JP6952664B2 - 積層電解質膜、膜電極複合体、水電解用セル、スタック、水電解装置および水素利用システム - Google Patents

積層電解質膜、膜電極複合体、水電解用セル、スタック、水電解装置および水素利用システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、積層電解質膜、膜電極接合体、水電解用セル、スタック、水電解装置および水素利用システムに関する。
現在、環境負荷を減らすことができるクリーンな発電システムとして燃料電池が、注目され開発されている。特に、家庭電源用、車載用など、いろんな様々な分野で使用され始めている。一方、地球温暖化を防ぐためその対策としてCOの排出労量の削減が必須となっており、CO排出しないクリーンなエネルギーとして、太陽電池や風力発電機などの再生エネルギーの利用が盛んにおこなわれている。これらの再生エネルギーは、天候などにより製造できるエネルギーが大きく影響を受けるため、2次電池よる蓄電、又は化合物合成による化学エネルギーへの変換などにより電力の安定供給システムとして検討されている。
近年、再生エネルギーから水素を製造し、燃料電池で発電するクリーンなエネルギー供給システムにおける“水素社会”が提案されている。これらのことから、電気エネルギーから化合物(化学エネルギー)への変換において、水素が注目を集めており、水素の製造方式として、アルカリ水電解、固体高分子電解質(PEM:Polymer Electrolyte Membrane)型水電解、固体酸化物型水電解(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)などがあるが、最近、高効率の水電解として、PEM型水電解が盛んに研究されている。
例えば、PEM型水電解装置は固体高分子電解質膜(フッ素樹脂系の陽イオン交換膜)の両面に、膜と一体になるように白金族金属を結合し、その片方をアノード、他方をカソードとする。陽極側に水を供給しながら両電極間に直流電圧を印加すると、アノードから酸素ガス、カソードから水素ガスが発生し、高分子電解質膜が隔膜としての機能を持ち、発生した水素ガスと酸素ガスを別々に取り出すことができる。
PEM型水電解の性能向上には、電解質膜のプロトン伝導性を向上させればよく膜抵抗の低減が必要である。しかし、プロトン伝導性を向上させるために電解質膜を薄膜化すると、膜抵抗が低減する。しかし、アノードからカソードへの酸素のクロスオーバー、カソードからアノードへの水素のクロスオーバーが大きく増大する。クロスオーバーが大きくなると、電極と反応して起電力が低下してしまう。したがって、クロスオーバーが低く、膜抵抗が低い電解質膜が求められる。
特開平6−103992号公報 特開平7−90111号公報 特表2005―530330号公報 特表2016―505193号公報
M. Watanabe et al. J. Electrochem. Soc., 143, No. 12, 3847-3852 (1996)
本発明の実施形態は、水電解においてガスのクロスオーバーが低い積層電解質膜を提供する。
上記の課題を達成するために、実施形態の積層電解質膜は、第1電解質膜と、第2電解質膜と、第1電解質膜と第2電解質膜の間に設けられ、複数のナノシート状触媒が間隙をもって積層された積層構造体を含むナノシート積層触媒層と、第2電解質膜とナノシート積層触媒層の間に転写層と、を具備する。転写層は、パールフルオロスルホン酸系電解質、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、又は、ポリベンゾイミダゾールであり、ナノシート積層触媒層は、第1電解質膜と転写層に接している。
実施形態1の積層電解質膜の断面図。 ナノシート積層触媒層の構造を示す写真。 ナノシート積層触媒層の製造方法を示す図。 実施形態2の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)の断面図。 実施形態3の水電解用セルの断面図。 実施形態4のスタックを示す図。 実施形態5の水電解装置を示す図。 実施形態6の水素利用システムを示す図。 実施形態7の水素利用システムを示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
(実施形態1)
図1に実施形態1の積層電解質膜100の断面図を示す。
実施形態1の積層電解質膜100は、電解質膜1(第1電解質膜ともいう)と、ナノシート積層触媒層3と、転写層4と、電解質膜2(第2電解質膜ともいう)と、を順次積層した。この積層電解質膜100に用いる電解質膜1、2には、パールフルオロスルホン酸系電解質膜又は炭化水素系スルホン酸系電解質膜を用いることができる。実施形態の積層電解質膜100は、水電解の電解質膜として用いられると、積層電解質膜の膜抵抗が低く、クロスオーバーが低い点で好ましい。
図1の積層電解質膜100は、電解質膜1、2と、電解質膜1と電解質膜2の間に設けられ、触媒と空隙を含むナノシート積層触媒層3と、電解質膜2とナノシート積層触媒層3の間に設けられ、電解質膜2とナノシート積層触媒層3を結合させる転写層4と、を有する。この積層電解質膜の電解質膜1及び電解質膜2が同一の電解質でも、異なってもよい。
