以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る誤り率測定装置は、被測定物を信号パターン折り返しのステートに遷移させた状態で既知パターンのテスト信号を被測定物に送信し、このテスト信号の送信に伴って被測定物から折り返される受信信号の誤り率を測定するものである。
図1に示すように、本実施の形態の誤り率測定装置1は、エラーを挿入した既知パターンのNRZ信号または4値のシンボル値を持つPAM4信号をテスト信号として被測定物Wに入力したときの被測定物Wからの受信信号とテスト信号との比較結果に基づいて被測定物WのFEC(Forward Error Correction)動作が可能か否かを測定する機能を有するものであり、信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6、制御部7を備えて概略構成される。
なお、本実施の形態では、被測定物WのFEC動作が可能か否かを測定する機能を実現するための構成および処理内容を主体に説明する。
信号発生器2は、多値信号による基準データとして、各ビットの間で0に復帰しない方式のNRZ信号または所望のシンボル列データ(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列のデータ)からなるPAM4信号を発生する。
PAM4信号を発生する場合には、図1に示すように、信号発生器2が第1信号発生部2a、第2信号発生部2b、信号合成出力部2cを備えて概略構成される。
PAM4信号は、振幅がシンボルごとに4種類に分けられ、図2に示すように、4つの異なる振幅の電圧レベルV1,V2,V3,V4を有し、全体の振幅電圧範囲Hが電圧レベルの低い方から低電圧範囲H1、中電圧範囲H2、高電圧範囲H3に分けられ、3つのアイパターン開口部による連続した範囲からなる。
第1信号発生部2aは、固定データを含む既知パターンからなる所望のPAM4シンボル列を発生するにあたり、第2信号発生部2bが生成する最下位ビット列信号(LSB:Least Significant Bit )と足し合わせてPAM4信号を生成するための最上位ビット列信号(MSB:Most Significant Bit)を生成する。
第2信号発生部2bは、第1信号発生部2aが生成する最上位ビット列信号と足し合わせてPAM4信号を生成するための最下位ビット列信号を生成する。
第1信号発生部2a、第2信号発生部2bが発生する具体的なビット列信号としては、例えばPRBS7(パターン長:27 -1)、PRBS9(パターン長:29 -1)、PRBS10(パターン長:210-1)、PRBS11(パターン長:211-1)、PRBS15(パターン長:215-1)、PRBS20(パターン長:220-1)などの各種疑似ランダムパターン(PRBS:Pseudo Random Bit Sequence)といった周期パターンや、PRBS13Q、PRBS31Q、SSPRQなどのPAMを評価するための評価用パターンがある。
信号合成出力部2cは、第1信号発生部2aが発生する最上位ビット列信号と第2信号発生部2bが発生する最下位ビット列信号とを足し合わせてPAM4信号を出力する。このPAM4信号は、被測定物Wの誤り率などを測定する際、既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力される。
なお、テスト信号に挿入するエラーは任意である。例えば被測定物WのFECエラー耐性を調べる場合には任意のFEC Symbol Errorが挿入される。また、被測定物Wの耐性確認をする場合にはエラーを挿入し、被測定物Wが他の任意のテスト信号でエラー確認する場合にはエラーを挿入せずにキャプチャ機能で確認する。
誤り検出器3は、信号発生器2から既知パターンのテスト信号として基準データであるNRZ信号またはPAM4信号が被測定物Wに入力されたときに、このNRZ信号またはPAM4信号の入力に伴って被測定物Wから出力される信号を受けて誤り率などを測定するもので、図1に示すように、信号受信部3a、同期検出部3b、位置情報記憶部3c、データ比較部3d、データ記憶部3eを備える。
信号受信部3aは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、被測定物Wから受信したNRZ信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてビット列データ(0、1からなるビット列のデータ)に変換する。この信号受信部3aにて変換されたビット列データは、同期検出部3bに入力される。
信号受信部3aは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、被測定物Wから受信したPAM4信号を所定のサンプリング周期でサンプリングしてシンボル列データ(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列のデータ)に変換する。この信号受信部3aにて変換されたシンボル列データは、同期検出部3bに入力される。
