽選では、「10%」の確率で当選する、すなわち、「10%」の確率で特化状態への移行が決定されることとなっている。なお、移行抽選手段270による復活抽選は、保障抽選手段290による保障抽選の当選後、「特化状態への移行条件が成立するまで」又は「保持している全てのストックが消化されるまで」の間で行われる。
ここで、保障抽選の振分率は、「ストックの消化回数」に応じて異なっている。なお、ここでの「ストックの消化回数」とは、特化状態への移行条件が成立することなく、ストックに対応する終了条件が成立した回数を意味する。たとえば、ストックに対応する終了条件が3回連続で成立した場合には、ストックの消化回数は「3回」となる。ただし、特化状態への移行条件が成立したことに基づいてストックが消化された場合には、ストックの続消化回数は「0回」に初期化される。なお、この「ストックの消化回数」はメイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に書き込まれており、その後の処理にて読み出し可能とされている。
そして、本実施の形態では、ストックを5の倍数連続で消化していない場合と、ストックを5の倍数連続で消化した場合とで保障抽選の振分率が異なっている。
具体的には、図9(A)に示すように、ストックを5の倍数連続で消化していない場合(例:ストックを3回連続で消化した場合)では、「3%」の確率で保障抽選に当選し、「97%」の確率で保障抽選にハズレる。また、図9(B)に示すように、ストックを5の倍数連続で消化した場合(例:ストックを5回連続で消化した場合)では、「25%」の確率で保障抽選に当選し、「75%」の確率で保障抽選にハズレる。なお、保障抽選手段290は、図示しないが、ストックを15回以上連続で消化した場合には、ストックを5の倍数連続で消化していない場合(例:ストックを17回連続で消化した場合)であっても、図9(B)に示す「ストックを5の倍数連続で消化した場合」の抽選テーブルを用いて保障抽選を行うこととされている。
保障抽選に当選した場合には、「特化状態への移行条件が成立するまで」又は「保持している全てのストックが消化されるまで」の間、次回以降の特殊移行抽選にハズレたことに基づいて移行抽選手段270による復活抽選が行われる。そして、この復活抽選に当選したことに基づいて特化状態への移行条件が成立する。
(サブ制御手段500)
サブ制御手段500は、図4に示すように、報知手段510を有する。報知手段510の詳細については後述する。
以上の構成をもって、サブ制御手段500は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段500は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示部84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
(報知手段510)
報知手段510は、演出装置70を用いて種々の情報、具体的には、演出を遊技者に報知するためのものである。
この報知手段510は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル状態、RT状態、ボーナス内部中状態又はボーナス状態の各遊技状態に応じた演出や、押し順を報知するための演出等を遊技者に報知する。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、報知手段510は、抽選により選択された演出やメイン制御手段200からの信号(コマンド)に対応する演出を演出装置70を用いて遊技者に報知する。
また、報知手段510は、通常ART状態に滞在中の間、獲得しているストックの種類が通常ストック(ストック1からストック4)の何れであるかにかかわらず、ストックを保持していることを共通の報知態様で遊技者に報知する。本実施の形態では、報知手段510は、通常ストック(ストック1からストック4)の共通の報知態様として「共通のキャラクター」を表示部84の一部(後述する控えキャラ表示領域84B又は現キャラ表示領域84H)に表示することとしている。具体的には、報知手段510は、表示部84の一部(後述する控えキャラ表示領域84B又は現キャラ表示領域84H)に「キャラクターA」を表示することにより、これらのストックを保持していることを遊技者に対して報知している(図13参照)。
また、報知手段510は、特別ストック(ストック5)を保持している場合には、通常ART状態に滞在中の間、特別ストック(ストック5)を保持していることを「キャラクターA」とは異なる特別の報知態様で遊技者に報知する。本実施の形態では、報知手段510は、特別ストック(ストック5)の特別の報知態様として「キャラクターB」を表示部84の一部(後述する控えキャラ表示領域84B又は現キャラ表示領域84H)に表示することとしている。具体的には、報知手段510は、表示部84の一部(後述する控えキャラ表示領域84B又は現キャラ表示領域84H)に「キャラクターB」を表示することにより、特別ストック(ストック5)を保持していることを遊技者に対して報知している(図13参照)。なお、図示は省略するが、「キャラクターB」は「キャラクターA」と見た目が異なっており、「キャラクターA」とは異なるキャラクターである旨を遊技者が容易に認識可能となっている。
また、報知手段510は、移行抽選手段270による特殊移行抽選にて特別ストック(ストック5)への昇格が決定された場合、表示部84に表示されている「キャラクターA」を「キャラクターB」に変更する。つまり、報知手段510は、キャラクターの表示を「キャラクターA」から「キャラクターB」に変更することにより、通常ストック(ストック1からストック4)が特別ストック(ストック5)に変更されたことを遊技者に対して報知している。
また、報知手段510は、有利区間に滞在中の役抽選にて、最大払出枚数(たとえば、「9枚」)に係る最大払出枚数役(たとえば、「ベル役」)に当選した場合には、少なくとも1回、最大払出枚数役に対応する押し順(以下、「最大払出枚数ナビ」とする)を表示部84に報知する。
(図10を用いた遊技状態の説明)
次に、図10を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御手段200により管理され、図10に示すように、大別すると、ノーマル状態、RT状態、ボーナス内部中状態及びボーナス状態がある。
「ノーマル状態」は、ノーマル状態制御手段251により制御される。ノーマル状態におけるリプレイ役への当選確率は、1/7.3に設定されている。
「RT状態」は、RT状態制御手段252により制御され、「ノーマル状態」よりリプレイ役への当選確率が高い。
「ノーマル状態」から「RT状態」には、RT移行図柄を停止表示させた時に移行する。たとえば、役抽選にて図示しない押し順リプレイ役に当選し、正解の押し順でストップスイッチ50が停止操作された場合には、RT移行図柄が停止表示され「RT状態」に移行する。
また、「RT状態」において、ノーマル状態移行図柄としての押し順役こぼし図柄を停止表示させると「ノーマル状態」に移行する。ここで「押し順役こぼし図柄」とは、図示しないが、たとえば、役抽選にて左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄61である。
「RT状態」においてART状態であれば、押し順が報知されるが、ART状態が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順、すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作する。そのため、左第一停止が不正解の役に当選した場合には押し順役こぼし図柄が停止表示され、「ノーマル状態」に移行する。