積層電解質膜100の厚さは、20μm以上400μm以下であることが好ましい。ここで、「厚さ」とは、積層方向における平均の厚さを示している。平均の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観測された断面図を用いて算出された平均の厚さを示す。また、「積層方向」とは、電解質膜1から電解質膜2に最短距離で向かう方向を示している。積層電解質膜100の厚さが20μm未満であると、膜が薄いため、機械的強度と耐久性が低下してしまうため好ましくない、また、積層電解質膜100の厚さが400μmを超えると膜抵抗が大きく、水電解の効率が低下するため好ましくない。上記理由により積層電解質膜100の厚さは、25μm以上250μm以下がより好ましい。
電解質膜1、2は、イオン(プロトン)を伝導し、電気的に絶縁された層である。また、電解質膜1、2の厚さは、それぞれ、1μm以上390μm以下であることが好ましく、2μm以上150μm以下がより好ましい。電解質としては、パールフルオロスルホン酸系電解質を用いることが好ましく、電解質膜1、2の厚みは、同一でも異なってもよい。
パールフルオロスルホン酸系電解質は、フッ素含有主鎖骨格にスルホン酸基やスルホンイミド基などの酸性基を有するポリマーであることが好ましい。例えば、パールフルオロスルホン酸系電解質は、ナフィオン(商標、デュポン社製)、Aquivion(商標、ソルベー社製)、フレミオン(商標、旭化成社製)、およびアシプレックス(商標、旭硝子社製)などが挙げられる。
さらに、これらの電解質膜の機械的強度を上げるため、多孔質膜で補強した電解質膜を用いてもよい。具体的な多孔質膜としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PP(ポリプロピレン)、ガラス繊維不織布、ガラスペーパーなどが挙げられるが限定されるわけではない。
ナノシート積層触媒層3は、水素及び酸素のクロスオーバーを抑制するために設けられる。ナノシート積層触媒層3は、触媒で構成された積層構造体を含む。ナノシート積層触媒層3は、平面状に広がる多孔質な積層構造体であることが好ましい。すなわち、ナノシート積層触媒層3が侵入してきた水素及び酸素をH2+1/2O2→H2Oの化学反応によって水に変換する。ナノシート積層触媒層3の厚さは、クロスオーバーを充分に抑制するために10nm以上2000nm以下であることが好ましい。ナノシート積層触媒層3の厚さが、10nm未満だと積層構造を保持することが難しく、また、2000nmを超えるとプロトン伝導性が低下し好ましくない。
図2は、ナノシート積層触媒層3の構造を示す写真である。ナノシート積層触媒層3は、図2(a)、(b)に示すように担体レスであり、多孔体構造を持つ触媒と、空隙と、を含む積層構造体である。担体レスとは、触媒には担体を使用しないことである。図2(a)は多孔体構造の触媒を示し、図2(b)はその触媒と空隙とを含む積層構造体を示している。図2(a)に示すように、触媒が多孔体構造である場合は触媒自体がスポンジ状である。図2(b)に示すように、この触媒と空隙とを含む積層構造体では、触媒がナノシート状に形成される。また、ナノシート状の触媒と空隙は、交互に積層方向に積層している。すなわち、複数のナノシート状触媒が間隙をもって積層された積層構造を有するともいえる。触媒と空隙とを含む積層構造体の場合は、隣接のナノシート同士は部分的に一体化することが好ましい。これは、プロトン伝導又は水素原子伝導をよりスムーズにできるためである。また、図2(c)に示したように積層構造体のナノシートを多孔質化することによって、さらに、プロトン伝導又は水素原子伝導を向上できるためである。また、空隙の部分に繊維状カーボンを含む多孔質ナノカーボン(図2(d))又はナノセラミックスを配置すると、耐久性が向上する。
ここで、プロトン及び水などの伝導がよりスムーズになるため、積層構造体は空隙率の高い構造であることが好ましい。また、積層構造体は、内部に多数の空隙を有する。触媒が粒子であるとクロスオーバーを下げるためには、例えば、高密度に触媒粒子を層状に配置する必要がある。しかし、電解質膜中に配置される粒子は、ナノサイズの非常に小さな粒子であるため、高密度に配置すると凝集してしまい、局所的に粒子が存在してしまい、Hが粒子間を通り抜けることが容易であり、クロスオーバーを下げることは難しい。もしも、高密度に粒子を分散させることが出来たとしても、触媒を配置した層状の領域において触媒の粒子が占める割合が非常に高くなりプロトンの伝導性が低下してしまう。従って、粒子状で多孔質ではない触媒を電解質膜中に層状に配置することはできない。つまり、粒子状の触媒は、島状に粒子を配置することはできるが、層状に粒子が接続するように配置することはできない。一方、実施形態では、積層構造体が壁のようになり、クロスオーバーを下げることができる。そして、積層構造体は、空隙を多く含むため、プロトンや水などの伝導はスムーズあって、膜抵抗が高くならない。
