以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、端末側の構成として、NCU20(NCU : Network Control Unit)、ゲートウェイ無線機21、複数の無線機22,22,…,22及びメータ23,23,…,23を備える。メータ23は、例えば個人宅、会社、各種施設等の需要家毎に設置され、ガス、水道、電気等の使用量を計測し、計測結果(検針値)を出力する計測器である。無線テレメータシステムでは、メータ23の検針値を示すデータ、無線機22の動作状態を示すデータなど端末側から出力される各種データを、無線通信を利用してセンタ10へ送信すると共に、無線機22及びメータ23の動作を制御するための制御指令等を含んだ各種データをセンタ10から端末側へ送信する。
センタ10は、例えば、PHS網、FOMA網などの広域無線網N1を介して端末側と通信を行う通信装置、端末側から送信されるデータを蓄積する記憶装置を含む(不図示)。
NCU20は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介してセンタ10と無線通信を行う。なお、NCU20とセンタ10との間の通信は無線通信に限らず、有線の通信であってもよい。この場合、NCU20及びセンタ10は有線の通信網により接続される。
ゲートウェイ無線機21とNCU20とは、Uバス等のバスラインを介して接続される。ゲートウェイ無線機21は、バスラインを介して接続されたNCU20を通じて、センタ10と通信が行えるように構成されている。また、ゲートウェイ無線機21は、無線機22,22,…,22により構築される狭域無線網N2に参加することにより、各無線機22,22,…,22と通信が行えるように構成されている。
各無線機22は、それぞれに接続されているメータ23から検針値を含むパケット(検針パケットともいう)をバスラインを通じて受信した場合、狭域無線網N2を介してゲートウェイ無線機21へ送信する。このとき、各無線機22から送信されるパケットは、直接的又は1又は複数の他の無線機22を経由して、ゲートウェイ無線機21に到達する。ゲートウェイ無線機21は、狭域無線網N2を通じて無線機22から送信されるパケットを受信した場合、及び自機においてセンタ10へ通知すべきイベントが発生した場合等において、NCU20を通じてセンタ10との通信を行い、所望のパケットをセンタ10へ送信する。
図2はNCU20の内部構成を示すブロック図である。NCU20は、制御部200、記憶部201、広域無線通信部202、接続部203、表示部204、操作部205などを備える。NCU20が備えるハードウェア各部は、図に示していない内蔵電池又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを備える。制御部200内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、機器全体を本願の中継装置として機能させる。また、制御部200は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部201は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリにより構成されており、NCU20の動作に関する設定情報、接続部203に接続されたゲートウェイ無線機21のアドレス等の情報などを記憶するともに、狭域無線網N2に設置された各メータ23,23,…,23のID(メータID)等の情報を記憶するメータ管理テーブルを備える。
広域無線通信部202は、アンテナ202aを通じて電波を発信または受信することによって、センタ10との通信を行う。例えば、メータ23から送信されるパケットをゲートウェイ無線機21を通じて受信した場合、広域無線通信部202は、アンテナ202aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した形式のパケットをセンタ10へ送信する。
また、広域無線通信部202は、アンテナ202aにて電波を受信した場合、受信した電波をデコードすることにより所定の形式のデータを取得する。広域無線通信部202は、受信電波をデコードして得られるデータを制御部200へ出力する。制御部200は、広域無線通信部202から出力されたデータを取得した場合、そのデータに基づいて各種の制御を行う。
接続部203は、Uバスなどのバスラインを介して各種機器を接続するインタフェースを備える。本実施の形態では、後述するゲートウェイ無線機21が接続部203に接続されているものとする。
表示部204は、LEDランプ(LED : Light Emitting Diode)、液晶表示パネル等により構成されており、制御部200から出力される制御信号に基づいて、NCU20の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部205は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部200は、操作部205から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部201に記憶させる。
