JP6949290B1 - 蓄熱材組成物及び蓄熱デバイス - Google Patents

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Abstract

本開示の蓄熱材組成物は、糖アルコール及び水を含む糖アルコール液と、分子内のフェノール性水酸基が1つである化合物と、を含む。

Description

本開示は、蓄熱材組成物及びそれを含む蓄熱デバイスに関する。
潜熱蓄熱材は、物質が相転移する際に吸収又は放出する潜熱を利用した蓄熱材である。潜熱蓄熱材は、相転移の際に大量の熱エネルギーを吸収又は放出できることから、潜熱蓄熱材を用いて高効率な蓄熱デバイスを構築することが期待されている。
潜熱蓄熱材の一種として、エリスリトール、マンニトール、及びキシリトール等の糖アルコールが知られており、この糖アルコールを含む蓄熱材組成物が、特許文献1(特開平10−102050号公報)及び特許文献2(特開2008−95042号公報)に開示されている。特許文献1には、糖アルコール、抗酸化剤、及び造核剤を含む蓄熱材組成物は、熱履歴に対して安定であり、糖アルコールの結晶化性が良好であることが記載されている。特許文献2には、糖アルコール及び水溶性の塩類を溶解した水溶液を含有する蓄熱材組成物に酸化防止剤を添加していてもよいことが記載されている。
特開平10−102050号公報 特開2008−95042号公報
本発明者は、糖アルコール液が、水に溶解又は分散していない糖アルコール(以下、「糖アルコール単体」ということがある。)に比較すると、低温で速やかに劣化することを確認した。このことは、糖アルコール単体が劣化するメカニズムと、糖アルコール液が劣化するメカニズムとは異なっており、糖アルコール単体の劣化を抑制するために有効な方法であっても(例えば、特許文献1)、糖アルコール液の劣化を抑制するために有効な方法であるとは限らないことを示している。
また、特許文献2に記載の酸化防止剤は、蓄熱材組成物を使用する環境下に存在する酸素によって、糖アルコールが酸化されることを抑制するために用いられていると考えられる。そのため、酸素が遮断された環境下において糖アルコール液を使用する場合には、当該糖アルコール液が酸化防止剤を含んでいなくても、酸化によって糖アルコールが劣化することはないと考えられる。しかしながら、本発明者は、酸素が遮断された環境下において糖アルコール液を長期間加温すると、糖アルコール液が劣化する場合があること、及び、糖アルコールを用いた蓄熱デバイスに含まれる金属部材が腐食する場合があることを確認した。糖アルコール液の劣化は、蓄熱性能の低下を招来し、蓄熱デバイスの低寿命化に繋がると考えられる。
本開示の目的は、長期間の加温による劣化を抑制することができる蓄熱材組成物、及びそれを含む蓄熱デバイスを提供することにある。
本開示の蓄熱材組成物は、
糖アルコール及び水を含む糖アルコール液と、
分子内のフェノール性水酸基が1つである化合物と、を含む。
本開示の蓄熱材組成物によれば、長期間の加温による蓄熱材組成物の劣化を抑制することができるため、蓄熱デバイスの長寿命化を図ることができる。
実施の形態1.
