以下、本発明の実施形態に係る空気調和装置について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る空気調和装置は、暖房運転及び冷房運転を実施することができるように構成される。暖房運転の実施により室内が暖房され、冷房運転の実施により室内が冷房される。図1に示すように、本実施形態に係る空気調和装置1は、GHP室外機10と、EHP室外機30と、室内機40と、制御装置60とを備える。
GHP室外機10は、ガスエンジン11(内燃機関)と、コンプレッサと、冷媒回路を構成する複数の配管と、空調に必要な各機器を有する。各機器には、室外熱交換器、四方弁、室外機ファン、アキュムレータ、サブ熱交換器、流量調整弁、ホットガスバイパス弁が含まれる。本実施形態において、GHP室外機10に備えられる配管、コンプレッサ、室外熱交換器、四方弁、室外機ファン、流量調整弁、アキュムレータに、接頭語として「GHP」が付与される。従って、GHP室外機10は、ガスエンジン11、GHPコンプレッサ12、GHP室外熱交換器13、複数のGHP配管(15a〜15h)、GHP四方弁16、GHP室外機ファン17、GHPアキュムレータ18、サブ熱交換器19、GHP流量調整弁(GHP第一流量調整弁20a、GHP第二流量調整弁20b)、ホットガスバイパス弁21を備えることになる。
ガスエンジン11は、例えばプロパンガス等の可燃性ガスを燃料として駆動する。ガスエンジン11は出力軸11aを備える。ガスエンジン11が駆動すると、出力軸11aが回転する。ガスエンジン11の出力軸11aには、クラッチ14を介してGHPコンプレッサ12が接続される。
GHPコンプレッサ12は、ガスエンジン11が駆動して出力軸11aが回転することにより作動する。GHPコンプレッサ12は、第一吸入口12a及び第一吐出口12bを有する。GHPコンプレッサ12が作動すると、第一吸入口12aから低圧のガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を圧縮する。そして、圧縮した高圧のガス冷媒を第一吐出口12bから吐出する。
GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bは、GHP第一配管15aを介してGHP四方弁16に接続される。GHP四方弁16が本発明の第一切替弁に相当する。GHP四方弁16は、4つのポート(第一ポート161、第二ポート162、第三ポート163、第四ポート164)を有する中空状の本体部と、本体部内を移動可能な可動部とを備える。可動部によって特定の2つのポートとそれ以外の2つのポートが接続されるように、本体部内の空間が仕切られる。また、可動部が移動することにより、接続されるポートが切り替えられる。GHP四方弁16の切換状態は、制御装置60により制御される。GHP第一配管15aは、GHP四方弁16の第一ポート161に接続される。
GHP四方弁16の第二ポート162は、GHP第二配管15bを介してGHP室外熱交換器13に接続される。GHP室外熱交換器13は、第一入出力ポート13a及び第二入出力ポート13bを備える。第一入出力ポート13aにGHP第二配管15bが接続される。また、GHP室外熱交換器13は、第一入出力ポート13aと第二入出力ポート13bを接続する熱交換チューブ及び熱交換チューブの回りに配設された熱交換フィンを備える。GHP室外熱交換器13は、熱交換チューブ内を流れる冷媒を外気と熱交換させる機能を有する。
また、GHP室外熱交換器13に近接した位置にGHP室外機ファン17が設置される。GHP室外機ファン17にはファンモータが取り付けられており、このファンモータの駆動によりGHP室外機ファン17が回転する。GHP室外機ファン17が回転することにより、GHP室外熱交換器13に外気が供給される。
GHP室外熱交換器13の第二入出力ポート13bは、GHP第三配管15cの一方端に接続される。GHP第三配管15cの他方端は、例えば、GHP室外機10のハウジングに設けられた液管ジョイント10aに接続される。また、図1からわかるように、GHP第三配管15cは、途中で2つの配管(L1,L2)に分岐した部分を有する。一方の配管L1にはGHP第二流量調整弁20bが介装され、他方の配管L2には逆止弁20cが介装される。暖房運転時には冷媒は配管L1を流れ、冷房運転時には冷媒は配管l2を流れる。配管L1に介装されたGHP第二流量調整弁20bは、開度調整可能に構成されており、配管L1(GHP第三配管15c)を通ってGHP室外熱交換器13に流入する冷媒の流量を調整する。また、逆止弁20cは、GHP室外熱交換器13側から液管ジョイント10aに向かう冷媒の流れを許容し、その反対方向へ向かう冷媒の流れを遮断する。
GHP四方弁16の第三ポート163は、GHP第四配管15dを介してGHPアキュムレータ18に接続される。GHPアキュムレータ18は、GHP第四配管15dから冷媒を供給するとともに、供給した冷媒を気液分離する。また、GHPアキュムレータ18は、GHP第五配管15eを介してGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続される。GHPアキュムレータ18内の気相冷媒は、GHP第五配管15eを通ってGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに供給される。
GHP四方弁16の第四ポート164は、GHP第六配管15fの一方端に接続される。GHP第六配管15fの他方端は、例えば、GHP室外機10のハウジングに設けられたガス管ジョイント10bに接続される。
また、GHP第三配管15cのうち液管ジョイント10aから配管L1,L2に分岐した部分までの間の部分と、GHP第四配管15dとが、GHP第七配管15gにより接続される。このGHP第七配管15gにサブ熱交換器19が介装される。従って、サブ熱交換器19には、GHP第七配管15gを流れる冷媒が流入する。サブ熱交換器19には、ガスエンジン11を冷却して加熱された冷却水も供給される。そして、サブ熱交換器19にて、冷媒と冷却水が熱交換する。斯かる熱交換により、サブ熱交換器19内を流れる冷媒が、加熱された冷却水から熱を受け取る。つまり、サブ熱交換器19にて、ガスエンジン11の駆動により得られる熱(冷却水の熱)により冷媒が加熱される。また、GHP第七配管15gにはGHP第一流量調整弁20aが介装される。GHP第一流量調整弁20aは開度調整可能に構成されており、GHP第七配管15gを流れる冷媒の流量、すなわちサブ熱交換器19に流入する冷媒の流量を調節する。GHP第七配管15gが、本発明のサブ配管に相当する。
また、GHP第一配管15aとGHP第四配管15dが、ホットガスバイパス配管15hにより接続される。ホットガスバイパス配管15hにより、GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bと第一吸入口12aが接続される。また、ホットガスバイパス配管15hに、ホットガスバイパス弁21が介装される。ホットガスバイパス弁21は開閉弁である。ホットガスバイパス弁21は、開閉作動することによりホットガスバイパス配管15h内の冷媒の流通を許可又は遮断する。ホットガスバイパス弁21が開弁作動すると、GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bから吐出されてGHP第一配管15aに流出した冷媒の一部がホットガスバイパス配管15hを経由してGHP第四配管15dに流れ、さらにGHP第四配管15dからGHPアキュムレータ18に流入する。そして、GHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eを通ってGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに戻される。
EHP室外機30は、モータ31(電動機)と、コンプレッサと、冷媒回路を構成する複数の配管と、空調に必要な各機器を有する。各機器には、室外熱交換器、四方弁、室外機ファン、アキュムレータ、流量調整弁が含まれる。本実施形態において、EHP室外機に備えられる配管、コンプレッサ、室外熱交換器、四方弁、室外機ファン、アキュムレータに、接頭語として「EHP」が付与される。従って、EHP室外機30は、モータ31、EHPコンプレッサ32、EHP室外熱交換器33、複数のEHP配管(35a〜35f)、EHP四方弁36、EHP室外機ファン37、EHPアキュムレータ38、EHP流量調整弁39を備えることになる。
モータ31は、例えば商用電源Cから電力が供給されることにより駆動する。なお、発電機付きGHPの発電電力、コージェネレーションシステムの発電機の発電電力、等を、モータ31の駆動に利用することができる。モータ31は出力軸31aを備える。モータ31の出力軸31aには、EHPコンプレッサ32が接続される。
EHPコンプレッサ32は、モータ31が駆動して出力軸31aが回転することにより作動する。EHPコンプレッサ32は、第二吸入口32a及び第二吐出口32bを有する。EHPコンプレッサ32が作動すると、第二吸入口32aから低圧のガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を圧縮する。そして、圧縮した高圧のガス冷媒を第二吐出口32bから吐出する。
