JP7080388B1 - 歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤 - Google Patents

歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】新たな歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤を提供する。【解決手段】プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む、歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤が提供される。剤は、好ましくは経口剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤に関する。
プロテオグリカンには関節痛改善効果があることが報告されている。特許文献1には、非変性プロテオグリカンおよび非変性II型コラーゲンを含む関節痛改善剤が開示されている。
特開2018-90552号公報
本発明は、歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤を新たに提供することを目的とする。
本発明は、以下に例示される剤に関する。
〔1〕プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む、歩行機能における動的バランスの改善剤。
〔2〕プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む、転倒不安感の軽減剤。
〔3〕プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む、移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤。
〔4〕ヒアルロン酸をさらに含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の剤。
〔5〕前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含む、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の剤。
〔6〕前記イミダゾールジペプチドの含有量に対して、前記プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下含む、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の剤。
〔7〕経口剤である、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の剤。
〔8〕保健機能食品、健康補助食品またはサプリメントである、〔7〕に記載の剤。
〔9〕前記プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨由来である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の剤。
本発明によれば、歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤を新たに提供することができる。
実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(TUG recording time)の変化量を示すグラフである。以下、全ての図面のグラフにおいて、エラーバーは標準偏差を示す。 実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(Time taken to stand)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(Pre-turn time)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(Post-turn time)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(Time taken to turn)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層におけるTUGテスト(Average stride velocity)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層における6分間歩行の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層における膝伸展筋力(右足)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層における膝伸展筋力(左足)の変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層における30秒立ち上がりテストの変化量を示すグラフである。 実施例において、ロコモ度1の被験者層における転倒不安感の変化量を示すグラフである。
本発明は、歩行機能における動的バランスの改善剤、転倒不安感の軽減剤および移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤に関する。本発明は、一態様として歩行機能改善剤、運動機能改善剤、運動バランスの改善剤、歩行バランスの改善剤、膝伸展筋力の改善または向上剤、転倒予防剤、下肢筋力向上剤、動き始めの痛みの軽減剤であってもよい。
