JP6960747B2 - 低チキソトロピー性助剤、可溶性袋状物及びセメント組成物 - Google Patents

低チキソトロピー性助剤、可溶性袋状物及びセメント組成物 Download PDF

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Description

本発明は、低チキソトロピー性助剤、可溶性袋状物及びセメント組成物に関する。詳しくは、本発明はセメント組成物の経時変化による粒子の凝集を抑制するとともに、撹拌状態ではなく静的な状態で保管されたセメント組成物を動かす際の力を著しく低減し、セメント粒子間に水分を保持した低せん断強度で降伏する化合物を含有する低チキソトロピー性助剤、可溶性袋状物及びそれを用いたセメント組成物に関する。
ワーカビリティーが不足するセメント組成物を施工した場合、充填不足により耐久性を損なう恐れがある。また、セメント組成物を圧送する配管内での閉塞等も危惧される。一般に、セメント組成物の流動性は、スランプ試験やスランプフロー試験を代表とするコンシステンシー試験で評価されている。これらの試験は撹拌した後の試料を用いるため、セメント組成物の流動性は、ある定常状態になった際のコンシステンシー評価となる。
セメント組成物はチキソトロピー性を有しているため、撹拌状態では徐々に粘度が低下するけれども、無撹拌状態では徐々に粘度が増加する。セメント組成物は様々な場面で無撹拌状態に晒されるため、必ずしもスランプ試験等のみでワーカビリティーは評価できない。例えば、ポンプ車にコンクリートを入れてポンプ車のミキシングを行わなかった場合や長距離圧送時に圧送を一旦止めた場合、コンクリートは無撹拌状態となる。無撹拌状態のコンクリートは変形し難い性質があり、撹拌時と同様の変形性能があることが望まれる。
セメント粒子は、継時変化に伴い、互いに近接した後、凝集する。近接、凝集の程度によっては、再撹拌することにより元の構造に復元するけれども、復元に要するためにはエネルギーが必要となる。セメント粒子が近接、凝集及び沈降することにより材料分離を起こせば、復元するためのエネルギーは多大となる上、復元できない可能性もある。コンクリートの状態改善を図るための化学混和剤は様々提案されてきたが、定量的で作用を考慮するものであり、無撹拌状態のコンクリートの変形性能を改善することに着目した化学混和剤の報告は過去に認められない。
コンクリートのポンプ圧送性を改善する技術として、特許文献1には、粒状ないしフレーク状のオキシカルボン酸(塩)を用いた圧送性の改善を図ることが開示されている。オキシカルボン酸(塩)は、構造中に吸着官能基を有し、セメントの分散性に寄与する化合物である。そのため、この技術は、セメントの分散性を変化させた圧送性の改善といえる。
しかしながら、オキシカルボン酸(塩)の添加する量を増やした場合、所定のコンシステンシーを満足できない上に、実施例の圧送試験においても、無撹拌時の変形抵抗性を評価するような試験項目がない。また、明細書中にも無撹拌時のセメントの凝集を抑制し、凝集時の変形抵抗性を改善するような記載はない。
特開2000−191354号公報
元来、無撹拌状態で静的な状態で保持されたコンクリートの変形性を改善する専用の助剤は存在していなかった。コンクリートのチキソトロピー性を低下させるためには、水、セメント、混和材、細骨材、粗骨材、化学混和剤の物理的性質と化学的性質を考慮して、コンクリートの設計を行う必要がある。しかしながら、実際には使用材料は多岐にわたる上、それぞれが相互に作用してチキソトロピー性は変化すると考えられる。また、チキソトロピー性に関しても、明確な作用機構は実証されていない。ただし、セメントの近接、凝集がチキソトロピー性の変化の主要因であることだけは確かである。
本発明の課題は、静的状態で保持されたセメント組成物中のセメント粒子の近接、凝集及び沈降によるこわばりを防止し、施工性の改善のみならず、施工不良を抑制し、構造体として健全なセメント硬化体を得ることが可能な低チキソトロピー性助剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、重量平均分子量が10,000〜30,000であるポリアルキレングリコールと、オキシカルボン酸系化合物と、を少なくとも含み、(A)成分と(B)成分の配合比((A)成分/(B)成分)が98/2〜10/90の範囲にあり、最大粒径が10mm以下の粉体である低チキソトロピー性助剤が、セメント粒子の近接、凝集を抑制し、無撹拌状態のセメント組成物の変形性を確保することを発見した。そして、この低チキソトロピー性助剤を用いることで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔8〕を提供する。
〔1〕(A)成分:重量平均分子量が10,000〜30,000であるポリアルキレングリコールと、(B)成分:オキシカルボン酸系化合物と、を少なくとも含み、下記条件(1)及び(2)を満たす低チキソトロピー性助剤。
条件(1):(A)成分/(B)成分=98/2〜10/90(但し、(A)成分+(B)成分=100とする)の範囲であること。
条件(2):最大粒径が10mm以下の粉体であること。
〔2〕(C)成分:下記一般式(1)で表される単量体(I)40〜85質量%、不飽和カルボン酸系単量体(II)10〜50質量%、並びに前記単量体(I)及び/又は(II)と共重合可能な単量体(III)0〜10質量%(但し、単量体(I)+単量体(II)+単量体(III)=100質量%とする)の共重合体であるポリカルボン酸系共重合体又はその塩と、をさらに含有する上記〔1〕に記載の低チキソトロピー性助剤。
Figure 0006960747
(前記一般(1)式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。mは、0〜2の整数を表す。AOは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜80の整数を表す。Xは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
〔3〕下記条件(3)を満たす上記〔2〕に記載の低チキソトロピー性助剤。
条件(3):前記(A)成分と前記(B)成分の合計の固形分比率XABと、前記(C)成分の固形分比率Xが、XAB/X=40/60〜95/5(但し、XAB+X=100とする)の範囲であること。
〔4〕(D)成分:エチルヒドロキシエチルセルロースを含む保水性安定剤と、をさらに含有する上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の低チキソトロピー性助剤。
〔5〕下記条件(4)を満たす上記〔4〕に記載の低チキソトロピー性助剤。