この観点から、積層構造体の空孔面積比率は、50%以上90%以下であることが好ましい。さらに、積層構造体の空孔面積比率は、60%以上80%以下であることがより好ましい。積層構造体の空隙率とは、ナノシート積層触媒層3の積層構造体内部の電解質膜1、2とは接していない領域の面積比率([ナノシート積層触媒層3の積層構造体内部の電解質膜1、2とは接していない領域の面積]/[ナノシート積層触媒層3の面積])である。なお、積層構造体の空隙に繊維状カーボンを含む多孔質ナノカーボン又はナノセラミックスを配置させている場合においては、繊維状カーボンを含む多孔質ナノカーボン又はナノセラミックスを積層構造体の空隙とみなす。また、触媒の空孔率がこの範囲内であれば、貴金属の利用効率を低下させることなく、物質を十分に伝導させることができる。
ナノシート積層触媒層3の積層構造体内部の電解質膜1、2とは接していない領域の面積比率は、図1のA−A’の仮想線(破線)から図の断面の垂直方向のナノシート積層触媒層3の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)観察する。ナノシート積層触媒層3が薄いため、断面の一部がナノシート積層触媒層3である場合は、ナノシート積層触媒層3である部分のみを観察する。観察画像のコントラストから空孔面積比率を求めることができる。また、観察画像から、ナノシート積層触媒層3が島状の触媒ではなく、平面状に広がった構造であることも確認できる。なお、積層構造体の内部に水を含む場合は、水は、空隙とみなして面積比率を求める。
ナノシート積層触媒層3に用いられる触媒は、水素と酸素に反応触媒になるものであればよく、例えば、Pt又は少なくともPtを含む合金で、Pt1−uで示される組成を有する触媒が望ましい。ここで、uは、0<u≦1であり、元素Mは、Co、Ni、Fe、Mn、Ta、W、Hf、Si、Mo、Ti、Zr、Nb、V、Cr、AlおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種である。この合金触媒では、0原子%より多く90原子%以下のPt、および10原子%以上100原子%未満の元素Mを含んでいる。また、触媒中のPt量は、0.01〜0.50mg/cmがよい。0.02mg/cm以下では、クロスオーバーの低減効果が低く、0.50mg/cm以上では、膜抵抗が増大する。上記した金属触媒を使用した場合は少ない使用量においても、高い耐久性を保つことが可能である。
触媒の含有量は、誘導結合プラズマ質量分析計(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:ICP−MS)で含有元素と含有量を分析し、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(Scanning Electron Microscope / Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:SEM−EDX)でマッピングを行うことで、元素分布を観察して分析される。また、酸化物の特定には、X線回折装置を利用することが好ましい。
ナノシート積層触媒層3の作製方法を図3を用いて説明する。図3に示すように基材5上に転写層4を形成し、その上にPt又はPt合金と、酸又はアルカリで溶解する金属と、をスパッタで交互に積層した後に、酸又はアルカリで溶解する金属を溶解させ作製する。ナノシート積層触媒層3の作製後、基材5は、剥離して除去する。
転写層4は、電解質膜2とナノシート積層触媒層3を結合させるために設けられる。転写層4の作製方法は、基材5上にどのような方法で作製してもよいが、具体的には、無機ナノ粒子のみの分散溶液、ポリマー溶液、バインダー(ポリマー)を含んだ無機ナノ粒子の分散液などを基材に塗布し、乾燥させて作製する。転写層4の厚みは、0.1μm以上15μm以下が好ましい。15μmを超えると、プロトンが伝達しにくくなるため積層電解質膜100の抵抗が増大するため好ましくない。一方、0.1μmより薄いと基材5を剥離する際にナノシート積層触媒層3の触媒も基材5と共に剥離してしまうため好ましくない。一方、使用するポリマー及びバインダーは、後の工程条件に耐えるものであればよい。具体的には、パールフルオロスルホン酸系電解質(電解質膜1、2に用いられた電解質と同じであっても異なってもよい)、ポリベンゾチアゾール(PBT)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)などを挙げられるが限定されるわけではない。転写層4の塗布方法は、塗布できる方法ならどんな方法でもよく、例えば、スピンコート法、ブレードコート法、インクジェット法、グラビア法、スプレーコート法などが挙げられるが、限定されるわけではない。塗布した膜の乾燥は、加熱乾燥で行いその温度は、60℃以上で250℃未満が好ましい。乾燥時間については、使用する溶媒及び電解質の膜厚により調整できる。60℃以未満なら、溶剤が十分揮発せず、250℃以上になると高分子膜(バインダー)が分解する可能性がある。
積層電解質膜100は、電解膜1上にこのナノシート積層触媒層3(転写層4も同時に転写される)を転写したのち、転写層4上に電解質膜2を張り合わせる又は電解質溶液を塗布して電解質膜2を形成して作製する。
