JP6949769B2 - 多元系極性オレフィン共重合体、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、機械的物性その他の諸物性を損なわずに、溶剤溶解性が十分に改良された多元系極性オレフィン共重合体、及びその製造方法を提供することにある。
その結果、コモノマー成分として特定の置換基を有するアクリレート化合物を選択した多元系極性オレフィン共重合体が、上記の課題を解決することを見いだして、発明を完成するに至った。
また、特定構造の錯体を重合触媒に用いることで、上記のオレフィン系重合体が容易に得られることをも見いだし、製造方法の発明をも創生するに至った。これらの成果に基づいて、次の発明を提供する。
一般式(2)において、T2は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18の置換シリル基で置換された炭素数4〜28の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18の置換シリル基、又はハロゲン原子を示す。]
(1)多元系極性オレフィン共重合体
本発明の多元系極性オレフィン共重合体は、エチレン又は炭素数3〜10のα−オレフィンである1種の非極性モノマー(X1)単位と、一般式(1)で表される化合物である1種又は2種以上の極性モノマー(Z1)単位とを含む多元系極性オレフィン共重合体である。さらに、多元系極性オレフィン共重合体は、前記非極性モノマー(X1)とは異なり、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の非極性モノマー(X2)単位、並びに、一般式(2)で表される化合物である1種又は2種以上の極性モノマー(Z2)単位の少なくともいずれか一方の構造単位を含むことを特徴とする。
一般式(2)において、T2は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18の置換シリル基で置換された炭素数4〜28の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18の置換シリル基、又はハロゲン原子を示す。]
(2−1)非極性モノマー(X1)
本発明に用いられる非極性モノマー(X1)は、エチレン又は炭素数3〜10のα−オレフィンの1種のモノマーである。
好ましい具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられ、特に好ましい具体例として、エチレンが挙げられる。
本発明に用いられる非極性モノマー(X2)は、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のモノマーであり、前記X1とは同一でなく、異なることが特徴である。
好ましい具体例としては、前述のX1と同様な例が挙げられる。また、X2は、1種類を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種の組み合わせとしては、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテンなどが挙げられる。好ましくは、エチレンを含む組み合わせが挙げられる。
3種の組み合わせとしては、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/プロピレン/1−オクテン、プロピレン/1−ブテン/ヘキセン、プロピレン/1−ブテン/1−オクテンなどが挙げられる。好ましくは、エチレンを含む組み合わせが挙げられる。
本発明に用いられる極性モノマー(Z1)は、極性基含有モノマーである。極性モノマー(Z1)は、特定の置換基を有するアクリレート化合物であり、一般式(1)で表される。極性モノマー(Z1)は1種でも2種以上であってもよい。
一般式(1)におけるQとしての炭素数2〜10の二価の炭化水素基は、好ましくは、炭素数2〜8の二価の炭化水素基、更に好ましくは、炭素数2〜8の、アルキレン基、フェニレン基又はアルキレン−フェニレン−アルキレン基である。
好ましい具体例は、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロへキシレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)}基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、ビニレン基、1−プロペニレン基、2−プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、3−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、3−ペンテニレン基、4−ペンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン基、3−ヘキセニレン基、4−ヘキセニレン基、5−ヘキセニレン基、フェニレン基、メチレンフェニレン基、{メチレン−(1,4−フェニレン)−メチレン}基であり、更に好ましくは、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、4−ヘキセニレン基、{メチレン−(1,4−シクロへキシレン)−メチレン}基、フェニレン基であり、特に好ましくは、エチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基である。
好ましい具体例は、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)エチレン基、(1−ヒドロキシ)トリメチレン基、(2−ヒドロキシ)トリメチレン基、(3−ヒドロキシ)トリメチレン基、(1−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(2−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(3−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(4−ヒドロキシ)テトラメチレン基、(1−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(2−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(3−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(4−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(5−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(1−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(2−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(3−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(4−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(5−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基、(6−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)トリメチレン基、(5−ヒドロキシ)ペンタメチレン基、(6−ヒドロキシ)ヘキサメチレン基であり、特に好ましくは、(1−ヒドロキシ)エチレン基、(2−ヒドロキシ)トリメチレン基である。
