JP6960298B2 - エアゾール用ノズル、及びエアゾール製品 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の噴射孔が設けられたエアゾール用ノズル、及び当該ノズルを有するエアゾール製品に関する。
一般に、エアゾール製品は、エアゾール容器、アクチュエーター、及びノズル等を備え、アクチュエーターが押し下げられることでエアゾール容器のバルブが開き、薬液と噴射剤とを含むエアゾール容器の内容物(以下、単に「内容物」と称する。)をノズルから噴射する。このようなエアゾール製品は、殺虫成分、防虫成分、消臭成分等の有効成分を含む薬液を簡易な操作で散布するための製品として広く利用されている。中でも、内容物中の噴射剤の割合を高めたエアゾール製品は、高い噴射力により薬液が遠方まで到達するため、離れた位置の害虫に薬液を直撃させる用途等に利用されることが多い。
例えば、噴射剤の気化熱を利用して冷却した薬液を対象の害虫に到達させることで、低温により害虫の行動を抑制するエアゾール製品が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2017−100782号公報
ところが、引用文献1のエアゾール製品では、噴霧対象となる害虫が離れた位置に存在する場合、ノズルから噴射された薬液が害虫に到達するまでに温度上昇し、行動を抑制できる程度に害虫を十分に冷却できないことがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、噴射直後の低温状態を維持したまま、ノズルから離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができるエアゾール用ノズル、及び当該ノズルを有するエアゾール製品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るエアゾール用ノズルの特徴構成は、
同じ直径の複数の噴射孔が設けられた端面を有するエアゾール用ノズルであって、
前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1つの第1噴射孔と、当該第1噴射孔を中心とした仮想円周上に等間隔に設けられた3つ以上の第2噴射孔とを含み、
前記噴射孔の直径(a)と、隣り合う2つの前記第2噴射孔の離間距離(b)との比(a/b)が0.5〜1.2に構成されていることにある。
本構成のエアゾール用ノズルによれば、端面の中央に設けられた1つの第1噴射孔と、第1噴射孔を中心とした仮想円周上に等間隔に設けられた3つ以上の第2噴射孔を備え、噴射孔の直径(a)と隣り合う2つの第2噴射孔の離間距離(b)との比(a/b)が上記の適切な値になるよう構成することで、噴射直後の低温状態を維持したまま、ノズルから離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができる。
本発明に係るエアゾール用ノズルにおいて、前記複数の噴射孔の開口面積の総和が、5.0mm以下であることが好ましい。
噴射力を高める目的や、噴射剤の気化熱を利用して薬液を冷却する目的で、エアゾール容器に充填する噴射剤の割合を高めたエアゾール製品では、噴射剤として可燃性ガスを使用する場合、逆火現象が発生し易くなる。本構成のエアゾール用ノズルによれば、端面に設けた噴射孔の開口面積の総和が上記の適切な値になるよう構成することで、逆火現象の発生を抑制することができる。
本発明に係るエアゾール用ノズルにおいて、前記噴射孔の直径(a)と、前記第1噴射孔及び前記第2噴射孔の離間距離(c)との比(a/c)が、0.2〜1.5に構成されていることが好ましい。
本構成のエアゾール用ノズルによれば、噴射孔の直径(a)と、第1噴射孔及び第2噴射孔の離間距離(c)との比(a/c)が上記の適切な値になるよう構成することで、ノズルから噴射された直後の薬液の低温状態をより維持することが可能となり、噴射直後の状態からの変化を抑えて、ノズルからさらに離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができる。
本発明に係るエアゾール用ノズルにおいて、前記第2噴射孔が9つ設けられていることが好ましい。
