JP6951285B2 - パルスmag多層盛溶接方法 - Google Patents

パルスmag多層盛溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いたパルスMAG多層盛溶接方法に関し、優れた溶接金属性能が得られ、溶接時のアークが安定してスパッタ発生量が少ないパルスMAG多層盛溶接方法に関する。
建築鉄骨分野において、溶接施工の能率向上を図るため、溶接用ソリッドワイヤを用いた高電流域での多層盛のガスシールドアーク溶接が行われている。溶接用ソリッドワイヤでの高電流溶接では、1層毎の溶着量が多いので溶接の高能率化が可能であるが、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、ビード外観が不良であるなど溶接作業性が悪いという問題がある。また、スパッタが大粒になるため、鋼板表面に付着したスパッタを除去する作業も困難となり作業効率も不良であった。
これら問題を解決する手段として、スパッタ発生量が少ないガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤの開発が行われている。例えば特許文献1には、ワイヤ表面に二硫化モリブデン、リン脂質及び常温で液体の潤滑剤からなる送給潤滑剤を適量付着させることでワイヤ送給性を良好にし、溶接時のスパッタ発生量を低減する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ワイヤ表層下にアルカリ金属含浸部を有することでスパッタ発生量を低減できる溶接用ソリッドワイヤが提案されている。しかし、溶接用ソリッドワイヤでの高電流溶接では、発生するスパッタ自体が多いため、たとえワイヤ送給性が良好になってもスパッタ発生量を十分に低減できず、また、ビード外観も改善されないという問題があった。
スパッタ発生量の低減を目的とした溶接方法として、特許文献3に開示されている高電流のパルスアーク溶接方法がある。しかし、この方法では電流が550A以上の高電流域のパルスアーク溶接方法であるため、アーク長の変動が大きく、適正条件が少しでもずれると逆にスパッタ発生量が多くなるという問題がある。
一方、特許文献4にはフラックス入りワイヤを用いたパルス溶接方法の開示がある。しかし、特許文献4に開示されたパルス溶接方法は、ワイヤに積極的にSを添加して溶融池の対流を制御し、純Arを用いることで、溶接ビード上のスラグ生成を抑制するものであって、多層盛溶接に適用した場合は、高温割れが生じやすいという問題があった。
特開2006−95551号公報 特開2009−255142号公報 特開2016−40046号公報 特開2013−132690公報
本発明は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いたパルスMAG多層盛溶接方法において、優れた溶接金属性能が得られ、溶接時のアークが安定してスパッタ発生量が少ないパルスMAG多層盛溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、パルスMAG多層盛溶接方法において、ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、C:0.05〜0.18%、Si:0.4〜1.5%、Mn:1.5〜2.5%、Cu:0.05〜0.5%、Ti:0.1〜0.4%を含有し、Al:0.01%以下であり、さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、SiO2:0.01〜0.2%、金属弗化物のF換算値の合計:0.01〜0.1%、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:0.02〜0.15%を含有し、残部が鋼製外皮のFe、鉄粉、鉄合金粉のFe分及び不可避不純物からなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いて、パルスピーク電流(Ip):460〜550A、パルスベース電流(Ib):40〜80A、パルスピーク幅(Tp):0.5〜2.0msecのパルスを付加して多層盛溶接することを特徴とするパルスMAG多層盛溶接方法にある。
本発明のパルスMAG多層盛溶接法によれば、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いたパルスMAG多層盛溶接において、アークが安定してスパッタ発生量が少なく、優れた溶接金属性能が得られる溶接が可能となり、溶接部の品質及び溶接能率の向上を図ることができる。
