JP6957128B1 - チョコレート - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、ブルーム耐性が改良された、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートを提供することである。本発明は、粉末油脂組成物を含有するチョコレートであって、前記粉末油脂組成物が、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含み、前記チョコレートに含まれる油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が、20〜60質量%である、前記チョコレートである。本発明はまた、前記チョコレートに含まれる油脂に占める前記油脂粉末の割合が、0.5〜32質量%である、チョコレートである。

Description

本発明は、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートに関する。
チョコレートに最も適した油脂はカカオ脂である。しかし、カカオ脂は高価であるため、その他の植物油脂から製造されたカカオ代用脂がよく使用される。チョコレートの油脂として使用されるカカオ代用脂は、ハードバターとも言われる。ハードバターは、一般に、テンパリング型とノンテンパリング型に分類される。
テンパリング型ハードバターは、カカオ脂に多く含まれる対称型トリグリセリドを主成分としている。そのため、テンパリング型ハードバターは、カカオ脂との置換が容易であり、任意の配合でカカオ脂と混合して使用できる。また、テンパリング型ハードバターは、シャープな口溶けを有する。しかし、テンパリング型ハードバターを用いてチョコレートを製造する場合には、カカオ脂の場合と同様に、煩雑なテンパリングが必要である。
一方、ノンテンパリング型ハードバターは、カカオ脂と融解性状は似ているが、油脂の構造は全く異なる。そのため、ノンテンパリング型ハードバターは、カカオ脂との相溶性があまり良くない。しかしながら、ノンテンパリング型ハードバターは、カカオ脂と比べて価格的に安く、煩雑なテンパリングが不要で作業性が良いため、製菓・製パン領域のチョコレートに広く使用されている。
ノンテンパリング型ハードバターの中でも、構成脂肪酸にラウリン酸を有するラウリン系ハードバターは、シャープで優れた口どけを有する。しかし、カカオ脂との相溶性が悪いので、ラウリン系ハードバターとカカオ脂とを含むチョコレートは、ブルームを起こし易い。ラウリン系ハードバターを使用したチョコレートのブルーム防止については、特定のモノグリセリドの使用(特開平7−247496号公報)や、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルの使用(特開平8−56572号公報)が開示されている。また、特定のジグリセリドの使用(特開平5−168412号公報)が開示されている。
特開平7−247496号公報 特開平8−56572号公報 特開平5−168412号公報
しかしながら、ブルーム防止のための乳化剤の使用は、チョコレートの耐熱性の低下や口どけの悪化を引き起こす懸念がある。
本発明の課題は、ブルーム耐性が改良された、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートを提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を行った。その結果、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含むことにより、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートが、優れたブルーム耐性を獲得し得ることを見出した。これにより、本発明は完成された。すなわち、本発明は、以下の態様を含み得る。
[1]粉末油脂組成物を含有するチョコレートであって、前記粉末油脂組成物が、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含み、前記チョコレートに含まれる油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が、20〜60質量%である、前記チョコレート。
[2]前記チョコレートに含まれる油脂に占める前記油脂粉末の割合が、0.5〜32質量%である、[1]のチョコレート。
[3]前記チョコレートに含まれる油脂のHOH含有量が、0.4〜13質量%である、[1]または[2]のチョコレート。
(ただし、H、OおよびHOHは、以下を意味する。
H:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
O:オレイン酸
HOH:グリセロールの2位にオレイン酸(O)、1位および3位に炭素数16〜24の飽和脂肪酸(H)がエステル結合したトリアシルグリセロール)
[4]前記チョコレートに含まれる油脂に占めるラウリンTAG含有量が、48〜90質量%である、[1]〜[3]の何れか1つのチョコレート。
(ただし、ラウリンTAGは、以下を意味する。
ラウリンTAG:構成脂肪酸として少なくとも1分子のラウリン酸を含むトリアシルグリセロール)
[5]前記油脂粉末が30μm以下の平均粒径を有する、[1]〜[4]の何れか1つのチョコレート。
[6]前記油脂粉末の粒子が2.5以上のアスペクト比(2)を有する板状形状である、[1]〜[5]の何れか1つのチョコレート。
[7]前記油脂粉末が、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含み、前記炭素数xは14〜22から選択される整数である、[1]〜[6]の何れか1つのチョコレート。
[8]前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が0.05〜0.6g/cmである、[1]〜[7]の何れか1つのチョコレート。
[9][1]〜[8]の何れか1つのチョコレートを含む食品。
[10]50℃未満の融液状態にある、ラウリンTAGを含むチョコレート生地に、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含む粉末油脂組成物を分散した後、冷却する、[1]〜[8]の何れか1つのチョコレートの製造方法。
本発明は、ブルーム耐性が改良された、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートを提供する。本発明は、また、粉末油脂組成物を使用した、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含むチョコレートの製造方法を提供する。
