JP6954353B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池は、車載用、産業用の他、様々な用途で使用されている。鉛蓄電池は、負極板と、正極板と、電解液とを含む。負極板および正極板は、それぞれ、集電体と、各電極の電極材料とを含む。各電極材料は、活物質を含み、負極電極材料は、さらに炭素材料を含む。特許文献1には、鉛蓄電池の負極にカーボンを添加すること、正極基板表面や正極活物質に、ビスマス、アンチモン、カルシウムなどの金属または化合物を含有させることが記載されている。特許文献2には、鉛蓄電池の負極電極材料が、グラファイトまたはカーボンファイバと、カーボンブラックなどとを含むことが記載されている。特許文献2では、正極を作製する際に使用される正極活物質ペーストに、三酸化アンチモン粉を添加している。
国際公開第2007/036979号パンフレット 特開2016−152131号公報
鉛蓄電池は、部分充電状態(PSOC)と呼ばれる充電不足状態で使用されることがある。例えば、充電制御やアイドリングストップ・スタート(ISS)の際には、鉛蓄電池がPSOCで使用されることになる。そのため、鉛蓄電池には、PSOC条件下でのサイクル試験において寿命性能(以下、PSOC寿命性能と言う)に優れることが求められる。このような寿命性能の改善には、負極電極材料へのカーボンブラックの多量添加や正極活物質へのSbなどの添加が効果的である。しかし、これらの成分の添加により、過充電時の電解液の減液が顕著になる。
本発明の目的は、鉛蓄電池において、過充電時の電解液の減液を抑制しながら、高いPSOC寿命性能を確保することにある。
本発明の一側面は、鉛蓄電池であって、
前記鉛蓄電池は、負極板、正極板、前記負極板と前記正極板との間に配されたセパレータ、および電解液を備え、
前記負極板は、炭素材料を含有する負極電極材料を含み、
前記正極板は、正極電極材料を含み、
前記炭素材料は、32μm以上の粒子径を有する第1炭素材料と、32μm未満の粒子径を有する第2炭素材料と、を含み、
前記正極電極材料は、Sbを含み、
前記負極板および前記正極板の間に、繊維集合体で構成された多孔質層が配されている、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池において、電解液の減液を抑制しながら、高いPSOC寿命性能を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池の外観と内部構造を示す、一部を切り欠いた分解斜視図である。 鉛蓄電池A1、A4〜A8、B5、B6、およびB8〜B17について評価した粉体抵抗比R2/R1とPSOC寿命性能との関係を示すグラフである。
本発明の一側面に係る鉛蓄電池は、負極板、正極板、負極板と正極板との間に配されたセパレータ、および電解液を備える。負極板は、炭素材料を含有する負極電極材料を含む。正極板は、正極電極材料を含む。炭素材料は、32μm以上の粒子径を有する第1炭素材料と、32μm未満の粒子径を有する第2炭素材料と、を含む。正極電極材料は、Sbを含む。負極板および正極板の間には繊維集合体で構成された多孔質層が配されている。
一般に、負極電極材料には、導電性を高める観点から、カーボンブラックが添加されている。カーボンブラックは、負極電極材料中で凝集し易いため、PSOC寿命性能を高めるには、添加量を多くする必要があると考えられている。しかし、一般に、カーボンブラックの添加量が多くなると、電解液との副反応によりガスが発生し易くなるため、電解液の減液が顕著になり易い。また、正極活物質にSbを添加すると、正極電極材料の軟化が抑制されるため、PSOC寿命性能を高めることができると考えられている。しかし、この場合にも、電解液の減液が顕著になることが、従来から問題となっている。
それに対し、本発明の上記側面によれば、負極電極材料に添加する炭素材料として、粒径の異なる第1炭素材料および第2炭素材料を用いるとともに、Sbを含む正極電極材料を用い、負極板および正極板の間には多孔質層を配置する。これにより、負極電極材料中に導電性ネットワークが形成され易くなるとともに、Sbおよび多孔質層の作用により正極電極材料の軟化が抑制されて耐久性が向上する。また、負極板の全領域で、導電ネットワークがより均一になることで、負極板の充電受入性のばらつきを低減し、正極板における充電反応も均一にし、正極板の劣化のばらつきが抑制される。そのため、Sbや多孔質層の効果がより発揮され易くなると考えられる。このような理由で、PSOC寿命性能を向上することができる。一方、鉛蓄電池内で発生した酸素ガスおよび水素ガスを、多孔質層により捕捉して、多孔質層中のガスの滞留時間を長くすることで、酸素と水素とを反応させて、水に変換する反応が起こり易くなる。その結果、電解液の減液を抑制することができる。
一般に、炭素材料には、様々な粉体抵抗を有するものが知られている。粉末材料の粉体抵抗は、粒子の形状、粒子径、粒子の内部構造、および/または粒子の結晶性などにより変化することが知られている。従来の技術常識では、炭素材料の粉体抵抗は、負極板の抵抗には直接的な関係はなく、PSOC寿命性能に対して影響を及ぼすとは考えられていない。
それに対し、本発明の上記側面においては、第1炭素材料の粉体抵抗R1に対する、第2炭素材料の粉体抵抗R2の比:R2/R1は、155以下であることが好ましい。粉体抵抗比R2/R1がこのような範囲である場合、より高いPSOC寿命性能を確保することができる。これは、次のような理由によるものと推測される。まず、粉体抵抗比R2/R1を上記の範囲に制御することで、負極電極材料中に導電ネットワークが形成され易くなる。また、上記のような粉体抵抗比の第1炭素材料および第2炭素材料は、電解液との反応性が低いため、電解液との副反応が抑制されて、充電効率が高まる。これらにより、PSOC寿命性能が向上すると考えられる。また、炭素材料と電解液との副反応が抑制されることで、ガス発生自体も抑制され、これにより電解液の減液量をさらに低減し易くなる。
PSOC寿命性能の向上効果がさらに高まる観点からは、粉体抵抗比R2/R1は、40以上であることが好ましい。粉体抵抗比R2/R1がこのような範囲である場合、負極電極材料中に導電ネットワークが広がり易くなるため、PSOC寿命性能の向上効果をさらに高めることができる。
第1炭素材料の比表面積S1に対する、第2炭素材料の比表面積S2の比:S2/S1は、20以上240以下であることが好ましい。比表面積比S2/S1が20以上である場合、充電受入性が負極板の全領域でより均一になるものと考えられる。負極板の充電受入性のばらつきが低減することで、硫酸鉛の還元反応が進行しやすくなるとともに、副反応の進行が抑制される。負極電極材料には通常有機防縮剤が含まれるが、比表面積比S2/S1が240以下では、各炭素材料の比表面積が適度な範囲であることで、有機防縮剤の吸着が抑制され、有機防縮剤の防縮効果が充分に発揮される。よって、比表面積比S2/S1が20以上240以下の範囲では、低温ハイレート性能の低下を抑制できる。