本発明者らは、上記問題点を解決するために、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いたパルスMAG多層盛溶接を行う上で、優れた溶接金属性能が得られ、溶接時にアークを安定させ、スパッタ発生量を低減可能なガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの成分組成及びパルスMAG溶接の適正なパルス条件について、詳細に検討した。
その結果、パルスMAG多層盛溶接時のアークの安定性を確保し、スパッタ発生量の低減を図るためには、Na化合物とK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計量及び弗素化合物のF換算値の合計量を適正にすることを見出した。またビード外観を良好にするためには、SiO2を適量含有させることを見出した。
また、溶接金属の適正な強度を確保するとともに安定した靭性の向上をも達成させるためには、ワイヤ中のスラグ生成剤である酸化物を極力減らし、合金成分のC、Si、Mn、Cu、Ti及びAlの各含有量におけるそれぞれの適正化が有効であることを知見した。
上述した成分組成のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いて、パルスMAG多層盛溶接する場合のパルス条件が1パルス1ドロップの溶滴移行となる領域にすることで、ビード外観が良好でアークが安定し、スパッタ発生量の少ない溶接が可能となる。
以下、本発明を適用した多層盛溶接方法及びこれに用いられるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤについて詳細に説明する。なお、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの各成分組成の含有率は、ワイヤ全質量に対する質量%で表すものとし、その質量%に対する記載を単に%と記載する。
[鋼製外皮とフラックスの合計でC:0.05〜0.18%]
Cは、固溶強化により溶接金属の強度を向上させるために必要な元素である。Cが0.05%未満であると溶接金属の強度が得られない。一方、Cが0.18%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靭性が低下する。またCが0.18%を超えると、高温割れ感受性が高くなる。従って、鋼製外皮とフラックスの合計でCは0.05〜0.18%とする。なお、Cは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属粉及び合金粉等から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でSi:0.4〜1.5%]
Siは、溶接金属の脱酸及び溶接金属の強度確保のために添加する。Siが0.4%未満であると、溶接金属が脱酸不足となり、溶接金属の強度及び靭性が低下する。一方、Siが1.5%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなり、靭性が安定して得られない。またSiが1.5%を超えると、溶接時に生成するスラグ量が増加してスラグ巻込み等の溶接欠陥が発生しやすくなる。従って、鋼製外皮とフラックスの合計でSiは0.4〜1.5%とする。なお、Siは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスから金属Si、Fe−Si、Fe−Si−Mn等の合金粉から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でMn:1.5〜2.5%]
Mnは、溶接金属の靭性確保と強度向上のために添加する。Mnが1.5%未満であると、溶接金属の強度が低く、靭性が十分に確保できなくなる。一方、Mnが2.5%を超えると、溶接金属の靭性が安定して得られず、また生成スラグ量が増加してスラグ巻込み等の溶接欠陥が発生しやすくなる。従って、鋼製外皮とフラックスの合計でMnは1.5〜2.5%とする。なお、Mnは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Mn、Fe−Mn、Fe−Si−Mn等の合金粉末から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でCu:0.05〜0.5%]
Cuは、析出強化作用を有し、変態温度を低下させ溶接金属の組織を微細化して靭性を安定させる。Cuが0.05%未満であると、安定した溶接金属の靭性が得られない。一方、Cuが0.5%を超えると、析出脆化が生じて溶接金属の靭性が低下し、また高温割れが発生しやすくなる。従って、鋼製外皮とフラックスの合計でCuは0.05〜0.5%とする。なお、Cuは、鋼製外皮に含まれる成分及び鋼製外皮表面に施したCuめっき分の他、フラックスからの金属Cu、Fe−Si−Cu等の合金粉から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でTi:0.1〜0.4%]