本構成のエアゾール用ノズルによれば、第2噴射孔が9つ設けられていることで、噴射直後の低温状態を維持したままノズルから離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができ、且つ逆火現象の発生を抑制することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るエアゾール製品の特徴構成は、上記の何れか一つに記載のエアゾール用ノズルを有することにある。
本構成のエアゾール製品によれば、本発明のエアゾール用ノズルを有するため、噴射直後の低温状態を維持したまま、ノズルから離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るエアゾール用ノズルを有するエアゾール製品の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係るエアゾール用ノズルの端面における噴射孔の配置の説明図である。
以下、本発明について、図1、及び図2を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔エアゾール用ノズル/エアゾール製品〕
本発明のエアゾール用ノズル(以下、単に「ノズル」と称する場合がある。)は、エアゾール剤を噴射する噴射部材に設けることができ、当該噴射部材をエアゾール容器に取り付けることで本発明のエアゾール製品が構成される。ノズルの端面には、複数の噴射孔が設けられている。
図1は、本発明の実施形態に係るエアゾール用ノズル10を有するエアゾール製品100の斜視図である。エアゾール製品100は、図1に示すように、エアゾール容器1に噴射部材2を取り付けたものとして構成される。本実施形態では、エアゾール製品100として、ゴキブリ駆除用エアゾールを例に挙げて説明する。
エアゾール容器1は、非操作時に閉状態を維持するバルブ(不図示)とステム(不図示)とを備え、内部にエアゾール剤が充填されている。エアゾール剤は、殺虫成分を有機溶剤に溶解させた薬液と、噴射剤とを含有する。
殺虫成分は、ピレスロイド系殺虫成分であることが好ましい。ピレスロイド系殺虫成分を例示すると、モンフルオロトリン、レスメトリン、フタルスリン、シフルトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、デルタメトリン、シラフルオフェン、エトフェンプロックス、イミプロトリン、シペルメトリン、エムペントリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、テラレスリン、アレスリン、プラレトリン、ピレトリン、及びイミプロトリン等が挙げられる。特に、エアゾール製品100がゴキブリを駆除対象とする場合においては、イミプロトリンを殺虫有効成分として含有させることが好ましい。なお、ピレスロイド系殺虫成分には、酸部分やアルコール部分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体を有するものが存在するが、その場合、異性体のうちの一種のみからなる単独物、又は任意の比率の異性体混合物の何れであっても使用可能である。
薬液の粘度は、エアゾール剤を噴射したときの噴霧粒子の形成に影響するため、薬液は有機溶剤で適切な粘度に調整したものが使用される。有機溶剤を例示すると、ミリスチン酸イソプロピル、ノルマルパラフィン、及びイソパラフィン等の炭化水素系溶剤、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、ケトン系溶剤、及びエステル系溶剤等が挙げられる。上掲の有機溶剤は、単独での使用に限定されず、二種以上を組み合わせて使用しても構わない。
噴射剤は、薬液を粒子状にして勢いよく噴射させるとともに、噴射時の気化熱によって薬液の温度を、例えば、0℃以下に低下させるために、加圧下で液体であり且つ常温常圧で気体となるものが使用される。また、噴射剤には、エアゾール容器1内において、殺虫成分を変質させない安定性が求められる。そのような噴射剤を例示すると、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、及び圧縮空気等が挙げられる。これらのうち、容易に入手可能であり、且つ取扱い易いDME、LPGが好ましく使用される。なお、上掲の噴射剤は、単独での使用に限定されず、二種以上を組み合わせて使用しても構わない。
