JP2022037677A - 耐放射線性に優れた透明な中性子遮蔽材およびそれを使用した放射線防護システム - Google Patents

耐放射線性に優れた透明な中性子遮蔽材およびそれを使用した放射線防護システム Download PDF

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Takaya Niimura
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Atsushi Okuno
寛文 後藤
Hirofumi Goto
理 佐藤
Osamu Sato
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Abstract

【課題】高線量のガンマ線が存在する環境に曝しても、透明性が損なわれない耐放射線性に優れた常温で固体状の透明な中性子遮蔽体を提供する。【解決手段】中性子に対して常温の水を超える十分に高い遮蔽性能を持ち、コバルト60より発生するカンマ線100kGyの照射前後の波長550nmの光透過率比が0.2以上である、エポキシ樹脂組成物を硬化させたものからなる耐放射線性透明中性子遮蔽材である。【選択図】図1

Description

耐放射線性に優れた透明な常温で固体状の中性子遮蔽材に関する。
放射線は電磁放射線と粒子放射線に大別される。主な電磁放射線はガンマ線、X線であり、主な粒子放射線は放射性同位元素から生じるアルファ線(α線=ヘリウム原子核)、ベータ線(β線=電子)、宇宙環境や加速器施設などで生じるエネルギーの高い電子、陽子、中性子、重粒子(重イオン)がある。
この中で、電気的に中性な中性子は、電磁相互作用により物質に遮られることが無いため、これから人体などを防護するためには、特にその性質に応じた遮蔽材が必要とされる。
中性子は原子炉内で核分裂により発生するほか、使用済核燃料からも自発核分裂と(α,n)反応により発生し続ける。また、医療用・研究用などに用いられる粒子加速器での高エネルギー粒子核反応や、二千万電子ボルト(20MeV)を超える医療用のX線ライナックでの光核反応(光子と原子核の核反応)によっても生じる。エネルギー・医療などの様々な分野に関連するほか、非破壊検査などの目的での産業利用、がん治療などの医学利用も行われている。
人体が放射線を被ばくすることにより、すぐには影響が見られない1Sv以下の線量でも、がんの発生などの確率的な影響を及ぼす場合が見られ、これらの影響に対するしきい値の存在も確かめられていないため、放射線被ばくが考えられる作業では、合理的に可能な限り被ばく線量を低くすること(As Low As Reasonably Achievable:ALARA)が求められる。限られた空間内で一定の作業時間での放射線被ばくを低減するためには遮蔽を設けることが最も有効な手段である。
エネルギーの高い中性子は人体の深部まで到達し、また人体を構成する元素に大きなエネルギーを与えるため、人体への放射線のリスクを表す線量換算係数が大きくなり、人体の外部被ばくに非常に大きな影響を与える。医療用の加速器や原子炉、あるいは使用済核燃料等からの中性子は運動エネルギーで百万電子ボルト(MeV)程度の高速中性子と呼ばれるエネルギー範囲に主に発生し、したがって、高速中性子を効率的に遮蔽することは、中性子線による外部被ばくの低減に効果が高い。高速中性子の遮蔽には、中性子と質量がほぼ等しい水素原子との弾性散乱による減速が有効であることが知られており、高水素含有材料が高速中性子遮蔽材として利用されてきている。中性子は電気的に中性なため、その遮蔽には厚い遮蔽体、すなわち、大量の遮蔽材が必要であり、安価で取り扱いが容易な遮蔽材が望まれている。安価な物質の中で、水素数が比較的多い炭化水素化合物(たとえば、パラフィン類、ポリエチレン樹脂)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が使用され中性子遮蔽用構造部材として応用されている。
水素を含む材料で中性子を遮蔽する場合、エネルギーが熱平衡まで下がった熱中性子を水素が捕獲して220万電子ボルト(2.2MeV)のガンマ線を発する。また、中性子は水素以外にも様々な核種に捕獲されて二次ガンマ線を出すため、中性子を遮蔽して線量を低減するためには、合わせてガンマ線の遮蔽も必要となる。
原子力発電所の使用済燃料では数mの深さの水のプールに沈めることで、中性子とガンマ線を遮蔽している。水は水素含有量が多いので、特に中性子に対して高い遮蔽性能を持っている。
中性子を特に重点的に遮蔽するためには、最も水素含有量の多い固体の一つであるポリエチレンが用いられる。二次ガンマ線生成を抑制するためにホウ素を含有させたポリエチレンも用いられる。
しかしながら、中性子遮蔽体として有意な5cm以上の厚さでは、ポリエチレンを、目視用の窓に用いることが出来るだけの透明度に保つことは難しい。水は透明で水素含有量も比較的多いので中性子遮蔽性能も高いが、遮蔽材は構造材の役割も果たすことが多いため、使用する温度域において固体で、ある程度の強度を持つことが望ましい。このため、水を透明中性子遮蔽体として用いることは現実的で無い場合が多い。
