以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、センタ側の構成として、ホストコンピュータ11及びセンタ側網制御装置12を備え、端末側の構成として、無線親機21、複数の無線子機22A〜22G、及び各無線子機22A〜22Gにそれぞれ接続されるメータ23,23,…,23を備える。メータ23は、例えば個人宅、会社、各種施設等の需要家毎に設置され、ガス、水道、電気等の使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。無線テレメータシステムでは、メータ23,23,…,23より得られる検針値、無線子機22A〜22Gの動作状態を示すデータ等を、無線通信を利用してセンタ側へ送信すると共に、無線子機22A〜22Gの動作を制御するための制御指令等をセンタ側から端末側へ送信する。
センタ側網制御装置12は、例えばPHS網、FOMA網などの広域無線網N1に接続されており、広域無線網N1を介して端末側の無線親機21と無線通信を行う。なお、本実施の形態では、センタ側網制御装置12と無線親機21とが広域無線網N1に接続される構成としたが、有線の通信網により接続される構成であってもよい。
センタ側網制御装置12は、広域無線網N1を介した端末側との通信を制御する機能を有する。センタ側網制御装置12は、ホストコンピュータ11から端末側へ送信すべきデータが入力された場合、広域無線網N1の通信規格に準拠した通信方式にて、端末側へデータを送信する。また、センタ側網制御装置12は、端末側から送信されたデータを広域無線網N1を介して受信した場合、受信したデータをホストコンピュータ11へ送信する。
端末側の無線親機21は、広域無線網N1への接続を可能とするためにNCU(Network Control Unit)の機能を有しており、広域無線網N1を介してセンタ側と無線通信を行う。なお、無線親機21とセンタ側との間の通信は無線通信に限らず、有線の通信であってもよい。この場合、無線親機21とセンタ側網制御装置12とは有線の通信網により接続される。
また、無線親機21は、無線子機22A〜22Gと共にメッシュ型の狭域無線網N2を形成する。図1において、直接的に通信することができる通信経路(すなわち、隣接無線機間の経路)は破線により示されている。例えば、無線親機21は、無線子機22A〜22Cのそれぞれとの間で通信接続を確立させることができ、通信接続を確立させた無線子機22A〜22Cと通信可能であることを示している。他の無線機間の通信経路についても図1に示す通りである。
狭域無線網N2内における通信経路は、基本的には宛先までのホップ数が最も小さい通信経路が優先的に選択される。例えば、無線親機21から無線子機22Gへ送信するパケットの通信経路は、宛先までのホップ数が最も小さくなるように、無線親機21から無線子機22B,22Gの順にデータを転送する経路が優先的に選択される。しかしながら、経由する各無線機の稼働状況、電波状況、通信状況等に応じて適宜通信経路を変更してもよい。例えば、無線親機21と無線子機22Bと間の電波状況が良くない状況下では、無線親機21から無線子機22A,22D,22Gの順にデータを転送する経路が選択されてもよい。
このようにして決定される通信経路を通じて、各無線子機22A〜22Gは、センタ側から送信されるデータを無線親機21経由で受信することができる。また、各無線子機22A〜22Gは、夫々に接続されたメータ23から検針値を取得した場合、センタ側へ通知すべきイベントが発生した場合等において、これらのデータを無線親機21経由でセンタ側へ送信することができる。
以下の説明では、無線子機22A〜22Gのそれぞれを区別して説明する必要がない場合、無線子機22とも記載する(図3参照)。また、無線親機21と無線子機22A〜22Gとを区別して記載する必要がない場合には、単に無線機とも記載する。
なお、図1に示す例では、1つの無線親機21と7つの無線子機22A〜22Gとを狭域無線網N2内に設置した構成としたが、狭域無線網N2内に設置される無線機の数及び各無線機の接続関係は、図1に示した例に限定されるものではない。狭域無線網N2の通信仕様等により規定される最大設置数、無線機1台当たりの最大接続数の範囲内で適宜変更され得る。