エアゾール容器1に充填される薬液と噴射剤との容量比率は、0.5/99.5〜20/80に調整されることが好ましい。上記容量比率が0.5/99.5〜20/80であれば、噴射時に噴射剤の気化熱によって薬液が十分に冷却されるため、ゴキブリ類が活発に活動する夏季の使用であっても、冷却された薬液をゴキブリ類に到達させることで行動を抑制することができる。
噴射部材2は、ノズル10、ベース部材20、及びトリガー部材30を備える。
ノズル10は、内部に連通路を有する中空部材であって、その一端部がエアゾール容器1のステムに連結されることで、アクチュエーターとして機能する。ノズル10の他方の端部は噴射対象物に対向する端面11となっており、当該端面11には複数の噴射孔12が形成されている。
ベース部材20は、エアゾール容器1のマウント部(不図示)に係合し、エアゾール容器1と噴射部材2とを連結する。
トリガーレバー30は、ベース部材11に回動自在に取り付けられ、使用者の操作により回動してノズル10を押し下げることで、エアゾール容器1のバルブを開状態にすることができる。エアゾール容器1のバルブが開状態になると、エアゾール容器1の内容物(エアゾール剤)がステムからノズル10の連通路に流入し、噴射孔12から噴射される。このとき、エアゾール剤に含まれる噴射剤が減圧されて気化することで、薬液の温度が低下する。
〔噴射孔〕
本実施形態に係るエアゾール用ノズル10は、端面11における噴射孔12の開口直径、及び配置を工夫することで、噴射孔12から噴射された直後の低温状態を維持したまま薬液を遠方まで到達させる低温維持機能を実現している。また、それと同時に、逆火現象の発生を抑制する逆火抑制機能を実現している。逆火現象とは、噴射剤としてDME等の可燃性ガスを使用するエアゾール製品において噴射したガスに引火した場合に、噴射速度よりも燃焼速度が速くなること等により、炎が引火位置よりエアゾール製品100側に遡上する現象である。
図2は、本発明の実施形態に係るエアゾール用ノズル10の端面11における噴射孔12の配置の説明図である。図2は、正面側から見たノズル10の端面11を示している。噴射孔12は、第1噴射孔12a及び第2噴射孔12bを含む。端面11の中央には、1つの第1噴射孔12aが設けられている。第1噴射孔12aを中心とした仮想円VCの周上には、複数の第2噴射孔12bが等間隔に設けられている。第2噴射孔12bの数は、3つ以上であればよいが、6つ以上であることが好ましく、9つであることがより好ましい。第1噴射孔12a及び第2噴射孔12bは、端面11に開口する直径(a)が、何れも等しく形成されている。
本実施形態に係るエアゾール用ノズル10では、端面11における噴射孔12の配置を、直径(a)と、隣り合う2つの第2噴射孔12bの離間距離(b)との比(a/b)を用いて規定する。ここで、離間距離(b)は、隣り合う2つの第2噴射孔12bを結ぶ最短距離であり、隣り合う2つの第2噴射孔12bの中心間の距離から直径(a)を引いた値に相当する。
直径(a)は、0.3〜1.0mmであることが好ましく、0.4〜0.7mmであることがより好ましい。直径(a)が0.3〜1.0mmであれば、噴射孔から噴射された噴射剤が適切に減圧されて気化するため、噴射直後の薬液を十分に冷却することができる。直径(a)が0.3mmより小さいと、薬液の噴射粒子が小さくなるため、温度が変化し易くなる虞がある。直径(a)が1.0mmを超えると、薬液の粒子が大きくなるため、噴射速度が遅くなり逆火現象が発生する虞がある。また、端面11における噴射孔12の開口面積の総和は、5.0mm以下であることが好ましく、3.12mm以下であることがより好ましい。開口面積の総和が5.0mmを超えると、逆火現象が発生する虞がある。
離間距離(b)は、0.3〜2.0mmであることが好ましく、0.4〜0.7mmであることがより好ましい。直径(a)と離間距離(b)との比(a/b)は、0.5〜1.2に構成され、好ましくは0.8〜1.2に構成される。比(a/b)が0.5〜1.2であれば、噴射孔12から噴射された直後の低温状態を維持したまま、薬液を遠方まで到達させることができるとともに、逆火現象を抑制することができる。