また、置換されるアルコキシ基の数は1個でも2個以上でもよく、2個以上のアルコキシ基で置換される場合であっても、二価の炭化水素基における炭素数の総数は3〜20である。置換されるアルコキシ基の数は1個が共重合体の製造がしやすい点から好ましい。
置換されるアルコキシ基の炭素数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
好ましい具体例は、(1−メトキシ)エチレン基、(2−メトキシ)エチレン基、(1−エトキシ)エチレン基、(2−エトキシ)エチレン基、(1−メトキシ)トリメチレン基、(2−メトキシ)トリメチレン基、(3−メトキシ)トリメチレン基、(1−メトキシ)テトラメチレン基、(2−メトキシ)テトラメチレン基、(3−メトキシ)テトラメチレン基、(4−メトキシ)テトラメチレン基、(1−メトキシ)ペンタメチレン基、(2−メトキシ)ペンタメチレン基、(3−メトキシ)ペンタメチレン基、(4−メトキシ)ペンタメチレン基、(5−メトキシ)ペンタメチレン基、(1−メトキシ)ヘキサメチレン基、(2−メトキシ)ヘキサメチレン基、(3−メトキシ)ヘキサメチレン基、(4−メトキシ)ヘキサメチレン基、(5−メトキシ)ヘキサメチレン基、(6−メトキシ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−メトキシ)エチレン基、(2−メトキシ)エチレン基、(1−エトキシ)エチレン基、(2−エトキシ)エチレン基であり、特に好ましくは、(1−メトキシ)エチレン基、(2−メトキシ)エチレン基である。
置換されるエステル基はメトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基がより好ましい。
好ましい具体例は、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基、(1−エトキシカルボニル)エチレン基、(2−エトキシカルボニル)エチレン基、(1−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(2−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(3−メトキシカルボニル)トリメチレン基、(1−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(2−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(3−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(4−メトキシカルボニル)テトラメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(2−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(3−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(4−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(5−メトキシカルボニル)ペンタメチレン基、(1−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(2−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(3−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(4−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(5−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基、(6−メトキシカルボニル)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基、(1−エトキシカルボニル)エチレン基、(2−エトキシカルボニル)エチレン基であり、特に好ましくは、(1−メトキシカルボニル)エチレン基、(2−メトキシカルボニル)エチレン基である。
また、置換シリル基は、トリアルキルシリル基がより好ましく、トリアルキルシリル基における3つのアルキルはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、トリメチルシリル基又はトリエチルシリル基がさらに好ましい。
好ましい具体例は、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基、(1−トリメチルシリル)トリメチレン基、(2−トリメチルシリル)トリメチレン基、(3−トリメチルシリル)トリメチレン基、(1−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(2−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(3−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(4−トリメチルシリル)テトラメチレン基、(1−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(2−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(3−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(4−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(5−トリメチルシリル)ペンタメチレン基、(1−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(2−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(3−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(4−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(5−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基、(6−トリメチルシリル)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基、(1−トリエチルシリル)エチレン基、(2−トリエチルシリル)エチレン基であり、特に好ましくは、(1−トリメチルシリル)エチレン基、(2−トリメチルシリル)エチレン基である。
