JP6950203B2 - 電動車両 - Google Patents
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Description
しかしながら、電解質膜や電極が乾燥すると、電極間でのプロトン伝導性が低下し、燃料電池の発電効率も低下する。
そこで、電極を湿潤させつつ発電する燃料電池が提案されている(特許文献1参照)。
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、燃料電池の耐久性を高めることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(3)前記温調部は、前記外気導入部に導入された外気と前記二次電池との間で熱交換する第一温調部を有することが好ましい。
(4)また、前記温調部は、前記外気導入部に導入された外気と前記モータとの間で熱交換する第二温調部を有することが好ましい。
(7)そのほか、上述した電動車両に、外気の湿度を検出する湿度センサが設けられることが好ましい。この場合の前記制御部は、前記湿度センサで検出された湿度が所定湿度よりも低いときに前記外気導入制御を実施し、前記湿度センサで検出された湿度が前記所定湿度以上のときに前記外気導入制御を実施しない。
本実施形態で説明する電動車両には、車両走行用のモータに給電するバッテリ(二次電池)に加えて、このバッテリを充電する燃料電池が搭載されている。ここでは、外部充電可能なバッテリに加えて燃料電池を搭載することにより航続距離を延長したタイプ(いわゆる「レンジエクステンダー型」)の電気自動車を例示する。
[1.構成]
この電気自動車では、燃料電池に関する制御が実施される。
以下の説明では、制御の前提となる基本的な構成を述べてから、燃料電池の制御に関する詳細な構成を述べる。
図1に示すように、電気自動車1には、車両走行用のモータ2と、このモータ2に給電するバッテリ3と、バッテリ3を充電する燃料電池4とが設けられている。
モータ2は、電気自動車1を走行駆動する電動機である。このモータ2は、力行時にバッテリ3から給電される電動機として機能するだけでなく、回生時にバッテリ3を充電する発電機としても機能する電動発電機(モータジェネレータ)である。
冷却回路20には、モータ2のほか、二つの熱交換器21,22が介装されている。これらの熱交換器21,22は、冷媒と外気とで熱を交換する。たとえば、エバポレータやラジエータが熱交換器21,22に用いられる。
なお、ここで用いるバッテリ3には、少なくとも二つの充放電要素(たとえばパックやモジュール)が用いられている。そのため、一方の充放電要素の放電時に、他方の充放電を充電することができる。たとえば、バッテリ3のうち一方の充放電要素を燃料電池4で充電しつつ、他方の充放電要素でモータ2を駆動することができる。
さらに、バッテリ3には、その状態を管理するバッテリ管理ユニット32(BMU : Battery Management Unit)が接続されている。バッテリ管理ユニット32は、バッテリ3の電圧や電流などに基づいて得られた充電率(SOC : State of Charge)をはじめ、劣化度(SOH : State Of Health)や充電容量といった充放電に関する状態を管理する。
燃料電池4は、発電用ガスとして用いられる水素ガスおよび酸素ガスの化学反応によって電力を発生させる発電装置である。この燃料電池4は、バッテリ3に対して充電可能に接続されるほか、モータ2に対しても給電可能に接続される。
なお、燃料電池4には、出力を確保するため、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれる膜電極積層部材と図示を省略するセパレータとを多数積層したスタックが用いられる。この膜電極積層部材は、電解質膜40と水素極41と空気極42とを貼り合わせた薄板状の部材である。水素ガスは、セパレータと水素極41との間の微小な隙間に供給される。一方、空気は、セパレータと空気極42との間の微小な隙間に供給される。このような構造のMEAをスタックして集積することで単位体積あたりの発電面積が増大し、出力密度が上昇する。
上記した燃料電池4には、発電用ガスを供給する供給部5と、発電用ガスを排出する排出部6が接続されている。
