JP6862954B2 - 燃料電池車両の運転制御方法及び運転制御システム - Google Patents
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Description
すなわち、燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を挟んで、空気極(カソード)と、水素極である燃料極(アノード)とが、対設した構造を有する発電セルを、セパレータで挟持して、これを複数積層することによって構成されている。
燃料極(アノード):H2→2H++2e-
空気極(カソード):1/2O2+2H++2e-→H2O
これにより、燃料極を酸化剤極よりも高加湿な状態とすることにより、起動時における硫黄系物質による電極の被毒を防止することが提案されている。
その結果、冷却水流路を流れる冷却水がより冷却されることになり、燃料電池が露点以下に冷却されて、燃料電池を過加湿運転状態にすることができる。
すなわち、燃料電池は冷却されると、燃料電池の発電能力が低下するため、二次電池への充電が十分に行われない恐れがあり、二次電池が電欠状態に陥る危険性がある。このため、所定のSOCを超えたときに燃料電池の冷却を実行するようにしている。これによって、燃料電池の性能回復を二次電池の充電状態を悪化させることなく達成することができる。
その結果、冷却水流路を流れる冷却水がより冷却されることになり、燃料電池が露点以下に冷却されて、燃料電池を過加湿運転状態にすることができる。
従って、例えば、温泉地周辺、海岸部周辺などにおいて運転する際に、燃料電池の空気極に必要な空気とともに混入する、硫黄成分や塩分などの不純物を効果的に排出することができるとともに、消費される水素量を低減できる。
ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれらに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1には、本発明の燃料電池車両の運転制御システム10を搭載した燃料電池車両12を示している。
本発明の燃料電池車両の運転制御システム10は、環境への配慮から、ハイブリッドカーなどの二次電池と内燃機関(エンジン)が搭載された電動車両の内燃機関に代えて、燃料電池14を搭載した燃料電池車両12に適用されるものである。
すなわち、燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を挟んで、空気極(カソード)と、水素極である燃料極(アノード)とが、対設した構造を有する発電セルを、セパレータで挟持して、これを複数積層することによって構成されている。
燃料極(アノード):H2→2H++2e-
空気極(カソード):1/2O2+2H++2e-→H2O
そして、グリルシャッタ24を開閉することによって、グリルシャッタ24の後方に設けられた、燃料電池車両12の駆動部26に、外部の空気が取り入れられ、後述するように、燃料電池14、ラジエータ28を流れる冷却水などが冷却されるようになっている。
FC−ECU38は、燃料電池14の始動(発電)、停止を制御する以外に、燃料電池に流入する空気とともに混入する不純物による燃料電池14の性能低下を判定する性能低下判定部39を有している。
さらに、性能低下判定部39の判定を基に冷却水ポンプ32の始動、停止、切り替え弁36の切り換え制御、グリルシャッタ24の開閉などを制御して性能回復を行う回復運転制御部41を有している。なお、回復運転制御部41は、FC−ECU38とは別に設けられてもよい。
そして、ステップS2において、例えば、図示しない温度センサなどによって、外気温が参照される。
そして、ステップS9において、冷却水流路30を流れる冷却水が、エバポレータ58における熱交換により、さらに冷却されることになり、燃料電池14を過加湿運転状態にする、「FC低温制御」運転が開始される。
このようにSOCが所定値以下の場合には、ステップS9のようにFC低温制御を行うと、燃料電池14の発電能力が低下するため、二次電池20への充電が十分に行われない恐れがあり、二次電池20が電欠状態に陥る危険性があるため、所定のSOC以下ではFC低温制御は実行しないようにしている。
そして、ステップS15において、外気温が0℃を超えるか(外気温>0℃)否かが判断される。
外気温度が0℃以下の場合には、燃料電池14を冷却せず、燃料電池14を過加湿運転状態にしないで、冷却水、燃料電池14などの凍結を防止するためである。
すなわち、同量の凝縮水量を確保するために必要な条件を示している。図10(A)、図10(B)に示したように、FC温度(燃料電池14の温度)が低下すると、水の飽和蒸気圧に比例して消費水素量が低下する。