「ボーナス内部中状態」は、ボーナス内部中状態制御手段253により制御され、「ノーマル状態」又は「RT状態」において、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。また、ボーナス内部中状態では、リプレイ役への当選確率がノーマル状態よりも高く設定されている。
なお、ボーナス内部中状態では、リプレイ役への当選確率がRT状態より低いがノーマル状態よりは高くなるように設定されている。もちろん、このボーナス内部中状態のリプレイ役の当選確率は、ノーマル状態と同等に設定してもよいし、RT状態と同等又はRT状態より高くなるように設定してもよい。
「ボーナス状態」は、ボーナス状態制御手段254により制御され、ボーナス遊技として「BB」が行われる。この「ボーナス状態」では、メダルの規定の賭け数が「2枚」に設定されている。
「ボーナス状態」は、「ボーナス内部中状態」において、ボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示させることで移行する。また、「ボーナス状態」は、「ノーマル状態」又は「RT状態」において、ボーナス移行役に当選し、かつボーナス移行役に対応する図柄61を有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
「ボーナス状態」は、RBが連続作動し、所定の終了条件が成立したことに基づいて終了する。本実施の形態におけるボーナス状態では、所定の終了条件が「所定枚数のメダルの払出し」とされており、たとえば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。そして、「ボーナス状態」の終了後、「ノーマル状態」に移行する。
(図11を用いた有利区間の説明)
次に、図11を用いて有利区間について説明する。
図11に示すように、本実施の形態では、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない「非有利区間」と、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容される「有利区間」とがある。「非有利区間」としては、「非有利区間通常状態」がある。また、「有利区間」としては、「有利区間通常状態」、「ストック獲得状態」、「ART準備中状態」、「通常ART状態」及び「特化状態」がある。
(非有利区間)
非有利区間は、有利区間を除いた区間であって、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容されない、すなわち、AT遊技を行うことが許容されない区間である。そのため、非有利区間を継続すると、結果として、遊技者が所有しているメダルの合計が減少することとなっている。「非有利区間」としては、「非有利区間通常状態」がある。なお、「非有利区間」の種類や数は、前述したものに限られない。
(非有利区間通常状態)
「非有利区間通常状態」は、「有利区間」における「有利区間通常状態」、「ストック獲得状態」、「ART準備中状態」、「通常ART状態」及び「特化状態」等の特殊な状態を除いた状態である。この「非有利区間通常状態」の滞在中における遊技状態は、主にノーマル状態に滞在していることとされている(図10参照)。
(有利区間)
「有利区間」は、遊技者にとって有利な押し順の報知が許容される区間である。すなわち、「有利区間」は、AT遊技を行うことが許容される区間である。
この「有利区間」においては、少なくとも1回、最大払出枚数に係る入賞に対する指示がされることとなっている。具体的には、本実施の形態では、最大払出枚数に係る入賞に対する指示として、最大払出枚数(たとえば、「9枚」)に係る最大払出枚数役(たとえば、「ベル役」)に当選した場合に、報知手段510により最大払出枚数ナビが表示部84に報知される。
また、有利区間は、遊技可能なゲーム数の上限、すなわち、有利区間上限ゲーム数が設けられ、この有利区間上限ゲーム数に到達したことに基づいて非有利区間に移行することとされている。
有利区間では、有利区間上限ゲーム数が「1500ゲーム」と定められており、この有利区間上限ゲーム数に相当するカウント値「1500」がメイン制御手段200に設定されている。そして、メイン制御手段200により計数されるカウント値が、その初期値「1500」から「0」に到達すると、有利区間上限ゲーム数に到達して、有利区間から非有利区間へ移行する。
ここで、「有利区間」としては、上述のように「有利区間通常状態」、「ストック獲得状態」、「ART準備中状態」、「通常ART状態」及び「特化状態」がある。なお、「有利区間」の種類や数は、上述したものに限られない。
(有利区間通常状態)
有利区間通常状態は、「有利区間」に属し、「非有利区間」から「有利区間」に移行した場合に最初に滞在する状態である。「非有利区間」から「有利区間」、具体的には、「非有利区間通常状態」から「有利区間通常状態」には、非有利区間通常状態における役抽選にて有利区間移行契機役に当選したことに基づいて移行抽選手段270により行われる有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行する。なお、「非有利区間通常状態」から「有利区間通常状態」には、有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行することに限らず、役抽選にて有利区間移行契機役に当選したことに基づいて移行させてもよい。
また、有利区間通常状態は、非有利区間における非有利区間通常状態を継続した状態となっている。つまり、「非有利区間通常状態」と「有利区間通常状態」との違いは、滞在している区間が「非有利区間」か「有利区間」かの違いとなっている。
そして、有利区間通常状態では、役抽選にてART獲得契機役に当選したことに基づいて移行抽選手段270によるAT抽選が行われ、当該AT抽選に当選した場合には、ストック獲得状態へ移行する。
(ストック獲得状態)
ストック獲得状態は、「有利区間」に属し、通常ART状態への移行が確定している状態であって、移行先の通常ART状態で用いられるストックを獲得する状態である。このストック獲得状態は、5ゲームの遊技期間が設けられており、ストック獲得状態の各ゲームでストックが獲得可能とされている。
本実施の形態では、ストック獲得状態の各ゲームにおいて、スタートスイッチ40が操作されたことに基づいて2個のストックが獲得できることとされている。つまり、本実施の形態では、ストック獲得状態の滞在中に合計10個のストックを獲得できることとされている。なお、上記のスタートスイッチ40の操作に基づいて2個のストックを獲得した場合には、振分手段280によるストック振分抽選が行われ、当該獲得した2個のストックがストック1からストック5の何れかに振り分けられることとなっている。
そして、ストック獲得状態では、5ゲームの遊技期間を消化したことに基づいてART準備中状態に移行することとされている。
(ART準備中状態)
ART準備中状態は、「有利区間」に属し、通常ART状態への移行が確定している状態であって、遊技状態が「RT状態」へ移行することを待つ状態である。
ART準備中状態において、役抽選にて図示しない押し順リプレイ役に当選し、正解の押し順でストップスイッチ50が停止操作されると遊技状態が「RT状態」となり、通常ART状態へと移行する。
