JP6956846B1 - 腰痛改善剤および体幹筋力向上剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな腰痛改善剤および体幹筋力向上剤を提供する。【解決手段】プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む、腰痛改善剤および体幹筋力向上剤が提供される。腰痛改善剤および体幹筋力向上剤は、好ましくは経口剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、腰痛改善剤および体幹筋力向上剤に関する。
腰痛は性別、年代問わず悩んでいる人が多く、厚生労働省の調査によると男性では第1位、女性では第2位の悩みの症状として報告されている。2013年に厚生労働省がまとめた調査によると、我が国の腰痛人口は2800万人と推計され、膝痛人口1800万人を上回る。膝関節痛は、膝の軟骨がすり減ることによって生じることがほとんどであるといわれており、特許文献1には、非変性プロテオグリカンおよび非変性II型コラーゲンが膝関節痛の改善効果を有することが記載されている。
特開2018−90552号公報
これまで、腰の違和感に対するプロテオグリカンの効果は十分に検証されていない。本発明は、新たな腰痛改善剤および体幹筋力向上剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下に例示する腰痛改善剤および体幹筋力向上剤を提供する。
〔1〕プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む、腰痛改善剤。
〔2〕プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む、体幹筋力向上剤。
〔3〕経口剤である、〔1〕または〔2〕に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
〔4〕保健機能食品、健康補助食品またはサプリメントである、〔3〕に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
〔5〕前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
〔6〕前記イミダゾールジペプチドの含有量に対して、前記プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下含む、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
〔7〕前記プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨由来である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
本発明によれば、新たな腰痛改善剤および体幹筋力向上剤を提供することができる。
実施例において、設問1に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの変化量を示すグラフである。以下、全ての図面のグラフにおいて、エラーバーは標準偏差を示す。 実施例において、設問2に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの測定値を示すグラフである。 実施例において、設問3に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの測定値を示すグラフである。 実施例において、設問4に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの測定値を示すグラフである。 実施例において、設問5に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの測定値を示すグラフである。 実施例において、設問6に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの測定値を示すグラフである。 実施例において、設問7に対するプラセボ群および被験食品群のポイントの変化量を示すグラフである。 実施例において、プラセボ群および被験食品群の前屈体幹筋力が低めの被験者の前屈体幹筋力の変化量を示すグラフである。 実施例において、プラセボ群および被験食品群の前屈体幹筋力が低めの被験者の後屈体幹筋力の変化量を示すグラフである。
[腰痛改善剤]
本発明に係る腰痛改善剤は、プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む。本発明に係る腰痛改善剤は、腰痛予防剤または腰痛緩和剤ともいうことができる。腰痛改善剤は、摂取または投与された対象の腰痛または腰の違和感を改善および予防することができる。
