以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態のデータ表示装置1は、被測定物Wを信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で4値のシンボル値を持つ既知パターンのPAM4信号をテスト信号として被測定物Wを送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物Wから折り返して受信する入力データの誤り率を測定する誤り率測定装置1Aとして構成される。
データ表示装置1は、被測定物Wへのテスト信号の送信に伴って被測定物Wから折り返して受信する入力データをキャプチャしてアイ開口部ごとにエラーカウントして表示するエラーカウント機能を有し、信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6、制御部7を備える。
信号発生器2は、図1に示すように、第1信号発生部2a、第2信号発生部2b、信号合成出力部2cを備えて概略構成され、多値信号として、所望のシンボル列(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列)のデータからなるPAM4信号を発生する。
PAM4信号は、振幅がシンボルごとに4種類に分けられ、図2に示すように、4つの異なる振幅の電圧レベルV1,V2,V3,V4を有し、全体の振幅電圧範囲Hが電圧レベルの低い方から低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3に分けられ、3つのアイパターン開口部による連続した範囲からなる。
第1信号発生部2aは、固定データを含む既知パターンからなる所望のPAM4シンボル列を発生するにあたり、第2信号発生部2bが生成する最下位ビット列信号(LSB:Least Significant Bit )と足し合わせてPAM4信号を生成するための最上位ビット列信号(MSB:Most Significant Bit)を生成する。
第2信号発生部2bは、第1信号発生部2aが生成する最上位ビット列信号と足し合わせてPAM4信号を生成するための最下位ビット列信号を生成する。
第1信号発生部2a、第2信号発生部2bが発生する具体的なビット列信号としては、例えばPRBS7(パターン長:27 −1)、PRBS9(パターン長:29 −1)、PRBS10(パターン長:210−1)、PRBS11(パターン長:211−1)、PRBS15(パターン長:215−1)、PRBS20(パターン長:220−1)などの各種疑似ランダムパターン(PRBS:Pseudo Random Bit Sequence)といった周期パターンや、PRBS13Q、PRBS31Q、SSPRQなどのPAMを評価するための評価用パターンがある。
信号合成出力部2cは、第1信号発生部2aが発生する最上位ビット列信号と第2信号発生部2bが発生する最下位ビット列信号とを足し合わせてPAM4信号を出力する。このPAM4信号は、被測定物Wの誤り率などを測定する際、既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力される。
誤り検出器3は、信号発生器2から既知パターンのテスト信号として基準データであるPAM4信号が被測定物Wに入力されたときに、このPAM4信号の入力に伴って被測定物Wから出力される信号を受けて誤り率などを測定するもので、図1に示すように、信号受信部3a、同期検出部3b、位置情報記憶部3c、シンボル比較部3d、比較結果データ記憶部3eを備える。
信号受信部3aは、被測定物Wから受信したPAM4信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてシンボル列(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列)に変換する。この信号受信部3aにて変換されたシンボル列のデータ(以下、シンボルデータとも言う)は、同期検出部3bに入力される。
同期検出部3bは、操作部4にて予め設定される設定タイミングにより、記憶部5から読み込んだ基準となるPAM4信号のシンボル列のデータである基準データと、被測定物Wから受信して信号受信部3aから出力されるPAM4信号のシンボルデータとの同期を取って取り込み、取り込んだ入力データとなるシンボルデータをシンボル比較部3dに出力する。
設定タイミングは、例えば表示部6の不図示の設定画面上で操作部4にて予め設定され、例えばエラーを含む特定パターンと一致するパターンのシンボルデータを受信するタイミング、被測定物Wがトリガー信号を発生するタイミング、ユーザの指示(例えばボタン操作)によりトリガー信号を発生するタイミング、エラーを検知したタイミングである。
同期検出部3bは、同期が取れたときにその旨をシンボル比較部3dへ通知するとともに、同期が取れたときの基準データにおけるシンボルの位置を表す同期位置を位置情報記憶部3cに記憶させる。
位置情報記憶部3cは、同期検出部3bにて基準データと信号受信部3aからのPAM4信号のシンボルデータとの同期が取れたときに、同期が取れたときの基準データにおけるシンボルの位置を表す同期位置を記憶する。