(ART状態)
ART状態は、「有利区間」に属し、「非有利区間通常状態」、「有利区間通常状態」、「ストック獲得状態」、「ART準備中状態」よりも遊技者にとって有利な状態である。このART状態には、「通常ART状態」と「特化状態」とがある。
(通常ART状態)
「通常ART状態」では、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技が行われるため、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
ここで、本実施の形態における通常ART状態は、ストックに基づく遊技が行われる状態とされている。具体的には、通常ART状態は、ストックを用いて、移行抽選手段270による特殊移行抽選が行われて特化状態へ移行するか否かが決定される遊技が行われる状態である。さらに、通常ART状態は、ストックを用いて、ストックに対応する終了条件の成立まで当該通常ART状態での遊技が行われる状態でもある。
ART準備中状態から通常ART状態に移行した場合には、まず、ストックのレベルは「レベル低」に設定される。そして、この「レベル低」の状態における役抽選にてレア役に当選したことに基づいて特殊移行抽選が行われ、レベル高への昇格が決定された場合には「レベル低」から「レベル高」へ昇格する。なお、「レベル高」から「レベル低」へは、現在設定されているストックが消化されたことに基づいて降格する。
また、通常ART状態で用いられるストックには、上述のように「ストック1からストック4」の「通常ストック」と、「ストック5」の「特別ストック」とがある。そして、通常ART状態では、「通常ストック」が設定されている場合と「特別ストック」が設定されている場合とで遊技の流れが異なっている。
(通常ストックが設定されている場合)
通常ストックが設定されている通常ART状態の滞在中では、「ベル役」又は「レア役」に当選したことに基づいて移行抽選手段270による特殊移行抽選が行われる。この特殊移行抽選では、上述のように、その実行契機にかかわらず特化状態へ移行するか否かが決定されることとされている。そして、特殊移行抽選の結果、特化状態への移行が決定された場合には振分手段280による特化状態振分抽選にて移行先の特化状態の種類が決定された後、通常ART状態から特化状態へ移行して次ゲームから特化状態での遊技が開始される。
また、通常ストックが設定されている通常ART状態においては、その通常ストックに対応する終了条件が定められており、当該終了条件が成立したことに基づいて通常ART状態が終了することとされている。
本実施の形態では、通常ストックに対応する終了条件が「役抽選にてリプレイ役に所定回数連続で当選すること」とされている。具体的には、ストック1に対応する終了条件は「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」とされ、ストック2に対応する終了条件は「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」とされ、ストック3に対応する終了条件は「役抽選にてリプレイ役に7回連続で当選すること」とされ、ストック4に対応する終了条件は「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」とされている。
つまり、通常ストックのうち、ストック1、ストック2、及びストック4に対応する終了条件(リプレイ役に5回連続で当選)は共通とされている。一方、通常ストックのうち、ストック3は、ストック1、ストック2、及びストック4に対応する終了条件(リプレイ役に5回連続で当選)の成立後にリプレイ役に2回連続で当選し、合計7回連続でリプレイ役に当選することが終了条件とされている。ここで、「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」は、本発明における「通常終了条件」に相当し、「リプレイ役に5回連続で当選した後にリプレイ役に2回連続で当選すること」は、本発明における「特定条件」に相当し、「役抽選にてリプレイ役に7回連続で当選すること」は、本発明における「特別終了条件」に相当する。
そして、「通常ART状態」は、上記の終了条件が成立した場合にはART中のAT遊技を終了する。そのため、上記の終了条件が成立した場合には、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、押し順役こぼし図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなる。その結果、RT状態において、押し順役こぼし図柄が停止表示され、遊技状態が「ノーマル状態」へ戻る。そして、遊技状態の「ノーマル状態」への移行に伴って、有利区間から非有利区間へと移行する。つまり、ART中のAT遊技及びRT遊技の終了に伴って、有利区間から非有利区間へと移行する。
(特別ストックが設定されている場合)
特別ストックが設定されている通常ART状態の滞在中では、「ベル役」又は「レア役」に当選したことに基づいて特化状態への移行が決定される。そのため、特別ストックが設定されている通常ART状態の滞在中では、「ベル役」又は「レア役」の当選に基づき振分手段280による特化状態振分抽選が行われ、移行先の特化状態の種類が決定される。その後、通常ART状態から特化状態へ移行して次ゲームから特化状態での遊技が開始される。
また、特別ストックが設定されている通常ART状態では、通常ストックが設定されている通常ART状態が有するような終了条件を有していない。つまり、特別ストックが設定されている通常ART状態は、特化状態への移行が確定しているため、当該通常ART状態から非有利区間へと移行することがなく、当該通常ART状態から特化状態へのみ移行する状態となっている。
以上説明したように、特別ストック(ストック5)は、「ベル役又はレア役の当選に基づいて特化状態への移行が決定される点」や「当該通常ART状態から特化状態へのみ移行する点」等から、通常ストック(ストック1からストック4)よりも有利度が高いストックとなっている。なお、この「特別ストック(ストック5)」は、本発明における「第3権利」に相当する。
(特化状態)
特化状態は、「有利区間」に属し、「通常ART状態」よりも遊技者にとって有利な状態であって、移行先の通常ART状態で用いられるストックを獲得する状態である。この特化状態は、5ゲームの遊技期間が設けられており、特化状態の各ゲームでストックが獲得可能とされている。また、特化状態では、通常ART状態と同様にAT遊技が行われるため、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄61の組合せを停止表示させて、その小役に対応する所定枚数のメダルを獲得できる。つまり、特化状態は、AT遊技が行われつつ、通常ART状態で用いられるストックを獲得できる点から、通常ART状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。なお、「通常ART状態」は、本発明における「第1状態」に相当し、「特化状態」は、本発明における「第2状態」に相当する。
そして、特化状態には、獲得可能なストック数が異なる「特化状態A」と「特化状態B」とが設けられている。
