JP6958456B2 - 電力変換装置及び最大電力点追従制御方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
なお、「値域」とは、電流の値域又は電圧の値域である。
このような手法により、制御部は、値域の他方側から最大電力点にアプローチすることができる。
この場合、確実に値域の他方側にジャンプし、第2の電力点を探すことができる。
このようにすれば、2つの電力点のうち、常に、電力の大きい方を選択することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換装置について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態に登場する数値はいずれも一例に過ぎず、記載した値に限定される訳ではない。
図1は、電力変換装置1(パワーコンディショナ)を中心とした回路図である。図において、電力変換装置1は、太陽光発電パネル2と、交流電路3との間に設けられている。交流電路3は、商用電力系統4と接続されている。また、電力変換装置1は、蓄電池5と接続されている。
また例えば夜間には、蓄電池5を放電させることにより、交流電路3に接続されている需要家の負荷への給電を行うことができる。
ここで、インバータ9と共に電力変換部を構成するDC/DCコンバータ6は、制御部24の制御により、最大電力点追従制御(MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御)を行う。MPPT制御を行うことにより、太陽からの日射の状況によって発電量が変動する太陽光発電パネル2から、その時点での最大電力を引き出すことができる。
図3は、電力変換装置1に入力可能な電力上限を選択するフローチャートである。この処理は、制御部24により、MPPT制御の実行周期よりも長い周期で実行される。図3において、電圧センサ22(図1)により検出される太陽光発電パネル2の発電電圧を、「PV電圧」と表現する。
図3のフローチャートの処理により、図2に示す入力電力の上限(点線)が設定されている。
図2に戻り、発電電力の曲線を「山」に例えると、MPPT制御は、山登り法とも言われている。例えば、発電電力の曲線の最も電圧の高い末端近傍(この例では約430V)から最大電力点を目指して電圧を徐々に低下させ、山登りする。1ステップ分の電圧を下げる前と下げた後とで、電力を互いに比較し、電力が増加から減少に転じると電圧を変化させる方向を逆(上昇)にする。このような探索を繰り返し行うことで、最大電力点に追従する制御を行うことができる。
図2と同様に、太陽光発電パネル2から引き出せる電力は、この出力曲線上の値となり、出力曲線上にない値をとることはできない。
次に、反転機能付きのMPPT制御を、電流ステップによる制御を例に説明する。
図6〜図8は、反転機能付きのMPPT制御の一例を示すフローチャートであり、一つのフローチャートを、図示の便宜上3枚の図面で表している。図6の「X」は、図7の「X」のところへ繋がっている。図7の「Y」、「Z」はそれぞれ、図8の「Y」、「Z」に繋がっている。
この場合、ステップS11において制御部24はMPPT反転フラグが0(図3のステップSp12)であるから、判定は「No」となり、図8のステップS31に進む。ステップS31において、MPPT反転フラグは2ではないとすると、処理は図7のステップS17に飛び、電流指令値の決定及び、スイッチングのデューティ比の更新(ステップS18)が行われる。
開放点(図5の出力曲線の左端)近傍からMPPT制御により山登りしているとき、ステップS11においてMPPT反転フラグが1であれば、制御部24は、現在の電力が電力上限(すなわちA点)か否かを判定する(ステップS12)。ここでは「Yes」であり、現在の電力が反転前の電力Bより小さいか否かを判定する(ステップS13)。ここでも「Yes」であり、制御部24は、反転前のA点の電力を記憶し(ステップS14)、暫定的に、電圧指令値を50V(最低値)に設定し(ステップS15)、電流指令値を10.75A(最大値)に設定する(ステップS16)。
この場合、ステップS11において「Yes」、ステップS12において「No」、ステップS22において、現在のPV電圧が100V未満であるか否かを判定し「No」となる。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。なお、短絡点とは、図5の出力曲線の右端である。
この場合、ステップS11において「Yes」、ステップS12において「No」、ステップS22において「Yes」となり、制御部24は、MPPT反転フラグを2に設定する(ステップS23)。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
この場合、ステップS11,S12においていずれも「Yes」、ステップS13において「No」となる。制御部24は自動反転カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS19)、自動反転カウンタが100を超えなければ(ステップS20の「No」)、以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
この場合、ステップS11,S12においていずれも「Yes」、ステップS13において「No」となる。制御部24は自動反転カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS19)、自動反転カウンタが100を超えると(ステップS20の「Yes」)、自動反転カウンタをリセットして(ステップS21)、制御部24は、反転前のA点の電力を記憶し(ステップS14)、暫定的に、電圧指令値を50V(最低値)に設定し(ステップS15)、電流指令値を10.75A(最大値)に設定する(ステップS16)。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
短絡点(図5の出力曲線の右端)近傍からMPPT制御により山登りしているとき、ステップS11においてMPPT反転フラグが0であれば、制御部24は、現在の電力が電力上限(すなわちB点)か否かを判定する(ステップS32)。ここでは「Yes」であり、現在の電力が反転前の電力Aより小さいか否かを判定する(ステップS33)。ここでも「Yes」であり、制御部24は、反転前のB点の電力を記憶し(ステップS34)、暫定的に、電圧指令値を450V(最高値)に設定し(ステップS35)、電流指令値を0A(最小値)に設定する(ステップS36)。