腰痛の原因としては、腰椎椎間板ヘルニアや骨粗しょう症等の病気として特定されるものもあるが、多くの原因は特定されにくいといわれている。腰の筋肉を酷使したことによる腰の筋肉の痛みは、例えば肉体労働が多い人や同じ姿勢を続けるデスクワークの人に起こりやすい。また、腰痛は中腰や猫背等の姿勢を続けて腰や背中の筋肉が緊張し続けたときや、運動不足で腰を支える筋力が弱っているときにも起こりやすい。例えば前屈みになったときの腰の痛みは椎間板が圧迫されることで生じる可能性があり、背筋が弱い人、猫背や前屈みになりがちなデスクワークの人に起こりやすい。例えば背中を反ったときの腰の痛みは背骨の後ろ側にある椎間関節がぶつかることで生じる可能性があり、腹筋が弱い人、特に女性に起こりやすいともいわれている。
[体幹筋力向上剤]
本発明に係る腰痛改善剤は、プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む。本発明に係る体幹筋力向上剤は、体幹筋力低下抑制剤ともいうことができる。体幹筋力向上剤は、摂取または投与された対象の体幹筋力を向上させることができる。体幹筋力は、前屈体幹筋力および後屈体幹筋力を含む。体幹筋力向上剤は、体幹筋肉量の増大、腹筋および背筋の筋力向上、体幹筋肉疲労の抑制、バランス能力の向上に寄与し得る。
体幹筋は体幹の運動と安定化に寄与し、腰椎部への負荷を減少させる働きをしている。腰痛患者の体幹筋力は、健常者に比して低下することが知られている(文献1)。さらに、腰痛のリスク因子として体幹筋力の低下が挙げられること(文献2)、腰痛の悪化と体幹筋量の低下が相関すること(文献3)が報告されている。体幹筋力を向上させることで、腰痛の改善も期待される。また、腰痛が改善されることで腰を動かしやすくなり、運動量が増えることで体幹筋力を向上させることができる。
(文献1)前澤靖久、他、腰痛症における体幹筋の重要性とその測定の臨床的意義.日本腰痛会誌,7,26-30,2001
(文献2)Cho et. al., Trunk muscles strength as a risk factor for nonspecific low back pain: a pilot study. Ann Rehabil Med, 38, 234-240, 2014
(文献3)Hori Y ISSLS PRIZE IN CLINICAL SCIENCE 2019: clinical importance of trunk muscle mass for low back pain, spinal balance, and quality of life-a multicenter cross-sectional study. Eur Spine J, 28, 914-921, 2019.
(プロテオグリカン)
プロテオグリカンは、コアタンパク質とそれに結合したグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)からなる糖タンパク質である。プロテオグリカンは、細胞外マトリックスの主な構成要素として、皮膚、軟骨、骨、血管壁等に存在する。
プロテオグリカンとしては、例えばサケ、サメ、エイ、クジラ等の水棲生物の軟骨を原材料にして精製されたものを用いることができる。サケ等の魚類由来軟骨組織の他、イカ、タコ等の軟体動物由来表皮、ニワトリ等の鳥類由来軟骨組織、ウシ、クジラ等の哺乳動物由来軟骨組織も利用することができる。原材料の入手および抽出操作の容易性の観点からは、サケの鼻軟骨由来のプロテオグリカンを用いることが好ましい。原材料として、例えば青森県沿岸や北海道沿岸等で漁獲されたサケ(主にシロサケ)が様々な加工品として処理される際に排出される頭部を使用することができる。
プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカンとしては、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等が挙げられる。プロテオグリカンは、好ましくはコンドロイチン硫酸を構成要素として含む。グリコサミノグリカンとしてコンドロイチン硫酸を含むプロテオグリカンは、サケ鼻軟骨から安定的に得ることができる。プロテオグリカンは、種類や分子量の異なる複数のプロテオグリカンの混合物であってもよい。
プロテオグリカンの分子量は、好ましくは100kDa以上800kDa以下であり、より好ましくは600kDa以下であり、さらに好ましくは400kDa以下である。プロテオグリカンの分子量は、抽出および精製方法によって異なり得る。このような分子量を有するプロテオグリカンは、例えば後述の製造方法によって高純度で得ることができる。プロテオグリカンの平均分子量は例えば450kDaであってもよい。