芯物質表面に油脂粉末を付着させたときの顕微鏡写真を模式的に示した図である。図中の、Aは芯物質であり、Bは油脂粉末である。線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この油脂粉末の厚さの値である。 粉末油脂組成物Aをガラスビーズ表面上に付着させたときの顕微鏡写真(1500倍)であり、粒子の厚さとして測定した部分を、直線で示している(2か所)。
以下、本発明のチョコレートについて順を追って記述する。
<粉末油脂組成物>
本発明のチョコレートは、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含む粉末油脂組成物を含む。当該粉末油脂組成物は、常温(20℃)で粉末状の固体である。また、当該50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の原料となる油脂は、食用油脂である限り特に制限はない。例えば、50℃以上の融点を有する、パームステアリン、極度硬化菜種油、極度硬化高エルシン酸菜種油、極度硬化ひまわり油、極度硬化紅花油、極度硬化パーム油などが挙げられる。これらの50℃以上の融点を有する油脂は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記油脂粉末の原料となる油脂の融点は、好ましくは55℃以上であり、より好ましくは58℃以上であり、さらに好ましくは61℃以上である。油脂粉末の原料となる油脂の融点が上記範囲内にあると、チョコレートのブルーム耐性の向上や耐熱性の向上が期待できる。なお、油脂粉末(の原料となる油脂)の融点は、基準油脂分析試験法(日本油化学会編-1996)2.2.4.2融点(上昇融点)に準じて測定できる。
上記粉末油脂組成物に含まれる油脂粉末は、2鎖長β型結晶を含有する。ここで、油脂結晶が2鎖長とは、油脂結晶の長面間隔をX線回折測定することにより判定される。すなわち、油脂結晶の長面間隔を、2θが0〜8度の範囲で測定する。このとき、40〜50Åに相当する回折ピークを検出し、60〜65Åに相当する回折ピークを検出しないか、検出してとしても40〜50Åに相当する回折ピークの回折強度の1/5未満(好ましくは1/10未満)の場合に、その油脂結晶は2鎖長構造であると判定される。また、ここで、β型とは、油脂の結晶多形の一つである。油脂の結晶には、同一組成でありながら、異なる副格子構造(結晶構造)を持つものがあり、結晶多形と呼ばれている。代表的には、六方晶型、斜方晶垂直型および三斜晶平行型があり、それぞれα型、β’型およびβ型と呼ばれている。ここで、油脂結晶の結晶形がβ型であるとは、上記油脂結晶が、2θが17〜26度のX線回折測定において、4.5〜4.7Å、好ましくは4.6Å付近に回析ピークを有し、特に、4.1〜4.3Å、好ましくは4.2Å付近に回折ピークを有さない場合である。より具体的には、X線回折測定において、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)付近のピーク強度とα型(およびβ’型)の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)付近のピーク強度の比率:19°/(19°+21°)[4.6Å/(4.6Å+4.2Å)]を算出することでβ型結晶の存在量を表す指標とできる。本発明では、上記ピーク強度比が1であることが好ましい。しかし、ピーク強度比の下限値が、例えば0.4以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上、ことさらに好ましくは0.75以上、最も好ましくは0.8以上であればよい。ピーク強度比が0.4以上であれば、油脂結晶の50質量%超がβ型であるとみなすことができる。ピーク強度比の上限値は1であることが好ましいが、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.93以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下などであってもかまわない。ピーク強度比は、上記下限値および上限値のいずれか、もしくは、任意の組み合わせであり得る。油脂粉末の油脂結晶が2鎖長β型(ピーク強度比が上記範囲内)であると、チョコレートのブルーム耐性の向上や耐熱性の向上が期待できる。
上記の油脂の結晶多形を同定するX線回折法を補足説明する。回折の条件は下記のブラッグの式によって与えられる。
2dsinθ=nλ(n=1,2,3・・・)
この式を満たす位置に回折ピークが現れる。ここでdは格子定数、θは回折(入射)角、λはX線の波長、nは自然数である。短面間隔に対応する回折ピークの2θ=16〜27°からは、結晶中の側面のパッキング(副格子)に関する情報が得られ、多形の同定を行なうことができる。特にトリアシルグリセロールの場合、2θ=19、23、24°(4.6Å付近、3.9Å付近、3.8Å付近)にβ型の特徴的ピークが、21°(4.2Å)付近にα型の特徴的なピークが出現する。なお、X線回折測定は、例えば、20℃に維持したX線回折装置((株)リガク、試料水平型X線回折装置UItimaIV)を用いて測定される。X線の光源としてはCuKα線(1.54Å)が最もよく利用される。X線回折の測定により得られる回折ピークの強度解析においては、油脂の非晶質部分がベースラインに及ぼす影響を除くための補正を行うのが適切である。例えば、Sonneveld−Visser法等による、バックグラウンド除去処理を行ってもよい。
上記粉末油脂組成物に含まれる油脂粉末は、好ましくは、30μm以下の平均粒径を有する。当該油脂粉末の平均粒径は、好ましくは20μm未満であり、より好ましくは2〜16μmであり、さらに好ましく4〜13μmである。なお、平均粒径(有効径)は、粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276-1)によって測定した値(d50)である。有効径とは、測定対象となる油脂粉末の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザー回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定できる。50℃以上の融点を有する油脂粉末の平均粒径(平均粒子径)が上記範囲内にあると、チョコレートは良好な口どけを有する。
