JP6951667B2 - リチウムイオン二次電池用電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電解液に関する。
近年、リチウムイオン二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池はその普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。リチウムイオン二次電池の高性能化の一つの方法としては、電解液の改良がある。改良された電解液の例として、特許文献1および特許文献2には、メチルジフルオロアセテートおよびリチウムイミド塩を含有する電解液が開示されている。このような電解液は、熱安定性が高く、充放電特性も良好である。
特開2007−087883号公報 国際公開第2014/125946号
しかしながら本発明者らが鋭意検討した結果、メチルジフルオロアセテートおよびリチウムイミド塩を含有する電解液をリチウムイオン二次電池に用いた場合に、高温保存時の自己放電が大きいという問題があることを見出した。
そこで本発明は、メチルジフルオロアセテートおよびリチウムイミド塩を含有するリチウムイオン二次電池用電解液であって、リチウムイオン二次電池を高温保存した際の自己放電を小さくすることができる電解液を提供することを目的とする。
ここに開示されるリチウムイオン二次電池用電解液は、電解質としてリチウムイミド塩と、溶媒としてメチルジフルオロアセテートと、添加剤としてオキソカーボン酸ホウ酸塩と、を含有する。
このような構成によれば、リチウムイオン二次電池を高温保存した際の自己放電を小さくすることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液が用いられているリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図1のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないリチウムイオン二次電池用電解液の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液は、電解質としてリチウムイミド塩と、溶媒としてメチルジフルオロアセテートと、添加剤としてオキソカーボン酸ホウ酸塩と、を含有する。
本実施形態において電解質として用いられるリチウムイミド塩の例としては、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等が挙げられる。なかでも、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドが好ましい。
電解質は、リチウムイミド塩以外の塩(例えば、LiPF等)を含有していてもよい。電解質中のリチウムイミド塩以外の塩の含有量は、特に限定されないが、4質量%未満が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0質量%が最も好ましい。
電解液中のリチウムイミド塩の濃度は、本発明の効果が得られる限り特に限定されない。電解質としての機能を適切に発揮させる観点から、電解液中のリチウムイミド塩の濃度は、好ましくは0.5mol/L以上5mol/L以下であり、より好ましくは1.0mol/L以上2.5mol/L以下である。電池抵抗がより低くなることから、リチウムイミド塩の濃度は、最も好ましくは1.5mol/L以上2.5mol/L以下である。
本実施形態において溶媒として用いられるメチルジフルオロアセテートは、分子量が小さく電池の低抵抗化に有効な溶媒成分である。また、引火点が21℃以上であるため、引火しにくいという利点も有する。
溶媒は、メチルジフルオロアセテート以外の溶媒を含有していてもよい。その例としては、カーボネート類等が挙げられる。
溶媒中におけるメチルジフルオロアセテートの含有量は、特に限定されないが、70体積%以上が好ましい。高い低温出力の観点からは、溶媒中におけるメチルジフルオロアセテートの含有量は、80体積%以上がより好ましく、90体積%以上がさらに好ましく、100体積%が最も好ましい。
本実施形態においては、添加剤としてオキソカーボン酸ホウ酸塩が用いられる。
オキソカーボン酸とは、エンジオール(−C(OH)=C(OH)−)がカルボニル基によりつながった環構造を有する環状化合物のことをいう。当該環状化合物は、典型的には3〜7員環構造を有し、その例として、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、ロジゾン酸、ヘプタゴン酸が挙げられる。
オキソカーボン酸ホウ酸とは、オキソカーボン酸の上記エンジオールのヒドロキシル基において、水素の代わりにホウ素が酸素原子に結合したホウ酸化合物をいう。
オキソカーボン酸ホウ酸塩としては、オキソカーボン酸ホウ酸のリチウム塩であることが好ましく、リチウムビスオキソカーボン酸ホウ酸塩であることがより好ましい。リチウムビスオキソカーボン酸ホウ酸塩の好適な例としては、リチウムビス(クロコン酸)ホウ酸塩(Lithium bis[croconate]-borate)等が挙げられる。なお、リチウムビス(クロコン酸)ホウ酸塩は、下記式(1)で表される化学構造を有する。
Figure 0006951667
電解液中のオキソカーボン酸ホウ酸塩の濃度は、本発明の効果が得られる限り特に限定されない。添加剤としての機能を適切に発揮させる観点から、電解液中のオキソカーボン酸ホウ酸塩の濃度は、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.1質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上0.05質量%以下がより好ましい。
なお、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、他の添加剤を含有していてもよい。
他の添加剤の好適な例としては、下記式(2)で表される不飽和無水カルボン酸化合物(以下、「不飽和無水カルボン酸化合物(2)」ともいう)が挙げられる。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液が、添加剤として不飽和無水カルボン酸化合物(2)をさらに含有することにより、リチウムイオン二次電池を高温保存した際の自己放電をより小さくすることができる。
Figure 0006951667
式(2)中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、またはフッ素置換されていてもよいアルキル基であるか、RおよびRは結合して、環構造を形成する。
式(2)に関し、RおよびRで表されるフッ素置換されていてもよいアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜3である。
およびRが結合して環構造を形成する場合、当該環構造は、芳香環および脂肪族環のいずれであってもよく、その例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
およびRは好ましくは、水素原子である。すなわち、不飽和無水カルボン酸化合物(2)は、好ましくは無水マレイン酸(R=H,R=H)およびシトラコン酸無水物(R=H,R=CH)であり、より好ましくは無水マレイン酸である。
不飽和無水カルボン酸化合物(2)の濃度は、本発明の効果が得られる限り特に限定されない。不飽和無水カルボン酸化合物(2)の濃度が大きいと、サイクル特性が大きく向上するものの抵抗低減効果が小さくなる傾向がある。一方で、不飽和無水カルボン酸化合物(2)の濃度が小さいと、抵抗が非常に小さくなるもののサイクル特性向上効果が小さくなる傾向がある。サイクル特性と電池抵抗のバランスの観点から、電解液中の不飽和無水カルボン酸化合物(2)の濃度は、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上3質量%以下である。