EHPコンプレッサ32の第二吐出口32bは、EHP第一配管35aを介してEHP四方弁36に接続される。EHP四方弁36が本発明の第二切替弁に相当する。EHP四方弁36は、4つのポート(第一ポート361、第二ポート362、第三ポート363、第四ポート364)を有する中空状の本体部と、本体部内を移動可能な可動部とを備える。可動部によって特定の2つのポートとそれ以外の2つのポートが接続されるように、本体部内の空間が仕切られる。また、可動部が移動することにより、接続されるポートが切り替えられる。このようなEHP四方弁36の切替状態は、制御装置60により制御される。EHP第一配管35aは、EHP四方弁36の第一ポート361に接続される。
EHP四方弁36の第二ポート362は、EHP第二配管35bを介してEHP室外熱交換器33に接続される。EHP室外熱交換器33は、第一入出力ポート33a及び第二入出力ポート33bを備え、第一入出力ポート33aにEHP第二配管35bが接続される。また、EHP室外熱交換器33は、第一入出力ポート33aと第二入出力ポート33bを接続する熱交換チューブ及び熱交換チューブの回りに配設された熱交換フィンを備える。EHP室外熱交換器33は、熱交換チューブ内を流れる冷媒を外気と熱交換させる機能を有する。
また、EHP室外熱交換器33に近接した位置にEHP室外機ファン37が設置される。EHP室外機ファン37にはファンモータが取り付けられており、このファンモータの駆動によりEHP室外機ファン37が回転する。EHP室外機ファン37が回転することにより、EHP室外熱交換器33に外気が供給される。
EHP室外熱交換器33の第二入出力ポート33bは、EHP第三配管35cの一方端に接続される。EHP第三配管35cの他方端は、例えば、EHP室外機30のハウジングに設けられた液管ジョイント30aに接続される。また、図1からわかるように、EHP第三配管35cにEHP流量調整弁39が介装される。EHP流量調整弁39は、開度調整可能に構成されており、EHP第三配管35cからEHP室外熱交換器33に流入する冷媒の流量、或いは、EHP室外熱交換器33からEHP第三配管35cに流出する冷媒の流量を調整する。
EHP四方弁36の第三ポート363は、EHP第四配管35dを介してEHPアキュムレータ38に接続される。EHPアキュムレータ38は、EHP第四配管35dから冷媒を供給するとともに、供給した冷媒を気液分離する。また、EHPアキュムレータ38は、EHP第五配管35eを介してEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続される。EHPアキュムレータ38内の気相冷媒は、EHP第五配管35eを通ってEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに供給される。
EHP四方弁36の第四ポート364は、EHP第六配管35fの一方端に接続される。EHP第六配管35fの他方端は、例えば、EHP室外機30のハウジングに設けられたガス管ジョイント30bに接続される。
室内機40は、一つ又は複数の室内熱交換器と、それぞれの室内熱交換器に対応して設けられるとともに冷媒回路を構成する配管(室内側第一配管42a、室内側第二配管42b)と、それぞれの室内熱交換器に対応して設けられている室内側膨張弁43及び室内機ファン44とを備える。図1においては、3台の室内熱交換器41A,41B,41C及びこれらに対応する各配管及び各機器が例示される。例示された3台の室内熱交換器を総称して、室内熱交換器41と呼ぶ。
室内熱交換器41は、第一入出力ポート41aと第二入出力ポート41bとを備える。室内熱交換器41は、第一入出力ポート41aと第二入出力ポート41bとを接続する熱交換チューブ及び熱交換チューブの回りに配設された熱交換フィンを備える。室内熱交換器41は、熱交換チューブ内を流れる冷媒を室内空気と熱交換させる機能を有する。
室内熱交換器41の第一入出力ポート41aは、室内側第一配管42aの一方端に接続される。室内側第一配管42aの他方端は、例えば、室内機40のハウジングに設けられた液管ジョイント40aに接続される。また、室内熱交換器41の第二入出力ポート41bは、室内側第二配管42bの一方端に接続される。室内側第二配管42bの他方端は、例えば、室内機40のハウジングに設けられたガス管ジョイント40bに接続される。
また、室内側第一配管42aに、室内側膨張弁43が介装される。室内側膨張弁43は、開度調整可能な流量弁であり、室内熱交換器41を流通する冷媒の流量を調整するとともに、室内熱交換器41から流出した冷媒又は室内熱交換器41に流入した冷媒を膨張させる機能を有する。
室内熱交換器41に近接して室内機ファン44が設置される。室内機ファン44にはファンモータが取り付けられており、このファンモータの駆動により室内機ファン44が回転する。室内機ファン44が回転することにより、室内熱交換器41に室内空気が供給される。
また、図1に示すように、GHP室外機10のハウジングに設けられた液管ジョイント10aと室内機40のハウジングに設けられた液管ジョイント40aが、第一液管51により接続される。上述したように、GHP室外機10の液管ジョイント10aはGHP第三配管15cの他方端に接続されており、第三配管15cの一方端はGHP室外熱交換器13の第二入出力ポート13bに接続されている。また、室内機40の液管ジョイント40aは室内側第一配管42aの他方端に接続されており、室内側第一配管42aの一方端には室内熱交換器41が接続されている。従って、室内熱交換器41とGHP室外熱交換器13は、GHP第三配管15c、第一液管51、室内側第一配管42aにより接続されることになる。GHP第三配管15c、第一液管51、室内側第一配管42aが、本発明の第一接続配管に相当する。
また、GHP室外機10のハウジングに設けられたガス管ジョイント10bと室内機40のハウジングに設けられたガス管ジョイント40bが、第一ガス管52により接続される。ここで、室内機40のガス管ジョイント40bは、室内側第二配管42bの他方端に接続され、室内側第二配管42bの一方端は室内熱交換器41に接続される。また、GHP室外機10のガス管ジョイント10bは、GHP第六配管15fの他方端に接続され、GHP第六配管15fの一方端は、GHP四方弁16の第四ポート164に接続されている。また、後述するように、GHP四方弁16の切替状態が冷房時接続状態であるときには、GHP四方弁16の第四ポート164が第三ポート163に連通する。GHP四方弁16の第三ポート163は、GHP第四配管15dを介してGHPアキュムレータ18に接続され、さらにGHPアキュムレータ18は、GHP第五配管15eを介してGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続される。従って、GHP四方弁16の切替状態が冷房時接続状態であるとき、室内熱交換器41とGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aが、室内側第二配管42b、第一ガス管52、GHP第六配管15f、GHP第四配管15d、GHP第五配管15e、により接続される。室内側第二配管42b、第一ガス管52、GHP第六配管15f、GHP第四配管15d、GHP第五配管15eが、本発明の第三接続配管に相当する。
また、第一液管51には、第二液管53の一方端が連通する。この第二液管53の他方端は、EHP室外機30のハウジングに設けられた液管ジョイント30aに接続される。EHP室外機30の液管ジョイント30aは、EHP第三配管35cの他方端に接続され、EHP第三配管35cの一方端は、EHP室外熱交換器33の第二入出力ポート33bに接続される。従って、第一液管51(第一接続配管)とEHP室外熱交換器33は、第二液管53、EHP第三配管35cにより接続されることになる。第二液管53及びEHP第三配管35cが、本発明の第二接続配管に相当する。
また、第一ガス管52は、第二ガス管54の一方端に連通する。この第二ガス管54の他方端は、EHP室外機30のハウジングに設けられたガス管ジョイント30bに接続される。EHP室外機30のガス管ジョイント30bは、EHP第六配管35fの他方端に接続され、EHP第六配管35fの一方端は、EHP四方弁36の第四ポート364に接続されている。また、後述するように、EHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態であるときには、EHP四方弁16の第四ポート364が第三ポート363に連通する。EHP四方弁36の第三ポート363は、EHP第四配管35dを介してEHPアキュムレータ38に接続され、さらにEHPアキュムレータ38は、EHP第五配管35eを介してEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続される。従って、EHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態であるとき、第一ガス管52(第三接続配管)とEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aが、第二ガス管54、EHP第六配管35f、EHP第四配管35d、EHP第五配管35e、により接続される。第二ガス管54、EHP第六配管35f、EHP第四配管35d、EHP第五配管35eが、本発明の第四接続配管に相当する。