同期検出部3bは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、操作部4にて予め設定される設定タイミングにより、記憶部5から読み込んだ基準となるNRZ信号のビット列のデータである基準データと、被測定物Wから受信して信号受信部3aから出力されるNRZ信号のビット列データとの同期を取って取り込み、取り込んだ入力データとなるビット列データをデータ比較部3dに出力する。
同期検出部3bは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、操作部4にて予め設定される設定タイミングにより、記憶部5から読み込んだ基準となるPAM4信号のシンボル列のデータである基準データと、被測定物Wから受信して信号受信部3aから出力されるPAM4信号のシンボル列データとの同期を取って取り込み、取り込んだ入力データとなるシンボル列データをデータ比較部3dに出力する。
設定タイミングは、例えば表示部6の不図示の設定画面上で操作部4にて予め設定され、ユーザの指示によりトリガー信号を発生するタイミング、1Codeword長の中でFEC Symbol Errorが指定数発生したタイミング(例えば1Codeword=544FEC Symbolで、ユーザがFEC Symbol Errorが16個発生したタイミングでキャプチャしたい場合には、16/544のFEC Symbol Errorが発生したタイミングで同期をとる)、FEC Symbol Errorが連続で指定数発生したタイミング(Codewordに関係なく、ユーザが指定した数で連続したFEC Symbol Errorが発生したタイミングで同期をとる)である。
同期検出部3bは、同期が取れたときにその旨をデータ比較部3dへ通知するとともに、同期が取れたときの基準データにおけるビットまたはシンボルの位置を表す同期位置を位置情報記憶部3cに記憶させる。
位置情報記憶部3cは、同期検出部3bにて基準データと信号受信部3aからのNRZ信号のビット列データまたはPAM4信号のシンボル列データとの同期が取れたときに、同期が取れたときの基準データにおけるビットまたはシンボルの位置を表す同期位置を記憶する。
データ比較部3dは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、同期検出部3bにて設定タイミングで基準データ(テスト信号)と同期を取って取り込んだビット列データの1FEC Symbol(10bitまたは20bit)の先頭を捉え、各ビットとエラーデータ(「1」)を比較して1Codeword長ごとのエラーを検出する。すなわち、ビット列データのビットが「1」であればエラーとして検出する。なお、ビット列データの1FEC Symbolの先頭は、データ比較部3dのカウンタを自走させて先頭を仮定することで検出している。
データ比較部3dは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、同期検出部3bにて設定タイミングで基準データ(テスト信号)と同期を取って取り込んだビット列データを1FEC Symbol長(10bitまたは20bit)ごとに分割し、1FEC Symbol間隔でFEC Symbol Errorを検出する。例えば1FEC Symbol長が10bitであれば、ビット列データを10bitごとに分割し、10bit内で1bitでもエラーが発生したら1FEC Symbol Errorとして検出する。
データ比較部3dは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、同期検出部3bにて設定タイミングで基準データ(テスト信号)と同期を取って取り込んだシンボル列データの1FEC Symbol(10bitまたは20bit)の先頭を捉えて最上位ビット列データ(以下、MSBデータと言う)と最下位ビット列データ(以下、LSBデータと言う)にデータ分割手段3daにて分割し、MSBデータとLSBデータそれぞれをエラーデータ(「1」)と比較して1Codeword長ごとの最上位ビットエラー(以下、MSBエラーと言う)と最下位ビットエラー(以下、LSBエラーと言う)をそれぞれ検出する。すなわち、分割されたMSBデータが「1」であればMSBエラーとして検出してカウントし、分割されたLSBデータが「1」であればLSBエラーとして検出する。なお、シンボル列データの1FEC Symbolの先頭は、データ比較部3dのカウンタを自走させて先頭を仮定することで検出している。
データ比較部3dは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、MSBデータとLSBデータを1FEC Symbol長(10bitまたは20bit)ごとに分割し、1FEC Symbol間隔でFEC Symbol ErrorをMSBデータとLSBデータそれぞれで検出する。例えば1FEC Symbol長が10bitであれば、MSBデータとLSBデータを10bitごとに分割し、10bit内で1bitでもエラーが発生したら1FEC Symbol Errorとして検出する。