電解質膜2の塗布方法は、塗布できる方法であればよく、例えば、スピンコート法、ブレードコート法、インクジェット法、グラビア法、スプレーコート法などが挙げられるが、限定されるわけではない。塗布した膜の乾燥は、加熱乾燥で行いその温度は、60℃以上で250℃未満が好ましい。乾燥時間については、使用する溶媒及び電解質膜の膜厚により調整できる。60℃以未満なら、溶剤が十分揮発せず、250℃以上になると高分子膜(バインダー)が分解する可能性がある。
転写層4及び電解質膜2の張り合わせの際は、温度と圧力をかけて行う。張り合わせる電解質膜2は、水で十分に膨潤した状態でも、乾いた状態でもよい。転写温度及び張り合わせ温度は、80〜200℃で、特に120〜180℃が好ましい。加圧は、例えば、ホットプレスで行うなら50kg/cm未満がよい。50kg/cm以上であると、機械的強度の低下を起こす可能性がある。その他、加圧加熱乾燥方法としてロールによる方法でも行うことができる。
基材5は、転写時の転写温度に耐え、酸及びアルカリの水溶液に対してある程度安定なら何でもよく、具体的には、カーボン、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、PTFEフィルム、PENフィルムなどを挙げるが限定されるわけではない。
実施形態1の積層電解質膜100は、電解質膜1と電解質膜2の間にナノシート積層触媒層3を設ける。積層電解質膜100を水電解の電解質膜として用いると、ナノシート積層触媒層3が水素や酸素などのガスを遮蔽することでクロスオーバーを抑制する。また、積層電解質膜100の厚さに対してナノシート積層触媒層3の厚さが薄いため、プロトン伝導性を阻害しない膜抵抗の低い積層電解質膜ができる。積層電解質膜100の厚さに対するナノシート積層触媒層3の厚さ([積層電解質膜100の厚さ]/[ナノシート積層触媒層3の厚さ])は、0.01/1000以上0.5/1000以下であることが好ましい。
なお、積層電解質膜100中に化学的耐久性を増加させるための添加剤が添加された膜を有していてもよい。添加剤としては、ラジカル捕捉剤及びラジカル分解剤などである。例えば、添加剤として有機リン系化合物、芳香族アミン系化合物、フェノール系化合物、チオエーテル系化合物、CeO、MnOなどが挙げられる。ラジカル捕捉剤又は過酸化水素分解剤は、0質量%以上10質量%以下の割合で含有してもよい。
図1の例によらず、転写層4の代わりに基材5を有していてもよい。例えば、この場合、ガラスペーパー(多孔質無機材料であればよい)を基材5として用いることで、電解質膜2の補強剤になって転写層4が不要になる。
また、図1の例によらず、転写層4に接するのが電解質膜2ではなく電解質膜1であってもよい。
(実施形態2)
図4に実施形態2の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)200の断面図を示す。
実施形態2の膜電極接合体200は、第1電極6と、第2電極7と、積層電解質膜100を含む。膜電極接合体200を水電解に用いると、積層電解質膜の膜抵抗が低く、クロスオーバーが低い点で好ましい。
第1電極6は、カソードである。第1電極6は、電解質膜1と接し水電解する触媒を含んだ第1触媒層(図示せず)と、第1触媒層を支持する支持体(図示せず)とを有する。第2電極7は、アノードである。第2電極7は、電解質膜2と接し水電解する触媒を含んだ第2触媒層(図示せず)と、第2触媒層(図示せず)を支持する支持体(図示せず)とを有する。また、第2電極(アノード)7と接する電解質膜の電解質膜がパールフルオロスルホン酸系電解質膜であると、ラジカルなどの化学的耐久性が増大するため望ましい。第1、第2触媒層は、同じ触媒を用いても異なる触媒を用いてもよく、少なくとも一方がナノシート積層触媒層3のような積層構造体であることが好ましい。積層構造体を用いると、さらに水素や酸素などのガス遮蔽率が向上し、クロスオーバーが少なくなる。第1、第2触媒層はカーボンや導電性酸化物など材料を支持体として、その表面に触媒を担持させた担持触媒によって構成される。支持体は主要な電極触媒反応に殆ど寄与しないが、触媒材料の反応面積の向上など触媒材料を制御できるほか、空孔構造、電気伝導性、イオン伝導性などを改善できる。
第1、第2触媒層の触媒材料は、例えば、Pt、Ru、Rh、Os、Ir、PdおよびAuなどの貴金属元素からなる群から選択される少なくとも1種を含む。このような触媒材料は、触媒活性、導電性および安定性に優れている。上記の貴金属は、酸化物として用いることもでき、2種以上の金属を含む複合酸化物または混合酸化物であってもよい。
最適な貴金属元素は、膜電極接合体200が使用される反応に応じて適宜選択することができる。
例えば、水電解のカソードとして水素生成反応が必要である場合、Pt1−uで示される組成を有する触媒が望ましい。ここで、uは、0<u≦1であり、元素Mは、Co、Ni、Fe、Mn、Ta、W、Hf、Si、Mo、Ti、Zr、Nb、V、Cr、AlおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種である。この触媒は、0原子%より多く90原子%以下のPt、および10原子%以上100原子%未満の元素Mを含んでいる。