供給部5は、水素極41に水素ガスを供給する水素供給部51と、空気極42に空気を供給する空気供給部55とに大別される。
この水素供給部51には、水素極41から排出された水素ガスを水素供給路52に還流させる還流路53も設けられている。還流路53の還流方向下流端部(還流先)は、水素供給路52のうち水素供給弁V1よりも水素ガスの流通方向下流側に接続されている。
ここでは、水素循環弁V2および水素再供給弁V3のそれぞれが三方弁の一部として構成され、還流装置54にガス圧送器が用いられる。また、逆止弁VCHは、還流方向にのみ水素ガスを流通させる流通方向規制弁である。水素ガスの還流時には、水素循環弁V2および水素再供給弁V3が開放され、逆止弁VCHに対して還流方向下流側よりも上流側のガス圧が還流装置54によって高められる。
なお、空気供給路56のうち空気供給弁V4よりも空気の流通方向上流側には、空気の供給源として外気を圧送するコンプレッサが設けられるほか、空気を加湿させる加湿供給路やこの加湿供給路をバイパスする無加湿供給路が敷設される。
水素ガスや空気のそれぞれが流通する加湿供給路および無加湿空気供給路は、流路切替弁によって水素ガスや空気の各流路が切り替えられる。
水素排出部61には、排出される水素ガスの流通する水素排出路62が設けられている。この水素排出路62のうち、排出される水素ガスの流通方向上流側の一部は、上述した還流路53の水素循環弁V2や還流装置54が介装された部分と兼用され、下流側の他部(還流路53と兼用されない部位)には水素排出弁V5が介装されている。すなわち、水素排出路62には、水素ガスの流通方向順に、水素循環弁V2,還流装置54,水素排出弁V5がこの順に介装されている。
また、空気排出部63には、排出される空気の流通する空気排出路64が設けられている。この空気排出路64には、空気排出弁V6が介装されている。
本実施形態の燃料電池4には、上述したような発電用ガスの給排気系に加えて、外気の給排気系が設けられている。後者の給排気系は、燃料電池4の内部に外気を導入する外気導入部7と、燃料電池4の内部から外気を排出する外気排出部9とに大別される。
外気導入部7には、導入された外気が流通する外気導入路70が設けられている。
ここでは、外気導入路70の外気に対する温調デバイスとして、上述したバッテリ3およびモータ2を利用する温調部8を例示する。具体的には、バッテリ3の排熱を利用する第一温調部81と、モータ2の排熱を利用する第二温調部82とを例に挙げる。
また、第二温調部82は、外気導入路70の外気とモータ2との間で熱交換する。ここでの第二温調部82には、モータ2の冷却回路20に介装された二つの熱交換器21,22のうち一方(ここでは放熱器)と外気導入路70の外気とが熱交換する。
このことから、外気導入部7においては、二つの温調部81,82で外気導入路70が三つに大別される。具体的には、導入された外気の流通方向順に、第一外気導入路71(第一導入路),第一温調部81,第二外気導入路72(第一導入路),第二温調部82および第三外気導入路73がこの順に設けられている。
一方、第三外気導入路73のうち下流側の導入路は、水素極41に外気を導入する水素極導入路73a(第一導入路)と空気極42に外気を導入する空気極導入路73b(第二導入路)とに分岐している。ここでは、上述した空気排出路64の一部が水素極導入路73aと兼用され、上述した還流路53や水素排出路62の一部が空気極導入路73bと兼用されている。
また、第二外気導入路72には、第二外気導入弁V8(開閉弁,第二開閉弁)が介装されている。
外気の導入時には、第一外気導入弁V7および第二外気導入弁V8などが開放され、逆止弁VCIに対して導入方向下流側よりも上流側の外気圧が高い状態となる。
この外気排出路90は、水素極41から外気を排出する第一外気排出路91と、空気極42から外気を排出する第二外気排出路92とに大別される。
ここでは、第一外気排出路91のうち、外気の排出方向上流側の一部が上述した水素供給路52と兼用されており、下流側の他部(水素供給路52と兼用されない部位)に第一外気排出弁V10が介装されている。また、第二外気排出路92のうち、外気の排出方向上流側の一部が上述した空気供給路56と兼用されており、下流側の他部(空気供給路56と兼用されない部位)に第二外気排出弁V11が介装されている。外気の排出時には、外気排出弁V10,V11が開放される。