図2は無線親機21の内部構成を示すブロック図である。無線親機21は、制御部210、記憶部211、広域無線通信部212、狭域無線通信部213、表示部214、操作部215などを備える。無線親機21が備えるハードウェア各部は、内蔵電池219又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを備える。制御部210内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御し、機器全体を本発明の中継装置の1つとして機能させる。なお、本発明は無線親機21により実現されるだけでなく、無線親機21及び無線子機22を含む無線テレメータシステム、無線親機21の特徴的な処理を実行するプログラム、当該プログラムを読み取り可能に記録した記録媒体(記憶部211)により実現され得る。また、制御部210は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部211は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、無線親機21の動作に関する設定情報、無線親機21の固有の識別子であるNCU−ID、狭域無線網N2内で各無線機に付与された無線機番号等を記憶すると共に、各無線子機22に至るまでのホップ数を記憶するホップ数テーブル等を備える。ここで、無線機番号とは、狭域無線網N2内で各無線機を識別するための識別子である。
ホップ数テーブルは、無線親機21の無線機番号を含む1又は複数の無線機番号と、当該無線機番号により識別される無線機に至るまでのホップ数とを関連付けて記憶する。無線親機21が備えるホップ数テーブルは、初期状態では、無線親機21の無線機番号と、自機のホップ数(=0)とを関連付けて記憶する。無線子機22の設置後、無線親機21は、隣接無線機(直接的に通信可能な無線子機22)とホップ数テーブルの交換を適宜行うことにより、ホップ数が1以上の無線子機22の無線機番号と各無線子機22に至るホップ数とを含む情報を取得し、取得した情報を基にホップ数テーブルを更新する。
広域無線通信部212は、アンテナ212aを通じて電波を発信または受信することによって、センタ側網制御装置12との通信を行う。例えば、無線子機22から送信される検針値のデータを受信した場合、広域無線通信部212は、アンテナ212aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した方式にてデータをセンタ側へ送信する。
また、広域無線通信部212は、アンテナ212aにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより所定形式のデータを取得する。広域無線通信部212は、受信電波をデコードして得られるデータを制御部210へ出力する。制御部210は、広域無線通信部212から出力されたデータを取得した場合、そのデータに基づいて各種の制御を行う。
狭域無線通信部213は、アンテナ213aを通じて電波を発信または受信することによって、無線子機22と所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えば920MHz帯の無線通信が採用される。無線親機21の狭域無線通信部213は、送信すべきデータを有する場合、宛先を指定した起動信号を連続的に送信する。宛先として指定した無線子機22から起動信号に対する応答信号(Ack)が返信されてきた場合、無線親機21は、宛先の無線子機22と通信接続を確立し、当該無線子機22との間でデータ通信を行う。また、狭域無線通信部213は、送信すべきデータを有していない場合、他の無線機から送信される起動信号を間欠的に受信する間欠受信動作等を行う。
表示部214は、LEDランプ(LED : Light Emitting Diode)、液晶表示パネル等により構成されており、制御部210から出力される制御信号に基づいて、無線親機21の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部215は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部210は、操作部215から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部211に記憶させる。
図3は無線子機22の内部構成を示すブロック図である。無線子機22は、制御部220、記憶部221、狭域無線通信部222、接続ポート223、表示部224、操作部225などを備える。無線子機22が備えるハードウェア各部は、電池229から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部220は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部220内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御し、機器全体を本発明に係る無線機の1つとして機能させる。なお、制御部220は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部221は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、各種動作に関する設定情報、自機に付与された無線機番号、接続ポート223に接続されたメータ23のメータID等を記憶する。また、記憶部221は、自機に付与された無線機番号を含む1又は複数の無線機番号と、当該無線機番号により識別される無線機に至るまでのホップ数とを関連付けて記憶するホップ数テーブルを備える。