水と同等以上の中性子遮蔽性能を持ち、かつ、常温で固体である透明な中性子遮蔽材が放射性物質取扱施設、原子力関連施設、加速器施設などで求められる。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波を原因として発生した福島第一原子力発電所の事故では、3つの原子炉の燃料が溶け落ちて「燃料デブリ」となり原子炉内や原子炉の地下に存在している。福島第一原子力発電所の廃炉を安全に進めるためには、燃料デブリの取り出し、あるいは、取り出したデブリの分析などの作業が必要となる。燃料デブリには242Cmや244Cmなどの自発核分裂性核種や238Puなどのα線放出核種が含まれており、自発核分裂に伴い発生する中性子やα線と酸素などの軽元素との(α、n)反応で発生する中性子がデブリから放射されている。これらの燃料デブリを炉外に取り出し、その分析を行う際には、これに関わる作業員の中性子による外部被ばくを十分に低減しなければならない。これらの中性子の強度は、人間の生命に関わるような高い線量を与えるレベルであり、厳重に遮蔽しなければならない。 取り出される燃料デブリの形状や組成は多様であり、格納容器外にデブリを取り出した後に、格納容器外に設置した簡易セル内で、作業員が直接にデブリを観察しながら搬出のための操作を行うことも考えられる。このようなセルに、中性子を十分に遮蔽できる透明な遮蔽材でできた窓があれば、作業効率が大幅に向上する。
銀河宇宙線(GCR)に含まれる重イオン粒子およびエネルギーの高い陽子(バン・アレン帯に捕捉されたものや太陽フレアからのものなど)などの宇宙放射線は、航空宇宙産業および他の産業において、従業者、乗客および装置に有意な被ばく線量を与えている。例えば事業としての高高度の飛行について、航空機搭乗員および頻繁に飛行する乗客が、法定推奨基準下で一般人に許されるレベルを有意に超える放射線量レベルにさらされる可能性がある。高エネルギーの重粒子や陽子は宇宙船の線壁を構成する原子の原子核と核反応を起こして遮蔽が困難な中性子線を発生する。したがって、航空宇宙分野においてもより効率的な中性子遮蔽材の開発が求められる。特に高高度航空機の風防や宇宙船の窓などには、透明な中性子遮蔽材が求められる。搭乗員が最も近づく窓などには透明で中性子を遮蔽できる材料が望まれる。
さらに医療分野では、重粒子線がん治療、陽子線がん治療と言った「粒子線治療」が、侵襲が少なく効果の高いがん治療法として普及してきているが、これらの高エネルギー粒子の利用では粒子と構造材や人体との核反応による中性子の発生が避けられない。従来から放射線がん治療法として普及しているX線ライナック治療でも、患者の体格の大型化に伴いX線のエネルギーを高める方向に発展してきており、これに伴い光核反応で発生する中性子の影響が無視できなくなってきている。さらに、中性子を直接利用してがん細胞を攻撃するホウ素捕獲中性子療法(BNCT)の技術も、加速器からの中性子を利用するなど、著しく進歩してきている。このため、これからの放射線医療では中性子の遮蔽を同時に行うことの必要性が高まってきている。特に医療従事者の被ばくを低減しながら患者への見守りを実現するためには、透明な遮蔽材が望まれる。
透明な材料のうちで、ガラスはほとんど水素を含んでいないために中性子に対する遮蔽性能は極めて低い。アクリル樹脂は水素含有量が水に及ばないため、水よりも中性子遮蔽性能は低い。
以上の観点から、より高い中性子遮蔽性能を持ち、かつ、常温で固体である透明な新たな中性子遮蔽材料が求められている。
このような中性子遮蔽材料としては、特許文献1に記載の透明中性子遮蔽材がある。しかし、発明者らは上記特許文献1に記載の透明中性子遮蔽体を高線量のガンマ線が存在する環境に曝したところ、100kGy程度の線量を照射すると未照射の時に比べて透過率が1/4に低下し、1MGyでは透明性が損なわれるほどの着色が見られるという課題を見出した。
強い放射性物質を取り扱うホットセルなどでは、その窓も10kGy/h程度の線量に曝されることもあり、この場合は数年の使用で100kGy程度の線量を受けることになるが、これだけの大線量を照射されても実用的な透明性を保てることが望まれる。
透明な中性子遮蔽材料に関しては、特許文献1においては波長400nmから700nmにおける光透過率が80%以上でカルホルニウム252点等方線源より発生する中性子線の線量が1/10となる厚さ(1/10価層)の厚みが14cm以下であるエポキシ樹脂中性子遮蔽材が開示されている。非特許文献1にはコバルト60の照射によるエポキシ樹脂の着色が議論され、着色を定量化することにより1-50kGyの範囲における線量計としての可能性が示唆されており、遮蔽材として用いる場合には、放射線照射下で使用する際のエポキシ樹脂の着色を小さくするための工夫が必要である。
放射線取扱関連施設での中性子遮蔽性能の評価には、非特許文献2に記載された主要な遮蔽材中での中性子及びガンマ線線量の減衰に関するデータが用いられている。
WO2017213265A1公報
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B 311 (2013) 1-4 公益財団法人原子力安全技術センター、「放射線施設の遮蔽計算実務(放射線)データ集 2015」、(2015年10月)
そこで、本発明者らは下記に示すような手順により透明中性子遮蔽材であって、かつ高線量のガンマ線が存在する環境に曝しても、透明性が損なわれない透明な中性子遮蔽体を見出すべく検討した。