なお、弁V1〜11が開放状態であれば、弁V1〜11の配設箇所においてガスが流通可能な状態となる。反対に、弁V1〜11が閉鎖状態であれば、弁V1〜11の配設箇所においてガスの流通が遮断された状態となる。
つぎに、燃料電池4の制御に関する構成を説明する。
この電気自動車1では、燃料電池4の制御を統合制御ユニット100(EV-ECU : Electric Vehicle − Electronic Control Unit)が担う。
なお、統合制御ユニット100(制御部)は、燃料電池4に関する制御のほか、電気自動車1に関する広汎な制御も担う。この統合制御ユニット100は、広汎な制御を統合する電子制御装置であり、マイクロプロセッサやROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などを集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。
なお、車両走行用のモータに対する給電源として燃料電池のみを搭載した電気自動車では、車両走行時の燃料電池は基本的に作動した状態とされる。
ON制御とは、燃料電池4が作動した状態で実施される制御である。一方、OFF制御とは、燃料電池4の作動が停止した状態で実施される制御である。
ON制御の開始条件は、下記の条件A1が成立することである。
条件A1:バッテリ3の充電率SOCDが第一所定充電率SOCP1以下であること
(SOCD≦SOCP1)
この第一所定充電率SOCP1は、バッテリ3の劣化を抑制しつつ使用可能な充電率の範囲(たとえば20%〜80%,以下「所定充電率範囲」という)内に設定されている。たとえば、電気自動車1が走行しているときにはバッテリ3の充電率SOCDが低下し、この充電率SOCDが第一所定充電率SOCP1を下回って条件A1が成立する。
上記の条件A1が成立すると、ON制御のうち第一処理制御が実施される。なお、統合制御ユニット100は、条件A1の成立時にタイマtのカウントを開始する。
第一処理制御は、燃料電池4の発電前に、電解質膜40や電極41,42の低湿化を図る手順の一つである。この第一処理制御では、上記の表1に示すように、弁V1,V2,V3,V4,V5,V6を閉鎖し、弁V7,V8,V9,V10,V11を開放する。すなわち、燃料電池4に発電用ガスを供給せずに、燃料電池4の電極41,42に対して予め外気を供給し排出する。
条件B1:燃料電池4の状態が所定状態であること
条件B2:バッテリ3の充電率SOCDが所定の緊急充電率SOCPE以下であること
条件B1は、燃料電池4の低湿化が完了したか否かの判定条件である。
この条件B1で要件とされる所定状態は、下記の状態1および2の少なくとも何れかであることを意味する。
あること
状態2:温度センサSTで検出された温度TDが所定温度TP以上(TD≧TP)である
こと
状態2は、導入される外気の温度が高いほど、その相対湿度が低下する点に着目して設定される。
状態2′:燃料電池4に供給される発電用ガスの流入箇所と流出箇所と温度差が所定
温度差以下であること
上記の条件B1またはB2が成立すると、発電制御のうち本制御が実施される。
本制御は、通常の発電制御である。この本制御では、上記の表1に示すように、弁V1,V2,V3,V4,V5,V6を開放し、弁V7,V8,V9,V10,V11を閉鎖する。すなわち、燃料電池4の電極41,42に対する水素ガスおよび空気の供給および排出を実施する。
この本制御では、特開2016-27534号公報に示されるように、加湿されていない発電用ガスの供給および排出を実施してから、加湿された発電用ガスを供給し排出する。
条件C1:バッテリ3の充電率SOCDが第二所定充電率SOCP2以上であること
(SOCD≧SOCP2)
条件C1は、バッテリ3の充電率SOCDが回復したか否かの判定条件である。すなわち、条件C1では、バッテリ3の充電が完了したか否かが判定される。
上記の条件C1が成立すると、発電制御のうち補助制御が実施される。
補助制御は、水素極41に残存する水素を有効に消費するための補助的な発電制御である。この補助制御では、上記の表1に示すように、弁V1,V4,V5,V7,V8,V9,V10,V11を閉鎖し、弁V2,V3,V6を開放する。すなわち、水素極41への水素ガスの供給は停止するものの、水素極41からの水素ガスの排出は保留する。一方、空気極42への空気の供給を停止するとともに、空気極42からの空気を排出する。