本発明に係る剤は、上記機能の向上、および機能の低下の予防、機能の低下の遅延のためにも使用できる。本発明に係る剤は、運動機能の低下、移動機能の低下または転倒不安感を有する人に対して適用されることが好ましい。本発明に係る剤の対象者は、中高年であってよい。中年は45~64歳であってよく、高年はそれ以上であってよい。
本発明に係る剤は、プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含み、好ましくはさらにヒアルロン酸を含む。
(プロテオグリカン)
プロテオグリカンは、コアタンパク質とそれに結合したグリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖)からなる糖タンパク質である。プロテオグリカンは、細胞外マトリックスの主な構成要素として、皮膚、軟骨、骨、血管壁等に存在する。
プロテオグリカンとしては、例えばサケ、サメ、エイ、クジラ等の水棲生物の軟骨を原材料にして精製されたものを用いることができる。サケ等の魚類由来軟骨組織の他、イカ、タコ等の軟体動物由来表皮、ニワトリ等の鳥類由来軟骨組織、ウシ、クジラ等の哺乳動物由来軟骨組織も利用することができる。原材料の入手および抽出操作の容易性の観点からは、サケの鼻軟骨由来のプロテオグリカンを用いることが好ましい。原材料として、例えば青森県沿岸や北海道沿岸等で漁獲されたサケ(主にシロサケ)が様々な加工品として処理される際に排出される頭部を使用することができる。
プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカンとしては、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸等が挙げられる。プロテオグリカンは、好ましくはコンドロイチン硫酸を構成要素として含む。グリコサミノグリカンとしてコンドロイチン硫酸を含むプロテオグリカンは、サケ鼻軟骨から安定的に得ることができる。プロテオグリカンは、種類や分子量の異なる複数のプロテオグリカンの混合物であってもよい。
プロテオグリカンの分子量は、好ましくは100kDa以上800kDa以下であり、より好ましくは600kDa以下であり、さらに好ましくは400kDa以下である。プロテオグリカンの分子量は、抽出および精製方法によって異なり得る。このような分子量を有するプロテオグリカンは、例えば後述の製造方法によって高純度で得ることができる。プロテオグリカンの平均分子量は例えば450kDaであってもよい。
プロテオグリカンの精製方法は特に限定されないが、例えば特開2002-69097号公報および特開2019-123692号公報に記載の酢酸を用いてプロテオグリカンを抽出する方法を採用することができる。この方法は、例えば酢酸を抽出溶媒として用いてサケ鼻軟骨から粗プロテオグリカンを溶出し、不純物を除いた後、粗プロテオグリカンを濃縮させる方法である。濃縮は、透析によって行ってもよい。プロテオグリカンの精製方法としては、具体的に、ミンチにしたサケの鼻軟骨から溶出溶媒として酢酸を用いて粗プロテオグリカンを溶出した後、得られた溶出液を濾過および遠心分離し、その上澄液に食塩飽和エタノールを加えて遠心分離することにより得られる粗プロテオグリカンを含む半固形沈殿物を酢酸に溶解し、次いで透析する工程を含んでもよい。この精製方法によれば、有害な試薬を使用することなく、効率よく、安全なプロテオグリカンを得ることができる。この精製方法によれば、サケ鼻軟骨から約100~800kDaの分子量を有するプロテオグリカンを高純度で得ることができる。
使用される酢酸としては食品用、工業用等何れでもよいが、その得られるプロテオグリカンの使用目的によって適宜選択できる。酢酸溶液の濃度は、例えば0.01~20質量%であり、好ましくは0.1~10質量%であり、より好ましくは4.0~5.0質量%である。
酢酸への粗プロテオグリカンの溶出は、例えば20~40℃で行なう。このような温度範囲で溶出することによりプロテオグリカンの分解を殆ど起こさないで、プロテオグリカンを糖タンパク質複合体として効率よく抽出できる。
抽出は軟骨表面全体を抽出溶媒が流動的に接触する条件で行うことが好ましく、この際の抽出溶媒の流速は例えば0.04~10.0cm/sec、好ましくは0.04~5.0cm/secである。この流れはスターラーやミキサーによる水平方向の円運動だけでなく、液を循環させる等の方法により垂直方向、さらに軟骨を置いた上に一方から他方へ液を流すような一定方向の流れ等何れでも構わないが、液が常に対流することで抽出効率の向上が可能である。粗プロテオグリカン溶出液は、粉末セルロースおよび/または吸油マット等を用いることにより、混入し得る脂質成分を吸着除去処理してもよい。
脂質除去後の溶出液から得られるプロテオグリカンは適当な分画分子量を有する分離膜等で固液分離し、抽出液を回収してもよい。この操作において、5万以上の分離膜等を使用すれば液相から低分子量の夾雑物(コラーゲン等)も除去することができ、プロテオグリカンの純度を上げることが可能である。好ましくは10万以上の分離膜等を用いる。さらに、得られた分画液は真空凍結乾燥機を用いて固形物にしてもよい。スプレードライヤーで乾燥させ、粉末状固形分としてもよい。
