JP6952907B2 - 電子源及び電子銃 - Google Patents

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本公開は、電子源の技術分野に関し、より具体的には、電界放出型電子源及び電子銃に関する。
金属中の自由電子は、特定の条件下で放出することができ、金属で陰極を構成して極めて細い針先状に作製し、真空中で数千ボルトの電圧を印加すれば、金属中の電子を冷陰極金属から放出することができ、このような電子放出方法が電界放出と称され、冷陰極放出に属する。
電子源は、最も重要な指標が輝度であり、そのビームの品質を直接決定している。引出電圧Vで、輝度を式(1)で表すことができる。
Figure 0006952907
式中、Bは輝度、Iは放出電流、Sは等価放出面積、dは等価直径、Ωは立体放出角、αは放出半値角である。また、式(2)で示されるように、輝度Bは加速電圧Vに正比例する。
Figure 0006952907
式(1)から明らかなように、高輝度を得るために、なるべくIを向上させ、α及びdを小さくする必要がある。また、一定の放出電流を得るのに必要な引出電圧Vが低ければ低いほど良く、これは、針先の放出面に低い仕事関数及び鋭いヘッド部構造を有することが必要とされる。さらに、電子源のもう1つの肝心な指標は単色性であり、エネルギー幅(energy spread)δEで表すことができる。
以上のことを合わせて考慮すると、最も理想的な電子源が冷陰極電界放出型電子源(cold field emission electron sources、CFEと略称)であり、CFEの輝度がその他の種類の電子源より約1桁以上高く、かつエネルギー幅(〜0.3eV)が非常に小さい。また、極限直径を最大限に追求するために、近年、低仕事関数を有する原子レベルの電子源、すなわち、放出点が1個又は複数個の原子のみからなる電子源についての研究が盛んになっている。
本公開の構想を実現する過程において、発明者は、従来技術においてCFEには少なくとも以下の問題が存在することを見出した。第一、CFEの安定性が非常に悪い場合がよくあり、極めて高真空度下(10−9〜10−8Pa)でしか動作できず、その使用範囲がひどく制限されている。しかしながら、この環境下であっても、安定的な動作状態を得るためには定期的に処理を行う必要がある。第二、イオン衝撃からの影響を受け、CFEが焼損しやすい。第三、前述した問題は、大きい放出電流下でさらに深刻となり、従来のCFEは、一般的に、長時間で安定的に動作できる総放出電流が〜10マイクロアンペアであり、かつ利用率が非常に低い。前述した欠点に鑑み、高輝度電子源分野において支配的なのはショットキー電界放出型電子源(Schottky thermal‐field emission source)である。
これに鑑みて、本公開は、安定的で、大きい電界放出電流を有し、悪い真空度下で動作可能な電子源及び電子銃を提供する。
本公開の1つの態様は、1つ又は2つ以上の針先を含み、少なくとも1つの針先は1つ又は2つ以上の固定された放出点を含み、前記放出点は針先の表面の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物を含む、電子源を提供する。当該放出点は、針先の表面に遊離するガス分子又は遊離粒子状物質等ではなく、針先の表面に固定された金属原子とガス分子とで形成された反応生成物であり、針先の表面に根を下ろしているため、遊離状の放出点が集中して新しい放出点を形成することに起因して過電流焼損を引き起こすことはなく、安定性を効果的に向上させ、また、当該放出点は、針先の表面の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物を含み、金属原子又はその他の金属化合物(例えば、金属ホウ化物等)に対して、動作環境において(ガス分子が存在する)より良い安定性を有し、例えば、動作環境における例えば水素ガス等とより作用又は反応しにくくなり、電子源の安定性をさらに向上させた。さらに、本公開が提供する電子源の放出点は1個又は2個以上の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物であってもよく、すなわち、低仕事関数を有する原子レベルの電子源を形成することができる。また、該反応生成物により、表面仕事関数が明らかに低下し、表面の放出点テーパの形成により、放出能も明らかに向上する。さらに、放出点の数を増加させることで電界放出電流の電流値を高めることができる。このようにして、安定的で大きい電界放出電流を有する電子源の形成が可能となる。
本公開の実施形態によれば、前記放出点は、金属原子とガス分子とが電界下で形成された反応生成物を含む。このようにして、針先の所定位置、特に、電界優位性を有する位置(例えば針先の突起)に放出点を形成しやすくなる。
本公開の実施形態によれば、1つの具体的な実施形態において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造と、を含み、少なくとも1つの前記高電界強度構造の外面に金属原子を含み、該高電界強度構造の表面の金属原子は、電界強度優位性により同一環境においてガス分子とより反応生成物を形成しやすくなり、優先的に高電界強度構造で放出点を生成する。もう1つの具体的な実施形態において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも反応活性が高い1つ又は2つ以上の活性領域と、を含み、少なくとも1つの前記活性領域の外面に金属原子を含み、該活性領域の表面の金属原子は活性優位性により同一環境においてガス分子とより反応生成物を形成しやすくなり、優先的に活性領域で放出点を生成する。もう1つの具体的な実施形態において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造と、を含み、前記高電界強度構造の少なくとも一部の表面は反応活性の高い活性領域であり、ただし、前記活性領域の外面に金属原子を含み、該活性領域の表面の金属原子は電界強度優位性及び活性優位性により同一環境においてガス分子とより反応生成物を形成しやすくなり、優先的に活性領域で放出点を生成する。
本公開の実施形態によれば、前記電界は、正のバイアス、負のバイアス又は正のバイアスと負のバイアスとの組み合わせを前記針先に印加することによって生成される電界であり、ただし、正のバイアスを印加する場合、電界の電界強度が1〜50V/nmであり、負のバイアスを印加する場合、電界の電界強度が1〜30V/nmである。このようにして、針先の表面の原子が蒸発されるのを避けることができるし、放出点の形成過程において過電流による針先の焼損を避けることもできる。
本公開の実施形態によれば、前記高電界強度構造は突起を含む。
本公開の実施形態によれば、前記突起のサイズはサブナノから100ナノオーダーである。
本公開の実施形態によれば、前記突起は、熱処理、電界印加、熱電界処理、エッチング又はナノ加工のいずれか1種又は2種以上の方法、あるいは、例えば単結晶金属針先に1層の金属原子をめっきし、熱処理によって再構築して突起を形成する方法によって形成することができる。
本公開の実施形態によれば、突起を含む針先は、真空条件下でガス分子との反応において、前記突起の少なくとも一部の表面の金属原子が前記基板のその他の表面の部分と同じ反応活性、又はそれよりも高い反応活性を有し、すなわち、突起の表面の少なくとも一部の領域(例えば、指定領域)に、その他の領域に対して反応活性の高い金属原子を有する。突起を含まない針先は、真空条件下でガス分子との反応において、前記基板の活性領域の表面の金属原子が前記基板のその他の表面部分よりも高い反応活性を有する。