多孔質層は、少なくとも、正極板の鉛直方向における上側の主面に対向するように配することが好ましい。正極板の鉛直方向における上側には、集電のためのタブが設けられている。正極板の上側はタブに近くなるため、下側に比べて、充放電反応に関与し易くなり、酷使されることになる。正極板の上側の主面に対向するように多孔質層を配することで、正極板全体がより均一に利用されることになるため、硫酸鉛の還元反応が進行しやすくなるとともに、副反応の進行が抑制される。よって、PSOC寿命性能、および減液量の低減効果をさらに高めることができる。
なお、電極板の上側の主面とは、少なくとも、電極板の上端から電極板の高さの1/3の位置およびそれより上側の主面を含む領域を言うものとする。電極板の高さとは、電極板において、正極電極材料または負極電極材料が存在する部分の高さ(つまり、鉛蓄電池における鉛直方向に沿った長さ)を言う。また、電極板の上端とは、電極板において、正極電極材料や負極電極材料が存在する部分の上端を言うものとする。電極板の鉛直方向における上側とは、鉛蓄電池を設置したときの、電極板の鉛直方向における上側を意味する。
以下、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池について、主要な構成要件ごとに説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(負極板)
鉛蓄電池の負極板は、負極電極材料を含む。負極板は、通常、負極集電体と、負極電極材料とで構成できる。なお、負極電極材料は、負極板から負極集電体を除いたものである。
なお、負極板には、マット、ペースティングペーパなどの部材が貼り付けられていることがある。負極板がこのような部材(貼付部材)を含む場合には、負極電極材料は、負極集電体および貼付部材を除いたものである。ただし、電極板の厚みはマットを含む厚みとする。セパレータにマットが貼りつけられている場合は、マットの厚みはセパレータの厚みに含まれる。
負極電極材料は、好ましくは酸化還元反応により容量を発現する負極活物質(鉛もしくは硫酸鉛)を含む。充電状態の負極活物質は、海綿状の金属鉛であるが、未化成の負極板は、通常、鉛粉を用いて作製される。また、負極電極材料は、炭素材料を含む。負極電極材料は、更に、有機防縮剤などを含んでもよく、必要に応じて、硫酸バリウムおよび/または他の添加剤を含んでもよい。
(炭素材料)
炭素材料は、32μm以上の粒子径を有する第1炭素材料と、32μm未満の粒子径を有する第2炭素材料と、を含む。負極電極材料が、粒子径の異なる第1炭素材料と第2炭素材料とを含むことで、負極電極材料中で炭素材料が凝集することが抑制され、導電ネットワークが形成され易くなる。よって、PSOC寿命性能を向上することができる。第1炭素材料と第2炭素材料とは、後述する手順で分離され、区別される。
各炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラックなどが例示される。黒鉛としては、黒鉛型の結晶構造を含む炭素材料であればよく、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれであってもよい。
第1炭素材料としては、例えば、黒鉛、ハードカーボン、およびソフトカーボンからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。特に、第1炭素材料は、少なくとも黒鉛を含むことが好ましい。第2炭素材料は、少なくともカーボンブラックを含むことが好ましい。これらの炭素材料を用いると、粉体抵抗比R2/R1を調節し易くなり、負極電極材料中に導電ネットワークを形成し易くなる。
なお、第1炭素材料のうち、ラマンスペクトルの1300cm−1以上1350cm−1以下の範囲に現れるピーク(Dバンド)と1550cm−1以上1600cm−1以下の範囲に現れるピーク(Gバンド)との強度比I/Iが、0以上0.9以下であるものを、黒鉛と呼ぶものとする。
第2炭素材料の粉体抵抗R2の、第1炭素材料の粉体抵抗R1に対する比(粉体抵抗比R2/R1)は、170以下であることが好ましい。粉体抵抗比がこのような範囲である場合、負極電極材料中に導電ネットワークが形成され易くなるとともに、炭素材料と電解液との副反応が抑制されて充電効率が高まるため、PSOC寿命性能がさらに向上するものと考えられる。粉体抵抗比R2/R1は、例えば、20以上である。負極電極材料中に導電ネットワークが広がり易く、PSOC寿命性能の向上効果がさらに高まる観点からは、40以上であることが好ましく、155以下であることが好ましい。
粉体抵抗比R2/R1は、負極電極材料の調製に使用する炭素材料の種類、比表面積、および/またはアスペクト比などを、選択または調節することにより、上記のような範囲に調節することができる。また、これらの要素に加えて、さらに使用する炭素材料の粒子径を調節してもよい。これらの要素を選択または調節することで、第1炭素材料と第2炭素材料の各炭素材料の粉体抵抗を調節することができ、その結果、粉体抵抗比R2/R1を調節することができる。
第1炭素材料の比表面積S1に対する、第2炭素材料の比表面積S2の比:S2/S1は、例えば、10以上500以下であり、20以上が好ましい。また、240以下であることが好ましい。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。比表面積比S2/S1が、20以上240以下である場合、負極板の充電受入性のばらつきが低減されるとともに、有機防縮剤の防縮効果が発揮され易くなることで、低温ハイレート性能の低下が抑制できる。
第1炭素材料の平均アスペクト比は、例えば、1.5以上200以下であり、1.5以上が好ましい。また、100以下であることが好ましく、より好ましくは30以下、さらに好ましくは15以下である。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。第1炭素材料の平均アスペクト比が1.5以上の場合には、負極電極材料中に導電ネットワークが形成され易くなるため、PSOC寿命性能の向上効果がさらに得られ易くなる。第1炭素材料の平均アスペクト比が35以下または30以下の場合には、負極電極材料における第1炭素材料の分散性が高くなるため、高い低温ハイレート性能を確保し易くなる。
負極電極材料中の第1炭素材料の含有量と第2炭素材料の含有量との合計は、例えば、0.1質量%以上3.5質量%以下であり、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。また、2.5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることが好ましい。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。第1炭素材料と第2炭素材料の含有量の合計がこのような範囲である場合、導電性ネットワークが形成され易いため、PSOC寿命性能の向上効果をさらに高めることができる。
