JP6955324B2 - 医薬化合物を評価するための新規動物モデル - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、薬物動態学特性および毒性を評価するための動物モデルにおいて評価され得る抗原特性を有する単一の医薬化合物に反応しないように動物を処置することのできる方法に関する。
また、本発明は、このような動物を使用して、医薬化合物の薬物動態学特性および毒性を評価する方法に関する。さらに、本発明は、このような医薬化合物に特異的に反応しないように処置された動物に関する。
発明の背景
毎年、数千個の医薬化合物は、臨床上使用される前に、その薬物動態学特性および潜在的な毒性が試験される。これらの試験の多くは、医薬化合物を動物に投与して、さまざまな時点で薬物動態学特性および/または毒性を評価することによって、行われる。しかしながら、多くの医薬化合物が免疫反応を誘発するため、これらの研究は、かなり制限される。このような免疫反応は、通常数日間または数週間以内に発生し、急速であるため、医薬化合物の薬物動態学特性および可能な毒性を評価するために動物を観察することのできる期間を大幅に減少する。明らかには、免疫反応は、医薬化合物の再投与も妨げる。
免疫反応の本質は、抗原の物理化学特性、動物の遺伝背景、投与経路、投与量および投与頻度に依存して、抗体の誘発から細胞応答の発生まで変化することができる。しかしながら、このような免疫反応は、CD4+サブセットに属するリンパ球による抗原の認識およびリンパ球細胞の活性化に依存する。CD4+ T細胞は、活性化されると、自然免疫の活性化、特異的抗体を成熟させるおよび産生するB細胞の活性化、CD8+ T細胞を活性化する抗原形成細胞の能力の増強、ナイーブCD4+ T細胞の補充および活性化、および化学物質を用いて観察された遅延型応答のような細胞免疫の活性化を含むがこれらに制限されない複数レベルの応答の形式および結果を決定する。
これらのすべての過程におけるCD4+ T細胞の中心的役割を考えると、CD4+ T細胞の活性化を特異的に阻害および/または抑制することができる方法は、高度特異的な免疫寛容を評価される医薬化合物(タンパク質または非タンパク質有機化合物)に与えることができる。
国際公開WO2008017517は、クラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の溝に嵌合するアミノ酸配列の隣接残基内にオキシドレダクターゼモチーフが追加されたクラスII拘束性エピトープを記載している。オキシドレダクターゼモチーフを含むことによって、エフェクタCD4+ T細胞は、強力な細胞傷害性細胞に変換される。この強力な細胞傷害性細胞は、シナプスを形成する抗原形成細胞のアポトーシスを誘発することによって、エフェクタ細胞の適応免疫の活性化を阻害する。この概念は、可溶性アロファクタ(WO2009101206)、細胞内病原体(WO2009101208)および腫瘍関連抗原(WO2009101205)についてさらに詳述されている。
国際公開WO2012069568は、隣接残基の配列内にオキシドレダクターゼモチーフが追加されたCD1d拘束性T細胞ペプチドエピトープを記載している。このようなペプチドは、NKT細胞を強力な細胞傷害性細胞に変換する。この強力な細胞傷害性細胞がシナプスを形成する抗原形成細胞を除去することによって、自然免疫のエフェクタ細胞の活性化を阻害する。
上記の出版物は、阻害方法を記載している。これらの阻害方法において、健康動物は、レドックスモチーフと、病原体、アレルギー抗原または自己抗原のエピトープとを有するペプチドで処置された後、疾病誘発剤で刺激される。
上記の出版物は、治療方法を記載している。これらの治療方法において、疾病動物(または疾病モデル)は、レドックスモチーフと治療用タンパク質のエピトープとを有するペプチドで処置され、この治療用タンパク質に対する将来の免疫反応を阻害する。
発明の概要
本発明の一般的な共通理念として、疾病または障害を治療するための医薬化合物は、この医薬化合物に薬用効果を示さない生物モデルに試験される。換言すれば、この医薬化合物は、健康動物、すなわち、症状または兆候を示しておらずもしくは医薬化合物が治療しようとする疾病を罹患していない動物に投与される。
本発明のモデルは、健康動物を医薬化合物に対する耐性を有するように処置する点、およびその後医薬化合物がこの健康動物に投与される点で、前述した従来技術と異なる。
したがって、本発明は、抗原に対する特異的寛容を有する動物を得るための方法、動物、およびこのような動物を用いて、医薬化合物の薬物動態学特性および毒性を評価するための方法に関する。
本発明の利点は、医薬化合物の薬物動態学特性および可能な毒性を評価するために動物を観察できる時間を、動物が通常免疫反応を示す数日間または数週間という従来の時間よりもはるかに長くしたことである。
本発明の更なる利点は、試験動物に医薬化合物を再投与することができることである。
本発明の方法の利点は、動物の全体的な免疫反応に影響を与えることなく、一種類の化合物に対する動物の免疫反応を除去することができることである。
さらに、本発明は、本発明の方法によって直接得られた動物に関する。
本発明の一局面は、疾病または障害を治療するための医薬化合物のパラメータを決定するための方法に関する。本発明の方法は、疾病または障害を罹患しておらずもしくは疾病または障害の症状または兆候を示しておらず、医薬化合物に対する免疫反応を誘発しない非ヒト動物を提供するステップを含み、動物は、モチーフ[CTS]−X−X−C(配列番号:8)または[C]−X−X−[CST](配列番号:9)を有するオキシドレダクターゼと、医薬化合物のNKTペプチドエピトープまたはMCHクラスII T細胞エピトープとを含むペプチドを投与することによって用意され、モチーフとエピトープとは、0〜4個のアミノ酸からなるリンカーによって隔てられ、非ヒト動物に医薬化合物を投与するステップと、非ヒト動物から医薬化合物のパラメータを測定するステップとを含む。
