JP6957987B2 - 先行車判定方法及び先行車判定装置 - Google Patents
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本発明は、自車両が道路形状に沿わない軌道で走行する場合の先行車を選択する精度を向上することを目的とする。
図2を参照する。運転支援装置10は、自車両1が走行する、自車両が走行している車線の道路形状に沿って自車両を走行させる走行支援と共に、自車両1の周囲の走行環境に基づいて自車両1を自動的に操舵させる、停止させる走行支援を行う。
さらに運転支援装置10は、走行支援として、自車両1の走行速度を設定された車速に自動的に制御するとともにセンサを用いて検出した先行車との車間距離を所定の間隔に制御する定速走行・車間距離制御(AAC:Adaptive Cruise Control)を行う。
先行車判定装置11は、周囲車両検出センサ20と、道路形状取得装置30と、車両運動情報センサ40と、コントローラ50を備える。
周囲車両検出センサ20は、検出した周囲車両の位置情報をコントローラ50に出力する。
道路形状取得装置30は、カメラ21やレーダ22などにより検出した周囲車両の位置情報に基づき周囲車両の走行軌跡を算出し、走行軌跡から道路形状を推定して取得してもよい。
道路形状取得装置30は、取得した道路形状の情報をコントローラ50に出力する。
車速センサ41は、自車両1の車速を検出する。
操舵角センサ42は、自車両1のステアリングホイールの操舵角を検出する。例えば操舵角センサ42は、ステアリングシャフトの回転量に基づいて操舵角を算出してよい。
ヨーレートセンサ43は、自車両1のヨーレートを検出する。
車両運動情報センサ40は、取得したこれらの車両運動情報をコントローラ50に出力する。
目標値算出部12は、自車両1の走行速度を制御することにより、コントローラ50が選択した先行車と自車両1との間の車間距離を予め設定された間隔に保つ。より具体的には、駆動コントローラ13によるエンジンや走行モータの出力の制御目標値や、ブレーキコントローラ14によるブレーキ動作の制御目標値などを演算により求め、駆動コントローラ13やブレーキコントローラ14に出力する制御信号を生成する。
コントローラ50は、プロセッサと、記憶装置の周辺部品を含んでよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置には、プロセッサ上で実行されて、走行パス生成部51、予測軌道生成部52、離脱判定部53、先行車尤度算出部54、及び先行車判定部55の機能をコントローラ50で実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
例えば、走行パス生成部51は、自動操舵を行う走行支援において道路形状に沿って自車両1を走行させるために、道路形状に沿う第1走行パスを生成してよい。例えば、第1走行パスは、走行レーンの中央付近に設定されてよい。また例えば、走行パス生成部51は、自動発進を行う走行支援において道路形状に沿って自車両1が走行を開始するために、道路形状に沿う第1走行パスを生成してよい。また例えば、第1走行パスは、自車両1の自動停止を行う走行支援において、自車両1が停止位置まで道路形状に沿って走行するために、道路形状に沿う第1走行パスを生成してよい。
走行パス生成部51は、生成した第1走行パスの情報を先行車尤度算出部54へ出力する。
例えば、予測軌道生成部52は、車両運動情報センサ40が取得した車両運動情報に基づいて自車両1の予測軌道を生成してよい。
例えば、予測軌道生成部52は、車速Vとヨーレートρに基づいて軌道の曲率半径|V/ρ|を算出し、ヨーレートρの符号に基づいて旋回方向を決定して、円弧状の予測軌道を算出してよい。
予測軌道生成部52は、生成した走行軌道を先行車尤度算出部54へ出力する。
図3を参照する。一点鎖線60は自車両1の第1走行パスを示し、破線61は自車両1の予測軌道を示す。例えば、離脱判定部53は、第1走行パス60と予測軌道61との乖離が大きい場合には、自車両1が第1走行パス60から離脱すると判定してよい。
例えば離脱判定部53は、自車両1から距離Lだけ前方の所定の位置における第1走行パス60と予測軌道61との乖離が所定値D以上である場合に、自車両1が第1走行パス60から離脱すると判定してよい。距離Lは例えば30mであってよく、所定値Dは3.5mであってよい。
例えば、離脱判定部53は、操舵角センサ42により検出されたステアリングホイールの操舵角に基づいてオーバーライドを検出してよい。
先行車尤度算出部54は、周囲車両検出センサ20が検出した周囲車両の位置情報に基づいて、周囲車両の先行車らしさを示す先行車尤度λtを算出する。
先行車判定部55は、周囲車両についてそれぞれ算出された先行車尤度λtに基づいて、周囲車両の中から先行車を選択する。例えば先行車判定部55は、所定値以上の先行車尤度λtを有する周囲車両のうち、自車両1に最も近い周囲車両を先行車として選択してよい。また例えば、先行車判定部55は、最も大きな先行車尤度λtを有する周囲車両を先行車として選択してよい。先行車判定部55は、選択した先行車の位置情報を目標値算出部12へ出力する。
例えば、先行車尤度算出部54は、自車両1が第1走行パス60から離脱すると判定された場合、自車両1が第1走行パス60から離脱しないと判定された場合に比べて、第1走行パス60の周辺を走行している周囲車両の先行車尤度λtを低減させる。