制御装置60は、CPU,ROM,RAMを備えるマイクロコンピュータを主要構成としており、空気調和装置1の動作を制御する。例えば、制御装置60は、空気調和装置1の運転状態に応じて、GHP四方弁16及びEHP四方弁36の切替状態、ガスエンジン11の回転数、モータ31の回転数、室内側膨張弁43の開度、各流量調整弁(20a,20b,39)の開度、ホットガスバイパス弁21の開閉状態、各ファンの回転数、等を、制御する。
また、図1には示していないが、GHP室外機10、EHP室外機30、室内機40の各所にセンサが設けられていて、それらのセンサの検出信号が制御装置60に入力される。制御装置60は、各種のセンサから入力した信号に基づいて、空気調和装置1の動作を制御する。各種のセンサとして、ガスエンジン11及びモータ31の回転数を検出する回転数検出センサ、GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ、GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ、GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32に吸入される冷媒の圧力を検出する圧力センサ、GHP室外熱交換器13及びEHP室外熱交換器33に流出入する冷媒の温度を検出する温度センサ、GHP室外熱交換器13内及びEHP室外熱交換器33内を流通する冷媒の温度を検出する温度センサ、各種ファンの回転数を検出する回転数検出センサ、室内側膨張弁43及び各流量調整弁(20a,20b,39)の開度を検出する開度検出センサ、外気温を検出する温度センサ、等を例示することができるが、この限りでない。
次に、上記構成の空気調和装置1の暖房運転時及び冷房運転時の動作について、説明する。まず、暖房運転時の動作について説明する。暖房運転時には、制御装置60は、GHP四方弁16及びEHP四方弁36の切替状態が、暖房時接続状態となるように、それぞれの四方弁を制御する。ここで、GHP四方弁16及びEHP四方弁36は、その切替状態が、暖房時接続状態と後述する冷房時接続状態とに切替可能であるように構成される。暖房時接続状態とは、両四方弁(16,36)の第一ポート(161,361)と第四ポート(164,364)が連通するとともに第二ポート(162,362)と第三ポート(163,363)が連通する切替状態である。従って、暖房運転時、すなわち両四方弁(16,36)の切替状態が暖房時接続状態であるとき、四方弁(16,36)の第一ポート(161,361)に接続された第一配管(15a,35a)が第四ポート(164,364)に接続された第六配管(15f、35f)に接続され、四方弁(16,36)の第二ポート(162,362)に接続された第二配管(15b、35b)が第三ポート(163,363)に接続された第四配管(15d、35d)に接続されることになる。
なお、後述する説明からわかるように、GHP四方弁16の切替状態が暖房時接続状態であるとき、GHP室外熱交換器13がGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続され、GHP四方弁16の切替状態が冷房時接続状態であるとき、GHP室外熱交換器13がGHPコンプレッサ12の第一吐出口12bに接続される。従って、GHP四方弁16は、GHP室外熱交換器13とGHPコンプレッサ12との接続状態を、GHP室外熱交換器13がGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続される暖房時接続状態とGHPコンプレッサ12の第一吐出口12bに接続される冷房時接続状態とに切替可能に構成されていると言える。同様に、EHP四方弁36の切替状態が暖房時接続状態であるとき、EHP室外熱交換器33がEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続され、EHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態であるとき、EHP室外熱交換器33がEHPコンプレッサ32の第二吐出口32bに接続される。従って、EHP四方弁36は、EHP室外熱交換器33とEHPコンプレッサ32との接続状態を、EHP室外熱交換器33がEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続される暖房時接続状態とEHPコンプレッサ32の第二吐出口32bに接続される冷房時接続状態とに切替可能に構成されていると言える。
また、暖房運転時には、GHP四方弁16の切替状態が暖房時接続状態にされた状態で、ガスエンジン11が駆動する。すると、GHPコンプレッサ12が作動して、GHP第五配管15e内の低圧ガス冷媒を第一吸入口12aから吸入するとともに吸入した低圧ガス冷媒を圧縮して高温高圧ガス冷媒を生成する。そして、生成した高温高圧ガス冷媒を第一吐出口12bから吐出する。第一吐出口12bから吐出された高温高圧ガス冷媒はGHP第一配管15aを流れてGHP四方弁16に流入する。
暖房運転時には、GHP四方弁16にてGHP第一配管15aがGHP第六配管15fに接続されているから、GHP第一配管15aからGHP四方弁16に流入した高温高圧ガス冷媒はGHP四方弁16からGHP第六配管15fに流入する。GHP第六配管15fに流入した高温高圧ガス冷媒は、さらに、GHP室外機10のガス管ジョイント10b、第一ガス管52、室内機40のガス管ジョイント40b、室内側第二配管42bをこの順に流れる。そして、室内側第二配管42bに接続した室内熱交換器41にその第二入出力ポート41bから流入する。
室内熱交換器41に流入した高温高圧ガス冷媒は室内熱交換器41の熱交換チューブを流通する間に室内空気と熱交換し、室内空気に熱を吐き出して凝縮する。つまり、室内熱交換器41は暖房運転時に凝縮器として機能する。このとき高温高圧ガス冷媒から吐き出された熱によって室内空気が暖められて、室内が暖房される。
室内熱交換器41にて室内空気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化し、室内熱交換器41の第一入出力ポート41aから室内側第一配管42aに流出する。そして、室内側第一配管42aの途中に介装された室内側膨張弁43で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化される。室内側膨張弁43で膨張された冷媒は、さらに、室内側第一配管42aから室内機40の液管ジョイント40a、第一液管51、GHP室外機10の液管ジョイント10a、GHP第三配管15c、配管L1及びGHP第二流量調整弁20bを経由して、GHP室外熱交換器13にその第二入出力ポート13bから流入する。GHP室外熱交換器13に流入した冷媒はGHP室外熱交換器13の熱交換チューブを流通する間に外気と熱交換し、外気の熱を奪って蒸発する。つまり、GHP室外熱交換器13は暖房時に蒸発器として機能する。
GHP室外熱交換器13にて外気の熱を奪って蒸発した冷媒は一部気化し、GHP室外熱交換器13の第一入出力ポート13aからGHP第二配管15bに流出する。そして、GHP第二配管15bからGHP四方弁16に入る。暖房運転時にはGHP四方弁16にてGHP第二配管15bがGHP第四配管15dに接続されているから、GHP第二配管15bからGHP四方弁16に流入した冷媒はGHP四方弁16からGHP第四配管15dに流入し、さらにGHPアキュムレータ18に供給される。GHPアキュムレータ18では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがGHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出される。GHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出した冷媒がGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに帰還する。上記の冷媒の流れからわかるように、GHP四方弁16の切替状態が暖房時接続状態である暖房運転時には、GHP室外熱交換器13は、GHP第二配管15b、GHP第四配管15d、GHP第五配管15eを介して、GHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続される。
また、暖房運転時には、必要に応じて、GHP第一流量調整弁20aの開度が制御される。GHP第一流量調整弁20aが開いている場合、室内熱交換器41及び室内側膨張弁43を経由してGHP第三配管15cに流入した冷媒の一部が、GHP第七配管15gに流れる。GHP第七配管15gに流れた冷媒は、サブ熱交換器19に導入される。このサブ熱交換器19にて、冷媒が冷却水と熱交換することにより、冷媒が加熱される。サブ熱交換器19で加熱された冷媒は、GHP第七配管15gからGHP第四配管15dに流出し、その後、GHPアキュムレータ18に供給される。