本発明の実施形態において、医薬化合物は、タンパク質であり、エピトープは、タンパク質の断片である。
より具体的な実施形態において、医薬化合物は、立体構造依存性エピトープを有するタンパク質であり、エピトープは、この立体構造依存性エピトープのミモトープである。
他の実施形態において、医薬化合物は、たタンパクではなく、エピトープは、医薬化合物のミモトープと同様の配列を有する。
方法の特定の実施形態において、前述したモチーフは、C−X−X−C(配列番号10)である。
方法の特定の実施形態において、NKTペプチドエピトープは、モチーフ[FWTHY]−X−[ILMV]−X−[FWTHY](配列番号:11)を有する。
方法の特定の実施形態において、動物は、霊長類動物ではなく、たとえば齧歯類動物である。
方法の特定の実施形態において、動物は、非近交系動物である。
方法の実施形態において、パラメータは、毒性、半減期、体重、移動性、食性、呼吸、水およびその通過性、および毛並み特性からなる群から選択される1つ以上である。
本発明の別の局面は、疾病または障害を治療するための医薬化合物に対して免疫反応しないように、非ヒト動物を処置するための非治療的方法に関する。本発明の方法は、疾病または障害を罹患しておらずもしくは疾病または障害の症状または兆候を示しておらず、医薬化合物を投与していない非ヒト動物を提供するステップと、ペプチドを投与するステップとを含み、ペプチドは、モチーフ[CTS]−X−X−C(配列番号:8)または[C]−X−X−[CST](配列番号:9)を有するオキシドレダクターゼと、医薬化合物のNKTペプチドエピトープまたはMCHクラスII T細胞エピトープとを含み、モチーフとエピトープとは、0〜4個のアミノ酸からなるリンカーによって隔てられる。
別の局面は、上記の方法によって得られた、疾病または障害を治療するための医薬化合物に対して免疫反応しない非ヒト動物に関する。
別の局面は、医薬品の毒性試験を行う際にまたは医薬品の薬物動態学パラメータを決定する際に、このような非ヒト動物を使用することに関する。
定義
本発明の文脈において、「医薬化合物」という用語は、免疫反応を誘発することができる、実証または期待された有益な医療活性を有する任意の化合物を意味する。医薬化合物の例として、ペプチド、タンパク質および小さな化学物質が挙げられる。これらの小さな化学物質は、アルブミンなどの動物性宿主タンパク質に結合して、部分抗原(hapten)として免疫反応を誘発することができる。
「健康動物」という用語は、本発明の方法において試験される医薬化合物に関連する野生型動物または近交系実験動物を意味する。
動物が疾病または障害を治療するための試験医薬化合物に対して健康であるとは、この動物がこの疾病によって引き起こされる不快感をしておらず、この疾病または障害によって引き起こされる症状または兆候を示さないことを意味する。
したがって、動物は、試験医薬化合物によって治療される障害または疾病以外の障害または疾病を有してもよい。
動物が遺伝子導入動物である場合、この導入遺伝子は、医薬化合物によって治療される病状とは無関係である。
したがって、たとえば、抗凝固剤は、創傷を有する動物または凝固阻害剤を投与した動物に試験されない。同様に、抗凝固剤は、導入遺伝子(特にノックアウト)を凝固経路の構成因子として有する動物に試験されない。
「ペプチド」または「タンパク質」という用語は、本明細書に使用される場合、ペプチド結合によって連結された少なくとも2個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む分子を指すが、特定の実施形態において、非アミノ酸構造を含む分子(たとえば、有機結合化合物)をしてもよい。本発明のペプチドは、20種類の通常アミノ酸またはその修飾物のいずれかを含むことができ、またはペプチド化学合成もしくは化学修飾または酵素修飾によって組み込まれた非天然アミノ酸ならびに修飾されたアミノおよび/またはカルボキシ末端を含むことができる。
当該技術分野において、ペプチドとタンパク質との主な違いとして、ペプチドは、一般的に50個未満のアミノ酸を含み、タンパク質は、50個以上のアミノ酸を含む。
本発明の文脈において、レドックスモチーフまたは1つ以上のエピトープを組込んだポリペプチドは、その長さが12個のアミノ酸から20、25、30、40、50、75または100個のアミノ酸まで変化しても、「ペプチド」として呼ばれる。
ペプチド結合を有する医薬化合物は、特定のペプチドホルモン(しばしば翻訳後修飾物を含む)用の4〜10個のアミノ酸まで小さくであってもよく、100個を超えるアミノ酸からなるタンパク質複合体、たとえば治療用抗体まで大きくなってもよい。
本発明における「薬物動態学パラメータ」は、半減期、特定種の細胞または組織内に摂取される摂取特性、他の化合物に代謝される代謝特性等の特性を意味する。試験できる他のパラメータは、体重、移動性、食性、呼吸、水およびその通過性、および毛並み特性等の挙動パラメータ、物理パラメータおよび臨床パラメータを含む。
「エピトープ」という用語は、本明細書に使用される場合、抗体またはその一部(Fab′、Fab2′等)もしくはB細胞リンパ球またはT細胞リンパ球の細胞表面上に存在する受容体によって特異的に認識且つ結合され、この結合によって免疫反応を誘発できるタンパク質の(エピトープの立体構造を規定できる)1つ以上の部分を指す。
「抗原」という用語は、本明細書に使用される場合、1つ以上の部分抗原を含むおよび/または1つ以上のT細胞エピトープを含む大分子構造を意味する。典型的には、この大分子は、タンパク質または(多糖類を含むまたは含まない)ペプチドであり、1つ以上のエピトープを含む。本明細書において、このような大分子を「抗原性タンパク質」または「抗原性ペプチド」として呼ぶこともできる。