好ましい具体例は、1−オキサプロピレン基、1,4−ジオキサヘキセン基、1,4,7−トリオキサノネン基、1,4,7,10−テトラオキサドデセン基であり、特に好ましくは、1−オキサプロピレン基、1,4−ジオキサヘキセン基である。
好ましい具体例は、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基、(1−クロロ)トリメチレン基、(2−クロロ)トリメチレン基、(3−クロロ)トリメチレン基、(1−クロロ)テトラメチレン基、(2−クロロ)テトラメチレン基、(3−クロロ)テトラメチレン基、(4−クロロ)テトラメチレン基、(1−クロロ)ペンタメチレン基、(2−クロロ)ペンタメチレン基、(3−クロロ)ペンタメチレン基、(4−クロロ)ペンタメチレン基、(5−クロロ)ペンタメチレン基、(1−クロロ)ヘキサメチレン基、(2−クロロ)ヘキサメチレン基、(3−クロロ)ヘキサメチレン基、(4−クロロ)ヘキサメチレン基、(5−クロロ)ヘキサメチレン基、(6−クロロ)ヘキサメチレン基であり、更に好ましくは、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基、(1−ブロモ)エチレン基、(2−ブロモ)エチレン基であり、特に好ましくは、(1−クロロ)エチレン基、(2−クロロ)エチレン基である。
(A)Qとして水酸基で置換された炭素数2〜10の二価の炭化水素基、T1としてメタクリロイルオキシ基。
(B)Qとして炭素数2〜10の二価の炭化水素基、T1としてメタクリロイルオキシ基。
(C)Qとしてエーテル基で置換された炭素数2〜10の二価の炭化水素基、T1としてメタクリロイルオキシ基。
極性モノマー(Z1)の例を以下に具体的に記載する。なお、(Z1−1)はQ及びT1の組み合わせ(A)の一例であり、(Z1−2)はQ及びT1の組み合わせ(B)の一例であり、(Z1−3)はQ及びT1の組み合わせ(C)の一例である。
本発明に用いられる極性モノマー(Z2)は、極性基含有モノマーである。極性モノマー(Z2)は、一般式(2)で表される化合物であり、1種でも2種以上であってもよい。
一般式(2)におけるT2としての水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基において、置換される水酸基の数は1個でも2個以上でもよく、1個が共重合体の製造がしやすい点から好ましい。具体的に、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基の水酸基置換体が挙げられる。
更に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換された炭素数2〜6の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基、1−(メトキシエチル)エチル基、1−(エトキシエチル)エチル基、ジ(メトキシメチル)メチル基、ジ(エトキシメチル)メチル基、ジ(フェノキシメチル)メチル基が挙げられる。特に好ましくは、1−(メトキシメチル)エチル基、1−(エトキシメチル)エチル基である。
更に好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基で置換された炭素数3〜5の炭化水素基であり、具体的には、1−(メトキシカルボニル)メチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、1−(エトキシカルボニル)メチル基、2−(エトキシカルボニル)エチル基が挙げられる。更に好ましくは、1−(メトキシカルボニル)メチル基、又は、1−(エトキシカルボニル)メチル基である。
具体的に好ましい例として、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリフルオロメチル基、又はペンタフルオロフェニル基が挙げられる。これらの中で、更に好ましい置換基は、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基である。
極性モノマー(Z2)としては、具体的には、トリメチルシリルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートを好適に例示することができる。これらの中で、更に好ましい極性モノマー(Z2)は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートである。
本発明における多元系極性オレフィン共重合体では、共重合体中の極性モノマー(Z1)に由来する構造単位量は、特に限定されないが、0.01〜10mol%であることが好ましい。これらのうちで0.1〜5.0mol%がより好ましく、0.2〜1.5mol%が特に好ましい。
また、共重合体中の極性モノマー(Z2)に由来する構造単位量は、特に限定されないが、0.01〜15mol%であることが好ましい。これらのうちで0.1〜12mol%がより好ましく、5.0〜10.0mol%が特に好ましい。
他のモノマーとして、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の環状オレフィンモノマー、p−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーなどを挙げることができ、これらの骨格に、水酸基、アルコキサイド基、カルボン酸基、エステル基、アルデヒド基を含有してもよい。
このメチル分岐度は、重合に使用する遷移金属触媒の選択や、重合温度で制御することが可能である。多元系極性オレフィン共重合体のメチル分岐度を低下させる具体的手段として、重合温度の低下が有効である。例えば、これらの因子を調節して、目的とするコポリマー領域に制御することができる。
本発明における多元系極性オレフィン共重合体のMw/Mnが上記の条件を満たすと、積層体の成形を始めとして各種加工性が十分となり、接着強度が優れたものとなる。Mw/Mnは、使用する遷移金属触媒の選択で制御することが可能である。
(1)遷移金属触媒
本発明の多元系極性オレフィン共重合体の製造方法の一例として、周期表第5〜10族の遷移金属化合物を触媒として用い、重合する方法がある。