プロテオグリカンを精製する方法の一例としては、サケ鼻軟骨を4質量%酢酸に4℃で48時間浸し、撹拌することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。さらに、ろ過した溶液を遠心分離機で遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)してもよい。得られた上清に3倍量の食塩飽和エタノールを加えて再び遠心分離(4℃、10000rpm、20分間)することで、半固形状のプロテオグリカンを得ることができる。この半固形状のプロテオグリカンを再び4質量%酢酸に浸漬して溶解させ、排除限界分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで透析し、純度の高いプロテオグリカンを得ることができる。
プロテオグリカンを精製する方法の他の一例としては、サケ鼻軟骨を5質量%酢酸に投入し、温度5、20、30または40℃で72時間抽出することでプロテオグリカンの抽出液を得ることができる。この抽出液をステンレススチールメッシュ(150μm)で濾過して不溶物を除去してもよい。次に、吸油マット(前田工繊社製、商品名「油吸着シートSP-1300N(DX)」で液上層の油を吸着させた後、粉末セルロース(日本製紙社製、商品名「KCフロックW-400G」)を加え30分撹拌後ろ過してもよい。ろ液を分子量10万のセルロースエステルメンブラン透析チューブで十分に透析し、得られた液を凍結乾燥し、プロテオグリカンを得ることができる。
他のプロテオグリカンの精製方法としては、特開2009-173702号公報に記載の方法も好適に採用することができる。この方法は、例えば凍結した水棲動物組織を破砕し、温度0~20℃、pH4.8~7の水を加えて脂質を浮かせ、遠心分離により沈殿物を回収し、該沈殿物を乾燥微粉末化する。得られた乾燥微粉末にエタノール等の有機溶媒を加え、沈殿物中に残存している脂質をさらに除去することができる。この方法によれば、組織中のプロテオグリカンの分解を伴うことなく、異臭が少なく、食品、飲料、化粧品等の用途に好適なプロテオグリカンを得ることができる。
本発明の組成物中にプロテオグリカンを配合するために、高度に精製されたプロテオグリカンを用いる必要はなく、例えば、プロテオグリカンの作用に悪影響を及ぼさない他の成分を含むプロテオグリカンの粗精製物(例えば、サケ軟骨等の原材料からの抽出物)を用いてもよい。プロテオグリカンの粗精製物(抽出物)中のプロテオグリカン含有量は、例えば20.0質量%以上であり、好ましくは50.0質量%以上である。
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、120℃・1時間までの加熱試験において、安定であった。また、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、pH2.0-10の範囲で安定であった。従って、サケ軟骨由来のプロテオグリカンは、経口剤および外用剤への加工時にも安定であり、加工性に優れている。
サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカンは、コンドロイチン4硫酸およびコンドロイチン6硫酸に比べて腸管での吸収量が有意に多いことがわかっている。
例えば経口剤である場合、剤中のプロテオグリカンの配合量は、0.1質量%~50質量%、1質量%~30質量%または2質量%~20質量%であってよい。プロテオグリカンの配合量は、例えば高速液体クロマトグラフィーにより分析することができる。
本発明に係る剤は、好ましくはII型コラーゲンの含有量に対して、プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%超、さらに好ましくは8質量%以上含み、15質量%以下含んでもよい。
本発明に係る剤は、好ましくはイミダゾールジペプチドの含有量に対して、プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下、より好ましくは2.5質量倍以上、さらに好ましくは3質量倍以上含み、5質量倍以下含んでもよい。
(II型コラーゲン)
コラーゲンは、ブタなどの哺乳類、ニワトリなどの鳥類、サメ、エイなどの魚類、イカなどの軟体動物類の軟骨組織、骨、臓器、腱などに存在している。II型コラーゲン(2型コラーゲン)は特に軟骨に多く含まれる。II型コラーゲンは、加水分解されていてもよい。
II型コラーゲンは、例えば次のようにして得ることができる。屠殺で生じた軟骨を含んでいる動物組織に高圧水流を噴射し不純物を除去し、冷凍しておく。これを回転式カッターミルなどを用いて粉砕し、次にクエン酸ナトリウムや塩酸を用いて酸性化することによりカルシウムを除去する。その後、酸性水溶液中ペプシンに浸して、ペプシン消化を行うことによりII型コラーゲンを抽出することができる。
II型コラーゲンは、国際公開第2007/122179号に記載の方法によって得ることもできる。この方法は、a)鶏の骨および関節軟骨(胸骨軟骨を含む)を70~100重量%並びに胸肋軟骨を0~30重量%含む原材料を供給する工程、b)上記原材料を、pH5.5~7.5の水溶液と混合する工程、c)上記原材料の水溶液混合物を、1~2時間に亘り、好適には1時間30分~2時間に亘り、65℃~75℃で、好適には70℃~72℃で、タンパク分解酵素を用いて加水分解する工程、d)10~20分に亘り、少なくとも85℃で、上記タンパク分解酵素を不活化する工程、e)上記加水分解により得られた水解物を含む反応混合物を濾過する工程、f)上記反応混合物を濃縮する工程、g)約130℃で、少なくとも約30秒間に亘って、上記反応混合物の最終殺菌処理を行う工程、h)上記反応混合物を乾燥させて、粉末状の水解物を得る工程を含む。この製造方法によれば、平均分子量が小さく、加水分解されたII型コラーゲンペプチドを得ることができる。II型コラーゲンペプチドは、好ましくはその約60%が分子量1000以下である。II型コラーゲンペプチドは、好ましくは平均分子量は約700である。平均分子量が小さいことにより、腸壁における吸収性が向上し、生体での利用効率が上昇する。