「部分抗原」(hapten)という用語は、本明細書に使用される場合、外因性または内因性の担体タンパク質に結合した場合、免疫反応のみを誘発することができる小分子を指す。
「免疫原」という用語は、本明細書に使用される場合、細胞性免疫反応または体液性免疫反応を誘発することができる分子を指す。
「T細胞エピトープ」または「T−細胞エピトープ」という用語は、本発明の文脈において、優位性T細胞エピトープ、亜優位性T細胞エピトープまたは非主要性T細胞エピトープ、すなわち、Tリンパ球の細胞表面上の受容体によって特異的に認識および結合される抗原性タンパク質の一部を意味する。エピトープが優位性、亜優位性または非主要性であるかどうかは、エピトープに対して誘発された免疫反応に依存する。優位性は、タンパク質のすべての可能なT細胞エピトープのうち、T細胞によって認識され、活性化することができるエピトープの頻度に依存する。具体的には、T細胞エピトープは、MHCクラスI分子またはMHCクラスII分子によって結合されるエピトープである。
「NKT細胞ペプチドエピトープ」という用語は、Tリンパ球の細胞表面上の受容体によって特異的に認識され、結合される抗原性タンパク質の一部を指す。具体的には、NKT細胞ペプチドエピトープは、CD1d分子に結合され、モチーフ[FWTHY]−X−[ILMV]−X−[FWTHY](配列番号:11)または以下にさらに説明するより制限されたモチーフを含むエピトープである。
「CD4+エフェクタ細胞」という用語は、たとえばB細胞などの他の細胞にヘルパーT細胞として機能するT細胞のCD4+サブセットに属する細胞を指す。これらのエフェクタ細胞は、従来には、Th0、Th1、Th2およびTh17細胞などの異なるサブセットを有するTh(T helper)細胞として報告されている。
「NKT細胞」という用語は、NK1.1およびNKG2Dなどの受容体を有し、CD1d分子により形成されたペプチドエピトープを認識する特徴を有する自然免疫系の細胞を指す。本発明の文脈において、NKT細胞は、第1種(不変)または第2種NKT細胞のサブセットに属するか、もしくは第1種または第2種NKT細胞よりも多くの多形T細胞受容体および少ない特徴を有するNKT細胞に属する。
「CD1d分子」という用語は、3つのα鎖と逆平行のβ鎖セットとにより形成され、両端に開口する深い疎水性溝を有し、NKT細胞に脂質、糖脂質または疎水性ペプチドを提供するように構成された非MHC由来分子を指す。
「免疫障害」または「免疫疾病」という用語は、免疫系の反応が生物に機能不全または非生理状態を引き起こすまたは機能不全または非生理状態を持続させる病気を指す。免疫障害は、本発明の文脈において、感染性病原体および腫瘍監視機構により誘発された病理症状を指す。
用語「アロファクタ」は、同種の2つの個体の間に多形性を示すタンパク質、ペプチドまたは因子(すなわち任意の分子)を指し、より一般的には、アロファクタを受けた被験体に(アロ反応性)免疫反応を誘発する任意のタンパク質、ペプチドまたは因子を指す。
「アロ抗原」または「同種移植抗原」という用語は、本明細書に使用される場合、ドナーからレシピエントに移植されると受容者のB細胞またはT細胞受容体の抗体に認識され、抗体と結合することができる細胞または組織に由来する(細胞または組織から脱落するおよび/または細胞または組織内に存在する)抗原を指す。アロ抗原は、一般的には、多形性遺伝子からの産物である。アロ抗原は、(同一種に属する)ドナーとレシピエントとの間にわずかな構造上の差異を示すタンパク質またはペプチドである。このようなドナーの抗原は、レシピエントの体内に存在すると、レシピエントに免疫反応を誘発することができる。このようなアロ反応性免疫反応は、アロ抗原に特異的である。
用語「チオオキシドレダクターゼモチーフ」、「オキシドレダクターゼモチーフ」、「チオレダクターゼモチーフ」、「チオレドックスモチーフ」または「レドックスモチーフ」は、本明細書において同義用語として使用され、[CTS]−X−X−C(配列番号:8)または[C]−X−X−[CST](配列番号:9)を有するモチーフを指す。式中、Cは、システインを表し、Sは、セリンを表し、Tは、スレオニンを表し、Xは、任意のアミノ酸を表す。
詳細な説明
何千個の新しい分子は、治療に使用され、それらの有効性、薬物動態学特性および潜在的な毒性が動物モデルにおいて試験される。マウス、ラットおよびモルモットなどの齧歯類動物は、使用の容易さ、同系株の入手可能性および評価ツールの利用可能性を有するため、モデルとして最も頻繁に使用される。他の動物モデルとして、ウサギ、ブタ、イヌまたはウマなどが挙げられる。これらの動物は、治療用分子に対する免疫反応を高める能力において人間とかなり異なり、多くの場合、人間の病態生理学に関係ない早期応答を示するため、治療用分子の有効性、薬物動態学特性および長期毒性を評価することができない。これによって、これらの動物モデルの有用性は、厳しく制限される。このような問題を緩和するために、非ヒト霊長類動物を使用することができるが、実験に使用される経費によって、試験できる動物の数が大きく制限され、それによって統計評価の信憑性も制限される。また、ヒトのゲノムと非ヒト霊長類動物のゲノムとの間に高い相同性があるが、観察された動物の個体差は、研究成果の価値を制限する。
したがって、医薬化合物を試験することができる改良システムが急務である。最適には、動物の免疫系の他の部分に影響を与えることなく、医薬化合物に対する免疫反応を高める能力を阻害および/または抑制する方法を使用して、医薬化合物に対して耐性があるまたは無反応であるように、動物を処置する。このようにすれば、動物は、分子の薬物動態学特性および毒性の評価に適するであろう。