図3はゲートウェイ無線機21の内部構成を示すブロック図である。ゲートウェイ無線機21は、制御部210、記憶部211、接続部212、狭域無線通信部213、表示部214、操作部215などを備える。ゲートウェイ無線機21が備えるハードウェア各部は、図に示していない内蔵電池又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部210は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部210内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御する。また、制御部210は、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部211は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、ゲートウェイ無線機21の動作に関する設定情報等を記憶すると共に、各無線機22,22,…,22に接続されたメータ23,23,…,23を管理するメータ管理テーブル、各無線機22に至るまでのホップ数を記憶するホップ数テーブル等を備える。ここで、メータ管理テーブルは、各無線機22,22,…,22に付与されている無線機番号と、各無線機22,22,…,22に接続されている各メータ23,23,…,23の識別子(メータID)とを関連付けて記憶するテーブルである。また、ホップ数テーブルは、各無線機22,22,…,22の無線機番号と、各無線機22,22,…,22に至るホップ数とを関連付けて記憶するテーブルである。
接続部212は、ゲートウェイ無線機21をNCU20側の接続部203に接続するためのインタフェースを備える。ゲートウェイ無線機21は、バスラインを介して接続されたNCU20と接続部212を通じて通信を行う。
狭域無線通信部213は、アンテナ213aを通じて電波を発信または受信することによって、無線機22,22,…,22と所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えばUバスエアの規格に準拠した通信方式が採用される。ゲートウェイ無線機21の狭域無線通信部213は、無線機22から送信されるパケットを受信することが可能である場合、ゲートウェイ無線機21のIDを含むID通知信号(RNO)を間欠的に送信する。また、狭域無線通信部213は、無線機22から送信されるRNOを受信した場合であって、自機が送信すべきパケットを有するとき、当該パケットをRNOの送信元へ送信する。
表示部214は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部210から出力される制御信号に基づいて、ゲートウェイ無線機21の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部215は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部210は、操作部215から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部211に記憶させる。
図4は無線機22の内部構成を示すブロック図である。無線機22は、制御部220、記憶部221、狭域無線通信部222、接続ポート223、表示部224、操作部225などを備える。無線機22が備えるハードウェア各部は、電池229から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部220は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部220内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、機器全体を本発明に係る無線機として機能させる。また、制御部220は、日時情報を出力する時計手段、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部221は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、各種動作に関する設定情報、自機に付与された無線機番号、接続ポート223に接続されたメータ23のメータID等を記憶する。また、記憶部221は、狭域無線網N2内の各無線機22の無線機番号と、当該無線機22に至るまでのホップ数とを関連付けて記憶するホップ数テーブルを備える。
狭域無線通信部222は、アンテナ222aを通じて電波を発信または受信することによって、ゲートウェイ無線機21及び他の無線機22,22,…,22との間で所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えばUバスエアの規格に準拠した通信方式が採用される。無線機22の狭域無線通信部222は、自機がゲートウェイ無線機21又は他の無線機22から送信されるデータを受信することが可能である場合、自機のID(無線機番号)を含むRNOを間欠的に送信する。また、狭域無線通信部222は、ゲートウェイ無線機21又は他の無線機22から送信されるRNOを受信した場合であって、自機が送信すべきパケットを有するとき、当該パケットをRNOの送信元へ送信する。
