JP6955490B2 - 透明な中性子遮蔽材 - Google Patents

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Description

本発明は透明性に優れた中性子遮蔽材に関する。
原子力産業の発展に伴い、原子炉、高速増殖炉などの原子力施設・核融合施設或いは患部医療用中性子治療施設等の施設から発生する中性子を遮蔽し、作業員を保護することは、これらの施設にとって重要な課題である。同時にホットラボまたはホットセルなどの施設で作業する者にとって、中性子遮蔽材料が透明性を有することは作業の効率上極めて重要な課題である。
中性子線は線量換算係数のエネルギー依存性が非常に大きいため、エネルギーの高い高速中性子線は人体の外部被ばくに非常に大きな影響を与える。したがって、高速中性子線を効率的に遮蔽することによって、中性子線による外部被ばくはより一層低減させることが可能となる。高速中性子線の遮蔽には、水素原子のような軽い原子との弾性散乱による減速が有効であることが知られており、高水素含有材料が中性子遮蔽材として従来より利用されてきている。中性子の遮蔽材は安価で取り扱いが容易なことが重要であり、弾性散乱によって中性子エネルギーを失われるとされており、原子番号の小さい材料が有効であり水素数が比較的多い炭化水素化合物(たとえば、パラフィン類、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)等が使用され放射線遮蔽用構造部材として応用されている。
中でもエポキシ樹脂は注型法による成型が可能であり、遮蔽材として必要な厚みを一体成型法により確保することができるという利点がある。
特許文献1は、ナノサイズの放射線遮蔽物質を含む放射線遮蔽能に優れたエポキシ樹脂組成物及びその製造方法に関するもので、具体的には、中性子吸収用ホウ素化合物粉末、選択的に含まれるガンマ線遮蔽用高密度金属粉末及び難燃剤粉末を含むそれぞれの粉末または上記粉末の混合物にアミン系硬化剤を混合して硬化剤と粉末との混合物を得る混合段階と、上記混合物に超音波を加えて上記粉末表面をアミン系硬化剤でコーティングしながら硬化剤内に分散させる超音波処理段階と、上記超音波処理された粉末が分散されたアミン系硬化剤をエポキシ樹脂に混合し、分散させる分散段階と、を含む中性子遮蔽用エポキシ樹脂組成物の製造方法を開示している。
しかしながら、この特許文献には中性子遮蔽材料の透明性については言及されていない。
透明なエポキシ樹脂を中性子線遮蔽材料として使用した例が特許文献2に示されているが、本特許文献中において透明性に関して「硬化物の透明性は一般に照度により測定される。特殊車両用フロントに硬化物が採用された場合を例にとると道路交通法の規定光度に保持されている必要がある。本発明では適切な光源のもとで照度50%以上をもって透明性が維持されているものと判定している。」との記載があるのみである。このように材料の透明性を測定する一般的な方法例えばJISK7361などの測定ではないため、波長範囲ごとの透過率が示されていない。
特表2014−514587号公報 特開2001−310928号公報
近年、核燃料の燃焼率向上やMOX燃料の使用により使用済み核燃料からの中性子線量が増加する傾向にある。
使用済み核燃料の再処理施設のホットラボやホットセルのパネル材のように、マニュピュレータ使用時においては内部の観察のため遮蔽材でありながらも透明性が要求されることも少なくない。本出願では、従来の中性子遮蔽材よりも遮蔽性能に優れ同時に透明性の高い遮蔽材の開発を課題とした。このような透明遮蔽材が開発できれば、自発核分裂物質の含有量が多い高燃焼度の使用済み核燃料のような高速中性子線を放出する放射線源を取扱う設備のパネル材などに適用でき、作業員のより一層の外部被ばく低減が可能となる。
中性子遮蔽材としては、水素含有量の多い金属材料や無機材料、高分子材料などの多くのものが研究され、実用化されてきている。本研究では、高水素含有量であることに加え、透明度に優れることや比較的大型の成型体の製作が可能であることなどから、対象材料を高分子材料に絞って開発を行った。就中、核燃料を取扱うグローブボックスにも適用され、代表的な透明中性子遮蔽材であって可視光域において90%以上の光透過率を有するアクリル樹脂とほぼ同等の透明度を有し、機械的剛性と中性子遮蔽能力においてアクリル樹脂より優れたエポキシ樹脂による中性子遮蔽材開発を目標とした。
すなわち、本発明は可視光波長範囲において透明な中性子遮蔽材を提供する。放射線照射下で着色なく青〜紫色の領域が観察出来ることにより、作業領域内部の観察がフルカラーで正確に行えるばかりでなく、チェレンコフ放射の青色光も正確に観察することができ、放射線照射下での正確な観察が可能となる。
また、中性子遮蔽材の使用状態に鑑み厚みが比較的厚く、かつ大型製品が成形できることが必須である。