上記粉末油脂組成物は、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の他に、乳化剤、香料、脱脂粉乳、全脂粉乳、ココアパウダー、砂糖、デキストリン、カゼインナトリウムなどのその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができる。例えば、粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、その他の成分は、好ましくは0〜70質量%であり、より好ましくは0〜50質量%であり、さらに好ましくは0〜30質量%である。その他の成分は、その90質量%以上が、好ましくは平均粒径100μm以下の紛体であり、より好ましくは平均粒径30μm以下の紛体である。
上記粉末油脂組成物の好ましい態様の1つとしては、実質的に上記50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末からなる粉末油脂組成物が挙げられる。また、「実質的に」とは、粉末油脂組成物に含まれる油脂粉末以外の成分の含有量が、粉末油脂組成物を100質量%とした場合、例えば、0〜15質量%であり、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0〜5質量%であることを意味する。
上記粉末油脂組成物の好ましい態様の1つとしては、また、上記50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の粒子が板状形状である。ここで、板状形状は、アスペクト比が、好ましくは1.2以上である。アスペクト比は、より好ましくは1.2〜3.0であり、さらに好ましくは、1.3〜2.5であり、ことさらに好ましくは1.4〜2.0である。なお、ここでいうアスペクト比とは、粒子図形に対して、面積が最小となるように外接する長方形で囲み、その長方形の長辺の長さと短辺の長さの比と定義される。よって、粒子が球状形状の場合は、アスペクト比は1.1より小さくなる。従来技術である、極度硬化油等の常温で固体脂含量の高い油脂を溶解して直接噴霧する方法では、油脂粉末の粒子が表面張力によって、球状形状となり、アスペクト比はおおよそ1.1未満となる。そして、前記アスペクト比は、例えば、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などによる直接観察により、任意に選択した粒子について、その長軸方向の長さおよび短軸方向の長さを計測することによって、計測した個数の平均値として求めることができる。
また、上記50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の粒子形状は、その粒子のアスペクト比(2)を用いて表現することも可能である。本発明におけるアスペクト比(2)とは、粒子の長径を厚さで除した値〔=長径/厚さ〕のことである。粒子が、完全な球形の場合には、アスペクト比(2)の値は1〔=1/1〕であり、粒子の扁平度合いが増す(厚さが薄くなる)ほど、アスペクト比(2)の値は大きくなる。
粒子のアスペクト比(2)は、例えば、以下の(a)及び(b)の方法で測定することができる。
(a)粒子の電子顕微鏡写真から、1個1個の粒子について長径、及び厚さを測定できる場合
電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比(2)を求め、その平均値を粒子のアスペクト比(2)とする。例えば、粒子が球形のような場合に、この測定方法を用いることができる。
(b)粒子の電子顕微鏡写真から、1つ1つの粒子について長径、又は厚さを測定できない場合
例えば、粒子が扁平な形や板状形状の場合、電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径を測定することはできるが、厚さは写真では見えないことが多く、写真から直接測定することが難しい。このような場合、粒子をガラスビーズのような芯物質の表面に付着させて電子顕微鏡写真を撮り、芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さを、粒子の厚さとして測定し、この値を厚さとして用いる。
これを図1の模式図で説明すると、図1のAは芯物質、Bはアスペクト比(2)を測定する粒子で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粒子の厚さの値である。また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いる。このようにして測定した粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比(2)〔=長径/厚さ〕を求めることができる。
本発明の油脂粉末の粒子のアスペクト比(2)は、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは2.5〜100であり、さらに好ましくは3〜50であり、ことさらに好ましくは3〜20であり、最も好ましくは3〜15である。上記50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末のアスペクト比および/またはアスペクト比(2)が上記範囲内にあると、油脂粉末が、融液状のチョコレートに含まれる油脂の結晶化促進剤として機能し易い。
上記粉末油脂組成物の好ましい態様の1つとしては、また、ゆるめ嵩密度が0.05〜0.6g/cmである、粉末油脂組成物が挙げられる。粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂粉末のみからなる場合、好ましくは0.1〜0.5g/cm3であり、より好ましくは0.1〜0.4g/cm3または0.15〜0.4g/cm3であり、さらに好ましくは0.2〜0.3g/cm3である。ここで「ゆるめ嵩密度」とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。ゆるめ嵩密度(g/cm3)の測定は、例えば、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から粉末油脂組成物の適量を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することで求められる。また、ゆるめ嵩密度は、(株)蔵持科学器械製作所のカサ比重測定器を使用し、JIS K-6720(又はISO 1060-1及び2)に基づいて測定したカサ比重から算出することもできる。具体的には、試料120mLを、受器(内径40mm×高さ85mmの100mL円柱形容器)の上部開口部から38mmの高さの位置から、該受器に落とす。受器から盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100mL)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めることができる。