なお、図1では、説明の便宜上、データ比較部3dがデータ分割手段3daを含む構成として説明しているが、例えば周知のPAMデコーダでデータ分割手段3daを構成することができる。
データ記憶部3eは、基準データと同期が取れたビット列データまたはシンボル列データとともにデータ比較部3dによる比較結果データなどを記憶する。
操作部4は、設定手段としても機能するものであり、図1の誤り率測定装置1に備える例えば操作ノブ、各種キー、スイッチ、ボタンや表示部6の表示画面上のソフトキーなどのユーザインタフェースで構成される。操作部4は、設定タイミングの設定、表示部6の表示画面(図3のキャプチャ画面6a)上に表示されるビット列データやシンボル列データのブロックの指定、ボーレート、ビット列やシンボル列の発生条件などの設定、誤り率測定の開始・終了の指示など誤り率測定に関わる各種設定を行う。
図3(a)は被測定物Wから受信する信号に対する設定パラメータ(FECの1Codeword長、1FEC Symbol長、FEC Symbol Error Threshold(キャプチャを開始するFEC Symbol Errorの閾値)を設定する設定画面11の一例を示している。
図3(a)の設定画面11には、FECの1Codewordの長さを示す「Number of FEC Symbols in a Codeword」として、長さの一部を省略し、FEC Symbolごとに区切られた例えば紫色のバー形状のグラフィック12で1Codewordが表示される。
「Number of FEC Symbols in a Codeword」のグラフィック12の直下位置には、「Codeword Length」を構成するFEC Symbolの数をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス13が表示される。図3(a)の設定画面11では、入力ボックス13に「544」が選択設定された状態を示している。
また、「Number of FEC Symbols in a Codeword」のグラフィック12の直上位置には、Codewordの一部を構成することを点線で示すとともに色分けした「Bit Length in a FEC Symbol」がバー形状のグラフィック14で表示される。例えばFEC Symbolのグラフィック14が青色、これ以外のCodewordのグラフィック12aに相当する部分が紫色で色分け表示される。
「Bit Length in a FEC Symbol」のグラフィック14の直上位置には、「FEC Symbol Length」のbit数(10bitまたは20bit)をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス15が表示される。図3(a)の設定画面では、入力ボックス15に「10」が選択設定された状態を示している。
さらに、「Number of FEC Symbols in a Codeword」のグラフィック12の下部には、1Codewordに含まれるエラーとして、1Codewordのグラフィック12b中に「Bit Error」のグラフィック16と「FEC Symbol Error」のグラフィック17が色分けして表示される。例えば1Codewordのグラフィック12bが紫色、「Bit Error」のグラフィック16が黄色、「FEC Symbol Error」のグラフィック17が赤色で色分け表示される。
「Bit Error」のグラフィック16と「FEC Symbol Error」のグラフィック17が表示された1Codewordのグラフィック12bの直上位置には、「FEC Symbol Error Threshold」の閾値を等号(=)、等号付き不等号(≧)、数字を用いて設定するため入力ボックス18が表示される。
「Bit Error」のグラフィック16と「FEC Symbol Error」のグラフィック17が表示された1Codewordのグラフィック12bの直下位置には、1Codewordを構成するFEC Symbolの数を入力するための入力ボックス19が表示される。
そして、図3(a)の設定画面11の上部には、「FEC Symbol Capture Setting」の選択項目20が表示される。「FEC Symbol Capture Setting」の選択項目20は、図3(b)に示すように、被測定物Wの通信規格に応じた設定の選択項目がプルダウンメニュー表示される。図3(b)の例では、「Variable」、「50G PAM4」、「100G PAM4」、「25G NRZ」が選択項目としてプルダウンメニュー表示されている。
図3(a)は、「FEC Symbol Capture Setting」の選択項目20として「Variable」が選択された状態を示している。「Variable」が選択された状態では、各入力ボックスに対し、プルダウンメニューから自由に選択入力することができる。