WO2008017517は、クラスII拘束性エピトープを用いて、直接接種またはクラスII拘束性T細胞にインビトロ変換することによって、強力な細胞傷害性を有するCD4+ T細胞を獲得する方法を記載している。この強力な細胞傷害性細胞は、シナプスを形成する抗原形成細胞(ペプチドを設計するために使用されるエピトープ配列を含むタンパク質を形成する)のアポトーシスを誘発することによって、エフェクタ細胞の適応免疫の活性化を阻害する。
WO2012069568は、CD1d拘束性NKT細胞を用いて、直接接種またはCD1d拘束性NKT細胞にインビトロ変換することによって、強力な細胞傷害性質を有するNKT細胞を獲得する方法を記載している。この強力な細胞傷害性細胞は、CD1dシナプスを形成する抗原形成細胞(ペプチドを設計するために使用されるエピトープ配列を含むタンパク質を形成する)のアポトーシスを誘発することによって、エフェクタNKT細胞の活性化を阻害する。
両方の特許出願において、本発明は、エピトープ配列に隣接する残基配列中にオキシドレダクターゼモチーフを包含することによって、クラスII拘束性T細胞またはCD1d拘束性NKT細胞の細胞障害性細胞への変換を得ることができる。
WO2008017517またはWO2012069568に記載された治療または予防する必要のある動物は、治療用タンパク質に反応しないように処置される。実際には、方法は、クラスII拘束性細胞またはCD1d拘束性(NK)T細胞のいずれかの活性化をオフにすることによって、活性化により引き起こされたすべての結果を防ぐことができる。活性化により引き起こされた結果は、特異的抗体を産生するB細胞の刺激、細胞傷害性クラスI拘束性CD8+ T細胞の活性化、サイトカイン産生の増加およびMHC決定基発現の増加をもたらす抗原形成細胞の活性化を含む。
医薬品化合物は、クラスII拘束性エピトープ、CD1d拘束性ペプチドエピトープ、または両方のエピトープを含むことができる。非常に多くのタンパク質は、クラスII拘束性エピトープを含むが、CD1d拘束性ペプチドエピトープを含まない。その理由は、CD1dによる形成されたペプチドは、要所に疎水性残基を含有するという特定の性質を有するからである。
しかしながら、CD1dは、1つの動物モデルから同一動物種の別の動物モデルに結論を外挿することができるという非常に限られた多形性しか提供できない。クラスII決定基の場合、同一種のいくつかの動物モデルを使用して不応答を誘発する代替的なペプチドを設計する必要があるため、実行できない。
タンパク質の配列断片は、クラスII拘束性エピトープおよびCD1d拘束性ペプチドエピトープの両方を含むことができる。この場合、試験される分子に応じて、単一のペプチドは、クラスII拘束性細胞およびCD1d拘束性(NK)T細胞の両方を無反応にすることができる。
本発明に適したエピトープの同定は、当該分野において公知である。クラスII拘束性エピトープは、インシリコアルゴリズム、文献検索および生体外試験または生体内試験の組み合わせで得られる。
また、CD1d拘束性ペプチドエピトープは、アルゴリズムによって同定され、一般的なモチーフ[FWTHY]−X−[ILMV]−X−[FWTHY](配列番号:11)に対応している。しかしながら、このモチーフが対称であるため、P7をP1として見なすことができ、P1をP7として見なすことができることは、当業者にとって明らかである。
上記のモチーフをより限定することができる。したがって、互いに独立して、P1またはP7に位置するアミノ酸は、[FWTH]または[FWHY]または[FWY]または[FW]を選択することができ、P4に位置するアミノ酸は、[ILM]を選択することができる。
WO2008017517に詳細に記載されたように、タンパク質内のクラスII拘束性エピトープを同定した。
タンパク質内のT細胞エピトープの同定および選択は、次のように行われる。具体的には、
(1)1つ以上の生体外アルゴリズムを用いて、タンパク質内のT細胞エピトープの配列を同定することができる。適当なアルゴリズムは、以下のウェブサイトに掲載されるものを含むがこれらに限定されない。
http://antigen.i2r.a-star.edu.sg/predBalbc/
http://www.imtech.res.in/raghava/mhcbn/
http://www.syfpeithi.de/home.htm
http://www-bs.informatik.uni-tuebingen.de/SVMHC
http://bio.dfci.harvard.edu/Tools/antigenic.html
http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/
これらのアルゴリズムは、以下の刊行物に記載されている。Zhang et al. (2005) Nucleic Acids Res 15, W180-W183 (PREDBALB); Salomon & Flower (2006) BMC Bioinformatics 7, 501 (MHCBN); Schuler et al. (2007) Methods Mol Biol. 409, 75-93 (SYFPEITHI); Donnes & Kohlbacher (2006) Nucleic Acids Res. 34, W194-W197 (SVMHC); Kolaskar & Tongaonkar (1990) FEBS Lett. 276, 172-174 and Guan et al. (2003) Appl Bioinformatics 2, 63-66 (MHCPred)。
より具体的には、これらのアルゴリズムによって、抗原性タンパク質からMHC II分子の溝に適合する1つ以上のノナペプチド配列を予測することができる。
(2)このタンパク質の単離ペプチド配列は、たとえば、T細胞生物学技術によって試験され、T細胞応答を誘発するか否かを決定する。T細胞応答を誘発すると決定されたペプチド配列は、T細胞刺激活性を有するものとして定義される。T細胞刺激活性は、たとえば、トリチウム標識チミジンの細胞摂取によって測定される。