ゆるめ嵩密度(g/mL)=A(g)/100(mL)
測定は3回行ってその平均値を取ることが好ましい。
また、ゆるめ嵩密度は、次の方法でも測定することができる。
ゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT−X)で測定することができる。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求める。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
また、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から粉末油脂組成物の適量を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、1mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することでも求めることができる。
<粉末油脂組成物の製造方法>
本発明のチョコレートに含まれる粉末油脂組成物の製造方法において、50℃以上の融点を有する油脂を、2鎖長β型結晶を有する粉末状の油脂結晶(油脂粉末あるいは油脂結晶粉末ともいう)とする方法は特に限定されず、凍結粉砕、押出造粒、噴霧冷却造粒など、従来公知の方法を適用してもよい。しかし、50℃以上の融点を有する油脂を、粉末状の油脂結晶とする好ましい態様の1つとしては、50℃以上の融点を有する油脂として、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含み、前記炭素数xは14〜22から選択される整数である、油脂を使用する態様が挙げられる。
上記50℃以上の融点を有する油脂に含まれるXXX型トリグリセリドは、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは14〜22から選択される整数であり、好ましくは16〜22から選択される整数、より好ましくは16〜20から選択される整数、さらに好ましくは16〜18から選択される整数である。脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、およびベヘン酸などの残基が挙げられる。しかし、これに限定するものではない。脂肪酸残基Xは、より好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸およびベヘン酸であり、さらに好ましくは、パルミチン酸、ステアリン酸、およびアラキジン酸であり、ことさら好ましくは、パルミチン酸およびステアリン酸である。50℃以上の融点を有する油脂に含まれる当該XXX型トリグリセリドの含有量は、油脂の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリグリセリドは1種類または2種類以上を用いることができ、好ましくは1種類または2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリグリセリドが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリグリセリドの含有量となる。
上記50℃以上の融点を有する油脂は、上記XXX型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。天然油脂としては、例えば、パーム油、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油などが挙げられる。上記50℃以上の融点を有する油脂を100質量%とした場合、上記XXX型トリグリセリド以外のその他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5〜50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0〜18質量%、さらに好ましくは0〜15質量%、ことさらに好ましくは0〜8質量%である。
上記50℃以上の融点を有し、かつ、XXX型トリグリセリドを有する油脂は、溶融状態とし、特定の冷却温度に保ち、冷却固化することにより、噴霧やミル等の粉砕機による機械粉砕などの特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂結晶(油脂粉末)を得ることができる。より具体的には、(a)上記50℃以上の融点を有し、かつ、XXX型トリグリセリドを有する油脂を準備し、任意に工程(b)として、工程(a)で得られた油脂を加熱し、前記油脂に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の前記油脂を得、さらに(d)前記溶融状態の油脂を冷却固化して、2鎖長β型結晶を含有し、その粒子形状が板状である粉末状の油脂結晶(油脂粉末)を得る。
上記工程(d)の冷却は、例えば、溶融状態の油脂を、当該油脂の融点より低い温度であって、かつ、次式:
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 − 68
から求められる冷却温度以上の温度で行われる。このような温度範囲で冷却すれば、β型の細かい油脂結晶ができるので、油脂結晶粉末を容易に得ることができる。
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、及び/又は(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに上記工程(d)で得られる油脂結晶粉末は、工程(d)の冷却後に得られる固形物を粉砕して粉末状の油脂結晶を得る工程(e)によって得られるものであってもよい。
上記工程(e)において、冷却後に得られる固形物は、ハンマーミル、カッターミルなど、公知の粉砕加工手段を適用して、30μm以下の平均粒径を有する粉末状の油脂結晶(油脂結晶粉末あるいは油脂粉末)を生産することもできる。なお、上記工程において、50℃以上の融点を有し、かつ、XXX型トリグリセリドを有する油脂は、すでに述べた油脂以外の成分を0〜15質量%含む油脂組成物の状態で工程(a)〜(e)に供されてもよいし、β型油脂結晶粉末とした後、すでに述べた油脂以外のその他の成分と混合され、粉末油脂組成物としてもよい。