条件D1:燃料電池4の電圧Vが所定電圧VP以下であること
条件D1は、燃料電池4の劣化を抑えるための判定条件である。そのため、所定電圧VPは、燃料電池4の劣化を抑制しつつ発電可能な電圧範囲の下限よりも所定マージン分だけ高く設定されている。
上記の条件D1が成立すると、第二処理制御が実施される。
第二処理制御は、燃料電池4の発電後に、電解質膜40や電極41,42の低湿化を図る手順の一つである。この第二処理制御では、上記の表1に示すように、弁V1,V2,V3,V4,V6,V9を閉鎖し、弁V5,V7,V8,V10,V11を開放する。すなわち、燃料電池4に発電用ガスを供給した後に、空気極42だけに対する外気の供給および排出を実施する。
条件E1:燃料電池4の状態が所定状態であること
条件E2:ON制御の開始から所定時間tPが経過したこと(t≧tP)
条件E1は、上述した条件B1と同様に、燃料電池4の低湿化が完了したか否かの判定条件である。
条件E2は、燃料電池4を保護するために設定された判定条件である。言い換えれば、条件E2は、条件E1は不成立であっても、燃料電池4を強制的に停止するか否かのフェールセーフ条件である。そのため、所定時間tPは、燃料電池4の劣化を抑制可能な連続作動時間の範囲内に予め設定される。
上記の条件E1またはE2が成立すると、ON制御が終了する。そして、OFF制御が開始される。
このOFF制御では、上記の表1に示すように弁V1〜11の全てを閉鎖する。
上述した条件A1が再び成立すれば、ON制御が繰り返し実施される。
つぎに、図2のフローチャートを参照して、燃料電池4に関する制御手順を説明する。
このフローチャートにおける各ステップは、統合制御ユニット100のハードウェアに割り当てられた各機能がソフトウェア(コンピュータプログラム)によって動作することで実施される。
なお、制御手順の開始時(スタート)に弁V1〜11の全てが閉鎖されているものとする。
ON制御の開始条件が成立していれば(ステップS1のYES)、ON制御を実施する(ステップS2〜S9)。
一方、ON制御の開始条件が成立していなければ(ステップS1のNO)、OFF制御を実施する(ステップS10)。そして、本制御周期を終了し(リターン)、ON制御に関する開始条件の成否を再び判定する(ステップS1)。
それから、第一処理制御の終了条件が成立していなければ(ステップS3のNO)、第一処理制御の実施を継続する(ステップS2)。
発電制御では、まず本制御を開始する(ステップS4)。すなわち、統合制御ユニット100は、本制御に対応する開閉状態(上記の表1参照)に弁V1〜11のそれぞれを制御する。
一方、本制御の終了条件が成立すれば(ステップS5のYES)、本制御を終了し、補助制御を開始する(ステップS6)。すなわち、統合制御ユニット100は、補助制御に対応する開閉状態(上記の表1参照)に弁V1〜11のそれぞれを制御する。
一方、補助制御の終了条件が成立すれば(ステップS7のYES)、補助制御を終了し、第二処理制御を開始する(ステップS8)。すなわち、統合制御ユニット100は、第二処理制御に対応する開閉状態(上記の表1参照)に弁V1〜11のそれぞれを制御する。
一方、第二処理制御の終了条件が成立すれば(ステップS9のYES)、第二処理制御を終了し、OFF制御を開始する(ステップS10)。すなわち、統合制御ユニット100は、弁V1〜11の全てを閉鎖状態とする。
本実施形態の電気自動車1は、以下のような作用および効果を得ることができる。
(1)ON制御においては、上述したように第一処理制御を実施した後に発電制御を実施することから、第一処理制御を実施せずに発電制御を実施するのに比較して、燃料電池4での発電開始までに時間を要する。
しかしながら、本実施形態の電気自動車1は、燃料電池4のほかにバッテリ3を搭載していることから、ドライバから要求される出力(すなわちモータ2から要求される電力)はバッテリ3の給電で賄うことができる。このようなレンジエクステンダー型の電気自動車1に搭載される燃料電池4は、緩慢に起動したとしても、ドライバビリティの低下を防ぐことができる。