本公開の実施形態によれば、前記基板の材料は導電材であるか、あるいは、前記高電界強度構造の材料は導電材であるか、あるいは、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面は金属原子であるか、あるいは、前記高電界強度構造の材料は基板の材料と同じ又は異なるか、あるいは、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は高電界強度構造の材料と同じ又は異なり、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっき等の方法により形成されるか、あるいは、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は基板の材料と同じ又は異なり、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっき等の方法によって形成される。
本公開の実施形態によれば、前記ガス分子は、導入されたガス分子及び/又は真空環境中に残存したガス分子であり、ただし、前記ガス分子は、水素含有ガス分子と、窒素含有ガス分子、炭素含有ガス分子又は酸素含有ガス分子のうちのいずれか1種又は2種以上のガス分子と、を含む。
本公開の実施形態によれば、前記水素含有ガス分子は水素ガスを含む。
本公開の実施形態によれば、前記放出点の消失温度が前記基板、前記高電界強度構造及び前記金属原子の消失温度の最小値よりも低く、かつ前記放出点の消失温度が前記電子源の動作温度よりも高いか、あるいは、前記放出点の消失温度が前記基板、前記高電界強度構造及び前記金属原子の消失温度の最小値よりも低く、かつ、前記放出点の消失温度が前記電子源の動作温度及び任意の針先に吸着されたガス分子の脱着温度の最大値よりも高く、このようにして、加熱処理による脱着、回復等が容易となり、動作寿命が延長される。
本公開の実施形態によれば、前記基板の材料は融点1000K超の導電材であり、かつ/または、前記高電界強度構造の材料は融点1000K超の導電材であり、かつ/または、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は融点1000K超の金属材料であり、前記金属原子とガス分子との反応生成物は、真空条件下で融点1000K超の金属原子とガス分子との反応生成物を含む。針先として、融点1000K超の導電材を用いることが好ましく、安定性がより良く、かつ、前述した熱処理等の方法によって針先を洗浄することが容易となる。
本公開の実施形態によれば、前記金属材料は、タングステン、イリジウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、ハフニウム、クロム、バナジウム、ジルコニウム、チタン、レニウム、パラジウム、白金、ロジウム、オスミウム、白金、ルテニウム、金又は金属六ホウ化物等、融点1000K超の金属材料のうちのいずれか1種又は2種以上を含む。
本公開の実施形態によれば、前記金属材料はタングステンであり、前記放出点は水素タングステン化合物である。
本公開の実施形態によれば、前記針先の基板及び/又は高電界強度構造のサイズ及び形状を調節することによって電子ビームのビーム角の大きさを調節するか、あるいは、高電界強度構造のサイズを調節することによって放出点の数を調節するか、あるいは、基板の構造及び/又は高電界強度構造の構造を調節することによって電子源放出電流の電圧の大きさ又は一致性を調節するか、あるいは、針先頂部の形状を調節することによって放出電流の方向を調節する。ここで、引出電圧が−0.5KV未満であってもよく、例えば、引出電圧が−0.4KVである。
本公開の実施形態によれば、高電界強度構造又は反応活性の高い領域は前記基板の表面の中心位置に位置するか、あるいは、高電界強度構造は、サイズが所定閾値よりも大きい基板上に位置するか、あるいは、前記金属原子は前記高電界強度構造の頂端又は前記基板の表面の中心位置に位置する。
本公開の実施形態によれば、前記針先の動作条件は、針先温度≦1000Kの場合、動作圧力≦10−3Paとなるか、あるいは、500K≦針先温度≦800Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなるか、あるいは、針先温度≦150Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなる。放出点形成温度及び動作温度が低いため、電子源構造が変わらず、動作時に電子源構造が変わらず、印加電圧値が変らない。
本公開の実施形態によれば、前記放出点のサイズがナノオーダー又はサブナノオーダーであり、すなわち、放出点のサイズ≦突起のサイズであってもよく、動作電圧を調節することにより、針先の放出点から放出される電流の値が10mAオーダーに達することができる。
本公開の実施形態によれば、前記電子源は、冷陰極電界放出の特徴を有し、引出電圧を調節することによって放出電流の大きさを調節する。
本公開のもう1つの態様は、上述した電子を放出するための電子源と、前記電子源の放熱を行うための冷却装置と、水素含有ガスを導入するためのガス導入装置と、前記電子源を加熱して温度を調節するための加熱装置と、を含み、前記電子源が電気絶縁性熱伝導体によって前記冷却装置に固定されている電子銃を提供する。放出点形成温度及び動作温度が低いため、動作時に電子源構造が変わらず、印加電圧値が変わらず、電圧値が安定的であり、電子銃のデザインがよりコンパクトとなる。
本公開の実施形態によれば、前記電子源は、さらに、少なくとも1つの針先に1つ又は2つ以上の固定された放出点を形成した後、電界を印加することによってガス分子を放出点に吸着させ、放出点の放出能の低下ひいてはほぼ消失を引き起こし、少なくとも1つの放出点を除去するような操作によって、少なくとも1つの放出点を除去することができる。
下記の図面を参照しながら本公開の実施形態を説明し、本公開の上記目的及びその他の目的、特徴及び利点をより明らかにする。
従来技術におけるタングステン(310)単結晶針先の電子源の代表的な電界放出行為を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る電子源の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る電子源の製造及び使用環境を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る電子源の製造過程の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る基板上の高電界強度構造の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る高電界強度構造の表面の金属原子の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る基板上の活性領域の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る高電界強度構造上の活性領域の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る放出点を有する放出面積の概略図を模式的に示す。 本公開の実施形態に係る放出点の形成過程の概略図を模式的に示す。 本公開のもう1つの実施形態に係る放出点の形成過程の概略図を模式的に示す。
以下、図面を参照しながら本公開の実施形態を説明する。しかしながら、これらの説明は例示的なものに過ぎず、本公開の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の詳細な説明では、説明の便宜上、本公開の実施形態を全般的に理解されるように多数の具体的な詳細を説明している。しかしながら、1つまたは2つ以上の実施形態がこれらの具体的な詳細がなくても実施可能であることは明らかである。さらに、本公開の概念を不必要にあいまいにすることを避けるために、以下の説明では、周知の構造および技術の説明は省略する。
本明細書で使用される用語は、本公開を制限することを意図するものではなく、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎない。ここで用いる用語「有する」、「含む」等は、全ての特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を説明するが、1つまたは2つ以上のその他の特徴、ステップ、操作又は部品を添加することが排除されない。