上記のようにして得られた、本発明のチョコレートに好適に使用できる、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末であって、かつ、XXX型トリグリセリドを有する油脂粉末は、好ましくは、アスペクト比が1.2以上あるいはアスペクト比(2)が2.5以上の板状形状であり、ゆるめ嵩密度が0.05〜0.6g/cmである。なお、当該油脂粉末を含有する粉末油脂組成物については、本出願人が先に出願したPCT/JP2016/078122(特願2015−187271)の明細書に詳述されるので、詳細は割愛する。前記出願の内容は、本明細書の中に取り込まれる。
<チョコレート>
本発明においてチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)または法規上の規定などにより規定されているチョコレートに限定されない。すなわち、本発明におけるチョコレートは、食用油脂および糖類を主原料とする。主原料には、必要に応じてカカオ成分(カカオマス、ココアパウダーなど)、乳製品、香料、および乳化剤などが加えられる。このチョコレートは、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、成形工程、および冷却工程など)の一部または全部を経て製造される。また、本発明におけるチョコレートは、ダークチョコレート、およびミルクチョコレートの他に、ホワイトチョコレートおよびカラーチョコレートも含む。
本発明のチョコレートは、好ましくは25〜65質量%の油脂を含有する。本発明のチョコレートに含まれる油脂の含有量は、より好ましくは28〜60質量%であり、さらに好ましくは30〜55質量%である。なお、本発明におけるチョコレートに含まれる油脂は、配合される油脂以外に、含油原料(カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳など)由来の油脂(ココアバター、乳脂など)も含む。例えば、一般的に、カカオマスに含まれる油脂(ココアバター)の含有量は55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーに含まれる油脂(ココアバター)の含有量は11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳に含まれる油脂(乳脂)の含有量は25質量%(含油率0.25)である。よって、チョコレートに含まれる油脂の含有量は、チョコレートに含まれる各原料の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせた値の合計値となる。
本発明のチョコレートは、上記の50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含む粉末油脂組成物を含有する。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の含有量は、好ましくは0.5〜32質量%であり、より好ましくは2〜30質量%であり、さらに好ましくは6〜28質量%であり、ことさらに好ましくは11〜26質量%であり、最も好ましくは15〜25質量%である。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占める、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の含有量が上記範囲内にあると、チョコレートはブルーム耐性と耐熱性とを得やすい。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、油脂を構成する脂肪酸の全量に占めるラウリン酸の含有量が20〜60質量%である。本発明のチョコレートに含まれる油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量は、好ましくは23〜57質量%であり、より好ましくは26〜54質量%であり、さらに好ましくは29〜51質量%であり、ことさらに好ましくは32〜48質量%であり、最も好ましくは35〜45質量%である。本発明のチョコレートに含まれる油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が上記範囲内にあると、チョコレートは良好な口どけを有し得る。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、HOHを含有し得る。以下、H、OおよびHOHは、次を意味する。Hは、炭素数16〜24の飽和脂肪酸であり、好ましくは炭素数16〜18の飽和脂肪酸である。Hは、好ましくは直鎖である。Oは、オレイン酸である。HOHは、グリセロールの2位にオレイン酸(O)、1位および3位に炭素数16〜24の飽和脂肪酸(H)がエステル結合したトリアシルグリセロールである。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるHOHの含有量は、好ましくは0.4〜13質量%であり、より好ましくは0.8〜11質量%であり、さらに好ましくは1.6〜9質量%であり、ことさらに好ましくは2.4〜7質量%であり、最も好ましくは3.2〜5質量%である。
上記HOHは、好ましくはHOH油脂(40〜100質量%、好ましくは51〜97質量%、より好ましくは55〜94質量%のHOHを含む油脂)に由来する。HOH油脂は、より具体的には、ココアバター(カカオ脂)、シア脂、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、アランブラッキア脂、モーラー脂、マンゴー核油、パーム油、牛脂などの動植物油脂、あるいはこれらに混合、分別、エステル交換、水素添加などの1種以上の処理が適用されることにより得られる加工油脂が挙げられる。HOH油脂は、また、すでに知られているように、パルミチン酸、ステアリン酸、あるいは、それらの低級アルコールエステルと、ハイオレイックヒマワリ油などの高オレイン酸油脂との間で、1,3位選択性リパーゼ製剤を用いて、エステル交換反応をさせた後、必要に応じて分別することにより得られる油脂でもよい。HOHは、1種または2種以上のHOH油脂に由来してもよい。しかし、HOHは、好ましくはココアバターを含むHOH油脂に由来する。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、ラウリンTAGを含有し得る。以下、ラウリンTAGは、トリアシルグリセロールを構成する3分子(3つ)の脂肪酸のうち、少なくとも1分子(1つ)がラウリン酸であるトリアシルグリセロールである。本発明のチョコレートに含まれる油脂に占めるラウリンTAGの含有量は、好ましくは48〜90質量%であり、より好ましくは52〜86質量%であり、さらに好ましくは56〜82質量%であり、ことさらに好ましくは60〜78質量%であり、最も好ましくは64〜74質量%である。