Tiは、脱酸剤として作用するとともに、溶接金属中にTiの微細酸化物を生成し溶接金属の靭性をより向上させる。Tiが0.1%未満であると、溶接金属の靭性が低下する。一方、Tiが0.4%を超えると、溶接金属中の固溶Tiが多くなり、靭性が低下する。従って、鋼製外皮とフラックスの合計でTiは0.1〜0.4%とする。なお、Tiは、鋼製外皮に含まれる成分の他、フラックスからの金属Ti、Fe−Ti等の合金粉から添加できる。
[鋼製外皮とフラックスの合計でAl:0.01%以下]
Alは、0.01%を超えると、溶接金属中に酸化物となって残留し、溶接金属の靭性を低下させる。またAlは、0.01%を超えると、アークが不安定となり、スパッタ発生量が増加する。従って、鋼製外皮とフラックスの合計で含有量は0.01%以下とする。なお、Alは必須の成分ではなく、含有率が0%でもよい。
[フラックス中に含有する弗素化合物のF換算値の合計:0.01〜0.1%]
弗素化合物は、アークを集中させて安定させる効果がある。弗素化合物のF換算値の合計が0.01%未満では、この効果が得られず、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなる。一方、弗素化合物のF換算値の合計が0.1%を超えると、アークが荒く不安定になり、スパッタ発生量が多くなる。従って、フラックス中に含有する弗素化合物のF換算値の合計は0.01〜0.1%とする。なお、弗素化合物は、フラックスからのCaF2、NaF、LiF、MgF2、K2SiF6、Na3AlF6、AlF3等から添加でき、F換算値はそれらに含有されるF量の合計である。
[フラックス中に含有するSiO2:0.01〜0.2%]
フラックス中の珪砂やジルコンサンド、珪酸ソーダ等のSi酸化物は、溶融スラグの粘性を高めてスラグ被包性を向上させてビード止端部のなじみを良好にし、ビード外観を良好にする。SiO2が0.01%未満であると、溶接ビードのビード止端部のなじみが悪くなり、ビード外観が悪くなる。一方、SiO2が0.2%を超えると、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が低下する。またSiO2が0.2%を超えると、スラグ量が多くなり、スラグ巻込み等の溶接欠陥が発生しやすくなる。従って、フラックス中に含有するSiO2は0.01〜0.2%とする。なお、SiO2は、フラックスからの珪砂、珪酸ソーダ及び珪酸カリウムからなる水ガラスの固質成分等から添加できる。
[フラックス中に含有するNa化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計で0.02〜0.15%]
Na化合物及びK化合物は、アークをソフトにして安定にする。Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が0.02%未満であると、アークが不安定になり、スパッタ発生量が多くなる。一方、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が0.15%を超えると、アークが強くなりすぎて不安定でスパッタ発生量が多くなる。またNa化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が0.15%を超えると、ビード止端部のなじみが悪くなり、ビード外観が不良となり、さらに、生成スラグ量が多くなり、スラグ巻込み等の溶接欠陥が発生しやすくなる。従って、フラックス中に含有するNa化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計は0.02〜0.15%とする。なお、Na化合物やK化合物は、珪酸ソーダ及び珪酸カリウムからなる水ガラスの固質成分、K2SiO3、Na2SiO3、NaF、K2SiF6等の粉末から添加できる。
本発明に用いるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼製外皮をパイプ状に成型し、その内部にフラックスを充填した構造である。ワイヤの種類としては、成型した鋼製外皮の合わせ目を溶接して得られる鋼製外皮に継目が無いワイヤと、鋼製外皮に合わせ目を溶接しないままとした鋼製外皮に継目を有するワイヤに大別できる。本発明においては、何れの断面構造のワイヤを採用することができるが、鋼製外皮に継目を有するワイヤは、溶接金属の強度が高くなると低温割れが生じやすくなるので水分含有量の少ない原材料を用いる必要がある。一方、鋼製外皮に合わせ目の無いワイヤは、ワイヤ中の全水素量を低減することを目的とした熱処理が可能であり、また製造後のフラックスの吸湿が無いので、溶接金属の拡散性水素量を低減し、耐低温割れ性の向上を図ることができるので、より好ましい。