端面11における噴射孔12の配置はさらに、直径(a)と、第1噴射孔12aと第2噴射孔12bとの離間距離(c)を用いて規定することが好ましい。ここで、離間距離(c)は、第1噴射孔12aと第2噴射孔12bとを結ぶ最短距離であり、第1噴射孔12aと第2噴射孔12bとの中心間の距離である仮想円VCの半径から直径(a)を引いた値に相当する。離間距離(c)は、0.3〜1.4mmであることが好ましく、0.8〜1.2mmであることがより好ましい。直径(a)と、離間距離(c)との比(a/c)は、0.2〜1.5であることが好ましく、0.4〜0.6であることがより好ましい。比(a/c)が0.2〜1.5であれば、噴射孔12から噴射された直後の低温状態を維持したまま、薬液をより遠方まで到達させることができる。
本発明のエアゾール用ノズル、及びエアゾール製品の低温維持機能、及び逆火抑制機能を確認するため、ノズルの端面における噴射孔の数、直径、及び配置を種々変更して、本発明の特徴構成を備えたエアゾール製品(実施例1〜11)を作製した。また、比較のため、本発明の特徴構成とは異なる配置でノズルの端面に噴射孔を設けたエアゾール製品(比較例1〜6)を作製した。実施例1〜11、及び比較例1〜6の各エアゾール製品を、後述の冷却試験、及び逆火現象確認試験に供した。
実施例1〜11、及び比較例1〜6の各エアゾール製品のノズルの端面における噴射孔の数、直径、及び配置を表1に示す。表1において「孔配置」は、ノズルの端面における第1噴射孔及び第2噴射孔の数を多項式により示しており、多項式の第1項が第1噴射孔の数、第2項が第2噴射孔の数である。
(実施例1)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b)、離間距離(c))で、ノズルの端面中央に1つの第1噴射孔を形成し、第1噴射孔を中心とする仮想円周上に等間隔に3つの第2噴射孔を形成した。イミプロトリン(0.833w/v%)、ミリスチン酸イソプロピル(5.0w/v%、)、及びノルマルパラフィンを残分(バランス)混合して薬液を調製した。薬液と、噴射剤となるジメチルエーテル(DME)とを、容量比で1:9の割合でエアゾール容器に充填し、エアゾール容器に噴射部材を取り付けて実施例1のエアゾール製品を作製した。
(実施例2)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b)、離間距離(c))で、ノズルの端面中央に1つの第1噴射孔を形成し、第1噴射孔を中心とする仮想円周上に等間隔に5つの第2噴射孔を形成した。その他は実施例1に準じて実施例2のエアゾール製品を作製した。
(実施例3〜5)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b)、離間距離(c))で、ノズルの端面中央に1つの第1噴射孔を形成し、第1噴射孔を中心とする仮想円周上に等間隔に6つの第2噴射孔を形成した。その他は実施例1に準じて実施例3〜5のエアゾール製品を作製した。
(実施例6〜11)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b)、離間距離(c))で、ノズルの端面中央に1つの第1噴射孔を形成し、第1噴射孔を中心とする仮想円周上に等間隔に9つの第2噴射孔を形成した。その他は実施例1に準じて実施例6〜11のエアゾール製品を作製した。
(比較例1)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)で、ノズルの端面中央に1つの第1噴射孔を形成した。第2噴射孔は形成しなかった。その他は実施例1に準じて比較例1のエアゾール製品を作製した。
(比較例2、3)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b))で、ノズルの端面の仮想円周上に等間隔に3つの第2噴射孔を形成した。第1噴射孔は形成しなかった。その他は実施例1に準じて比較例2、3のエアゾール製品を作製した。