図8は、本発明の燃料電池車両の運転制御方法及び運転制御システムの概略を示す図2と同様なフローチャート、図9は、本発明の燃料電池車両の運転制御方法及び運転制御システムの別の実施形態2の概略を示す図1のブロック図の部分拡大図である。
図8のフローチャートは、基本的には、図2のフローチャートと同様なステップであるので、同一のステップには、同一のステップの参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。また、図3のフローチャートの部分のステップは同一であるので、図示を省略する。
すなわち、FC低温制御を行うと、燃料電池14の発電能力が低下するため、二次電池20への充電が十分に行われない恐れがあり、二次電池20が電欠状態に陥る危険性があるため、所定のSOCを超えたときにFC低温制御は実行するようにしている。
12 燃料電池車両
14 燃料電池
16 DC−DCコンバータ
18 走行用モータ
20 二次電池
22 インバータ
24 グリルシャッタ
26 駆動部
28 ラジエータ
30 冷却水流路
32 冷却水ポンプ
38 FC−ECU
39 性能低下判定部
40 制御部
41 回復運転制御部
42 車両ECU
43 グリルシャッタ制御部
44 モータECU
45 SOC検出手段
46 バッテリECU
47 冷却水制御部
50 エアコン回路
52 冷媒流路
54 エアコンコンプレッサ
58 エバポレータ
60 分岐熱交換流路
62 第1の切り替え弁
64 第1の分岐熱交換流路
66 第2の切り替え弁
68 第2の分岐熱交換流路
Claims (7)
- 車両の走行用モータを駆動する主電源となる二次電池と、
前記二次電池を充電する副電源を構成する燃料電池と、
前記燃料電池を冷却する冷却水が流れるラジエータを備えた冷却水流路と、
車両の車内を空調するためのエアコン回路と、
を備えた燃料電池車両の運転制御方法であって、
燃料電池に流入する空気とともに混入する不純物による燃料電池の性能低下を判定する性能低下判定ステップと、
該性能低下判定ステップの結果に基づいて、性能低下が生じていると判定した場合に、前記冷却水流路を流れる冷却水を前記エアコン回路のエバポレータによって冷却することにより、前記燃料電池を冷却して、燃料電池を過加湿運転状態にして前記性能低下を回復させる回復ステップと、を備えることを特徴とする燃料電池車両の運転制御方法。 - 車両の走行用モータを駆動する主電源となる二次電池と、
前記二次電池を充電する副電源を構成する燃料電池と、
前記燃料電池を冷却する冷却水が流れるラジエータを備えた冷却水流路と、
車両の車内を空調するためのエアコン回路と、
を備えた燃料電池車両の運転制御システムであって、
前記燃料電池に流入する空気とともに混入する不純物による燃料電池の性能低下を判定する性能低下判定部と、
該性能低下判定部の判定結果を基に性能低下が生じていると判定した場合に、前記冷却水流路を流れる冷却水を前記エアコン回路のエバポレータによって冷却することにより、前記燃料電池を冷却して、燃料電池を過加湿運転状態にして前記性能低下を回復させる回復運転制御部と、を備えたことを特徴とする燃料電池車両の運転制御システム。 - 前記燃料電池車両は車両の前部にグリルシャッタが設けられるとともに、前記グリルシャッタの車両後方に前記燃料電池が設けられ、
前記回復運転制御部は、前記グリルシャッタを開くとともに、燃料電池を始動して、前記燃料電池を過加湿運転状態にするように制御することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両の運転制御システム。 - 前記回復運転制御部は、高速走行時に、前記グリルシャッタを開くとともに、燃料電池を始動して、前記燃料電池を過加湿運転状態にするように制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池車両の運転制御システム。
- 前記回復運転制御部は、外気温度が所定温度より低い場合に、前記グリルシャッタを開くとともに、燃料電池を始動して、前記燃料電池を過加湿運転状態にするように制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池車両の運転制御システム。
- 前記回復運転制御部は、外気温度が0℃以下の場合には、実行が禁止されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の燃料電池車両の運転制御システム。
- 前記回復運転制御部は、前記二次電池の充電状態を示すSOC値が、所定値を超えることが検知された際に、前記燃料電池を冷却して、燃料電池を過加湿運転状態にするように制御することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の燃料電池車両の運転制御システム。
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