また、図3(a)の例では、「50G PAM4」、「100G PAM4」、「25G NRZ」がプリセット設定の選択項目20として選択可能であり、何れかのプリセット設定が選択されると、選択されたプリセット設定の通信規格に基づく各パラメータが自動的に設定される。
例えば「50G PAM4」をプリセット設定として選択すると、Codeword長が「544」、FEC Symbol長が「10」、FEC Symbol Error Thresholdが「16」に各パラメータが自動的に設定される。
また、「100G PAM4」をプリセット設定として選択すると、Codeword長が「272」、FEC Symbol長が「20」、FEC Symbol Error Thresholdが「16」に各パラメータが自動的に設定される。
さらに、「50G NRZ」をプリセット設定として選択すると、Codeword長が「528」、FEC Symbol長が「10」、FEC Symbol Error Thresholdが「8」に各パラメータが自動的に設定される。
このように、図3(a)の設定画面11では、1Codewordに対するFEC Symbolの構成関係、1Codewordに対するFEC Symbol Errorの対応関係を識別可能にグラフィック表示している。これにより、ユーザが被測定物Wの通信規格を知る熟練者でなくても「Number of FEC Symbols in a Codeword」、「Bit Length in a FEC Symbol」、「Bit Error」、「FEC Symbol Error」の構成関係や対応関係を視覚的に把握した上で被測定物Wから受信する信号に対するFECの各パラメータの設定を行うことができる。
なお、図3(a)の設定画面11では、「Number of FEC Symbols in a Codeword」、「Bit Length in a FEC Symbol」、「Bit Error」、「FEC Symbol Error」の構成関係を視覚的に把握しやすいように、「Number of FEC Symbols in a Codeword」を中心として、「Bit Length in a FEC Symbol」、「Bit Error」と「FEC Symbol Error」とを上下に配置してグラフィック表示する場合を図示したが、この配置に限定されるものではない。例えば、「Bit Length in a FEC Symbol」、「Bit Error」と「FEC Symbol Error」との配置を逆にしたり、「Bit Length in a FEC Symbol」、「Bit Error」と「FEC Symbol Error」とを「Number of FEC Symbols in a Codeword」の上部または下部に並べて配置してグラフィック表示してもよい。
記憶部5は、制御部7の制御により、予め設定された設定タイミングによりブロック単位で信号受信部3aから取り込んだシンボルデータを予め割り当てられた記憶容量で記憶する。本実施の形態では、表示部6の1つの表示領域(スクロール表示を含む表示サイズ)に表示可能なシンボル列データの塊を1ブロックとしている。例えば割り当てられる記憶容量が8Mbits(シンボル列データの4Msymbolに相当)で表示部6の1つの表示領域に表示可能なシンボル列データの塊を1ブロックとした場合、1ブロック=65536ビット=32768シンボルとして、4Msymbolのシンボル列データを予め設定される所定の分割数(1,2,4,8,16,32,64,128の何れかの分割数)で分割して記憶部5に記憶する。
なお、シンボル列データの最大分割数は、記憶部5に割り当てられる記憶容量に応じて決まる。例えば記憶部5に割り当てられる記憶容量が8Mbitsであれば、シンボル列データの最大分割数は128分割となる。
記憶部5は、信号合成出力部2cからの既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力するNRZ信号のビット列またはPAM4信号のシンボル列(0、1、2、3のシンボル値からなるシンボルの列)を記憶する。この既知パターンのテスト信号として被測定物Wに入力するNRZ信号のビット列またはPAM4信号のシンボル列は、被測定物Wから受信した信号から生成する入力データと比較するときの基準となる基準データとなっている。
また、記憶部5は、制御部7の後述するエラーカウント手段7aによるカウント結果を記憶する。さらに、記憶部5は、設定タイミング、ボーレート、ビット列、シンボル列の発生条件などの情報を記憶する。これらの情報は、操作部4によりユーザインタフェースを介して適宜選択設定することができる。
なお、制御部7や、信号発生器2において、テスト信号となるNRZ信号のビット列またはPAM4信号のシンボル列を把握できる場合は、制御部7や、信号発生器2から記憶部5へと既知パターンのテスト信号であるNRZ信号のビット列またはPAM4信号のシンボル列、すなわち基準データを記憶するように構成してもよい。