この場合、ステップS11において「No」、ステップS31において「Yes」、ステップS32において「No」、ステップS42において、現在のPV電圧が400Vより大きいか否かを判定し「No」となる。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
この場合、ステップS11において「No」、ステップS31において「Yes」、ステップS32において「No」、ステップS42において「Yes」となり、制御部24は、MPPT反転フラグを1に設定する(ステップS43)。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
この場合、ステップS11,S31,S32においていずれも「Yes」、ステップS33において「No」となる。制御部24は自動反転カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS39)、自動反転カウンタが100を超えなければ(ステップS40の「No」)、以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
この場合、ステップS11,S31,S32においていずれも「Yes」、ステップS33において「No」となる。制御部24は自動反転カウンタをインクリメント(+1)し(ステップS39)、自動反転カウンタが100を超えると(ステップS40の「Yes」)、自動反転カウンタをリセットして(ステップS41)、制御部24は、反転前のB点の電力を記憶し(ステップS34)、暫定的に、電圧指令値を450V(最高値)に設定し(ステップS35)、電流指令値を0A(最小値)に設定する(ステップS36)。以下、電流指令値の決定(ステップS17)、及び、スイッチングのデューティ比の更新が行われる(ステップS18)。
図7,図8に例示したようなフローチャートにおけるMPPT制御の反転機能は、以下のようにも説明できる。すなわち、電流ステップのMPPT制御では、図5の発電電力の出力曲線上を、例えば電流の低値側から山登りして最大電力点にアプローチするが、電力変換装置1に入力可能な電力上限の特性に阻まれてA点止まりとなることがある。その場合、制御部24は、電流指令値を最大値として(但し、実際には実線上の電流しか流れない。)電流の値域の反対側すなわち山の反対側から最大電力点にアプローチしてB点に到達する。
図7,図8に示したような反転機能を持つMPPT制御を制御部24が実行することにより、太陽光発電パネル2の出力曲線における電圧又は電流の値域のいずれか一方側から最大電力点にアプローチしている途中で、電力変換装置1に入力可能な電力上限の特性による制約を受ける第1の電力点(A点又はB点)に到達した場合、電圧又は電流の値域の範囲内で他方側から最大電力点にアプローチして第1の電力点とは異なる第2の電力点(B点又はA点)を探索することができる。
なお、上記実施形態の電力変換装置1は、商用電力系統に系統連系するパワーコンディショナであるが、系統連系しないスタンドアローンの太陽光発電システムにおける電力変換装置であっても、上記の反転機能付きのMPPT制御を適用することができる。但し、負荷が接続された状態でなければ電流が流れないので、スタンドアローンの場合は、電力変換装置が太陽光発電パネルから引き出そうとする電流を自在に流してくれる負荷が必要となる。系統連系して逆潮している場合は、商用電力系統が一種の負荷となるので、電流はどのようにでも引き出すことができる。
すなわち、電力変換装置には、電力を引き込む負荷が接続されていることが必要である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2 太陽光発電パネル
3 交流電路
4 商用電力系統
5 蓄電池
6,7 DC/DCコンバータ
8 DCバス
9 インバータ
11 直流側コンデンサ
12 DCリアクトル
13 ダイオード
14 中間コンデンサ
15 直流側コンデンサ
16 DCリアクトル
17,18,19 ACリアクトル
20,21 交流側コンデンサ
22 電圧センサ
23 電流センサ
24 制御部
Q1〜Q9 スイッチング素子
Claims (5)
- 太陽光発電パネルと、電力を引き込む負荷との間に設けられる電力変換装置であって、
前記太陽光発電パネルから電力を取り出す電力変換部と、
前記電力変換部を制御して最大電力点追従制御を行う機能を有し、当該電力変換装置に入力可能な電力上限の特性を把握している制御部と、を備え、
前記制御部は、前記最大電力点追従制御において、前記太陽光発電パネルの出力曲線における値域の一方側から最大電力点にアプローチしている途中で前記特性による制約を受ける第1の電力点に到達した場合、前記値域の範囲内で前記値域の他方側から前記最大電力点にアプローチして前記第1の電力点とは異なる第2の電力点を探索する、電力変換装置。 - 前記制御部は、前記最大電力点追従制御における電力点が、前記第1の電力点に到達した場合、前記値域内で電圧又は電流を所定量変化させて、前記出力曲線上で、直前の電力点からは不連続となる他の電力点に移動する制御を行う、請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記最大電力点追従制御における電力点が、前記第1の電力点に到達した場合、電圧又は電流を前記値域の反対側の末端近傍まで変化させる、請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記最大電力点追従制御における電力点が、前記第1の電力点及びその電力を記憶した後前記第2の電力点に移動し、前記第2の電力点の電力が前記第1の電力点より大きい場合は制御上で前記第2の電力点にとどまり、逆に、前記第2の電力点の電力が前記第1の電力点より小さい場合は制御上で前記第1の電力点に戻る、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 太陽光発電パネルと、電力を引き込む負荷との間に設けられる電力変換装置における、最大電力点追従制御方法であって、
前記太陽光発電パネルから電力を取り出す電力変換部を制御して最大電力点追従制御を行い、
前記最大電力点追従制御において、前記太陽光発電パネルの出力曲線における値域のいずれか一方側から最大電力点にアプローチしている途中で、当該電力変換装置に入力可能な電力上限の特性による制約を受ける第1の電力点に到達した場合、前記値域の範囲内で前記値域の他方側から前記最大電力点にアプローチして前記第1の電力点とは異なる第2の電力点を探索する、
最大電力点追従制御方法。
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