無線子機22が備えるホップ数テーブルは、初期状態では、無線子機22自身に付与された無線機番号と、無線子機22自身のホップ数(=0)とを関連付けて記憶している。狭域無線網N2内に他の無線子機22を設置した後、無線子機22は、隣接無線機(直接的に通信可能な無線親機21又は他の無線子機22)とホップ数テーブルの交換を適宜行うことにより、ホップ数が1以上の無線機の無線機番号と自機から各無線機に至るホップ数とを含む情報を取得し、取得した情報を基に自機のホップ数テーブルを更新する。
狭域無線通信部222は、アンテナ222aを通じて電波を発信または受信することによって、無線親機21及び他の無線子機22との間で所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えば920MHz帯の無線通信が採用される。無線子機22の狭域無線通信部222は、送信すべきデータを有する場合、宛先を指定した起動信号を連続的に送信する。宛先として指定した無線親機21又は他の無線子機22から起動信号に対する応答信号(Ack)が返信されてきた場合、無線子機22は、宛先である無線親機21又は他の無線子機22と通信接続を確立し、無線親機21又は他の無線子機22との間でデータ通信を行う。また、狭域無線通信部222は、送信すべきデータを有していない場合、他の無線機から送信される起動信号を間欠的に受信する間欠受信動作等を行う。
接続ポート223は、ガス、水道、電気等の使用量を計測するためのメータ23を接続する。無線子機22の制御部220は、メータ23からの検針値を接続ポート223を通じて取得する。
表示部224は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部220から出力される制御信号に基づいて、無線子機22の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部225は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部220は、操作部225から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部221に記憶させる。
以下、実施の形態1に係る無線テレメータシステムの動作について説明する。
図4は実施の形態1における検針値の送信手順を説明するフローチャートである。無線親機21による一括送信に先立ち、センタ側から端末側に対して一括送信に係る条件設定を行う。具体的には、ホストコンピュータ11は、一括送信の対象とする無線子機22(例えば無線子機22A〜22G)に対し、定時検針条件設定に係る電文を送信する(ステップS101)。定時検針条件設定に係る電文は、各無線子機22が検針発呼を実施するタイミング(検針日時)を定めた電文である。ホストコンピュータ11から送信される定時検針条件設定に係る電文は、無線親機21を経由して各無線子機22へ送信される。各無線子機22は、自機宛の定時検針条件設定に係る電文を受信した場合、定時検針条件により指定される検針日時に係る情報を記憶部221に記憶させる。
無線親機21は、定時検針設定に係る電文を無線子機22へ中継する際、その電文から各無線子機22に設定される検針日時の情報を取得し、各無線子機22の識別子に関連付けて検針日時の情報を記憶部211に記憶させる。
なお、本実施の形態では、センタ側から定時検針条件設定に係る電文を各無線子機22に対して送信する構成としたが、無線親機21から各無線子機22に対して定時検針条件設定に係る電文を送信してもよく、各無線子機22の操作部225を通じて定時検針条件を設定してもよい。各無線子機22の操作部225を通じて定時検針条件を設定する場合、設定された検針日時の情報を無線通信により無線親機21へ通知することが好ましい。
また、ホストコンピュータ11は、一括送信設定に係る電文を無線親機21へ送信する(ステップS102)。一括送信設定に係る電文は、例えば、一括送信の対象とする無線子機22の識別子、検針値の収集期間、一括送信を実行するタイミングを定めた電文である。無線親機21は、一括送信設定に係る電文を受信した場合、一括送信設定により指定された無線子機22の識別子、検針値の収集期間、一括送信を実行するタイミングを記憶部211に記憶させる。
以上の処理により、無線親機21は、収集期間内に検針値を取得すべき無線子機22の情報を把握することができる。
無線子機22Aの制御部220は、内蔵されたクロックの出力を参照して、自機に設定された検針日時に達したか否かを判断する。検針日時に達したと判断した場合、制御部220は、接続ポート223に接続されたメータ23から検針値を取得し、取得した検針値を送信するための定時検針発呼を行う(ステップS103a)。定時検針発呼に成功した場合、無線親機21は、無線子機22Aから送信される検針値を受信することが可能である。
