JP6958435B2 - 塗布ヘッドおよび塗膜付きウェブの製造方法 - Google Patents

塗布ヘッドおよび塗膜付きウェブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェブの両面に対して塗膜を形成するための塗布ヘッド、その塗布ヘッドを用いた塗膜付きウェブの製造方法に関する。
ウェブの両面に塗膜を形成する方法として、ウェブを挟んで両側にロール、ナイフ、スリットダイといった塗布ヘッドを配置してウェブに塗液を塗布する方法が知られており、その塗布方法は、塗布する塗液の組成や粘度、目的とする塗膜の厚みや精度によって適切に選択される。
ウェブの両面に塗膜を塗布する塗布ヘッドとして、特許文献1には、ウェブが貯液部に溜まる塗液中を通過した後、二本水平に間隔を設けて設置した計量部の間を通過させて塗膜を形成する塗布ヘッドが開示されており、ウェブの両面に対してウェブ全幅で一括塗布できることから、好適に用いられる。
ウェブは、小型化、軽量化など高機能化のために、厚みが10μmを下回るような薄膜品の需要が増している。塗布や搬送にとって不利な条件となる薄膜のウェブを、歩留まり良く高速で塗布を行い、生産性向上を図ることが急務である。
特開2011−12266号公報
特許文献1の塗布ヘッドは、ウェブが塗布ヘッドの上方から連続して貯液部に溜まる塗液に浸漬し、塗液中を通過した後、二本水平に間隔を設けて設置した計量部の間を通過するので、貯液内に溜まる塗液は、ウェブの搬送により常時渦ができた状態にあり、貯液部内の塗液の表面では、貯液部の壁面からウェブに向かう流れが生じている。そのため、塗布ヘッド内のウェブの端部には、塗液表面に浸漬した時点で、塗布ヘッドの幅方向の両端に位置する貯液部の壁面からウェブの端部に向かう流れが作用する。
一般的に、ウェブの剛性は厚みが薄くなるに従って低くなるため、特に剛性が低い薄膜のウェブの端部では、上記のウェブの端部に向かう流れによりカールや折れが発生する。
また、塗布速度が速いと、貯液部内の塗液表面の流れも速くなることから、ウェブ端部のカールや折れは、さらに顕著となる。
ウェブ端部にカールや折れが発生すると、搬送中の蛇行やシワの原因となると共に、巻き取ったロールにおいてエッジ部にヘリ高が生じて巻姿不良となり、安定した生産ができない。
特に折れが発生すると、二本水平に間隔を設けて設置した計量部の間を通過する際に、折れた箇所が計量部に引っ掛かることが多分にあり、その結果、ウェブが計量部で破膜し、生産を中断しなければならない、
そこで本発明の目的は、貯液部内でウェブの端部にカールや折れの発生させない塗布ヘッドおよび、この塗布ヘッドを用いた塗膜付きウェブの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の第1の塗布ヘッドは、搬送されるウェブの両面に塗液を塗布する塗布ヘッドであって、
搬送されるウェブを導入するための開口がウェブ搬送方向上流側にある、塗液を貯めるための貯液部と、
前記貯液部よりもウェブ搬送方向下流側にあって、貯液部内を搬送された前記ウェブが通過するウェブ幅方向が長手方向であるスリットを形成し、このスリットの間隔を調整することでウェブの両面に塗布される塗液の量を調整する計量部と、
前記ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の間隔をあけて、前記貯液部内に設けられた遮蔽部材であって、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた遮蔽部材と、を備えている。
上記課題を解決する本発明の第1の塗布ヘッドは、搬送されるウェブの両面に塗液を塗布する塗布ヘッドであって、
搬送されるウェブを導入するための開口がウェブ搬送方向上流側にある、塗液を貯めるための貯液部と、
前記貯液部よりもウェブ搬送方向下流側にあって、貯液部内を搬送された前記ウェブが通過するウェブ幅方向が長手方向であるスリットを形成し、このスリットの間隔を調整することでウェブの両面に塗布される塗液の量を調整する計量部と、
前記ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部の近傍に、ウェブの走行面を含む面からそれぞれ所定の間隔をあけてウェブの走行面を含む面を挟んで対向するように、前記貯液部内に設けられた遮蔽部材であって、ウェブの走行面に平行な面を有し、この平行な面がウェブの走行面を含む面に対向しており、この平行な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた遮蔽部材と、を備えている。