図4を参照する。先行車尤度算出部54は、周囲車両5を検出した位置6と第1走行パス60との間の距離が短いほど高く、長くなるほど低くなるように走行パス尤度α1を算出する。例えば走行パス尤度α1は、周囲車両5の検出位置6と第1走行パス60との間の距離が第1閾値d1以下の場合に1となり、第2閾値d2以上の場合に0となり、第1閾値d1から第2閾値d2までに1から0へ低減する。
自車両1が第1走行パス60から離脱しないと離脱判定部53が判定した場合、先行車尤度算出部54は、重みβ1が重みβ2よりも大きくなるように重みβ1及びβ2を設定する。例えば、β1を1に設定し、β2を0.5に設定してよい。この結果、第1走行パス60に近く走行パス尤度α1が大きな周囲車両の先行車尤度λtの方が大きくなり易く、先行車として判定され易くなる。
先行車尤度算出部54は、走行パス尤度α1と重みβ1との積α1×β1と、予測軌道尤度α2と重みβ2との積α2×β2に基づいて先行車尤度λtを算出する。
λt=max((α1×β1)+λt−1)/2,(α2×β2)+λt−1)/2)
図5A及び図5Bを参照する。例えば、先行車尤度算出部54は、予測軌道61と道路形状に基づいて自車両1が車線変更を行うか否かを判定してよい。自車両1が車線変更を行うと判定された場合、先行車尤度算出部54は、自車両1と周囲車両5との間の距離に基づいて重みβ1及びβ2を算出する。
予測軌道61が車線を跨ぐ地点より遠い範囲では、予測軌道61は第1走行パス60が設定された走行車線の外にある。このため、周囲車両5の位置5bがこの範囲にある場合には予測軌道61に近く予測軌道尤度α2が高い周囲車両5を先行車として選択する。これにより周囲車両5を誤って先行車として選択しないことで周囲車両5との車間距離が過度に短くなるのを防止できる。
これにより、例えば図7Aに示すように、走行支援を実行するための道路構造に基づいた第1走行パスが交差点で自車両前方方向に生成されている状態で、交差点での渋滞を回避するために交差点を曲がるようなオーバーライドが実施された場合に、第1走行パス60の周囲に存在する周囲車両5が先行車として選択されにくくなる。これにより周囲車両5を誤って先行車として選択することによる自車両1の減速又は停止を防止できる。
尚、本実施形態においては、第1走行パスは走行支援を実行するためのものであり、周囲車両5の方向に第1走行パス60が生成されている場合は周囲車両5が先行車として選択されにくくなる。この場合、右左折方向も道路構造に沿っているが、直進から右折に変更される前(車両挙動により第1走行パスから離脱すると判定される前)に、走行支援を実行するために生成された軌跡でないため、右左折方向の軌跡は第1走行パスとはならない。また、本実施形態では、右折の方向に第1走行パスが生成されている場合、右折の方向に渋滞が発生して、その渋滞を回避するために交差点を直進するようなオーバーライドが実施された場合、第1走行パスが生成されている右折方向の周囲車両5を先行車として選択されにくくすることができる。この場合、直進方向も道路構造に沿っているが、右折から直進に変更される前(車両挙動により第1走行パスから離脱すると判定される前)に、走行支援を実行するために生成された軌跡でないため、直進方向の軌跡は第1走行パスとはならない。
距離L/2となる地点の手前の範囲では、距離L/2となる地点から遠いほど、予測軌道61を走行する自車両1の進行方向が第1走行パス60から遠ざかる。このため、自車両1と周囲車両5との間の距離が距離L/2より短い場合、重みβ1を、第1走行パス60から離脱しない場合の値1よりも小さくし、自車両1とが周囲車両5が近いほど重みβ1を小さくする。重みβ2は1に設定される。
これにより、駐車車両5を誤って先行車として選択することによる自車両1の減速又は停止を防止できる。
次に、先行車判定装置11の動作を説明する。
図9を参照する。ステップS1において周囲車両検出センサ20は、自車両1の周囲を走行している周囲車両の位置を検出する。
ステップS2において道路形状取得装置30は、自車両1の周囲の道路の道路形状を取得する。
ステップS4において車両運動情報センサ40は、自車両1の運動に関する状態を表す車両運動情報を取得する。
ステップS5において予測軌道生成部52は、自車両1が走行軌道を予測して自車両1の予測軌道として生成する。
ステップS7において先行車尤度算出部54は、予測軌道尤度α2を算出する。
ステップS8において離脱判定部53は、自車両1が第1走行パスから離脱するか否かを判定する。自車両1が第1走行パスから離脱する場合(ステップS8:Y)に処理はステップS10へ進む。自車両1が第1走行パスから離脱しない場合(ステップS8:N)に処理はステップS9へ進む。
ステップS10において先行車尤度算出部54は、重みβ1が重みβ2よりも小さくなるように予測軌道61に応じて重みβ1及びβ2を算出する。その後に処理はステップS11へ進む。
ステップS11において先行車尤度算出部54は、走行パス尤度α1と重みβ1との積α1×β1と、予測軌道尤度α2と重みβ2との積α2×β2に基づいて先行車尤度λtを更新する。
ステップS13においてコントローラ50は、イグニッションスイッチ(IGN)がオフになったか否かを判定する。イグニッションスイッチがオフになった場合(ステップS13:Y)に処理は終了する。イグニッションスイッチがオフでない場合(ステップS13:N)に処理はステップS1へ戻る。