本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、他に定義されない限り、当業者によって一般的に理解される意味を有する。本明細書で使用される用語は、本明細書の文脈と矛盾しない意味を有すると解釈されるべきであり、理想的なまたはあまりにも厳格な方法で解釈されるべきではないことに留意されたい。
「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」と同様の表現が使用される場合、一般的には、当業者によって一般に理解される表現の意味に従って解釈されるべきである(例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つを有する構造」は、単独でAを有し、単独でBを有し、単独でCを有し、AおよびBを有し、AおよびCを有し、BおよびCを有し、および/またはA、B、Cを有する構造などを含むが、これらに限定されない。)。「A、BまたはCなどのうちの少なくとも1つ」と同様の表現が使用される場合、一般的に、当業者によって一般に理解される表現の意味に従って解釈されるべきである(例えば、「A、BまたはCのうちの少なくとも1つを有する構造」は、単独でAを有し、単独でBを有し、単独でCを有し、AおよびBを有し、AおよびCを有し、BおよびCを有し、および/またはA、B、Cを有する構造などを含むが、これらに限定されない。)。当業者は、また、明細書、特許請求の範囲、または図面において、実質的に2つ以上の任意の項目を任意に表す転換接続詞および/または句は、これらの項目の1つ、これらの項目のいずれか1つ、あるいは両方の項目を含む可能性があると解釈されるべきであることを理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるべきである。
以下、まず、本公開の技術的態様をより良く理解されるように従来技術における電界放出行為を説明する。
図1は、従来技術におけるタングステン(310)単結晶針先の電子源の代表的な電界放出行為を模式的に示す。
図1に示すように、従来の電子源、例えば、タングステン(310)単結晶針先の電子源は、使用過程において3つの段階を経過し、まず、清潔な電子源であり、ガスの吸着に伴い、安定期(Stability)となるが、ガスの更なる吸着に伴い、電流ノイズが徐々に現れ、不安定期(Instability)となり、電子源の安定性が悪くなり、改めて安定状態に戻るためには、フラッシュ(Flash)処理(短時間で約2000℃まで加熱する)を行う必要がある。早急に処理しないと、表面に汚染物が徐々に現れ、放出電流が急激に変動し、最後に焼損を招いてしまう。
上記の焼損について、発明者がさらに研究したところ、それがイオン衝撃に緊密に関連することがわかった。これは、電子は放出された後に周囲空間のガス分子を電離し、さらに針先へ衝撃するからである。もう1つの可能性は、針先の表面が衝撃されて複数個の突起を形成し、複数の突起がそれぞれ放出点となり、最後に過電流を招き、焼損してしまうことにある。さらにもう1つのメカニズムがあり、つまり、針先の表面に吸着されたガス分子又はそれと他の物質との結合物質が、電界作用により絶え間なく移動し、最後に表面の1つの欠陥点(例えばイオン衝撃により発生した点)に1つのナノオーダーの突起を放出点として集め、放出点の迅速な成長により過電流を招き、最後に針先の焼損を招くことである。
さらに、前述した問題は、大きい放出電流下でより厳しくなる。一般的に、長時間で安定的に動作可能な総放出電流が〜10マイクロアンペアであり、かつ、利用率が非常に低い。前述した欠点に鑑み、高輝度電子源分野において支配的なのはショットキー電界放出型電子源(Schottky thermal‐field emission source)である。
本質的に言えば、CFEに対して、いかなる材料でもガス吸着及びイオン衝撃による影響を避けることができない。しかし、大電流下(>10マイクロアンペア)で動作すれば、電子激励脱気(特に電子が引出電極を衝撃する時に発生する)は真空度をさらに劣化させることで、針先の放出安定性が非常に悪くなり、変動の幅が極めて大きく、ますます長期間安定的に動作できなくなる。したがって、如何に安定的で大きい電界放出電流を提供するかということは、ずっと冷陰極電界放出型電子源の発展過程において最も主要なチャレンジである。
上述したガス吸着及びイオン衝撃による影響を避けるために、現在の電界放出型電子源(一般的には金属針先のものを指す)は、超高真空中でしか動作(<10−8Pa)できず、CFEの適用範囲が厳しく制限され、発明者は、これに対してさらに鋭意に研究したところ、真空中に残存したガス成分がH、CO、COを含み、主成分がHであり、Hの吸着により、清潔表面の放出能が徐々に悪くなる特徴を見出した。該真空範囲において、Hによる影響は針先の電界放出性能を根本的に決定していると言える。したがって、どのようにしてHによる影響に対応するかということは、高安定性の針先を実現する鍵となった。従来技術には、ガス吸着の問題を緩和する技術的態様も幾つか存在し、例えばキャビティの真空度を1×10−9Paオーダーまでさらに向上させることであり、Keigo Kasuyaらは、W(310)面をずっと清潔な放出状態にあるようにし、その使用時間を延長して高放出能を得る技術(mild flashings at 700℃)を発明した。該特許の技術的態様は、現在、Hitachiの電子顕微鏡製品中に広く使用されている。
また、針先の表面の幾つかの遊離粒子状物質(atomic clusters)を放出点として直接利用する技術的態様も幾つか存在し、これも解決方式の1種の試みである。これらの遊離物質は、悪い真空度下で長時間放置して形成された汚染物であってもよく、電界作用によりこれらの遊離物質が針先のどこかに移動することができる。このような放出点は放出角が非常に小さく(〜5°)、引出電圧が極めて低く、輝度が従来のW(310)の10倍以上に達することができる。大きい放出電流(一般的には、〜10nAを安定的に提供することができる)を形成できないにもかかわらず、極めて良い安定性(<1×10−7Pa)を示している。1つの可能性は、極めて小さいビーム角及び放出面積がイオン衝撃による影響を効果的に低下させることができると推定される。しかしながら、前述したように、このような遊離物質が固定されておらず、発明者は、電流が大きい場合(>1μA)、このような電子源が焼損しやすく、かつ、動作過程において、さらにこのような物質が絶え間なく現れ、その放出状態を徐々に変え、長時間維持することが非常に困難であることを見出した。もう1つの問題は、大気に暴露した場合、このような物質はサイズがガス分子に近いため、極めてガスに干渉されやすいことである。
上記の種々の分析、推理及び実験に基づき、発明者は、長時間で安定的な動作を可能にするために、大きい電界放出電流を提供することができ、悪い真空環境下で動作可能であり、かつ、大気に暴露した場合でもガスに干渉されにくい本公開に係る電子源を提供する。
本公開の実施形態は電子源を提供する。該電子源は、1つ又は2つ以上の針先を含み、少なくとも1つの針先は1つ又は2つ以上の固定された放出点を含み、前記放出点は針先の表面の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物を含み、針先の表面の金属原子が針先の表面に固定されているため、それとガス分子とで形成された反応生成物は針先の表面に根を下ろした反応生成物であり、かつ、該反応生成物は、金属原子とガス分子とが、動作に類似する条件下で反応して形成された反応生成物であり、該反応生成物は、ガス分子と再び反応する活性が低いので、安定性が高く、また、反応生成物の数を制御することができるので、反応生成物の数を増加させることで大きい電界放出電流の提供を実現することができる。さらに、反応生成物は金属原子とガス分子とが反応して形成された反応生成物であるため、大気に暴露してもガスに干渉されにくい。