条件(4):前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計の固形分比率XABCと、前記(D)成分の固形分比率Xが、XABC/X=33/67〜97/3(但し、XABC+X=100とする)の範囲であること。
〔6〕下記条件(5)を満たす上記〔4〕に記載の低チキソトロピー性助剤。
条件(5):前記(A)成分の質量比率Yと、前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分の合計の質量比率YBCDが、Y/YBCD≧0.15を満たすこと。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の低チキソトロピー性助剤を内封した可溶性袋状物。
〔8〕セメント材料、及び上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の低チキソトロピー性助剤又は上記〔7〕に記載の可溶性袋状物、を含有し、前記セメント材料と、前記助剤又は前記袋状物の質量比(セメント材料/助剤又は袋状物)が、99.5/0.5〜99.999/0.001であるセメント組成物。
本発明の低チキソトロピー性助剤によれば、静的状態で保持されたセメント組成物中のセメント粒子の近接、凝集及び沈降によるこわばりを防止し、施工性の改善のみならず、施工不良を抑制し、構造体として健全なセメント硬化体を得ることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本明細書中、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書中、「セメント組成物」とは、コンクリート、モルタル、セメントペースト等を包含する概念である。
[1.低チキソトロピー性助剤]
本発明の低チキソトロピー性助剤は、(A)成分:重量平均分子量が10,000〜30,000であるポリアルキレングリコールと、(B)成分:オキシカルボン酸系化合物と、を少なくとも含み、下記条件(1)及び(2)を満たすものである。
条件(1):(A)成分/(B)成分=98/2〜10/90(但し、(A)成分+(B)成分=100とする)の範囲である。
条件(2):最大粒径が10mm以下の粉体である。
本発明の低チキソトロピー性助剤は、従来改善できなかった静的状態で保持されたセメント組成物中のセメント粒子の近接、凝集及び沈降によるこわばりを防止することができ、新たな製品として販売し得るものである。従来の攪拌された動的状態のコンシステンシーの改善を目的とした助剤ではなく、静的状態を動かすための力を低減することを目的とした助剤であり、例えば、静置条件のコンクリートをスコップで切り返す際の力や、ポンプで圧送する際の圧送負荷を低減する効力がある。この効力により、施工性の改善のみならず、施工不良を抑制し、構造体として健全なセメント硬化体を得ることが可能となる。
[1−1.(A)成分]
(A)成分は、重量平均分子量が10,000〜30,000のポリアルキレングリコールである。ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、状態改良の点で、18,000〜22,000であることが好ましい。ポリアルキレングリコールの重量平均分子量が10,000以上であることにより、アルカリ水中での溶解性が速すぎることがなく、保水性に起因する状態改良効果及び減水性が良好となる。一方、30,000以下であることにより、アルカリ水中での溶解性が遅すぎることがなく、保水性に起因する状態改良効果が十分に得られる。また、条件によって溶解性が高まった場合でも、著しいセメント粒子の分散性を抑制し得る。
なお、ポリアルキレングリコールの好適例としてはポリエチレングリコールが挙げられる。
(A)成分の重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により公知の方法にて測定できる。GPCの測定条件として特に限定されないが、例として以下の条件を挙げることができる。後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置:東ソー製
使用カラム:Shodex Column OH−pak SB−806HQ、SB−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液:0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質:ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器:示差屈折計(東ソー製)
検量線:ポリエチレングリコール基準
本発明の低チキソトロピー性助剤をセメント組成物に用いる場合、例えば、セメント組成物中のpH、温度、金属イオン量、攪拌エネルギーが多岐に渡るため、様々な条件で、緩やかにセメント組成物を構成する固体成分が溶解する必要がある。そのため、低チキソトロピー性助剤の固体サイズを、条件(2)で特定している。
低チキソトロピー性助剤は、最大粒径が10mm以下の粉体であり、固体で使用することを特徴とする。低チキソトロピー性助剤の固体サイズは、最大粒径が10mm以下であり、8mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましい。また、低チキソトロピー性助剤を略板上の固体と仮定した場合、その厚みは、5mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましい。
低チキソトロピー性助剤の固体サイズとして、最大粒径が10mm超、厚みが5mm超である場合、セメント組成物を構成する固体成分がセメント組成物中にそのまま残存する可能性がある。また、残存しない場合であっても、溶解するタイミングが遅滞し、所要の性能を得られない場合がある。
固体サイズの測定手段としては、特に限定されないが、例えば、目開き(メッシュサイズ)10mmの篩にかけて、通過したものを最大粒径10mm以下とみなし使用することができる。
ポリアルキレングリコールは、アルキレングリコール、ジアルキレングリコール等を出発原料として、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒又は酸フッ化ホウ素等の酸触媒存在下、100〜200℃でアルキレンオキサイドを付加することにより調製することができる。このように調製したポリアルキレングリコールは通常液体であるので、冷却処理又は冷風処理し、固体化する。その後、所定の厚みになったポリアルキレングリコールを採取する。その際、各辺10mm、厚みが5mmを超えるポリアルキレングリコールは除去して化合物を得る。
除去方法としては特に限定されないが、例えば、固形化したポリアルキレングリコールを所望のサイズの金属メッシュを通す手段が挙げられる。
[1−2.(B)成分]