特化状態Aでは、特化状態Aの各ゲームにおいて、スタートスイッチ40が操作されたことに基づいて5個のストックが獲得できることとされている。つまり、本実施の形態では、特化状態Aの滞在中に合計25個のストックを獲得できることとされている。なお、上記のスタートスイッチ40の操作に基づいて5個のストックを獲得した場合には、振分手段280によるストック振分抽選が行われ、当該獲得した5個のストックがストック1からストック5の何れかに振り分けられることとなっている。
特化状態Bでは、特化状態Bの各ゲームにおいて、スタートスイッチ40が操作されたことに基づいて10個のストックが獲得できることとされている。つまり、本実施の形態では、特化状態Bの滞在中に合計50個のストックを獲得できることとされている。なお、上記のスタートスイッチ40の操作に基づいて10個のストックを獲得した場合には、振分手段280によるストック振分抽選が行われ、当該獲得した10個のストックがストック1からストック5の何れかに振り分けられることとなっている。
そして、特化状態では、5ゲームの遊技期間を消化したことに基づいて通常ART状態に移行することとされている。
なお、本実施の形態では、ART状態(通常ART状態又は特化状態)から非有利区間通常状態へ移行する場合には、AT遊技に関する情報(例:AT遊技であることを示すフラグ情報やAT遊技の残りゲーム数を示す情報、継続又は非継続を示すフラグ情報)が初期化される。
(図12を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図12に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップS10において、メイン制御手段200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が実行される。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚又は2枚)に達しているか否かの判定が実行される。
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が実行される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が実行される。回転リール62が所定の回転速度に達した後、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御手段200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
また、すべての停止操作終了後、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、すべての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの停止図柄判定処理が実行される。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御手段200からサブ制御手段500へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
ステップS14において、配当付与手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応する配当付与処理が実行される。なお、判定の結果、払出等が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理を終了する。
(遊技の流れ)
以下、図13を用いて、本実施の形態における通常ART状態での遊技の流れの一例について説明する。なお、以下の一例における遊技者は、通常ART状態での遊技を繰り返し行っているものとする。
図13は、本実施の形態における通常ART状態で報知手段510により表示部84に表示される演出の一例を示した図である。また、図13は、ART準備中状態から通常ART状態に移行した状態、すなわち、通常ART状態の最初のゲームにおける演出の一例を示しており、ストックのレベルは「レベル低」とされている。
図13に示すように、表示部84の上段左側には映像が表示される映像表示領域84Aが設けられ、表示部84の上段右側には控えのキャラクターが表示される控えキャラ表示領域84Bが設けられている。この控えキャラ表示領域84Bには、最大3体の控えのキャラクターが表示可能とされており、その下段から第1控えキャラ表示領域84C、第2控えキャラ表示領域84D、第3控えキャラ表示領域84Eの3つの領域が設けられている。そして、控えキャラ表示領域84Bに表示されている控えのキャラクターは、第1控えキャラ表示領域84C、第2控えキャラ表示領域84D、第3控えキャラ表示領域84Eの順に用いられる(後述する現キャラ表示領域84Hに表示される)こととされている。
なお、本実施の形態では、遊技者がストックを3つ以上有している場合でも、控えキャラ表示領域84Bには3体の控えのキャラクターのみが表示可能となっている。そして、報知手段510は、第1控えキャラ表示領域84Cに表示されている控えのキャラクター(例:キャラクターA)を後述する現キャラ表示領域84Hに表示した場合には、控えのキャラクターの順位を1ずつ繰り上げて表示する。具体的には、報知手段510により、第2控えキャラ表示領域84Dに表示されていた控えのキャラクター(例:キャラクターA)が第1控えキャラ表示領域84Cに表示され、第3控えキャラ表示領域84Eに表示されていた控えのキャラクター(例:キャラクターB)が第2控えキャラ表示領域84Dに表示され、第3控えキャラ表示領域84Eに新たな控えのキャラクター(例:キャラクターA)が表示される。
また、表示部84の中段には押し順が表示される押し順表示領域84Fが設けられ、表示部84の下段左側には当該ART状態(通常ART状態又は特化状態)で獲得したメダルの合計枚数が表示される合計メダル枚数表示領域84Gが設けられている。
そして、表示部84の下段右側には現在設定されているキャラクターが表示される現キャラ表示領域84Hが設けられている。ここで、報知手段510は、通常ART状態に滞在中の演出では、控えキャラ表示領域84B及び現キャラ表示領域84Hにキャラクター(キャラクターA又はキャラクターB)のみを表示し、ストック(ストック1からストック5)については表示しない。つまり、本実施の形態では、表示部84に表示されたキャラクターAを遊技者が視認しても、各キャラクターAに対応するストックの種類(ストック1からストック4の何れであるか)を認識することができない。
ここで、図13に示すように、現キャラ表示領域84HにはキャラクターAが表示されている。そして、このキャラクターAに対応するストックの種類は「ストック1」とされており、当該通常ART状態で用いられるストックは「ストック1」に設定されている。なお、上述のように、報知手段510は、表示部84にはストックについては表示しないため、遊技者がこのキャラクターAに対応するストックが「ストック1」であると認識することは困難である。
その後、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック1が設定されている)間における役抽選にてレア役に当選した。そして、このレア役の当選に基づいて、移行抽選手段270による特殊移行抽選が行われ、その結果、特殊移行抽選にハズレた。続いて、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック1が設定されている)間に、役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選した。そのため、ストック1に対応する終了条件が成立し、現在設定されているストック1が消化される。また、現在設定されているストック1が消化されたことに基づいて、保障抽選手段290による保障抽選が行われ、その結果、保障抽選にハズレた。したがって、この場合には、次回以降の特殊移行抽選にハズレたとしても移行抽選手段270による復活抽選が行われることがない。