(3)さらに、必要に応じて、クラスII拘束性T細胞エピトープは、MHCクラスII分子に対する結合親和性を有するか否かを試験することができる。この試験は、さまざまな方法で行うことができる。たとえば、可溶性HLAクラスII分子は、所定のクラスII分子に対してホモ接合性を有する細胞の溶解によって得られる。後者は、親和クロマトグラフィーによって精製される。可溶性クラスII分子は、クラスII分子に対する強力な結合親和性に従って製造されたビオチン標識の参照ペプチドとともにインキュベートされる。クラスII結合評価用のペプチドは、異なる濃度でインキュベートされ、クラスII結合から参照ペプチドを置換する能力は、ニュートラアビジンの添加量によって計算される。方法は、Texierら(J. Immunology (2000) 164, 3177-3184)によって記載されている。
代替的には、上記のアッセイで、タンパク質の重複ペプチド断片を試験することができる。
治療用タンパク質内のCD1d拘束性ペプチドエピトープの同定は、WO2012069568に詳細に記載されている。
(1)必要に応じて、NKT細胞を活性化する能力を評価する。この評価は、CD1d分子を発現する細胞株とともに、タンパク質をインキュベートすることによって行われる。このような細胞株の例は、当技術分野で知られている(たとえば、JAWS2細胞)。CD1d分子によるペプチドまたはポリペプチドの効率的な形成は、末梢血から得られたNKT細胞の活性を測定することによって評価される。これらの方法は、当該分野に記載されている(たとえば、Brutkiewicz (2006) J. Immunol. 177, 769-775)。
(2)当技術分野周知のアルゴリズム(たとえば、http://expasy.org/tools/scanprosite/(Sigrist et al. (2002) Brief Bioinform. 3, 265-274))を用いて、タンパク質をスクリーニングすることによって、配列[FWHY]−X−[ILMV]−X−[FWHY](配列番号12)に対応する少なくとも1つのモチーフ(推定CD1d結合モチーフ)の存在を決定する。
(3)必要に応じて、(1)に記載されたCD1d分子を発現する細胞株を用いて、CD1d結合モチーフを包含する合成ペプチドを試験管内で試験する。
(4)必要に応じて、CD1d分子の四量体を用いて、CD1d結合モチーフを含む配列を包含する合成ペプチドを試験管内で試験することによって、そのペプチドに特異的なNKT細胞を検出する。
部分抗原は、自体で免疫反応を引き起こすことができない小分子である。しかしながら、部分抗原は、タンパク質担体に結合すると、強い免疫性を示すことができる。ほとんどの場合、その担体は、循環系に最も豊富なタンパク質アルブミンである。とはいえ、部分抗原は、細胞表面に結合することによって、完全な免疫原を生成することができる。一例として、ヘパリンは、血小板の表面に結合すると、免疫反応を誘発することができ、強力な血小板溶解能力を有する抗体の産生をもたらす。この場合、ヘパリンは、部分抗原として機能し、血小板表面上の第4因子は、担体として機能する。
また、部分抗原の現行定義は、部分抗原が主要組織適合性分子に直接結合し、T細胞を直接活性化する可能性を産み出すという特定の状況を含む。このような状況の下で、MHC分子は、T細胞と結合することができる。この性質は、担体−部分抗原との性質と類似する。さらなる状況において、部分抗原は、特定のT細胞受容体(TCR)に直接結合し、部分抗原とTCRとの複合体の反応性によって、自分自身がMHC分子上で活性化することができる。これらの状況の論証は、たとえば、Weltzien HU, Drug hypersensitivity, ed. WJ Pichler, Karger, 2007; pp47-54, およびGerber BO and Pichler WJ. ibid, pp 66-73に記載される。これらの2つの状況において、(クラスII拘束性およびCD1d拘束性)T細胞エピトープを包含するペプチドは、MHC配列の立体構造変化によって得られる。
Huang Jらは、さまざまな免疫原性化合物のミモトープとして機能するペプチドのデータベース(MimoDB)を記載している(Nucl. Acids Res. (2002) 40,D271-D277)。
MHC決定基から立体構造エピトープを複製するための方法は、当該技術分野に既知である。ファージディスプレイを使用することによって、ミモトープを同定することができる。ランダムに生成されたアミノ酸配列を発現するファージのライブラリは、商用提供業者から入手可能であり、部分抗原修飾MHC決定基の3D構造と一致するアミノ酸の配列を同定するために使用される。ファージは、たとえば、可溶性TCRに対する反応によって選択される。選択されたファージは、同一の選択方法に再適用される前に、培養により増殖される。
多くの医薬化合物の生物モデルにおける免疫反応が記載され、その抗体を単離することができる。これらの抗体を用いて、ライブラリからミモトープとして機能するペプチドを同定することができる。
次いで、クラスII拘束性ペプチドエピトープまたはCD1d拘束性ペプチドエピトープを包含するペプチドは、4個のアミノ酸モチーフ[CST]−X−X−C(配列番号:8)またはC−X−X−[CST](配列番号:9)の隣接残基を追加することによって修飾される。式中、Cは、システインを表し、Sは、セリンを表し、Tは、スレオニンを表し、Xは、任意のアミノ酸を表す。典型的な実施形態において、Xは、Trp、TyrまたはPhe以外のアミノ酸である。好ましいモチーフは、C−X−X−C(配列番号10)である。モチーフ、その位置および構成に関する詳細は、WO2008017517およびWO2012069568に開示されている。簡単に言えば、モチーフは、エピトープのN末端またはC末端のいずれかに位置することができる。モチーフは、エピトープ配列に直接隣接することができ、1個、2個、3個または4個のアミノ酸によって最初の位置(P1)または最後の位置(クラスII拘束性エピトープの場合にP9、CD1d拘束性ペプチドエピトープの場合にP7)から隔てられることができる。