本発明者らはエポキシ樹脂について透明性を有すると共に中性子遮蔽効果を有する樹脂組成物について種々検討した結果、特定のエポキシ樹脂と硬化剤を組み合わせることによって透明な中性子遮蔽効果を見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に記載するとおりの硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及びその製造方法を提供するものである。
本発明の要旨は、
(1)波長400nmから700nmにおける光透過率が84.9%以上でカルホルニウム252より発生する中性子線の1/10価層の厚みが14cm以下であり、水素原子個数密度が6.78×10 22 原子/cm 以上である脂環骨格を有するエポキシ樹脂であって、該脂環骨格を有するエポキシ樹脂は環状オレフィンをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂もしくは芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂であり、該エポキシ樹脂を硬化させたものからなることを特徴とする中性子遮蔽材である。
(2)エポキシ樹脂硬化剤が脂環骨格を有するアミンまたは/および脂肪族アミンであることを特徴とする前記(1)記載の中性子遮蔽材である。
即ち、本発明の要旨は、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とを必須成分とする透明な中性子遮蔽材用樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂として脂環骨格を有するエポキシ樹脂、アミン系硬化剤として脂環式ジアミン硬化剤であることを特徴とする透明な中性子遮蔽材樹脂組成物である。
本発明に係る樹脂組成物は、透明性に優れ、かつ水素原子個数密度が高いことから優れた中性子遮蔽性能を有する。
本発明について更に詳細に述べる。
<原料のエポキシ樹脂>
本発明におけて使用するエポキシ樹脂は脂環骨格を有するエポキシ樹脂である。脂環骨格を有するエポキシ樹脂としては、環状オレフィンをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂、及び芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂から選ばれるものが好ましい。
環状オレフィンをエポキシ化して得られる脂環式エポキシ樹脂の例としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2−エポキシ−ビニルシクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、オリゴマー型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社商品名;エポリードGT300、エポリードGT400、EHPE−3150)等が挙げられる。これらの中で、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましく、この脂環式エポキシ樹脂を配合すると、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させることができ、作業性を向上することができる。
芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3、3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂のようなビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂の芳香環を水添した水素化エポキシ樹脂が、高水添率のエポキシ樹脂が得られるという点で特に好ましい。
このような芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られる水素化エポキシ樹脂の水素化率は90〜100%の範囲が好ましく、95〜100%の範囲が更に好ましい。水素化率が90%未満であると、短波長の光を吸収し、経時的に樹脂の劣化が起こり、黄変にするため好ましくない。この水素化率は分光光度計を用い、吸光度の変化(波長;275nm)を求めることにより測定できる。
上述の脂環式エポキシ樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
<硬化剤>
本発明で使用する硬化剤としては脂環骨格を有するアミン、下記一般式(1)で表される化合物又は脂肪族アミンが好ましい。
Figure 0006955490
(式中、Rは直接結合、メチレン基、−C(CH−、―O−、及び−SO−からなる群より選ばれた基を表し、R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