(比較例4)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b))で、ノズルの端面の仮想円周上に等間隔に4つの第2噴射孔を形成した。第1噴射孔は形成しなかった。その他は実施例1に準じて比較例4のエアゾール製品を作製した。
(比較例5、6)
噴射部材において、表1に示す噴射孔の直径(a)、及び配置(離間距離(b))で、ノズルの端面の仮想円周上に等間隔に7つの第2噴射孔を形成した。第1噴射孔は形成しなかった。その他は実施例1に準じて比較例5、6のエアゾール製品を作製した。
Figure 0006960298
〔冷却試験〕
25℃の環境においてエアゾール製品を熱電対へ向けて2秒間連続して噴射し、熱電対により測定された噴射前の温度と2秒間噴射した後の温度との差から、降下温度を求めた。測定は、噴射孔から40cmの距離、及び60cmの距離で実施した。冷却試験の結果を表2に示す。
〔逆火現象確認試験〕
エアゾール製品を25℃に調整した恒温水槽中に1時間浸漬し、このエアゾール製品を長さ約5cmの火炎に対して離間距離が15cmとなるように配置し、ノズルの噴射孔から噴射した噴射物が火炎の上部約1/3を通過するように噴射したとき、火炎がエアゾール製品側に遡上する逆火現象の有無を評価した。逆火現象が発生した場合には、逆火の長さを目視により測定した。逆火現象確認試験の結果を表2に示す。
Figure 0006960298
ゴキブリ類の活動を停止させるためには、−10℃付近まで温度を低下させる必要がある。従って、ゴキブリ類が活発に活動する夏季の使用では、噴射物の直撃による降下温度が35℃以上であれば、ゴキブリ類の行動を略抑制することができる。冷却試験の結果、直径(a)と離間距離(b)との比(a/b)を、本発明の範囲である0.5〜1.2の範囲に含まれるように構成した実施例1〜11のエアゾール製品は、噴射孔から40cmの距離で降下温度が35℃以上であり、十分な冷却効果が認められた。実施例1〜11のエアゾール製品は、噴射直後の低温状態を維持したまま、ノズルから離れた位置の対象物まで薬液を到達させることができるものであった。さらに、実施形態5〜8、11のエアゾール製品は、噴射孔から60cmの距離でも降下温度が35℃以上であり、優れた冷却効果が認められた。このように、実施例1〜11のエアゾール製品は、ゴキブリ類を駆除するために十分な低温維持機能を有することが確認された。
一方、比較例1〜6のエアゾール製品は、噴射孔から60cmの距離での降下温度は、何れも35℃未満であった。また、噴射孔の数、直径(a)、及び開口面積の総和の全てが同一である実施例1のエアゾール製品と、比較例4のエアゾール製品とを比較すると、噴射孔から40cmでの降下温度は、実施例1で44℃、比較例4で42℃であり、噴射孔から60cmでの降下温度は、実施例1で24℃、比較例4で16℃であり、何れの距離においても実施例1のエアゾール製品は比較例4のエアゾール製品と比べて優れた冷却効果が認められた。また、噴射孔から40cmでの降下温度と、60cmでの降下温度とを比較すると、実施例1は20℃差、比較例4は26℃差であった。噴射孔から40cmないし60cmの区間においても、実施例1のエアゾール製品は比較例4のエアゾール製品と比べて温度上昇が少なく、薬液の低温状態を維持できるものであった。これらの結果から、エアゾール用ノズル及びエアゾール製品の低温維持機能は、ノズルの端面に噴射孔を適切に配置することによって実現されるものと推測される。
逆火現象確認試験では、実施例2〜4、6〜11のエアゾール製品で、逆火現象の発生が認められず、逆火抑制機能を有することが確認された。ここで、第2噴射孔を6つ設けた構成の実施例3〜5のエアゾール製品と、第2噴射孔を9つ設けた構成の実施例6〜11のエアゾール製品とを比較すると、第2噴射孔を6つ設けた構成では実施例5のエアゾール製品で逆火が発生したが、第2噴射孔を9つ設けた構成では噴射孔の直径、配置等の条件が異なる実施例6〜11の何れのエアゾール製品でも逆火現象の発生が認められなかった。この結果から、本発明のエアゾール用ノズル及びエアゾール製品の逆火抑制機能は、特に、第2噴射孔を9つ設けた構成において向上することが確認された。