接続ポート223は、ガス、水道、電気等の使用量を計測するためのメータ23を接続する。接続ポート223は、接続されたメータ23から送信されるパケットを受信すると共に、狭域無線通信部222を通じてメータ23宛のパケットを受信した場合、受信したパケットをメータ23へ転送する。
表示部224は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部220から出力される制御信号に基づいて、無線機22の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部225は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部220は、操作部225から入力される設定内容を基に適宜の制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部221に記憶させる。
図5は実施の形態1に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。なお、図5に示すタイミングチャートでは、無線機22及びゲートウェイ無線機21を省略して示している。無線機22に接続されたメータ23は、メータ23毎に予め設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS101a)、取得した検針値を含み、自機のIDを送信元アドレス、センタ10のIDを宛先アドレスとしたパケットを生成する。メータ23は、自機が接続された無線機22を通じて、生成したパケットをセンタ10へ送信する(ステップS102a)。
メータ23から送信されるパケットは、当該メータ23が接続された無線機22を含む1又は複数の無線機22、及びゲートウェイ無線機21を介してNCU20に到達する。NCU20は、予め設定されているパケット収集期間内にメータ23からのパケットを受信した場合、受信したパケットから検針値のデータを取り出し、取り出した検針値のデータを、パケットの送信元アドレス(すなわちメータ23のメータID)に関連付けて記憶部201に記憶する(ステップS103a)。なお、パケット収集期間は、検針パケットの受信頻度が高い時間帯を含むように、例えば無線テレメータシステムの管理者等により、NCU20にて予め設定されているものとする。
他の無線機22に接続されたメータ23,…,23についても同様であり、メータ23,…,23は、それぞれに設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS101b,…,S101n)、検針値、送信元アドレス、宛先アドレスを含むパケットを生成してセンタ10へ送信する(102b,…,102n)。NCU20は、他の無線機22,…,22に接続されたメータ23,…,23からの検針パケットをパケット収集期間内に受信した場合、受信したパケットに含まれる検針値のデータ、及びパケットの送信元アドレス(メータID)を記憶部201に記憶する(ステップS103b,…,S103n)。
パケット収集期間が終了した場合、NCU20の制御部200は、パケット収集期間内に記憶部201に記憶した各メータ23からの検針値を含む一括パケットを生成する(ステップS104)。
図6はNCU20が生成する一括パケットの一例を示す模式図である。一括パケットは、例えば、送信元であるNCU20のIDを含むヘッダ、一括検針のパケットであることを示す電文種別、並びに、パケット収集期間内に記憶部201に記憶した各メータ23のID(ID(1)〜ID(n))、及び各メータ23の検針値(検針値(1)〜検針値(n))を含むデータにより構成されている。各メータ23が個別にパケットを送信する場合と比較して、一括パケットでは、ヘッダ部分を共通化することができるので、通信データ量を削減することができる。
NCU20は、ステップS104で一括パケットを生成した後、センタ10への発呼を行い(ステップS105)、センタ10とのセッションを開始させる。NCU20は、センタ10とのセッションを開始させた後、ステップS104で生成した一括パケットを広域無線通信部202を通じてセンタ10へ送信する(ステップS106)。一括パケットを送信した後、NCU20は、センタ10とのセッションを終了させる。
センタ10は、受信した一括パケットから各メータ23のメータID及び検針値を取り出し、各メータ23の検針値を記憶装置(不図示)に記憶させる(ステップS107)。
以上のように、実施の形態1では、NCU20が各メータ23,23,…,23から送信されるパケットをパケット収集期間に受信した場合、個別にセンタ10へ送信することなく、各パケットに含まれる検針値のデータを記憶部201に記憶させる。そして、パケット収集期間の終了後に、NCU20は、各検針値を含む一括パケットを生成してセンタ10へ送信する。