プロテオグリカンの精製方法は特に限定されないが、例えば特開2002−69097号公報および特開2019−123692号公報に記載の酢酸を用いてプロテオグリカンを抽出する方法を採用することができる。この方法は、例えば酢酸を抽出溶媒として用いてサケ鼻軟骨から粗プロテオグリカンを溶出し、不純物を除いた後、粗プロテオグリカンを濃縮させる方法である。濃縮は、透析によって行ってもよい。プロテオグリカンの精製方法としては、具体的に、ミンチにしたサケの鼻軟骨から溶出溶媒として酢酸を用いて粗プロテオグリカンを溶出した後、得られた溶出液を濾過および遠心分離し、その上澄液に食塩飽和エタノールを加えて遠心分離することにより得られる粗プロテオグリカンを含む半固形沈殿物を酢酸に溶解し、次いで透析する工程を含んでもよい。この精製方法によれば、有害な試薬を使用することなく、効率よく、安全なプロテオグリカンを得ることができる。この精製方法によれば、サケ鼻軟骨から約100〜800kDaの分子量を有するプロテオグリカンを高純度で得ることができる。
使用される酢酸としては食品用、工業用等何れでもよいが、その得られるプロテオグリカンの使用目的によって適宜選択できる。酢酸溶液の濃度は、例えば0.01〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは4.0〜5.0質量%である。
酢酸への粗プロテオグリカンの溶出は、例えば20〜40℃で行なう。このような温度範囲で溶出することによりプロテオグリカンの分解を殆ど起こさないで、プロテオグリカンを糖タンパク質複合体として効率よく抽出できる。
抽出は軟骨表面全体を抽出溶媒が流動的に接触する条件で行うことが好ましく、この際の抽出溶媒の流速は例えば0.04〜10.0cm/sec、好ましくは0.04〜5.0cm/secである。この流れはスターラーやミキサーによる水平方向の円運動だけでなく、液を循環させる等の方法により垂直方向、さらに軟骨を置いた上に一方から他方へ液を流すような一定方向の流れ等何れでも構わないが、液が常に対流することで抽出効率の向上が可能である。粗プロテオグリカン溶出液は、粉末セルロースおよび/または吸油マット等を用いることにより、混入し得る脂質成分を吸着除去処理してもよい。
脂質除去後の溶出液から得られるプロテオグリカンは適当な分画分子量を有する分離膜等で固液分離し、抽出液を回収してもよい。この操作において、5万以上の分離膜等を使用すれば液相から低分子量の夾雑物(コラーゲン等)も除去することができ、プロテオグリカンの純度を上げることが可能である。好ましくは10万以上の分離膜等を用いる。さらに、得られた分画液は真空凍結乾燥機を用いて固形物にしてもよい。スプレードライヤーで乾燥させ、粉末状固形分としてもよい。
プロテオグリカンを精製する方法の一例としては、サケ鼻軟骨を4質量%酢酸に4℃で48時間浸し、撹拌することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。さらに、ろ過した溶液を遠心分離機で遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)してもよい。得られた上清に3倍量の食塩飽和エタノールを加えて再び遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)することで、半固形状のプロテオグリカンを得ることができる。この半固形状のプロテオグリカンを再び4質量%酢酸に浸漬して溶解させ、排除限界分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで透析し、純度の高いプロテオグリカンを得ることができる。
プロテオグリカンを精製する方法の他の一例としては、サケ鼻軟骨を5質量%酢酸に投入し、温度5、20、30または40℃で72時間抽出することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。次に、吸油マット(前田工繊社製、商品名「油吸着シートSP−1300N(DX)」で液上層の油を吸着させた後、粉末セルロース(日本製紙社製、商品名「KCフロックW−400G」)を加え30分撹拌後ろ過してもよい。ろ液を分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで十分に透析し、得られた液を凍結乾燥し、プロテオグリカンを得ることができる。
他のプロテオグリカンの精製方法としては、特開2009−173702号公報に記載の方法も好適に採用することができる。この方法は、例えば凍結した水棲動物組織を破砕し、温度0〜20℃、pH4.8〜7の水を加えて脂質を浮かせ、遠心分離により沈殿物を回収し、該沈殿物を乾燥微粉末化する。得られた乾燥微粉末にエタノール等の有機溶媒を加え、沈殿物中に残存している脂質をさらに除去することができる。この方法によれば、組織中のプロテオグリカンの分解を伴うことなく、異臭が少なく、食品、飲料、化粧品等の用途に好適なプロテオグリカンを得ることができる。
本発明の組成物中にプロテオグリカンを配合するために、高度に精製されたプロテオグリカンを用いる必要はなく、例えば、プロテオグリカンの作用に悪影響を及ぼさない他の成分を含むプロテオグリカンの粗精製物(例えば、サケ軟骨等の原材料からの抽出物)を用いてもよい。プロテオグリカンの粗精製物(抽出物)中のプロテオグリカン含有量は、例えば20.0質量%以上であり、好ましくは50.0質量%以上である。