本発明に用いるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの残部は、鋼製外皮のFe、成分調整のために添加する鉄粉、Fe−Si、Fe−Mn、Fe−Ti合金等の鉄合金粉のFe分及び不可避不純物である。
また、フラックス充填率は特に限定しないが、生産性の観点からワイヤ全質量に対して8〜20%とするのが好ましい。
[パルスピーク電流(Ip):460〜550A]
パルスピーク電流(Ip)が460A未満では、電磁ピンチ効果による溶滴の離脱がスムーズに行われなくなり、不均一なビードとなる。またパルスピーク電流(Ip)が460A未満では、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなる。一方、パルスピーク電流(Ip)が550Aを超えると、アーク力によりスパッタ発生量が多くなる。従って、パルスピーク電流(Ip)は460〜550Aとする。
[パルスベース電流(Ib):40〜80A]
パルスベース電流(Ib)は、ベース期間でアークを保持できる電流値が必要となる。パルスベース電流(Ib)が40A未満では、アークが不安定となりスパッタ発生量が多くなる。一方、パルスベース電流(Ib)が80Aを超えると、溶滴の離脱が速やかに行われず、アークが不安定でスパッタ発生量が多くなる。従って、パルスベース電流(Ib)は40〜80Aとする。
[パルスピーク幅(Tp):0.5〜2.0msec]
パルスピーク幅(Tp)が0.5msec未満では、電磁ピンチ効果による溶滴の離脱がスムーズに行われなくなり、スパッタ発生量が多くなる。一方、パルスピーク幅(Tp)が2.0msecを超えると、溶滴の離脱を行うための電磁ピンチ力が過剰になるため、ピーク電流領域で溶滴が移行してしまうので、大粒のスパッタが増加する。従ってパルスピーク幅(Tp)は0.5〜2.0msecとする。
以下、本発明を適用したパルスMAG多層盛溶接法の実施例について説明する。
JIS G3141に規定されるSPCCを鋼製外皮(C:0.01〜0.05%)として使用し、鋼製外皮を成形する工程でU字型に成形した後、鋼製外皮の合わせ目を溶接した継目が無いワイヤを造管して伸線し、表1に示す各種成分のフラックス入りワイヤを試作した。ワイヤ径は1.2mmとした。
Figure 0006951285
表1に示す試作したフラックス入りワイヤを用いて、溶接作業性、スパッタ発生量の測定、溶接欠陥の有無及び溶接金属性能の調査を行った。
溶接作業性及び溶接金属性能は、表2に示すパルスMAG条件で、板厚25mmのJIS G3106に準拠したSM490B鋼板を、35°レ開先、ルートギャップ8mmの裏当金付きの開先として多層盛の溶接金属試験を実施した。調査項目は溶接時のアークの安定性及びビード外観を調査した。なお、溶接速度は25cm/min、シールドガスはAr−20%CO2でガス流量は20リットル/minとした。溶接終了後裏当金を撤去してX線透過試験を実施して欠陥の有無を調査した。また、鋼板の板厚の中央の溶接金属部から引張試験片(JIS Z2241 10号)及びシャルピー衝撃試験(JIS Z2242 Vノッチ試験片)を採取して機械的性能を調査した。
引張強さは490〜690MPa、靭性の評価は、0℃におけるシャルピー衝撃試験を各5本実施し、吸収エネルギーの平均値は80J以上、最低値は60J以上を良好とした。
スパッタの発生量は、銅製の捕集箱を用いて、表2に示すパルスMAG溶接条件で、JIS G3106に準拠したSM490B鋼板の板厚12mmを用いてビードオンプレート溶接を30秒×5回繰り返し行い、1分間当たりのスパッタ発生量を算出した。1分間当たりのスパッタ発生量が1.0g以下を良好とした。それらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006951285
表2中の試験No.1〜No.10が本発明例、試験No.11〜No.25は比較例である。本発明例である試験No.1〜No.10は、パルスMAG溶接条件のパルスピーク電流(IP)、パルスベース電流(Ib)及びパルスピーク幅(Tp)が適正で、使用したワイヤ記号W1〜W10のC、Si、Mn、Cu、Ti、Al、弗素化合物のF換算値の合計、SiO2、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が適量であるので、アークが安定してビード外観が良好で、溶接欠陥がなく、溶接金属の引張強さ及び吸収エネルギーの平均値及び最低値ともに良好で、スパッタ発生量が少ないなど極めて満足な結果であった。
比較例中試験No.11は、使用したワイヤ記号W11のCが少ないので、溶接金属の引張強さが低かった。また、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が多いので、アークが強く不安定でスパッタ発生量が多く、ビード外観が不良でスラグ巻き込み欠陥も生じた。