上記ラウリンTAGは、好ましくはラウリンTAG油脂(40〜100質量%、好ましくは51〜97質量%、より好ましくは55〜94質量%のラウリンTAGを含む油脂)に由来する。ラウリンTAG油脂は、油脂の構成脂肪酸の全量に占めるラウリン酸の含有量が30質量%以上(好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上)であるラウリン系油脂であってもよい。前記ラウリン系油脂の例として、ヤシ油、ヤシ油分別油、パーム核油、パーム核油分別油、およびそれらの硬化油脂および/またはエステル交換油、などが挙げられる。ラウリンTAG油脂は、また、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂とを含む混合油脂のエステル交換油脂であってもよい。ここで、非ラウリン系油脂は、構成脂肪酸の全量に占める炭素数が16以上である脂肪酸の含有量が90質量%以上である油脂である。非ラウリン系油脂は、例として、菜種油、高エルシン酸菜種油、大豆油、コーン油、紅花油、綿実油、ヒマワリ油、カカオ脂、シア脂、サル脂、パーム油など、並びにこれらに分別や水素添加などの加工をした油脂が挙げられる。ラウリン系油脂および非ラウリン系油脂は、エステル交換する混合油脂の原料油脂として、1種または2種以上が用いられてもよい。当該混合油脂は、ラウリン系油脂と非ラウリン系油脂との質量比が、好ましくは45:55〜95:5であり、より好ましくは50:50〜85:15である。エステル交換反応は、ケミカル触媒による全ランダム反応でも、リパーゼ触媒による位置選択的ランダム反応でもよい。ラウリンTAGは、1種または2種以上のラウリンTAG油脂に由来してもよい。
本発明のチョコレートに含まれる油脂は、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末の部分を除いて、HOH油脂とラウリンTAG油脂とを含有し得る。本発明のチョコレートに含まれる油脂の、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を除いた部分に占める、HOH油脂とラウリンTAG油脂と含有割合は、好ましくは0.5:99.5〜15:85であり、より好ましくは2:98〜11:89であり、さらに好ましくは3:97〜8:92であり得る。本発明のチョコレートに含まれる油脂は、上記の、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末、HOH油脂、ラウリンTAG油脂、以外の通常食用に供される1種あるいは2種以上の食用油脂を含んでもよい。食用油脂は、例えば、乳脂、乳脂分別油などが挙げられる。
油脂に含まれる各トリアシルグリセロール含有量は、ガスクロマトグラフィー法(例えば、AOCS Ce5−86準拠)により測定できる。トリアシルグリセロールの対称性は、例えば、J.High Resol.Chromatogr.,18,105−107(1995)に準じて測定できる。油脂を構成する各脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフィー法(例えば、AOCS Ce1f−96準拠)により測定できる。
本発明のチョコレートは、油脂以外に、好ましくは糖類を含有する。糖類としては、例えば、ショ糖(粉糖)、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元澱粉糖化物、液糖、酵素転化水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖ポリデキストロース、オリゴ糖、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトース、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラフィノース、およびデキストリンを使用できる。本発明のチョコレートに含まれる糖類の含有量は、好ましくは20〜60質量%であり、より好ましくは25〜55質量%であり、さらに好ましくは30〜50質量%である。なお、本発明のチョコレートに含まれる糖類の含有量には、糖類そのものとして加えられる以外の、原料に含まれる糖類の量(例えば、粉乳に含まれる乳糖の量など)は含めない。
本発明のチョコレートには、油脂および糖類以外にも、チョコレートに一般的に配合される原料を使用できる。具体的には、例えば、全脂粉乳および脱脂粉乳などの乳製品、カカオマスおよびココアパウダーなどのカカオ成分、大豆粉、大豆蛋白、果実加工品、野菜加工品、抹茶粉末、およびコーヒー粉末などの各種粉末、ガム類、澱粉類、乳化剤、酸化防止剤、着色料、ならびに香料が挙げられる。
<チョコレートの製造方法>
本発明のチョコレートは、従来公知の方法により製造することができる。本発明のチョコレートは、例えば、油脂(例えば、ラウリンTAG油脂やココアバターなど)、カカオ成分、糖類、乳製品、乳化剤などを原材料として、チョコレートの最終的な油脂含量が25〜65質量%となるように、前記原材料の一部として、上記粉末油脂組成物をそのまま加えて、混合工程、微粒化工程(リファイニング)、精練工程(コンチング)、冷却工程などを経て製造することができる。例えば、チョコレートの原材料をミキシング(混合工程)し、ロール掛けによるリファイニング(微粒化工程)した後、コンチング(精練工程)を行い、融液状を呈するチョコレート生地を調製する。その後、チョコレート生地を冷却固化(冷却工程)することにより、チョコレートを製造できる。なお一連の製造工程は、粉末油脂組成物に含まれる50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末が完全に融解しない温度に制御される。油脂粉末が融解しない温度は、融点未満の温度が目安となるが、融解されない程度の短時間であれば、融点以上の熱履歴を経てもよい。