負極電極材料中の第1炭素材料の含有量は、例えば、0.05質量%以上3.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上である。また、好ましくは2.0質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。第1炭素材料の含有量が0.05質量%以上である場合、PSOC寿命性能を向上する効果をさらに高めることができる。第1炭素材料の含有量が、3.0質量%以下の場合、活物質粒子同士の密着性を確保し易くなるため、負極板におけるひびの発生が抑制され、高いPSOC寿命性能の確保がさらに容易になる。
負極電極材料中の第2炭素材料の含有量は、例えば、0.03質量%以上1.0質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以上である。また、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下である。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。第2炭素材料の含有量が、0.03質量%以上である場合、PSOC寿命性能を向上する効果をさらに高めることができる。第2炭素材料の含有量が、1.0質量%以下である場合、負極電極材料中に炭素材料を分散させやすくなるため、高い低温ハイレート性能を確保し易くなる。
炭素材料の物性の決定方法または分析方法について以下に説明する。
(A)炭素材料の分析
(A−1)炭素材料の分離
既化成の満充電状態の鉛蓄電池を分解し、負極板を取り出し、水洗により硫酸を除去し、真空乾燥(大気圧より低い圧力下で乾燥)する。次に、乾燥した負極板から負極電極材料を採取し、粉砕する。5gの粉砕試料に、60質量%濃度の硝酸水溶液30mLを加えて、70℃で加熱する。さらにエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム10g、28質量%濃度のアンモニア水30mL、および水100mLを加えて、加熱を続け、可溶分を溶解させる。このようにして前処理を行なった試料を、ろ過により回収する。回収した試料を、目開き500μmのふるいにかけて、補強材などのサイズが大きな成分を除去して、ふるいを通過した成分を炭素材料として回収する。
回収した炭素材料を、目開き32μmのふるいを用いて湿式にて篩ったときに、ふるいの目を通過せずに、ふるい上に残るものを第1炭素材料とし、ふるいの目を通過するものを第2炭素材料とする。つまり、各炭素材料の粒子径は、ふるいの目開きのサイズを基準とするものである。湿式のふるい分けについては、JIS Z8815:1994を参照できる。
具体的には、炭素材料を、目開き32μmのふるい上に載せ、イオン交換水を散水しながら、5分間ふるいを軽く揺らして篩い分けする。ふるい上に残った第1炭素材料は、イオン交換水を流しかけてふるいから回収し、ろ過によりイオン交換水から分離する。ふるいを通過した第2炭素材料は、ニトロセルロース製のメンブランフィルター(目開き0.1μm)を用いてろ過により回収する。回収された第1炭素材料および第2炭素材料は、それぞれ、110℃の温度で2時間乾燥させる。目開き32μmのふるいとしては、JIS Z 8801−1:2006に規定される、公称目開きが32μmであるふるい網を備えるものを使用する。
なお、負極電極材料中の各炭素材料の含有量は、上記の手順で分離した各炭素材料の質量を測り、この質量の、5gの粉砕試料中に占める比率(質量%)を算出することにより求める。
本明細書中、鉛蓄電池の満充電状態とは、液式の電池の場合、25℃の水槽中で、0.2CAの電流で2.5V/セルに達するまで定電流充電を行った後、さらに0.2CAで2時間、定電流充電を行った状態である。また、制御弁式の電池の場合、満充電状態とは、25℃の気槽中で、0.2CAで、2.23V/セルの定電流定電圧充電を行い、定電圧充電時の充電電流が1mCA以下になった時点で充電を終了した状態である。
なお、本明細書中、1CAとは電池の公称容量(Ah)と同じ数値の電流値(A)である。例えば、公称容量が30Ahの電池であれば、1CAは30Aであり、1mCAは30mAである。
(A−2)炭素材料の粉体抵抗
第1炭素材料の粉体抵抗R1および第2炭素材料の粉体抵抗R2は、上記(A−1)の手順で分離された第1炭素材料および第2炭素材料のそれぞれについて、粉体抵抗測定システム((株)三菱化学アナリテック製、MCP−PD51型)に、試料を0.5g投入し、圧力3.18MPa下で、JIS K 7194:1994に準拠した低抵抗抵抗率計((株)三菱化学アナリテック製、ロレスタ−GX MCP−T700)を用いて、四探針法により測定される値である。
(A−3)炭素材料の比表面積
第1炭素材料の比表面積S1および第2炭素材料の比表面積S2は、第1炭素材料および第2炭素材料のそれぞれのBET比表面積である。BET比表面積は、上記(A−1)の手順で分離された第1炭素材料および第2炭素材料のそれぞれを用いて、ガス吸着法により、BET式を用いて求められる。各炭素材料は、窒素フロー中、150℃の温度で、1時間加熱することにより前処理される。前処理した炭素材料を用いて、下記の装置にて、下記の条件により、各炭素材料のBET比表面積を求める。
測定装置:マイクロメリティックス社製 TriStar3000
吸着ガス:純度99.99%以上の窒素ガス
吸着温度:液体窒素沸点温度(77K)
BET比表面積の計算方法:JIS Z 8830:2013の7.2に準拠
(A−4)第1炭素材料の平均アスペクト比
上記(A−1)の手順で分離された第1炭素材料を、光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察し、任意の粒子を10個以上選択して、その拡大写真を撮影する。次に、各粒子の写真を画像処理して、粒子の最大径d1、およびこの最大径d1と直交する方向における最大径d2を求め、d1をd2で除することにより、各粒子のアスペクト比を求める。得られたアスペクト比を、平均化することにより平均アスペクト比を算出する。
(有機防縮剤)
負極電極材料には、通常、有機防縮剤が含まれる。有機防縮剤としては、例えば、硫黄元素を含む有機高分子が使用される。このような有機防縮剤は、一般に、分子内に1つ以上、好ましくは複数の芳香環を含むとともに、硫黄含有基として硫黄元素を含んでいる。硫黄含有基の中では、安定形態であるスルホン酸基もしくはスルホニル基が好ましい。スルホン酸基は、酸型で存在してもよく、Na塩のように塩型で存在してもよい。