シンボル比較部3dは、同期検出部3bで同期が取れた後、操作部4を介したユーザなどの指示により、誤り率の測定を開始するときの位置にある基準データのシンボルから順に、同期検出部3bから出力されたシンボル列である入力データ(被測定物Wから受信したPAM4シンボルデータ)と基準データのシンボル列とを順次比較してエラーがあるシンボルを検出する。シンボル比較部3dは、例えば、基準データのシンボルから入力データのシンボルを引き算する差分の算出を行い、基準データに対する入力データのシンボル遷移量を算出し、入力データと基準データの排他的論理和(XOR)をとることで誤っているシンボル位置を表す取得エラーデータを取得し、図4に示すテーブルに基づき遷移名称を決定し、比較結果データを生成する。
シンボル比較部3dは、操作部4から波形イメージ表示開始操作がされるか、波形イメージ表示条件を満たすと、表示開始操作に応じて、または表示開始条件を満たす基準データのシンボルの位置の位置情報を同期位置とともに位置情報記憶部3cに記憶させる。合わせて、同期位置の位置情報をたとえば0とし、次のシンボルの位置情報を1、2、3、・・・といった追番として、それぞれの比較結果データとそれぞれの位置情報とを紐づけるよう位置情報記憶部3cに記憶させる。
なお、波形イメージ表示開始条件とは、例えば、予め設定したシンボル遷移が発生した場合、シンボル遷移が予め設定した所定数連続で発生した場合などをいう。
シンボル比較部3dは、操作部4から波形イメージ表示停止操作がされるか、波形イメージ表示停止条件を満たすと、表示停止操作に応じて、または表示停止条件を満たす基準データのシンボルの位置の位置情報を位置情報記憶部3cに記憶させる。
なお、波形イメージ表示停止条件とは、例えば、シンボル遷移が予め設定した所定数連続で発生しない場合などをいう。
比較結果データ記憶部3eは、基準データと同期が取れたシンボルデータとともにシンボル比較部3dによる比較結果データを記憶する。比較結果データは、入力データのシンボルのそれぞれにおいて、基準データと比較してエラーのないシンボル、すなわちシンボル遷移がないことを示す遷移名称、および基準データと比較してエラーのあるシンボルにおいて、例えば、PAM4信号の4つのPAMシンボルの各シンボルごとの遷移量と遷移方向に基づく複数の遷移名称というシンボル遷移を区別するための情報を含む。
操作部4は、設定手段としても機能するものであり、図1のデータ表示装置1に備える例えば操作ノブ、各種キー、スイッチ、ボタンや表示部6の表示画面上のソフトキーなどのユーザインタフェースで構成される。操作部4は、設定タイミングの設定、表示部6の表示画面(図3のキャプチャ画面6a)上に表示されるシンボルデータのブロックの指定、ボーレート、シンボル列の発生条件などの設定、誤り率測定の開始・終了の指示などPAM4信号の誤り率測定に関わる各種設定を行う。
記憶部5は、信号合成出力部2cからの既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力するPAM4信号のシンボル列(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列)を記憶する。この既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力するPAM4信号のシンボル列は、被測定物Wから受信した信号から生成する入力データと比較するときの基準となる基準データとなっている。
記憶部5は、設定タイミング、ボーレート、シンボル列の発生条件や、波形イメージ表示開始条件、波形イメージ表示停止条件などの情報を記憶する。これらの情報は、操作部4によりユーザインタフェースを介して適宜選択設定することができる。
記憶部5は、制御部7の後述するエラーカウント手段7aによるエラーカウントの結果(低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとのエラーがあるシンボルの総数、全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルの総数)を記憶する。
なお、制御部7や、第1信号発生部2aと第2信号発生部2bにおいて、テスト信号となるPAM4信号のシンボル列を把握できる場合は、制御部7や、第1信号発生部2aと第2信号発生部2bから記憶部5へと既知パターンのテスト信号であるPAM4信号のシンボル列、すなわち基準データを記憶するように構成してもよい。
表示部6は、図1のデータ表示装置1に備える例えば液晶表示器などで構成され、誤り率測定に関わる設定画面、各コンプライアンステスト(被測定物Wが通信規格に適合するか否かの試験)や誤り率の測定画面などを表示する。また、表示部6は、表示画面上のソフトキーなどの操作部4の操作機能を兼ね備えている。
表示部6は、後述する表示制御手段7aの制御により、比較結果データ記憶部3eに記憶されたシンボルデータをブロック単位でキャプチャ画面6aに表示する。本実施の形態では、表示部6の1つの表示領域(スクロール表示を含む表示サイズ)に表示可能なシンボルデータの塊を1ブロックとしている。例えば割り当てられる記憶容量が8Mbits(シンボルデータの4Msymbolに相当)で表示部6の1つの表示領域に表示可能なシンボルデータの塊を1ブロックとした場合、1ブロック=65536ビット=32768シンボルとして、4Msymbolのシンボルデータを予め設定される所定の分割数(1,2,4,8,16,32,64,128の何れかの分割数)で分割して比較結果データ記憶部3eに記憶する。