(B)成分は、オキシカルボン酸系化合物である。オキシカルボン酸系化合物としては、例えば、グルコン酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロパン酸(例えば、乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸)、ヒドロキシ酪酸(例えば、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸)、ヒドロキシ吉草酸(例えば、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸)、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、シトラマル酸や、オキシカルボン酸のアンモニウム塩、オキシカルボン酸のアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)が挙げられる。オキシカルボン酸系化合物として、好ましくはグルコン酸ナトリウム若しくはグルコヘプトン酸ナトリウム、又はその両者の混合物であり、より好ましくはグルコン酸ナトリウムである。
(A)成分と(B)成分の配合比((A)成分/(B)成分)は、98/2〜10/90の範囲である(但し、(A)成分+(B)成分=100とする)。好ましい範囲は、本発明の低チキソトロピー性助剤を用いるセメント組成物のセメント水比に応じて異なる。例えば、セメント組成物のセメント水比が1.59〜2.22の場合、90/10〜40/60の範囲であることが好ましい。また、セメント組成物のセメント水比が2.22超の場合、98/2〜15/85の範囲であることが好ましく、98/2〜60/40の範囲であることがより好ましい。
(A)成分と(B)成分の配合比が、98/2〜10/90の範囲であると、セメントの水和反応を抑制し、チキソトロピー性の変化を十分改善することができる。また、セメント組成物のセメント水比が2.22超の場合、98/2〜15/85の範囲であると、著しくセメント組成物の見かけの粘性が増加することを抑制し、チキソトロピー性の変化を十分改善することができる。
[1−3.(C)成分]
本発明の低チキソトロピー性助剤は、上記の(A)成分及び(B)成分に加えて、下記一般式(1)で表される単量体(I)40〜85質量%、不飽和カルボン酸系単量体(II)10〜50質量%、並びに単量体(I)及び/又は(II)と共重合可能な単量体(III)0〜10質量%(但し、単量体(I)+単量体(II)+単量体(III)=100質量%)の共重合体であるポリカルボン酸系共重合体又はその塩を含有することが好ましい。
Figure 0006960747
(前記一般(1)式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。mは、0〜2の整数を表す。AOは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜80の整数を表す。Xは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
一般式(1)中、R〜Rとして表される基のうち、炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1)中のAOは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)、オキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が挙げられる。中でも、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)が好ましい。
「同一又は異なっていてもよい」とは、一般式(1)中にAOが複数含まれる場合(n1が2以上の場合)、それぞれのAOが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよいことを意味する。一般式(1)中にAOが複数含まれる場合の態様としては、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)及びオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられる。中でも、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)が混在する態様、又はオキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシブチレン基(ブチレングリコール単位)が混在する態様であることが好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール単位)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール単位)が混在する態様であることがより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
一般式(1)中のn1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜80の整数を表す。n1は、1〜50の整数であることが好ましく、5〜50の整数であることがより好ましく、8〜50の整数であることがさらに好ましい。平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているアルキレングリコール単位のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中のXは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。分散性の観点から、Xは水素原子又は炭素原子数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数1〜5の炭化水素基であることがより好ましく、水素原子又はメチル基であることがさらに好ましい。
一般式(1)で表される単量体(I)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸類とポリオキシアルキレンの2つあるOH基の片方とをエステル結合させたものや、このエステルの残存している遊離OH基をアルキル基でエーテル化したものが挙げられる。代表的な具体例としては、メトキシポリオキシエチレンメタクリレート(EO鎖長=9)、メトキシポリオキシエチレンメタクリレート(EO鎖長=23)、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレートを挙げることができる。