以上より、現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターAに対応するストック1が消化され、当該キャラクターAを用いた(ストック1が設定された)遊技が終了する。そして、報知手段510により、現キャラ表示領域84Hに第1控えキャラ表示領域84Cに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターA)が表示され、第1控えキャラ表示領域84Cに第2控えキャラ表示領域84Dに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターA)が表示され、第2控えキャラ表示領域84Dに第3控えキャラ表示領域84Eに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターB)が表示され、第3控えキャラ表示領域84Eに新たな控えのキャラクター(図示せず)が表示される。
続いて、現キャラ表示領域84Hに表示されたキャラクターAに対応するストックの種類は「ストック4」とされており、当該通常ART状態で用いられるストックは「ストック4」に設定されている。しかし、上述のように、報知手段510は、表示部84にはストックについては表示しないため、遊技者がこのキャラクターAに対応するストックが「ストック4」であると認識することは困難である。
その後、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック4が設定されている)間における役抽選にてレア役に当選した。そして、このレア役の当選に基づいて、移行抽選手段270による特殊移行抽選が行われ、その結果、「レベル高への昇格」に振り分けられた(当選した)。これにより、ストックのレベルはレベル低からレベル高に昇格する。
続いて、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック4が設定されている)間に、役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選した。そのため、ストック4に対応する終了条件が成立し、現在設定されているストック4が消化される。また、現在設定されているストック4が消化されたことに基づいて、保障抽選手段290による保障抽選が行われ、その結果、保障抽選に当選した。したがって、この場合には、次回以降の特殊移行抽選にハズレたことに基づいて移行抽選手段270による復活抽選が行われることとなる。
以上より、現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターAに対応するストック4が消化され、当該キャラクターAを用いた(ストック4が設定された)遊技が終了する。そして、報知手段510により、現キャラ表示領域84Hに第1控えキャラ表示領域84Cに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターA)が表示され、第1控えキャラ表示領域84Cに第2控えキャラ表示領域84Dに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターB)が表示され、第2控えキャラ表示領域84Dに第3控えキャラ表示領域84Eに表示されていた控えのキャラクター(図示せず)が表示され、第3控えキャラ表示領域84Eに新たな控えのキャラクター(図示せず)が表示される。
続いて、現キャラ表示領域84Hに表示されたキャラクターAに対応するストックの種類は「ストック3」とされており、当該通常ART状態で用いられるストックは「ストック3」に設定されている。しかし、上述のように、報知手段510は、表示部84にはストックについては表示しないため、遊技者がこのキャラクターAに対応するストックが「ストック3」であると認識することは困難である。
その後、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック3が設定されている)間における役抽選にてレア役に当選した。そして、このレア役の当選に基づいて、移行抽選手段270による特殊移行抽選が行われ、その結果、特殊移行抽選にハズレた。この場合には、上記で保障抽選手段290による保障抽選に当選しているため、移行抽選手段270による復活抽選が行われ、その結果、復活抽選にハズレた。したがって、この場合には、復活抽選の当選に基づいて特化状態への移行条件が成立することがない。
その後、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック3が設定されている)間に、役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選した。ここで、通常ストックのうち、ストック1、ストック2、及びストック4であれば、既に対応する終了条件が成立したため、当該キャラクターAを用いた遊技は終了する。しかし、上記のキャラクターAに対応するストックの種類は「ストック3」であるため、リプレイ役に5回連続で当選しただけでは終了条件は成立せず、その後にリプレイ役に2回連続で当選し、合計7回連続でリプレイ役に当選するまで当該キャラクターAを用いた(ストック3が設定された)遊技が継続する。
そして、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターAが表示されている(ストック3が設定されている)間に、役抽選にてリプレイ役に7回連続で当選したことに基づいて、現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターAに対応するストック3が消化され、当該キャラクターAを用いた(ストック3が設定された)遊技が終了する。そして、報知手段510により、現キャラ表示領域84Hに第1控えキャラ表示領域84Cに表示されていた控えのキャラクター(キャラクターB)が表示され、第1控えキャラ表示領域84Cに第2控えキャラ表示領域84Dに表示されていた控えのキャラクター(図示せず)が表示され、第2控えキャラ表示領域84Dに第3控えキャラ表示領域84Eに表示されていた控えのキャラクター(図示せず)が表示され、第3控えキャラ表示領域84Eに新たな控えのキャラクター(図示せず)が表示される。
続いて、現キャラ表示領域84Hに表示されたキャラクターBに対応するストックの種類は「ストック5」とされており、当該通常ART状態で用いられるストックは「ストック5」に設定されている。そのため、遊技者には、キャラクターAに対応する通常ストック(ストック1からストック4)とは異なる種類のストック、すなわち、特別ストック(ストック5)が設定されていることを認識させることができる。
その後、現キャラ表示領域84Hに上記のキャラクターBが表示されている(ストック5が設定されている)間における役抽選にてベル役に当選した。そして、上述のように、特別ストック(ストック5)が設定されている通常ART状態の滞在中は、「ベル役」に当選したことに基づいて特化状態への移行が決定されるため、このベル役の当選に基づいて、振分手段280による特化状態振分抽選が行われ、移行先の特化状態の種類が決定される(例:特化状態B)。