(1)道路形状取得装置30は、自車両1の周囲の道路の道路形状を取得する。走行パス生成部51は、走行支援により自車両1を道路形状に基づいて走行させるための第1走行パス60を生成する。離脱判定部53は、第1走行パスに基づいて自車両1の走行支援を実行している場合において、自車両1の走行挙動に基づいて自車両1が第1走行パス60から離脱するか否かを判定する。先行車尤度算出部54と先行車判定部55は、自車両1が第1走行パス60から離脱するか否かに応じて、第1走行パス60の周辺を走行している周囲車両5が自車両1の先行車であるか否かを判定する。
これにより、自車両1が第1走行パス60から離脱したか否かに基づいて先行車判定方法を変えるので、車線変更や交差点右左折、駐車車両回避等を行った場合でも精度よく先行車を選択できる。このため、走行支援を実行するために道路形状に基づいて設定された軌道で走行する場合の先行車を選択する精度を向上できる。
これにより、周囲車両5が自車両1の先行車であるか否かを正確に判定できるようになる。
これにより、自車両が走行する自車線上の車両のうち、第1走行パス60に近い車両は先行車として判定されやすく、第1走行パス60から遠い車両は先行車として判定されにくくなるので正しく先行車を選択することができる。
これにより、例えば自車両1が車線変更する場合には、自車両が走行する自車線上の車両のうち、自車両に近い車両は先行車として判定されやすく、自車両から遠い車両は先行車として判定されにくくなるので正しく先行車を選択することができる。
これにより、第1走行パス60からの自車両1の離脱を正しく判定することができ、先行車を正しく選択することができる。
これにより、例えば第1走行パス60を追従する自動操舵機能に対するドライバーの操舵介入によって離脱を判定するので、第1走行パス60と予測軌道61の乖離よりも早期に離脱を判定できる。このため正しい先行車を早期に選択できる。
Claims (8)
- 自車両周囲の道路形状を取得し、
走行支援により自車両を前記道路形状に基づいて走行させるための第1走行パスを生成し、
前記第1走行パスに基づいて走行支援を実行している場合において、前記自車両の走行挙動に基づいて前記自車両が前記第1走行パスから離脱するか否かを判定し、
前記自車両の走行挙動に基づいて前記自車両の走行が予想される第2走行パスを算出し、
前記自車両が前記第1走行パスから離脱しないと判定した場合には、前記第1走行パスの周辺を走行している周囲車両が前記自車両の先行車であると判定され易くし、前記自車両が前記第1走行パスから離脱すると判定した場合には、前記第2走行パスの周辺を走行している周囲車両が前記自車両の先行車であると判定され易くする、
ことを特徴とする先行車判定方法。 - 前記自車両が前記第1走行パスから離脱すると判定された場合、離脱しないと判定した場合よりも、前記周囲車両を先行車と判定し難くすることを特徴とする請求項1に記載の先行車判定方法。
- 前記自車両が前記第1走行パスから離脱しないと判定された場合、離脱すると判定した場合よりも、前記周囲車両を先行車と判定し易くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の先行車判定方法。
- 前記第1走行パスと前記周囲車両との間の距離が長くなるほど前記周囲車両を先行車と判定し難くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の先行車判定方法。
- 前記自車両と前記周囲車両との間の距離に応じて前記周囲車両を先行車と判定し難くすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の先行車判定方法。
- 前記第1走行パスと前記第2走行パスとの間の乖離が大きいほど、前記周囲車両を先行車と判定し難くすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の先行車判定方法。
- 前記第1走行パスを追従するように前記自車両を自動操舵し、
操舵オーバーライドを検出した場合に、前記自車両が前記第1走行パスから離脱すると判定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の先行車判定方法。 - 自車両周囲の道路形状を取得する道路形状取得装置と、
自車両周囲の周囲車両を検出するセンサと、
走行支援により自車両を前記道路形状取得装置が取得した前記道路形状に基づいて走行させるための第1走行パスを生成し、前記第1走行パスに基づいて走行支援を実行している場合において、前記自車両の走行挙動に基づいて前記自車両が前記第1走行パスから離脱するか否かを判定し、前記自車両の走行挙動に基づいて前記自車両の走行が予想される第2走行パスを算出し、前記自車両が前記第1走行パスから離脱しないと判定した場合には、前記センサにより検出された前記第1走行パスの周辺を走行している前記周囲車両が前記自車両の先行車であると判定され易くし、前記自車両が前記第1走行パスから離脱すると判定した場合には、前記第2走行パスの周辺を走行している周囲車両が前記自車両の先行車であると判定され易くするコントローラと、
を備えることを特徴とする先行車判定装置。
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