一方、比較例1〜2、4〜6のエアゾール製品では、逆火現象が発生した。ここで、噴射孔の数、直径(a)、及び開口面積の総和の全てが同一である実施例1のエアゾール製品と、比較例4のエアゾール製品とを比較すると、実施例1のエアゾール製品における逆火は5cmであり、比較例4のエアゾール製品における逆火は10cmであり、実施例1のエアゾール製品は優れた逆火抑制効果が認められた。これらの結果から、エアゾール用ノズル及びエアゾール製品の逆火抑制機能は、上記の低温維持機能と同様に、ノズルの端面に噴射孔を適切に配置することによって実現されるものと推測される。
さらに、冷却試験の結果、及び逆火現象確認試験の結果を総合すると、特に、直径(a)と、第1噴射孔及び第2噴射孔の離間距離(c)との比(a/c)が0.4〜0.6となるように構成した実施例6〜8、11は何れも、噴射孔から60cmでの降下温度が35℃以上であり、且つ逆火現象も発生しておらず、優れた低温維持機能、及び逆火抑制機能を兼ね備えることが確認された。一方、比較例1〜6のエアゾール製品には、噴射孔から60cmでの降下温度が35℃以上、且つ、逆火現象が抑制されたものは無かった。
本発明のエアゾール用ノズル、及びエアゾール製品は、殺虫製品として好適に利用されるものであるが、抗菌スプレー、消臭スプレー、芳香スプレー等の各種スプレー製品に利用することも可能である。
10 エアゾール用ノズル
11 端面
12 噴射孔
12a 第1噴射孔
12b 第2噴射孔
100 エアゾール製品
VC 仮想円

Claims (8)

  1. 同じ直径の複数の噴射孔が設けられた端面を有するエアゾール用ノズルであって、
    前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1つの第1噴射孔と、当該第1噴射孔を中心とした仮想円周上に等間隔に設けられた3つ以上の第2噴射孔とを含み、
    前記噴射孔の直径(a)と、隣り合う2つの前記第2噴射孔の離間距離(b)との比(a/b)が、0.53〜1.2に構成されており、
    前記複数の噴射孔の開口面積の総和が、5.0mm 以下であるエアゾール用ノズル。
  2. 同じ直径の複数の噴射孔が設けられた端面を有するエアゾール用ノズルであって、
    前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1つの第1噴射孔と、当該第1噴射孔を中心とした仮想円周上に等間隔に設けられた3つ以上の第2噴射孔とを含み、
    前記噴射孔の直径(a)と、隣り合う2つの前記第2噴射孔の離間距離(b)との比(a/b)が、0.84〜1.2に構成されており、
    前記複数の噴射孔の開口面積の総和が、1.38mm 以上であるエアゾール用ノズル。
  3. 前記第2噴射孔が5つ以上、9つ以下設けられている請求項1又は2に記載のエアゾール用ノズル。
  4. 同じ直径の複数の噴射孔が設けられた端面を有するエアゾール用ノズルであって、
    前記複数の噴射孔は、前記端面の中央に設けられた1つの第1噴射孔と、当該第1噴射孔を中心とした仮想円周上に等間隔に設けられた9つの第2噴射孔とを含み、
    前記噴射孔の直径(a)と、隣り合う2つの前記第2噴射孔の離間距離(b)との比(a/b)が、0.5〜1.2に構成されているエアゾール用ノズル。
  5. 前記複数の噴射孔の開口面積の総和が、5.0mm以下である請求項4に記載のエアゾール用ノズル。
  6. 前記噴射孔の直径(a)と、前記第1噴射孔及び前記第2噴射孔の離間距離(c)との比(a/c)が、0.2〜1.5に構成されている請求項1〜5の何れか一項に記載のエアゾール用ノズル。
  7. 殺虫製品に用いられる請求項1〜6の何れか一項に記載のエアゾール用ノズル。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のエアゾール用ノズルを有するエアゾール製品。
JP2017195885A 2017-10-06 2017-10-06 エアゾール用ノズル、及びエアゾール製品 Active JP6960298B2 (ja)

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