図2は、本公開の実施形態に係る電子源の概略図を模式的に示す。
図2に示すように、該電子源は、1つ又は2つ以上の針先を含んでもよく、説明の便宜上、以下、いずれも1本の針先を例として説明する。
針先は、針先の表面に固定された放出点を1つ又は2つ以上含んでもよく、当該放出点は、針先の表面に位置する金属原子とガス分子とで形成された反応生成物であってもよい。
1つの実施形態において、電界印加によって針先の表面の金属原子とガス分子とが反応生成物を形成することは、具体的に幾つかの実現方式を用いることができ、例えば、針先に電圧を直接印加して針先の表面に高い電界強度を形成することで針先の表面の金属原子とガス分子とが反応して反応生成物を形成することを促進してもよいし、針先近傍の電界強度発生構造(例えば電極等)に電圧を印加して電界を形成し、さらに針先の表面に高い電界強度を形成することで針先の表面の金属原子とガス分子とが反応して反応生成物を形成することを促進してもよい。要するに、針先の表面に形成されたフィールド、及び該フィールドの形成方式については限定されなく、針先の表面の金属原子と周囲ガス分子とが反応して反応生成物を形成することを促進するフィールド(例えば電界)を針先の表面に形成することができればよい。
針先に電圧を印加することでフィールドを形成する実施形態において、概略的な例において、前記電界は前記針先に正のバイアス、負のバイアス又は正のバイアスと負のバイアスとの組み合わせを印加することで発生した電界であり、その中、正のバイアスを印加する場合、電界の電界強度が1〜50V/nmであり、負のバイアスを印加する場合、電界の電界強度が1〜30V/nmである。
前記放出点は、針先の所定位置、例えば、針軸線と針先の表面とが交差する一定の範囲内で形成されてもよく、特定の構造上、例えば、電界強度優位性を有して金属原子とガス分子との反応生成物を優先的に形成する突起等の構造に形成されてもよく、さらに、反応活性を有する特定の領域、例えば、ガス分子とより反応しやすい特定の金属原子領域に形成されてもよく、もちろん、上記2種の場合を組み合わせて使用してもよく、ここでは限定されない。
ただし、前記金属原子は、針先本体の表面の金属原子であってもよく、すなわち、金属原子の種類と針先本体の種類とが同じであり、さらに蒸着、電気めっき等の方法によって針先の表面に形成された異なる種類の金属原子であってもよい。好ましくは、該金属原子の材料は、融点1000K超の金属材料であり、安定性がより良く、かつ、前述した熱処理等の方法により針先を洗浄することが容易となる。例えば、該融点1000K超の金属材料は、タングステン、イリジウム、タンタル、モリブデン、ニオブ、ハフニウム、クロム、バナジウム、ジルコニウム、チタン、レニウム、パラジウム、白金、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、金又は金属六ホウ化物等のうちのいずれか1種又は2種以上を含んでもよく、例えば、そのうちの1種の金属原子を単独で針先の表面の金属原子としたり、そのうちの2種以上の金属原子で形成された積層、例えばチタン層/白金層/タングステン層で形成された積層等としたり、あるいは、そのうちの2種以上の金属原子を混合して形成された非単体の金属層としたりしてもよく、ここでは限定されない。
前記ガス分子は、ガス導入装置により導入され、例えば、ガス流量弁等により導入された特定のガス分子であってもよいし、チャンバを真空引く時に残存したガス分子等であってもよく、もちろん、上記2種の方式の組み合わせであってもよく、ここでは限定されない。ただし、前記ガス分子は、水素含有ガス分子と、窒素含有ガス分子、炭素含有ガス分子又は酸素含有ガス分子のうちのいずれか1種又は2種以上のガス分子とを含む。上記のガス分子は、導入されたガス分子であってもよいので、ガス導入量を動的に調整することができ、一般的には、導入時に、真空度<10−4Paとする。真空チャンバにおける残存ガスを直接に利用する場合、真空チャンバにおける主な残存ガスが水素ガスである。好ましくは、前記水素含有ガス分子が水素ガスを含む。
なお、放出点の消失温度、例えば、分解の温度は、放出点を除去しやすくするように針先本体の消失温度より低くしてもよく、放出点の消失温度は動作温度及び吸着されたガス分子を脱着させる温度よりも高くしてもよく、このようにして電子源が安定状態に回復するように簡単な熱処理により脱着(例えばフラッシュ(Flash)等の熱処理)を行うことが容易となる。
本公開が提供する電子源は、その構造特徴により、放出点の引出電圧が低く、放出点が固定されて遊離することはなく、長寿命を有し、さらに、悪い真空度下で動作可能である。放出点形成温度及び動作温度が低いため、動作時に電子源の構造が変わらず、印加する電圧値が安定して変わらず、例えば、以下に示す動作条件下で動作可能であり、例えば、針先温度≦1000Kの場合、動作圧力≦10−3Paとなり、あるいは、500K≦針先温度≦800Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなり、あるいは、針先温度≦150Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなる。前記放出点のサイズがナノオーダー又はサブナノオーダーであり、動作電圧を調節することにより、針先放出点の放出電流値が10mAオーダーに達することができる。該電子源は、冷陰極電界放出の特徴を有し、引出電圧を調節することで放出電流の大きさを調節することができる。1つの好ましい実施形態において、前記金属材料がタングステンであり、相応的に、前記放出点が水素タングステン化合物である。
図3は本公開の実施形態に係る電子源の製造及び使用環境を模式的に示す。
図3に示すように、製造及び使用装置は、真空チャンバ111、冷凍ヘッド107(該冷凍ヘッド107は加熱装置を含み、加熱装置は図示しない)、サンプルホルダー(sample holder)105、電子源101、高圧電源115、粒子線113、蛍光体スクリーン103及びガス導入装置109を含み、ただし、右の図は左の図中の破線枠におけるものの拡大概略図であり、サンプルホルダー105は、ヘアピン120を含んでもよく、該ヘアピン120は電子源101を固定するためであり、右の図の上方の電源は針先を加熱する電源である。このようにして電子源101への加熱及び/又は電圧印加を実現することができ、さらに真空チャンバ中のガスを制御することができ、蛍光体スクリーン103により電子源の電子放出状況を観察することができる。
図4は本公開の実施形態に係る電子源の製造過程の概略図を模式的に示す。
図4に示すように、右の図は左の図中の上方の破線枠における画像の拡大概略図であり、左の図の下方の破線枠が模式的な基板である。左の図から明らかなように、電子源にバイアスを印加した後、針先の頂端での電界強度が最も強いため、環境におけるガス分子(左の図中のグレードット)が徐々に針先の頂端へ移動することとなる。右の図から明らかなように、ガス分子の電子源の針先の頂端への移動につれて、針先にフィールド(例えば電界等)を形成することでガス分子と針先の表面の金属原子(白色ドット)とが反応生成物(黒丸、すなわち放出点であり、Ma1と略称する)を形成し、該黒丸は、針先の表面に遊離することはなく、針先の表面に根を下ろすこととなる。
図5Aは本公開の実施形態に係る基板上の高電界強度構造の概略図を模式的に示す。
図5Aに示すように、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造とを含み、少なくとも1つの前記高電界強度構造の外面に金属原子を含む。突起の数は1個、3個、5個、10個等であってもよく、ここでは限定されない。