よって、本願の無線テレメータシステムでは、端末側からセンタ側への発呼回数を減らすことができ、センタ10及びNCU20の通信負荷を低減することが可能となる。また、本願の無線テレメータシステムでは、パケット収集期間に各メータ23,23,…,23から送信されるパケットをNCU20が受信した際、一部の内容が重複するパケットをその都度センタ10へ送信する必要がないため、通信データ量及び通信時間を低減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、センタ10から各メータ23,23,…,23に対して送信する設定情報に基づき、NCU20がパケット収集期間を設定する構成について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、センタ10、NCU20、ゲートウェイ無線機21、無線機22、及びメータ23の各構成は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図7は実施の形態2に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。なお、図7に示すタイミングチャートでは、無線機22及びゲートウェイ無線機21を省略して示している。センタ10は、例えば狭域無線網N2内に新たに設置されたメータ23,23,…,23に対して、検針値の送信タイミングをそれぞれ定める設定情報を含んだ定時検針設定電文を送信する(ステップS201a,S201b,…,S201n)。
センタ10より送信される定時検針設定電文は、NCU20、ゲートウェイ無線機21、1又は複数の無線機22を介して、宛先のメータ23に到達する。このとき、NCU20は、中継する定時検針設定電文を参照することによって、各メータ23,23,…,23の検針時刻を取得し(ステップS202a,S202b,…,S202n)、取得した検針時刻を該当するメータ23,23,…,23のメータIDに関連付けてメータ管理テーブルに登録する。なお、NCU20に到達した定時検針設定電文は、ゲートウェイ無線機21及び1又は複数の無線機22を通じて宛先のメータ23へ転送される。
また、センタ10より送信される自機宛の定時検針設定電文を受信したメータ23は、定時検針設定電文に含まれる検針時刻を記憶部(不図示)に記憶させ(ステップS203a,S203b,…,S203n)、検針時刻を設定した旨の応答をセンタ10へ送信する(S204a,S204b,…,S204n)。
NCU20は、各メータ23,23,…,23の検針時刻をメータ管理テーブルに登録した後、パケット収集期間を決定し(ステップS205)、決定したパケット収集期間の情報を記憶部201に記憶させる。
NCU20は、例えば以下の手法により、パケット収集期間を決定することができる。すなわち、各メータ23が毎月1回だけ検針動作を行うように設定されている場合、NCU20の制御部200は、ひと月を複数の時間帯(例えば1時間単位の時間帯)に分割し、自機が備えるメータ管理テーブルを参照して、各時間帯に検針動作を行うメータ23の数を計数する。そして、制御部200は、検針動作を行うメータ23の数が閾値以上(例えば4回以上)となる1又は複数の時間帯をパケット収集期間として決定する。
また、NCU20は、自機が備えるメータ管理テーブルを参照し、検針動作が行われる単位時間当たりの回数が最も多くなるような時間帯を求め、当該時間帯をパケット収集期間として決定してもよい。
なお、パケット収集期間を決定した後の無線テレメータシステムの動作は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
以上のように、実施の形態2では、センタ10から各メータ23,23,…,23宛に送信される定時検針設定電文をNCU20が中継する際に、定時検針設定電文に含まれる各メータ23,23,…,23の検針時刻を取得することによって、パケット収集期間を決定することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、パケット収集期間内にNCU20がメータ23,23,…,23から送信される検針パケットを受信した際、メータ23,23,…,23に対してダミー応答を返信する構成について説明する。
なお、無線テレメータシステムの全体構成、センタ10、NCU20、ゲートウェイ無線機21、無線機22、及びメータ23の各構成は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図8は実施の形態3に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。なお、図8に示すタイミングチャートでは、無線機22及びゲートウェイ無線機21を省略して示している。無線機22に接続されたメータ23は、実施の形態1と同様に、メータ23毎に予め設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS301a)、取得した検針値を含み、自機のIDを送信元アドレス、センタ10のIDを宛先アドレスとしたパケットを生成する。メータ23は、自機が接続された無線機22を通じて、生成したパケットをセンタ10へ送信する(ステップS302a)。
メータ23から送信されるパケットは、当該メータ23が接続された無線機22を含む1又は複数の無線機22、及びゲートウェイ無線機21を介してNCU20に到達する。NCU20は、予め設定されているパケット収集期間内にメータ23からのパケットを受信した場合、受信したパケットから検針値のデータを取り出し、取り出した検針値のデータを、パケットの送信元アドレス(メータID)に関連付けて記憶部201に記憶する(ステップS303a)。