なお、シンボルデータの最大分割数は、比較結果データ記憶部3eに割り当てられる記憶容量に応じて決まる。例えば比較結果データ記憶部3eに割り当てられる記憶容量が8Mbitsであれば、シンボルデータの最大分割数は128分割となる。
図3は表示部6のキャプチャ画面6aの一例を示している。図3のキャプチャ画面6aの右側上部の領域には、「Block」と「Block Length」が表示される。「Block」には、キャプチャ画面6aに表示するシンボルデータが何番目のブロックかを数値入力するための入力ボックス11が表示される。「Block Length」には、1ブロック分のシンボルデータのサイズ(長さ)が表示される。図3の例では、「Block」の入力ボックス11に「1」が入力され、「Block Length」が「32768」symbolと表示されている状態を示している。なお、「Block」の入力ボックス11には、記憶部5の記憶容量に応じて決まるブロックの分割数(例えば1〜128)まで設定入力可能である。
キャプチャ画面6aの「Block Length」の下の領域には、デバッグ用途として用いられる「Viewer Mode」(閲覧モード)が表示される。「Viewer Mode」の「Notation」には、キャプチャ画面6a上に表示するデータの表記(「Bin」(NRZモードのみ)、「Hex」(NRZモードのみ)、「Symbol」(PAM4モードのみ))を指定する入力ボックス12が表示される。「Viewer Mode」の「Format」には、キャプチャ画面6a上のデータの表示形式(「Pattern」(シンボル値表示のパターンデータのみ)、「Pattern+Waveform」(図5に示すように、シンボル値表示のパターンデータ上に例えば青線による波形イメージ表示を行う))を指定する入力ボックス13が表示される。これらデータの表記と表示形式は、それぞれのプルダウンメニューから選択設定される。図3の例では、「Notation」の入力ボックス12のプルダウンメニューから「Symbol(PAM4)」が選択され、「Format」の入力ボックス13のプルダウンメニューから「Pattern」が選択されている状態を示している。
キャプチャ画面6aの「Viewer Mode」の下の領域には、「Error」が表示される。「Error」には、エラーがあったシンボルの遷移に対応した色で表示するためのチェックボックス14,15,16,17,18,19がシンボルの遷移ごとに表示される。図3の例では、赤色で表示するLower(低電圧範囲H1):「0」→「1」または「1」→「0」のシンボルの遷移のチェックボックス14、黄色で表示するMiddle(中電圧範囲H2):「1」→「2」または「2」→「1」のシンボルの遷移のチェックボックス15、青色で表示するUpper(高電圧範囲H3):「2」→「3」または「3」→「2」のシンボルの遷移のチェックボックス16、橙色で表示するMiddle(中電圧範囲H2)/Lower(低電圧範囲H1):「0」→「2」または「2」→「0」のシンボルの遷移のチェックボックス17、緑色で表示するUpper(高電圧範囲H3)/Middle(中電圧範囲H2):「1」→「3」または「3」→「1」のシンボルの遷移のチェックボックス18、紫色で表示するUpper(高電圧範囲H3)/Middle(中電圧範囲H2)/Lower(低電圧範囲H1):「0」→「3」または「3」→「0」のシンボルの遷移のチェックボックス19にそれぞれチェックが入った状態を示している。
キャプチャ画面6aの「Error」の下の領域には、特定パターンを検索するための「Move and Search」が表示される。「Move and Search」には、検索対象の特定パターンを入力するための入力ボックス20が表示され、虫眼鏡ボタン21により前後の検索を行う。
キャプチャ画面6aの「Move and Search」の下の領域には、「Error Search」が表示される。「Error Search」には、エラー検索条件を設定するための「Continuous Error」と「Target」が表示される。「Continuous Error」には、エラー検索対象のシンボルを等号(=)、等号付き不等号(≧)、数字を用いて設定するための入力ボックス22,23が表示される。「Target」には、エラー検索対象の電圧範囲(全体の振幅電圧範囲H、低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3の何れか)をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス24が表示される。図3の例では、エラー検索条件として、入力ボックス22に「≧」が入力され、入力ボックス23に「1」が入力され、入力ボックス24に「All(全体の振幅電圧範囲H)」が入力されており、全体の振幅電圧範囲Hで1シンボル以上の全てのエラーがエラー検索条件(エラー検索対象)として設定された状態を示している。