(蓄熱材組成物)
本実施の形態の蓄熱材組成物は、糖アルコール及び水を含む糖アルコール液と、分子内のフェノール性水酸基が1つである化合物(以下、「化合物(I)」ということがある。)と、を含む。蓄熱材組成物は、さらに、腐食防止剤、過冷却防止剤、着色剤、又は化合物(I)以外の酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
蓄熱材組成物が糖アルコール液と化合物(I)とを含むことにより、当該蓄熱材組成物を長期間加温した場合においても、蓄熱材組成物が変色し、蓄熱材組成物のpHが低下するという蓄熱材組成物の劣化を抑制することができる。この理由は、次のように推測される。
糖アルコール液を長期間加温すると、加温のために加えられた熱が糖アルコールの分子鎖を切断し、この切断によって発生したラジカルがさらに別の分子鎖を切断するという連鎖反応が引き起こされる。連鎖反応は、糖アルコールを分解し、ギ酸等の有機酸を発生させる原因になることから、連鎖反応が進行すると糖アルコール液中に有機酸が蓄積する。これにより、糖アルコール液が変色したり、糖アルコール液のpHが低下したりする等の糖アルコール液の劣化が生じると考えられる。
一方、本実施の形態の蓄熱材組成物のように、糖アルコール液と化合物(I)とが共存していると、加温のために加えられた熱によって発生するラジカルを化合物(I)が捕捉することができるため、連鎖反応が引き起こされにくい。これにより、蓄熱材組成物を長期間加温しても、糖アルコールの分解及び有機酸の発生を抑制することができるため、蓄熱材組成物が変色したり、蓄熱材組成物のpHが低下したりする等の蓄熱材組成物の劣化を抑制することができると考えられる。蓄熱材組成物の劣化を抑制することにより、長期間にわたって安定な蓄熱性能が得られることが期待できる。また、蓄熱材組成物のpHの低下を抑制することにより、蓄熱材組成物を用いた蓄熱デバイスに含まれる金属部材が腐食することを抑制することができるため、蓄熱デバイスの長寿命化を図ることができる。
蓄熱材組成物は、糖アルコール液と化合物(I)とを混合することによって調製することができ、糖アルコール液に化合物(I)を添加することによって調製することが好ましい。
(糖アルコール液)
糖アルコール液は、糖アルコールと水とを含む。糖アルコール液は、糖アルコールの一部又は全部が水に溶解していてもよく、糖アルコールの一部又は全部が分散している状態であってもよい。糖アルコール液は、糖アルコールがすべて水に溶解している水溶液であることが好ましい。
糖アルコールは、潜熱蓄熱材として公知の化合物であれば特に限定されない。糖アルコールは、例えば、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ズルシトール、ラクチトール、パラチニット等が挙げられる。これらのうち、糖アルコール液としたときの単位体積当たりの蓄熱量が大きいことから、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ズルシトールが好ましく、エリスリトールがより好ましい。糖アルコール液に含まれる糖アルコールは、1種又は2種以上であってもよい。
糖アルコール液中の糖アルコールの濃度は、特に限定されないが、通常30重量%以上であり、40重量%以上であってもよく、50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましく、65重量%以上であってもよい。糖アルコール液中の糖アルコールの濃度は、通常90重量%以下であり、85重量%以下であることが好ましく、80重量%以下であることがより好ましく、75重量%以下であってもよい。糖アルコール液中に2種以上の糖アルコールが含まれる場合、糖アルコールの濃度は、糖アルコール液に含まれる全ての糖アルコールの合計重量に基づいて算出する。
蓄熱材組成物中の糖アルコールの濃度は、所望する蓄熱性能が得られるように調整すればよいが、通常28重量%以上であり、35重量%以上であってもよく、40重量%以上であってもよく、45重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であってもよい。蓄熱材組成物中の糖アルコールの濃度は、通常90重量%以下であり、85重量%以下であることが好ましく、80重量%以下であることがより好ましく、75重量%以下であってもよい。蓄熱材組成物中に2種以上の糖アルコールが含まれる場合、糖アルコールの濃度は、蓄熱材組成物に含まれる全ての糖アルコールの合計重量に基づいて算出する。
糖アルコール液に用いる水は、例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、逆浸透水、水道水等を挙げることができ、これらのうちの1以上を用いることができる。
糖アルコール液は、水と糖アルコールとを混合することによって調製することができ、水に糖アルコールを添加することによって調製することが好ましい。
(化合物(I))
化合物(I)は、分子内のフェノール性水酸基が1つである化合物である。本明細書において、フェノール性水酸基は、ベンゼン環を構成する炭素原子に結合した水酸基をいう。化合物(I)が有するフェノール性水酸基は、1つである。フェノール性水酸基の数が2以上の化合物は反応性が高く、糖アルコール液に添加すると糖アルコールと反応して重合するため、蓄熱材組成物の劣化の抑制には寄与しにくい。
化合物(I)は、分子内に、フェノール性水酸基が結合しているベンゼン環を1つ有していればよく、当該ベンゼン環以外にもさらにベンゼン環を有していてもよい。化合物(I)が分子内に有するベンゼン環は1つであることが好ましい。
フェノール性水酸基が結合しているベンゼン環を構成する炭素原子のうち、フェノール性水酸基が結合した炭素原子以外の炭素原子には、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基等のアルキル基、及び、メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基等の有機基が結合していてもよい。
化合物(I)としては、例えば、2−メトキシフェノール及び4−メトキシフェノール等のメトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、クレゾール、フェノール等が挙げられる。