例えば経口剤である場合、剤中のII型コラーゲンの配合量は、1質量%~50質量%、10質量%~40質量%または15質量%~30質量%であってよい。
(イミダゾールジペプチド)
イミダゾールジペプチドは、イミダゾール基を有するヒスチジンまたはヒスチジン誘導体とアミノ酸とが結合したジペプチドであり、アンセリン(β-アラニル-1-メチルヒスチジン)、カルノシン(β-アラニルヒスチジン)、バレニン(β-アラニル-3-メチルヒスチジン)、ホモカルノシン(γ-アミノブチリル-L-ヒスチジン)等が挙げられる。
イミダゾールジペプチドの製造方法としては、L-ヒスチジンおよび3-メチル-L-ヒスチジン等を出発原料として、化学的、酵素学的または微生物学的に合成する方法が知られている。例えば、イミダゾールジペプチド合成活性能を有する微生物を用いてイミダゾールジペプチドを製造することができる。
イミダゾールジペプチドは、マグロ、カツオ、サケ等の魚類、ウシ、ブタ、クジラ等の哺乳類、ニワトリ等の鳥類といった動物のエキスから取得することもできる。カルノシンおよびアンセリンは、鶏肉、魚肉等に多く含まれている。イミダゾールジペプチドは、例えば国際公開第2006/123436号に記載の方法で得ることができる。具体的には、鶏肉を細切りして温水を加え、酸またはアル力リを添加して、抽出液を得る。この抽出液をカラム等で脱塩し、プロテアーゼで処理することによりイミダゾールジペプチドを得ることができる。酸としては、塩酸、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸が例示でき、好ましくはクエン酸が使用される。アル力リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化力リウム、トリエタノールアミンが例示できる。抽出条件は特に限定されないが、通常90℃で4時間程度である。プロテアーゼとしては、タンパク質を分解できる酵素であれば特に限定されないが、例えばパパイン、トリプシン、ぺプシンが例示でき、好ましくはパパインが使用される。酵素処理条件は、通常50℃で1時間程度である。酵素処理後、酵素を失活させるために加熱したのち、中和、カラム等による精製および脱塩を行い、乾燥させて、鶏肉エキス粉末というを調製することができる。鶏肉エキス粉末には、アンセリンおよびカルノシンが好ましくは15質量%以上含まれる。
例えば経口剤である場合、剤中のイミダゾールジペプチドの配合量は、0.01質量%~10質量%、0.1質量%~10質量%または0.2質量%~5質量%であってよい。イミダゾールジペプチドの配合量は、公知のアミノ酸分析法により定量することができる。
(ヒアルロン酸)
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が二糖単位で直鎖状に結合した繰り返し構造を有し、生体内に極めて高分子で存在する。ヒアルロン酸は、生体内では関節、硝子体、皮膚、脳など広く細胞外マトリックスに存在している。ヒアルロン酸は、加水分解処理される前の高分子ヒアルロン酸であってもよいが、生体での利用効率が向上する観点からは、低分子化ヒアルロン酸であることが好ましい。低分子ヒアルロン酸は例えば平均分子量が5000以下であり、約3000であってもよい。酵素、酸またはアルカリの濃度および処理時間等を適宜選択することで、目的の分子量に調製することができる。ヒアルロン酸は、塩であってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩であってもよい。
ヒアルロン酸は、例えばニワトリの鶏冠を原材料として得ることができる。まず、鶏冠を小片化する。プロテアーゼを溶解した酵素液を小片化された鶏冠に添加した後、一定時間放置する。酵素液のpHは例えば5.0~10.0であり、処理温度は例えば40~60℃であり、処理時間は例えば0.5~3.0時間である。酵素処理は、酵素液を振とうしながら行ってもよい。得られた分解生成物を、ろ過などの方法により固形分を除去する。これを凍結乾燥および粉砕し、ヒアルロン酸を含む粉末を得ることができる。
ヒアルロン酸は、特開2019-89860号公報に記載のように微生物の培養液から精製することもできる。例えば、ストレプトコッカス属の培養液より抽出および精製して得られた高分子ヒアルロン酸を原料とできる。高分子ヒアルロン酸を溶解後、塩酸を加え、pHを調整したのち、酸加水分解を行うことにより適宜目的の分子量まで低分子化する。続いて、水酸化ナトリウムを加えて中和した後、エタノールを加えて、ヒアルロン酸を抽出および精製できる。
例えば経口剤である場合、剤中のヒアルロン酸の配合量は、0.1質量%~30質量%、1質量%~20質量%または2質量%~10質量%であってよい。ヒアルロン酸の配合量は、例えば高速液体クロマトグラフィーによって定量することができる。
(製剤形態)
本発明に係る剤は、非経口剤として対象に投与してもよいが、好ましくは経口剤である。非経口投与としては、外用または静脈への投与が挙げられる。対象は、特に限定されないが、ヒトのほか、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、トリ等の家畜や家禽、愛玩動物等であってもよい。