なお、共重合体を作製するに当たり、2種以上の単量体を併用することも可能である。
不飽和カルボン酸系単量体(II)としては、不飽和モノカルボン酸系単量体や不飽和ジカルボン酸系単量体等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等及びこれらの一価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としてはマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等及びこれらの一価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、又は、それらの無水物が挙げられる。中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
なお、共重合体を作製するに当たり、2種以上の単量体を併用することも可能である。
単量体(I)及び/又は(II)と共重合可能な単量体は、例えば、以下の単量体を挙げることができる。
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコール又はアミンに、炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンのOH基のオルト位の2つをアリル基で置換した化合物や4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの3及び3’位をアリル化した化合物等の(メタ)アリルフェノール;
1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;
トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類;
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
これらの中でも、(メタ)アリルフェノールが好ましい。(メタ)アリルフェノールは、フェノール基を2つ以上有するものがさらに好ましい。(メタ)アリルフェノールとしては、フェノール基を2以上かつアリル基を2以上有するものが好ましく、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンをアリル置換した化合物がより好ましく、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの3及び3‘位をアリル置換した化合物がさらに好ましい。
ポリカルボン酸系共重合体又はその塩は、単量体(II)をX質量部、単量体(I)をY質量部、単量体(III)をZ質量部とした場合(但し、X+Y+Z=100である)、10≦X≦50、40≦Y≦85、0≦Z≦10を満足する割合で共重合して得られる共重合体であることが必要である。Xの範囲が10未満又は50超の場合、或いはYの範囲が85超又は40未満の場合、得られる共重合体の親水性と電荷のバランスが悪くなり良好な分散性が発揮できない恐れがある。Zの範囲が10超の場合、分散性能がかえって低下してしまう場合がある。
なお、添加効果を高める上でZは1以上であることが好ましい。
重合反応の開始剤としては、ラジカルを発生するものであれば特に選ばれないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムといった過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキシドのような水溶性の過酸化物を用いることが好ましい。重合開始剤の量としては、モノマーの合計の質量100質量部に対して、0.5〜5質量部とすることが好ましい。
重合反応は、通常、反応物の濃度を10〜60質量%、反応温度を60〜100℃、反応時間を0.5〜20時間とする。
反応物の濃度を10質量%未満で反応を行う場合、反応効率が悪く、良好な重合ができない場合がある。一方、60質量%超で反応を行う場合、粘度が高くなったり、重合熱の除去が困難になったり、生成した重合体の一部の分子量が異常に高くなったりして、良好な重合ができない場合がある。
反応温度を60℃未満とすると、重合しないモノマーが残存する可能性が高くなり、安定した製品が得られない場合がある。反応温度を100℃超とすると、生成した重合体の物性が変化し、安定した製品が得られない場合がある。
重合反応時間を0.5時間未満とすると、重合しないモノマーが残存する可能性が高くなり、安定した製品が得られない場合がある。また、反応は全モノマーを仕込んだ後に、20時間以内に完結するので、これ以上の時間を費やすことは意味がない。
重合反応時の系中のpHとしては、単量体(II)として、塩型ではなくカルボン酸型のα,β−不飽和モノカルボン酸を使用した場合、カルボン酸の酸性により1.0〜2.5となる。このカルボン酸をアルカリで中和して望むpHに調整しても良いが、単量体(I)はエステル結合を有しているので、加水分解を抑制するためにpHを7以下に調節することが好ましい。pH調節用のアルカリとしては、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、アンモニア、有機アミン等が挙げられる。中でも、NaOHやCa(OH)を使用することが価格等産業的には有利である。
重合させるモノマーや重合開始剤の添加方法としては、反応開始時に一括して仕込んでおく方法や、数度に分割して添加する方法、反応中徐々に連続して添加する方法等が挙げられる。中でも、反応のコントロールを行う上では徐々に連続して添加する方法が好ましい。また、モノマーの反応性等を考慮して添加中にモノマーの構成比を変化させても良いし、ある種のモノマーのみを最初から仕込んでおき、その他のモノマーを徐々に連続して添加してもよい。得られる共重合物の平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定することが可能である。
(C)成分の分子量は、数平均分子量で表すと、通常、3,000〜100,000の範囲にするのが好ましい。(C)成分の数平均分子量が3,000未満であると、分散性能を示さない低分子量の重合体が多くなり過ぎ、良好な分散性能が得られない場合がある。また、100,000超であると、重合物が凝集性を示すようになり、やはり良好な分散性が得られない場合がある。加えて、溶液粘度が高くなり、産業上の使用が困難となる場合もある。
(C)成分の数平均分子量の測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により公知の方法にて測定できる。GPCの測定条件として特に限定されないが、例として以下の条件を挙げることができる。
測定装置:東ソー製
使用カラム:Shodex Column OH−pak SB−806HQ、SB−804HQ、SB−802.5HQ