同様に、無線子機22B,…,22Gの制御部220は、それぞれ、内蔵されたクロック出力を参照して、設定された検針日時に達したか否かを判断する。検針日時に達したと判断した場合、各無線子機22B,…,22Gの制御部220は、それぞれに接続されたメータ23から検針値を取得し、取得した検針値を送信するための定時検針発呼を行う(ステップS103b,…,103g)。
定時検針発呼に成功した場合、無線親機21は、無線子機22から送信される検針値を取得することができる。一方、無線状態の悪化などにより、定時検針発呼に失敗した場合、無線親機21は、無線子機22から送信される検針値を取得することができない。定時検針発呼に失敗した場合、無線子機22は、予め定められたリトライ回数の範囲内で、定時検針発呼を繰り返し実行してもよい。図4の例では、リトライを含む定時検針発呼が失敗し、無線子機22Bから送信される検針値を無線親機21が取得できなかった場合を示している。
無線親機21の制御部210は、検針値の収集期間が終わった場合、この収集期間内に検針値を取得すべき全ての無線子機22から検針値を取得したか否かを判断する。制御部210は、各無線子機22に対する定時検針条件設定と、一括送信設定とを参照することにより、収集期間内に検針値を取得すべき全ての無線子機22から検針値を取得したか否かを判断することができる。
収集期間内に検針値を取得していない無線子機22(図4の例では無線子機22B)が存在すると判断した場合、制御部210は、検針値を未取得の無線子機22に対して検針値の送信を要求するためのポーリング動作を実行する(ステップS104)。収集期間内に検針値を取得していない無線子機22が複数存在する場合、制御部210は、ポーリング動作により、それらの無線子機22に対して検針値の送信要求を順次送信する。
無線子機22Bの制御部220は、無線親機21からの検針値送信要求を受信した場合、接続ポート223に接続されたメータ23から検針値を取得し、取得した検針値を無線親機21へ送信する(ステップS105)。無線状態が改善している場合、無線子機22Bから送信される検針値は、無線子機22Aを介して無線親機21へ到達する。
無線親機21の制御部210は、記憶部211に記憶された情報を参照し、設定された一括送信のタイミングであるか否かを判断する。一括送信のタイミングであると判断した場合、制御部210は、収集期間内に取得した各無線子機22からの検針値と、ポーリング動作によって取得した各無線子機22からの検針値とを一括してホストコンピュータ11へ送信する(ステップS106)。このとき、制御部210は、検針値を取得した全ての無線子機22の識別子と、それぞれの無線子機22から取得した検針値とを組にして記録した1つの電文を生成し、生成した電文を広域無線通信部212を通じてホストコンピュータ11へ送信する。
また、制御部210は、収集期間内に取得した検針値と、ポーリング動作によって取得した検針値とを識別するための識別情報を付加した電文を生成し、生成した電文を広域無線通信部212を通じてホストコンピュータ11へ送信する構成としてもよい。この場合、無線親機21は、無線状態が悪化した無線子機22の情報をホストコンピュータ11に通知することができる。
以上のように、実施の形態1に係る無線親機21は、収集期間内に検針値を取得できなかった無線子機22が存在する場合であっても、収集期間後のポーリング動作により当該無線子機22から検針値を取得することが可能となり、一括送信の対象として指定された各無線子機22からの検針値の取得漏れをなくすことができる。
なお、本実施の形態1では、収集期間経過後のポーリング動作により、未取得の無線子機22に対する検針値の送信要求を実現する構成としたが、ポーリング動作に限らず、未取得の無線子機22に対して1回だけ送信要求を行う構成としてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、収集期間の経過後にポーリング動作を行っている場合であっても、一括送信のタイミングに達した場合には、ポーリング動作を中止して一括送信を優先的に実行する構成について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、無線親機21及び無線子機22の内部構成は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図5は実施の形態2に係る無線親機21が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。無線親機21の制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、各無線子機22から検針値を収集する収集期間の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS201)。開始タイミングでない場合(S201:NO)、制御部210は、収集期間の開始タイミングとなるまで待機する。