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、120℃・1時間までの加熱試験において、安定であった。また、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、pH2.0−10の範囲で安定であった。従って、サケ軟骨由来のプロテオグリカンは、経口剤および外用剤への加工時にも安定であり、加工性に優れている。
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、コンドロイチン4硫酸およびコンドロイチン6硫酸に比べて腸管での吸収量が有意に多いことがわかっている。
例えば経口剤である場合、腰痛改善剤または体幹筋力向上剤中のプロテオグリカンの配合量は、0.1質量%〜50質量%、1質量%〜30質量%または2質量%〜20質量%であってよい。プロテオグリカンの配合量は、例えば高速液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
腰痛改善剤または体幹筋力向上剤は、好ましくはII型コラーゲンの含有量に対して、プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%超、さらに好ましくは8質量%以上含み、15質量%以下含んでもよい。
腰痛改善剤または体幹筋力向上剤は、好ましくはイミダゾールジペプチドの含有量に対して、プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下、より好ましくは2.5質量倍以上、さらに好ましくは3質量倍以上含み、5質量倍以下含んでもよい。
(II型コラーゲン)
コラーゲンは、ブタなどの哺乳類、ニワトリなどの鳥類、サメ、エイなどの魚類、イカなどの軟体動物類の軟骨組織、骨、臓器、腱などに存在している。II型コラーゲン(2型コラーゲン)は特に軟骨に多く含まれる。II型コラーゲンは、加水分解されていてもよい。
II型コラーゲンは、例えば次のようにして得ることができる。屠殺で生じた軟骨を含んでいる動物組織に高圧水流を噴射し不純物を除去し、冷凍しておく。これを回転式カッターミルなどを用いて粉砕し、次にクエン酸ナトリウムや塩酸を用いて酸性化することによりカルシウムを除去する。その後、酸性水溶液中ペプシンに浸して、ペプシン消化を行うことによりII型コラーゲンを抽出することができる。
II型コラーゲンは、国際公開第2007/122179号に記載の方法によって得ることもできる。この方法は、a)鶏の骨および関節軟骨(胸骨軟骨を含む)を70〜100重量%並びに胸肋軟骨を0〜30重量%含む原材料を供給する工程、b)上記原材料を、pH5.5〜7.5の水溶液と混合する工程、c)上記原材料の水溶液混合物を、1〜2時間に亘り、好適には1時間30分〜2時間に亘り、65℃〜75℃で、好適には70℃〜72℃で、タンパク分解酵素を用いて加水分解する工程、d)10〜20分に亘り、少なくとも85℃で、上記タンパク分解酵素を不活化する工程、e)上記加水分解により得られた水解物を含む反応混合物を濾過する工程、f)上記反応混合物を濃縮する工程、g)約130℃で、少なくとも約30秒間に亘って、上記反応混合物の最終殺菌処理を行う工程、h)上記反応混合物を乾燥させて、粉末状の水解物を得る工程を含む。この製造方法によれば、平均分子量が小さく、加水分解されたII型コラーゲンペプチドを得ることができる。II型コラーゲンペプチドは、好ましくはその約60%が分子量1000以下である。II型コラーゲンペプチドは、好ましくは平均分子量は約700である。平均分子量が小さいことにより、腸壁における吸収性が向上し、生体での利用効率が上昇する。
例えば経口剤である場合、腰痛改善剤または体幹筋力向上剤中のII型コラーゲンの配合量は、1質量%〜50質量%、10質量%〜40質量%または15質量%〜30質量%であってよい。
(ヒアルロン酸)
ヒアルロン酸は、N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸が二糖単位で直鎖状に結合した繰り返し構造を有し、生体内に極めて高分子で存在する。ヒアルロン酸は、生体内では関節、硝子体、皮膚、脳など広く細胞外マトリックスに存在している。ヒアルロン酸は、加水分解処理される前の高分子ヒアルロン酸であってもよいが、生体での利用効率が向上する観点からは、低分子化ヒアルロン酸であることが好ましい。低分子ヒアルロン酸は例えば平均分子量が5000以下であり、約3000であってもよい。酵素、酸またはアルカリの濃度および処理時間等を適宜選択することで、目的の分子量に調製することができる。ヒアルロン酸は、塩であってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩であってもよい。
ヒアルロン酸は、例えばニワトリの鶏冠を原材料として得ることができる。まず、鶏冠を小片化する。プロテアーゼを溶解した酵素液を小片化された鶏冠に添加した後、一定時間放置する。酵素液のpHは例えば5.0〜10.0であり、処理温度は例えば40〜60℃であり、処理時間は例えば0.5〜3.0時間である。酵素処理は、酵素液を振とうしながら行ってもよい。得られた分解生成物を、ろ過などの方法により固形分を除去する。これを凍結乾燥および粉砕し、ヒアルロン酸を含む粉末を得ることができる。
ヒアルロン酸は、特開2019−89860号公報に記載のように微生物の培養液から精製することもできる。例えば、ストレプトコッカス属の培養液より抽出および精製して得られた高分子ヒアルロン酸を原料とできる。高分子ヒアルロン酸を溶解後、塩酸を加え、pHを調整したのち、酸加水分解を行うことにより適宜目的の分子量まで低分子化する。続いて、水酸化ナトリウムを加えて中和した後、エタノールを加えて、ヒアルロン酸を抽出および精製できる。
例えば経口剤である場合、腰痛改善剤または体幹筋力向上剤中のヒアルロン酸の配合量は、0.1質量%〜30質量%、1質量%〜20質量%または2質量%〜10質量%であってよい。ヒアルロン酸の配合量は、例えば高速液体クロマトグラフィーによって定量することができる。
(イミダゾールジペプチド)
イミダゾールジペプチドは、イミダゾール基を有するヒスチジンまたはヒスチジン誘導体とアミノ酸とが結合したジペプチドであり、アンセリン(β−アラニル−1−メチルヒスチジン)、カルノシン(β−アラニルヒスチジン)、バレニン(β−アラニル−3−メチルヒスチジン)、ホモカルノシン(γ−アミノブチリル−L−ヒスチジン)等が挙げられる。
イミダゾールジペプチドの製造方法としては、L−ヒスチジンおよび3−メチル−L−ヒスチジン等を出発原料として、化学的、酵素学的または微生物学的に合成する方法が知られている。例えば、イミダゾールジペプチド合成活性能を有する微生物を用いてイミダゾールジペプチドを製造することができる。
イミダゾールジペプチドは、マグロ、カツオ、サケ等の魚類、ウシ、ブタ、クジラ等の哺乳類、ニワトリ等の鳥類といった動物のエキスから取得することもできる。カルノシンおよびアンセリンは、鶏肉、魚肉等に多く含まれている。イミダゾールジペプチドは、例えば国際公開第2006/123436号に記載の方法で得ることができる。具体的には、鶏肉を細切りして温水を加え、酸またはアル力リを添加して、抽出液を得る。この抽出液をカラム等で脱塩し、プロテアーゼで処理することによりイミダゾールジペプチドを得ることができる。酸としては、塩酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸が例示でき、好ましくはクエン酸が使用される。アル力リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化力リウム、トリエタノールアミンが例示できる。抽出条件は特に限定されないが、通常90℃で4時間程度である。プロテアーゼとしては、タンパク質を分解できる酵素であれば特に限定されないが、例えばパパイン、トリプシン、ぺプシンが例示でき、好ましくはパパインが使用される。酵素処理条件は、通常50℃で1時間程度である。酵素処理後、酵素を失活させるために加熱したのち、中和、カラム等による精製および脱塩を行い、乾燥させて、鶏肉エキス粉末というを調製することができる。鶏肉エキス粉末には、アンセリンおよびカルノシンが好ましくは15質量%以上含まれる。
イミダゾールジペプチドは、身体の疲労感を低減化させる効果を有することが報告されている。腰に違和感を感じたり、日常的に腰に負荷がかかっている人には、イミダゾールジペプチドの摂取により、腰の疲労からの回復が促され、QOLの向上および日常的な動作や行動の改善につながることが期待される。
例えば経口剤である場合、腰痛改善剤または体幹筋力向上剤中のイミダゾールジペプチドの配合量は、0.01質量%〜10質量%、0.1質量%〜10質量%または0.2質量%〜5質量%であってよい。イミダゾールジペプチドの配合量は、公知のアミノ酸分析法により定量することができる。
(製剤形態)
腰痛改善剤または体幹筋力向上剤は、非経口剤として対象に投与してもよいが、好ましくは経口剤である。非経口投与としては、外用または静脈への投与が挙げられる。対象は、特に限定されないが、ヒトのほか、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、トリ等の家畜や家禽、愛玩動物等であってもよい。
経口剤は、食品、医薬品または医薬部外品であってよい。食品には飲料または飼料等が含まれる。食品は、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、健康補助食品、サプリメントが含まれる。医薬品としては、動物薬、治療薬または予防薬等が含まれる。
食品としては、例えば、チーズ、調製粉乳、アイスクリーム、ヨーグルト等の乳製品、チョコレート、クッキー、ビスケット、キャンディー、和菓子、米菓、ケーキ、パイ、プリン等の菓子類、パン、麺類等の小麦粉製品、雑炊、米飯等の米製品、しょうゆ、味噌、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料等を挙げることができる。食品は、水産加工品、農産加工品、畜産加工品であってもよい。