有機防縮剤としては、例えば、リグニン類を用いてもよく、硫黄含有基を有する芳香族化合物のホルムアルデヒドによる縮合物を用いてもよい。リグニン類としては、リグニン、リグニンスルホン酸またはその塩(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩など)などのリグニン誘導体などが挙げられる。有機防縮剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、リグニン類と、硫黄含有基を有する芳香族化合物のホルムアルデヒドによる縮合物とを併用してもよい。芳香族化合物としては、ビスフェノール類、ビフェニル類、ナフタレン類などを用いることが好ましい。
負極電極材料中に含まれる有機防縮剤の含有量は、例えば0.01質量%以上1.0質量%以下であり、0.02質量%以上が好ましく、また、0.8質量%以下であることが好ましい。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。
以下、負極電極材料に含まれる有機防縮剤の定量方法について記載する。定量分析に先立ち、化成後の鉛蓄電池を満充電してから解体して分析対象の負極板を入手する。入手した負極板に水洗と乾燥とを施して負極板中の電解液を除く。次に、負極板から負極電極材料を分離して未粉砕の初期試料を入手する。
[有機防縮剤]
未粉砕の初期試料を粉砕し、粉砕された初期試料を1mol/LのNaOH水溶液に浸漬し、有機防縮剤を抽出する。抽出された有機防縮剤を含むNaOH水溶液から不溶成分を濾過で除く。得られた濾液(以下、分析対象濾液とも称する。)を脱塩した後、濃縮し、乾燥すれば、有機防縮剤の粉末(以下、分析対象粉末とも称する。)が得られる。脱塩は、濾液を透析チューブに入れて蒸留水中に浸して行えばよい。
分析対象粉末の赤外分光スペクトル、分析対象粉末を蒸留水等に溶解して得られる溶液の紫外可視吸収スペクトル、分析対象粉末を重水等の溶媒に溶解して得られる溶液のNMRスペクトル、物質を構成している個々の化合物の情報を得ることができる熱分解GC−MSなどから情報を得ることで、有機防縮剤を特定する。
上記分析対象濾液の紫外可視吸収スペクトルを測定する。スペクトル強度と予め作成した検量線とを用いて、負極電極材料中の有機防縮剤の含有量を定量する。分析対象の有機防縮剤の構造式の厳密な特定ができず、同一の有機防縮剤の検量線を使用できない場合は、分析対象の有機防縮剤と類似の紫外可視吸収スペクトル、赤外分光スペクトル、NMRスペクトルなどを示す、入手可能な有機防縮剤を使用して検量線を作成する。
(その他)
負極集電体は、鉛(Pb)または鉛合金の鋳造により形成してもよく、鉛または鉛合金スラブを圧延したシートを加工して形成してもよい。加工方法としては、例えば、エキスパンド加工や打ち抜き(パンチング)加工が挙げられる。
負極集電体に用いる鉛合金は、Pb−Sb系合金、Pb−Ca系合金、Pb−Ca−Sn系合金のいずれであってもよい。これらの鉛もしくは鉛合金は、更に、添加元素として、Ba、Ag、Al、Bi、As、Se、Cuなどからなる群より選択された少なくとも1種を含んでもよい。
負極板は、負極集電体に負極電極材料を含むペースト(以下、負極ペーストとも言う)を充填し、熟成および乾燥することにより未化成の負極板を作製し、その後、未化成の負極板を化成することにより形成できる。負極ペーストは、鉛粉および炭素材料、ならびに必要に応じて有機防縮剤および/または各種添加剤に、水と硫酸を加えて混練することで作製する。熟成する際には、室温より高温かつ高湿度で、未化成の負極板を熟成させることが好ましい。
負極板の化成は、鉛蓄電池の電槽内の硫酸を含む電解液中に、未化成の負極板を含む極板群を浸漬させた状態で、極板群を充電することにより行うことができる。ただし、化成は、鉛蓄電池または極板群の組み立て前に行ってもよい。化成により、海綿状の金属鉛が生成する。
(正極板)
鉛蓄電池の正極板には、ペースト式とクラッド式がある。
ペースト式正極板は、正極集電体と、正極電極材料とを具備する。正極電極材料は、正極集電体に保持されている。正極集電体は、負極集電体と同様に形成すればよく、鉛または鉛合金の鋳造や、鉛または鉛合金シートの加工により形成することができる。
クラッド式正極板は、複数の多孔質のチューブと、各チューブ内に挿入される芯金と、芯金を連結する集電部と、芯金が挿入されたチューブ内に充填される正極電極材料と、複数のチューブを連結する連座とを具備する。芯金と芯金を連結する集電部とを合わせて正極集電体と呼ぶ。
本発明の上記側面に係る鉛蓄電池では、正極電極材料は、Sbを含んでいるが、加えて、酸化還元反応により容量を発現する正極活物質(二酸化鉛もしくは硫酸鉛)も含む。正極電極材料は、必要に応じて、他の添加剤を含んでもよい。
Sbを含む正極電極材料を用いた正極板は、例えば、正極板を作製する際に使用される正極電極材料を含むペースト(以下、単に正極ペーストと言う)に、Sbを含む成分の粉末を添加することにより作製される。Sbを含む成分としては、Sbを含む化合物やSb合金などが挙げられる。Sbを含む化合物としては、例えば、酸化物(三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなど)、ハロゲン化物(三塩化アンチモンなど)、硫化物(硫化アンチモンSb23など)、アンチモン酸塩(アンチモン酸鉛など)などが挙げられる。Sb合金としては、例えば、Pb−Sb系合金、Pb−Sn−Sb系合金などが挙げられる。これらのSbを含む成分は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。Sbを含む成分のうち、入手し易く、正極板の高い耐久性および/または信頼性が得られ易い観点から、三酸化アンチモンなどの酸化物が好ましい。
正極電極材料中のSbの含有量は、例えば、0.01質量%以上0.6質量%以下であり、好ましくは0.03質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上である。また、好ましくは0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.15質量%以下である。これらの上限、下限は任意に組み合わせることができる。Sbの含有量がこのような範囲である場合、電解液の減液量を低く抑えながらも、正極電極材料の軟化を抑制する効果がさらに高まるため、PSOC寿命性能をさらに向上することができる。
正極電極材料中のSbの含有量は、次のようにして求めることができる。既化成の満充電状態の鉛蓄電池を分解し、正極板を取り出し、水洗により硫酸を除去し、乾燥する。次に、乾燥した正極板から正極電極材料を採取し、粉砕する。粉砕した正極電極材料のうち10gを量り取り、20gの酒石酸と20mLの(1+3)硝酸とを混合した溶液中に加え、加熱下で溶解させて濾過する。濾液をイオン交換水で希釈し、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置((株)島津製作所製、ICPS−8000)により原子吸光測定を行い、検量線によりSbの含有量を求める。なお、(1+3)硝酸とは、濃硝酸(硝酸濃度:70質量%)とイオン交換水とを、1:3の容積比で混合した混合物である。