また、暖房運転時には、EHP四方弁36の切替状態が暖房時接続状態にされた状態で、モータ31が駆動する。すると、EHPコンプレッサ32が作動して、EHP第五配管35e内の低圧ガス冷媒を第二吸入口32aから吸入するとともに吸入した低圧ガス冷媒を圧縮して高温高圧ガス冷媒を生成する。そして、生成した高温高圧ガス冷媒を第二吐出口32bから吐出する。第二吐出口32bから吐出された高温高圧ガス冷媒はEHP第一配管35aを流れてEHP四方弁36に流入する。
暖房運転時には、EHP四方弁36にてEHP第一配管35aがEHP第六配管35fに接続されているから、EHP第一配管35aからEHP四方弁36に流入した高温高圧ガス冷媒はEHP四方弁36からEHP第六配管35fに流入する。EHP第六配管35fに流入した高温高圧ガス冷媒は、さらに、EHP室外機30のガス管ジョイント30b、第二ガス管54、第一ガス管52、室内機40のガス管ジョイント40b、室内側第二配管42bをこの順に流れる。そして、室内側第二配管42bに接続した室内熱交換器41にその第二入出力ポート41bから流入する。
室内熱交換器41に流入した高温高圧ガス冷媒は室内熱交換器41の熱交換チューブを流通する間に室内空気と熱交換し、室内空気に熱を吐き出して凝縮する。このとき高温高圧ガス冷媒から吐き出された熱によって室内空気が暖められて、室内が暖房される。
室内熱交換器41にて室内空気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化し、室内熱交換器41の第一入出力ポート41aから室内側第一配管42aに流出する。そして、室内側第一配管42aの途中に介装された室内側膨張弁43で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化される。室内側膨張弁43で膨張された冷媒は、さらに、室内機40の液管ジョイント40a、第一液管51、第二液管53、EHP室外機30の液管ジョイント30a、EHP第三配管35c及びEHP流量調整弁39を経由して、EHP室外熱交換器33にその第二入出力ポート33bから流入する。EHP室外熱交換器33に流入した冷媒はEHP室外熱交換器33内の熱交換チューブを流通する間に外気と熱交換し、外気の熱を奪って蒸発する。つまり、EHP室外熱交換器33は暖房時に蒸発器として機能する。
EHP室外熱交換器33にて外気の熱を奪って蒸発した冷媒は一部気化し、EHP室外熱交換器33の第一入出力ポート33aからEHP第二配管35bに流出する。そして、EHP第二配管35bからEHP四方弁36に入る。暖房運転時にはEHP四方弁36にてEHP第二配管35bがEHP第四配管35dに接続されているから、EHP第二配管35bからEHP四方弁36に流入した冷媒はEHP四方弁36からEHP第四配管35dに流入し、さらにEHPアキュムレータ38に供給される。EHPアキュムレータ38では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがEHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出される。EHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出した冷媒がEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに帰還する。上記の冷媒の流れからわかるように、EHP四方弁36の切替状態が暖房時接続状態である暖房運転時には、EHP室外熱交換器33は、EHP第二配管35b、EHP第四配管35d、EHP第五配管35eを介して、EHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続される。図1において、暖房運転時における冷媒の流れが、実線の矢印により示される。
次に、冷房運転について説明する。冷房運転時には、制御装置60は、GHP四方弁16及びEHP四方弁36の切替状態が、冷房時接続状態となるように、それぞれの四方弁を制御する。ここで、冷房時接続状態とは、両四方弁(16,36)の第一ポート(161,361)と第二ポート(162,362)が連通するとともに第三ポート(163,363)と第四ポート(164,364)が連通する切替状態である。従って、冷房運転時、すなわち両四方弁(16,36)の切替状態が冷房時接続状態であるとき、四方弁(16,36)の第一ポート(161,361)に接続された第一配管(15a,35a)が第二ポート(162,362)に接続された第二配管(15b、35b)に接続され、第三ポート(163,363)に接続された第四配管(15d、35d)が第四ポート(164,364)に接続された第六配管(15f、35f)に接続されることになる。
また、冷房運転時には、GHP四方弁16の切替状態が冷房時接続状態にされた状態で、ガスエンジン11が駆動する。すると、GHPコンプレッサ12が作動して、GHP第五配管15e内の低圧ガス冷媒を第一吸入口12aから吸入するとともに吸入した低圧ガス冷媒を圧縮して高温高圧ガス冷媒を生成する。そして、生成した高温高圧ガス冷媒を第一吐出口12bから吐出する。第一吐出口12bから吐出された高温高圧ガス冷媒はGHP第一配管15aを流れてGHP四方弁16に流入する。
冷房運転時には、GHP四方弁16にてGHP第一配管15aがGHP第二配管15bに接続されているから、GHP第一配管15aからGHP四方弁16に流入した高温高圧ガス冷媒はGHP四方弁16からGHP第二配管15bに流入する。GHP第二配管15bに流入した高温高圧ガス冷媒は、GHP第二配管15bに接続したGHP室外熱交換器13にその第一入出力ポート13aから流入する。GHP室外熱交換器13に流入した冷媒はGHP室外熱交換器13の熱交換チューブを流通する間に外気と熱交換し、外気に熱を吐き出して凝縮する。つまり、GHP室外熱交換器13は冷房時に凝縮器として機能する。なお、上記した冷媒の流れからわかるように、GHP四方弁16の切替状態が冷房時接続状態である冷房運転時には、GHP室外熱交換器13は、GHP第二配管15b、GHP第一配管15aを介して、GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bに接続される。
GHP室外熱交換器13にて外気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化し、GHP室外熱交換器13の第二入出力ポート13bからGHP第三配管15cに流出する。GHP第三配管15cに流出した冷媒は、配管L2、逆止弁20c、GHP室外機10の液管ジョイント10a、第一液管51、室内機40の液管ジョイント40aを経由して、室内側第一配管42aに至り、この室内側第一配管42aの途中に介装された室内側膨張弁43で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化される。室内側膨張弁43で膨張された冷媒は、室内熱交換器41にその第一入出力ポート41aから流入する。室内熱交換器41に流入した冷媒は室内熱交換器41の熱交換チューブを流通する間に室内空気と熱交換し、室内空気の熱を奪って蒸発する。つまり、室内熱交換器41は冷房時に蒸発器として機能する。このとき冷媒に熱が奪われることによって室内空気が冷却されて、室内が冷房される。
室内熱交換器41にて室内空気の熱を奪って蒸発した冷媒は、室内熱交換器41の第二入出力ポート41bから室内側第二配管42bに流出する。室内側第二配管42bに流出した冷媒は、室内機40のガス管ジョイント40b、第一ガス管52、GHP室外機10のガス管ジョイント10b、GHP第六配管15fを経由して、GHP四方弁16に入る。冷房運転時にはGHP四方弁16にてGHP第六配管15fがGHP第四配管15dに接続されているから、GHP第六配管15fからGHP四方弁16に流入した冷媒はGHP四方弁16からGHP第四配管15dに流入し、さらにGHPアキュムレータ18に供給される。GHPアキュムレータ18では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがGHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出される。GHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出した冷媒がGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに帰還する。上記の冷媒の流れからわかるように、冷房運転時、すなわちGHP四方弁16の切換状態が冷房時接続状態であるときには、室内熱交換器41は、第三接続配管(室内側第二配管42b、第一ガス管52、GHP第六配管15f、GHP第四配管15d、GHP第五配管15e)を介して、GHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに接続される。