「Target」の下の領域には、キャプチャ画面6a上のカーソルを先頭のエラーのシンボルの位置に移動するためのソフトキー25、キャプチャ画面6a上のカーソルを1つ前のエラーのシンボルの位置に移動するためのソフトキー26、キャプチャ画面6a上のカーソルを1つ後のエラーのシンボルの位置に移動するためのソフトキー27、キャプチャ画面6a上のカーソルを最後のエラーのシンボルの位置に移動するためのソフトキー28が表示される。
キャプチャ画面6aの「Block Length」の左側のデータ表示領域29には、表示上の縦軸をアドレス、横軸をシンボルとして、入力データに基づく1ブロック分のシンボルデータが表示される。図3の例では、1ブロック分のシンボルデータとして32768シンボルのシンボルデータの一部がデータ表示領域29に表示されている状態を示している。なお、データ表示領域29に表示しきれないシンボルデータは、右側のスクロールバー30を用いることによりデータ表示領域29に表示させて確認することができる。
キャプチャ画面6aにおけるデータ表示領域29の下部には、最初のブロックのシンボルデータをデータ表示領域29に表示するように指示するソフトキー31、1つ前のブロックのシンボルデータをデータ表示領域29に表示するように指示するソフトキー32、1つ後のブロックのシンボルデータをデータ表示領域29に表示するように指示するソフトキー33、最後のブロックのシンボルデータをデータ表示領域29に表示するように指示するソフトキー34が表示される。
キャプチャ画面6aの下部の領域には、エラーカウントの結果として、「First Error Block/Address」、「Last Error Block/Address」、「Error Counts Upper/Middle/Lower」、「Continuous Error Counts」、「Capture Depth」が表示される。「First Error Block/Address」の表示ボックス35には、最初にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Last Error Block/Address」の表示ボックス36には、最後にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Error Counts Upper/Middle/Lower」の表示ボックス37には、低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとのエラーがあるシンボルの総数が表示される。「Continuous Error Counts」の表示ボックス38には、全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルの総数が表示される。「Capture Depth」の表示ボックス39には、キャプチャ取得ビット数が表示される。
制御部7は、PAM4信号の誤り率を測定するため、例えば中央処理装置(CPU)、ROM、RAMなどの記憶素子から構成され、信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6を統括制御するもので、エラーカウント手段7a、表示制御手段7bを備える。
エラーカウント手段7aは、比較結果データ記憶部3eに記憶された比較結果に基づくシンボルデータを元に、低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとのエラー(連続するエラーを含む全てのエラー)があるシンボルと全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラー(予め指定されたシンボル数以上の全ての連続するエラー)があるシンボルをカウントする。
表示制御手段7bは、エラーカウント手段7aの結果に基づいて各電圧範囲(低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3、全体の振幅電圧範囲H)ごとにエラーがあるシンボルの頻度を表示画面に数値表示する。具体的には、図3に示すように、キャプチャ画面6aの「Error Counts Upper/Middle/Lower」の表示ボックス37に低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとのエラーがあるシンボルの総数が表示され、「Continuous Error Counts」の表示ボックス38に全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルの総数が表示される。図3の例では、低電圧範囲H1でエラーがあるシンボルの総数:「6266」、中電圧範囲H2でエラーがあるシンボルの総数:「12522」、高電圧範囲H3でエラーがあるシンボルの総数:「6256」、全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルの総数:「12522」が表示された状態を示している。