ペースト式正極板は、負極板の場合に準じて、正極集電体に、正極ペーストを充填し、熟成および乾燥することにより未化成の正極板を作製し、その後、未化成の正極板を化成することにより得られる。正極ペーストは、鉛粉、Sbを含む成分、添加剤、水、硫酸を練合することで調製される。正極集電体に用いる鉛合金としては、耐食性および機械的強度の点で、Pb−Ca系合金、Pb−Sb系合金、Pb−Ca−Sn系合金が好ましい。正極集電体は、組成の異なる鉛合金層を有してもよく、合金層は複数でもよい。
クラッド式正極板は、芯金が挿入されたチューブに鉛粉または、スラリー状の鉛粉を充填し、複数のチューブを連座で結合することにより未化成の正極板を作製し、その後、未化成の正極板を化成することにより形成される。
正極板の化成は、鉛蓄電池の電槽内の硫酸を含む電解液中に、未化成の正極板を含む極板群を浸漬させた状態で、極板群を充電することにより行うことができる。ただし、化成は、鉛蓄電池または極板群の組み立て前に行ってもよい。化成により、二酸化鉛が生成する。
(セパレータ)
負極板と正極板との間に配置されるセパレータとしては、微多孔膜が用いられる。負極板と正極板との間に介在させるセパレータの厚さや枚数は、極間距離に応じて選択すればよい。
微多孔膜は、マトリックスがポリマー材料(ただし、繊維とは異なる)で形成された多孔性のシートであり、多孔性のフィルムと呼ぶこともできる。微多孔膜は、ポリマー材料で形成されたマトリックス中に分散した充填剤(例えば、シリカなどの粒子状充填剤、および/または繊維状充填剤)を含んでもよい。
微多孔膜は、例えば、造孔剤(ポリマー粉末などの固形造孔剤、および/またはオイルなどの液状造孔剤など)とポリマー材料などとを含む樹脂組成物をシート状に押し出し成形した後、造孔剤を除去して、ポリマー材料のマトリックス中に細孔を形成することにより得られる。充填剤を用いる場合には、樹脂組成物に添加することが好ましい。微多孔膜は、耐酸性を有するポリマー材料で構成することが好ましい。このようなポリマー材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。
(多孔質層)
本発明の上記側面では、正極板と負極板との間に、繊維集合体で構成された多孔質層を配することで、鉛蓄電池内で発生した酸素ガスや水素ガスを捕捉することができる。これにより、多孔質層内で、酸素と水素とから水が生成する反応が起こり易くなる。よって、炭素材料およびSb添加により、酸素ガスや水素ガスの発生が増加しても、減液量を低く抑えることができる。また、電極板の劣化を抑制しやすくなり、耐久性が高まることで、高いPSOC寿命性能が得られる。
多孔質層は、微多孔膜とは異なり、シート状の繊維集合体で構成される。このような繊維集合体としては、電解液に不溶な繊維が絡み合ったシートが使用される。このようなシートには、例えば、不織布、織布、編み物などがあり、マットと呼ばれることもある。多孔質層は、繊維を主体とする。例えば、多孔質層の60質量%以上が繊維で形成されている。
繊維としては、ガラス繊維、ポリマー繊維(ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維など)、パルプ繊維などを用いることができる。ポリマー繊維の中では、ポリオレフィン繊維が好ましい。多孔質層は、繊維以外の成分、例えば、耐酸性の無機粉体、結着剤としてのポリマーなどを含んでもよい。無機粉体としては、シリカ粉末、ガラス粉末、珪藻土などを用いることができる。
多孔質層を構成する繊維の平均繊維径は、例えば0.1μm以上25μm以下である。多孔質層に含まれる無機粉体の平均粒子径は、例えば1nm以上100nm以下である。これらの平均値は、多孔質層の拡大写真において、任意に選択される10本以上の繊維または10個以上の粒子から求めることができる。粒子の粒子径は、拡大写真で確認できる粒子の投影面積と同面積の相当円の直径である。
多孔質層は、負極板と正極板との間に配置すればよい。負極板と正極板との間には、セパレータも配置されるため、多孔質層は、負極板と正極板との間において、例えば、負極板とセパレータとの間、および/またはセパレータと正極板との間にしてもよい。多孔質層は、対向する電極板の主面の全体を覆うように配置してもよく、対向する電極板の主面の一部の領域を覆うように配置してもよい。鉛蓄電池においては、電極板の鉛直方向における上側は、優先的に充放電反応に関与して劣化し易くなるため、電極板の上側の主面を少なくとも覆うように多孔質層を配置することが好ましい。電極板の劣化は、負極板よりも正極板で顕著であるため、少なくとも、正極板の鉛直方向における上側の主面に対向するように多孔質層を配することが好ましく、正極板の鉛直方向における上側の主面に対向するように多孔質層を配することがより好ましい。
多孔質層の厚さは、鉛蓄電池のサイズ、正極板と負極板の厚さなどに応じて、適宜選択すればよいが、例えば0.1mm以上2mm以下の範囲から選択すればよい。
(電解液)
電解液は、硫酸を含む水溶液であり、必要に応じてゲル化させてもよい。化成後で満充電状態の鉛蓄電池における電解液の20℃における比重は、例えば1.10g/cm3以上1.35g/cm3以下であり、1.20g/cm3以上1.35g/cm3以下であることが好ましい。
図1に、本発明の実施形態に係る鉛蓄電池の一例の外観を示す。
鉛蓄電池1は、極板群11と電解液(図示せず)とを収容する電槽12を具備する。電槽12内は、隔壁13により、複数のセル室14に仕切られている。各セル室14には、極板群11が1つずつ収納されている。電槽12の開口部は、負極端子16および正極端子17を具備する蓋15で閉じられる。蓋15には、セル室毎に液口栓18が設けられている。補水の際には、液口栓18を外して補水液が補給される。液口栓18は、セル室14内で発生したガスを電池外に排出する機能を有してもよい。
極板群11は、それぞれ複数枚の負極板2および正極板3を、セパレータ4s、正極側多孔質層4cを介して積層することにより構成されている。正極側多孔質層4cは、正極板3の両方の主面に貼り付けてある。ここでは、負極板2を収容する袋状のセパレータ4sを示すが、セパレータの形態は特に限定されない。電槽12の一方の端部に位置するセル室14では、複数の負極板2を並列接続する負極棚部6が貫通接続体8に接続され、複数の正極板3を並列接続する正極棚部5が正極柱7に接続されている。正極柱7は蓋15の外部の正極端子17に接続されている。電槽12の他方の端部に位置するセル室14では、負極棚部6に負極柱9が接続され、正極棚部5に貫通接続体8が接続される。負極柱9は蓋15の外部の負極端子16と接続されている。各々の貫通接続体8は、隔壁13に設けられた貫通孔を通過して、隣接するセル室14の極板群11同士を直列に接続している。