一方、水電解のアノードとして水の酸化反応(酸素発生反応)が必要である場合、Irを少なくとも含む酸化物触媒、Pt、RuとIrのうちのいずれか1種以上を含む酸化物触媒、Pt、RuとIrのうちのいずれか1種を含む金属触媒やPt、RuとIrのうちのいずれか1種を含む合金触媒が望ましい。酸化物触媒としては、例えば、Ir1−zOで示される組成を有する触媒が挙げられる。ここで、zは、0.5<zであり、元素Mは、Co、Ni、Fe、Mn、Ta、W、Hf、Si、Mo、Ti、Zr、Nb、V、Cr、Sr、およびSnよりなる群から選択される少なくとも1種である。この酸化物触媒は、金属成分元素だけで考えた際、50原子%以上でそのうち、0原子%以上50%原子未満の元素Mを含んでいる。具体的な酸化物触媒としては、IrO、RuO、IrRu、IrNi、IrSr及びIrRuNiよりなる群から選択される少なくとも1種等のPt、RuとIrののうちのいずれか1種以上の金属と、任意に1種以上の元素Mを含む酸化物触媒が挙げられるが実施形態の膜電極接合体200のアノード触媒としては、これらに限定されるわけでない。
膜電極接合体200は、第1電極6と第2電極7を積層電解質膜100と結合させることで作製する。一般的に加熱・加圧して第1触媒層と積層電解質膜100を結合させる。この場合は第1、第2触媒層の形成支持体がガス拡散層の場合は、第1、第2触媒層を含む支持体で積層電解質膜100を挟んで図4に示すように積層し、結合することにより膜電極接合体200が得られる。
また、第1、第2触媒層の形成支持体が転写用基板の場合は、まず、転写用基板から第1、第2触媒層を積層電解質膜100に転写し、第1、第2触媒層を電解質膜100に転写して、膜触媒層接合体(Catalyst Coated Membrane;CCM)を作製し、このCCMを2つのガス拡散支持体を挟んで図4に示すように積層し、加熱・加圧して結合することにより膜電極接合体200が得られる。あるいは、第1、第2触媒層の少なくとも一方を、電解質膜100に転写した後、その上にガス拡散層を配置してもよい。これらを図4に示すように積層し、加熱および加圧して結合して膜電極接合体200が得られる。
実施形態に係る膜電極接合体200は、電解質膜1と第1電極6と、電解質膜2と第2電極7が結合し、ナノシート積層触媒層3と電極6、7が離間する。電極6、7との結合性がナノシート積層触媒層3よりも電解質膜1、2の方が高いため。膜電極接合体200を水電解に用いると水中で剥離しにくい。
(実施形態3)
図5に実施形態3の水電解用セル300の断面図を示す。
図5に示すように実施形態3の水電解用セル300は、膜電極接合体200と、第1電極(カソード)6と、第2電極(アノード)7と、積層電解質膜100と、カソード給電体10と、セパレーター11と、アノード給電体12と、セパレーター13と、ガスケット(シール)8と、ガスケット(シール)9と、を有する。カソード給電体10及びアノード給電体12は、ガスや水を通すものであれば良い。また、給電体10、12は、セパレーター11、13と一体化してもよい。具体的には、セパレーターに水やガスが流れる流路を持つものや、多孔質体をもつものなどであり、これに限定されるわけではない。実施形態の積層電解質膜100を用いた水電解用セル300は、膜電極接合体200を水電解に用いると、積層電解質膜の膜抵抗が低く、クロスオーバーが低いため、高効率な水電解が行えるため好ましい。
図5の水電解用セル300は、図示しない電極がカソード給電体6とアノード給電体12と接続し、カソードとアノードで反応が生じる。アノードには、水が供給され、アノード電極で、水が、プロトン、酸素と電子に分解される。電極の支持体と給電体が多孔質体であり、この多孔質体が流路板として機能する。生成した水と未反応の水は、排出され、プロトンと電子はカソード反応に利用される。カソード反応は、プロトンと電子が反応し、水素を生成する。生成した、水素及び酸素のいずれか一方又は両方は、例えば、燃料電池用燃料として利用される。セパレーター11、13で膜電極接合体200は保持され、ガスケット(シール)8、9で気密性を保たれている。
(実施形態4)
図6は、実施形態4のスタックを示す図である。
図6に示す実施形態4のスタック400は、膜電極接合体200又は水電解用セル300を複数個、直列に接続したものである。水電解用セルの両端に締め付け板14、15が取り付けられている。
1枚のMEA200又は水電解用セル300による電圧は低いため、MEA200又は水電解用セル300を複数個、直列に接続したスタック400を構成すると、高い電圧を得ることができる。一枚のMEA200からなる水電解用セル300での水素生成量は少ないため、水電解用セル300を複数、直列に接続したスタック400を構成すると、大量の水素を得ることができる。
(実施形態5)
図7は、実施形態5の水電解装置を示す図である。