次いで、NCU20は、パケットの送信元であるメータ23を宛先として、パケットがセンタ10に到達したことを表すダミー応答を送信する(ステップS304a)。NCU20から送信されるダミー応答は、ゲートウェイ無線機21及び1又は複数の無線機22を介して、宛先のメータ23に到達する。
他の無線機22に接続されたメータ23,…,23についても同様であり、メータ23,…,23毎に予め設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS301b,…,S301n)、検針値、送信元アドレス、宛先アドレスを含むパケットを生成してセンタ10へ送信する(302b,…,302n)。
NCU20は、他の無線機22,…,22に接続されたメータ23,…,23からのパケットをパケット収集期間内に受信した場合、受信したパケットに含まれる検針値のデータ、及びパケットの送信元アドレス(メータID)を記憶部201に記憶する(ステップS303b,…,S303n)。また、NCU20は、パケット収集期間内に検針パケットを受信する都度、パケットの送信元に対してダミー応答を送信する(ステップS304b,…,S304n)。
パケット収集期間が終了した後の処理は実施の形態1と同様である。すなわち、NCU20の制御部200は、パケット収集期間内に記憶部201に記憶した各メータ23からの検針値を含む一括パケットを生成し(ステップS305)、センタ10への発呼を行うことにより(ステップS306)、センタ10とのセッションを開始させる。NCU20は、センタ10とのセッションを開始させた後、一括パケットを広域無線通信部202を通じてセンタ10へ送信する(ステップS307)。一括パケットをセンタ10へ送信した後、NCU20は、センタ10とのセッションを終了させる。
センタ10は、受信した一括パケットから各メータ23のメータID及び検針値を取り出し、各メータ23の検針値を記憶装置(不図示)に記憶させる(ステップS308)。
以上のように、実施の形態3では、NCU20がパケット収集期間内にメータ23,23,…,23から送信される検針パケットを受信する都度、ダミー応答を返信する構成であるため、各メータ23による検針パケットの再送を防止することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、NCU20及びゲートウェイ無線機21を一体とした構成について説明する。
図9は実施の形態4に係る無線テレメータシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線テレメータシステムは、端末側の構成として、ゲートウェイ無線機30、複数の無線機22,22,…,22及びメータ23,23,…,23を備える。センタ10は、例えば、PHS網、FOMA網などの広域無線網N1を介して端末側と通信を行う通信装置、端末側から送信されるデータを蓄積する記憶装置を含む。
ゲートウェイ無線機30は、広域無線網N1に接続され、広域無線網N1を介してセンタ10と無線通信を行う。なお、ゲートウェイ無線機30とセンタ10との間の通信は無線通信に限らず、有線の通信であってもよい。この場合、ゲートウェイ無線機30及びセンタ10は有線の通信網により接続される。
また、ゲートウェイ無線機30は、複数の無線機22,22,…,22により構築される狭域無線網N2に参加することにより、各無線機22,22,…,22と通信が行えるように構成されている。
各無線機22は、それぞれに接続されているメータ23から検針値を含むパケット(検針パケット)をバスラインを通じて受信した場合、狭域無線網N2を介してゲートウェイ無線機30へ送信する。このとき、各無線機22から送信されるパケットは、直接的又は1又は複数の他の無線機22を経由して、ゲートウェイ無線機30に到達する。ゲートウェイ無線機30は、狭域無線網N2を通じて無線機22から送信されるパケットを受信した場合、及び自機においてセンタ10へ通知すべきイベントが発生した場合等において、広域無線網N1を通じてセンタ10との通信を行い、所望のパケットをセンタ10へ送信する。
図10は実施の形態4に係るゲートウェイ無線機30の内部構成を示すブロック図である。ゲートウェイ無線機30は、制御部300、記憶部301、広域無線通信部302、狭域無線通信部303、表示部304、操作部305などを備える。ゲートウェイ無線機30が備えるハードウェア各部は、図に示していない内蔵電池又は外部電源から供給される電力により動作するように構成されている。
制御部300は、例えば、CPU、ROMなどを備える。制御部300内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、機器全体を本願の中継装置として機能させる。また、制御部300は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部301は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されており、ゲートウェイ無線機30の動作に関する設定情報等を記憶すると共に、各無線機22,22,…,22に接続されたメータ23,23,…,23を管理するメータ管理テーブル、各無線機22に至るまでのホップ数を記憶するホップ数テーブル等を備える。