クラスII拘束性ペプチドエピトープまたはCD1d拘束性ペプチドエピトープを包含するペプチドもしくはその両方を包含するペプチドは、任意の経路で、好ましくはアジュバントとともに、選択した動物に投与することができる。好ましい実施形態において、ペプチドは、水酸化アルミニウム上に吸着された後、皮下注射される。注射は、マウスに100μgの最小累積量が得られるまで、回数を分けて行われる。より大きな動物の場合、最大1mgまでの濃度にしてもよい。別の投与経路は、静脈注射、鼻腔投与、気管投与、または腹腔注射を含む。特にCD1d拘束性ペプチドの場合、既知の脂質または糖脂質を用いてNKT細胞を活性化することが有利であり得るため、代替的なアジュバントを使用してもよい。
ペプチドによる免疫処置が終わると、必要に応じて、医薬化合物に対する動物の反応性の欠如を検査することができる。好ましい設定として、医薬化合物は、治療目的のために考え出した経路と同様の経路で、投与される。
次いで、動物は、生理学的に適切な用量の医薬化合物に自然に曝され、経時的に化合物の特性を追跡する。
毒性を評価するために、動物を長期に亘って追跡し、適切な毒性評価を行う。当業者に明らかであるように、たとえば、体内に蓄積する危険性が存在し得る場合、本発明の動物モデルは、長期に亘って反復用量の試験に有利である。
試験される医薬化合物の薬物動態学特性を評価するために、本発明の方法は、試験に対して最も重要な交絡因子、すなわち特異的免疫反応を排除する。したがって、本発明の方法は、経時的に大幅変化し得る薬物動態学特性に対して、複数の評価を行うことができる。一例として、治療用抗体が挙げられる。抗体のクリアランスは、特異的免疫反応の非存在下で、実質的に標的との反応性によって調整される。これにより、受容体からさまざまなまだ発見されていない応答、たとえば標的自体の増産を引き起こすことができ、疾病の進行を制御するために必要とされる治療用量を変更することができる。
本発明の方法は、さまざまな疾病を治療するための広範囲の薬剤、たとえば、高血圧、不整脈、心不全、苦悶、利尿薬、低血圧および高脂血症などの心血管系疾病を治療するための薬剤、抗酸剤、利胆剤(利胆薬)、下剤、下痢止剤、抗炎剤および殺菌剤などの消化系疾病(吐き気および嘔吐を含み)を治療するための薬剤、良性前立腺肥大症、性的不能などの泌尿生殖系疾病を治療するための薬剤、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、咳、鎮痛剤、非ステロイド抗炎剤、痛風などの呼吸系疾病を治療するための薬剤、睡眠薬、抗精神病薬、抗うつ剤、抗パーキンソン剤、抗てんかん薬、抗偏頭痛薬、抗ヒスタミン薬、コリンエステラーゼ阻害薬、ホルモンなどの一般的に中枢系に作用する薬剤、抗生物質、抗ウイルス化合物、抗真菌化合物、抗寄生虫薬剤、抗腫瘍化合物を含むがこれらに限定されない薬剤の試験に適する。
以下の実施例は、本発明を説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例に限定されると考えるべきではない。
実施例
非タンパク質医薬化合物用のミモトープ配列の設計
小さな化学物質は、アルブミンまたは膜タンパクなどのタンパク質に直接結合することができる。このような小さな化学物質は、T細胞によって認識されるエピトープの一部であるタンパク質の配列に結合すると、免疫反応を引き起こすことができる。
このような相互作用を模擬するために、たとえば、MHCクラスII複合体から形成されたものと同様に、この化学物質をペプチド配列と相互作用することによって、機能性T細胞エピトープを作製することができ、それに基づき、ミモトープを作製することができる。このような状況の下で、この化学物質は、T細胞受容体(TCR)に接触するアミノ酸残基に結合することによって、クラスII分子と結合するためのアンカー残基に結合するエピトープの能力を維持する。
一例として、ペニシリンの抗体の産生が挙げられる。エピトープがペニシリンのβ−ラクタム環との反応によって修飾されると、クラスII拘束性T細胞の受容体は、修飾されたエピトープに対して特異的になり、クラスII拘束性T細胞を活性化し、抗体を産生する。別の例としては、ベリリウム、ニッケルなどの金属イオンで修飾されたエピトープを用いて、CD4+ T細胞を活性化することである。
ペニシリンのβ−ラクタム環は、タンパク質の遊離アミノ基、具体的にはリジンのε−アミノ基による求核攻撃の標的である。この求核攻撃によって、アミド共有結合が形成される。リジンを含むクラスII拘束性T細胞エピトープまたはCD1d拘束性NKTペプチドエピトープは、ペニシリンと共有結合複合体を形成することができる。このように形成されたエピトープは各々、クラスII拘束性CD4+ T細胞またはCD1d拘束性NKT細胞を活性化する。
膜共因子タンパク質(MCP)のエピトープは、MHCクラスII決定基DRB1*1101に形成されることが知られている。MCPの残基315−328に対応するこのエピトープの配列は、いくつかのリジン(PYRYLQRRKKGK(配列番号1))を含む。このエピトープをペニシリンGとともにインキュベートすることによって、エピトープの位置8のリジン(下線)は、置換される。このミモトープは、ペニシリンに対する免疫反応を有する患者の末梢CD4+ T細胞から由来したため、CD4+ T細胞を活性化することができる(Padovan et al. (1997) Eur. J. Immunol. 27, 1303-1307)。