本発明のチョコレートの製造における好ましい態様の1つとして、上記粉末油脂組成物の添加は、精錬工程(コンチング)の次に行われる。すなわち、コンチングにより融液状態となったチョコレート生地は、粉末油脂組成物に含まれる油脂粉末の融点以下、かつ、チョコレート生地が融液状態を維持できる温度に保持される。当該保持温度の下限は、例えば、36℃以上、39℃以上、41℃以上または44℃以上であり得る。当該保持温度の上限は、例えば、60℃以下、54℃以下、50℃未満、49℃以下であり得る。保持温度の下限と上限は任意に選択できる。保持温度のチョコレート生地に粉末状油脂組成物が添加され、十分に分散される。粉末状油脂組成物が添加分散されたチョコレート生地は、好ましくは5〜15℃で冷却固化され、チョコレートが得られる。
<チョコレートの特徴と用途>
本発明のチョコレートは、構成脂肪酸にラウリン酸を有する油脂を含み、口どけがよい。そして、改良されたブルーム耐性を有する。また、高融点油脂を油脂粉末として含有するので、口どけの低下を抑制しつつ、耐熱性を向上し得る。
本発明のチョコレートは、全てのチョコレート用途に使用できる。例えば、型抜きまたはカッティングされたチョコレート塊として、そのまま食することができる。その他、製菓製パン製品、例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、およびシュー菓子に使用できる。本発明のチョコレートは、製菓製パン製品に、コーティング材、フィリング材、または、生地へ混ぜ込むチョコチップとして、使用できる。
次に、例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに何ら制限されない。また。以下において「%」は、特別な記載がない場合、質量%を示す。
<分析方法>
・トリグリセリド組成
ガスクロマトグラフィー分析条件
DB1-ht(0.32mm×0.1μm×5m)Agilent Technologies社(123-1131)
注入量 :1.0μL
注入口 :370℃
検出器 :370℃
スプリット比 :50/1 35.1kPa コンスタントプレッシャー
カラムCT :200℃(0min hold)〜(15℃/min)〜370℃(4min hold)
・X線回折測定
X線回折装置UltimaIV(株式会社リガク社製)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96〜30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。この測定により、4.6Å付近のピークのみを有し、4.1〜4.2Å付近のピークを有しない場合は、油脂成分のすべてがβ型油脂結晶であると判断した。
なお、上記X線回析測定の結果から、ピーク強度比=[β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å))/(α型(およびβ’型)の特徴的ピークの強度(2θ=21°(4.2Å))+β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å)))]をβ型油脂結晶の存在量を表す指標として測定した。
・ゆるめ嵩密度
実施例などで得られた粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度(g/cm3)は、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端の2cm程度上方から粉末油脂組成物を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することで求めた。
・アスペクト比
走査型電子顕微鏡S-3400N(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)により直接観察し、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(株式会社マウンテック製 Mac−View)を用いて、任意に選択した粒子について、その長軸方向の長さおよび短軸方向の長さを計測し、計測した個数の平均値として測定した。
・アスペクト比(2)
(A)本発明の粉末油脂組成物A(0054段落)の粒子のアスペクト比(2)
本発明の粉末油脂組成物Aは、板状形状であるため、顕微鏡写真から粒子の厚さを測定することが難しい。したがって、粒子の厚さは、粉末油脂組成物Aをガラスビーズに付着させたときの顕微鏡写真から測定した。また、長径の値は、レーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
具体的には、ガラスビーズ(アズワン株式会社製、型番BZ−01、寸法0.105〜0.125mmφ)に粉末油脂組成物Aを添加、混合することで、ガラスビーズ表面に粉末油脂組成物Aを付着させ、その様子を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で撮影した。ガラスビーズ表面に付着した1個の粉末油脂組成物Aの粒子の付着面から垂直方向の長さを、その粒子の厚さとして測定し、計25個の粒子の厚さの平均値を取り、その値を粉末油脂組成物Aの粒子の厚さの値とした。
図2は、粉末油脂組成物Aの粒子の厚さの測定に使用した電子顕微鏡写真(1500倍)の1つで、この写真では、写真中の直線で示した部分(2か所)の長さ(ガラスビーズ表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)を、粉末油脂組成物Aの粒子の厚さとして測定した。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
このようにして測定した粉末油脂組成物Aの粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比(2)〔=長径/厚さ〕を求めた。
(a)粉末油脂組成物a(0054段落)の粒子のアスペクト比(2)
粉末油脂組成物aは、ほとんどが球形であり、粒子の電子顕微鏡写真から1個1個の粒子について直接、長径及び厚さを測定できる。そこで、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で撮影した写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定した。それぞれの粒子について、アスペクト比(2)を求め、計20個の粒子のアスペクト比(2)の平均値を、粒子のアスペクト比(2)とした。
・平均粒径(d50)
粒度分布測定装置(日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276-1)に基づいて測定した。なお、測定した平均粒径は、d50の値である。
<粉末油脂組成物の調製>
以下の粉末油脂組成物A、Bおよび粉末組成物cを準備した。
(1)粉末油脂組成物A