溶離液:0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質:ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器:示差屈折計(東ソー製)
検量線:ポリエチレングリコール基準
溶液として得られる共重合体を粉体にするための手段として、乾燥手段が挙げられる。乾燥手段による性能変化が認められないので、乾燥手段は限定されない。粉体のポリカルボン酸系共重合体を得るための乾燥手段としては、噴霧乾燥法や薄膜乾燥が一般的である。また、ドラムドライヤー等の支持体上に薄膜を形成させ、薄膜の粘着性を低減した後、薄膜を粉体化する手法でもよい。
(A)成分と(B)成分の合計の固形分比率XABと、(C)成分の固形分比率Xの比率(XAB/X)は、セメント組成物のセメント水比に関わらず、40/60〜95/5の範囲であることが好ましく、67/33〜80/20の範囲であることがより好ましい(但し、XAB+X=100とする)。
AB/Xの比率でXが60%超であると、保水性安定効果が失われ、セメント組成物が強い見かけの粘性を発揮してしまう場合がある。
[1−4.(D)成分]
(D)成分は、エチルヒドロキシエチルセルロースを含む保水性安定剤である。エチルヒドロキシエチルセルロースは、アルカリセルロースとエチレンオキシド(EO)とを反応させることによって調製することができる。セルロース主鎖に十分な水溶性を持たせるためにセルロースのEOの無水グルコース単位に対するモル比は1.5より高い必要がある。
ヒドロキシエチレン置換基は、ポリマーの無水グルコースセグメントの中でほぼ均一にランダムに分布されており、置換の高度化や反応工程回数は限定されない。エチルヒドロキシエチルセルロースは、塗料、建設分野、紙塗工、油田媒体、エマルジョン、ラテックス成分等に用いられるが、本発明においては、薄膜保水性のために使用している。
本発明では、フレッシュ状態のアルカリ環境下でのセメント組成物中で、時々刻々と薄膜保水成分が溶出する必要がある。そのため、エチルヒドロキシエチルセルロースの粒子径は550μm以下が好ましく、400μm以下がより好ましい。
また、増粘性は、フレッシュ状態に悪影響を及ぼすため、あくまでもセメント組成物中に薄膜形状で保水し、セメント粒子間及びフロックを形成したセメント粒子のクラスター間に存在した上で、これらの粒子及びクラスターのせん断抵抗に影響を及ぼさないためには、粒子径550μm以下で、含水率が4%以下、20℃、1質量%水溶液での粘度が4,000〜6,000mPa・sであるエチルヒドロキシエチルセルロース粉体を用いることが好ましい。
(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計の固形分比率XABCと、(D)成分の固形分比率Xの比率(XABC/X)は、33/67〜97/3の範囲であることが好ましい(但し、XABC+X=100とする)。
ABC/Xの比率でXが67%超であると、必要以上の分散性を発揮してしまい、分離等に悪影響を及ぼす恐れがある。
(A)成分の質量比率Yと、(B)成分と(C)成分と(D)成分の合計の質量比率YBCDの比率(Y/YBCD)は、0.15倍以上が好ましく、0.5倍以上がさらに好ましく、0.7倍以上がより好ましい。
本発明の低チキソトロピー性助剤の調製方法は特に限定されない。
[2.可溶性袋状物]
本発明の可溶性袋状物は、上記の低チキソトロピー性助剤を内封したものである。本発明の可溶性袋状物は、セメント組成物中に添加されると、時々刻々と低チキソトロピー性助剤の有効成分が溶出する。(A)成分は、適度な保水性と状態改良効果を発揮する。液相中に溶出した成分は、セメント粒子間の接触抵抗を抑制するばかりではなく、セメント粒子のフロック形成を遅延させる。また、僅かなセメント分散作用を発揮する。(B)成分は、セメントの水和反応を抑制し、見かけのセメント水和半径の増加を抑制する。(C)成分は、溶解した成分がセメントに吸着し、分散させる。(D)成分は、セメント組成物内の水分を強く保持した上で、セメント粒子の近接を抑制する。
上記の効果は複合的に作用し、例えば、コンクリートであれば、精緻状態で保管されてこわばりが生じたコンクリートを動かす際の力を低減し、ハンドリングの優れたコンクリートの製造が可能となる。また、ポンプ圧送性の改善やコンシステンシーの経時安定性の改善、打設時の施工性の向上、セルフレベリング性の向上が図れ、結果としてワーカビリティーに優れたコンクリートを施工することで耐久性に優れたコンクリート構造物が製造できる。
可溶性袋状物の包装材料は、アルカリ性物質により解砕される繊維状包装材料であることが好ましく、アルカリ水解紙がより好ましく、セルロース繊維を主成分とする可溶性の袋状物、即ち可溶性紙袋がさらに好ましい。セメント材料中にはアルカリ性物質が存在しているので、この包装材料で本発明の低チキソトロピー性助剤を包装すれば、包装した状態でセメント材料中に投入することが可能となり、この結果、計量容器や軽量ポンプ等を用いる必要がなくなる。また、包装した状態でセメント材料中に投入すると速やかに溶解して、低チキソトロピー性助剤の各成分が速やかに分散し、かつ空気の巻き込みの影響を小さくすることができる。
可溶性袋状物の包装材料は、製紙用パルプ繊維とアルカリ水溶性繊維状バインダーを混妙して得ることができる。製紙用パルプ繊維としては、針葉樹材や広葉樹材を原料にした木材パルプ、ケミグランドパルプ、化学パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ等が挙げられる。アルカリ水溶性繊維状バインダーとしては、酸型のカルボキシメチルセルロース(カルボキシル基置換度:DS=0.2〜1.5)が挙げられる。また、混妙の割合は、質量比で、製紙用パルプ繊維/アルカリ水溶性繊維状バインダー=50/50〜95/5の範囲である。この可溶性袋状物の坪量は、セメント材料中での解砕時間及び持ち運び等の強度から20〜70g/m程度が望ましい。
また、この包装材料の形態としては、袋状が好ましく、この袋に低チキソトロピー性助剤、必要に応じて他の成分を充填する。このような袋状の包装材料を作製するには、まずシート状の包装材料を作製し、接着剤や縫合等により袋状に加工する。また、ヒートシールにより袋製する場合は、シート状の包装材料に、ヒートシール性の高分子を塗布、含浸、積層又はラミネートすることが好ましい。ヒートシール性高分子としては、例えば、ポリ酢酸ビニル等の従来公知のものがあげられる。ヒートシールによる袋製によれば、工業的生産に有利となる。