経口剤は、食品、医薬品または医薬部外品であってよい。食品には飲料または飼料等が含まれる。食品は、特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、健康補助食品、サプリメントが含まれる。医薬品としては、動物薬、治療薬または予防薬等が含まれる。
食品としては、例えば、チーズ、調製粉乳、アイスクリーム、ヨーグルト等の乳製品、チョコレート、クッキー、ビスケット、キャンディー、和菓子、米菓、ケーキ、パイ、プリン等の菓子類、パン、麺類等の小麦粉製品、雑炊、米飯等の米製品、しょうゆ、味噌、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料等を挙げることができる。食品は、水産加工品、農産加工品、畜産加工品であってもよい。
飲料としては、茶、コーヒー、牛乳、乳飲料、果汁飲料、ジュース、乳酸飲料、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンク等を挙げることができる。
食品は、液状、ペースト状、粉末状、フレーク状、顆粒状等の食品添加剤であってもよい。食品添加剤には飲料用の添加剤も含まれる。食品添加剤は、一般的な食品添加剤の製造方法に準じて製造することができる。プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む経口剤は、他の食品に添加されてもよい。
食品は、その種類に応じて種々の添加剤を含むことができる。添加剤としては、甘味料が挙げられる。甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、マルチトール等が挙げられる。
その他の添加剤としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類(特にビタミンB1、ビタミンB6等)、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等が挙げられる。
本発明に係る剤は、例えばケルセチン配糖体、クレアチン類、小麦蛋白質の加水分解物、赤ショウガエキス、エラスチンを含まなくてもよい。
経口剤の剤形は特に限定されず、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、チュアブル錠、丸剤、トローチ剤、舌下錠、軟膏、クリーム剤、乳剤、懸濁剤、ゼリー剤、シロップ、液剤等が挙げられる。
本発明に係る剤が経口剤である場合、摂取対象者の性別、年齢、体重の他、症状の軽重等により広範に調整することができるが、一般にプロテオグリカンの1日の1人あたりの摂取量は1mg以上100mg以下となることが好ましく、5mg以上であることがより好ましく、5mg超、例えば10mg以上であってもよい。II型コラーゲンの1日の1人あたりの摂取量は1mg以上50g以下となることが好ましく、10mg以上10g以下であってもよく、100mg以上であってもよい。イミダゾールジペプチドの1日の1人あたりの摂取量は0.1mg以上500mg以下となることが好ましく、1mg以上200mg以下であってもよく、2.25mg以上であってもよい。ヒアルロン酸の1日の1人あたりの摂取量は1mg以上50g以下となることが好ましく、5mg以上1g以下であってもよく、10mg以上であってもよい。経口剤は、1日1回または数回に分けて摂取すればよい。
経口剤の調製は、無毒性の賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、防腐剤、等張化剤、安定化剤、分散剤、酸化防止剤、着色剤、矯味剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠化剤等の添加剤を使用して、公知の方法により実施することができる。これらの製剤に含まれる無毒性の添加剤としては、例えば、でんぷん、ゼラチン、ブドウ糖、デキストリン、ヒアルロン酸、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシウム、二酸化珪素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペトロラタム、グリセリン、エタノール、シロップ、塩化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸、ポリビニルピロリドン、水、シェラック、カルナウバロウ等が挙げられる。製剤中には、本発明の効果を補強したり増強したりするために、他の成分、薬剤等を含有させてもよい。
外用剤は、医薬品、医薬部外品または化粧品であってよい。外用剤は、例えば皮膚に直接塗布または貼付することができ、液剤、クリーム剤、乳液剤、ローション剤、軟膏、ゲル剤、エアゾール剤、パック、マイクロニードルパッチ、湿布剤等であってよい。
非経口剤の各成分の含有量は、経口剤と同じであってもよく、異なっていてもよい。外用剤におけるプロテオグリカンの配合量は、例えば0.001~20質量%、0.01~15質量%または0.05~10質量%であってよい。外用剤におけるII型コラーゲンの配合量は、例えば0.01~20質量%、0.1~15質量%または1~10質量%であってよい。外用剤におけるヒアルロン酸の配合量は、例えば0.001~20質量%、0.01~15質量%または0.05~10質量%であってよい。外用剤におけるイミダゾールジペプチドの配合量は、例えば0.001~20質量%、0.01~15質量%または0.05~10質量%であってよい。