本発明の第2の塗布ヘッドは、前記ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する前記遮蔽部材が、その一部がウェブ走行面に面している、ことが好ましい。
本発明の第2の塗布ヘッドは、前記ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する前記遮蔽部材の間に、ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の間隔をあけて設けられ、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた第2の遮蔽部材を有する、ことが好ましい。
本発明の塗膜付きウェブの製造方法は、本発明の第1または第2の塗布ヘッドを用い、
ウェブを、前記貯液部の前記開口から挿入し、貯液部に貯められた塗液の中を搬送させ、前記計量部の前記スリットを通過させて、計量部で計量された所定の量の塗液をウェブの両面に塗布し、ウェブの両面に塗膜を形成する塗膜付きウェブの製造方法であって、
前記ウェブが前記塗液中を搬送される際に、ウェブの両端部の位置よりもウェブ幅方向外側にある塗液がウェブの端部に向かう流れを、前記遮蔽部材で遮蔽 してウェブの両面に塗膜を形成する。
本発明の別態様の塗膜付きウェブの製造方法は、前記第2の遮蔽部材を有する本発明の第2の塗布ヘッドを用い、
ウェブを、前記貯液部の前記開口から挿入し、貯液部に貯められた塗液の中を搬送させ、前記計量部の前記スリットを通過させて、計量部で計量された所定の量の塗液をウェブの両面に塗布し、ウェブの両面に塗膜を形成する塗膜付きウェブの製造方法であって、
前記ウェブが前記塗液中を搬送される際に、ウェブの両端部の位置よりもウェブ幅方向外側にある塗液がウェブの端部に向かう流れを、前記遮蔽部材および前記第2の遮蔽部材で遮蔽 してウェブの両面に塗膜を形成する。
本発明において、「ウェブの走行面」とは、実際にウェブを搬送させた際に、塗布ヘッド内をウェブが走行する位置に対応する仮想的な面である。
本発明の塗布ヘッドによれば、薄膜のウェブに高速塗布する時においても、ウェブ端部でカールや折れが発生しないので、安定した搬送と塗布が可能となり、高品位な塗膜付きウェブを製造することが可能となる。
図1は、本発明の第1の塗布ヘッドの概略斜視図である。 図2は、図1の塗布ヘッドの上面図である。 図3は、図2のA1−A1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。 図4は、図3のA2−A2線に対応する塗布ヘッドの側面断面図である。 図5は、従来の塗布ヘッドの上面図である。 図6は、図5のB1−B1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。 図7は、図6のB2−B2線に対応する塗布ヘッドの側面断面図である。 図8は、本発明の第2の塗布ヘッドの上面図である。 図9は、図8のC1−C1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。 図10は、図8の塗布ヘッドで遮蔽部材9をより幅方向内側の位置に配設した態様の上面図である。 図11は、図10のD1−D1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。 図12は、図10の塗布ヘッドでウェブが右方向へ蛇行した状態を表した上面図である。 図13は、第2の遮蔽部材16を備えた本発明の第2の塗布ヘッドの上面図である。 図14は、図13のE1−E1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。
本発明の塗布ヘッドと塗膜付きウェブの製造方法について、望ましい実施の形態について図面を参照して説明する。但し、本発明は図面に示された形態に限定されるものではない。
[第1の塗布ヘッド]
図1に、本発明の第1の塗布ヘッドの概略斜視図を示す。図2に、図1の塗布ヘッドの上面図を示す。図3に、図2のA1−A1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図を示す。図4に、図3のA2−A2線に対応する塗布ヘッドの側面断面図を示す。
図1および図4に示すように、本発明の第1の塗布ヘッド2aは、貯液部6と計量部11とを備えている。
図1および図4に示すように、貯液部6は、ヘッド部材A4、ヘッド部材B3および側板5、5’で周囲を囲われて形成されている。この貯液部6に塗液7が貯留される。