なお、前記高電界強度構造の材料は基板の材料と同じであっても異なっていてもよい。また、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は高電界強度構造の材料と同じであっても異なっていてもよく、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっき等の方法により形成されてもよく、ここでは限定されない。さらに、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は基板の材料と同じであっても異なっていてもよく、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっき等の方法により形成されてもよく、ここでは限定されない。また、前記基板の材料、前記高電界強度構造の材料は前記針先の本体の材料と同じであっても異なっていてもよく、ここでは限定されない。相応的に、真空条件下でガス分子との反応において、前記突起の少なくとも一部の表面の金属原子は、前記基板のその他の表面部分と同じ反応活性又はそれよりも高い反応活性を有する。
図5Aに示すように、前記高電界強度構造は突起を含んでもよく、Lo1の位置に対応する。ここで、前記突起のサイズはサブナノから100ナノオーダーであってもよい。突起に高電界強度優位性を有するため、針先に電圧を印加すると、電界強度の作用により、突起の表面の少なくとも一部の金属原子がガス分子と反応して反応生成物を形成する。このようにして、針先の表面の所定位置で放出点を簡単で迅速に形成することができる。また、突起のサイズ、印加するバイアスの大きさ及び時間などのパラメータを調節することで突起の表面の放出点の数を制御可能に調節することができ、例えば、バイアスの印加時間を増加させたり突起のサイズを大きくしたりすることでより多くの放出点を形成して放出電流を大きくする等が可能である。
前記突起が、熱処理、電界印加、熱電界処理、エッチング又はナノ加工等のいずれか1種又は2種以上の方法により形成されるか、あるいは、例えば、単結晶金属針先の上面に1層の金属原子をめっきし、熱処理により再構築して突起を形成する。なお、針先の表面に突起を形成できる方法であればいずれも適用可能であり、ここでは限定されない。
前記基板の材料は融点1000K超の導電材であってもよく、前記高電界強度構造の材料は融点1000K超の導電材であってもよく、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は融点1000K超の金属材料であってもよく、及び前記金属原子とガス分子との反応生成物は真空条件下で融点1000K超の金属原子とガス分子との反応生成物を含んでもよい。
融点1000K超の材料の例として、例えば上述したものであり、ここではその説明を省略する。針先は、好ましくは融点1000K超の導電材が用いられ、その安定性がより良く、かつ、前述した熱処理等の方法を用いた針先の洗浄又は回復が便利である。
図5Bは本公開の実施形態に係る高電界強度構造の表面の金属原子の概略図を模式的に示す。
なお、前記基板、前記高電界強度構造及び前記針先の本体の材料はいずれも金属材料であってもよく、あるいは金属材料ではなく(例えば導電材であればよい)、電子源が高電界強度構造を含まない場合には、前記基板の表面が金属原子を含み、かつ前記基板に電流を導入できるのを保証すればよい。電子源が高電界強度構造を含む場合、前記高電界強度構造の表面が金属原子を含み、かつ前記高電界強度構造に電流を導入できるのを保証すればよい。
1つの好ましい実施形態において、高電界強度構造が前記基板の表面の中心位置に位置するか、あるいは高電界強度構造が所定閾値よりもサイズが大きい基板上、例えばサイズの大きい基板上に位置するか、あるいは、前記金属原子が前記高電界強度構造の頂端の表面の中心位置に位置する。
また、前記針先の基板及び/又は高電界強度構造のサイズ及び形状を調節することで電子ビームのビーム角の大きさを調節することができ、さらに高電界強度構造のサイズを調節することで放出点の数を調節することができ、また、基板の構造及び/又は高電界強度構造の構造を調節することで電子源放出電流の電圧の大きさ及び一致性を調節することもでき、かつ、針先頂部の形状を調節することで放出電流の方向を調節することができる。例えば、基板のサイズを大きくすると、ビーム角が小さくなり、電界蒸発により突起の高さを低くすると、ビーム角が小さくなり、突起のサイズが小さければ小さいほど、同じ電界下で放出点の数が少なくなる等である。
本公開が提供する電子源において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造とを含み、少なくとも1つの前記高電界強度構造の外面に金属原子を含み、該高電界強度構造の表面の金属原子は電界強度優位性により同一環境においてよりガス分子と反応して反応生成物を形成しやすくなり、高電界強度構造に放出点を優先的に生成する。
図5Cは、本公開の実施形態に係る基板上の活性領域の概略図を模式的に示す。
図5Cに示すように、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも反応活性の高い1つ又は2つ以上の活性領域(Lo2位置に対応)とを含み、少なくとも1つの前記活性領域の外面に金属原子を含む。活性領域は、図5Cの網掛け領域に示されている通りである。活性領域の個数は1個、3個、5個、10個等であってもよく、ここでは限定されず、放出点は、針先の頂部領域に位置する活性領域中に優先的に形成することができる。
なお、基板の材料と前記針先の本体の材料とは同一であっても異なっていてもよい。前記活性領域の金属原子は、蒸着又は電気めっき等の方法により形成されてもよく、例えば、電気めっきにより針先の軸線と表面とが交差する箇所で一定面積の金属原子層を形成し、該金属原子層の材料が基板のその他の表面の材料よりもガス分子との反応活性が高い。相応的に、真空条件下でガス分子との反応において、前記基板の活性領域の表面の金属原子が前記基板のその他の表面部分よりも高い反応活性を有する。
1つの好ましい実施形態において、反応活性の高い領域が前記基板の表面の中心位置に位置するか、あるいは、前記金属原子が前記基板の表面の中心位置に位置する。
本公開が提供する電子源において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも反応活性の高い1つ又は2つ以上の活性領域とを含み、少なくとも1つの前記活性領域の外面に金属原子を含み、該活性領域の表面の金属原子は活性優位性により同一環境においてよりガス分子と反応して反応生成物を形成しやすくて、活性領域において放出点を優先的に生成する。
図5Dは本公開の実施形態に係る高電界強度構造上の活性領域の概略図を模式的に示す。
図5Dに示すように、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造とを含み、前記高電界強度構造の少なくとも一部の表面は反応活性の高い活性領域であり、Lo3位置に対応し、前記活性領域の外面に金属原子を含む。
本実施形態において、突起を含む針先は、真空条件下でガス分子との反応において、前記突起の少なくとも一部の表面の金属原子が前記基板のその他の表面部分と同じ反応活性又はそれよりも高い反応活性を有し、このようにして、放出点の、突起の指定領域上の形成をより精確に制御することができ、例えば図5Dの突起の網掛け領域に放出点を形成することができる。活性領域の表面の金属原子の形成方式は、前述した実施形態において活性領域を形成する方式を参照することができ、ここではその説明を省略する。
本公開が提供する電子源において、少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造とを含み、前記高電界強度構造の少なくとも一部の表面は反応活性の高い活性領域であり、前記活性領域の外面に金属原子を含み、該活性領域の表面の金属原子は電界強度優位性及び活性優位性により同一環境においてよりガス分子と反応して反応生成物を形成しやすくて、活性領域において放出点を優先的に生成する。
図6は本公開の実施形態に係る放出点を有する放出面積の概略図を模式的に示す。