なお、包装材料が袋状形態である場合、本発明の低チキソトロピー性助剤は(A)〜(B)成分、さらに(C)及び/又は(D)成分を含む場合には、これらが全て同一の包装材料からなる一つの袋状物として内包され使用されても良い。また、(A)〜(B)成分を同一の包装材料からなる袋状物に内包し、(C)及び/又は(D)成分は別の包装材料からなる袋状物に(同一に又は各個に)内包し、セメント組成物添加時にこれら複数の袋状物を添加して用いる実施態様でも良い。
可溶性袋状物は、低チキソトロピー性助剤を内封した際の容重が、0.5〜1.0kg/Lであることが好ましい。容重が0.5〜1.0kg/Lの範囲内であれば、袋状物(D)内の低チキソトロピー性助剤が、コンクリート中へ速やかに均一分散されるので、本発明の効果を得るに好ましい。
コンクリートアジテータ車のドラム内にてベースコンクリートと混合することを想定した場合、容重が0.5kg/L未満であると、可溶性袋状物内に内包された空気により、ベースコンクリート表面に可溶性袋状物が浮いてしまい、低チキソトロピー性助剤の均一分散に時間がかかる場合があるため、好ましくない。
また、容重が1.0kg/L越であると、可溶性袋状物内の空隙が過少であり、ベースコンクリート中の水分が袋内に浸透するのに時間がかかる場合がある。そのため、低チキソトロピー性助剤の均一分散に時間がかかるので、好ましくない。
[3.セメント組成物]
本発明のセメント組成物は、セメント材料、及び上記の低チキソトロピー性助剤又は上記の可溶性袋状物、を含有し、セメント材料と、助剤又は袋状物の質量比(セメント材料/助剤又は袋状物)が、99.5/0.5〜99.999/0.001である。
本発明のセメント組成物は、静的状態で保管されたセメント組成物の粒子間の近接を防ぎ、保管されたセメント組成物が動き出す刹那の変形抵抗力を低減する作用を有する低チキソトロピー性助剤又はそれを内封した可溶性袋状物を含有する。モルタル試料を用いて、上記現象を性能調査する方法がある。本発明のセメント組成物は、モルタルの練上り直後から静的な状態でスピンドル(羽系)を貫入したまま保持された試料を使用した回転粘度計による粘度測定で、注水後15分の回転開始時の最大粘度が低チキソトロピー性助剤又はそれを内封した可溶性袋状物が無添加のセメント組成物に比べて85%以下、注水後30分の粘度が低チキソトロピー性助剤又はそれを内封した可溶性袋状物が無添加のセメント組成物に比べて80%以下となる性能であることが好ましい。
低チキソトロピー性助剤を含有することで、セメント組成物中の水分を保持しつつ、低チキソトロピー性を発現する。水分は、外力が生じた際に、移動が容易な水分がセメント組成物からかい離する傾向がある。そのため、外力が生じても強く水分を保持する必要がある。この現象を性能調査する方法として、JSCE−F 502「土木学会:加圧ブリーディング試験方法」における加圧ブリーディング量が適している。本発明のセメント組成物は、低チキソトロピー性助剤又はそれを内封した可溶性袋状物が無添加のセメント組成物に対して、加圧時間180sec以下の加圧ブリーディング量が60%以下となることが好ましい。
セメント組成物におけるセメントは、水硬性セメントであれば特に限定されない。セメントとしては、例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、ポルトランドセメントの低アルカリ形、高炉セメント(A種、B種、C種)、シリカセメント(A種、B種、C種)、フライアッシュセメント(A種、B種、C種)、エコセメント(普通、速硬)、シリカヒュームセメント、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、超速硬セメント、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメント、セメント系固化材が挙げられる。また、セメント組成物中に含まれ得る粉体としては、シリカヒューム、フライアッシュ、石炭石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張材、その他の鉱物質微粉末等が例示される。即ち、珪酸カルシウム生成物を生成する水和物全般及びセメント換算で強度寄与率が適用される粉体全てが適用される。
骨材は、粒径によって細骨材と粗骨材に分類される。細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。セメント組成物に使用できる水は特に限定されず、例えば、上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水等)、回収水が挙げられる。
セメント材料と、助剤又は袋状物の質量比(セメント材料/助剤又は袋状物)は、99.5/0.5〜99.999/0.001であり、99.9/0.01〜99.984/0.016であることが好ましく、99.6/0.04〜99.91/0.09であることがより好ましい。
本発明のセメント組成物は、低チキソトロピー性助剤又はそれを内封した可溶性袋状物の他に、必要に応じて他の混和剤を含有してもよい。他の混和剤は、低チキソトロピー性助剤と混合してセメント組成物に配合してもよく、低チキソトロピー性助剤とともに他の混和剤を可溶性袋状物に内封してセメント組成物に配合してもよく、別々に配合しても良い。但し、本発明のセメント組成物の効果を損なわないものを用いることが必要である。
他の混和剤として、例えば空気連行剤(空気連行成分)、消泡剤(消泡成分、制泡成分)、減水剤(標準形、遅延形、促進形)、高性能AE減水剤(標準形、遅延形)、高性能減水剤、硬化促進剤、流動化剤(標準形、遅延形)、(高性能)AE減水剤収縮低減タイプ、高性能減水剤収縮低減タイプ、凝結遅延剤、促進剤、急結剤、起泡剤、防錆剤、耐寒促進剤、付着モルタル安定剤、黒ずみ抑制剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、セルフレベリング剤、防黴剤等が挙げられる。上記他の混和剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
セメント組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法等について特に制限はなく、通常の方法を採用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。また、「部」は別途記載がない限り、質量部を示す。
(製造例1:(A)成分)
水溶液状態のポリエチレングリコール(重量平均分子量20,000)を回転する冷却盤にゆっくりと薄く広げ、5mm以下の厚さで固体になったものを箆でこそぎ落とし、10mmの網ふるいを通過させ各辺を10mm以下に調整し、(A)成分を準備した。なお、これ以外のサイズに成形されたものは除外した。
(製造例2:(B)成分)
市販のグルコン酸ナトリウム(固形分20質量%、林工業社製)を回転する冷却盤にゆっくりと薄く広げ、5mm以下の厚さで固体になったものを箆でこそぎ落とし、10mmの網ふるいを通過させ各辺を10mm以下に調整し、(B)成分を準備した。なお、これ以外のサイズに成形されたものは除外した。