図4に示すように、ヘッド部材A4とヘッド部材B3とが、隙間を空けて互いに対向するように配設され、ウェブ1の幅方向が長手方向であるスリット12が形成されている。このスリット12の間隔を調整することで、ウェブ1の両面に塗布される塗膜の量が調整できる。このスリット12が形成されている部分が計量部11となる。
塗布ヘッド2aを用いた塗布は、塗布ヘッド2aの貯液部6の上流側に位置する開口10からウェブ1を導入して下方に向かって搬送させ、このときに貯液部6に貯留する塗液7にウェブ1を浸漬することでウェブ1の全幅に塗液7を接触させて、所定量を計量する計量部11を通過して塗液7を計量することで行う。
貯液部6に貯留した塗液7は、塗布によりその量が減っていくので、貯液部6に塗液7を供給するよう、供給管(図示せず)を設けて、貯液部6の塗液7の液量が略一定に保たれるようにすることが好ましい。
遮蔽部材9aは、ヘッド部材A4から金具8により支持され、ウェブ1が塗布ヘッド2内で走行する位置であるウェブ走行面の両端部近傍に配設される。さらに、遮蔽部材9aは、一部が塗液7に浸かるように配設される。
金具8の位置や形状は特に限定するものではないが、ヘッド部材A4またはヘッド部材B3いずれか一方に取り付けることが好ましい。スリット12の間隔を変更して計量部11を調整する際、ヘッド部材A4に対してヘッド部材B3を相対的に移動させるので、金具8がヘッド部材A4とヘッド部材B3に跨がって取り付けられていない方がよい。
遮蔽部材9aについて、本発明の第1の塗布ヘッドと、従来の塗布ヘッド内部の塗液7の流れを比較しながら説明する。
図5に、従来の塗布ヘッドの上面図を示す。図6に、図5のB1−B1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図を示す。図7に、図6のB2−B2線に対応する塗布ヘッドの側面断面図を示す。
図5に示す従来の塗布ヘッド2c内の塗液7の流れは、側面から見ると図7のようにウェブ1が上方から下方に向かって搬送されることにより、矢印で示す向きに渦を巻いて流れている。
また、塗布ヘッドの幅方向端部では、図5および図6に示すように、貯液部6の壁面からウェブ1に向かって流れが生じている。
したがって、ウェブ1の剛性が低い場合、塗布ヘッド2cの幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部へ向かう流れが作用し、ウェブ1が塗液7の表面に浸漬した時点で、ウェブ1の端部が流れに押されて、ウェブ端部にカールや折れ14が発生する。
ここで、特に重要なことは、ウェブ1が塗液7に浸漬した部分を起点として、カールや折れ14が発生することである。つまり、塗液7表面の流れがウェブ端部を押すことが、カールや折れ14の原因となっている。
したがって、塗布速度が速いと、塗液7表面の流れも速くなることから、ウェブ端部のカールや折れ14はさらに顕著となる。
ウェブ1の厚みに関わらず、ウェブ1が塗液7に浸漬するまでのフリースパンが長い場合、ウェブ搬送方向におけるウェブの支持間距離が離れているため、ウェブ端部は僅かな外乱の影響を受けやすい。したがって、ウェブ1は塗液表面の流れの影響を受けやすくなるため、ウェブ端部のカールや折れ14がより発生しやすくなる。
また、ウェブ1が製膜された時の熱履歴や、スリットされた時に生じた端部の残留歪みなどにより、ウェブ1自身が僅かな外力で容易にカールしやすい状態である場合も多い。

このようなことから、カールや折れ14は、ウェブ1の両端部で生じる場合もあれば、片端部だけで生じる場合もある。
一方、図2に示す本発明の第1の塗布ヘッド2aでは、遮蔽部材9aが、ウェブ1の走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の幅方向間隔13をあけて、貯液部6内に設けられている。
遮蔽部材9aは、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部6の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部6内に貯められる塗液7に浸かるように配設される。
このような構成とすることで、図2と図3に示すように、塗液7の表面において、塗布ヘッド2aの幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れが、遮蔽部材9aによって遮断される。さらに、遮蔽部材9aの垂直な面が内側を向くことにより、遮蔽部材9aを回り込む流れがウェブ1の端部へ作用することを抑制できるので、ウェブ1端部にカールや折れが生じなくなる。遮蔽部9aの貯液部6の内側を向いている面が垂直面ではなく、内側に向かって凸となった面であると、遮蔽部材9aを回り込む流れが発生するため、ウェブ1端部にカールや折れが生じる懸念がある。