は直接結合、メチレン基、−C(CH−、―O−、及び−SO−からなる群より選ばれた基を表し、好ましくはメチレン基、−C(CH−である。R及びRは各々独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。
脂環骨格を有するアミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、水素化オルトトルエンジアミン、水素化メタトルエンジアミン、水素化メタキシリレンジアミン(1,3−BAC)、イソホロンジアミン、又はそれらの異性体、ノルボルナンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、メチレン架橋ポリ(シクロヘキシル−芳香族)アミン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
上記一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチル−5−エチルシクロヘキシル)メタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、等が挙げられ、中でも3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンが特に好ましい。
脂肪族アミンとしてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、N−アミノエチルピペラジン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
また、これらのポリアミン類とエポキシ樹脂との変性反応物、ポリアミン類とモノグリシジル化合物との変性反応物、ポリアミン類とエピクロルヒドリンとの変性反応物、ポリアミン類と炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、ポリアミン類と少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応により得られたアミドオリゴマー、ポリアミン類と、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、一価のカルボン酸及び/又はその誘導体との反応により得られたアミドオリゴマー等もエポキシ樹脂硬化剤として使用できる。上述の脂環骨格を有するアミンおよび脂肪族アミンは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明において常温硬化型エポキシ樹脂硬化剤の配合量は使用する硬化剤によって適宜選択されるが、通常エポキシ樹脂100質量部に対して該硬化剤10〜200質量部、好ましくは20〜100質量部である。
<その他の添加剤>
本発明の第1の主旨は中性子と水素原子の弾性衝突により中性子の保有するエネルギーを低減し、結果的に中性子を遮蔽することにあるが、中性子は特定の核種と核反応を起こし捕獲される。中性子捕獲材としてはホウ素が知られている。
本発明においては上記硬化剤を配合したエポキシ樹脂に更にホウ酸化合物を添加することができる。BC、BN、B及びB(OH)等に代表されるホウ酸化合物粉末を必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で含有してもよい。
ホウ酸化合物粉末の一つとしてホウ素硝子(ホウケイ酸硝子)フリットを添加することによってγ線の遮蔽効果を付与できる。ホウ素には質量数6から21までの14種類の同位体が知られているが、安定同位体は10Bと11Bであり、天然存在比率はそれぞれ18.8%と80.2%である。中性子は10Bと核反応して中性子を捕獲する。本発明の用途には価格面より天然のホウ素化合物が好ましい。また、ホウ素化合物には酸化物、硫化物、窒化物およびハロゲン化物等の種々の化合物があるが、本発明においてはホウ素硝子(ホウケイ酸硝子)フリットが好ましい。ホウ素硝子(ホウケイ酸硝子)とはホウ酸を混ぜて熔融し、軟化する温度や硬度を高めた硝子であり、フリットとはガラス質の粉末を指す。
本発明で使用するホウケイ酸ガラスフリットは特に制限はなく、一般的に市販されている各種シール用の製品が使用できる。
本発明で使用するホウケイ酸ガラスフリットの粒径範囲は0.1μmより1000μmであって、1μmから500μmが好ましい。
ホウケイ酸ガラスフリットの添加量は添加量が多すぎると遮蔽効果は増加するが透明性が失われるため最適な添加量が存在する。
好ましい添加量はエポキシ樹脂組成物に対して0.1から13重量%であって、1から10質量%がより好ましい。
ホウケイ酸ガラスフリットの添加方法に制限はないが、良好な分散が得られる方法が好ましい。