収集期間の開始タイミングであると判断した場合(S201:YES)、制御部210は、狭域無線通信部213を通じて、無線子機22が送信する検針値を受信する(ステップS202)。なお、無線子機22は、それぞれに設定されている検針日時に従って、メータ23から取得した検針値を狭域無線通信部222を通じて送信する。
次いで、制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、収集期間が終了したか否かを判断する(ステップS203)。収集期間が終了していない判断した場合(S203:NO)、制御部210は、処理をステップS202へ戻し、無線子機22から送信される検針値の受信を継続して行う。
収集期間が終了したと判断した場合(S203:YES)、制御部210は、記憶部211に記憶されている情報を参照して、収集期間内に取得すべき全ての無線子機22から検針値を取得したか否かを判断し、取得漏れが発生しているか否かを判断する(ステップS204)。取得漏れが発生していない場合(S204:NO)、制御部210は、以下の処理を実行せずに、本フローチャートによる処理を終了する。
取得漏れが発生していると判断した場合(S204:YES)、制御部210は、検針値を未取得の無線子機22に対して検針値の送信を要求するためのポーリング動作を実行する(ステップS205)。収集期間内に検針値を取得していない無線子機22が複数存在する場合、制御部210は、ポーリング動作により、それらの無線子機22に対して検針値の送信要求を順次送信する。
次いで、制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、一括送信のタイミングであるか否かを判断する(ステップS206)。一括送信のタイミングでないと判断した場合(S206:NO)、制御部210は、処理をステップS205へ戻し、ポーリング動作を継続する。
一括送信のタイミングであると判断した場合(S206:YES)、制御部210は、ポーリング動作を中止し(ステップS207)、収集期間内に取得した各無線子機22からの検針値と、ポーリング動作によって取得した各無線子機22からの検針値とを一括してホストコンピュータ11へ送信する(ステップS208)。このとき、制御部210は、検針値を取得した全ての無線子機22の識別子と、それぞれの無線子機22から取得した検針値とを組にして記録した1つの電文を生成し、生成した電文を広域無線通信部212を通じてホストコンピュータ11へ送信する。
また、制御部210は、ポーリング動作の中止によって取得できなかった無線子機22を識別する識別子を付加した電文を生成し、生成した電文を広域無線通信部212を通じてホストコンピュータ11へ送信する構成としてもよい。この場合、無線親機21は、通信不良などが発生している可能性がある無線子機22の情報をホストコンピュータ11に通知することができる。
以上のように、実施の形態2では、一括送信のタイミングとなった場合、ポーリング動作の実行中であっても、ポーリング動作を中止して一括送信を実行するので、通信不良などにより一部の無線子機22から検針値を取得できない場合であっても、収集期間又はポーリング動作にて取得した無線子機22からの検針値を一括して送信することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、ポーリング動作の可否を無線子機22毎に判断する構成について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、無線親機21及び無線子機22の内部構成は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図6は実施の形態3に係る無線親機21が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。無線親機21には、各無線子機22に対するポーリング動作の可否が予め設定されているものとする。ここで、無線親機21は、操作部215を通じて各無線子機22に対するポーリング動作の可否設定を受付けてもよく、各無線子機22において設定されたポーリング動作の可否に係る情報を狭域無線通信部213を通じて受信する構成であってもよい。無線親機21の制御部210は、受付けたポーリング動作の可否設定を記憶部211に記憶させる。
制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、各無線子機22から検針値を収集する収集期間の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS301)。開始タイミングでない場合(S301:NO)、制御部210は、収集期間の開始タイミングとなるまで待機する。
収集期間の開始タイミングである判断した場合(S301:YES)、制御部210は、狭域無線通信部213を通じて、無線子機22が送信する検針値を受信する(ステップS302)。なお、無線子機22は、それぞれに設定されている検針日時に従って、メータ23から取得した検針値を狭域無線通信部222を通じて送信する。