次いで、本発明の方法のために、このミモトープは、オキシドレダクターゼ活性を有する4つのアミノ酸からなるモチーフを追加することによって修飾され、配列CPYCVPYRYLQRRKKKGK(配列番号:2)を有するペプチドを生成する。生成されたペプチドは、N末端に位置するオキシドレダクターゼモチーフ、リンカーとしての2つのアミノ酸(VP)、および元のミモトープを含む。
配列番号2を有するペプチドを包含する合成ペプチドをDRB1*1101ヒトクラスII分子を発現するように遺伝子導入されたマウスに投与することによって、ペニシリンに対する免疫反応を誘発するマウスの能力を抑制することができる。
動物モデルにおいて第VIII因子分子の薬物動態評価
第VIII因子置換療法は、血友病A患者を治療するために使用される。しかしながら、循環系中のFVIIIのt1/2は、わずか90分である。フォンヴィレブランド因子が存在する場合、その生理学的シャペロン分子FVIIIのt1/2は、最大6時間まで増加する。増加したt1/2を有するFVIII分子の作製は、待望の目標である。
最近、増加したt1/2を有するFVIII分子は、数多く提案されている。これらのFVIII分子は、FcRNを介してFVIIIの循環を確保するために、IgG抗体のFcγ部分と融合され、PEG分子を用いて置換されることによって得られ、またはその異化作用を低減するためにFVIIIドメインを架橋することによって得られる。このように修飾されたFVIII構造体のt1/2の評価は、動物モデルにおいて行われる。本明細書において、健康なマウスに増加していく用量のヒトFVIIIを注射し、投与されたFVIIIの残存率を経時的に評価する。しかしながら、ヒトFVIIIは、マウスに対して強い免疫性を有するため、免疫反応を迅速に誘発する。この現象は、マウス自身に十分なFVIIIを有する(そのため、マウスが自身のFVIIIに耐性を有する)場合でも生じる。その原因は、マウスのFVIIIとヒトのFVIIIと間の配列差異は、マウスから免疫反応を誘発するのに十分大きいからである。最終の結果としては、非常に限られた回数の注射でも、ヒトFVIIIの投与により生成されたマウス抗体が投与されたヒトFVIIIをすぐに中和してしまうため、薬物動態学特性の更なる試験ができなくなる。
ヒトFVIIIを投与する前に、クラスII拘束性T細胞エピトープのヒト第VIII因子およびCXXCモチーフCGHC GG FTNMFATWSPSK(配列番号:3)を包含する合成ペプチドを用いて、健康なマウスを免疫化する。このペプチドは、水酸化アルミニウムに吸着された後、毎回50μgの用量で4回に分けて、週間隔で皮下注射によって、健康なマウスに投与される。マウスは、ヒトFVIIIに耐性があり、増加したt1/2を有するFVIII分子の動態学的評価に使用される。
非近交系イヌにおいてヒト第VIII因子に対する免疫反応の阻害
イヌなどの動物において、ヒトFVIIIに対抗する抗体も同様に生成される。これらの抗体は、ヒトFVIIIを中和しないが、動物モデルに投与されたヒトFVIIIの生物学的排泄に影響を与える。
マウスおよび他の齧歯類は、多くの場合、近交系であり、すべて同種のMHCクラスII分子を有する。
イヌなどの他の動物は、非近交系であり、動物の間で可変なMHCクラスII決定基を有する。信頼性の高い実験を構築するために、各動物にクラスII HLAマッピングを実行すすべきであり、投与されたペプチドの効果的に同定を保証する。
しかしながら、CD1d分子の多形性欠乏によって、NKTペプチドエピトープおよびレドックスモチーフ配列を有する単一のペプチドを用いて、近交系を含むすべての種類の動物において、抗原に対する免疫反応をオフにすることができる。
ミョウバンに吸着した合成ペプチド(CPYC−VP−QTLKFLLA(配列番号:4))の皮下投与によって、250μgのヒト第VIII因子CD1d拘束性エピトープでイヌを免疫化する。
このペプチドは、ヒト第VIII因子アミノ酸の配列190〜200(QTLKFLLA(配列番号:5))、2個のアミノ酸(VP)からなるリンカー、およびN末端に位置するチオレダクターゼモチーフを含む。CD1dは、配列190〜200の1、4および7位(下線)の残基に連結している。
10日間の間に、水酸化アルミニウムに吸着させたペプチドを4回で注射した。
その後、イヌは、完全長のヒト第VIII因子の静脈注射により処置される。次いで、ヒト第VIII因子の反復注射によって、ヒト第VIII因子の薬物動態学特性を評価する。
抗TNFα抗体の毒性の評価
現在、リウマチ性関節炎などの慢性炎症を罹患している患者にヒト化モノクローナル抗体を投与することは、一般的である。一般的に臨床効果が観察されるが、この治療抗体の長期投与は、重篤な副作用および合併症を引き起こす。これらの副作用は、基本的に治療抗体の長期治療を受けた患者から確認されてあるが、前臨床動物毒性評価から予測されなかった。その主な原因は、動物モデル、特にマウスまたはラットの治療抗体に対する高免疫性に関連する。
C57BL/6マウスのH−2b拘束性T細胞エピトープ(YYAPWCNN(配列番号:6))は、Humira(登録商標)抗TNFα抗体の重鎖に存在する。
このエピトープおよびレドックスモチーフを含むペプチド(CPYC VP YYAPWCNN(配列番号:7))は、毎回50μgの用量で、1週間の間に4回の皮下注射で野生型非リウマチ性C57BL/6マウスに投与された。
その後、マウスは、抗TNF−α抗体の静脈注射により処置される。抗体に対する免疫反応がないため、注射を繰り返すことができ、注射の効果を長期に亘って評価することができる。
第VIII因子のペグ化誘導体の反復投与による毒性の評価