広域無線通信部302は、アンテナ302aを通じて電波を発信または受信することによって、センタ10との通信を行う。例えば、メータ23から送信されるパケットを1又は複数の無線機22,22,…,22を通じて受信した場合、広域無線通信部302は、アンテナ302aを駆動して電波を発信させることより、広域無線網N1の通信規格に準拠した形式のパケットをセンタ10へ送信する。
狭域無線通信部303は、アンテナ303aを通じて電波を発信または受信することによって、無線機22,22,…,22と所定の無線通信方式にて無線通信を行う。無線通信方式としては、例えばUバスエアの規格に準拠した通信方式が採用される。ゲートウェイ無線機30の狭域無線通信部303は、無線機22から送信されるパケットを受信することが可能である場合、ゲートウェイ無線機30のID及を含むID通知信号(RNO)を間欠的に送信する。また、狭域無線通信部303は、無線機22から送信されるRNOを受信した場合であって、自機が送信すべきパケットを有するとき、当該パケットをRNOの送信元へ送信する。
表示部304は、LEDランプ、液晶表示パネル等により構成されており、制御部300から出力される制御信号に基づいて、ゲートウェイ無線機30の設置作業及び保守作業を行う作業員等に通知すべき情報を表示する。
操作部305は、ディップスイッチ等の各種スイッチ、ボタンにより構成されており、作業員等による各種の設定操作を受付ける。制御部300は、操作部305から入力される設定内容を基に各種制御を行い、必要に応じて設定内容を記憶部301に記憶させる。
図11は実施の形態4に係る無線テレメータシステムの動作を説明するタイミングチャートである。なお、図11に示すタイミングチャートでは、無線機22を省略して示している。無線機22に接続されたメータ23は、メータ23毎に予め設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS401a)、取得した検針値を含み、自機のIDを送信元アドレス、センタ10のIDを宛先アドレスとしたパケットを生成する。メータ23は、自機が接続された無線機22を通じて、生成したパケットをセンタ10へ送信する(ステップS402a)。
メータ23から送信されるパケットは、当該メータ23が接続された無線機22を含む1又は複数の無線機22を介してゲートウェイ無線機30に到達する。ゲートウェイ無線機30は、予め設定されているパケット収集期間内にメータ23からのパケットを受信した場合、受信したパケットから検針値のデータを取り出し、取り出した検針値のデータを、パケットの送信元アドレス(メータID)に関連付けて記憶部301に記憶する(ステップS403a)。なお、パケット収集期間は、ゲートウェイ無線機30に予め設定されているものとする。
他の無線機22に接続されたメータ23,…,23についても同様であり、メータ23,…,23は、それぞれに設定された検針タイミングに従って検針値を取得し(ステップS401b,…,S401n)、検針値、送信元アドレス、宛先アドレスを含むパケットを生成してセンタ10へ送信する(402b,…,402n)。ゲートウェイ無線機30は、他の無線機22,…,22に接続されたメータ23,…,23からのパケットをパケット収集期間内に受信した場合、受信したパケットに含まれる検針値のデータ、及びパケットの送信元アドレス(メータID)を記憶部301に記憶する(ステップS403b,…,S403n)。
パケット収集期間が終了した場合、ゲートウェイ無線機30の制御部300は、パケット収集期間内に記憶部301に記憶した各メータ23からの検針値を含む一括パケットを生成する(ステップS404)。
ゲートウェイ無線機30は、ステップS404で一括パケットを生成した後、センタ10への発呼を行い(ステップS405)、センタ10とのセッションを開始させる。ゲートウェイ無線機30は、センタ10とのセッションを開始させた後、ステップS404で生成した一括パケットを広域無線通信部302を通じてセンタ10へ送信する(ステップS406)。一括パケットを送信した後、ゲートウェイ無線機30は、センタ10とのセッションを終了させる。
センタ10は、受信した一括パケットから各メータ23のメータID及び検針値を取り出し、各メータ23の検針値を記憶装置(不図示)に記憶させる(ステップS407)。
以上のように、実施の形態4では、ゲートウェイ無線機30が各メータ23,23,…,23から送信される検針パケットをパケット収集期間に受信した場合、個別にセンタ10へ送信することなく、各パケットに含まれる検針値のデータを記憶部301に記憶させる。また、ゲートウェイ無線機30は、パケット収集期間の終了後に、各検針値を含む一括パケットを生成してセンタ10へ送信する。
よって、本願の無線テレメータシステムでは、端末側からセンタ側への発呼回数を減らすことができ、センタ10及びゲートウェイ無線機30の通信負荷を低減することが可能となる。また、本願の無線テレメータシステムでは、パケット収集期間に各メータ23,23,…,23から送信されるパケットをゲートウェイ無線機30が受信した際、一部の内容が重複するパケットをその都度センタ10へ送信する必要がないため、通信データ量及び通信時間を低減することができる。