本発明の一側面に係る鉛蓄電池を以下にまとめて記載する。
(1)本発明の一側面は、鉛蓄電池であって、
前記鉛蓄電池は、負極板、正極板、前記負極板と前記正極板との間に配されたセパレータ、および電解液を備え、
前記負極板は、炭素材料を含有する負極電極材料を含み、
前記正極板は、正極電極材料を含み、
前記炭素材料は、32μm以上の粒子径を有する第1炭素材料と、32μm未満の粒子径を有する第2炭素材料と、を含み、
前記正極電極材料は、Sbを含み、
前記負極板および前記正極板の間に、繊維集合体で構成された多孔質層が配されている、鉛蓄電池である。
(2)上記(1)において、前記第1炭素材料の粉体抵抗R1に対する、前記第2炭素材料の粉体抵抗R2の比:R2/R1は、155以下であることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)において、前記比:R2/R1は、40以上であることが好ましい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、前記第1炭素材料の比表面積S1に対する、前記第2炭素材料の比表面積S2の比:S2/S1は、20以上240以下であることが好ましい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、前記多孔質層は、少なくとも、前記正極板の鉛直方向における上側の主面に対向するように配されていることが好ましい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つにおいて、前記第1炭素材料の平均アスペクト比は、1.5以上15以下であることが好ましい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つにおいて、前記負極電極材料中の前記第1炭素材料の含有量と前記第2炭素材料の含有量との合計は、0.1質量%以上3.5質量%以下であることが好ましい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1つにおいて、前記負極電極材料中の前記第1炭素材料の含有量は、0.05質量%以上3.0質量%以下であり、前記第2炭素材料の含有量は、0.03質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つにおいて、前記正極電極材料中のSbの含有量は、例えば、0.01質量%以上0.6質量%以下であることが好ましい。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1つにおいて、前記第1炭素材料は、少なくとも黒鉛を含み、前記第2炭素材料は、少なくともカーボンブラックを含むことが好ましい。
[実施例]
以下に、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《鉛蓄電池A1》
(1)負極板の作製
鉛粉、水、希硫酸、炭素材料、有機防縮剤を混合して、負極ペーストを得る。負極ペーストを、負極集電体としてのPb−Ca−Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、未化成の負極板を得る。
炭素材料としては、カーボンブラック(平均粒子径D50:40nm)および黒鉛(平均粒子径D50:110μm)を用いる。有機防縮剤としては、リグニンスルホン酸ナトリウムを、負極電極材料100質量%に含まれる含有量が0.05質量%となるように、添加量を調整して、負極ペーストに配合する。
(2)正極板の作製
鉛粉と、三酸化アンチモンと、水と、硫酸とを混練させて、正極ペーストを作製する。このとき、正極板において、既述の手順で分析した正極電極材料中のSbの含有量が0.09質量%となるように、三酸化アンチモンの添加量を調節する。正極ペーストを、Pb−Ca−Sn系合金製のエキスパンド格子の網目部に充填し、熟成、乾燥し、未化成の正極板を得る。
(3)多孔質層の形成
ガラス繊維(平均繊維径10μm)の不織シート(厚さ0.15mm)を、正極板の両方の主面に貼り付けることにより多孔質層を形成する。多孔質層は、正極電極材料が充填されている部分の上側(具体的には、正極電極材料が充填されている部分の上端から正極板の高さの1/2の高さおよびそれより上側の主面)を覆うように形成する。
(4)鉛蓄電池の作製
未化成の負極板を、ポリエチレン製の微多孔膜で形成された袋状セパレータに収容し、セル当たり未化成の負極板5枚と未化成の正極板4枚とで極板群を形成する。
極板群をポリプロピレン製の電槽に挿入し、電解液を注液して、電槽内で化成を施して、公称電圧12Vおよび公称容量が30Ah(5時間率)の液式の鉛蓄電池A1を組み立てる。
本鉛蓄電池では、負極電極材料中に含まれる第1炭素材料の含有量は1.5質量%とし、第2炭素材料の含有量は0.3質量%とする。また、R2/R1比は、154とする。第1炭素材料の平均アスペクト比は7.3とする。ただし、これらの値は、作製された鉛蓄電池の負極板を取り出し、既述の手順で、負極電極材料に含まれる炭素材料を第1炭素材料と第2炭素材料とに分離したときに、負極電極材料(100質量%)中に含まれる各炭素材料の含有量として求められる値である。各炭素材料の粉体抵抗R1およびR2、R2/R1比、および第1炭素材料の平均アスペクト比も既述の手順で作製後の鉛蓄電池から求められる。
《鉛蓄電池A2》
正極板の両方の主面において、正極電極材料が充填されている部分全体を覆うように不織シートを貼り付けることで、多孔質層を形成する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして鉛蓄電池A2を組み立てる。
《鉛蓄電池A3》
正極板の両方の主面には、多孔質層を形成せずに、負極板の両方の主面において、負極電極材料が充填されている部分全体を覆うように不織シートを貼り付けることで、多孔質層を形成する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして鉛蓄電池A3を組み立てる。
《鉛蓄電池B1》
炭素材料として、カーボンブラック(平均粒子径D50:40nm)のみを用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。三酸化アンチモンを添加しない以外は、鉛蓄電池A1の場合と同様にして正極板を作製する。正極板における正極電極材料中のSbの含有量は0質量%である。得られる負極板および正極板を用いるとともに、負極板および正極板のいずれにも多孔質層を形成しないこと以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B1を組み立てる。