図6に示すように、突起を有する針先を例として説明し、突起の表面全体に放出点を形成する場合には、放出点の平面図は図6の右の図を参照することができる。なお、突起の表面に放出点を形成する過程において、電界強度が高いほうの領域に放出点を先に形成する確率が高いが、放出点は必ずしも電界強度の最も高い領域にのみ形成するとは言えず、もちろん、図6に示す突起の頂点位置は、電界強度が最も強いため、頂点に放出点を先に形成する確率も最も高い。図6において突起の形状が略半球状であり、また、角形、多角形、台形、半楕円形及びその他の幾何学的形状等であってもよく、ここでは限定されない。
なお、前記放出点の消失温度が前記基板、前記高電界強度構造及び前記金属原子の消失温度の最小値よりも低く、かつ前記放出点の消失温度が前記電子源の動作温度よりも高く、あるいは、前記放出点の消失温度が前記基板、前記高電界強度構造及び前記金属原子の消失温度の最小値よりも低く、かつ前記放出点の消失温度が前記電子源の動作温度及びいずれか1つの針先に吸着されたガス分子の脱着温度の最大値よりも高い。前記放出点の消失温度がいずれか1つの針先に吸着されたガス分子の脱着温度よりも高い場合には、加熱によりガス分子を脱着させるのが容易となり、簡単な処理により電子源の安定性を高めるのが容易となる。
電子源の測定環境については図3の図示を参照することができ、真空チャンバ111のバックグラウンド真空度≦10−3Paである(一般的には10−6Paが好適である)。冷凍ヘッドcold head 107上には1つの絶縁性サンプルホルダー(sample holder)105があり、サンプルホルダーに1つの加熱装置(例えば加熱シート、加熱棒等)を設置するのを実現することができ、温度を10〜500Kの間で調整することができる。予め処理された針先(例えば、タングステン単結晶針先であり、該タングステン単結晶針先は突起を有する針先であってもよく、突起のサイズがnm又はサブナノオーダーであってもよく、反応活性の高い領域を有する針先であってもよい。)をサンプルホルダー105上に放置し、該針先に電圧を印加し、電圧は正の高圧Vであってもよいし、負の高圧Vであってもよい。電源115は2パス出力高圧電源であってもよく、その出力範囲が±0〜30kvである。ガス導入装置109は、反応ガス分子、例えばH、さらにその他の反応ガス、例えばH元素含有ガス、水、CH等を導入するためであり、ガスの導入量を動的に調整することができ、一般的には、導入時の真空度が<10−4Paである(なお、チャンバ内の残存ガス分子を直接に利用することもでき、その主成分が水素ガスである。)。蛍光体スクリーン103は、粒子線画像を光学画像に変換するためであり、信号が非常に小さい場合には、蛍光スクリーン‐マルチチャンネルボードアセンブリを用いて信号を増幅することができる。針先に電圧を印加すると、粒子線を引き出すことができ、該印加する電圧は正の電圧であってもよく、負の電圧であってもよい。正の電圧である場合には、結像ガスがある時、正のイオンビームを出力し、負の電圧である場合には、電子ビームを出力する。
以下、1つの具体的な実施形態をもって電子源の製造過程を例示する。
図7は、本公開の実施形態に係る放出点の形成過程の概略図を模式的に示す。
強電界の作用下でのガス分子と表面の金属原子との反応により放出点Ma1の形成を実現し、Malの形成が一定温度下で行われる。放出点の形成過程は、針先の表面の1つの小さい領域内の水素ガス吸着行為に基づいて鋭意に検討した後に確定した製造方法である。
まず、タングステン単結晶(111)の針先を1つ提供することができ、前述した方法により針先に突起を形成し、例えばフラッシュ(Flash)処理(1200Kに加熱して、3s持続し、その間、バイアス等で補助してもよい)を行い、このようにして、針先の表面の中間位置に1つのナノオーダーの突起を形成することができ、その表面が清潔であり、図7aに示すように、針先に負圧を−2KVまで印加すると、電界放出モード(field electron emission mode)を形成した。イオン衝撃による影響を避けるために、Ma1の形成温度を〜50Kとした。放出点の全形成過程において、放出電流(I)がずっと5nA以内に制御され、真空度が10−7Paであった。
図7bから図7eに示すように、ガス吸着は、まず放出能の低下を引き起こし、蛍光体スクリーン103の表示画面上の放出パターンが徐々に暗くなり、放出電流が徐々に低下し、すなわち、従来のタングステンの清潔表面の放出能が徐々に低下する。
図7fに示すように、時間の経過につれて、放出パターンがほぼ完全に消え、この時、従来のタングステンの清潔表面の放出能がほぼ完全に消えた。
図7gに示すように、電子源にバイアスを印加し続けるにつれて、本公開に記載の放出点の形成が始まり、この時の放出点は前の放出物質と構成が異なり、タングステンを例として説明すれば、前の放出物質がタングステン単結晶のタングステン原子であり、この時の放出点が針先の表面のタングステン原子とガス分子との反応生成物、例えば、タングステン原子と水素ガス分子との反応生成物であり、該反応生成物が針先の表面に固定されている。
図7hから図7kに示すように、電子源にバイアスを印加し続けたり、待ち続けたりすることにより、最後に、当該放出点が明るくなった。
図7lに示すように、最後に、高放出能の放出点を形成し、放出電流がさらに増大し、図7aと図7lとを比較することにより、放出点の放出能が明らかに向上し、かつ放出点がより中間の突起の位置に集中することが明らかになった。
上記の過程において、電流がずっと非常に小さく制御され、かつ蛍光スクリーンが針先から遠く離れ、かつ真空度が非常に良いので、イオン衝撃による影響を排除することができる。さらに、正の高圧を印加することで同じ電界放出特性の物質を形成することができる。しかも、この時には放出電流が全くないので、イオン衝撃による遊離状の原子レベル粒状物質が放出点Ma1の形成過程に参与しなかったことを証明している。
放出点Ma1の形成過程において、ガス(例えばH)は、吸着、電界下での解離を経て、さらに表面金属原子と結合し、あるH‐W反応生成物(化合物(compound))を生成し、これはMalの1種に属し、このような化合物(compound)は表面と直接結合し、移動しないようである。例えば、その他の位置にも類似する物質が形成可能であるが、それが移動することなく、ずっと位置が安定した放出点である。
放出能に関連するパラメータのうち、単独の放出点の放出能が30μA以上に到達可能であり、1つの集中する放出領域を形成すれば、放出パターンが一様に連続し、総電流が100μAオーダーに到達することができる。放出面積(放出点の数が増加)を増大すれば、10mAオーダーの放出電流を実現することができ、従来のCFEの安定的な放出能(〜10マイクロアンペア)を遥かに超えている。近来、Keigo Kasuyaらは、キャビティの真空度を4×10−10Paに高めることで約3000マイクロアンペアの極限放出電流に到達可能にしているが、該真空度が非常に到達しにくい。
異なる真空度下で、異なる放出能を有する。一般的には、高真空の場合には、大きい放出電流を維持することができ、低真空の場合には、最大放出電流が迅速に減衰する。
図8は本公開のもう1つの実施形態に係る放出点の形成過程の概略図を模式的に示す。図からわかるように、形成した放出領域が小さくて集中している。
形成した放出点の針先(The tip terminated by emission site)は電界放出一致性を有し、すなわち、放出電流の電圧は一致性を有し、例えば、放出電流が1マイクロアンペアである場合には、電圧が−1.2±0.1KVである。
放出点形成温度及び動作温度が低いため、動作時に電子源構造が変わらず、印加する電圧値が変わらず、電圧値が安定して例えば電子銃のデザインがよりコンパクトとなる。
さらに、基板の構造及び/又は高電界強度構造を調節することで電子源放出電流の電圧の大きさ及び一致性を調節し、例えば電界エッチング、電界蒸発等の方法により形成された針先の突起に放出点を形成し、放出電流が1マイクロアンペアである場合、電圧が−0.5KV未満(例えば引出電圧が−0.4KVである)に達することができ、これにより、電子銃の構造デザインがよりコンパクトとなる。