好ましい遷移金属の具体例として、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、モリブデン原子、タングステン原子、マンガン原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子などが挙げられる。これらの中で好ましくは、周期表第8〜11族の遷移金属であり、さらに好ましくは周期表第10族の遷移金属であり、特に好ましくはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)である。これらの金属は、単一であっても複数を併用してもよい。
遷移金属触媒として、キレート性配位子を有する周期表第5〜10族の遷移金属化合物を触媒として用いることが好ましい。
重合触媒は、単独で用いてもよく、また担体に担持して用いることもできる。使用可能な担体としては、本発明の主旨を損なわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。
一般に、担体として、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2など又はこれらの混合物が挙げられ、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3などの混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。
これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
本発明における共重合反応は、溶媒の存在下、又は非存在下に行われる。溶媒としては、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒、液化α−オレフィンなどの液体、ジエチルエ−テル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミルアミド、アセトニトリル、メタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ルなどの極性溶媒が挙げられる。また、ここで記載した溶媒の混合物を混合溶媒として使用してもよい。なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上記の炭化水素溶媒がより好ましい。
具体的には、モノメチルエ−テルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機及び/又は有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行ってもよい。
また、重合様式としては、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの様式を採用してもよい。
即ち、共重合温度は、通常−20℃から290℃、好ましくは0℃から250℃、共重合圧力は、0.1MPaから100MPa、好ましくは、0.3MPaから90MPa、共重合時間は、0.1分から10時間、好ましくは、0.5分から7時間、更に好ましくは1分から6時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、共重合は、一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
多元系極性オレフィン共重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。即ち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中の配位子構造の制御により分子量を制御するなどが挙げられる。
連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
なお、実施例で用いた触媒及び配位子構造を以下に示した。
(1)分子量及び分子量分布(Mw、Mn、Q値)
(測定条件)
使用機種:ウォーターズ社製150C
検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm)
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
(試料の調製)
試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
(分子量の算出)
標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。使用する標準ポリスチレンはいずれも東ソ−社製の銘柄であり、F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000である。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成した。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
セイコ−インスツルメンツ社製DSC6200示差走査熱量測定装置を使用して、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した。その後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温することにより融解曲線を得た。融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとし、該ピークのピーク面積をΔHmとした。
(3−1)多元系極性オレフィン共重合体の測定条件
試料200mgを重化テトラクロロエタンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れて窒素置換した後封管し、加熱溶解して均一な溶液としてNMR測定に供した。NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のNMR装置AVANCEIII400を用いた。
13C−NMR測定条件は試料の温度120℃、パルス角を90°、パルス間隔を51.5秒、積算回数を512回、逆ゲートデカップリング法で測定を実施した。
化学シフトはテトラクロロエタンの13Cシグナルを74.3ppmとして設定し、他の13Cによるシグナルの化学シフトはこれを基準とした。
メチル分岐は、13C−NMRスペクトルの20.0〜19.8ppmのメチル炭素と37.6〜37.3ppmのメチレン炭素による信号の積分強度の総和を3で割った値IB1を用い、主鎖1,000炭素(主鎖1000C)あたりのメチル分岐数を以下の式を用いて算出した。
メチル分岐数(個/主鎖1000C)=IB1×1000/{2×(IB1+IMA−br+IMAEA−br+IE)}
ここで、IB1、IMA−br、IMAEA−br、IEはそれぞれ、以下の式で示される量である。
IB1=(I20.0〜19.8+I37.6〜37.3)/3、
IMA−br=I46.5〜45.8+I44.5〜43.5、