医薬化合物が一般的に短い半減期(t1/2)を有するため、その活性を延長するために、さまざまな試みが提案されている。現在、ポリエチレングリコール残基による置換は、多くの医薬化合物に使用されている。このような置換が安全であると考えられているが、いくつかの報告によると、マクロファージなどのスカベンジャー細胞内のペグ化分子の蓄積が確認された。実際には、PEG置換は、循環系から医薬化合物のクリアランスに関与する残基をマスクすることによって、t1/2を増加させる。しかしながら、PEG置換は、同時にプロテアソームによる消化を妨げることによって、細胞蓄積を増加する。細胞蓄積の顕著な特徴としては、通常、泡状マクロファージの出現である。
ペグ化タンパク質は、一般的に腎臓および肝臓によって排出される。液胞が尿細管上皮細胞および肝クッパー細胞に蓄積することは、報告されている。これらのPEG置換医薬化合物の安全性に関する懸念があるため、PEG置換医薬化合物の安全性を適切な動物モデルにおいて長期評価する必要がある(Zhang et al. (2014) Biol. Pharm. Bull. 37, 335-339)。
しかしながら、このような評価は、PEG化タンパク質が免疫性を有するということ事実によって厳しく制限される。まず、報告によると、PEG自体は、IgMの免疫反応を引き起こすため、補体経路の活性化、オプソニン化およびクッパー細胞による除去を誘発することができる。また、医薬化合物自体の免疫性は、ペグ化によって減少されたが、除去されていない。これらの2つの理由によって、これらの現象を評価することが有利である。
PEG部分に対するIgM抗体の産生がT細胞単独(インデペンデント)であるため、本発明によって除去することはできない。一方、医薬化合物自体に対する免疫反応を阻止すると、既に医薬化合物に対する免疫反応の一部を阻止したため、有意な改善を示し、長期に亘ってPEG毒性を試験することができる。PEGに対するIgM応答は、記憶されないので、長期毒性試験の問題にならない。
健康なマウスは、実施例2に記載した手順に従って免疫化され、長期に亘ってPEG化ヒトFVIIIを定期投与することによって、処置された。各々、別々の時点でマウスを屠殺し、腎臓尿細管細胞の上皮の空胞化程度および肝臓クッパー細胞の空胞化程度を検査した。

Claims (12)

  1. 疾病または障害を治療するための医薬化合物のパラメータを決定するための方法であって、
    前記疾病または障害を罹患しておらずもしくは前記疾病または障害の症状または兆候を示しておらず、前記医薬化合物に対して免疫反応を誘発しない非ヒト動物を提供するステップを含み、
    前記動物は、モチーフ[CTS]−X−X−C(配列番号:8)またはC−X−X−[CST](配列番号:9)からなるオキシドレダクターゼモチーフと、前記医薬化合物のNKTペプチドエピトープまたはMHCクラスII T細胞エピトープとの組み合わせを含むペプチドを投与することによって得られ、前記モチーフと前記エピトープとは、0〜4個のアミノ酸からなるリンカーによって隔てられ、
    前記非ヒト動物に前記医薬化合物を投与するステップと、
    前記非ヒト動物から前記医薬化合物のパラメータを測定するステップとを含む、方法。
  2. 前記医薬化合物は、タンパク質であり、
    前記エピトープは、前記タンパク質の断片である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記医薬化合物は、立体構造依存性エピトープを有するタンパク質であり、
    前記エピトープは、前記立体構造依存性エピトープのミモトープである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記医薬化合物は、タンパク質ではなく、
    前記ペプチドに含まれる前記エピトープは、前記医薬化合物のミモトープと同様の配列を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記モチーフは、C−X−X−Cである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記NKTペプチドエピトープは、モチーフ[FWTHY]−X−[ILMV]−X−[FWTHY](配列番号:11)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記動物は、霊長類動物ではない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記動物は、齧歯類動物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記動物は、非近交系動物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記パラメータは、毒性、半減期、体重、移動性、食性、呼吸、水およびその通過性、および毛並み特性からなる群から選択される1つ以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 疾病または障害を治療するための試験医薬化合物に対して免疫反応しないように、非ヒト動物を処置するための非治療的方法であって、
    前記疾病または障害を治療するための前記試験医薬化合物に対して健康であり、前記試験医薬化合物を投与していない非ヒト動物を提供するステップと、
    ペプチドを前記非ヒト動物に投与するステップとを含み、
    前記ペプチドは、モチーフ[CTS]−X−X−C(配列番号:8)またはC−X−X−[CST](配列番号:9)からなるオキシドレダクターゼモチーフと、前記試験医薬化合物のNKTペプチドエピトープまたはMHCクラスII T細胞エピトープとの組み合わせを含み、
    前記モチーフと前記エピトープとは、0〜4個のアミノ酸からなるリンカーによって隔てられる、方法。
  12. 請求項11に記載の方法によって得られた、前記疾病または障害を治療するための前記試験医薬化合物に対して免疫反応しない非ヒト動物。
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