飲料としては、茶、コーヒー、牛乳、乳飲料、果汁飲料、ジュース、乳酸飲料、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンク等を挙げることができる。
食品は、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等の食品添加剤であってもよい。食品添加剤には飲料用の添加剤も含まれる。食品添加剤は、一般的な食品添加剤の製造方法に準じて製造することができる。プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む経口剤は、他の食品に添加されてもよい。
食品は、その種類に応じて種々の添加剤を含むことができる。添加剤としては、甘味料が挙げられる。甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、マルチトール等が挙げられる。
その他の添加剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類(特にビタミンB1、ビタミンB6等)、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられる。
経口剤の剤形は特に限定されず、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、チュアブル錠、丸剤、トローチ剤、舌下錠、軟膏、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、ゼリー剤、シロップ、液剤等が挙げられる。
腰痛改善剤または体幹筋力向上剤が経口剤である場合、摂取対象者の性別、年齢、体重の他、症状の軽重等により広範に調整することができるが、一般にプロテオグリカンの1日の1人あたりの摂取量は1mg以上100mg以下となることが好ましく、5mg以上であることがより好ましく、5mg超、例えば10mg以上であってもよい。II型コラーゲンの1日の1人あたりの摂取量は1mg以上50g以下となることが好ましく、10mg以上10g以下であってもよく、100mg以上であってもよい。ヒアルロン酸の1日の1人あたりの摂取量は1mg以上50g以下となることが好ましく、5mg以上1g以下であってもよく、10mg以上であってもよい。イミダゾールジペプチドの1日の1人あたりの摂取量は0.1mg以上500mg以下となることが好ましく、1mg以上200mg以下であってもよく、2.25mg以上であってもよい。経口剤は、1日1回または数回に分けて摂取すればよい。
経口剤の調製は、無毒性の賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、矯味剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠化剤等の添加剤を使用して、公知の方法により実施することができる。これらの製剤に含まれる無毒性の添加剤としては、例えば、でんぷん、ゼラチン、ブドウ糖、デキストリン、ヒアルロン酸、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシウム、二酸化珪素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペトロラタム、グリセリン、エタノール、シロップ、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸、ポリビニルピロリドン、水、シェラック、カルナウバロウ等が挙げられる。製剤中には、本発明の有用性を補強したり増強したりするために、他の成分、薬剤等を含有させてもよい。
外用剤は、医薬品、医薬部外品または化粧品であってよい。外用剤は、例えば皮膚に直接塗布または貼付することができ、液剤、クリーム剤、乳液剤、ローション剤、軟膏、ゲル剤、エアゾール剤、パック、マイクロニードルパッチ、湿布剤等であってよい。
非経口剤の各成分の含有量は、経口剤と同じであってもよく、異なっていてもよい。外用剤におけるプロテオグリカンの配合量は、例えば0.001〜20質量%、0.01〜15質量%または0.05〜10質量%であってよい。外用剤におけるII型コラーゲンの配合量は、例えば0.01〜20質量%、0.1〜15質量%または1〜10質量%であってよい。外用剤におけるヒアルロン酸の配合量は、例えば0.001〜20質量%、0.01〜15質量%または0.05〜10質量%であってよい。外用剤におけるイミダゾールジペプチドの配合量は、例えば0.001〜20質量%、0.01〜15質量%または0.05〜10質量%であってよい。