IMAEA−br=I45.8〜45.4、
IE=[I31.0〜28.5+3×(IMA−br+IMAEA−br+IB1)]/2
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI31.0〜28.5は31.0ppmと28.5ppmの間に検出したシグナルの積分強度を示す。
メタクリロイルオキシエチルアクリレート(MAEA)のアクリレートに結合した2個のメチレン炭素シグナルは、13C−NMRスペクトルの64.0〜61.0ppmに検出する。また、メチルアクリレート(MA)のメトキシ基由来のメチル炭素は53.0〜51.0ppmに検出する。これらのシグナル強度を用い、以下の式からMAEAおよびMAの総量を算出した。
MA総量(mol%)=Itotal MA×100/[Itotal MAEA+Itotal MA+IE]
ここで、Itotal MAEA、Itotal MA、IEはそれぞれ、以下の式で示される量である。
Itotal MAEA=I64.0〜61.0/2
Itotal MA=I53.0〜51.0
IE=(I180.0〜110.0+I72.0〜2.0−Itotal MAEA×9−Itotal MA×4)/2
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI180.0〜110.0は180.0ppmと110.0ppmの間に検出したシグナルの積分強度を示す。
メチル分岐は、13C−NMRスペクトルの20.0〜19.8ppmのメチル炭素と33.3〜33.0ppmのメチン炭素と37.6〜37.3ppmのメチレン炭素による信号の積分強度の総和を4で割った値IB1を用い、主鎖1,000炭素あたりのメチル分岐数を以下の式を用いて算出した。
ここで、IB1、InBA−br、IMAEA−br、IEはそれぞれ、以下の式で示される量である。
IB1=(I20.0〜19.8+I33.3〜33.0+I37.6〜37.3)/4、
InBA−br=I46.4〜46.0+I44.6〜43.8
IMAEA−br=I46.0〜45.7
IE=[I31.0〜28.0+3×(InBA−br+IMAEA−br+IB1)]/2
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI31.0〜28.0は31.0ppmと28.0ppmの間に検出したシグナルの積分強度を示す。
メタクリロイルオキシエチルアクリレート(MAEA)のアクリレートに結合した2個のメチレン炭素シグナルは、13C−NMRスペクトルの63.0〜61.0ppmに検出する。また、n−ブチルアクリレート(nBA)のn−ブトキシ基由来のメチル炭素は14.1〜13.6ppm、3個のメチレン炭素は19.8〜19.3ppm、31.4〜31.1ppm、64.5〜63.8ppmに検出する。これらのシグナル強度を用い、以下の式からMAEAおよびnBAの総量を算出した。
nBA総量(mol%)=Itotal nBA×100/[Itotal MAEA+Itotal nBA+IE]
ここで、Itotal MAEA、Itotal nBA、IEはそれぞれ、以下の式で示される量である。
Itotal MAEA=I63.0〜61.0/2
Itotal nBA=(I14.1〜13.6+I19.8〜19.3+I31.4〜31.1+I64.5〜63.8)/4
IE=(I180.0〜110.0+I72.0〜2.0−Itotal MAEA×9−Itotal nBA×7)/2
Iは積分強度を、Iの下つき添字の数値は化学シフトの範囲を示す。例えばI180.0〜110.0は180.0ppmと110.0ppmの間に検出したシグナルの積分強度を示す。
50mLのガラス製ビーカーに、粉末状又はペレット状の多元系極性オレフィン共重合体を0.1g秤量して入れ、これに溶剤(メチルメタクリレート(MMA)、トルエン、酢酸エチル、またはオルソジクロロベンゼン(ODCB))を10mL加えた。恒温装置付きオイルバスを90℃に設定して、このオイルバスにビーカーの半分程度を投入し、手でビーカーを撹拌しながら多元系極性オレフィン共重合体を溶解させた。ビーカーをオイルバスに投入してから、目視にて多元系極性オレフィン共重合体が完全に溶解するまでの時間を測定した。
リンフェノール配位子(I)は、国際公開第2010/050256号記載(合成例4)の方法に従って合成した。金属錯体(II)は、J.Am.Chem.Soc.,2007,129,8948−8949記載の方法に従って合成した。
実施例1(エチレン/アクリル酸メチル/2−アクリロイロキシエチルメタクリレートの三元共重合)
充分に窒素置換した30mLフラスコに、360μmolのビス(シクロオクタジエン)ニッケルとリンフェノール配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(1000mL)、トリノルマルオクチルアルミニウムヘプタン溶液(3.2mmol)、メチルアクリレート(コモノマー濃度0.110mol/L)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.013mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度90℃、エチレン圧2.5MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、100分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を12.2g回収した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、360μmolのビス(シクロオクタジエン)ニッケルとリンフェノール配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(1000mL)、トリノルマルオクチルアルミニウムヘプタン溶液(3.2mmol)、メチルアクリレート(コモノマー濃度0.120mol/L)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.010mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度90℃、エチレン圧2.5MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、100分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を12.8g回収した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、300μmolの金属錯体(II)を秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(500mL)、メチルアクリレート(コモノマー濃度1.480mol/L)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