表示部6は、図1の誤り率測定装置1に備える例えば液晶表示器などで構成され、後述する表示制御手段7cの制御により、誤り率測定に関わる設定画面、誤り率測定を含む各コンプライアンステスト(被測定物Wが通信規格に適合するか否かの試験)、キャプチャ画面などを表示する。なお、表示部6は、表示画面上のソフトキーなどの操作部4の操作機能を兼ね備えている。
また、表示部6は、後述する表示制御手段7cの制御により、例えば図3(a)の設定画面11の他、図4に示す表示形態のキャプチャ画面21を表示する。
図4は表示部6のキャプチャ画面21の一例を示している。図4のキャプチャ画面21の右側上部の領域には、「Block」と「Block Length」が表示される。「Block」には、キャプチャ画面21に表示するMSBデータとLSBデータが何番目のブロックかを数値入力するための入力ボックス22が表示される。「Block Length」には、1ブロック分のデータのサイズ(長さ)が表示される。図4の例では、「Block」の入力ボックス22に「1」が入力され、「Block Length」が「65536」bitと表示されている状態を示している。なお、「Block」の入力ボックス22には、記憶部5の記憶容量に応じて決まるブロックの分割数(例えば1~128)まで設定入力可能である。
キャプチャ画面21の「Block Length」の下の領域には、デバッグ用途として用いられる「Viewer Mode」(閲覧モード)が表示される。「Viewer Mode」の「Notation」には、キャプチャ画面21上に表示するデータの表記(「Bin(MSB/LSB)、「Bin」(NRZモードのみ)、「Hex」(NRZモードのみ)、「Symbol」(PAM4モードのみ))を指定する入力ボックス23が表示される。「Viewer Mode」の「Format」には、キャプチャ画面上のデータの表示形式(「Pattern」(シンボル値表示のパターンデータのみ)、「Pattern+Waveform」(シンボル値表示のパターンデータ上に例えば青線による波形イメージ表示を行う))を指定する入力ボックス24が表示される。これらデータの表記と表示形式は、それぞれのプルダウンメニューから選択設定される。図4の例では、「Notation」の入力ボックス23のプルダウンメニューから「Bin(MSB/LSB)」が選択され、「Format」の入力ボックス24のプルダウンメニューから「Pattern」が選択されている状態を示している。
キャプチャ画面21の「Viewer Mode」の下の領域には、「Error」が表示される。「Error」には、エラーがあったビットを遷移状態に応じて色分け表示するためのチェックボックス25,26,27が表示される。図3の例では、Insertion Error(0→1)がある場合に赤色で表示する「INS」のチェックボックス25、Omission Error(1→0)がある場合に黄色で表示する「OMI」のチェックボックス26、Hex表示で8bitの中にInsertion Error(0→1)とOmission Error(1→0)のどちらもある場合に青色で表示する「INS/OMI」のチェックボックス27のそれぞれにチェックが入った状態を示している。
キャプチャ画面21の「Error」の下の領域には、特定パターンを検索するための「Move and Search」が表示される。「Move and Search」の「Patten」の入力ボックス28には、検索対象の特定パターンが入力され、「Target」の入力ボックス29には、検索対象のパターン(MSB、LSB、Allの何れか)がプルダウンメニューから選択設定され、虫眼鏡ボタン30により前後の検索を行う。
キャプチャ画面21の「Move and Search」の下の領域には、後述する連続エラー検索を行うための「Error Search」が表示される。「Error Search」には、エラー検索条件として検索対象のデータとエラー数を設定するための「Continuous Error」と「Target」が表示される。「Continuous Error」には、等号(=)、等号付き不等号(≧)、数字を用いてエラー数を設定するための入力ボックス31,32が表示される。「Target」には、検索対象のデータ(MSB、LSB、Allの何れか)をプルダウンメニューから選択設定するための入力ボックス33が表示される。図4や図5の例では、エラー検索条件として、入力ボックス31に「≧」が入力され、入力ボックス32に「3」が入力され、入力ボックス33に「All(全ての範囲)」が入力された状態を示しており、全てのデータにおいて3ビット以上連続するFEC Symbol Errorが検索される。
「Target」の下の領域には、キャプチャ画面21上のカーソルを先頭のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー34、キャプチャ画面21上のカーソルを1つ前のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー35、キャプチャ画面21上のカーソルを1つ後のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー36、キャプチャ画面21上のカーソルを最後のエラーのビットの位置に移動するためのソフトキー37が表示される。