遮蔽部材9aの貯液部6の内側に向いている垂直な面の大きさは、カールや折れが生じないよう、塗布ヘッド2aの幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられる大きさであれば、小さい方が好ましい。垂直な面の面積が小さいほど、遮蔽部材9aを境として貯液部6の両端部付近で塗液7が滞留することを防止できる。
垂直な面の面積は、塗液7の粘度、ウェブ1の搬送速度、貯液部6のサイズなどによって適宜決定することが好ましいが、目安としては、開口10の面積に対して最大でも1/2程度とすれば、カールや折れの防止と滞留防止を両立できる場合が多い。
遮蔽部材9aを塗液7に浸ける深さは、塗布ヘッド2aの幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられるよう、塗液7の粘度、ウェブ1の搬送速度、貯液部6のサイズ、および、塗布による塗液の消費や塗液の供給による液面の変化を考慮して、適宜決定することが好ましい。
ウェブ幅方向の両端部から遮蔽部材9aまでの幅方向間隔13は、ウェブ1が蛇行により遮蔽部材9aへ接触しない範囲で狭い方が、遮蔽部材9aの貯液部6の内側に向いている垂直な面からウェブ1の端部に向かう流れを減らせるので好ましい。
遮蔽部材9aの形状は、塗布ヘッド2aの幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられるよう、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有することができるならば、ブロック状や板状などいかなる形状であってもよいが、製作の簡便さや、塗液に接触する部分であり、清浄に保つことが要求されることから、洗浄作業が容易な板状であることが好ましい。
遮蔽部材9aの材質は、特に限定するものではないが、ウェブ1との接触を懸念するならば樹脂製とすることでウェブ1への傷付きや破膜を抑制することができるので好ましい。塗液7が溶剤を含む場合は、ポリテトラフルオロエチレンなど耐溶剤性の樹脂を用いることが好ましい。
[第2の塗布ヘッド]
本発明の第2の塗布ヘッドについて、図8、図9を用いて説明する。図8は、本発明の第2の塗布ヘッドの上面図を示す。図9は、図8のC1−C1線に対応する正面左半分断面図である。
遮蔽部材9bは、ウェブ1が塗布ヘッド2b内で走行する位置であるウェブ走行面のウェブ幅方向の両端部の近傍に、ウェブの走行面を含む面からそれぞれ所定の対向間隔15をあけてウェブの走行面を含む面を挟んで対向するように、貯液部6内に設けられている。遮蔽部材9bは、ウェブ走行面を含んでいる仮想的な面を挟んで対向していればよく、ウェブ走行面に面していなくともよい。
遮蔽部材9bは、ウェブの走行面に平行な面を有し、この平行な面がウェブの走行面を含む面に対向しており、この平行な面の少なくとも一部が貯液部6内に貯められる塗液7に浸かるように配設される。
遮蔽部材9bがウェブの走行面に平行な面を有し、この平行な面がウェブの走行面を含む面に対向することにより、対向間隔15の中は、遮蔽部材9bが形成する平行平面間の流れとなり、周囲より流動抵抗が高くなる。そのため、塗布ヘッド2の幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れが遅くなり、ウェブ端部に作用してカールや折れを生じさせるまでの力が発生しない。
その一方で、遮蔽部材9bの対向間隔15の中に存在する塗液7は、その流れは遅いながらも流動しているので、滞留が生じづらく、コンタミによる塗布不良は起きにくくなる。
また、対向する遮蔽部材9bは、ウェブの走行面をウェブ幅方向外側に延長した位置が、対向間隔15の間となるように設けられているため、ウェブ1に蛇行が生じても、遮蔽部材9bに接触することがない。
遮蔽部材9bは、カールや折れを生じさせないために、塗布ヘッド2bの幅方向両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられるよう、対向間隔15を狭くしたり、遮蔽部材9bの幅方向長さを長くして流動抵抗を増した方が好ましいが、塗液7の粘度、ウェブ1の搬送速度、貯液部6のサイズなども考慮し、適宜決定すればよい。
また、遮蔽部材9bを塗液7に浸ける深さは、塗布ヘッド2bの幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられるよう、塗液7の粘度、ウェブ1の搬送速度、貯液部6のサイズ、および、塗布による塗液の消費や塗液の供給による液面の変化を考慮して、適宜決定することが好ましい。