(実施例1)
製造例1で製造した(A)成分を98部、製造例2で製造した(B)成分を2部混合して低チキソトロピー性助剤を製造した。
(実施例2〜11、比較例2〜8)
表1に示す配合処方に変更した以外は、実施例1と同様にして低チキソトロピー性助剤又は組成物を製造した。なお、表1中、(C)成分と(D)成分の詳細を下記に記す。
(製造例3:(C)成分)
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に水733部を仕込み、攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。その後、アクリル酸45部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)95部、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの3及び3’位をアリル置換した化合物2部、水65部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム3部及び水87部の混合液とを、各々2時間で、80℃に保持した反応容器に連続滴下した。さらに、温度を100℃に保持した状態で1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。この液を30%NaOH水溶液でpH7に調整し、共重合体(C)(重量平均分子量29,500、Mw/Mn2.1)を得た。得られた共重合体(C)を回転する冷却盤にゆっくりと薄く広げ、5mm以下の厚さで固体になったものを箆でこそぎ落とし、10mmの網ふるいを通過させ各辺を10mm以下に調整し、(C)成分を準備した。なお、これ以外のサイズに成形されたものは除外した。
(製造例4:(D)成分)
市販のエチルヒドロキシエチルセルロース(ハイケム社製、濃度1質量%水溶液の粘度4000〜6000mPa・s)を、乾燥器で80℃5時間処理し含水量を4%以下に調整した。その後、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製、AP−S型)を用いて機械的に粉砕し、目開き400μmの網ふるいを通過させ、最大粒子径400μm以下の保水性安定剤を得た。
Figure 0006960747
表1に組成を示した低チキソトロピー性助剤、組成物又は無添加(比較例1)を用いて、モルタル試験、コンクリート試験を実施した。試験に用いたモルタルとコンクリートは、下記のようにして製造した。なお、スランプ試験はJIS A 1101:2014に準じて測定した。
(モルタル製造)
モルタルの配合処方を表2に示す。
Figure 0006960747
表2の略称を下記に示す。
C:普通ポルトランドセメント3種等量混合(密度=3.16g/cm
S:細骨材(掛川産山砂(表乾密度=2.58g/cm、吸水率=1.90%,F.M.=2.78))
W:上水道水
製造方法は、強制練りモルタルミキサーを使用し、細骨材とセメントを10秒間空練りし、混和剤と上水道水を注水後に低速で60秒撹拌、匙で書き落としを行った後、90秒高速で撹拌した。実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤又は比較例2〜8の組成物は、練上り後にモルタルに万遍なく振り掛け、低速で60秒撹拌し、これを試験に用いる試料とした。
なお、実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤又は比較例2〜8の組成物はセメント質量に対して、0.07質量%又は0.14質量%添加した。
混和剤としては、AE減水剤標準形I種として「フローリックSV」と、空気量調整に消泡剤として「フローリックDF−325」を用いた。フローリックSVは、ミニスランプコーン(JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠したミニスランプコーン(上端内径 50mm、下端内径100mm、高さ150mm))でのスランプ値が9.0±1.0cmになるように調整するために、セメント質量に対して0.5〜1.0質量%添加した。また、フローリックDF−325は、空気量を2.0%以下にするために、セメント質量に対し0.001質量%添加した。
このようにして製造したモルタルを用いて、回転粘度計による計測を行った。測定結果を下記表3に示す。
Figure 0006960747
比較例4及び5の組成物では、フローリックSVを上限値であるセメント質量に対して1.0質量%添加した場合、規定したミニスランプ値の上限を超える結果となった。添加することで著しくセメントを分散するため、著しい減水性能を発揮せずに低チキソトロピー性のみを付与する発明品としての効果が認められなかった。実際、コンクリートのようなセメント組成物に添加した場合、その分散性により所定のコンシステンシーを得られないばかりか、分離を起こす危険性もある。
比較例6及び7の組成物は、注水15分後で比較例1の無添加の系より粘度比は低下しているものの、低チキソトロピー性としての性能は不足しており、比較例1の無添加の系に対して85%以上の粘度比となる。また、比較例2〜5及び8の組成物に関しては,注水30分後で80%以上の粘度比となる。時間が経過しても粘度が増加しないことが本発明品の効能であることを考えれば、全て低チキソトロピー性助剤としての性能を満足しないこととなる。実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤は全て、注水15分後で粘度比85%以下、注水30分後で80%以下の性能が確認されて望ましいものであった。
(コンクリート製造)
コンクリートの配合処方を表4に示す。
Figure 0006960747
表4の略称を下記に示す。
C:普通ポルトランドセメント3種等量混合(密度=3.16g/cm
S:細骨材(掛川産山砂(表乾密度=2.58g/cm、吸水率=1.90%、F.M.=2.78))
G:粗骨材(青梅産硬質砂岩砕石(表乾密度=2.65g/cm、吸水率=1.05%、実積率=59.5%))
W:上水道水
s/a:細骨材率(%)
製造方法は、強制二軸練りミキサーを使用し、粗骨材とセメントと細骨材を30秒撹拌し、次いで水及び化学混和剤を添加し、90秒間混練した後、ミキサーより排出した。実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤又は比較例2〜8の組成物を添加する試験系では、練上り後のコンクリートに万遍なく振り掛け、60秒撹拌し、ミキサーより排出した。