キャプチャ画面21の「Block Length」の左側のデータ表示領域41には、表示上の縦軸をアドレス、横軸をビットとして、入力データに基づく1ブロック分のシンボル列データの各シンボルごとのMSBデータとLSBデータが上下対に並んで表示される。図4の例では、上下対に並んで表示されるMSBデータとLSBデータが1シンボルのデータを構成しており、30シンボル分のMSBデータとLSBデータが上下一列に並んだ状態で、7列分のシンボルのMSBデータとLSBデータが各列上下に並んでデータ表示領域41に表示されている状態を示している。
なお、データ表示領域41に表示しきれないMSBデータとLSBデータは、右側のスクロールバー42を用いることによりデータ表示領域41に表示させて確認することができる。
また、シンボルごとのMSBデータとLSBデータが表示されるデータ表示領域41には、操作部4にて設定された1FEC Symbol長ごとに区切り線43が表示される。図4の例では、操作部4にて1FEC Symbol長が10bitに設定され、10bitごとに区切り線43が表示された状態を示している。
さらに、シンボルごとのMSBデータとLSBデータは、操作部4にて設定されたFEC Symbolごとに改行して表示することもできる。例えばFEC Symbol長が20bitに設定されている場合には、図5のキャプチャ画面21に示すように、シンボル列データの各シンボルごとのMSBデータとLSBデータが20bitごとに改行して表示される。なお、図5のキャプチャ画面21において、図4と同一の構成要素には同一番号を付している。
キャプチャ画面21におけるデータ表示領域41の下部には、最初のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域41に表示するように指示するソフトキー44、1つ前のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域41に表示するように指示するソフトキー45、1つ後のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域41に表示するように指示するソフトキー46、最後のブロックのMSBデータとLSBデータをデータ表示領域41に表示するように指示するソフトキー47が表示される。
キャプチャ画面21の下部の領域には、エラーカウントの結果として、「First Error Block/Address」、「Last Error Block/Address」、「Total Error Counts Bit Error/Number of Bits」、「Total FEC Symbol Error Counts FEC Symbol Error/Number ofCodeword」、「Capture Depth」が表示される。「First Error Block/Address」の表示ボックス48には、最初にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Last Error Block/Address」の表示ボックス49には、最後にエラーが起こった箇所のブロックとアドレスが表示される。「Total Error Counts Bit Error/Number of Bits」の表示ボックス50には、全体でカウントしたBit Totalエラー数と全Bit数が表示される。「Total FEC Symbol Error Counts FEC Symbol Error/Number ofCodeword」の表示ボックス51には、設定されたFEC Symbol長でのFEC Symbolエラー数とCodewordが何個あるかをカウントして表示される。「Capture Depth」の表示ボックス52には、キャプチャ取得ビット数が表示される。
制御部7は、PAM4信号の誤り率を測定するため、例えば中央処理装置(CPU)、ROM、RAMなどの記憶素子から構成され、信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6を統括制御するもので、エラーカウント手段7a、連続エラー検索手段7b、表示制御手段7cを備える。
エラーカウント手段7aは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、データ比較部3dにて検出したエラーをカウント(Codewordのカウントを含む)するとともに、1FEC Symbol間隔で検出したFEC Symbol Errorをカウントする。
エラーカウント手段7aは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、データ比較部3dにて検出したMSBエラーとLSBエラーをカウント(Codewordのカウントを含む)するとともに、1FEC Symbol間隔で検出したFEC Symbol Errorをカウントする。