《鉛蓄電池B2》
炭素材料として、カーボンブラック(平均粒子径D50:40nm)のみを用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いるとともに、多孔質層を形成しないこと以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B2を組み立てる。
《鉛蓄電池B3》
炭素材料として、カーボンブラック(平均粒子径D50:40nm)のみを用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。三酸化アンチモンを添加しない以外は、鉛蓄電池A1の場合と同様にして正極板を作製する。正極板における正極電極材料中のSbの含有量は0質量%である。得られる負極板および正極板を用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B3を組み立てる。
《鉛蓄電池B4》
炭素材料として、カーボンブラック(平均粒子径D50:40nm)のみを用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B4を組み立てる。
《鉛蓄電池B5》
三酸化アンチモンを添加しない以外は、鉛蓄電池A1の場合と同様にして正極板を作製する。正極板における正極電極材料中のSbの含有量は0質量%である。得られる正極板を用いるとともに、多孔質層を形成しないこと以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B5を組み立てる。
《鉛蓄電池B6》
多孔質層を形成しないこと以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B6を組み立てる。
《鉛蓄電池B7》
三酸化アンチモンを添加しない以外は、鉛蓄電池A1の場合と同様にして正極板を作製する。正極板における正極電極材料中のSbの含有量は0質量%である。得られる正極板を用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池B7を組み立てる。
[評価1:PSOC寿命性能]
SBA S 0101:2014に準拠して、アイドリングストップ条件で、鉛蓄電池の充放電を行う。具体的には、25℃において、下記の(a)〜(c)を1サイクルとして、放電末電圧が7.2V以下になるまで繰り返し、このときのサイクル数を求める。鉛蓄電池B1におけるサイクル数を1としたときの比率でPSOC寿命性能を評価する。なお、充放電時には、3600サイクル毎に40時間〜48時間休止する。
(a)放電1:45Aの電流値で59秒放電する。
(b)放電2:300Aの電流値で1秒間放電する。
(c)充電:制限電流100Aおよび14.0Vの電圧で60秒間充電する。
[評価2:過充電時の減液量]
JIS D 5301:2006に準拠して、減液量試験を行なう。具体的には、40℃にて、14.4Vの定電圧で500時間、鉛蓄電池を充電する。充電後の鉛蓄電池の質量を測定し、充電前の質量から差し引くことで、過充電時の電解液の減液量が求められる。鉛蓄電池B1における減液量を1としたときの比率(減液量比)で減液を評価する。
鉛蓄電池A1〜A3およびB1〜B7の結果を表1に示す。
Figure 0006954353
表1に示されるように、第1炭素材料および第2炭素材料の使用、Sbの添加、および多孔質層の配置のうち、1つまたは2つ以上を欠く鉛蓄電池B1〜B7では、PSOC寿命性能の向上効果が不十分である。多孔質層を配置しない鉛蓄電池B1、B2、B5、B6では、電解液の減液量の低減効果が不十分である。
それに対し、鉛蓄電池A1〜A3では、鉛蓄電池B1〜B7に比べてPSOC寿命性能が大幅に向上している。特に、第2炭素材料のみを炭素材料として用いる鉛蓄電池B2〜B4に比べて、第1炭素材料および第2炭素材料を用いる鉛蓄電池A1では、Sbの正極板への添加や多孔質層の配置による効果が顕著になっている。これは、第1炭素材料および第2炭素材料を用いることで、負極板の全領域で、導電ネットワークがより均一になり、負極板の充電受入性のばらつきが低減するため、正極板における充電反応もより均一になり、正極板の劣化のばらつきが抑制される。そのため、Sbや多孔質層の効果がより発揮され易くなるものと推測される。また、鉛蓄電池A1〜A3では、減液量も低く抑えられている。これは、鉛蓄電池内で発生した酸素ガスおよび水素ガスが、多孔質層により捕捉され、水に変換する反応が起こり易くなるためと考えられる。
なおPSOC寿命性能の向上効果および減液量の低減効果は、正極板の主面の全体を覆うように多孔質層を配置するよりは、正極板の主面の上部を覆うように多孔質層を配置した方が高い。これは、充放電反応により酷使され易い正極板の主面の上側を覆うことで、正極板全体がより均一に充放電反応に利用されることになり、硫酸鉛の還元反応が進行し易くなるとともに、副反応の進行が抑制されることによるものと考えられる。
《鉛蓄電池A4〜A8》
使用する各炭素材料の比表面積および第1炭素材料の平均アスペクト比、必要に応じてさらに各炭素材料の平均粒子径D50を調整することにより、粉体抵抗比R2/R1を表2に示すように変更する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池A4〜A8を組み立てる。
《鉛蓄電池B8〜B12》
使用する各炭素材料の比表面積および第1炭素材料の平均アスペクト比、必要に応じてさらに各炭素材料の平均粒子径D50を調整することにより、粉体抵抗比R2/R1を表2に示すように変更する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いること以外は、鉛蓄電池B5と同様にして、鉛蓄電池B8〜B12を組み立てる。
《鉛蓄電池B13〜B17》
使用する各炭素材料の比表面積および第1炭素材料の平均アスペクト比、必要に応じてさらに各炭素材料の平均粒子径D50を調整することにより、粉体抵抗比R2/R1を表2に示すように変更する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いること以外は、鉛蓄電池B6と同様にして、鉛蓄電池B13〜B17を組み立てる。
鉛蓄電池A4〜A8、およびB8〜B17について、鉛蓄電池A1と同様に評価1および評価2について評価する。この評価結果を表2および図2に示す。表2および図2には、鉛蓄電池B5、B6、およびA1の結果も合わせて示す。さらに表2には、鉛蓄電池B1の結果も合わせて示す。
Figure 0006954353