.010mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度80℃、エチレン圧1.0MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、100分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を4.9g回収した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、480μmolのビス(シクロオクタジエン)ニッケルとリンフェノール配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(1000mL)、トリノルマルオクチルアルミニウムヘプタン溶液(3.2mmol)、メチルアクリレート(コモノマー濃度0.250mol/L)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.007mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度100℃、エチレン圧2.5MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、40分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を12.1g回収した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、480μmolのビス(シクロオクタジエン)ニッケルとリンフェノール配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(1000mL)、トリノルマルオクチルアルミニウムヘプタン溶液(3.2mmol)、メチルアクリレート(コモノマー濃度0.250mol/L)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.007mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度110℃、エチレン圧2.5MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、35分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を8.7g回収した。
充分に窒素置換した30mLフラスコに、40μmolのビス(シクロオクタジエン)ニッケルとリンフェノール配位子(I)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(10mL)を加えた後、これを10分間撹拌することで、触媒溶液を調製した。次に、内容積2.4Lの誘導撹拌機付ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(1000mL)、トリノルマルオクチルアルミニウムヘプタン溶液(0.2mmol)、2−アクリロイロキシエチルメタクリレート(コモノマー濃度0.006mol/L)をオートクレーブ内に導入した。重合温度90℃、エチレン圧2.5MPaにて、先に調製した触媒溶液を添加し、18分間重合した。
重合終了後、エチレンをパージ、オートクレーブを室温まで冷却し、得られたポリマーを、アセトン(1L)を用いて再沈殿させた。濾過により得られた固形ポリマーを塩酸(100mL)で洗浄後、60℃で3時間減圧乾燥することで、共重合体を23.5g回収した。
実施例及び比較例の共重合体の物性評価結果、および溶解性試験の結果を表1に示した。なお、比較例2〜4の共重合体については、高圧ラジカル法重合プロセスによって製造されたエチレン/メチルアクリレート共重合体である、日本ポリエチレン(株)製レクスパールEMAをそれぞれ使用した。
Claims (6)
- エチレン又は炭素数3〜10のα−オレフィンである1種の非極性モノマー(X1)単位と、下記一般式(1)で表される化合物である1種又は2種以上の極性モノマー(Z1)単位とを含む多元系極性オレフィン共重合体であって、
下記一般式(2)で表される化合物である1種又は2種以上の極性モノマー(Z2)単位を含み、
前記極性モノマー(Z1)に由来する構造単位量は、0.01〜10mol%であり、
前記極性モノマー(Z2)に由来する構造単位量は、0.01〜16.7mol%であり、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.5の範囲であり、
13 C−NMRにより算出されるメチル分岐度が、主鎖1,000炭素当たり5.0以下であることを特徴とする、多元系極性オレフィン共重合体。
一般式(2)において、T2は、水酸基で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換された炭素数2〜20の炭化水素基、炭素数2〜10のエステル基で置換された炭素数3〜20の炭化水素基、炭素数3〜18の置換シリル基で置換された炭素数4〜28の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、カルボキシル基、炭素数2〜10のエステル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、アミノ基、炭素数1〜12の置換アミノ基、炭素数3〜18の置換シリル基、又はハロゲン原子を示す。] - 前記非極性モノマー(X1)とは異なり、エチレン及び炭素数3〜10のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の非極性モノマー(X2)単位をさらに含む、請求項1に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
- 周期表第5〜10族の遷移金属触媒を用いて重合されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
- 前記遷移金属触媒が、ニッケル金属又はパラジウム金属にキレート性ホスフィン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、請求項3に記載の多元系極性オレフィン共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多元系極性オレフィン共重合体を製造する方法であって、周期表第5〜10族の遷移金属触媒の存在下に重合することを特徴とする、多元系極性オレフィン共重合体の製造方法。
- 前記遷移金属触媒が、ニッケル金属又はパラジウム金属にキレート性ホスフィン化合物が配位した遷移金属触媒であることを特徴とする、請求項5に記載の多元系極性オレフィン共重合体の製造方法。
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