なお、実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤又は比較例2〜8の組成物はセメント質量に対して、0.07質量%又は0.14質量%添加した。
化学混和剤としては、高性能AE減水剤標準形I種として「フローリックSF500S」(フローリック社製)と、空気連行剤として「AE−4」(主成分ロジン酸カリウム塩型界面活性剤:フローリック社製)と、消泡剤として「フローリックDF−325」(主成分ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル:フローリック社製)を用いた。化学混和剤の添加量は、セメント組成物の目標スランプ値を18〜23cm、目標空気量を4.0〜5.5%に設定する量とした。
このようにして製造したコンクリートを用いて、表5に示す試験方法に準じてフレッシュコンクリート試験(凝結試験)、加圧ブリーディング試験を行った。なお、加圧ブリーディング試験は、注水30分後、60分後で実施した。凝結時間は貫入抵抗値3.5N/mmの始発時間で評価した。加圧ブリーディング試験の試験結果を下記表6、表7に示し、凝結試験の試験結果を下記表8に示す。
Figure 0006960747
Figure 0006960747
表6に注水時間30分後の加圧ブリーディング量の比の結果を示す。比較例3〜5及び8の組成物を用いた場合、加圧時間30sec.、90sec.、180sec.のいずれかの時間で、比較例1の無添加の系の加圧ブリーディング量の比が60%を超える結果となった。実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤は、加圧時間30sec.、90sec.、180sec.の全ての時間で、比較例1の無添加の系の加圧ブリーディング量の比が60%以下の結果となった。
Figure 0006960747
表7に注水時間60分後の加圧ブリーディング量の比の結果を示す。比較例4〜5及び8の組成物を用いた場合、加圧時間30sec.、90sec.、180sec.のいずれかの時間で、比較例1の無添加の系の加圧ブリーディング量の比が60%を超える結果となった。実施例1〜11の低チキソトロピー性助剤は、加圧時間30sec.、90sec.、180sec.の全ての時間で、比較例1の無添加の系の加圧ブリーディング量の比が60%以下の結果となった。
Figure 0006960747
比較例3及び8の組成物を用いた場合、著しく凝結が遅延する結果となった。実使用において問題といえる遅延性が確認された。
上記の試験結果を踏まえて、本発明の低チキソトロピー性助剤は、コンシステンシーを変化させず、時間に伴う粘度の増加を抑制し、かつ静的状態のセメント組成物を動かす際の力を低減することは回転粘度計の結果から明らかである。更に、加圧ブリーディング量も著しく低減する。これらの効果により、本発明の低チキソトロピー性助剤は、セメント粒子の近接、凝集を抑制し、無撹拌状態のセメント組成物の変形性を確保するため、施工性に優れたセメント組成物の製造を可能にすることが判明した。

Claims (8)

  1. (A)成分:重量平均分子量が10,000〜30,000であるポリアルキレングリコールと、
    (B)成分:オキシカルボン酸系化合物と、を少なくとも含み、
    下記条件(1−1)及び(2)を満たすセメント組成物の低チキソトロピー性助剤。
    条件(1−1):A)成分/(B)成分=98/2〜50/50の範囲であること(但し、(A)成分+(B)成分=100とする)。
    条件(2):最大粒径が10mm以下の粉体であること。
  2. (A)成分:重量平均分子量が10,000〜30,000であるポリアルキレングリコールと、
    (B)成分:オキシカルボン酸系化合物と、
    (C)成分:下記一般式(1)で表される単量体(I)40〜85質量%、不飽和カルボン酸系単量体(II)10〜50質量%、並びに前記単量体(I)及び/又は(II)と共重合可能な単量体(III)0〜10質量%(但し、単量体(I)+単量体(II)+単量体(III)=100質量%とする)の共重合体であるポリカルボン酸系共重合体又はその塩と
    を少なくとも含み、
    下記条件(1−2)及び(2)を満たすセメント組成物の低チキソトロピー性助剤。
    条件(1−2):(A)成分/(B)成分=98/2〜10/90(但し、(A)成分+(B)成分=100とする)の範囲であること。
    条件(2):最大粒径が10mm以下の粉体であること。
    Figure 0006960747
    (前記一般(1)式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。mは、0〜2の整数を表す。AOは、同一又は異なっていてもよい、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1〜80の整数を表す。Xは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
  3. 下記条件(3)を満たす請求項2に記載の低チキソトロピー性助剤。
    条件(3):前記(A)成分と前記(B)成分の合計の固形分比率XABと、前記(C)成分の固形分比率Xが、XAB/X=40/60〜95/5(但し、XAB+X=100とする)の範囲であること。
  4. (D)成分:エチルヒドロキシエチルセルロースを含む保水性安定剤と、をさらに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の低チキソトロピー性助剤。
  5. 下記条件(4)を満たす請求項4に記載の低チキソトロピー性助剤。
    条件(4):前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分の合計の固形分比率XABCと、前記(D)成分の固形分比率Xが、XABC/X=33/67〜97/3(但し、XABC+X=100とする)の範囲であること。
  6. 下記条件(5)を満たす請求項4に記載の低チキソトロピー性助剤。
    条件(5):前記(A)成分の質量比率Yと、前記(B)成分と前記(C)成分と前記(D)成分の合計の質量比率YBCDが、Y/YBCD≧0.15を満たすこと。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の低チキソトロピー性助剤を内封した可溶性袋状物。
  8. セメント材料、及び請求項1〜6のいずれか1項に記載の低チキソトロピー性助剤又は請求項7に記載の可溶性袋状物、を含有し、
    前記セメント材料と、前記助剤又は前記袋状物の質量比(セメント材料/助剤又は袋状物)が、99.5/0.5〜99.999/0.001であるセメント組成物。
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