表示制御手段7bは、エラーカウント手段7aの結果に基づいてエラーがあるシンボルの位置を識別表示する。具体的には、エラーカウント手段7aの結果に基づいてエラーがあるシンボルの位置を図4のテーブルの帯状表示例(表示形態例)に従って識別表示する。図3の例では、図4のテーブルの帯状表示例(表示形態例)に従い、キャプチャ画面6aのデータ表示領域29のアドレス「50」のシンボル「2」が橙色、アドレス「106」のシンボル「1」が緑色、アドレス「562」のシンボル「3」が緑色で識別表示された状態を示している。
表示制御手段7bは、シンボル比較部3dの入力データのシンボル値に基づいて、シンボル値表示および波形イメージ表示を表示部6に表示する。さらに説明すると、シンボル値表示は、図5に示すように、入力データの0、1、2、3のシンボル値の数字を、波形イメージの対応するそれぞれのシンボル値に合わせて表示部6に表示する。また、波形イメージ表示は、図5に示すように、入力データの0、1、2、3のシンボル値にそれぞれ合わせた振幅方向の高さ、各シンボル値ごとの時間軸方向の横幅となるように表示部6に表示する。その際、表示されるシンボル値表示の数字に縁取りなどを行い、表示画面の背景の色彩や模様、波形イメージ表示の波形の線種、色彩に対して、数字の見易さを損なわないようにする。また、シンボル値表示の数字と波形イメージ表示の波形の色彩をそれぞれ違い色彩とすることが望ましい。また、波形イメージ表示の波形がシンボル値表示の数字と重なるときには波形イメージの該当の波形の線を点線などとして数字が見やすい線種となるように表示するようにしてもよい。なお、シンボル値表示と、波形イメージ表示の実行順序は順不同の構成や同時実行の構成としてもよい。
表示制御手段7bは、比較データ記憶部3dの比較結果データに基づいて、入力データの波形イメージ表示に対し、例えば図4の帯状表示例に従い、それぞれのシンボルの遷移名称に対応して、当該シンボルの波形に対する帯状表示の色彩、帯状表示の振幅方向の向き、帯状表示の振幅方向の高さとなるように重ねて識別表示する。
なお、シンボル値表示と、波形イメージ表示および帯状表示の実行順序は順不同の構成や同時実行の構成としてもよい。さらに、シンボル値表示と、波形イメージ表示がされた状態で、操作部4からのユーザの操作により帯状表示を任意に表示、非表示するようにしてもよい。
また、シンボル遷移の種類は12種類あるため、12色の色分けをすると色数が多く、一目でどのようなエラーが入ったか、すなわちどのようなシンボル遷移が生じたかが分かりにくいことから、図4に示すように、表示形態として、例えばシンボル0から1へのシンボル遷移と、シンボル1から0へのシンボル遷移は赤色の同色彩で統一し、例えばシンボル1から2へのシンボル遷移と、シンボル2から1へのシンボル遷移は黄色の同色彩で統一し、他のシンボル遷移についても、シンボル値の数字が相互に入れ替わる関係の場合には同色彩で統一するようにしてもよい。これにより、図4の例の場合には、シンボル値の数字が相互に入れ替わる関係を同色彩とすることで6色の色分けとなり、どのようなシンボル遷移が生じたかに加え、そのアイ開口部の1つまたは複数にまたがってエラーが挿入されるようにシンボルが遷移していることが容易に判別可能となる。
さらに、シンボル値の数字が相互に入れ替わる関係においては、表示形態として、帯状表示の輝度、透明度または点滅周期は、それぞれ同輝度、同透明度または同点滅周期で統一するようにしてもよい。同様にして、シンボルエラーがある入力データの位置のシンボルに対しても、帯状表示を行う。これらの表示例の一例を図4の帯状表示例にそれぞれ示す。また、各遷移名称に対応する帯状表示の表示形態は、色彩による識別に限られず、輝度、透明度または点滅周期の差異による識別や、またはこれらの組み合わせであってもよい。
なお、波形イメージ表示開始操作、波形イメージ表示条件、波形イメージ表示停止操作、波形イメージ表示停止条件は、例えば、特定パターンのあるシンボル列を検出した場合、一定の周期ごとに現れるシンボル列を検出した場合、または、既知の通信プロトコルに準拠したデータの開始フラグなどを検出した場合などを含む。
次に、上記のように構成されるデータ表示装置1のエラーカウントの処理動作について図6を参照しながら説明する。
信号発生器2は、エラーを挿入した既知パターンのPAM4信号による基準データを被測定物Wに入力する(ST1)。信号受信部3aは、被測定物Wに基準データが入力されると、基準データの入力に伴って被測定物Wから受信したPAM4信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてシンボル列に変換する(ST2)。
続いて、同期検出部3bは、予め設定された設定タイミングにて基準となるPAM4信号のシンボル列のデータである基準データと、被測定物Wから受信したPAM4信号に基づくシンボルデータとの同期を取る(ST3)。そして、同期が取れたときの基準データにおけるシンボルの位置を表す同期位置を位置情報記憶部3cに記憶するとともに、入力データとなるシンボルデータを出力する。
その後、シンボル比較部3dは、操作部4を介したユーザなどの指示により、誤り率の測定を開始するときの位置にあるシンボルから順に、同期されたシンボルと基準データとを順次比較する(ST4)。そして、エラーのあるシンボルを検出するとともに、比較した結果である比較結果データを比較結果データ記憶部3eに記憶する。