連続エラー検索手段7bは、図4や図5のキャプチャ画面21の「Continuous Error」の入力ボックス31,32と「Target」の入力ボックス33に設定されたエラー検索条件を満足する連続エラーをエラーカウント手段7aによるカウントの結果から検索し、検索した結果をキャプチャ画面21に表示する。
連続エラー検索手段7bは、被測定物Wに入力したテスト信号がNRZ信号の場合、ビット列データを検索対象のデータとし、エラーカウント手段7aによるカウントの結果からエラー検索条件のエラー数を満足するビット列データの連続エラーを1FEC Symbol長の単位で検索し、検索した結果をキャプチャ画面21に表示する。
また、連続エラー検索手段7bは、被測定物Wに入力したテスト信号がPAM4信号の場合、データ分割手段3daにて分割したMSBデータおよび/またはLSBデータを検索対象のデータとし、エラーカウント手段7aによるカウントの結果からエラー検索条件のエラー数を満足するMSBデータおよび/またはLSBデータの連続エラーを1FEC Symbol長の単位で検索し、検索した結果をキャプチャ画面21に表示する。
具体的に、例えば1FEC Symbolが「10bit」に設定され、図4や図5のキャプチャ画面21において「Continuous Error」の入力ボックス31,32に「≧」,「3」、「Target」の入力ボックス33に「All」が入力されてエラー検索条件が設定されている場合には、エラーカウント手段7aによるカウントの結果からエラー検索条件のエラー数「3以上」を満足するビット列データやMSB/LSBデータの連続エラーを1FEC Symbol長の「10bit」の単位で検索し、検索した結果をキャプチャ画面21に表示する。
なお、エラー検索条件を満足する連続エラーを1FEC Symbol長の単位で検索する際には、例えば図4や図5に示すように、1FEC Symbol長の「10bit」中に複数のエラーがある場合でも1FEC Symbol Errorとしてカウントし、FEC Symbol Errorが3FEC Symbol以上連続したときにエラー検索条件を満足する連続エラーとして検索する。
表示制御手段7cは、例えば図3(a)の設定画面11、図4や図5のキャプチャ画面21など、表示部6の表示画面への表示を制御する。
次に、上記のように構成される誤り率測定装置1の連続エラー検索の処理動作として、被測定物Wに入力されるテスト信号がNRZ信号とPAM4信号に場合分けして図6と図7を参照しながら説明する。
[NRZ信号の場合]
図6に示すように、まず、被測定物Wからの受信信号に対する設定パラメータとエラー検索条件を操作部4にて設定する(ST1)。具体的に、設定パラメータは、図3(a)の設定画面11において、測定対象の被測定物Wの通信規格に基づいて1Codeword長、1FEC Symbol長、FEC Symbol Error Thresholdを設定するか、被測定物Wの通信規格に応じたプリセット設定(例えば25G NRZなど)を選択して設定する。また、エラー検索条件は、図4や図5のキャプチャ画面21の「Continuous Error」の入力ボックス31,32に対し、エラー検索対象のシンボルを等号(=)、等号付き不等号(≧)、数字を用いて設定する。また、「Target」の入力ボックス33に対し、エラー検索対象(MSB、LSB、Allの何れか)をプルダウンメニューから選択設定する。具体的には、図4に示すように、エラー検索条件として、「Continuous Error」の入力ボックス31,32に対して「≧」、「3」をそれぞれ入力し、「Target」の入力ボックス33に対して「All(全ての範囲)」を選択設定する。
上記設定を終えた後、信号発生器2にてエラー挿入した既知パターンのNRZ信号(設定パラメータに合わせた例えば25G NRZなど)をテスト信号として被測定物Wに入力する(ST2)。
そして、被測定物Wへのテスト信号の入力に伴って被測定物Wから折り返される信号を信号受信部3aにて受信してビット列データに変換し、変換したビット列データを記憶部5に記憶する(ST3)。
次に、設定タイミングで基準データ(テスト信号)と同期を取って記憶部5から取り込んだビット列データの1FEC Symbol(10bitまたは20bit)の先頭を捉えて各ビットとエラーデータ(「1」)をデータ比較部3dにて比較して1Codeword長ごとのエラーを検出し、検出した1Codeword長ごとのエラーをエラーカウント手段7aにてカウントする(ST4)。その際、Codeword数もカウントする。なお、ビット列データの1FEC Symbolの先頭は、データ比較部3dのカウンタを自走させて先頭を仮定することで検出している。
また、ビット列データを1FEC Symbol長ごとに分割し、1FEC Symbol間隔でFEC Symbol Errorを検出し、検出したFEC Symbol Errorをエラーカウント手段7aにてカウントする(ST5)。