外用剤は、プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドと、医薬品、医薬部外品または化粧品に通常使用される基剤または担体と、を常法に従い混合して製剤化することができる。基剤または担体としては、ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;ジメチコン、環状シリコーン、変性シリコーン等のシリコーン類;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル;水が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血管拡張剤等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤としては、例えばソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類が挙げられる。
安定化剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩が挙げられる。
着色剤としては、例えば無機顔料、天然色素が挙げられる。
分散剤としては、例えばピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸が挙げられる。
キレート剤としては、例えばEDTA・2ナトリウム塩、クエン酸が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸;乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等の有機酸;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
保存剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン類、フェノキシエタノールが挙げられる。
増粘剤としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミルおよびその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物が挙げられる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン)、エラスチン、コラーゲン、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。
血管拡張剤としては、例えば塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、ミノキシジル、オタネニンジンエキス、トウガラシチンキが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
腰の違和感を有する中高齢男女(合計50名)を対象とし、プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含む被験食品を12週間連続で摂取させ、プラセボを対照として被験食品が腰の違和感や曲げ伸ばしへ与える影響を検討した。
試験方法の詳細は次のとおりである。
<研究デザイン>
無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較研究
摂取期間:12週間
観察回数:3回(0週目(事前)、6週目、12週目)
<割付>
被験食品群:男性10名、女性14名(平均年齢53.1±7.0歳)
プラセボ群:男性12名、女性14名(平均年齢52.3±6.9歳)
<被験食品>
表1の組成に賦形剤を加えて錠剤とした。プラセボは、下記成分を含まない以外は同じ賦形剤を用いて錠剤とした。数値は錠剤2粒(400mg)中の含有量である。1日2粒を水またはぬるま湯とともに摂取した。
Figure 0006956846
<評価>
有効性の評価として、下記の設問および体幹筋力測定を行った。
(設問1)この数日間、腰痛のため、椅子や洋式トイレからの立ち上がりはどの程度困難ですか。
(設問2)この数日間、腰痛のため、寝返りはどの程度困難ですか。
(設問3)この数日間、腰痛のため、腰を捻って後ろのものをとろうとするのはどの程度困難ですか。
(設問4)この数日間、腰痛のため、簡単な作業や家事(ものを片付ける、食事の準備をするなど)はどの程度つらいですか。
(設問5)この1か月間、腰痛はあなたの精神状態に悪く影響していると思いますか。
(設問6)この1か月間、腰痛はあなたの健康状態に悪く影響していると思いますか。
(設問7)床に落ちているものを拾うときに、どの程度腰がつらいですか。
上記設問に対し、最も良い状態を0点、状態の良い順に1、2、3点として、最も悪い状態を4点として被験者に回答してもらった。0週目から6週目または12週目までの変化量について、被験食品群とプラセボ群とをMann−WhitneyのU検定を用いて比較した。また、被験食品群およびプラセボ群のそれぞれについて、0週目の測定値と6週目または12週目の測定値とをWilcoxon符号付順位和検定を用いて群内比較した。