また、ウェブ幅方向の両端部から遮蔽部材9bまでの幅方向間隔13は、狭い方が、塗布ヘッド2の幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れの中で、図8に示す斜め矢印の流れの影響を受け難くなるので好ましい。
図10は、図8の塗布ヘッド2bで、遮蔽部材9bを塗布ヘッド2bのより幅方向内側の位置に配設した場合の上面図である。図11は、図10のD1−D1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。図12は、図10の塗布ヘッドでウェブが塗布ヘッド2の幅方向右側へ蛇行した状態を表した上面図である。
ウェブ1の蛇行量が大きい場合は、図10に示すように、ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する遮蔽部材9bが、その一部がウェブ走行面に面するように配設することで、ウェブ1の端部と遮蔽部材9bが重なっている状態にあることが好ましい。
ウェブ1が図10に示した状態からから図12に示すように蛇行した場合、図12に示すウェブ幅方向右側では、ウェブ1と遮蔽部材9bとの重なり量が増えていく。このとき、塗布ヘッド2の幅方向の右端に位置する貯液部6の壁面(側板5’の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れの抑制は維持しつつも、ウェブ1が遮蔽部材9bと接触するようなことはない。
一方、ウェブ幅方向左側は、ウェブ1の端部が遮蔽部材9bから外れて重なっていない状態となるが、この状態であっても、前述した図8に示した塗布ヘッドと同様の状態にある。そのため、塗布ヘッド2bの幅方向の左端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れの抑制は維持できており、ウェブ1の両端部でカールや折れは生じない。
重なり量は、蛇行量や、塗布ヘッド2bの幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑制できる幅方向間隔13の最大値や、遮蔽部材9bの幅方向長さをもとに、適宜決定することが好ましい。
図13は、第2の塗布ヘッドのさらに別の実施形態を示した上面図である。図14は、図13のE1−E1線に対応する塗布ヘッドの正面左半分断面図である。
塗液7の粘度やウェブ1の搬送速度によって、塗液7表面の流れが極めて速く、カールや折れが生じる懸念が高まる場合は、ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する遮蔽部材9bの間に第2の遮蔽部材16を有することが好ましい。第2の遮蔽部材16は、ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の幅方向間隔13’をあけて設けられており、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部6の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部7内に貯められる塗液7に浸かっている。
第2の遮蔽部材16は、塗布ヘッド2bの幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを確実に遮断するので、ウェブ1の両端部においてカールや折れが生じない。
第2の遮蔽部材16を塗液7に浸ける深さは、塗布ヘッド2bの幅方向の両端に位置する貯液部6の壁面(側板5の接液面)からウェブ1の端部に向かう流れを抑えられるよう、塗液7の粘度、ウェブ1の搬送速度、貯液部6のサイズ、および、塗布による塗液の消費や塗液の供給による液面の変化を考慮して、適宜決定することが好ましい。
以上より、本発明の塗布ヘッドを使用すれば、ウェブの端部で、カールや折れが生じない安定した塗布が可能となり、ウェブの広幅化や薄膜化、高速塗布時においても、端部でカールや折れが発生しないので、安定した搬送状態と良好な巻姿を得られることから高品位な塗膜付きウェブを製造することが可能となる。
<実施例1>
図2に示す塗布ヘッド2aを用い、厚み10μm×幅300mmのプラスチックフィルムに、計量部のスリット間隔50μm、塗布速度30m/minで塗布を行った。
遮蔽部材9aは、厚み2mm×15mm×15mmのポリテトラフルオロエチレン製板をウェブ端部から幅方向間隔10mmの位置に設置し、液面には10mm浸した。
塗布スタートから、カールや折れ無く安定した塗布を行うことができた。
<実施例2>
図8に示す塗布ヘッド2bを用い、塗布条件は実施例1と同様にした。
遮蔽部材9bは、厚み2mm×15mm×15mmのポリテトラフルオロエチレン製板を対向間隔3mm、ウェブ端面から幅方向間隔5mmの位置に設置し、液面には10mm浸した。