以下、上述した方法により製造された電子源の構造及び性能パラメータ等をさらに説明する。
(一)放出点の物質関連について
該電子源は良好な安定性を有し、放出点(図4の右の図における黒丸が示しているように)は針先の表面の特定位置に安定的に根を下ろすことができ、複数個の放出点は最大でmAオーダーの総電流を提供することができ、かつ悪い真空度下(10−5Pa)で動作可能であり、かつ貯蔵しやすい。
突起を有する電子源を例として説明する。
針先tip:針先は基板Baseと、基板Base上のnmオーダーの突起protrusionとを含み、突起のサイズがnm又はサブナノオーダーである。突起の表面に放出点が形成されている。
放出点Ma1の形成過程は以下の通りであり、強電界下で(例えば1〜50V/nmの範囲内であり、なお、電界は電圧極性及び材料属性に影響される)、ガス分子が直接に針先の表面の金属原子と反応して結合物(ガス‐金属化合物(Gas‐metal compound))を形成し、以下、H‐W化合物を例として説明する。高い真空下で、主な残存ガス分子がHである。突起の表面電界が最も強いので、ここで優先的に形成する。
Ma1は針先の表面に根を下ろし、ガス分子と針先の表面の金属原子とが反応して形成された反応生成物であり、これら放出点の位置がいずれも固定しており、移動しないが、異なる放出電流下で単独のMalは明滅する可能性がある。
Ma1は表面保護作用を有する。Ma1は金属の最も表面の原子とガス分子とが反応して形成されたもの、すなわち、反応生成物であるので、それが空間ガス分子と引き続いて作用、例えば吸着等することが難しい。ガスが吸着された後でも、それらが針先の表面のMa1に引き続いて影響を及ぼし、ただちに引き続きの化学反応が発生することが非常に困難である。低温加熱(<1000K)等の手段によりMa1上に吸着されたガスを効果的に脱着させることができ、かつ、Ma1の存在を維持することができる。加熱によりMa1の一部が除去され、金属原子部分が露出しても、動作過程において(電界Eの存在がある)、この箇所にさらにMa1を再び形成することもできる。したがって、Ma1は、針先に1層の保護層を加え、ガスと針先とが強い電界下での反応を効果的に遮断した。一方、表面にMa1が形成されなかったその他の箇所において、そこの電界が非常に弱く、放出能が非常に弱いため、無視できる。これにより、電子源の動作安定性及び安定周期を大幅に向上させた。
動作条件について、Ma1は非常に強い環境適応性を有し、10−5Paの真空下で動作可能である。低温で補助すれば、それが10−3Paの真空下で動作可能である。もちろん、真空度が高ければ高いほど、持続動作時間が長くなる。放出電流が小さければ小さいほど、持続動作時間が長くなる。具体的な必要、例えば使用しようとする真空条件に応じて、異なる放出電流範囲を選択することができる。
放出能が従来のCFEに比べて明らかに増強する原因について検討すると、2種のメカニズムによる作用が存在する可能性があり、1つは、仕事関数の明らかな低下であり、もう1つは、表面の原子レベルの放出点テーパの形成である。この両者の作用による共同効果により、引出電圧Vが大きく低下する(低下割合>〜30%)。
電界放出特征について、放出電流の大きさは、引出電圧により直接制御することができ、パルス電流(パルス電圧)、定電流(定電圧)の出力を実現することができる。
放出面積について説明すると、例えば、突起の上面の放出領域面積は、例えば針先ヘッド部の突起直径を調節することで放出面積を制御及び変更することができる。放出面積は原子レベルに到達することができ、10nmオーダーに到達することもできる。活性領域を有する例としては、活性領域の面積を変更することで放出面積の大きさを制御することができる。
(二)放出点の形成位置関連について
Ma1の形成位置(Lo)は予め選定することができ、例えば、針先の表面に1つの電界優位性領域Lo1を形成し(図5Aを参照して、例えば1つのnmオーダーの突起を形成する)、この箇所の電界を針先の他の領域よりも高くしたり、針先の表面に1つの活性領域Lo2を形成し、該領域がガスと反応してより高い活性を有させたり(図5Cを参照して、その他の領域に対していう)、ある領域Lo3(図5Dを参照)に上述した2種の特徴を有させたりする方法により選定することができる。ただし、突起は熱処理、熱電界処理、エッチング、ナノ加工等の手段により形成することができ、活性原子領域は各種の原子蒸着等の方法により形成することができる。
放出面積の大きさも上記の手段により制御可能であり、そのサイズがnm又は原子レベルである。好ましくは、Lo1が針先の1つの大きい基板上に位置する。
電子ビームのビーム角の大きさは針先基板、突起のサイズを制御することで実現可能である。
好ましくは、該針先は、中心に突起を備える幾何学的構造を有する。好ましくは、針先の周囲領域の電界強度が針先の表面中心の電界強度よりも弱い。
針先の最も表面に少なくとも1層又は2層以上が金属原子(metal atom)であり、その種類は、各種の融点1000K超の金属材料であってもよい。また、針先の本体材料は金属であってもよいし、その他の導電材、例えば金属六ホウ化物(metal‐hexaboride)等であってもよく、好ましくは、高い融点(例えば、>1000K)を有するものである。
(三)製造条件関連について
針先の条件:突起を有する針先を例として、針先の表面に上述した物質を形成しようとする領域にまず1つのナノオーダーの突起を形成することで、針先にバイアス(V)を印加する時に、突起の表面に1つの強い表面電界Eを形成し、Eがその近傍の電界よりも大きい。
電界条件:針先にバイアスVを印加する時に、針先上の突起の表面電界がEであり、〜1V/nmオーダーである。E(又はV)は正であってもよく、その強度は、針先の表面の原子が蒸発しないように保証する必要がある。また、E(又はV)は負であってもよく、放出が過電流になって針先が焼損しまうことにならないように保証する必要がある。
ガス分子:主な成分がH、又はH元素含有ガス分子である。外部ガス分子の導入により実現可能であり、真空中の残存ガス分子を直接利用することもできる。
反応過程:ガス分子(又はイオン)が針先の表面に吸着され、強い電界下で、徐々に針先の表面の原子と反応し、最後に安定的な放出点を形成する。
製造過程の温度範囲:温度は放出点Malの消失温度、例えば、分解温度より小さくすべきである。観察したところ、1000Kより小さくすべきである。好ましくは、1つの好ましい実施形態において、反応温度が低温150K以下であり、もう1つの好ましい実施形態において、動作温度が500〜800Kである。一般的に、該温度は、針先の表面形貌を変化させず、例えば針先頂部の変形温度よりも低くするのをさらに保証すべきである。
形成した放出点の除去方式について、形成した放出点の放出能が劣化(degrade)すると、該劣化した放出点を除去することができる。例えば、電界蒸発、すなわち、正の高圧を印加することにより、表面の放出点を除去することができる。1000K超に直接加熱することにより、当該放出点Malを直接除去することができる。除去後に、元の位置にMalを再び形成する。
本公開が提供する電子源において、該電子源の放出点は、針先の表面に遊離するガス分子又は遊離粒子等ではなく、針先の表面に固定された金属原子とガス分子とで形成された反応生成物であるため、遊離状の放出点が集中して新しい放出点を形成することによる過電流焼損を招くことはなく、安定性を効果的に向上させ、また、当該放出点は反応生成物を含み、金属原子又はその他の金属化合物(例えば金属ホウ化物等)に対して、動作環境において(ガス分子が存在する)より良い安定性を有し、例えば動作環境における水素ガス等とより反応しにくくなり、電子源の安定性をさらに向上させた。さらに、電子源の放出点は単独の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物であってもよく、すなわち、放出点が1つ又は2つ以上の原子のみからなり、低仕事関数を有する原子レベルの電子源を形成することができる。また、当該放出点はガス分子と針先の表面の金属原子とで形成された反応生成物であり、針先の表面に根を下ろしているため、相対的にイオン衝撃による影響を受けにくく、環境におけるガスによる影響も受けにくい。さらに、放出点の数を増加することで電界放出電流を向上させることができる。以上により、本公開が提供する電子源は安定的で、大きい電界放出電流を有し、悪い真空度下で動作可能であり、貯蔵しやすいなどの利点を有する。