(1)エポキシ樹脂は芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られる水素化エポキシ樹脂として、水素を多く含むことで中性子遮蔽性能を高める。
(2)(1)で選定したエポキシ樹脂をアミン系あるいは酸無水物系の硬化剤と組み合わせて、複数の組み合わせを選定する。
(3)(2)で選定したエポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせで数cm×数cm×数mm程度の試験片を作成し、これをコバルト60線源を用いて100kGyあるいは1MGyの線量となるまで照射する。
(4)照射前後の試験片の可視光透過率をティントメーターあるいは分光光度計を用いて測定する。
(5)100kGyの照射後も照射前の50%以上の透過率を持つ組み合わせについて、中性子輸送計算を用いた遮蔽解析及びアメリシウム-ベリリウムやカリホルニウム252などの中性子源を用いた遮蔽実験を行って中性子遮蔽性能を評価する。
その結果、特定のエポキシ樹脂組成物によりガンマ線照射による着色の少ない透明な中性子遮蔽材を見い出し、本発明を完成した。
本発明は高線量のガンマ線が存在する環境に曝しても、透明性が損なわれない耐放射線性に優れた常温で固体状の透明な中性子遮蔽体を提供することである。
本発明の要旨は、中性子に対して常温の水を超える十分に高い遮蔽性能を持ち、コバルト60より発生するカンマ線100kGyの照射前後の波長550nmの光透過率比が0.2以上であるエポキシ樹脂組成物を硬化させたものからなる耐放射線性透明中性子遮蔽材である。
本発明に係わるエポキシ樹脂組成物は高線量率の放射線照射下において、既存の透明中性子遮蔽材に比べて高い耐放射線性を持ち、放射線照射による光透過率の減少が小さい有効な放射線遮蔽材料を提供することができた。
耐放射線性透明中性子遮蔽材(実施例1)について、アメリシウム-ベリリウム中性子源からの中性子による線量の遮蔽材厚さ毎の減衰の実測値と計算値とを比較を示した図である。 実施例1と実施例2の耐放射線性透明中性子遮蔽材の中性子遮蔽材について、アメリシウム-ベリリウム中性子源からの中性子による線量の遮蔽材厚さ毎の減衰を比較した図である。 実施例1と実施例2の耐放射線性透明中性子遮蔽材について、コバルト60線源からのガンマ線で100kGy及び1MGyの線量を照射した後の着色を示した写真である。
本発明について更に詳細に述べる。
<用語の説明>
本発明に使用する「透明な遮蔽材」という語は当該遮蔽材料をへだてて物体の存在またはその動きが観測可能であることを意味する。
JIST8141遮光保護具によれば溶接作業から積雪時屋外作業の反射光まで種々の環境における光の透過について表JA.1-使用標準が定められている。また屋外用のサングラスの光透過度は20~30%といわれている。
<原料のエポキシ樹脂>
本発明におけて使用するエポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であれば特に限定されず用いることができる。たとえばビスフェノール-Aやビスフェノール-Fなどの骨格を有する芳香族系エポキシ樹脂や、アルキレングリコールやシクロヘキサンジオールなどの骨格を有する脂肪族系エポキシ樹脂などが挙げられる。なかでも脂環骨格を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
脂環骨格を有するエポキシ樹脂としては、環状オレフィンをエポキシ化して得られるエポキシ樹脂、及び芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂から選ばれるものが好ましい。
環状オレフィンをエポキシ化して得られる脂環式エポキシ樹脂の例としては、例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-ビニルシクロヘキセン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、リモネンジエポキシド、オリゴマー型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社商品名;エポリードGT300、エポリードGT400、EHPE-3150)等が挙げられる。これらの中で、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましく、この脂環式エポキシ樹脂を配合すると、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させることができ、作業性を向上することができる。
芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られるエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、3、3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂のようなビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、トリスフェニロールメタン型エポキシ樹脂、テトラキスフェニロールエタン型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂の芳香環を水素化したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂の芳香環を水添した水素化エポキシ樹脂が、高水添率のエポキシ樹脂が得られるという点で特に好ましい。