なお、特化状態への移行条件が成立したことに基づいて、現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターBに対応するストック5が消化される。これに伴い、ストックの消化回数が「0回」に初期化され、保障抽選手段290による保障抽選に当選した情報が初期化される。そして、現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターBに対応するストック5が消化されたことに基づいて、当該キャラクターBを用いた(ストック5が設定された)遊技が終了し、次ゲームから特化状態での遊技が開始される。
(本実施の形態の作用効果)
本実施の形態によれば、ストック1であるかストック4であるかを遊技者が認識することを困難にしつつ、ストック1とストック4との有利度を異ならせることで、ART状態での遊技を繰り返して行った遊技者に対して、ART状態に滞在中の間、終始継続した期待感を抱かせることができる。
具体的には、本実施の形態では、報知手段510により通常ストック(ストック1からストック4)を保持していることが共通のキャラクターAで報知されるとともに、ストック1及びストック4の所定条件及び終了条件が共通している。つまり、上述のように、ストック1及びストック4の「所定条件」は「ベル役の当選」又は「レア役の当選」である点で共通し、ストック1及びストック4の「終了条件」は「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」である点で共通している。これにより、本実施の形態では、報知手段510により報知された通常ストック(ストック1からストック4)を全て同じ種類であると遊技者に認識させることができる。
また、本実施の形態では、ストック1とストック4との特殊移行抽選における「特化状態への移行が決定する確率」を異ならせることにより、ストック1とストック4との有利度を異ならせている。ここで、本実施の形態では、ストック4が設定された場合における「特化状態への移行が決定する確率」を、ストック1が設定された場合における「特化状態への移行が決定する確率」よりも高くしている(図5及び図6参照)。そして、本実施の形態では、ストック4の有利度は、少なくとも「特化状態への移行が決定する確率」が高い点から、ストック1の有利度よりも高く設定されている。
以上より、本実施の形態によれば、遊技者に同じ種類の通常ストック(ストック1からストック4)であると認識させつつ、ストック1とストック4との特化状態への移行確率を異ならせることができる。なお、この場合における「ストック1」は、本発明における「第1権利」に相当し、「ストック4」は、本発明における「第2権利」に相当する。
そのため、本実施の形態によれば、ART状態での遊技を繰り返して行った遊技者に対して、同じ種類に見える通常ストック(ストック1からストック4)に有利度の違いが存在するかもしれないと想像させることができ、当該通常ストック(ストック1からストック4)の有利度について、ART状態に滞在中の間、終始継続した期待感を抱かせることができる。
また、本実施の形態によれば、ストック1であるかストック3であるかを遊技者が認識することを困難にしつつ、ストック1とストック3との有利度を異ならせることで、ART状態での遊技を繰り返して行った遊技者に対して、ART状態に滞在中の間、終始継続した期待感を抱かせることができる。
具体的には、本実施の形態では、報知手段510により通常ストック(ストック1からストック4)を保持していることが共通のキャラクターAで報知されるとともに、ストック1及びストック3の所定条件及び特化状態への移行確率を共通にしつつ、ストック1及びストック3の終了条件を異ならせている。これにより、本実施の形態では、報知手段510により報知された通常ストック(ストック1からストック4)を全て同じ種類であると遊技者に認識させることができる。
また、上述のように、ストック1及びストック3の「所定条件」は「ベル役の当選」又は「レア役の当選」である点で共通し、ストック1及びストック3の「特化状態への移行確率」は同様の抽選テーブルを用いて特殊移行抽選が行われる点で共通している。ただし、ストック1の「終了条件」は「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」であるが、ストック3の「終了条件」は「役抽選にてリプレイ役に7回連続で当選すること」である点で異なっている。
以上より、本実施の形態によれば、遊技者に同じ種類の通常ストック(ストック1からストック4)であると認識させつつ、ストック1とストック3との終了条件を異ならせることができる。そして、本実施の形態では、ストック3の有利度は、「リプレイ役に5回連続で当選した後にリプレイ役に2回連続で当選すること」が必要な点から、ストック1の有利度よりも高く設定されている。なお、この場合における「ストック1」は、本発明における「第1権利」に相当し、「ストック3」は、本発明における「第2権利」に相当する。
そのため、本実施の形態によれば、ART状態での遊技を繰り返して行った遊技者に対して、同じ種類に見える通常ストック(ストック1からストック4)に有利度の違いが存在するかもしれないと想像させることができ、当該通常ストック(ストック1からストック4)の有利度について、ART状態に滞在中の間、終始継続した期待感を抱かせることができる。
また、本実施の形態では、上述のようにストック3又はストック4の有利度がストック1の有利度よりも高く設定されていることに加え、ストック(ストック1からストック5)が付与される場合において、ストック1の付与される確率がストック3又はストック4の付与される確率よりも高く設定されている(図7参照)。これにより、本実施の形態によれば、ストック1とストック3又はストック4との付与される確率が同様の構成に比べて、ART状態での遊技を繰り返し行った遊技者に対してストック3又はストック4による有利度を与えることで意外性を与えるとともに喜びを与えることができるため、同じ種類に見える通常ストック(ストック1からストック4)に有利度の違いが存在するかもしれないと容易に想像させることができる。
そのため、本実施の形態によれば、ストック1とストック3又はストック4との付与される確率が同様の構成に比べて、ART状態での遊技を繰り返して行った遊技者に対して、当該通常ストック(ストック1からストック4)の有利度について、ART状態に滞在中の間、終始継続した期待感を容易に抱かせることができる。
また、本実施の形態では、ストック5とは、少なくともストック1及びストック3又はストック4よりも有利度が高く、ベル役又はレア役の当選に基づいて特化状態への移行が決定されるものである。さらに、このストック5は、通常ストック(ストック1からストック4)が有するような終了条件を有していない。そして、本実施の形態では、報知手段510により、ストック5を保持していることがキャラクターAとは異なるキャラクターBで報知される。
これにより、本実施の形態では、報知手段510により報知されたストック(ストック1からストック5)の優劣を遊技者に認識させることができる。そのため、本実施の形態によれば、遊技者がストック(ストック1からストック5)の優劣を認識不能な構成に比べて、キャラクターBで報知されたストック5に対してより一層の喜びを与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施の形態では、通常ストック(ストック1からストック4)に基づく遊技が行われている通常ART状態の滞在中における役抽選にてベル役に3回以上連続で当選した場合には、移行抽選手段270による特殊移行抽選にて通常ストック(ストック1からストック4)を特別ストック(ストック5)に変更するか否か(ストック5へ昇格するか否か)が決定される。また、本実施の形態では、移行抽選手段270による特殊移行抽選にて通常ストック(ストック1からストック4)を特別ストック(ストック5)に変更すること(ストック5へ昇格すること)が決定された場合、報知手段510によりキャラクターAがキャラクターBへと変更される。