外用剤は、プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドと、好ましくはさらにヒアルロン酸と、医薬品、医薬部外品または化粧品に通常使用される基剤または担体と、を常法に従い混合して製剤化することができる。基剤または担体としては、ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバター等の油脂;ワセリン、流動パラフィン等の炭化水素類;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、ラノリン等のロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、コレステロール等の高級アルコール;ジメチコン、環状シリコーン、変性シリコーン等のシリコーン類;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等のエステル類;デキストリン、マルトデキストリン等の多糖類;カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル;水が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができ、またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の添加剤、例えば界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、保存剤、増粘剤、刺激低減剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血管拡張剤等を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤としては、例えばソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類が挙げられる。
安定化剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩が挙げられる。
着色剤としては、例えば無機顔料、天然色素が挙げられる。
分散剤としては、例えばピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸が挙げられる。
キレート剤としては、例えばEDTA・2ナトリウム塩、クエン酸が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸;乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム等の有機酸;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機塩基が挙げられる。
保存剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラベン類、フェノキシエタノールが挙げられる。
増粘剤としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系増粘剤、グアーガム、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコール、マクロゴール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマーが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば甘草エキス、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミルおよびその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物が挙げられる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン)、エラスチン、コラーゲン、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。
血管拡張剤としては、例えば塩化カルプロニウム、ニコチン酸ベンジル、センブリ抽出液、ミノキシジル、オタネニンジンエキス、トウガラシチンキが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本研究は、転倒不安感を有する中高齢男女(合計51名)を対象とし、プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含む被験食品を12週間連続で摂取させ、プラセボを対照として被験食品が膝関節の動きと歩行機能へ与える影響を検討した。
試験方法の詳細は次のとおりである。
<研究デザイン>
無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較研究
摂取期間:12週間
観察回数:3回(事前、6週目、12週目)
<割付>
被験食品群:男性12名、女性14名(平均年齢53.8±7.4歳)
プラセボ群:男性13名、女性12名(平均年齢55.8±7.8歳)
<被験食品>
下記の組成に賦形剤を加えて錠剤とした。プラセボは、下記成分を含まない以外は同じ賦形剤を用いて錠剤とした。数値は錠剤2粒(400mg)中の含有量である。1日2粒を水またはぬるま湯とともに摂取した。
プロテオグリカン(サケ鼻軟骨由来) :10mg
II型コラーゲン(鶏軟骨由来) :100mg
イミダゾールジペプチド(鶏エキス由来):2.25mg
ヒアルロン酸(微生物発酵) :10mg
<評価>