このような芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られる水素化エポキシ樹脂の水素化率は90~100%の範囲が好ましく、95~100%の範囲が更に好ましい。水素化率が90%未満であると、短波長の光を吸収し、経時的に樹脂の劣化が起こり、黄変にするため好ましくない。この水素化率は分光光度計を用い、吸光度の変化(波長;275nm)を求めることにより測定できる。
上述の脂環式エポキシ樹脂は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
<硬化剤>
本発明で使用する硬化剤としては多官能フェノール類、アミン系化合物、酸無水物系化合物、イミダゾール系化合物、アミド系化合物、カチオン重合開始剤及び有機ホスフィン類からなる群のうちの少なくとも1つを用いることが好ましい。なかでも、酸無水物が着色の観点で好ましい。また、jER113(三菱ケミカル(株)登録商標)も好適に使用できる。
酸無水物としては、酸無水物系化合物の例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸-無水マレイン酸付加物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水マレイン酸および無水マレイン酸と不飽和化合物の縮合物等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも脂環式酸無水物が高光線透過率を図る上で好適である。エポキシ化合物含有組成物中の全エポキシ基に対する硬化剤中の酸無水物系化合物の酸無水物基)の当量比で0.6~1.0の範囲となるように用いることが好ましい。
脂環式アミン系化合物としては、イソボロンジアミン、メンセンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4‘-ジアミノシクロヘキシルメタン、3,3’-ジアミノー4,4‘-ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも3,3’-ジメチルー4,4‘-ジアミノジシクロヘキシルメタン(商品名:BASF社ラロミンC200あるいは三菱ケミカルjERキュア113)が、ポットライフが長く作業性の観点から好適である。
<促進剤>
硬化反応の速度を上げるために使用するためのものである。具体的な例としては、たとえば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラn-ブチルホスホニウムo,o-ジエチルホスホロジチオネート、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等の4級ホスホニウム塩、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンー7やその有機酸塩類等のジアザビシクロアルケン類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やアルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物類、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物が挙げられる。更には、高融点イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、リン系、ホスフィン系促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型熱カチオン重合型の潜在性硬化促進剤等に代表される代表される潜在性硬化促進剤も使用することができる。これらの硬化促進剤は単独又は2種類以上を混合して使用することができる。固形分としての全エポキシ化合物成分100重量部に対して0.1~20重量部の範囲で用いることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、上述の成分以外に必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で酸化防止剤、安定剤、反応性ないし非反応性の希釈剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、顔料、着色剤、蛍光体などを添加することができる。また熱膨張率、硬度、チキソ性などの諸物性の改良を目的として、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、沈降性シリカなど)やガラスなどのフィラーを添加することができる。ガラスは、短繊維、長繊維、織布、不織布など形状に限定されず使用できる。種類もEガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラスなどが使用できる。