試験No.12は、使用したワイヤ記号W12のCが多いので、溶接金属の引張強さが高く吸収エネルギー平均値が低値であった。また、クレータ部に割れが生じた。さらに、Na化合物及びK化合物のNa2O換算値とK2O換算値の合計が少ないので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
試験No.13は、使用したワイヤ記号W13のSiが少ないので、溶接金属の引張強さが低く吸収エネルギー平均値も低値であった。また、弗素化合物のF換算値の合計が少ないので、アークが不安定でスパッタ発生量も多かった。
試験No.14は、使用したワイヤ記号W14のSiが多いので、溶接金属の引張強さが高く吸収エネルギーの最低値が低かった。また、スラグ生成量が多くなったのでスラグ巻き込み欠陥が生じた。さらに、弗素化合物のF換算値の合計が多いので、アークが荒く不安定でスパッタ発生量も多かった。
試験No.15は、使用したワイヤ記号W15のMnが少ないので、溶接金属の引張強さが低く吸収エネルギー平均値も低値であった。また、SiO2が少ないので、ビード外観が不良であった。
試験No.16は、使用したワイヤ記号W16のMnが多いので、溶接金属の吸収エネルギーの最低値が低く、スラグ生成量が多くなったのでスラグ巻き込み欠陥が生じた。また、パルスピーク電流(Ip)が低いので、アークが不安定でビードが不均一となり、スパッタ発生量も多かった。
試験No.17は、使用したワイヤ記号W17のCuが少ないので、溶接金属の吸収エネルギーの最低値が低かった。また、パルスピーク電流(Ip)が高いので、スパッタ発生量が多かった。
試験No.18は、使用したワイヤ記号W18のCuが多いので、溶接金属の吸収エネルギー平均値が低値であった。また、クレータ部に割れが生じた。さらに、パルスベース(Ib)が低いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
試験No.19は、使用したワイヤ記号W19のTiが少ないので、溶接金属の吸収エネルギー平均値が低値であった。また、パルスベース電流(Ib)が高いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
試験No.20は、使用したワイヤ記号W20のTiが多いので、溶接金属の吸収エネルギー平均値が低値であった。また、パルスピーク幅(Tp)が短いので、スパッタ発生量が多かった。
試験No.21は、使用したワイヤ記号W21のAlが多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。また、溶接金属の吸収エネルギー平均値が低値であった。
試験No.22は、使用したワイヤ記号W22のSiO2が多いので、溶接金属の吸収エネルギー平均値が低値であった。また、スラグ生成量が多くなったのでスラグ巻き込み欠陥が生じた。さらに、パルスピーク電流(Ip)低いので、アークが不安定でビードが不均一となり、スパッタ発生量も多かった。
試験No.23は、パルスピーク電流(Ip)が高いので、スパッタ発生量が多かった。
試験No.24は、パルスベース電流(Ib)が低いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多かった。
試験No.25は、パルスピーク幅(Tp)長いので、大粒のスパッタ発生量が多かった。

Claims (1)

  1. パルスMAG多層盛溶接方法において、
    ワイヤ全質量に対する質量%で、鋼製外皮とフラックスの合計で、
    C:0.05〜0.18%、
    Si:0.4〜1.5%、
    Mn:1.5〜2.5%、
    Cu:0.05〜0.5%、
    Ti:0.1〜0.4%を含有し、
    Al:0.01%以下であり、
    さらに、ワイヤ全質量に対する質量%で、フラックス中に、
    SiO2:0.01〜0.2%、
    金属弗化物のF換算値の合計:0.01〜0.1%、
    Na化合物及びK化合物のNa2O換算値及びK2O換算値の合計:0.02〜0.15%を含有し、残部が鋼製外皮のFe、鉄粉、鉄合金粉のFe分及び不可避不純物からなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを用いて、
    パルスピーク電流(Ip):460〜550A、
    パルスベース電流(Ib):40〜80A、
    パルスピーク幅(Tp):0.5〜2.0msecのパルスを付加して多層盛溶接することを特徴とするパルスMAG多層盛溶接方法。
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