有効性の評価として、TUGテスト、6分間歩行、転倒不安感尺度、2ステップテスト、膝伸展筋力測定および30秒椅子立ち上がりテストを行った。
(TUGテスト)
TUGテスト(Timed Up&Go test)では、椅子から立ち上がり3m歩行し、折り返して再び着座するまでの各行程の時間を測定した。測定には、Kinesis QTUG(登録商標)タッチアンドゴーテストシステム(Kinesis Health Technologies社)を用いた。健常者の移動能力を評価するためには課題の難易度を上げる工夫が必要という先行研究(内山応信他、高齢者の易転倒性を評価するための障害物Timed Up&Goテストの提案、体育測定評価研究,8,27-32,2008.)を参考に、歩行路上の中央に障害物(高さ:10cm;奥行き:10cm;幅:1m)を設置し、触れずに跨ぐように指示した。練習を1回行った後、本番の測定を2回実施し、平均値を採用した。このテストは非常に高度なバランス機能、特に動的バランス機能が要求されるものであり、下肢筋力、歩行時のバランス能力、移動能力、転倒リスク等を評価できる(谷田惣亮他、地域高齢者の運動介入によるバランス機能の変化,佛教大学保健医療技術学部論集,5,2011.)。TUGテストで評価される能力は、日常生活機能との関連性も高い。
(6分間歩行)
30mの周回路を普段の歩行と同じ速さで6分間歩行させ、距離を測定した。1回実施し、測定値は5m単位で記録した(5m未満は切り捨て)。6分間歩行テストは、歩行能力、歩行自立度、転倒リスク、移動能力、持久力、呼吸器の運動耐容能等を評価できる。
(転倒不安感尺度)
戸棚やタンスに手を伸ばす動作について、転ぶ不安を4択式で回答させた。「全く不安がない」、「少し不安がある」、「不安がある」、「とても不安がある」の回答をそれぞれ1、2、3、4点とした。
(2ステップテスト)
日本整形外科学会が策定したロコモ度テストのひとつである。できる限り大股で2歩歩き、2歩分の歩幅(最初に立ったラインから両足を揃えた着地点のつま先まで)を測定した。{2歩幅(cm)/身長(cm)}=2ステップ値とした。練習を2回行った後、本番の測定を2回実施し、最大値を採用した。2ステップテストは、下肢の筋力、バランス能力、柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に評価できる。
(膝伸展筋力測定)
膝伸展筋力計(テンションメーターD(竹井機器工業))を用いて、左右それぞれの最大等尺性膝伸展筋力を測定した。左右の足それぞれについて練習を2回行った後、本番の測定を2回実施し、最大値を得た。本番の測定に失敗した場合は3回目の測定を行い、失敗した測定を除く2回の測定値の最大値を採用した。最大値を体重(事前および6週目は事前の測定値、12週目は12週目の測定値)で割り、100をかけて体重比百分率を算出した。
(30秒椅子立ち上がりテスト)
30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)を実施した。40cmの高さの椅子から腕を組んだ状態で立ち上がる動作を30秒間繰り返して、立ち上がった回数を測定した。測定は1回実施した。30秒椅子立ち上がりテストは、下肢筋力、動的バランス能力等を評価できる。
(統計解析)
TUGテストは、12週目の摂取前からの変化量について、被験食品摂取群をプラセボ摂取群と2標本t検定を用いて比較した。参考として、6週目の変化量についても同様に比較した。6分間歩行は、12週目の摂取前からの変化量について、被験食品摂取群をプラセボ摂取群とMann-WhitneyのU検定を用いて比較した。参考として6週目の変化量についても同様に比較した。転倒不安感尺度、膝伸展筋力測定は、6分間歩行と同様に評価した。
被験者をロコモ度によって分類し、各分類層について個別に解析を行った。ロコモ度は、立ち上がりテスト・2ステップテスト・ロコモ25の3種類のテストの結果をもとに、ロコモティブシンドローム(ロコモ)の段階を1~3で判定するものである(日本整形外科学会・日本運動器科学会監修,ロコモティブシンドローム診療ガイド2021)。各テストのどれかひとつでも該当する場合、ロコモであるとされるが、通常は3種類のテストをすべて行い、該当したロコモ度のうち、最も移動機能低下が進行している段階を判定結果とする。本研究では、ロコモ度テストのうち2ステップテストの事前検査結果を用いて簡易的にロコモ度を判定した。2ステップテストでは、1.1以上1.3未満がロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)、0.9以上1.1未満がロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)、0.9未満がロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)と判定される。2ステップ値は途中で端数処理を行わず、計算値をそのまま判定に用いた。2ステップテストの摂取開始時の検査結果から示されたロコモ度を層別因子として、ロコモではない被験者層、ロコモ度1の被験者層およびロコモ度2の被験者層を対象とした一連の層別解析を行った。ロコモ度3に該当する被験者は居なかった。
被験者層の概要は次のとおりであった。
(1)ロコモではない被験者層:群間差なし
被験食品群 5名(男性2名、女性3名、56.4±8.4歳)
プラセボ食品群 5名(男性4名、女性1名、52.6±8.1歳)
(2)ロコモ度1の被験者層
被験食品群 14名(男性7名、女性7名、53.9±6.8歳)
プラセボ食品群 15名(男性8名、女性7名、57.3±8.0歳)
(3)ロコモ度2の被験者層