(体幹筋力)
徒手筋力計(モービィ、酒井医療株式会社)を用いて、足が床に付かないように椅子座位にて前屈筋力および後屈筋力をそれぞれ2回ずつ測定し、そのうち最大値を事前検査時(0週目)の体重で除して補正した値を評価に用いた。0週目から6週目または12週目の変化量について、被験食品群とプラセボ群とをMann−WhitneyのU検定を用いて比較した。
(設問の結果)
設問1について、被験食品群の0週目から6週目および12週目の変化量(低下量)は、プラセボ群の変化量と比べて有意に大きかった(図1)。被験食品は、腰掛けた状態から立ち上がる際の困難さを軽減する効果を有することが示された。設問2について、プラセボ群では測定値に有意な変化が見られなかったのに対して、被験食品群では0週目に比べて6週目および12週目で測定値は有意に低下していた(図2)。設問3、設問4および設問5について、プラセボ群では測定値に有意な変化が見られなかったのに対して、被験食品群では0週目に比べて12週目で測定値が有意に低下していた(図3、図4および図5)。設問6について、プラセボ群では測定値に有意な変化が見られなかったのに対して、被験食品群では0週目に比べて6週目および12週目で測定値は有意に低下していた(図6)。設問7について、被験食品群の0週目から12週目の変化量(低下量)は、プラセボ群の変化量と比べて有意に大きかった(図7)。被験食品は、屈んでものを拾うときの腰のつらさを軽減する効果を有することが示された。以上の結果より、被験食品は、腰痛を改善する効果を有することが示された。
(体幹筋力の結果)
体幹筋力のうち前屈では、被験食品群がプラセボ群と比べてやや増加する傾向にあった。体幹筋力について、体幹筋力が低めの方(前屈体幹筋力が中央値未満)を対象とした解析をさらに行った。男女で筋力が大きく異なることから、中央値は男女別に算出して用いた。対象となった被験食品群は10名(男性4名、女性6名、平均年齢53.8±5.2歳)、プラセボ群は15名(男性7名、女性8名、平均年齢51.1±6.3歳)であった。被験食品群の0週目から12週目の前屈体幹筋力の変化量(増加量)は、プラセボ群の変化量と比べて有意に大きかった(図8)。また、被験食品群の後屈体幹筋力の0週目から6週目および12週目の変化量(増加量)は、プラセボ群の変化量と比べて大きかった(図9)。被験食品は、体幹筋力を増加させる効果を有することが示された。この効果は、体幹筋力が比較的弱い被験者により顕著であると考えられる。
体幹筋力が向上した原因の1つとして、被験食品群では、腰の痛みの程度および腰の可動域もプラセボ群と比べて改善していたことが考えられる。腰の違和感が軽減することで腰が動かしやすくなり(腰の可動域の増大)、力を入れやすくなったことで、結果的に体幹筋力が増加したと考えられる。
本試験条件下では、複数の設問において、6週目で有意な群間差が見られていることから、少なくとも被験食品を6週間摂取することで上記の効果が得られることがわかる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (7)

  1. プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類および小麦蛋白質の加水分解物を含まない、腰痛改善剤。
  2. プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類および小麦蛋白質の加水分解物を含まない、体幹筋力向上剤。
  3. 前記イミダゾールジペプチドの含有量に対して、前記プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下含む、請求項1または2に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
  4. プロテオグリカン、II型コラーゲン、ヒアルロン酸およびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記イミダゾールジペプチドの含有量に対して、前記プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類および小麦蛋白質の加水分解物を含まない、体幹筋力向上剤
  5. 経口剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
  6. 保健機能食品、健康補助食品またはサプリメントである、請求項に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
  7. 前記プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨由来である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の腰痛改善剤または体幹筋力向上剤。
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