また、冷房運転時には、EHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態にされた状態で、モータ31が駆動する。すると、EHPコンプレッサ32が作動して、EHP第五配管35e内の低圧ガス冷媒を第二吸入口32aから吸入するとともに吸入した低圧ガス冷媒を圧縮して高温高圧ガス冷媒を生成する。そして、生成した高温高圧ガス冷媒を第二吐出口32bから吐出する。第二吐出口32bから吐出された高温高圧ガス冷媒はEHP第一配管35aを流れてEHP四方弁36に流入する。
冷房運転時には、EHP四方弁36にてEHP第一配管35aがEHP第二配管35bに接続されているから、EHP第一配管35aからEHP四方弁36に流入した高温高圧ガス冷媒はEHP四方弁36からEHP第二配管35bに流入する。EHP第二配管35bに流入した高温高圧ガス冷媒は、EHP第二配管35bに接続したEHP室外熱交換器33にその第一入出力ポート33aから流入する。EHP室外熱交換器33に流入した冷媒はEHP室外熱交換器33の熱交換チューブを流通する間に外気と熱交換し、外気に熱を吐き出して凝縮する。つまり、EHP室外熱交換器33は冷房時に凝縮器として機能する。なお、上記した冷媒の流れからわかるように、EHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態である冷房運転時には、EHP室外熱交換器33は、EHP第二配管35b、EHP第一配管35aを介して、EHPコンプレッサ32の第二吐出口32bに接続される。
EHP室外熱交換器33にて外気に熱を吐き出して凝縮した冷媒は一部液化し、EHP室外熱交換器33の第二入出力ポート33bからEHP第三配管35cに流出する。EHP第三配管35cに流出した冷媒は、EHP流量調整弁39、EHP室外機30の液管ジョイント30a、第二液管53、第一液管51、室内機40の液管ジョイント40aを経由して、室内側第一配管42aに至り、この室内側第一配管42aの途中に介装された室内側膨張弁43で膨張することにより蒸発しやすいように低圧化される。室内側膨張弁43で膨張された冷媒は、室内熱交換器41にその第一入出力ポート41aから流入する。室内熱交換器41に流入した冷媒は室内熱交換器41の熱交換チューブを流通する間に室内空気と熱交換し、室内空気の熱を奪って蒸発する。このとき冷媒に熱が奪われることによって室内空気が冷却されて、室内が冷房される。
室内熱交換器41にて室内空気の熱を奪って蒸発した冷媒は、室内熱交換器41の第二入出力ポート41bから室内側第二配管42bに流出する。室内側第二配管42bに流出した冷媒は、室内機40のガス管ジョイント40b、第一ガス管52、第二ガス管54、EHP室外機30のガス管ジョイント30b、EHP第六配管35fを経由して、EHP四方弁36に入る。冷房運転時にはEHP四方弁36にてEHP第六配管35fがEHP第四配管35dに接続されているから、EHP第六配管35fからEHP四方弁36に流入した冷媒はEHP四方弁36からEHP第四配管35dに流入し、さらにEHPアキュムレータ38に供給される。EHPアキュムレータ38では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがEHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出される。EHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出した冷媒がEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに帰還する。上記の冷媒の流れからわかるように、冷房運転時、すなわちEHP四方弁36の切換状態が冷房時接続状態であるときには、室内熱交換器41は、室内側第二配管42b、第一ガス管52、第二ガス管54、EHP第六配管35f、EHP第四配管35d、EHP第五配管35eを介して、EHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに接続される。図1において、冷房運転時における冷媒の流れが、破線の矢印により示される。
上記したような空気調和装置1の暖房運転中及び冷房運転中に、制御装置60は、室内機40から要求される空調負荷に応じて、GHP室外機10及びEHP室外機30を制御する。例えば、要求される空調負荷が大きい場合、制御装置60は、GHP室外熱交換器13及びEHP室外熱交換器33の双方に冷媒が流れるように、GHP室外機10及びEHP室外機30を制御することができる。また、要求される空調負荷が小さい場合、制御装置60は、GHP室外熱交換器13とEHP室外熱交換器13のいずれか一方に冷媒が流れるように、GHP室外機10及びEHP室外機30を制御することができる。
また、制御装置60は、暖房運転中及び冷房運転中に、運転中の室内熱交換器41の熱交換量が空調負荷に見合う量になるように、室外機(10,30)及び/又は室内機40を制御する。例えば、制御装置60は、GHP室外機10のガスエンジン11の回転数、EHP室外機30のモータ31の回転数、室内機40の室内側膨張弁43の開度、室内機ファン44の回転数、等を制御することにより、運転中の室内熱交換器41の熱交換量を制御する。
また、上記した暖房運転中及び冷房運転中において、ホットガスバイパス弁21は、通常は閉じている。このホットガスバイパス弁21は、必要に応じて開作動する。例えば、GHPコンプレッサ12に吸入される冷媒の圧力が低くなり、低圧異常が発生して空調運転が停止する虞がある場合に、ホットガスバイパス弁21が開く。これにより、高圧のガス冷媒がGHPコンプレッサ12に吸入され、その結果、低圧異常が回避される。
ところで、暖房運転時、特に外気温が非常に低い場合における暖房運転時には、室外熱交換器から排出される冷媒の温度(冷媒蒸発温度)が氷点下且つ露点以下まで低下する場合があり、このような場合、室外熱交換器に備えられる熱交換フィンに着霜する。熱交換フィンに着霜したまま暖房運転を継続した場合には、霜が成長して熱交換フィンが霜で覆われる。また、霜の成長により通風面積が減少する。このため室外熱交換器での熱交換性能が損なわれる。
よって、暖房運転時に室外熱交換器に着霜した場合、除霜運転が実施される。以下においては、本実施形態に係る空気調和装置1が実施する除霜運転について説明する。
本実施形態では、暖房運転時に、制御装置60が除霜開始判定処理を実行する。図2は、制御装置60が実行する除霜開始判定処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図2に示すルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図2のステップ(以下、ステップをSと略記する)、S11にて、除霜開始条件が成立したか否かを判断する。この場合、例えば、暖房運転時にGHP室外熱交換器13に流入する冷媒の温度(すなわちGHP第三配管15cを流れる冷媒の温度)が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(A条件)、暖房運転時にGHP室外熱交換器13から流出する冷媒の温度(すなわちGHP第二配管15bを流れる冷媒の温度)が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(B条件)、暖房運転時にGHP室外熱交換器13内を流通する冷媒の温度が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(C条件)、暖房運転時にEHP室外熱交換器33に流入する冷媒の温度(すなわちEHP第三配管35cを流れる冷媒の温度)が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(D条件)、暖房運転時にEHP室外熱交換器33から流出する冷媒の温度(すなわちEHP第二配管35bを流れる冷媒の温度)が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(E条件)、暖房運転時にEHP室外熱交換器33内を流通する冷媒の温度が除霜を開始する必要がある温度として予め定められた温度以下であること(F条件)、のうち少なくとも一つ以上の条件を満たした場合に、除霜開始条件が成立したと判断することができる。
S11にて除霜開始条件が成立していないと判断した場合(S11:No)、制御装置60は、S13に処理を進めて、除霜開始フラグをOFFに設定し、その後、このルーチンを終了する。一方、S11にて除霜開始条件が成立したと判断した場合(S11:Yes)、制御装置60は、S12に処理を進めて、除霜開始フラグをONに設定し、その後、このルーチンを終了する。
除霜開始判定処理にて、除霜開始フラグがOFFに設定された場合、除霜運転は実行されずに暖房運転が継続される。一方、除霜開始判定処理にて、除霜開始フラグがONに設定された場合、除霜運転が実行される。この場合、制御装置60は、まず、除霜準備処理を実行する。図3は、制御装置60が実行する除霜準備処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図3のS21にて、GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32のうち、作動していないコンプレッサ(非作動コンプレッサ)の有無を判断する。非作動コンプレッサが無い場合(S21:No)、制御装置60はこのルーチンを終了する。一方、非作動コンプレッサが有る場合(S21:Yes)、制御装置60は、S22に処理を進めて、非作動コンプレッサを作動させるための作動指令信号を出力する。