被験食品群 7名(男性3名、女性4名、52.0±8.5歳)
プラセボ食品群 5名(男性1名、女性4名、54.4±7.6歳)
(TUGテストの結果)
ロコモ度1の被験者層について、プラセボ群に比べて被験食品群でTUGテストの解析項目に改善が示された。TUG recording time(TUGテスト全区間の合計タイム)は、プラセボ群に対して被験食品群で短縮幅が大きくなった(図1)。区間別のタイムについては、Time taken to stand(座った状態から立ち上がるまでのタイム)およびPre-turn time(スタートから転回動作を終えるまでのタイム)の12週目において、プラセボ群に対して被験食品群でそれぞれ有意な改善が示された(図2および図3)。Post-turn time(転回動作を終えてから着席するまでのタイム)、Time taken to turn(転回動作にかかったタイム)、およびAverage stride velocity(測定中の歩く速さの平均値)においても、12週目についてプラセボ群に対して被験食品群で改善される傾向が示された(図4、図5および図6)。
Pre-turn timeはスタートの合図から180度転回するまでの時間であり、座った状態から立ち上がり、歩行をはじめて障害物を跨いた後に折り返し地点で転回し始める動作を含んでいる。この際の一連の動作には、座った状態から立ち上がる、起立から一歩目を踏み出す、通常の歩行から脚を上げて障害物を跨ぐ、障害物を跨いだ後に転回を始めるといった、直前の動的姿勢と異なる動きを始める動作が複合して含まれる。高齢者の膝痛の主原因である変形性膝関節症では、椅子から立ち上がる時等の動き始めの痛みが初期症状に多いことが知られている(津村弘、診療ガイドライン at a glance:変形性膝関節症の管理に関するOARSI勧告.OARSIによるエビデンスに基づくエキスパートコンセンサスガイドライン(日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会による適合化終了版),日内会誌,106,75-83,2017.)。動き始めの動作は健常者でも比較的症状が大きく、Time taken to standに加えて、動的な姿勢変化の負担が大きい(歩行しながらの転回動作を含む)Pre-turn timeにおいて改善幅が大きかったと考えられる。被験食品の抗炎症作用によって、動き始めの痛みが軽減されたと解釈される。また、TUGテストにおける複数の計測タイムで効果が示されたことから、被験食品群では歩行機能における動的バランスが改善されたと考えられる。被験食品による運動機能の改善は、移動機能の低下が始まっているような中高齢男女に対して特に有効であると考えられる。
(6分間歩行の結果)
ロコモ度1の被験者層について、プラセボ群に比べて被験食品群で12週目の歩行距離の変化量が高値となり、歩行距離が増加していた(図7)。
(膝伸展筋力測定の結果)
ロコモ度1の被験者層について、プラセボ群に比べて被験食品群で6週目および12週目の膝伸展筋力(右足)の変化量が高値となった(図8)。ロコモ度1の被験者層について、プラセボ群に比べて被験食品群で12週目の膝伸展筋力(左足)の変化量が高値となった(図9)。被験食品群では、膝伸展筋力が向上していた。
(30秒椅子立ち上がりテストの結果)
ロコモ度1の被験者層について、プラセボ群に比べて被験食品群で12週目の立ち上がり回数の変化量が高値となり、立ち上がり回数が上昇していた(図10)。
(転倒不安感尺度の結果)
ロコモ度1の被験者層について、戸棚やタンスに手を伸ばすときの転倒不安感のアンケートにおいて、プラセボ群に比べて被験食品群で6週目および12週目のポイントの変化量が有意に高値となり、転倒不安感が軽減されていた(図11)。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1. プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類小麦蛋白質の加水分解物、およびエラスチンペプチドを含まない、歩行機能における動的バランスの改善剤。
  2. プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類小麦蛋白質の加水分解物、およびエラスチンペプチドを含まない、転倒不安感の軽減剤。
  3. プロテオグリカン、II型コラーゲンおよびイミダゾールジペプチドを含み、
    前記II型コラーゲンの含有量に対して、前記プロテオグリカンを5質量%以上20質量%以下含み、
    ケルセチン配糖体、クレアチン類小麦蛋白質の加水分解物、およびエラスチンペプチドを含まない、移動機能の低下を有する人に対する歩行機能改善剤。
  4. ヒアルロン酸をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の剤。
  5. 前記イミダゾールジペプチドの含有量に対して、前記プロテオグリカンを2.0質量倍以上10質量倍以下含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の剤。
  6. 経口剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の剤。
  7. 保健機能食品、健康補助食品またはサプリメントである、請求項6に記載の剤。
  8. 前記プロテオグリカンは、サケ鼻軟骨由来である、請求項1~7のいずれか1項に記載
    の剤。
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