実施形態5は、水電解装置500には、スタック400が用いられる。図7に示すように水電解用単セルを直列に積層したものを水電解用スタック400として用いる。水電解用スタック400には、電源21が取り付けられ、アノードカソード間に電圧が印可される。水電解用スタック400のアノード側には、発生したガスと未反応の水を分離する気液分離装置18、混合タンク17がつながっており、混合タンク17には、水を供給するイオン交換水製造装置16からポンプ22で送液し、気液分離装置18から逆止弁23を通して、混合タンク17で混合してアノードへ循環させる。アノードで生成した酸素は、気液分離装置18を経て、酸素ガスが得られる。一方、カソード側には、気液分離装置20に連続して水素精製装置19を接続して、高純度水素を得る。水素精製装置19と接続した弁24を有する経路を経て不純物が排出される。運転温度を安定に制御するためスタックおよび混合タンクの加熱や、熱分解時の電流密度等の制御することができる。
(実施形態6)
図10は、実施形態6の水素利用システム600を示す図である。
実施形態6では、水電解装置500が用いられる。図10に示すように太陽光発電や風力発電などの電力源61からの電力を水電解装置500で水素ガスに変換する。さらに水素ガスは直接的に水素発電装置62もしくは水素ガスタンク63を経由して水素発電装置62に供給される。水素発電装置62では空気と反応することで電気に変換され、駆動装置64の電力として使用することができる。尚、水素発電装置は62、水素ガスタービンや燃料電池などを挙げることができ、駆動装置64としては車や家電器具、産業用装置などが挙げられる。本発明の電極を用いることで、消費電力が少なくかつ耐久性の高い実施形態6の水素利用システムの構築が可能になる。
(実施形態7)
図11は、実施形態7の水素利用システム700を示す図である。
実施形態7では、水電解による水素製造および発電が切り替わる可逆燃料電池(Unitized Regenerative Fuel Cell:URFC)を搭載している。可逆燃料電池用に水電解スタック400が用いられる。図8に示すように水電解用セル300を直列に積層したものを水電解用スタック400として用いる。水電解用スタック400には、太陽光発電や風力発電などの電力源71が取り付けられ、水素製造モードではアノードカソード間に電圧が印可される。水電解用スタック400のアノード側には、発生したガスと未反応の水を分離する気液分離装置72、混合タンク73aがつながっており、混合タンク73aには、水を供給するイオン交換水製造装置74からポンプ75aで送液し、気液分離装置72から逆止弁75bを通して、混合タンク73aで混合してアノードへ循環させる。アノードで生成した酸素は、気液分離装置72を経て、酸素ガスが得られる。一方、カソード側には、気液分離装置76に連続して水素精製装置77を接続して、高純度水素を得る。高純度水素ガスは水素ガスタンク73bに蓄えられる。気液分離装置76と接続した弁78を有する経路を経て不純物が排出される。
他方、発電モードでは水素タンク73bに蓄えられた高純度水素が水電解スタック400に供給され、外部の空気と反応することで、燃料電池反応によって電気に変換され、駆動装置79の電力として使用することができる。駆動装置79としては車や家電器具、産業用装置などが挙げられる。本発明の電極を用いることで、小型コンパクトであり、消費電力が少なくかつ耐久性の高い実施形態7の水素利用システムの構築が可能になる。
以下実施例で詳しく説明する。
(実施例1〜16と比較例1〜4)
(転写用塗布液の調整)
ポリポットに所定量のフッ素系電解質分散液(20%nafion分散溶液、Du Pont社製)にエタノールを加え、バインダーおよびナノ無機粒子など所定量添加し、ジルコニアボール(直径5mm)を40個加えて、ペイントシェーカーで90分間分散させ、転写層4用塗布液を調整した。作製した塗布液の組成を、S1〜7を表1に示す。
Figure 0006952664
(5% WO/TiO超強酸酸化物の作製)
酸化タングステン(和光純薬製)WOを熱濃アンモニア水溶液(和光純薬製,15%水溶液)に溶解させた水溶液を調整した。この水溶液と、酸化チタンTiO(昭和電工製,スーパータイタニアF−6)を水中に分散した分散液と、を混合した。これを80℃で蒸発乾固してTiO上にタングステン酸アンモニウムを担持した。得られた前駆体を100℃,6時間で乾燥した後,700℃,4時間で焼成,タングステン酸アンモニウムを熱分解してWO/TiOを得た。WO/TiOの組成は重量比で5/95を作製した。
上記で調整した転写層4溶液15.0gをカプトンフィルム(50μm)上に複合膜用分散液をスプレーで塗布(直径15cm、幅10cmのドラムカプトンフィルムをセット、約550rpmでドラムを回転し、幅10cmの間隔でスプレー部分を往復させて塗布)し、60℃で10分乾燥したのち、160℃で10分乾燥し、転写層4を作製した。
(転写層4触媒の作製)
転写層4上にPt、PtCo、PtNi、PtCoNiの各種金属触媒と間隙剤を交互にスパッタした後、酸でエッチングし、水洗後加熱乾燥して作製した。Pt及びPt合金触媒中の白金loading量を表2に示す。
(積層電解質膜100の調整M1〜15の作製)
上記で作製した転写層4上に電解質膜1を置き、ホットプレス(160℃、5分、12.5kg/cm)で転写し、カプトンをはがして、ナノシート積層触媒層3を転写後、電解質膜2を転写層4上に置き、同様な条件でホットプレスして、積層電解質膜M1〜M14を作製した。