次いで、制御装置60は、S23にて、全てのコンプレッサ(GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32)が作動しているか否かを判断する。なお、本実施形態に係る除霜準備処理において非作動コンプレッサを作動させるための作動指令信号を出力した場合であっても、その他の制御により、或いは、室外機の異常或いは故障により、非作動コンプレッサが作動しない場合がある。そのような場合、S22にて作動指令信号を出力しても、非作動コンプレッサは作動しない。S23にて、全てのコンプレッサが作動していると判断した場合(S23:Yes)、つまり、全ての室外機が作動して暖房運転を実施している場合、制御装置60は、S24に処理を進めて、同時除霜フラグをONに設定する。その後、制御装置60は、このルーチンを終了する。一方、いずれかのコンプレッサが作動していない場合(S23:No)、制御装置60は、S25に処理を進めて、単独除霜フラグをONに設定する。その後、制御装置60は、このルーチンを終了する。
制御装置60が図3に示す除霜準備処理を実行することにより、除霜運転の実行前に、作動可能な全てのコンプレッサが作動する。従って、全ての室外熱交換器のうちの1台でも除霜する必要性が生じた場合には、停止している室外機、除霜の必要のない室外熱交換器を備える室外機、を含めた全ての室外機が、運転することができない場合を除いて暖房運転状態にされる。
制御装置60は、除霜準備処理にて同時除霜フラグがONに設定された場合、同時除霜処理を実行する。図4は、制御装置60が実行する同時除霜処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。図4に示すルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図4のS31にて、GHP四方弁16及びEHP四方弁36の切替処理を実行する。この処理の実行により、GHP四方弁16の切替状態が、暖房時接続状態から冷房時接続状態に変更され、EHP四方弁36の切替状態が、暖房時接続状態から冷房時接続状態に変更される。S31の処理が、本発明の接続状態切替処理に相当する。
続いて、制御装置60は、全室内機ファン44に取り付けられているファンモータに停止信号を出力する。これにより、全室内機ファン44が停止する(S32)。次いで、制御装置60は、全室内側膨張弁43に全閉信号を出力する。これにより、全室内側膨張弁43が全閉作動する(S33)。全室内側膨張弁43が全閉作動することにより、全室内熱交換器41への冷媒の流通が遮断される。S33の処理が、本発明の膨張弁全閉処理に相当する。
次に、制御装置60は、ホットガスバイパス弁21に閉作動信号を出力する。これによりホットガスバイパス弁21が閉作動する(S34)。なお、S34の処理の実行時に既にホットガスバイパス弁21が閉じている場合は、ホットガスバイパス弁21の閉状態が維持される。S34の処理が、本発明のホットガスバイパス弁閉弁処理に相当する。
続いて、制御装置60は、S35に処理を進めて、同時除霜運転処理を実行する。この同時除霜運転処理では、制御装置60は、GHP第一流量調整弁20aの開度、GHP第二流量調整弁20bの開度、及びEHP流量調整弁39の開度を室外熱交換器の除霜に適した開度に制御するとともに、ガスエンジン11を冷却する冷却水が流通する冷却水配管に設けられているウォーターポンプの駆動を制御する。また、この同時除霜運転処理では、制御装置60は、GHP室外熱交換器13及びEHP室外熱交換器33が同時に除霜されるように、GHPコンプレッサ12及びEHPコンプレッサ32を作動させる。具体的には、GHPコンプレッサ12から吐出される冷媒の流量がGHP室外熱交換器13の除霜に適した流量となるようにガスエンジン11の回転数を制御するとともに、EHPコンプレッサ32から吐出される冷媒の流量がEHP室外熱交換器33の除霜に適した流量となるようにモータ31の回転数を制御する。本明細書において、同時除霜運転処理の実行によるGHP室外機10及びEHP室外機30における運転動作を、同時除霜運転と呼ぶ。
S35にて同時除霜運転処理が実行された場合、GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bから吐出された高温高圧のガス冷媒が、GHP第一配管15aを経由してGHP四方弁16に入る。同時除霜運転時にはGHP四方弁16の切替状態は冷房時接続状態であり、GHP四方弁16にてGHP第一配管15aがGHP第二配管15bに接続されているから、GHP第一配管15aからGHP四方弁16に流入した高温高圧のガス冷媒は、GHP四方弁16からGHP第二配管15bに流れる。そして、GHP第二配管15bからGHP室外熱交換器13に高温高圧のガス冷媒が流入する。高温高圧のガス冷媒がGHP室外熱交換器13内を流れることにより、GHP室外熱交換器13が加熱される。これによりGHP室外熱交換器13が除霜される。
GHP室外熱交換器13を流れた冷媒は、GHP第三配管15c(第一接続配管)に流入する。ここで、冷房運転時には、GHP第三配管15c内の冷媒は、第一液管51、室内側第一配管42a、室内側膨張弁43を通って室内熱交換器41に流れるが、同時除霜運転時には室内側膨張弁43が閉じている。従って、同時除霜運転時にはGHP第三配管15c(配管L2)内の冷媒は、GHP第三配管15cに接続したGHP第七配管15g(サブ配管)に流入する。そして、GHP第七配管15gに介装されたGHP第一流量調整弁20aを経由して、サブ熱交換器19に至る。このサブ熱交換器19にて、冷媒が冷却水と熱交換する。このとき冷媒が冷却水の熱(すなわちガスエンジン11の駆動により得られる熱)により加熱される。
サブ熱交換器19で加熱された冷媒は、GHP第七配管15gからGHP第四配管15d(第三接続配管)に流入し、さらに、GHP第四配管15dからGHPアキュムレータ18に供給される。GHPアキュムレータ18では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがGHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出される。GHPアキュムレータ18からGHP第五配管15eに流出した冷媒がGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに帰還する。
このように、同時除霜運転時にGHP室外熱交換器13に高温高圧のガス冷媒が供給されることにより、GHP室外熱交換器13が除霜される。また、冷媒がサブ熱交換器19で加熱されることにより、より高い温度の冷媒をGHP室外熱交換器13に供給することができる。これにより、GHP室外熱交換器13の除霜を促進することができる。
また、S35にて同時除霜運転処理が実行された場合、EHPコンプレッサ32の第二吐出口32bから吐出された高温高圧のガス冷媒が、EHP第一配管35aを経由してEHP四方弁36に入る。同時除霜運転時にはEHP四方弁36の切替状態は冷房時接続状態であり、EHP四方弁36にてEHP第一配管35aがEHP第二配管35bに接続されているから、EHP第一配管35aからEHP四方弁36に流入した高温高圧のガス冷媒は、EHP四方弁36からEHP第二配管35bに流れる。そして、EHP第二配管35bからEHP室外熱交換器33に高温高圧のガス冷媒が流入する。高温高圧のガス冷媒がEHP室外熱交換器33内を流れることにより、EHP室外熱交換器33が加熱される。これによりEHP室外熱交換器33が除霜される。
EHP室外熱交換器33を流れた冷媒は、EHP第三配管35c(第二接続配管)に流入する。そして、EHP第三配管35cの途中に介装されたEHP流量調整弁39を通り、さらにEHP室外機30の液管ジョイント30a、第二液管53を経由して、第一液管51(第一接続配管)に至る。ここで、冷房運転時には、第一液管51内の冷媒は、室内側第一配管42a、室内側膨張弁43を通って室内熱交換器41に流れるが、同時除霜運転時には室内側膨張弁43が閉じている。従って、同時除霜運転時には第一液管51内の冷媒は、GHP室外機10の液管ジョイント10aを経由してGHP室外機10内のGHP第三配管15cを流れ、さらにGHP第三配管15c(第一接続配管)からGHP第三配管15cに接続したGHP第七配管15g(サブ配管)に流入する。
なお、上記したように、同時除霜運転時にGHPコンプレッサ12から吐出された冷媒も、GHP室外熱交換器13を経由してGHP第七配管15gに流入するから、GHP第七配管15gにて、GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒とEHPコンプレッサ32から吐出された冷媒が合流することになる。こうしてGHP第七配管15gにて合流した冷媒が、GHP第七配管15gに介装されたGHP第一流量調整弁20aを経由して、サブ熱交換器19に至ることになる。そして、このサブ熱交換器19にて、合流した冷媒が冷却水と熱交換する。このとき冷媒が冷却水の熱(すなわちガスエンジン11の駆動により得られる熱)により加熱される。