本公開のもう1つの態様は、上述した電子源と、冷却装置と、加熱装置と、ガス導入装置とを含む電子銃を提供する。ただし、前記電子源は電子を放出するためであり、前記冷却装置は前記電子源を冷却するためであり、前記電子源は電気絶縁性熱伝導体を介して前記冷却装置上に固定され、前記加熱装置は前記電子源の温度を調節するためであり、前記ガス導入装置は水素元素を含むガスを導入するためである。該電子銃の電子源の表面の放出点形成温度及び動作温度が低いため、動作時に電子源構造が変わらず、印加する電圧値が変わらず、電圧値もより安定的であるので、電子銃のデザインがよりコンパクトとなる。
当業者であれば、たとえ本公開に明確に記載されていなくても、本公開の各実施形態および/または特許請求の範囲に記載の特徴に対してさまざまな組み合わせ及び/又は結合がなされ得ることを理解するであろう。特に、本公開の精神および教示から逸脱しない限り、本公開の各実施形態および/または特許請求の範囲に記載の特徴に対してさまざまな組み合わせおよび/または結合を行うことができる。これら組み合わせおよび/または結合は、全て本公開の範囲内に含まれる。
以上、本公開の実施形態について説明したが、これら実施形態は目的を説明するためだけであり、本公開の範囲を限定することを意図しない。以上、様々な実施形態をそれぞれ説明したが、これは様々な実施形態における手段が有利に組み合わせて使用されないことを意味するのではない。本公開の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって限定される。本公開の範囲から逸脱しない限り、当業者は様々な変更及び変形を行うことができ、これら変更及び変形は、いずれも本公開の範囲内に含まれる。

Claims (15)

  1. 1つ又は2つ以上の針先を含み、少なくとも1つの針先は、針先の表面に根を下ろして固定された1つ又は2つ以上の放出点を有し、前記放出点は遊離するものではなく、前記放出点は、針先の表面の金属原子とガス分子とで形成された反応生成物を含む、電子源。
  2. 少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造と、を含み、少なくとも1つの前記高電界強度構造の外面に金属原子を含み、かつ/または
    少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも反応活性が高い1つ又は2つ以上の活性領域と、を含み、少なくとも1つの前記活性領域の外面に金属原子を含み、かつ/または
    少なくとも1つの針先は、基板と、前記基板上の、前記基板の他の箇所よりも電界強度が高い1つ又は2つ以上の高電界強度構造と、を含み、前記高電界強度構造の少なくとも一部の表面は反応活性の高い活性領域であり、ただし、前記活性領域の外面に金属原子を含む、請求項1に記載の電子源。
  3. 前記高電界強度構造は突起を含む、請求項に記載の電子源。
  4. 前記突起のサイズはサブナノから100ナノオーダーである、請求項に記載の電子源。
  5. 突起を含む針先は、真空条件下でガス分子との反応において、前記突起の少なくとも一部の表面の金属原子が、前記基板のその他の表面の部分と同じ反応活性、又はそれよりも高い反応活性を有し、
    突起を含まない針先は、真空条件下でガス分子との反応において、前記基板の活性領域の表面の金属原子が、前記基板のその他の表面の部分よりも高い反応活性を有する、請求項に記載の電子源。
  6. 前記基板の材料は導電材であり、かつ/または
    前記高電界強度構造の材料は導電材であり、かつ/または
    基板及び/又は高電界強度構造の表面は金属原子であり、かつ/または
    前記高電界強度構造の材料は基板の材料と同じ又は異なり、かつ/または
    前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料が高電界強度構造の材料と同じ又は異なり、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっきにより形成され、かつ/または
    前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は基板の材料と同じ又は異なり、異なっている場合、前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子は、蒸着又は電気めっきによって形成される、請求項に記載の電子源。
  7. 前記ガス分子は、導入されたガス分子及び/又は真空環境中に残存したガス分子であり、
    前記ガス分子は、水素含有ガス分子を含む、又は、水素含有ガス分子と、窒素含有ガス分子、炭素含有ガス分子又は酸素含有ガス分子のうちのいずれか1種又は2種以上のガス分子と、を含む、請求項に記載の電子源。
  8. 前記水素含有ガス分子は水素ガス分子を含む、請求項に記載の電子源。
  9. 前記基板の材料は融点1000K超の導電材であり、かつ/または
    前記高電界強度構造の材料は融点1000K超の導電材であり、かつ/または
    前記基板及び/又は高電界強度構造の表面の金属原子の材料は融点1000K超の金属材料であり、かつ
    前記金属原子とガス分子との反応生成物は、真空条件下で融点1000K超の金属原子とガス分子との反応生成物を含む、請求項に記載の電子源。
  10. 前記金属材料は、タングステン、タンタル、ニオブ、モリブデン、レニウム、ハフニウム、イリジウム、オスミウム、ロジウム、ルテニウム、白金、パラジウム、金、クロム、バナジウム、ジルコニウム、チタン、又は金属六ホウ化物のうちのいずれか1種又は2種以上を含む、請求項に記載の電子源。
  11. 前記金属材料はタングステンであり、かつ
    前記放出点は水素タングステン化合物を含む、請求項10に記載の電子源。
  12. 前記針先の基板及び/又は高電界強度構造のサイズ及び形状を調節することによって電子ビームのビーム角の大きさを調節し、かつ/または
    高電界強度構造及び/又は活性領域のサイズを調節することによって放出点の数を調節し、かつ/または
    基板の構造及び/又は高電界強度構造の構造を調節することによって電子源放出電流の電圧の大きさ又は一致性を調節し、かつ/または
    針先頂部の形状を調節することによって放出電流の方向を調節する、請求項に記載の電子源。
  13. 高電界強度構造又は反応活性の高い領域は前記基板の表面の中心位置に位置し、かつ/または
    高電界強度構造は、サイズが所定閾値よりも大きい基板上に位置し、かつ/または
    前記金属原子は、前記高電界強度構造の頂端又は前記基板の表面の中心位置に位置する、請求項12に記載の電子源。
  14. 前記針先の動作条件は、
    針先温度≦1000Kの場合、動作圧力≦10−3Paとなるか、あるいは、
    500K≦針先温度≦800Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなるか、あるいは、
    針先温度≦150Kの場合、動作圧力≦10−6Paとなる、請求項に記載の電子源。
  15. 電子を放出するための請求項1から14のいずれか一項に記載の電子源と、
    前記電子源の冷却を行うための冷却装置と、
    前記電子源の温度を調節するための加熱装置と、
    水素含有ガスを導入するためのガス導入装置と、
    を含み、
    前記電子源が電気絶縁性熱伝導体によって前記冷却装置に固定されている、電子銃。
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