塗布スタートから、カールや折れ無く安定した塗布を行うことができた。
<比較例1>
図5に示す塗布ヘッド2cを用い、塗布条件は実施例1と同様にした。
塗布をスタートし、塗布速度30m/minまでの増速の過程で、塗布ヘッド幅方向端部の塗液がウェブ端部に向いて流動を始めると同時にカールが発生し、塗布速度30m/minに到達する直前で、折れへと推移した。
本発明は、両面に同時に塗膜を付けた紙や金属薄膜、フィルム、布などのウェブの製造に適用できるが、これに限られるものではない。
1 ウェブ
2a、2a’、2b、2c 塗布ヘッド
3 ヘッド部材B
4 ヘッド部材A
5、5’ 側板
6 貯液部
7 塗液
8 金具
9a、9b 遮蔽部材
10 開口
11 計量部
12 スリット
13、13’ 幅方向間隔
14 カール、折れ
15 対向間隔
16 第2の遮蔽部材

Claims (6)

  1. 搬送されるウェブの両面に塗液を塗布する塗布ヘッドであって、
    搬送されるウェブを導入するための開口がウェブ搬送方向上流側にある、塗液を貯めるための貯液部と、
    前記貯液部よりもウェブ搬送方向下流側にあって、貯液部内を搬送された前記ウェブが通過するウェブ幅方向が長手方向であるスリットを形成し、このスリットの間隔を調整することでウェブの両面に塗布される塗液の量を調整する計量部と、
    前記ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の間隔をあけて、前記貯液部内に設けられた遮蔽部材であって、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた遮蔽部材と、を備えた塗布ヘッド。
  2. 搬送されるウェブの両面に塗液を塗布する塗布ヘッドであって、
    搬送されるウェブを導入するための開口がウェブ搬送方向上流側にある、塗液を貯めるための貯液部と、
    前記貯液部よりもウェブ搬送方向下流側にあって、貯液部内を搬送された前記ウェブが通過するウェブ幅方向が長手方向であるスリットを形成し、このスリットの間隔を調整することでウェブの両面に塗布される塗液の量を調整する計量部と、
    前記ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部の近傍に、ウェブの走行面を含む面からそれぞれ所定の間隔をあけてウェブの走行面を含む面を挟んで対向するように、前記貯液部内に設けられた遮蔽部材であって、ウェブの走行面に平行な面を有し、この平行な面がウェブの走行面を含む面に対向しており、この平行な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた遮蔽部材と、を備えた塗布ヘッド。
  3. 前記ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する前記遮蔽部材が、その一部がウェブ走行面に面している、請求項2の塗布ヘッド。
  4. 前記ウェブの走行面を含む面を挟んで対向する前記遮蔽部材の間に、ウェブの走行面のウェブ幅方向の両端部からウェブ幅方向外側に所定の間隔をあけて設けられ、ウェブ幅方向に対して垂直な面を有し、この垂直な面が貯液部の内側を向いており、この垂直な面の少なくとも一部が貯液部内に貯められる塗液に浸かるように設けられた第2の遮蔽部材を備えた、請求項2または3の塗布ヘッド。
  5. 請求項1から3のいずれかの塗布ヘッドを用い、
    ウェブを、前記貯液部の前記開口から挿入し、貯液部に貯められた塗液の中を搬送させ、前記計量部の前記スリットを通過させて、計量部で計量された所定の量の塗液をウェブの両面に塗布し、ウェブの両面に塗膜を形成する塗膜付きウェブの製造方法であって、
    前記ウェブが前記塗液中を搬送される際に、ウェブの両端部の位置よりもウェブ幅方向外側にある塗液がウェブの端部に向かう流れを、前記遮蔽部材で遮蔽する、塗膜付きウェブの製造方法。
  6. 請求項4の塗布ヘッドを用い、
    ウェブを、前記貯液部の前記開口から挿入し、貯液部に貯められた塗液の中を搬送させ、前記計量部の前記スリットを通過させて、計量部で計量された所定の量の塗液をウェブの両面に塗布し、ウェブの両面に塗膜を形成する塗膜付きウェブの製造方法であって、
    前記ウェブが前記塗液中を搬送される際に、ウェブの両端部の位置よりもウェブ幅方向外側にある塗液がウェブの端部に向かう流れを、前記遮蔽部材および前記第2の遮蔽部材で遮蔽する、塗膜付きウェブの製造方法。
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