すなわち、電気自動車1の走行中は、モータ2やバッテリ3が発熱している状況であり、第一処理制御の開始条件であるところの条件A1が成立しやすい状況でもある。このような状況で実施される第一処理制御によれば、走行風によって外気導入部7に外気を暖気しつつ確実に取り込んで電極41,42に導入することができる。
一方、燃料電池4の発電時には、発電制御が実施される。
発電制御のうち本制御では、外気の供給および排出が遮断されたうえで、発電用ガスの供給および排出が実施される。そのため、供給された水素ガスおよび空気を化学的に反応させて、燃料電池4を発電させることができる。燃料電池4で発生した電力は、バッテリ3あるいはモータ2に供給される。したがって、バッテリ3を充電することができ、あるいは、モータ2を駆動することができる。
そのほか、外気導入弁V7,V8は、外気導入制御では開放されるのに対し、発電制御では閉鎖される。そのため、外気導入弁V7,V8などの開閉状態を切り替えるだけで、外気導入制御と発電制御とを切り替えることができ、制御構成の簡素化に寄与する。
(3)ここでは、温調部8としてバッテリ3の排熱を利用する第一温調部81が設けられることから、バッテリ3の排熱を利用して外気を暖気することができる。このようにして暖められた外気は、相対湿度が低下する。よって、電極41,42をより低湿化して劣化を確実に抑えることができる。
(4)また、モータ2の排熱を利用する第二温調部82が設けられることから、モータ2の排熱を利用して外気を暖気することができる。
さらに、第一温調部81や第二温調部82によって暖められた外気によって燃料電池4を暖機することもできる。この点からも、燃料電池4の耐久性を高めることができる。
このように二段階の温調部81,82が設けられることで、外気の温度を確実に高めることができる。したがって、電極41,42を確実に乾燥させ、燃料電池4を確実に暖機させることができる。
この第二処理制御では、まず空気極42の周辺が掃気され、空気極42が低湿化される。このとき、空気極42よりも水素極41のほうが相対的に多湿状態となる。それから、水素極41側から空気極42側へ向けて湿度(水分)が移動し、電極41,42の各湿度が平衡状態に向けて推移する。よって、水素ガスを排出することなく水素極41を低湿化することができる。
(6)そのほか、導入する外気を取り込む取込口71aが車両前方を向くことから、車両の前進走行時に、外気を効率よく取り込むことができる。この点からも、電極41,42の低湿化を促すことができる。
最後に、その他の変形例について述べる。
たとえば、第二温調部には、モータの冷却回路に介装された二つの熱交換器の双方が介装されてもよい。これらの熱交換器がラジエータおよびエバポレータである場合には、ラジエータが介装された箇所で外気が暖められ、反対に、エバポレータが介装された箇所で外気が冷やされる。このように、ラジエータによる加熱部とエバポレータによる冷却部を第二温調部に併設してもよい。この場合には、外気の温度を加熱側だけでなく、冷却側にも調節することができる。よって、燃料電池4の高効率な発電に寄与する。
このように、導入される外気の湿度に応じて、統合制御ユニットが外気導入制御の実施を許可または禁止することで、簡素な構成で電極の低湿化が可能となる。
そのほか、第一外気導入路および第二外気導入路とは別に、バッテリの内外を連通する連通路を設け、この連通路に開閉弁を介装してもよい。この場合には、外気導入制御で連通路の開閉弁を閉鎖し、発電制御やOFF制御で連通路の開閉弁を開放すれば、外気導入時以外にもバッテリの排熱を放出することができる。
なお、外気導入路や外気排出路などの各流路には、上述した弁に加えて、調圧弁や安全弁などを設けてもよいことは言うまでもない。
2 モータ
3 バッテリ(二次電池)
4 燃料電池
5 供給部
6 排出部
7 外気導入部
8 温調部
9 外気排出部
20 冷却回路
21,22 熱交換器
31 冷却器
32 バッテリ管理ユニット
40 電解質膜
41 水素極
42 空気極
51 水素供給部
52 水素供給路
53 還流路
54 還流装置
55 空気供給部
56 空気供給路
61 水素排出部
62 水素排出路
63 空気排出部
64 空気排出路
70 外気導入路
71 第一外気導入路(第一導入路)
71a 取込口
72 第二外気導入路(第一導入路)