他の添加剤の別の例としては、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;被膜形成剤;分散剤;増粘剤等が挙げられる。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液は、公知方法に従い、リチウムイオン二次電池に用いることができる。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液をリチウムイオン二次電池に用いることにより、高温保存した際のリチウムイオン二次電池の自己放電を小さくすることができる。
その理由は、以下のように考えられる。
リチウムイオン二次電池が高温保存時に放置されることにより、開回路電圧(OCV)の低下(残存容量の低下)が起こるが、再度充電することにより容量は回復する。リチウムイミド塩が負極側で還元反応することに起因して、負極−正極間でシャトル反応が起こることにより、リチウムイオン二次電池において可逆的な自己放電が起こる。ここで、電解液にオキソカーボン酸ホウ酸塩が添加されている場合、オキソカーボン酸ホウ酸塩の存在により絶縁性の高いSEI(Solid Electrolyte Interface)が負極に形成され、これによりリチウムイミド塩の還元反応が抑制される。この結果、自己放電が低減される。
次に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液を用いたリチウムイオン二次電池の構成例の概略を以下、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
電解液80には、上述の本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液が用いられる。なお、図1は、電池ケース30内に注入される電解液80の量を厳密に示すものではない。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、正極活物質層の密度が2.3g/cmになるまでロールプレスすることにより、正極シートを作製した。
負極活物質として、平均粒子径(D50)10μm、比表面積4.8m/g、C=0.67nm、L=27nmの天然黒鉛を準備した。この天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、ロールプレスすることにより、負極シートを作製した。
また、2枚のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、電解液と共にラミネートケースに収容し、封止した。電解液としては、電解質としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を溶媒としてメチルジフルオロアセテート(MDFA)に1.5mol/Lの濃度で溶解させ、さらに表1に示す添加剤を表1に示す添加量で含有させたものを用いた。
このようにして、評価用のリチウムイオン二次電池A1〜A3およびB1〜B2を作製した。
<コンディショニング>
上記作製した各リチウムイオン二次電池を25℃の環境下に置いた。各リチウムイオン二次電池に対し、1/3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電した後、10分間休止し、次いで1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した後、10分間休止することにより、コンディショニング処理を施した。
<容量確認>
コンディショニング処理を施した各リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下に置いた。これを1/5Cの電流値で4.1Vまで定電流−定電圧充電(カット電流:1/50C)し、10分間休止した後、1/5Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
<高温保存試験>
続いて、各リチウムイオン二次電池を60℃の環境下に置いて、2週間保存した。保存開始時の電圧は、4.1Vとした。保存後、25℃にて3.0Vまで1/5Cにて定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを残存容量とした。自己放電率(%)を、下記の式から算出した。その結果を表1に示す。
自己放電率(%)=(1−(「残存容量」/「初期容量」))×100
Figure 0006951667
MA:無水マレイン酸
LiBOB:リチウムビス(オキサラト)ホウ酸塩
LiBCB:リチウムビス(クロコン酸)ホウ酸塩
添加剤がMAのみであるリチウムイオン二次電池B1の自己放電率が35%であったのに対し、添加剤をオキソカーボン酸ホウ酸塩であるLiBCBにしたリチウムイオン二次電池A1の自己放電率は18%であり、自己放電率が低減した。これは、リチウムイオン二次電池A1において、より絶縁性の高いSEIが負極表面に形成されたことで、FSIの還元反応が抑制されたためと考えられる。添加剤がMAおよびLiBCBであるリチウムイオン二次電池A2では、自己放電率がさらに低減した。これは、反応性の高いMAが下地となり、絶縁性の高いLiBCBと混成被膜を形成することで、より緻密な膜が形成され、FSIの還元反応がより抑制されたためと考えられる。リチウムイオン二次電池A3では、LiBCBが少量でも効果が確認された。
一般的な負極添加剤の一つであるLiBOBが添加されたリチウムイオン二次電池B2では、リチウムイオン二次電池B1に対しわずかに自己放電率の低減は見られたものの、リチウムイオン二次電池A1〜A3に比べて低減効果は小さく、不十分であった。なお、LiBOBの添加量を増やすことによって、自己放電率がさらに低減することが考えられる。しかしながら、LiBOBは既に飽和溶解量に達しているため、添加量を増やすことは現実的に困難である。
リチウムイオン二次電池A1〜A3は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液に該当する電解液を用いたリチウムイオン二次電池である。よって、以上のことから、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用電解液をリチウムイオン二次電池に用いることにより、リチウムイオン二次電池を高温保存した際の自己放電を小さくすることができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (3)

  1. 電解質としてリチウムイミド塩と、
    溶媒としてメチルジフルオロアセテートと、
    添加剤としてオキソカーボン酸ホウ酸塩と、
    を含有し、
    前記リチウムイミド塩の濃度が、0.5mol/L以上5mol/L以下であり、
    前記オキソカーボン酸ホウ酸塩の濃度が、0.001質量%以上1質量%以下であり、
    前記溶媒中におけるメチルジフルオロアセテートの含有量が、70体積%以上である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電解液。
  2. 不飽和無水カルボン酸化合物をさらに含有する、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電解液。
  3. 前記不飽和無水カルボン酸化合物の濃度が、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用電解液。
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