そして、エラーカウント手段7aによるカウントの結果から連続エラー検索手段7bにてエラー検索条件を満足するビット列データの連続エラーを1FEC Symbol長の単位で検索する(ST6)。そして、表示制御手段7cの制御により、連続エラー検索手段7bにて検索した結果(連続エラーのカウント値)を図4や図5のキャプチャ画面21に表示する。
[PAM4信号の場合]
図7に示すように、まず、被測定物Wからの受信信号に対する設定パラメータとエラー検索条件を操作部4にて設定する(ST11)。具体的に、設定パラメータは、図3(a)の設定画面11において、測定対象の被測定物Wの通信規格に基づいて1Codeword長、1FEC Symbol長、FEC Symbol Error Thresholdを設定するか、被測定物Wの通信規格に応じたプリセット設定(例えば50G PAM4など)を選択して設定する。また、エラー検索条件は、図4や図5のキャプチャ画面21の「Continuous Error」の入力ボックス31,32に対し、エラー検索対象のシンボルを等号(=)、等号付き不等号(≧)、数字を用いて設定する。また、「Target」の入力ボックス33に対し、エラー検索対象(MSB、LSB、Allの何れか)をプルダウンメニューから選択設定する。具体的には、図4に示すように、エラー検索条件として、「Continuous Error」の入力ボックス31,32に対して「≧」、「3」をそれぞれ入力し、「Target」の入力ボックス33に対して「All(全ての範囲)」を選択設定する。
上記設定を終えた後、信号発生器2にてエラー挿入した既知パターンのPAM4信号(設定パラメータに合わせた例えば50G PAM4など)をテスト信号として被測定物Wに入力する(ST12)。
そして、被測定物Wへのテスト信号の入力に伴って被測定物Wから折り返される信号を信号受信部3aにて受信してシンボル列データに変換し、変換したシンボル列データを記憶部5に記憶する(ST13)。
次に、設定タイミングで基準データ(テスト信号)と同期を取って記憶部5から取り込んだシンボル列データの1FEC Symbol(10bitまたは20bit)の先頭を捉えてデータ分割手段3daにてMSBデータとLSBデータに分割する(ST14)。この分割されたMSBデータとLSBデータは、前述したように、例えば図4や図5の表示形態でキャプチャ画面21に表示される。なお、シンボル列データの1FEC Symbolの先頭は、データ比較部3dのカウンタを自走させて先頭を仮定することで検出している。
そして、データ比較部3dにてMSBデータとLSBデータそれぞれをエラーデータ(「1」)と比較して1Codeword長ごとのMSBエラーとLSBエラーをそれぞれ検出し、検出した1Codeword長ごとのMSBエラーとLSBエラーをエラーカウント手段7aにてカウントする(ST15)。その際、Codeword数もカウントする。
なお、エラーデータ(「1」)は、MSBデータと比較するためのエラーデータとLSBデータと比較するためのエラーデータにそれぞれ分割されており、MSBデータが「1」であればMSBエラーとして検出してカウントし、LSBデータが「1」であればLSBエラーとして検出してカウントする。
また、MSBデータとLSBデータを1FEC Symbol長ごとに分割し、1FEC Symbol間隔でFEC Symbol ErrorをMSBデータとLSBデータそれぞれで検出し、検出したFEC Symbol Errorをエラーカウント手段7aにてカウントする(ST16)。
そして、エラーカウント手段7aによるカウントの結果から連続エラー検索手段7bにてエラー検索条件を満足するMSBデータおよび/またはLSBデータの連続エラーを1FEC Symbol長の単位で検索する(ST17)。そして、表示制御手段7cの制御により、連続エラー検索手段7bにて検索した結果(連続エラーのカウント値)を図4や図5のキャプチャ画面21に表示する。
ところで、上述した実施の形態では、図1に示すように、誤り率測定装置1に信号発生器2、誤り検出器3、操作部4、記憶部5、表示部6、制御部7が含まれる構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、信号発生器2と誤り検出器3をそれぞれ別々にモジュール化または個別筐体とし、操作部4、表示部6を外部に接続したパーソナルコンピュータなどの外部装置で構成することもできる。
このように、本実施の形態によれば、ユーザが設定するエラー検索条件により1FEC Symbol長の単位でFEC Symbol Errorによる連続エラーを検索することができ、FEC Symbol Errorによる連続エラーの発生箇所を表示画面上で目視により検索する必要がなく、自動的にFEC Symbol Errorによる連続エラーを検索して視覚的に容易に把握することができる。しかも、設定した1FEC Symbol長の区切りごとにBurstエラーが発生している箇所の特定が容易になり、デバッグを効率的に行うことが可能となる。
以上、本発明に係る誤り率測定装置および連続エラー検索方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。