サブ熱交換器19で加熱された冷媒は、GHP第七配管15gからGHP第四配管15d(第三接続配管)に流入する。このGHP第四配管15dでは、GHP第七配管15gにて合流した冷媒が分流される。分流された冷媒の一方(GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒分の冷媒)は、上記したように、GHP第四配管15dからGHPアキュムレータ18、GHP第五配管を経由してGHPコンプレッサ12に吸入される。分流された冷媒の他方(EHPコンプレッサ32から吐出された冷媒分の冷媒)は、GHP第四配管15dからGHP四方弁16に流入する。同時除霜運転時にはGHP四方弁16の切替状態は冷房時接続状態であり、GHP四方弁16にてGHP第四配管15dがGHP第六配管15fに接続されているから、GHP第四配管15dからGHP四方弁16に流入した冷媒はGHP四方弁16からGHP第六配管15fに流入する。GHP第六配管15fに流入した冷媒は、GHP室外機10のガス管ジョイント10bを経由して第一ガス管52に流入し、さらに第一ガス管52(第三接続配管)から第二ガス管54(第四接続配管)に流入する。第二ガス管54内の冷媒は、EHP室外機30のガス管ジョイント30bを経由してEHP室外機30内のEHP第六配管35fに流入し、さらにEHP第六配管35fからEHP四方弁36に入る。同時除霜運転時にはEHP四方弁36の切替状態は冷房時接続状態であり、EHP四方弁36にてEHP第六配管35fがEHP第四配管35dに接続されているから、EHP第六配管35fからEHP四方弁36に流入した冷媒は、EHP四方弁36からEHP第四配管35dに流れる。そして、EHP第四配管35dからEHPアキュムレータ38に冷媒が供給される。
EHPアキュムレータ38では供給された冷媒が気液分離される。そして、低温低圧のガス冷媒のみがEHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出される。EHPアキュムレータ38からEHP第五配管35eに流出した冷媒がEHPコンプレッサ32の第二吸入口32aに帰還する。
このように、同時除霜運転時にEHP室外熱交換器33に高温高圧のガス冷媒が供給されることにより、EHP室外熱交換器13が除霜される。また、EHP室外熱交換器33を流れた冷媒も、GHP室外熱交換器13を流れた冷媒とともにサブ熱交換器19で加熱される。このため、より高い温度の冷媒をEHP室外熱交換器33に供給することができる。これにより、EHP室外熱交換器13の除霜を促進することができる。図5は、同時除霜運転時における冷媒の流れが示された、空気調和装置1の概略図である。図5において、GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒の流れが実線の矢印により示され、EHPコンプレッサ32から吐出された冷媒の流れが破線の矢印により示される。
制御装置60は、S35にて同時除霜運転処理を実行した後に、S36に処理を進めて、GHP室外機10(GHP室外熱交換器13)の除霜の終了条件が成立したか否かを判断する。この除霜終了条件として、例えば、同時除霜運転時にGHP室外熱交換器13に流入する冷媒の温度(すなわちGHP第二配管15bを流れる冷媒の温度)が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、同時除霜運転時にGHP室外熱交換器13から流出する冷媒の温度(すなわちGHP第三配管15cを流れる冷媒の温度)が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、同時除霜運転時にGHP室外熱交換器13内を流れる冷媒の温度が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、のいずれかを選択することができる。
なお、GHP室外機10はサブ熱交換器19を備えているので、暖房運転時にGHP室外熱交換器13に流入する冷媒は、適宜、サブ熱交換器19により加熱される。そのため、暖房運転時にGHP室外熱交換器13に流入する冷媒は、暖房運転時にEHP室外熱交換器33に流入する冷媒よりも暖かい。よって、GHP室外熱交換器13はEHP室外熱交換器33に比べて着霜し難く、また、着霜した場合であっても除霜されやすい。このような理由から、同時除霜運転処理が実行された場合、通常は、GHP室外熱交換器13の除霜がEHP室外熱交換器33の除霜よりも先に完了する。つまり、S36の判定結果がYesとされた時点では、EHP室外熱交換器33の除霜が完了していない可能性が高い。
S36にてGHP室外機10(GHP室外熱交換器13)の除霜終了条件が成立していないと判断した場合(S36:No)、制御装置60は、同時除霜運転処理の実行を継続しつつ(すなわち同時除霜運転を継続しつつ)、S36の判定を繰り返す。一方、S36にてGHP室外機10(GHP室外熱交換器13)の除霜終了条件が成立したと判断した場合(S36:Yes)、制御装置60は、S37に処理を進めて、ホットガスバイパス弁21に開作動信号を出力する。これにより、ホットガスバイパス弁21が開く。S37の処理の実行により、ホットガスバイパス弁21が開いた状態で、同時除霜運転がなされる。なお、S37の処理の実行時点では、EHP室外熱交換器33の除霜が完了されていないと考えられる。つまり、S37の処理は、EHP室外熱交換器33の除霜が完了していない場合にホットガスバイパス弁21を開弁作動させる処理である。S37の処理が、本発明のホットガスバイパス弁開弁処理に相当する。
ホットガスバイパス弁21が開いた状態で同時除霜運転がなされた場合、GHPコンプレッサ12から吐出された高温高圧のガス冷媒の一部が、ホットガスバイパス配管15hを通ってGHP第四配管15dに流れる。ホットガスバイパス配管15hを通ってGHP第四配管15dに流れた冷媒は、GHPアキュムレータ18、GHP第五配管15eを経由して、GHP室外熱交換器13及びサブ熱交換器19を通ることなくGHPコンプレッサ12の第一吸入口12aに吸入される。このため、GHPコンプレッサ12からサブ熱交換器19に供給される冷媒の流量が減少する。GHPコンプレッサ12からサブ熱交換器19に供給される冷媒の流量が減少すると、EHPコンプレッサ32からサブ熱交換器19に供給される冷媒の流量が相対的に増加する。これにより、サブ熱交換器19にてEHPコンプレッサ32から吐出される冷媒に与えられる熱量が増大し、その結果、EHP室外熱交換器33の除霜がさらに促進される。
制御装置60は、S37にてホットガスバイパス弁を開いた後に、S38に処理を進めて、EHP室外機30(EHP室外熱交換器33)の除霜の終了条件が成立したか否かを判断する。この除霜終了条件として、例えば、同時除霜運転時にEHP室外熱交換器33に流入する冷媒の温度(すなわちEHP第二配管35bを流れる冷媒の温度)が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、同時除霜運転時にEHP室外熱交換器33から流出する冷媒の温度(すなわちEHP第三配管35cを流れる冷媒の温度)が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、同時除霜運転時にEHP室外熱交換器33内を流れる冷媒の温度が、除霜が完了したとみなされる温度として予め定められた温度以上であること、のいずれかを選択することができる。
S38にてEHP室外機30(EHP室外熱交換器33)の除霜の終了条件が成立していないと判断した場合(S38:No)、制御装置60は、同時除霜運転処理の実行を継続しつつ(すなわちホットガスバイパス弁21が開いた状態での同時除霜運転を継続しつつ)、S38の判定を繰り返す。一方、S39にてEHP室外機30(EHP室外熱交換器33)の除霜の終了条件が成立したと判断した場合(S38:Yes)、制御装置60は、S39に処理を進めて、除霜終了処理を実行する。この除霜終了処理の実行により、ホットガスバイパス弁21が閉作動するとともに、GHP四方弁16及びEHP四方弁36の切替状態が冷房時接続状態から暖房時接続状態に戻される。また、通常の暖房運転時と同じように、空調負荷に応じて、ガスエンジン11及びモータ31の回転数、室内機ファン44の回転数、室内側膨張弁43の開度、各流量調整弁(20a,20b,39)の開度が制御される。その後、制御装置60は、このルーチンを終了する。
また、制御装置60は、図3の除霜準備処理のS25にて単独除霜フラグがONに設定されている場合、単独除霜処理を実行する。この単独除霜処理では、作動しているコンプレッサを有する室外機(以下、運転室外機)に備えられる室外熱交換器の除霜が実行される。まず、運転室外機がEHP室外機30である場合の単独除霜処理(EHP単独除霜処理)について説明する。