これにより、本実施の形態では、キャラクターBを見た遊技者に対して通常ストック(ストック1からストック4)が特別ストック(ストック5)に変更されたことを認識させることができる。そのため、本実施の形態によれば、通常ストックを特別ストックに変更するか否かが特殊移行抽選にて決定されない構成に比べて、ストック(ストック1からストック5)の付与についての関心を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(その他)
本実施の形態では、報知手段510が表示部84に「キャラクターA」を表示することにより、通常ストック(ストック1からストック4)を保持していることを遊技者に対して報知することとした。そして、本実施の形態では、報知手段510により通常ストック(ストック1からストック4)に対応する「キャラクターA」が共通の報知態様で表示部84に表示されることにより、通常ストック(ストック1からストック4)を全て同じ種類であると遊技者に認識させることとした。
しかし、これに限らず、報知手段510は、各通常ストックに応じて「キャラクターA」の報知態様を変化させてもよい。つまり、報知手段510は、共通の報知態様を報知しつつ(例:キャラクターAを表示しつつ)、当該報知された共通の報知態様に対応する通常ストック(例:ストック4)に応じて、報知態様を変化させてもよい。たとえば、報知手段510は、通常ストックのうちストック1の場合には「キャラクターA」の映像のみを表示部84に表示させるが、通常ストックのうちストック2からストック4の場合には「キャラクターA」の映像を表示しつつ、「チャンス!」等の文字を表示部84に表示して、ストック1の場合と報知態様を変化させてもよい。
そして、上記のように構成した場合、報知手段510は、所定の契機として、
(1)現キャラ表示領域84Hにストック2からストック4に対応するキャラクターAが表示された場合
(2)現キャラ表示領域84Hにストック2からストック4に対応するキャラクターAが表示されている場合における役抽選にてベル役又はレア役に当選したとき
(3)現キャラ表示領域84Hにストック2からストック4に対応するキャラクターAが表示されている場合における役抽選にてリプレイ役に4回連続で当選したとき
に、上記のストック1の場合と異なる報知態様を表示部84に表示させることが望ましい。
上記(1)の契機でストック1の場合と異なる報知態様を表示部84に表示させることにより、現キャラ表示領域84HにキャラクターAが表示される際の関心を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、上記(2)の契機でストック1の場合と異なる報知態様を表示部84に表示させることにより、通常ART状態に滞在中の役抽選についての関心を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。さらに、上記(3)の契機でストック1の場合と異なる報知態様を表示部84に表示させることにより、終了条件が成立する直前で遊技者を煽ることができ、次のゲームで行われる役抽選についての関心を高め、遊技の興趣を高めることができる。なお、上記(1)から(3)の所定の契機において、ストック1の場合と異なる報知態様を報知手段510が報知するか否かは所定の抽選を行うことにより決定してもよい。
また、本実施の形態では、報知手段510により、控えキャラ表示領域84Bに控えのキャラクター(キャラクターA又はキャラクターB)が表示されることにより、遊技者に対して控えのキャラクターを報知することとした。しかし、これに限らず、報知手段510は、控えキャラ表示領域84Bに表示される控えのキャラクターをシルエットで表示したり、控えのキャラクターの名前を伏せ字(例:***)で表示したりしてもよい。つまり、報知手段510は、所定の期間、表示部84に表示されるキャラクター(報知態様)を遊技者に認識不能な態様で表示してもよい。これにより、現キャラ表示領域84Hにキャラクターが表示されるまで遊技者が控えキャラ表示領域84Bに表示されているキャラクターを認識できなくなり、現キャラ表示領域84Hにキャラクターが表示される際の関心を高め、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施の形態は、報知手段510が表示部84にストックについては表示しないため、遊技者は現キャラ表示領域84Hに表示されているキャラクターに対応するストックの種類を認識できない構成とした。しかし、これに限らず、報知手段510が表示部84にストックについて表示することで、遊技者に現キャラ表示領域84Hに表示されていたキャラクターに対応するストックの種類を認識できる構成としてもよい。たとえば、報知手段510は、所定の契機として、「特殊移行抽選にハズレた場合」、「特化状態への移行条件が成立した場合」、又は「特化状態Bへ移行した場合」等に、現キャラ表示領域84Hに表示されていたキャラクターに対応するストックの種類を表示してもよい(例:「ストック2でした!」)。このように、当該ストックが設定された遊技の終了後に報知手段510により当該ストックの種類を表示部84に表示し、遊技者に当該ストックの種類を認識させることで、当該ストックが設定された遊技の遊技内容を理解させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施の形態では、移行抽選手段270が行う特殊移行抽選において、現在設定されている通常ストック(ストック1からストック4)を特別ストック(ストック5)へ変更(昇格)するか否かが決定されることとした。そのため、本実施の形態では、「移行抽選手段270」が本発明における「変更抽選手段」に相当し、「特殊移行抽選」が本発明における「変更抽選」に相当することとした。
しかし、これに限らず、移行抽選手段270とは別に、通常ストック(ストック1からストック4)を特別ストック(ストック5)に変更するか否かの変更抽選を行う変更抽選手段を設けてもよい。また、特殊移行抽選の中で本発明における「変更抽選」に相当する内容が決定されることに限らず、特殊移行抽選とは別に、移行抽選手段270又は変更抽選手段による「変更抽選」を行ってもよい。
また、本実施の形態では、ストック獲得状態及び特化状態にてストックを獲得できることとしたが、ストックを獲得できる状態はこれに限らず、たとえば、ボーナス状態にてストックを獲得できることとしてもよい。
また、本実施の形態では、AT抽選に当選した場合にストック獲得状態へ移行し、そのストック獲得状態で移行先の通常ART状態にて用いられるストックを獲得することとした。しかし、これに限らず、ストック獲得状態を設けることなく、ART準備中状態で移行先の通常ART状態にて用いられるストックを獲得することとしてもよい。この場合には、一例として、AT抽選の当選に基づきART準備中状態に移行し、ART準備中状態の最初の5ゲームの遊技期間の各ゲームでストックを獲得する構成とすることができる。