<成形体の製造方法>
中性子遮蔽能の低下の原因となる気泡が成形品に包含されて重大な遮蔽欠陥を発生してしまい実用に供しえないような成形体になってしまう。このようなことを鑑み本発明では、型枠に成形する際にエポキシ樹脂組成物をあらかじめ脱泡し、その混合物を分割して断続的に型に流し込み、型枠の湯口部分底部の泡の巻き込みを防止しながら硬化による発熱量を型枠の外部冷却により除去しながら硬化させる工程をとることによりかかる問題を解決した。
原料の混合:配合成分をそれぞれ計量して、混合する。混合に使用する混合機は特段の制限はないが、撹拌と同時に脱泡が可能な混合機が望ましい。代表的な例として株式会社 愛工舎製作所社製のケミカルミキサーなどが使用できる。
脱泡:得られた混合物を、脱泡専用機を用いて脱泡する。本発明の成型物に求められる性能は中性子遮蔽性能と光透過率であることから、成型物に含有される泡を可能な限り排除する製造技術の確立は不可欠である。脱泡機は株式会社大塚製作所製の真空脱泡装置などが使用できる。脱泡時間は、選定したエポキシ樹脂と硬化剤の混合物における反応熱の上昇傾向及び硬化時間のデータより決定する。
一般的な脱泡所要時間は1分~120分であり、実用的には7分~60分に調整するのが好ましい。
成形:成形法については特段の制限はないが、必要な部材の形状により型枠を組み、脱泡した混合物を流し込む注型法などが使用できる。注型後、室温下で静置し十分硬化させる。成形体の温度を測定することにより硬化の完了を知ることができる。
一般的な硬化所要時間は1時間~168時間であり、実用的には6時間~72時間に調整するのが好ましい。
<材料の遮蔽性能の評価>
これらの様々な産業や医療の行為に伴い発生する中性子のエネルギーは、概ね百万電子ボルト(MeV)程度であり、原子炉内などの核分裂反応で生じる中性子のエネルギースペクトルで代表して、遮蔽材の中性子遮蔽性能は評価できる。
非特許文献2には、点等方線源であるカリホルニウム252の自発核分裂で発生する中性子が水を透過した際の、水の厚さ毎の中性子及び二次ガンマ線による実効線量が示されている。
中性子遮蔽材の中性子遮蔽性能を水と比較するには、この非特許文献2と同じ照射条件で計算された厚さ毎の中性子及び二次ガンマ線による実効線量を、文献に記載された水の場合の値と比較すればよい。
遮蔽材中の中性子及び二次ガンマ線による実効線量は、適切な中性子・ガンマ線結合断面積ライブラリと離散座標法(Sn)計算コードあるいはモンテカルロ法計算コードを組み合わせて用いて、中性子及び二次ガンマ線に関するボルツマン方程式を解いて中性子束及び二次ガンマ線束を求め、これに実効線量への換算係数を乗じて求めればよい。
中性子線量計算の精度と妥当性の評価は、カリホルニウム252やアメリシウム241-ベリリウム中性子源からコリメータを通った中性子ビームを、当該遮蔽材で作られた平板状の試験体に入射させて、遮蔽体の厚さ毎の中性子実効線量を測定し、これを実験体系を擬して行った解析結果と比較することで評価できる。試験体は同じ厚みの試験体を数枚用意し、それらを適宜積み重ねることにより遮蔽材の厚みを調整することができる。
中性子線量の測定は、市販の中性子レムカウンターなど、核分裂中性子のエネルギー以下の中性子に対する線量計が使用できる。
放射線照射による透過率の変化は次のように測定できる。
高線量率放射線施設での数年間の使用に相当する100kGyあるいは1MGyといった高線量照射を模擬するには、毎時10kGy程度の高線量率で長時間照射可能な施設を用いて、10時間あるいは100時間の照射による加速試験を行えばよい。
このような長時間の高線量率照射が可能な施設としては、コバルト60線源を用いた照射施設がある。
加速照射試験を行った試料と行う前の試料について、それぞれ可視光の透過率を測定し、これを比較することで放射線照射による光透過率の変化を評価できる。
透過率の計測器として、自動車の窓ガラスの光透過度を測定するティントメーターが使用できる。例えばKETECH Industry Instrument Store社、WTM-1100、サトテック 可視光線透過率測定器ティントメーターTM2000などが使用できる。
以下に実施例を示して更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製YX8000):218g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製リカシッドMH-700):157g、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート(日本化学工業社製PX-4MP):2.2gを秤量して混合し、撹拌しながら真空脱泡を30分間行った。撹拌後の混合液を内法10×10×3cmのアクリル製型枠(2mm厚)に注型後、雰囲気温度40℃の恒温槽中に24時間保持した。雰囲気温度80℃の恒温槽中に1時間保持、次いで90℃に昇温し、8時間保持した。さらに110℃で2時間保持後型枠から取り出し、得られた成型体を雰囲気温度150℃の恒温槽中に1.5時間保持後、槽内で自然冷却して10×10×3cmの遮蔽試験用の試験体(実施例1)を得た。また、5×5×1.1cm厚の試験体を作成し、耐放射線性試験に供した。
実施例2