次いで、制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、収集期間が終了したか否かを判断する(ステップS303)。収集期間が終了していないと判断した場合(S303:NO)、制御部210は、処理をステップS302へ戻し、無線子機22から送信される検針値の受信を継続して行う。
収集期間が終了したと判断した場合(S303:YES)、制御部210は、記憶部211に記憶されている情報を参照して、収集期間内に取得すべき全ての無線子機22から検針値を取得したか否かを判断し、取得漏れが発生しているか否かを判断する(ステップS304)。取得漏れが発生していない場合(S304:NO)、制御部210は、以下の処理を実行せずに、本フローチャートによる処理を終了する。
取得漏れが発生していると判断した場合(S304:YES)、制御部210は、検針値を未取得の無線子機22に対してポーリング動作を実行するか否かを判断する(ステップS305)。ここで、制御部210は、記憶部211に記憶されている無線子機22毎のポーリング動作の可否設定を参照することにより、ポーリング動作を実行するか否かを判断することができる。
ポーリング動作を実行すると判断した場合(S305:YES)、制御部210は、検針値の送信を要求するためのポーリング動作を実行する(ステップS306)。ポーリング動作を実行しないと判断した場合(S305:NO)、制御部210は、ステップS307以降の処理を実行する。
次いで、制御部210は、検針値を未取得の他の無線子機22が存在するか否かを判断する(ステップS307)。未取得の他の無線子機22が存在すると判断した場合(S307:YES)、制御部210は、処理をステップS305へ戻し、未取得の他の無線子機22についてポーリング動作を実行するか否かを判断する。
検針値を未取得の他の無線子機22が存在しないと判断した場合(S307:NO)、制御部210は、内蔵クロックの出力と、記憶部211に記憶された情報とを参照し、一括送信のタイミングであるか否かを判断する(ステップS308)。一括送信のタイミングでないと判断した場合(S308:NO)、制御部210は、処理をステップS305へ戻し、ポーリング動作を継続する。
一括送信のタイミングであると判断した場合(S308:YES)、制御部210は、ポーリング動作を中止し(ステップS309)、収集期間内に取得した各無線子機22からの検針値と、ポーリング動作によって取得した各無線子機22からの検針値とを一括してホストコンピュータ11へ送信する(ステップS310)。このとき、制御部210は、検針値を取得した全ての無線子機22の識別子と、それぞれの無線子機22から取得した検針値とを組にして記録した1つの電文を生成し、生成した電文を広域無線通信部212を通じてホストコンピュータ11へ送信する。
以上のように、実施の形態3では、センタ側から一括送信の対象として指定されている無線子機22であっても、無線親機21にて可否設定を行うことにより、一括送信の対象から除外することが可能となる。このため、無線親機21との通信状況が悪化している無線子機22や収集期間外にも検針値を送信することが可能な無線子機22等を可否設定により一括送信の対象から除外することができる。
なお、本実施の形態に係る無線親機21は、無線子機22毎のポーリング動作の可否設定により、ポーリング動作を実行するか否かを判断する構成としたが、無線子機22毎の検針条件に基づき、ポーリング動作を実行するか否かを判断してもよい。例えば、収集期間外に検針値をセンタ側へ送信する機会が設けられている無線子機22については、一括送信の対象から除外し、ステップS305の判断でポーリング動作を実行しないと判断してもよい。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
本発明の一態様に係る中継装置(21)は、メータ(23)が接続された複数の無線機(22)と無線通信が可能であり、各無線機(22)との無線通信により取得した各メータ(23)の検針値を外部通信装置(11)へ送信する中継装置(21)において、設定期間内に検針値を取得すべき複数の無線機(22)のうち、前記設定期間内に検針値を取得していない無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)に対して検針値の送信を要求する検針値要求部(210)と、前記設定期間内に取得した検針値と、前記検針値要求部(210)からの送信要求により取得した検針値とを一括して前記外部通信装置(11)へ送信する送信部(212)とを備える。
上記一態様にあっては、設定期間内に検針値を取得できなかった無線機が存在する場合であっても、設定期間後の送信要求により当該無線機から検針値を取得することが可能となり、一括送信の対象として指定された各無線機からの検針値の取得漏れをなくすことができる。