但し、積層電解質膜M15は、ナノシート積層触媒層3を転写後、1%nafionとける液を上述のスプレー塗布法により塗布し、60℃で10分乾燥したのち、ホットプレス(160℃、5分、12.5kg/cm)で作製した。電解質膜2を5μmであった。詳しい構成は、表2に示す。
(積層電解質膜100の調整M16の作製) ガラス繊維ろ紙(ADVANTEC社製 GC−50、190μm)にPtCo金属触媒と間隙剤を交互にスパッタした後、酸でエッチングし、水洗後加熱乾燥して作製した。PtCo触媒中の白金loading量を表2に示す。
PTFEフィルム上に上記の触媒層付ガラス繊維ろ紙(触媒層を上にして)を固定して、25wt%Aquivion(d72―25BS)水溶液をエタノールで5%に薄めた溶液を十分に塗布し60℃で10分乾燥した。その後、ホットプレスで160℃かつ10kg/cmの圧力で5分間プレスした。冷却後、PTFEフィルムからはずして、厚み200μmの膜を得た。この膜の作成時のPTFEフィルム側に、さらに、5wt%Aquivion(d72―25BS)水溶液をエタノールで5%に薄めた溶液を塗布し、約1μmの膜を作成し、電解質膜M16を作製した。
(複合電解質膜C1〜C3の作成)
(比較例1 複合電解質膜C−1)
まず、50mlポリポットに白金ブラック(TKK社製)0.625g、水10.0gを加えよく攪拌させたのち、エタノール7.50gとIPA7.50gを加え、さらにnafion溶液9.06gを加えた。そこに、ジルコニアボール(直径5mm)を40個加えて、ペイントシェーカーで90分間分散させ、触媒塗布液の調整をした。この触媒分散液をドラム(直径15cm、幅10cmのドラム)上にセットしたPTFEフィルム(100μm)上に、ドライヤーで乾燥しながら、ドラムを約550rpmで回転し、幅10cmの間隔でスプレー部分を往復させて塗布したのち、ホットプレート上で60℃で10分乾燥したのち、さらに、130℃で10分乾燥し、触媒転写層を作製した。この触媒層の厚みは、約10μmでPt−loading量は、2.0mg/cmであった。この触媒転写層上にnafion115に置き、ホットプレス(160℃、5分、12.5kg/cm)で転写し、PTFEをはがして、複合電解質膜C−1を作製した。
(比較例2 複合電解質膜C−2)
Nafion115を水で十分に膨潤させた後、片面をPTFEフィルムでマスクし、0.03M Pt(NHCl水溶液に2分間浸漬し、カチオン交換を行った後、水で洗浄後、1%NaBH水溶液に3時間浸漬し還元を行った。水洗したのち60〜70℃の10%硝酸に約1時間浸漬し、イオン交換水で洗浄し、さらに、60〜70℃の10%硝酸に約1時間浸漬し、イオン交換水で洗浄してPtを 複合した電解質膜C−2を作製した。膜内のPt−loading量は、0.24mg/cmであった。
(比較例3 複合電解質膜C−3)
電解質膜nafion212を用いて、比較例2と同様にして、Ptを複合した電解質膜を作製した。この膜を水で十分膨潤した状態で、Ptと複合化していない面上にnafion212をホットプレス(160℃、5分、12.5kg/cm)で熱圧着し、複合電解質膜C−3を作製した。Pt−loading量は、0.24mg/cmであった。
(アノード電極の作製)
アノード電極は、200μmのチタン多孔体上に反応性スパッタによりIrNiと間隙剤を交互にスパッタし積層構造体を作製したのち、酸処理でエッチングした後、加熱乾燥し、435℃で1時間加熱処理をして作製した。IrNi触媒層はでIr量0.12mg/cm(22層)である
(カソード電極の作製)
カソード電極MPL(マイクロポ−ラス層)付きカーポンペパーの上にPtCoと間隙剤を交互にスパッタした後、酸でエッチングし、水洗後加熱乾燥し、350℃で1時間加熱処理をして作製した。PtCo合金触媒で白金量0.14mg/cm(28層)である。
(膜電極接合体の作製)
(実施例1〜16)
アノード電極およびカソード電極をそれぞれ20mm角にそれぞれ裁断する。アノード電極、積層電解質膜M1〜M15、カソード電極を順次積み重ね、ホットプレス(12.5kg/cm、165℃、4分)で圧着したのち、室温に冷却しMEAを作製した。その結果を表2に示す。ただし、電解質膜11側をカソード側に配置し、作製した
(比較例1〜4)
上記のMEAの作製条件と同様で膜がnafion115及び複合電解質膜C1〜C3を用いてMEA(比較例1〜4)を作製した。その結果を表2に示す。
(水電解能評価)
チタン製水電解用セルは、アノードおよびカソードの給電体(セパレーターと一体型)として、チタンの流路版を用いて、電極面積4cmの単セル(アノード&カソード;ストレート流路)を用いた。常圧でセル温度は80℃で、温度を維持するようにヒーターで加熱して、アノードにイオン交換水を水分解に必要な量の数倍量の水を循環して使用した。水電解は、セル温度80℃で菊水社製の電子負荷装置を用いて電流密度2A/cmで水分解を行った。その際の水の分解電圧と1KHzの交流インピーダンス抵抗を測定した結果を表2に示す。
(水素のクロスオーバーの測定)
上記の水電解条件の定電流で水分解を行い、アノード側から出てくるガスから水分を分離し、30分間捕集したのち、GC−MSで水素濃度を測定した。測定は、50時間後と500時間後とを測定し、その測定結果を表2に示す。