また、Fe、Ni、Cu、W、Pb及びこれらの酸化物に代表される高密度金属粉末をγ線遮蔽用として必要に応じ本発明の硬化を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、上述の成分以外に必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、安定剤、反応性ないし非反応性の希釈剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、顔料、着色剤、蛍光体などを添加することができる。また熱膨張率、硬度、チキソ性などの諸物性の改良を目的として、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、沈降性シリカなど)やガラスなどのフィラーを添加することができる。ガラスは、短繊維、長繊維、織布、不織布など形状に限定されず使用できる。種類もEガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラスなどが使用できる。
<成形体の製造方法>
エポキシ樹脂組成物の硬化反応では発生する反応熱を制御しながら硬化させることが必須である。本発明において特に熱容量の大きい無機質類等が全く混入されていない場合は硬化反応熱による発熱量を成形時に確実に制御除去する事が不可欠である。反応熱を制御できなければ、成形歪みの発生に伴う成形体不均一に起因する透視不良を来たし、加えて透明性のある有機系型枠が使用されている場合には硬化発熱による熱で型枠自体が変形してしまったりして成形体の変形不良をきたしてしまう。またさらに中性子遮蔽能の低下の原因となる気泡が成形品に包含されて重大な遮蔽欠陥を発生してしまい実用に供しえないような成形体になってしまう。このようなことを鑑み本発明では、型枠に成形する際にエポキシ樹脂組成物をあらかじめ脱泡し、その混合物を分割して断続的に型に流し込み、型枠の湯口部分底部の泡の巻き込みを防止しながら硬化による発熱量を型枠の外部冷却により除去しながら常温硬化させる工程をとることによりかかる問題を解決した。
原料の混合:配合成分をそれぞれ計量して、混合する。混合に使用する混合機は特段の制限はないが、撹拌と同時に脱泡が可能な混合機が望ましい。
代表的な例として株式会社 愛工舎製作所社製のケミカルミキサーなどが使用できる。
脱泡:得られた混合物を脱泡専用機を用いて脱泡する。本発明の成型物に求められる性能は中性子遮蔽性能と光透過率であることから、成型物に含有される泡を可能な限り排除する製造技術の確立は不可欠である。脱泡機は株式会社大塚製作所製の真空脱泡装置などが使用できる。
脱泡時間は、選定したエポキシ樹脂と硬化剤の混合物における反応熱の上昇傾向及び硬化時間のデータより決定する。
一般的な脱泡所要時間は1分〜120分であり、実用的には7分〜60分に調整するのが好ましい。
成形:成形法については特段の制限はないが、必要な部材の形状により型枠を組み、脱泡した混合物を流し込む注型法などが使用できる。注型後、室温下で静置し十分硬化させる。成形体の温度を測定することにより硬化の完了を知ることができる。
一般的な硬化所要時間は1時間〜168時間であり、実用的には6時間〜72時間に調整するのが好ましい。
遮蔽材の評価は次のように行うことができる。
試験体は同じ厚みの試験体を数枚用意し、それらを適宜積み重ねることにより遮蔽材の厚みを調整することができる。
測定系の構成 中性子の遮蔽性能は、遮蔽材に入射した中性子数に対する遮蔽材を透過した中性子数の比で表した中性指数の遮蔽率により1/10価層の厚みを求めることができる。
中性子線源はアメリシウム241−Be、アメリシウム241−Li、カリホルニウム252などが知られているが遮蔽すべき中性子のエネルギースペクトルを模擬することが望ましい。中でもカリホルニウム252は線量等量平均エネルギーが2.40MeVであって、中性子のエネルギースペクトルがほぼマックスウエル分布を示すことから好適に使用できる。
中性子の測定は市販の中性子サーベイメータが使用できる。
以下に実施例を示して更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
<成形体製造方法>
(第一工程)
エポキシ樹脂(三菱化学(株)製商品名:jER YX8000)4,4’−イソプロピリデンジフェノールと1−クロロ−2,3−エポキシプロパンの重縮合した水添物(エポキシ当量200g/eq、全塩素量1400ppm)を1.7Kgと硬化剤(三菱化学(株)製商品名:jERキュア113)
4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキサンアミン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラロミンCジアミン(アミン価:98mgKOH/g)0.8Kgを計量し常温(23.7℃)にてミキサーを使用して20分間撹拌した。撹拌終了時の混合物の温度は27.3℃であった。この混合物を脱泡機にて50分間脱泡した。なお、脱泡終了時の混合物の温度は30.6℃であった。
使用した、ミキサー及び脱泡機の仕様詳細は下記のとおりである。
(1)ケミカルミキサー
メーカー:株式会社 愛工舎製作所
型 式: ACMー30LVT(特殊仕様)
仕 様:
・本来三相200Vのところ、低中速回転域での回転数微調整を可能とする為、単相100Vに変更
・撹拌子は2軸仕様(スパイラルフック型:SCS13型)
・撹拌時真空脱泡機能付き 及びそれに伴う特注配管仕様
(2)脱泡装置
メーカー:株式会社 大塚製作所
型 式:ペール缶対応型真空脱泡装置(特殊配管機能付き)
仕 様:泡センサー付き20lペール缶対応型(ケミカルミキサー連動機能付き)
(第二行程)
脱泡作業に並行して透明なアクリル樹脂板(厚さ2mm)にて構成された成型用型枠(200mm×200mm×20mm)を用意し成型作業の準備を整えた。次に第一工程で得られた混合物を作業テーブル上にテーブル面から15度斜めにセットされた型枠の側面に沿ってゆっくりと流し込み、型枠の角度を徐々に水平に戻しながら流し込みを行う。以上の作業を3回繰り返し全量の流し込みを完了した。完了後30分間隔で4回の温度測定を行ったが異常は認められなかった。成型作業終了後1週間以上経過した成型物を試験体とした。
<中性子線遮蔽効果の測定>
試験体は200mm×200mm×20mmの透明板であり、これを重ねることによって厚みごとの線量率を計測し、中性子遮蔽性能の評価を行った。測定方法は床から1.2mの高さで、線源と測定器の測定中心までの距離を50.8cmとし、その間に資料の無い場合とある場合について、測定値をそれぞれ10回測定した平均値より遮蔽率を求めた。
線源はカリホルニウム252(公称値:3.7MBq)、測定器はアロカ製中性子サーベイメータTPS−451を使用した。
遮蔽率が90%となる遮蔽材の厚みを求め1/10価層の厚み12cmを得た。
<光透過率の測定>
日立ハイテクサイエンス社製 分光光度計U−2010を使用し、JISK7361(プラスチックP−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準じて測定した。
表1に実施例の中性子線遮蔽効果を示す。
比較例1
エポキシ樹脂(新日鉄住金化学(株)製商品名:ST-3000)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)と1−クロロ−2,3−エポキシプロパンの重縮合物(エポキシ当量224g/eq、全塩素量47450ppm)を1451gと硬化剤(新日鉄住金化学(株)製商品名:HL−107)複素環式ジアミン変性物581g(アミン価:327mgKOH/g)を計量し、実施例と同様のプロセスを経て200mm×200mm×50mmの成形体を作りそれらを適宜組み合わせて所定の厚みの試験体を構成し、遮蔽効果の測定に供した。
表2に比較例1の中性子遮蔽効果を示す。
以上の測定値から1/10価層の厚みは16cmであった。
光透過率の測定結果を表3にまとめた。
比較例1の光透過率は500nm(緑色)から低下がみられ、450nmで79.7%、400nmで51.6%となり青〜紫色領域で透過光が大幅に減少し、黄褐色に着色していた。それに対し実施例では450nmまでは目立った光の吸収は見られず400nmでも84.9%と透過率が高く維持されており、目視では着色が見られない、無色透明な中性子線遮蔽体が得られた。
表4に使用した材料の密度および水素原子個数密度を記載した。従来使用されてきたアクリル樹脂についても参考値を記載した。
表4からも実施例は水素原子個数密度が高く、中性子遮蔽効果に優れていることを裏付けている。
Figure 0006955490
Figure 0006955490
Figure 0006955490
Figure 0006955490
比較例2
成型作業終了後、40℃で24時間保持した以外は実施例と同様に実施した。
得られた遮蔽材の透過率を表5に示す。
比較例3
成型作業終了後、60℃で24時間保持した以外は実施例と同様に実施した。
得られた遮蔽材の透過率を表5に示す。
Figure 0006955490
本発明にかかる中性子遮蔽材は、その透明性と高い中性子遮蔽能力を生かして、各種ホットラボ等において優れた遮蔽部材として好適に使用される。

Claims (2)

  1. 波長400nmから700nmにおける光透過率が84.9%以上でカルホルニウム252より発生する中性子線の1/10価層の厚みが14cm以下であり、水素原子個数密度が6.78×10 22 原子/cm 以上である脂環骨格を有するエポキシ樹脂であって、該脂環骨格を有するエポキシ樹脂は環状オレフィンをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂もしくは芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂であり、該エポキシ樹脂を硬化させたものからなることを特徴とする中性子遮蔽材。
  2. エポキシ樹脂硬化剤が脂環骨格を有するアミンまたは/および脂肪族アミンであることを特徴とする請求項1記載の中性子遮蔽材。
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