表2および図2に示されるように、Sbを正極板に添加し、多孔質層を配置する場合には、粉体抵抗比R2/R1が170以下である第1炭素材料および第2炭素材料を用いることで、格段に高いPSOC寿命性能が得られる(A1、A4〜A8)。それに対し、粉体抵抗比R2/R1が170以下であっても、Sbの正極板への添加および/または多孔質層の配置がない場合には、減液量の低減効果も低く、PSOC寿命性能の向上効果も低い(B5、B6、B8〜B17)。これは、次のような理由によるものと考えられる。
つまり、粉体抵抗比R2/R1を170以下に制御することで、負極電極材料中に導電ネットワークがより広がった状態で形成され易くなる。粉体抵抗比R2/R1が170以下の第1炭素材料および第2炭素材料は、炭素材料全体として電解液との反応性が低いため、電解液との副反応が抑制されて、充電効率が高まる。これらにより、PSOC寿命性能が向上すると考えられる。また、炭素材料と電解液との副反応が抑制されることで、ガス発生自体も抑制され、これにより電解液の減液量をさらに低減し易くなると考えられる。
より高いPSOC寿命性能の向上効果が得られる観点からは、粉体抵抗比R2/R1は、40以上155以下であることが好ましい。この場合、従来の鉛蓄電池B1に比べて、約3倍またはそれ以上のPSOC寿命性能が得られる。
《鉛蓄電池A9〜A12》
使用する各炭素材料の比表面積を調整することにより、既述の手順で求められる比表面積比S2/S1が表3に示す値となるように調整する。これ以外は、鉛蓄電池A1と同様にして負極板を作製する。得られる負極板を用いること以外は、鉛蓄電池A1と同様にして、鉛蓄電池A9〜A12を組み立てる。なお、第1炭素材料および第2炭素材料の比表面積比S2/S1比は既述の手順で求められる。
[評価3:低温ハイレート(HR)性能および放電時間比]
JIS D 5301:2006に準拠して、−15℃における高率放電試験を行なう。高率放電試験では、具体的には、鉛蓄電池を、−15℃±1℃の温度の冷却室に、少なくとも16時間静置する。次いで、JIS D5301:2006に規定される放電電流(150A)にて、−15℃で端子電圧が単セル当たり6.0Vに到達するまで放電し、このときの放電時間(秒)を求める。この放電時間、および鉛蓄電池B4の放電時間を1としたときの比率(放電時間比)で、低温ハイレート性能を評価する。
鉛蓄電池A9〜A12、A1およびB4の評価結果を表3に示す。鉛蓄電池A1およびB4についても、第1炭素材料および第2炭素材料の比表面積比S2/S1比を既述の手順で求められる。
Figure 0006954353
表3に示されるように、鉛蓄電池A1、A9〜A12でも、鉛蓄電池B4に匹敵する放電時間および放電時間比が得られており、低温ハイレート性能の低下が抑制されていることが分かる。より低温ハイレート性能を確保する観点からは、第2炭素材料と第1炭素材料との比表面積比S2/S1が20以上240以下であることが好ましい。これは、S2/S1比がこのような範囲である場合、充電受入性が負極板の全領域でより均一になることで、硫酸鉛の還元反応が進行しやすくなり、副反応の進行が抑制されるとともに、各炭素材料の比表面積が適度な範囲であることで、有機防縮剤の吸着が抑制され、有機防縮剤の防縮効果が充分に発揮されることによるものと考えられる。
本発明の一側面に係る鉛蓄電池は、制御弁式および液式の鉛蓄電池に適用可能であり、自動車もしくはバイクなどの始動用の電源や、自然エネルギーの貯蔵、電動車両(フォークリフトなど)などの産業用蓄電装置などの電源として好適に利用できる。
1:鉛蓄電池
2:負極板
3:正極板
4s:セパレータ
4c:正極側多孔質層
5:正極棚部
6:負極棚部
7:正極柱
8:貫通接続体
9:負極柱
11:極板群
12:電槽
13:隔壁
14:セル室
15:蓋
16:負極端子
17:正極端子
18:液口栓

Claims (13)

  1. 鉛蓄電池であって、
    前記鉛蓄電池は、負極板、正極板、前記負極板と前記正極板との間に配されたセパレータ、および電解液を備え、
    前記負極板は、炭素材料を含有する負極電極材料を含み、
    前記正極板は、正極電極材料を含み、
    前記炭素材料は、32μm以上の粒子径を有する第1炭素材料と、32μm未満の粒子径を有する第2炭素材料と、を含み、
    前記正極電極材料は、Sbを含み、
    前記負極板および前記正極板の間に、繊維集合体で構成された多孔質層が配されている、鉛蓄電池。
  2. 前記第1炭素材料の粉体抵抗R1に対する、前記第2炭素材料の粉体抵抗R2の比:R2/R1は、155以下である、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記比:R2/R1は、40以上である、請求項2に記載の鉛蓄電池。
  4. 前記第1炭素材料の比表面積S1に対する、前記第2炭素材料の比表面積S2の比:S2/S1は、20以上240以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  5. 前記多孔質層は、少なくとも、前記正極板の鉛直方向における上側の主面に対向するように配されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  6. 前記第1炭素材料の平均アスペクト比は、1.5以上15以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  7. 前記負極電極材料中の前記第1炭素材料の含有量と前記第2炭素材料の含有量との合計は、0.1質量%以上3.5質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  8. 前記負極電極材料中の前記第1炭素材料の含有量は、0.05質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  9. 前記負極電極材料中の前記第1炭素材料の含有量は、3.0質量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  10. 前記負極電極材料中の前記第2炭素材料の含有量は、0.03質量%以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  11. 前記負極電極材料中の前記第2炭素材料の含有量は、1.0質量%以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  12. 前記第1炭素材料は、少なくとも黒鉛を含み、前記第2炭素材料は、少なくともカーボンブラックを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。
  13. 前記正極電極材料中のSbの含有量は、0.01質量%以上0.6質量%以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の鉛蓄電池。


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