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、融点67.3℃、横関油脂工業株式会社製)を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末状の油脂結晶(ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3、アスペクト比:1.6、アスペクト比(2):4.6、平均粒径8.7μm、X線回折測定回析ピーク:長面間隔2鎖長、短面主回折ピーク4.6Å、ピーク強度比:0.89)を得た。この油脂粉末は板状であった。この油脂粉末を粉末油脂組成物Aとした。
(2)粉末油脂組成物B
市販の油脂粉末(理研ビタミン株式会社製:スプレーファットNR100)を用いた。この油脂粉末は、ビーズ状の球形粉末であり、ゆるめ嵩密度は0.5g/cm、粒子のアスペクト比は1.1、粒子のアスペクト比(2)は1.1、平均粒径は79μmであった。また、この油脂粉末をX線回折分析した結果、長面間隔は2鎖長であり、短面回折ピークが4.6Åで、強度比が0.91であった。この油脂粉末を粉末油脂組成物Bとした。
(3)粉末組成物c
市販のステアリン酸カルシウム(Merck Millipore社製、平均粒径5.2μm)を粉末組成物cとした。
<食用油脂の準備>
(1)パーム核ステアリン極度硬化油(日清オイリオグループ株式会社製、構成脂肪酸のラウリン酸含有量54.7質量%、ラウリンTAG含有量91.7質量%)を使用した。FHPKSと略号表記する場合がある。
(2)菜種極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を使用した。FHRSOと略号表記する場合がある。
<チョコレートの調製1>
以下の製造手順1〜6により、表1に示す配合に従って、例1〜5のチョコレートを製造した。製造後、20℃に保持された例1〜5のチョコレートの口どけを、資格登録された5名の社内パネルが、以下の評価基準に従って採点した。採点の合計値により、以下に示す基準に従って総合的に評価した。また、例1〜5のチョコレートを20℃に静置し、ブルームの発生を1週間間隔で観察した。結果は、表1に示した。
(製造手順)
1.表1の配合に従って、粉末油脂組成物以外の原材料を混合する。
(2のロールリファイナーに掛かるように、油脂の一部を別途取りおいてもよい)
2.1の原材料を、ロールリファイナーを用いて微粒化する。
3.2で微粒化した原材料を50℃でコンチングする。
(1で油脂を取りおいた場合、その油脂を融解して加える)
4.3により融液状態となったチョコレート生地を45℃に調整する。
5.4のチョコレート生地に粉末油脂組成物を添加混合する。
6.5のチョコレート生地を10℃で30分間冷却固化し、チョコレートを得る。
(チョコレートの口どけの評価基準)
3・・・口どけが非常に良い
2・・・口どけが良い
1・・・融け残りがやや感じられる
0・・・口どけが悪い

(総合評価基準)
採点合計 評価
13以上15以下 ◎(非常に良好)
9以上12以下 〇(良好)
5以上8以下 △(許容範囲)
0以上4以下 ×(不良)
Figure 0006957128
<チョコレートの調製2>
チョコレートの調製1と同様の製造手順により、表2に示す配合に従って、例6〜10のチョコレートを製造した。製造後、20℃に保持された例6〜10のチョコレートの口どけを、資格登録された5名の社内パネルが、チョコレートの調製1と同様に、採点・評価した。さらに、40℃に1時間静置して形状の変化(耐熱性)を観察した。また、20℃に静置してブルームの発生を1週間間隔で観察した。結果は、表2に示した。
Figure 0006957128

Claims (9)

  1. 粉末油脂組成物を含有するチョコレートであって、
    前記粉末油脂組成物が、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含み、前記チョコレートに含まれる油脂の構成脂肪酸全量に占めるラウリン酸の含有量が、20〜60質量%であり、前記チョコレートに含まれる油脂に占める前記油脂粉末の含有量が11〜26質量%である、
    前記チョコレート。
  2. 前記チョコレートに含まれる油脂のHOH含有量が、0.4〜13質量%である、請求項に記載のチョコレート。
    (ただし、H、OおよびHOHは、以下を意味する。
    H:炭素数16〜24の飽和脂肪酸
    O:オレイン酸
    HOH:グリセロールの2位にオレイン酸(O)、1位および3位に炭素数16〜24の飽和脂肪酸(H)がエステル結合したトリアシルグリセロール)
  3. 前記チョコレートに含まれる油脂に占めるラウリンTAG含有量が、48〜90質量%である、請求項1または2に記載のチョコレート。
    (ただし、ラウリンTAGは、以下を意味する。
    ラウリンTAG:構成脂肪酸として少なくとも1分子のラウリン酸を含むトリアシルグリセロール)
  4. 前記油脂粉末が30μm以下の平均粒径を有する、請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレート。
  5. 前記油脂粉末の粒子が2.5以上のアスペクト比(2)を有する板状形状である、請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレート。
  6. 前記油脂粉末が、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含み、前記炭素数xは14〜22から選択される整数である、請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレート。
  7. 前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が0.05〜0.6g/cmである、請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレート。
  8. 請求項1〜の何れか1項に記載のチョコレートを含む食品。
  9. 請求項1〜7の何れか1項に記載のチョコレートの製造方法であって、
    50℃未満の融液状態にある、ラウリンTAGを含むチョコレート生地に、50℃以上の融点と2鎖長β型結晶を有する油脂粉末を含む粉末油脂組成物を、前記チョコレートに含まれる油脂に占める前記油脂粉末の含有量が11〜26質量%となるように、前記チョコレート生地に分散した後、冷却する、前記チョコレートの製造方法。
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