Figure 0006952664
PEM型水電解で標準的に使われているnafion115を使った比較例4と比較して、いずれの場合も積層電解質膜を使用したMEAは、クロスオーバーが大幅に低く、抵抗もほとんど上がらず低く、電圧も低く高効率である。また、比較例5〜7(Pt を膜内に分散した複合電解質膜)では、クロスオーバー初期の低減は可能であるが、500時間後には、2倍以上となり大幅な増加がみられる。しかし、積層電解質膜100を用いたMEAでは、500時間で最大でも20%程度しか増加しない。したがって、クロスオーバーが小さく、膜抵抗が低抵抗のMEAができた。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、説明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…電解質膜;2…電解質膜;3…ナノシート積層触媒層;4…転写層;5…カソード給電体;6…第1電極;7…第2電極;8…ガスケット(シール);9…ガスケット(シール);10…カソード給電体;11…セパレーター;13…セパレーター;14…締め付け板;15…締め付け板;12…アノード給電体;13…セパレーター;16…イオン交換水製造装置;17…混合タンク;18…気液分離装置;19…水素精製装置;20…気液分離装置;21…電源;22…ポンプ;23…逆止弁;24…弁;100…積層電解質膜;200…膜電極接合体;300…水電解用セル;400…スタック;500…水電解装置、600…水素利用システム、61…電力源、62…水素発電装置、63…水素ガスタンク、64…駆動装置、
700…水素利用システム、71…電力源、72…気液分離装置、73a…混合タンク、73b…水素ガスタンク、74…イオン交換水製造装置、75a…ポンプ、75b…逆止弁、76…気液分離装置、77…水素精製装置、78…弁、79…駆動装置

Claims (16)

  1. 第1電解質膜と、
    第2電解質膜と、
    前記第1電解質膜と前記第2電解質膜の間に設けられ、複数のナノシート状触媒が間隙をもって積層された積層構造体を含むナノシート積層触媒層と
    前記第2電解質膜と前記ナノシート積層触媒層の間に転写層と、
    を具備し、
    前記転写層は、パールフルオロスルホン酸系電解質、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、又は、ポリベンゾイミダゾールであり、
    前記ナノシート積層触媒層は、前記第1電解質膜と前記転写層に接している積層電解質膜。
  2. 前記ナノシート状触媒は、Pt又はPt合金を含有する請求項1に記載の積層電解質膜。
  3. 前記ナノシート積層触媒層の厚みは、10nm以上2000nm以下である請求項1又は2に記載の積層電解質膜。
  4. 前記積層電解質膜の膜厚は、25μm以上250μm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の積層電解質膜。
  5. 前記積層電解質膜中にラジカル捕捉剤又は過酸化水素分解剤を添加した請求項1から4のいずれか1項に記載の積層電解質膜。
  6. 前記間隙に、繊維状カーボンを含む多孔質カーボン又はセラミックスを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の積層電解質膜。
  7. 前記積層構造体の空孔面積比率は、50%以上90%以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の積層電解質膜。
  8. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に請求項1から6のいずれか1項に記載の積層電解質膜が設けられる膜電極接合体。
  9. 前記第1電極はカソードであり、前記第2電極はアノードである請求項8に記載の膜電極接合体。
  10. 前記第2電極と接する電解質膜がパールフルオロスルホン酸系電解質膜である請求項9に記載の膜電極接合体。
  11. 前記ナノシート積層触媒層と、前記第1電極又は前記第2電極が離間する請求項8から10のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  12. 前記第1電極は、複数のナノシート状触媒が間隙をもって積層された積層構造体を含む請求項8から11のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  13. 請求項8から12のいずれか1項に記載の膜電極接合体を用いた水電解用セル。
  14. 請求項8から12いずれか1項に記載の膜電極接合体又は請求項13に記載の水電解用セルを用いたスタック。
  15. 請求項8から12のいずれか1項に記載の膜電極接合体、請求項13に記載の水電解用セル、又は請求項14に記載のスタックを用いた水電解装置。
  16. 請求項15に記載の水電解装置を用いた水素利用システム。
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