73 第三外気導入路
73a 水素極導入路(第一導入路)
73b 空気極導入路(第二導入路)
81 第一温調部
82 第二温調部
90 外気排出路
91 第一外気排出路
92 第二外気排出路
100 統合制御ユニット(制御部)
V1 水素供給弁
V2 水素循環弁
V3 水素再供給弁
V4 空気供給弁
V5 水素排出弁
V6 空気排出弁
V7 第一外気導入弁(開閉弁,第二開閉弁)
V8 第二外気導入弁(開閉弁,第二開閉弁)
V9 第三外気導入弁(第一開閉弁)
V10 第一外気排出弁
V11 第二外気排出弁
Claims (7)
- 車両走行用のモータに給電する二次電池と、
前記二次電池を充電する燃料電池と、
前記燃料電池の内部に外気を導入する外気導入部と、
前記外気導入部に介装された開閉弁と、
前記燃料電池の発電時に前記開閉弁を閉鎖する発電制御を実施し、前記燃料電池の発電前または発電後に前記開閉弁を開放する外気導入制御を実施する制御部とを備え、
前記燃料電池は、水素ガスが供給される水素極と、発電用空気が供給される空気極とを有し、
前記外気導入部は、前記水素極に外気を導入する第一導入路と、前記空気極に外気を導入する第二導入路とを有し、
前記開閉弁は、前記第一導入路に介装された第一開閉弁と、前記第二導入路に介装された第二開閉弁とを有し、
前記制御部は、前記外気導入制御において、前記第一開閉弁および前記第二開閉弁の双方を開放する第一処理制御、または、前記第一開閉弁を閉鎖するとともに前記第二開閉弁を開放する第二処理制御を実施する
ことを特徴とする電動車両。 - 前記外気導入部に導入された外気の温度を調節する温調部を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載された電動車両。 - 前記温調部は、前記外気導入部に導入された外気と前記二次電池との間で熱交換する第一温調部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載された電動車両。 - 前記温調部は、前記外気導入部に導入された外気と前記モータとの間で熱交換する第二温調部を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載された電動車両。 - 車両走行用のモータに給電する二次電池と、
前記二次電池を充電する燃料電池と、
前記燃料電池の内部に外気を導入する外気導入部と、
前記外気導入部に介装された開閉弁と、
前記燃料電池の発電時に前記開閉弁を閉鎖する発電制御を実施し、前記燃料電池の発電前または発電後に前記開閉弁を開放する外気導入制御を実施する制御部と、
前記外気導入部に導入された外気の温度を調節する温調部とを備え、
前記温調部は、前記外気の流通方向順に、前記外気導入部に導入された外気と前記二次電池との間で熱交換する第一温調部、及び、前記外気導入部に導入された外気と前記モータとの間で熱交換する第二温調部を有する
ことを特徴とする電動車両。 - 前記外気導入部は、車両前方を向く外気の取込口を有する
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載された電動車両。 - 外気の湿度を検出する湿度センサを備え、
前記制御部は、前記湿度センサで検出された湿度が所定湿度よりも低いときに前記外気導入制御を実施し、前記湿度センサで検出された湿度が前記所定湿度以上のときに前記外気導入制御を実施しない
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載された電動車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017041873A JP6950203B2 (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | 電動車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017041873A JP6950203B2 (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | 電動車両 |
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