本発明の一態様に係る中継装置(21)は、前記検針値要求部(210)は、前記送信部(212)が検針値を一括して送信すべきタイミングにて、検針値を取得すべき無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)への送信要求を中止する。
上記一態様にあっては、一括送信のタイミングとなった場合、未取得の無線機に対する送信要求の実行中であっても、送信要求を中止して一括送信を実行するので、通信不良などにより一部の無線機から検針値を取得できない場合であっても、設定期間又は送信要求にて取得した無線機からの検針値を一括して送信することができる。
本発明の一態様に係る中継装置(21)は、無線機(22)毎に前記検針値要求部(210)による送信要求の可否設定を受付ける受付部(215)を備える。
上記一態様にあっては、中継装置側から各無線機に対する送信要求の可否を設定することができる。
本発明の一態様に係る中継装置(21)は、前記検針値要求部(210)は、各無線機(22)の検針条件によって送信要求を実行すべきか否かを判断する。
上記一態様にあっては、例えば、設定期間外に検針値を外部通信装置へ送信する機会が設けられている無線機については、送信要求を実行しないと判断し、一括送信の対象から除外することができる。
本発明の一態様に係る中継装置(21)は、前記送信部(212)は、前記検針値要求部(210)からの送信要求により検針値を取得した場合、前記送信要求により取得した無線機(22)を識別する識別情報を併せて送信する。
上記一態様にあっては、通信不良などが発生している可能性がある無線機の情報を外部通信装置に通知することができる。
本発明の一態様に係る送信方法は、メータ(23)が接続された複数の無線機(22)と中継装置(21)との間で無線通信を行い、前記中継装置(21)が各無線機(22)から取得した検針値を外部通信装置(11)へ送信する送信方法において、前記中継装置(21)は、設定期間内に検針値を取得すべき複数の無線機(22)のうち、前記設定期間内に検針値を取得していない無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)に対して検針値の送信を要求し、前記設定期間内に取得した検針値と、前記無線機(22)に対する送信要求により取得した検針値とを一括して前記外部通信装置(11)へ送信する。
上記一態様にあっては、設定期間内に検針値を取得できなかった無線機が存在する場合であっても、設定期間後の送信要求により当該無線機から検針値を取得することが可能となり、一括送信の対象として指定された各無線機からの検針値の取得漏れをなくすことができる。
本発明の一態様に係る無線テレメータシステムは、メータ(23)が接続された複数の無線機(22)と、該複数の無線機(22)と無線通信が可能であり、各無線機(22)との無線通信により取得した各メータの検針値を外部通信装置(11)へ送信する中継装置(21)とを備える無線テレメータシステムにおいて、前記中継装置(21)は、設定期間内に検針値を取得すべき複数の無線機(22)のうち、前記設定期間内に検針値を取得していない無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)に対して検針値の送信を要求する検針値要求部(210)と、前記設定期間内に取得した検針値と、前記検針値要求部(210)からの送信要求により取得した検針値とを一括して前記外部通信装置(11)へ送信する送信部(212)とを備える。
上記一態様にあっては、設定期間内に検針値を取得できなかった無線機が存在する場合であっても、設定期間後の送信要求により当該無線機から検針値を取得することが可能となり、一括送信の対象として指定された各無線機からの検針値の取得漏れをなくすことができる。
一態様に係るプログラムは、コンピュータに、設定期間内に検針値を取得すべき複数の無線機(22)のうち、前記設定期間内に検針値を取得していない無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)に対して検針値の送信を要求し、前記設定期間内に取得した検針値と、前記無線機(22)に対する送信要求により取得した検針値とを一括して外部通信装置(11)へ送信する処理を実行させるためのプログラムである。
上記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。
一態様に係る記録媒体は、コンピュータに、設定期間内に検針値を取得すべき複数の無線機(22)のうち、前記設定期間内に検針値を取得していない無線機(22)が存在する場合、該無線機(22)に対して検針値の送信を要求し、前記設定期間内に取得した検針値と、前記無線機(22)に対する送信要求により取得した検針値とを一括して外部通信装置(11)へ送信する処理を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供することができる。