図6は、制御装置60が実行するEHP単独除霜処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図6のS41にて、EHP四方弁36の切替状態を、暖房時接続状態から冷房時接続状態に変更する。次いで、全室内機ファン44の回転が停止するように全室内機ファン44に取り付けられているファンモータに停止信号を出力する(S42)。これにより、全室内機ファン44の駆動が停止する。次いで、全室内側膨張弁43の開度が、除霜時の熱交換に適した開度(EHP単独除霜時開度)となるように、全室内側膨張弁43の開度を制御する(S43)。
その後、制御装置60は、EHP単独除霜運転処理を実行する(S44)。このEHP単独除霜運転処理では、制御装置60は、GHP第一流量調整弁20a及びGHP第二流量調整弁20bが閉弁するようにこれらの弁を制御するとともに、EHPコンプレッサ32から吐出される冷媒の流量がEHP室外熱交換器33の除霜に適した流量となるように、モータ31を制御する。これにより、EHP単独除霜運転が開始される。
S44にてEHP単独除霜運転処理が実行された場合、EHPコンプレッサ32の第二吐出口32bから吐出された冷媒は、上述した冷房運転時にEHPコンプレッサ32の第二吐出口32bから吐出された冷媒の流れと同じように冷媒回路内を流れる。このためEHPコンプレッサ32から吐出された高温高圧の冷媒ガスがEHP室外熱交換器33に供給される。これにより、EHP室外熱交換器33が除霜される。
制御装置は、S44にてEHP単独除霜運転処理を実行した後に、EHP室外機30の除霜の終了条件が成立したか否かを判断する(S45)。終了条件が成立していない場合(S45:No)、制御装置60は、EHP単独除霜運転処理を実行しつつ、S45の判定を繰り返す。一方、終了条件が成立した場合(S45:Yes)、制御装置60は、S46に処理を進めて、EHP単独除霜終了処理を実行する。その後、制御装置60は、このルーチンを終了する。
次に、運転室外機がGHP室外機10である場合の単独除霜処理(GHP単独除霜処理)について説明する。図7は、制御装置60が実行するGHP室外機10の単独除霜処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。このルーチンが起動すると、制御装置60は、まず、図7のS51にて、GHP四方弁16の切替状態を、暖房時接続状態から冷房時接続状態に変更する。次いで、全室内機ファン44の回転が停止するように全室内機ファン44に取り付けられているファンモータに停止信号を出力する(S52)。これにより、全室内機ファン44の駆動が停止する。次いで、全室内側膨張弁43が全閉状態となるように、全室内側膨張弁43の開度を制御する(S53)。
その後、制御装置60は、GHP単独除霜運転処理を実行する(S54)。このGHP単独除霜運転処理では、制御装置60は、EHP流量調整弁39が閉弁するようにこれらの弁を制御するとともに、GHPコンプレッサ12から吐出される冷媒の流量がGHP室外熱交換器13の除霜に適した流量となるように、ガスエンジン11を制御する。これにより、GHP単独除霜運転が開始される。
S54にてGHP単独除霜運転処理が実行された場合、GHPコンプレッサ12の第一吐出口12bから吐出された冷媒は、上述した同時除霜運転時にGHPコンプレッサ12の第一吐出口12bから吐出された冷媒の流れと同じように冷媒回路内を流れる。このためGHPコンプレッサ12から吐出された高温高圧の冷媒ガスがGHP室外熱交換器13に供給される。これにより、GHP室外熱交換器13が除霜される。
制御装置は、S54にてGHP単独除霜運転処理を実行した後に、GHP室外機10の除霜の終了条件が成立したか否かを判断する(S55)。終了条件が成立していない場合(S55:No)、制御装置60は、GHP単独除霜運転処理を実行しつつ、S55の判定を繰り返す。一方、終了条件が成立した場合(S55:Yes)、制御装置60は、S56に処理を進めて、GHP単独除霜終了処理を実行する。その後、制御装置60は、このルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態に係る空気調和装置1は、GHP室外熱交換器13とEHP室外熱交換器33を、逆サイクル方式により同時に除霜することができるように構成される。また、同時除霜処理において、GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒のみならず、EHPコンプレッサ32から吐出された冷媒もサブ熱交換器19に供給されて、サブ熱交換器19にて加熱される。つまり、本実施形態によれば、GHP室外熱交換器13を除霜する場合のみならず、EHP室外熱交換器33を除霜する場合にも、サブ熱交換器19を用いることができる。このため、EHP室外熱交換器33の除霜が促進される。通常、GHP室外熱交換器13の除霜時間よりも、EHP室外熱交換器33の除霜時間の方が長い。従って、本実施形態に示すようにEHP室外熱交換器33の除霜が促進されることにより、除霜時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、同時除霜処理において、GHP室外熱交換器13の除霜が完了し且つEHP室外熱交換器33の除霜が完了していない場合に、ホットガスバイパス弁21が開作動する。これにより、GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒の一部がサブ熱交換器19をバイパスする。このため、同時除霜運転時にGHPコンプレッサ12からサブ熱交換器19に供給される冷媒の流量が減少する。よって、EHPコンプレッサからサブ熱交換器に供給される冷媒の流量を相対的に増加させることができる。その結果、EHP室外熱交換器33の除霜をより一層促進することができる。
なお、サブ熱交換器19は、通常は、暖房運転時にGHPコンプレッサ12から吐出された冷媒を加熱するために用いられる。そのため、サブ熱交換器19は、GHPコンプレッサ12から吐出される冷媒の流量に基づいて設計される。しかし、本実施形態における同時除霜運転時には、GHPコンプレッサ12から吐出される冷媒とEHPコンプレッサ32から吐出される冷媒がGHP第七配管15gにて合流し、合流した冷媒がサブ熱交換器19に送り込まれる。このため、合流した冷媒の流量が、サブ熱交換器19に流すことができる冷媒の流量の上限を上回ることがある。この場合、サブ熱交換器19に流入する前の冷媒が、GHP第七配管15g或いはGHP室外熱交換器13に滞留する可能性がある。このようにして冷媒が滞留すると、コンプレッサ(特にGHPコンプレッサ12)に帰還する冷媒量が減少して、コンプレッサ(特にGHPコンプレッサ12)に吸入される冷媒の圧力が低圧化し、低圧異常により運転が停止する虞がある。
この点に関し、本実施形態に係る同時除霜処理においては、GHP室外熱交換器13の除霜完了後であって且つEHP室外熱交換器33の除霜完了前に、ホットガスバイパス弁21を開作動させるので、GHPコンプレッサ12から吐出された冷媒の一部がサブ熱交換器19をバイパスする。このため、同時除霜運転時にサブ熱交換器19に流入する冷媒流量がサブ熱交換器19から流出する冷媒流量に見合うように、冷媒の流量を調節することができる。その結果、上記したような低圧異常を回避することができる。
また、本実施形態に係る同時除霜処理においては、同時除霜運転処理(S35)の実行前に、ホットガスバイパス弁21が閉弁される(S34)。従って、同時除霜運転の開始時にホットガスバイパス弁21が閉じている。このためGHPコンプレッサ12から吐出された冷媒がサブ熱交換器19をバイパスすることなく効率的にサブ熱交換器19に送り込まれる。これにより、GHP室外熱交換器13の除霜を促進することができる。ここで、ホットガスバイパス弁21が閉じている場合、上述したように、サブ熱交換器19に流入しようとする冷媒の流量とサブ熱交換器19から流出する冷媒の流量との流量バランスが崩れて、低圧異常を引き起こす虞があるが、GHP室外熱交換器13の除霜時間はEHP室外熱交換器33の除霜時間と比較してかなり短い。従って、低圧異常が発生する前にGHP室外熱交換器13の除霜が完了すると考えられる。そして、GHP室外熱交換器13の除霜が完了した後は、ホットガスバイパス弁21が開くことにより、サブ熱交換器19に流出入する冷媒の流量バランスが調整される。これにより低圧異常を回避することができるとともに、EHP室外熱交換器33の除霜がより一層促進されて、同時除霜処理における除霜時間の短縮化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態では、1台のGHP室外機10と1台のEHP室外機30を備える空気調和装置1を例示したが、1台以上のGHP室外熱交換器と1台以上のEHP室外熱交換器を備える空気調和装置に本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、GHPコンプレッサ12がガスエンジン11の駆動により作動する例について説明したが、ガスエンジン11に代えて、ガソリンエンジンや、その他の内燃機関を用いることができる。また、上記実施形態では、同時除霜処理において、同時除霜運転の開始時にホットガスバイパス弁21が閉じている例について説明したが、同時除霜運転時に常にホットガスバイパス弁21を開いておいてもよい。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。