実施例1と同じ手順で、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製YX8000):310gと硬化剤3,3’-ジメチル -4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン(三菱ケミカル社製Jer113):100gを混合して実施例2の試験体を得た。
非特許文献2 表10.1(2)に示された水のカリホルニウム252中性子に対する実効線量透過率を、実施例の遮蔽性能を評価するための比較例とする。
<実施例の遮蔽性能評価>
実施例1の試験体5体を用いて、アメリシウムーベリリウム中性子源を用いた中性子遮へい実験を実施した。この実験で得られた遮蔽体中での中性子線量率の減衰を、MCNP6.1コードによる連続エネルギーモンテカルロ法による実験解析で得られた減衰と比較して図1に示した。実測値と解析値は実験誤差の範囲内でよく一致している。
実施例2の試験体5体を用いて、実施例1と同じくアメリシウムーベリリウム中性子源を用いた中性子遮へい実験を実施した。実施例2を用いた実験で得られた遮蔽体中での中性子線量率の減衰を、実施例1での減衰と比較して図2に示した。実施例1と実施例2の中性子遮蔽性能はほぼ同等である。
これらの実験結果を基として得られたカリホルニウム252からの中性子線量率の減衰と連続エネルギーモンテカルロ計算で求めた二次ガンマ線の実効線量率から、実施例1及び実施例2の中性子と二次ガンマ線を合わせた実効線量透過率(Ft)を求め、比較例と比較して、表1に示す。
Figure 2022037677000002
厚さ30cmにおける実効線量透過率(Ft)が比較例の水は7.00%で有るのに対して、実施例1では4.85%と小さく、高い中性子遮へい性能を持つことが分かった。
<実施例の耐放射線性の評価>
共に5×5×1.1cmの大きさの実施例1と実施例2の試験片を、同時にコバルト60ガンマ線源を用いて10kGy/hの線量率で10時間及び100時間照射し、100kGy及び1MGyの線量を与えた。
ティントメーターWTM-1100を用いて、照射前後の実施例と実施例2について可視光(波長550nm)の透過率を測定した。測定結果を表2に、照射前後の実施例と比較例2の5×5×1.1cm厚試料の写真を図3に示す。
Figure 2022037677000003
実施例1は100kGyの照射後においても53.7%の透過率を維持しており、未照射との透過率比が0.5以上である。1MGyの照射後でも26.0%の透過率で透明材として使用可能である。
実施例2の透明中性子遮蔽材は、100kGy照射後の透過率が22.6%となり、透明材として用いる透過率の限界に近い。1MGy照射後の透過率は6.4%はでほとんど透明体とは認められなくなった。
以上の結果から本発明による中性子遮蔽材は、固体であるにも関わらず、最も一般的な中性子遮蔽材である水よりも、優れた中性子遮へい性能を持ち、かつ、従来の透明中性子遮蔽材に比べてガンマ線照射による着色が極めて少なく、原子力、医療などの様々な産業における放射線の防護、放射性物質取扱作業の効率化に寄与する。

Claims (9)

  1. 核分裂により生じる中性子に対して、常温の水を超える遮蔽性能を持ち、コバルト60より発生するガンマ線100kGyの照射前後の波長550の光の透過率比が0.2以上であるエポキシ樹脂組成物を硬化させたものからなる耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が脂環骨格を有することを特徴とする請求項1に記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  3. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が環状オレフィンをエポキシ化して得られる脂環骨格を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  4. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が芳香族エポキシ樹脂を水素化して得られる脂環骨格を有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材
  5. 前記エポキシ樹脂組成物が更に硬化剤を含み、該硬化剤が酸無水物であることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  6. 前記酸無水物が脂環式骨格を有することを特徴とする請求項5に記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  7. 注型法により成形された請求項1~6のいずれかに記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の耐放射線性透明中性子遮蔽材と鉛ガラスを張り合わせた耐放射線性透明中性子およびガンマ線遮蔽材。
  9. 請求項8に記載の中性子およびガンマ線遮蔽材を中性子線源側に耐放射線性透明中性子遮蔽材を配置した放射線防護システム。
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