また、実施の形態4では、ゲートウェイ無線機30がNCUの機能を備えており、メータID及び無線機番号の関連付け、並びに、各メータ23,23,…,23から取得した検針値を1つのメータ管理テーブルにより管理することができるので、NCU20及びゲートウェイ無線機21の双方がメータ管理テーブルを備える実施の形態1の構成と比較し、全体としてメモリ使用量を低減することができる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
本願の無線テレメータシステムは、メータ(23)が接続される複数の無線機(22)、及び、該複数の無線機(22)と無線網(N2)を介して通信可能であると共に、前記無線網(N2)とは異なる通信網(N1)に接続された通信装置(10)と通信可能である中継装置(20,21)を備え、前記無線機(22)に接続されたメータ(23)より送信され、該メータ(23)による計測結果及び該メータ(23)の識別子を含む前記通信装置(10)宛のパケットを、1又は複数の無線機(22)及び前記中継装置(20,21)が中継する無線テレメータシステムにおいて、前記中継装置(20,21)は、設定した期間内に前記パケットを受信した場合、受信したパケットに含まれる計測結果を前記メータ(23)の識別子に関連付けて記憶する記憶部(201)と、前記期間が終了した場合、前記記憶部(201)に記憶された各メータ(23)の計測結果及び識別子を含む一のパケットを生成する生成部(200)と、生成したパケットを前記通信装置(10)へ送信する送信部(202)とを備えることを特徴とする。
本願では、中継装置が各メータから送信されるパケットを予め設定した期間内に受信した場合、個別に通信装置へ送信することなく、各パケットに含まれる計測結果を記憶部に記憶させる。また、期間終了後に、中継装置は、記憶した各計測結果を含む一のパケットを生成して通信装置へ送信する。
よって、中継装置から通信装置への発呼回数を減らすことができ、中継装置及び通信装置の通信負荷を低減することが可能となる。また、期間内に各メータから送信されるパケットを中継装置が受信した際、一部の内容が重複するパケットをその都度通信装置へ送信する必要がないため、通信データ量及び通信時間を低減することができる。
本願の無線テレメータシステムは、前記中継装置(20,21)は、各メータ(23)による計測結果の送信条件を設定する際に前記通信装置(10)が各メータ(23)へ送信する設定情報を参照して、前記期間を設定する設定部(200)を備えることを特徴とする。
本願では、通信装置から各メータ宛に送信される設定情報を中継装置が中継する際に、設定情報に含まれる送信条件を参照することによって、パケットを収集すべき期間を決定することができる。
本願の無線テレメータシステムは、前記中継装置(20,21)は、各メータ(23)から送信される前記通信装置(10)宛のパケットを前記期間内に受信した場合、前記パケットが前記通信装置(10)に到達したことを表すダミー応答を前記メータ(23)へ返信する返信部(203)を備えることを特徴とする。
本願では、中継装置が期間内にメータから送信されるパケットを受信する都度、ダミー応答を返信するので、パケットの不達に伴うパケットの再送を防止することができる。
本願の無線テレメータシステムは、前記中継装置(20,21)は、前記無線網(N2)を介して前記複数の無線機(22)と通信するゲートウェイ無線機(21)と、該ゲートウェイ無線機(21)に接続されると共に、前記通信網(N1)を介して前記通信装置(10)と通信する網制御装置(20)とを含むことを特徴とする。
本願では、ゲートウェイ無線機及び網制御装置が別体となった中継装置を用いて、期間内に各メータから送信されるパケットを収集し、期間終了後に計測結果を纏めた一のパケットを通信装置へ送信することができる。
本願の中継装置は、メータ(23)が接続される複数の無線機(22)と無線網(N2)を介して通信可能であると共に、前記無線網(N2)とは異なる通信網(N1)に接続された通信装置(10)と通信可能であり、前記無線機(22)に接続されたメータ(23)より送信され、該メータ(23)による計測結果及び該メータ(23)の識別子を含む前記通信装置(10)宛のパケットを中継する中継装置において、設定した期間内に前記パケットを受信した場合、受信したパケットに含まれる計測結果を前記メータ(23)の識別子に関連付けて記憶する記憶部(301)と、前記期間が終了した場合、前記記憶部(301)に記憶された各メータ(23)の計測結果及び識別子を含む一のパケットを生成する生成部(300)と、生成したパケットを前記通信装置(10)へ送信する送信部(302)とを備えることを特徴とする。
本願では、中継装置が各メータから送信されるパケットを予め設定した期間内に受信した場合、個別に通信装置へ送信することなく、各パケットに含まれる計測結果を記憶部に記憶させる。また、期間終了後に、中継装置は、記憶した各計測結果を含む一のパケットを生成して通信装置へ送信する。
よって、中継装置から通信装置への発呼回数を減らすことができ、中継装置及び通信装置の通信負荷を低減することが可能となる。また、期間内に各メータから送信されるパケットを中継装置が受信した際、一部の内容が重複するパケットをその都度通信装置へ送信する必要がないため、通信データ量及び通信時間を低減することができる。