続いて、エラーカウント手段7aは、比較結果データ記憶部3eに記憶された比較結果に基づくシンボル列から低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとにエラーがあるシンボルをカウントするとともに全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルをカウントする(ST5)。
そして、表示部6は、表示制御手段7bの制御により、エラーカウント手段7aの結果に基づいて全体の振幅電圧範囲H、低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3のエラーがあるシンボルの頻度を表示画面に数値表示する(ST6)。例えば図3のキャプチャ画面6aの「Error Counts Upper/Middle/Lower」の表示ボックス37に低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3ごとにエラーがあるシンボルの総数を表示し、「Continuous Error Counts」の表示ボックス38に全体の振幅電圧範囲Hで連続するエラーがあるシンボルの総数を表示する。
また、表示部6は、表示制御手段7bの制御により、エラーカウント手段7aの結果に基づいてエラーがあるシンボルの位置を識別表示する(ST7)。例えば図3のキャプチャ画面6aのデータ表示領域29のアドレス「50」のシンボル「2」、アドレス「106」のシンボル「1」、アドレス「562」のシンボル「3」がそれぞれエラーがあるシンボルの場合、図4のテーブルの帯状表示例(表示形態例)に従ってアドレス「50」のシンボル「2」を橙色、アドレス「106」のシンボル「1」を緑色、アドレス「562」のシンボル「3」を緑色で識別表示する。
さらに、表示部6は、キャプチャ画面6aにおいて「Viewer Mode」の「Notation」が「Symbol」、「Format」が「Pattern+Waveform」に設定されている場合には、表示制御手段7aの制御により、例えば図5に示すように、入力データのシンボル値に基づいて、シンボル値表示および波形イメージ表示を表示し、図4の帯状表示例に従い、それぞれのシンボルの遷移名称に対応して、当該シンボルの波形に対する帯状表示の色彩、帯状表示の振幅方向の向き、帯状表示の振幅方向の高さとなるように重ねて識別表示する。例えば図5では、左から2番目の入力データと取得エラーデータのシンボルが1(01)であり、入力データのシンボルが基準データ0(00)から1(01)へとシンボル遷移しているので、図4に示すように、遷移名称は「A2」となる。そして、この遷移名称「A2」に対応する帯状表示の色彩は「赤」、帯状表示の振幅方向の向きは「下」、帯状表示の振幅方向の高さは「1電圧範囲」となる。これにより、左から2番目の位置の波形イメージ表示に対し、線状の波形に対して1電圧範囲で下向きの赤色の帯状表示を行う。
なお、キャプチャ画面6aにおいて「Viewer Mode」の「Notation」が「Symbol」、「Format」が「Pattern」に設定されている場合には、シンボル値表示に対し、エラーのあるシンボルについて図4の帯状表示例に従って帯状表示を行う(図5の波形イメージ表示がない状態)。
ところで、上述した実施の形態では、上述した実施の形態では、図1に示すように、データ表示装置1(誤り率測定装置1A)に信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6、制御部7が含まれる構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、信号発生器2と誤り検出器3をそれぞれ別々にモジュール化または個別筐体とし、操作部4、表示部6を外部に接続したパーソナルコンピュータなどの外部装置で構成することもできる。
このように、本実施の形態によれば、入力されるPAM4信号の誤り率を測定するにあたって、PAM4信号のアイ開口部(低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3の各電圧範囲)ごとにエラーのシンボルをカウントして数値表示するエラーカウント機能を備えるので、従来読み取りが不可能だったPAM4信号をキャプチャして各電圧範囲ごとにエラーがあるシンボルをカウントして各電圧範囲ごとのエラー量を数値で確認することができる。その結果、ユーザは、このエラーカウント機能を用いることで被測定物のエラーの偏りを容易に把握できるようになり、デバッグしやすくなる。
また、全体の振幅電圧範囲で連続するエラーがあるシンボルもカウントして数値表示するので、PAM4信号のシンボルに連続でエラーが挿入された場合に、連続するエラーの発生箇所を把握することができる。その結果、連続するエラーが発生しているか否かの判断が容易で原因調査とデバッグしやすくなり、視覚的にどのようにエラーが挿入されているか把握することができる。
以上、本発明に係るデータ表示装置及びエラーカウント方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。