また、本実施の形態では、ストック獲得状態の各ゲームにて2個のストックを獲得できることとしたが、その数は2個に限らず、これより多くても少なくてもよい。また、各ゲームにて固定数のストックを獲得することに限らず、各ゲームで抽選を行うことにより各ゲームで獲得可能なストック数を変動させてもよい。つまり、獲得可能なストック数を抽選の結果に基づいて振り分けてもよい。この場合における抽選では、少なくとも各ゲームにおいて1個のストックが付与されるように構成することが好ましい。
また、本実施の形態では、特化状態Aの各ゲームにて5個のストックを獲得できることとしたが、その数は5個に限らず、これより多くても少なくてもよい。また、各ゲームにて固定数のストックを獲得することに限らず、各ゲームで抽選を行うことにより各ゲームで獲得可能なストック数を変動させてもよい。
また、本実施の形態では、特化状態Bの各ゲームにて10個のストックを獲得できることとしたが、その数は10個に限らず、これより多くても少なくてもよい。また、各ゲームにて固定数のストックを獲得することに限らず、各ゲームで抽選を行うことにより各ゲームで獲得可能なストック数を変動させてもよい。さらに、本実施の形態では、特化状態Bを特化状態Aよりも遊技者にとって有利な状態とすることとして、各ゲームで獲得するストック数を特化状態Aよりも多くした。しかし、これに限らず、特化状態Bの遊技期間を特化状態Aの遊技期間よりも長くする等により、特化状態Bを特化状態Aよりも遊技者にとって有利な状態としてもよい。
また、本実施の形態では、ストック獲得状態を経由することにより、通常ART状態への移行前に、移行先の通常ART状態にて用いられるストックを獲得することとした。しかし、これに限らず、通常ART状態への移行前にストックを獲得する状態を設けることなく、予め通常ART状態における初期ストックが定められていてもよい(例:初期ストック「5個」)。
また、本実施の形態では、ストックの種類をストック1からストック5までの5種類としたが、ストックの種類は5種類に限らず、これより多くても少なくてもよい。
また、本実施の形態では、「レベル高」から「レベル低」へは、現在設定されているストックが消化されたことに基づいて降格することとした。しかし、これに限らず、「レベル高」から「レベル低」へは、「レベル高」において所定の遊技期間(例:10ゲーム)を消化したことに基づいて降格することとしてもよい。さらに、本実施の形態と異なり、「レベル高」から「レベル低」へは、特化状態への移行条件が成立するまで降格しないこととしてもよい。
また、本実施の形態では、ストック1、ストック2、及びストック4に対応する終了条件を「役抽選にてリプレイ役に5回連続で当選すること」とし、ストック3に対応する終了条件を「役抽選にてリプレイ役に7回連続で当選すること」とした。しかし、終了条件となる役は「リプレイ役」に限らず、他の役であってもよい。また、役抽選における連続当選回数も「5回」や「7回」に限らず、これより多くても少なくてもよい。
また、本実施の形態では、保障抽選手段290が行う保障抽選に当選した場合には、移行抽選手段270による復活抽選が行われ、その復活抽選に当選したときに特化状態への移行が決定されることとした。しかし、これに限らず、保障抽選手段290が行う保障抽選に当選した場合に特化状態への移行が決定されることとしてもよい。
また、本実施の形態では、ストックを5の倍数連続で消化していない場合と、ストックを5の倍数連続で消化した場合とで保障抽選の振分率を異ならせることとした。しかし、ストックの消化回数に基づいて保障抽選の振分率を変化させる構成であればよく、たとえば、ストックを連続で消化する回数が増える毎に(例:2回連続、3回連続、4回連続・・・)、保障抽選に当選する確率が向上する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、移行抽選手段270が行う復活抽選では、一律「10%」の確率で特化状態への移行が決定されることとした。しかし、これに限らず、保障抽選に当選した際のストックの消化回数に応じて、復活抽選の当選確率を変化させてもよい(例:ストックを連続で消化している回数が多いほど、復活抽選の当選確率が高くなる)。
また、本実施の形態では、報知手段510により、通常ストック(ストック1からストック4)の共通の報知態様として「キャラクターA」が表示部84に表示されることで、遊技者に全て同じ種類のストックであると認識させることとした。つまり、本実施の形態では、報知手段510による共通の報知態様が遊技者の視覚に訴えることで、報知された共通の報知態様に対応するストックを全て同じ種類であると認識させることとした。
しかし、これに限らず、遊技者の聴覚に訴えることで、報知された共通の報知態様に対応するストックを全て同じ種類であると認識させる構成としてもよい。たとえば、通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合には、共通の曲を流す等の構成としてもよい。この場合には、通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合の曲を共通とし、特別ストック(ストック5)が設定されている場合の曲を通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合の曲と異ならせることが望ましい。なお、「キャラクターA」を表示部84に表示し、通常ストック(ストック1からストック4)に対応する共通の曲を流すことにより、遊技者の視覚及び聴覚に訴えることで、報知された共通の報知態様に対応するストックを全て同じ種類であると認識させる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、報知手段510により、通常ストック(ストック1からストック4)に対応する「キャラクターA」とは異なる特別の報知態様として「キャラクターB」が表示部84に表示されることで、特別ストック(ストック5)を保持していることを遊技者に対して報知することとした。つまり、本実施の形態では、報知手段510による「特別の報知態様」として「キャラクターA」と「キャラクターB」との見た目を異ならせ、遊技者の視覚に訴えることで、特別ストック(ストック5)を保持していることを遊技者に対して報知することとした。
しかし、「特別の報知態様」はこれに限らず、通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合の曲と、特別ストック(ストック5)が設定されている場合の曲とを異ならせる等して、遊技者の聴覚に訴えることで、特別ストック(ストック5)を保持していることを遊技者に対して報知する構成としてもよい。なお、このように構成した場合には、通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合の曲と、特別ストック(ストック5)が設定されている場合の曲とを遊技者が聴いた際に、双方の曲が異なる旨を容易に認識可能となっている。また、「共通の報知態様」を遊技者の視覚及び聴覚の双方に訴える構成とした場合には、「特別の報知態様」は遊技者の視覚又は聴覚の一方に訴える報知態様が異なっていればよい。具体的には、「キャラクターA」を表示部84に表示し、通常ストック(ストック1からストック4)に対応する共通の曲を流すことを「共通の報知態様」とした場合には、「特別の報知態様」としては、「キャラクターA」と見た目の異なる「キャラクターB」を表示部84に表示するか、又は通常ストック(ストック1からストック4)が設定されている場合の曲と、特別ストック(ストック5)が設定されている場合の曲とが異なっていればよい。