蓄熱材組成物に含まれる化合物(I)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
蓄熱材組成物に含まれる化合物(I)は、特に限定されないが、糖アルコール1モルに対して、通常0.003モル以上であり、0.005モル以上であることが好ましく、0.007モル以上であることがより好ましく、0.009モル以上であってもよく、また、通常0.025モル以下であり、0.020モル以下であることがより好ましく、0.018モル以下であることがより好ましく、0.015モル以下であってもよい。蓄熱材組成物中に2種以上の化合物(I)が含まれる場合、化合物(I)の含有量は、蓄熱材組成物に含まれる全ての化合物(I)の合計重量に基づいて算出する。化合物(I)の含有量を上記の範囲内であれば、長期間加温した場合の蓄熱材組成物の劣化を抑制しやすい。
(添加剤)
蓄熱材組成物は、糖アルコール液及び化合物(I)以外の化合物である添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、腐食防止剤、過冷却防止剤、着色剤、又は化合物(I)以外の酸化防止剤等が挙げられる。腐食防止剤としては、例えば、クロム酸塩、リン酸塩、亜硝酸ナトリウム、珪酸塩、及び有機アミン等が挙げられる。過冷却防止剤としては、例えば、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、又はベヘン酸塩等の脂肪酸の金属塩又は有機塩等が挙げられる。着色剤としては、公知の顔料又は染料が挙げられる。化合物(I)以外の酸化防止剤としては、公知の硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びアミン系酸化防止剤が挙げられる。
(蓄熱デバイス)
本実施の形態の蓄熱デバイスは、蓄熱材組成物を含む。蓄熱デバイスは、蓄熱材組成物を収容するための容器、及び、蓄熱材組成物に外部からの熱を伝達する又は蓄熱材組成物の熱を外部に伝達するための熱交換用部品等を含むことができる。
蓄熱材組成物が接触する容器及び熱交換用部品は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄合金、又は銅等の金属によって形成された金属部材によって形成されていることがある。この場合、蓄熱材組成物に有機酸が発生したり、pHが低下したりすると、金属部材が腐食しやすい。本実施の形態の蓄熱材組成物は、長期間の加温によっても有機酸の発生及び蓄熱材組成物のpHの低下が抑制されているため、蓄熱デバイスに用いた場合にも金属部材が腐食することを抑制することができる。
以下、実施例及び比較例等により、本開示をさらに詳しく説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[pHの測定]
加温処理後の糖アルコール液のpH、及び、加温処理後の蓄熱材組成物のpHは、株式会社堀場製作所製「LAQUAtwin−pH−11B」を用いて測定した。
[ギ酸の検出]
加温処理後の糖アルコール液中のギ酸の検出、及び、加温処理後の蓄熱材組成物中のギ酸の検出は、日本ダイオネクス株式会社製「イオンクロマトグラフICS−1600型」を用いたイオンクロマトグラフ分析によって行った。
[金属量の検出]
加温処理後の糖アルコール液中の金属の検出、及び、加温処理後の蓄熱材組成物中の金属の検出は、SIIナノテクノロジー株式会社製「SPS−3100型」を用いたプラズマ発光分光分析によって行った。プラズマ発光分光分析によって検出する金属は、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、及び銅(Cu)とした。
〔参考例1〕
糖アルコールとしてのエリスリトール40gと水10gとを混合した糖アルコール液(a)(糖アルコールの濃度:80重量%)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で5時間保持する加温処理条件(1)で加温処理を行った。加温処理後の糖アルコール液(a)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)を加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った。加温処理後の糖アルコール液(a)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)を、窒素置換した加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(3)で加温処理を行った。加温処理後の糖アルコール液(a)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔実施例1〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)に、化合物(I)としての4−メトキシフェノール0.38gを添加して蓄熱材組成物(E1)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(E1)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
4−メトキシフェノールに代えて、化合物(I)としての2−メトキシフェノールを用いたこと以外は、実施例1の蓄熱材組成物(E1)の調製と同様にして蓄熱材組成物(E2)を調製し、加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(E2)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出、及びpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)にヒドロキノン0.27gを添加して蓄熱材組成物(C1)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(C1)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)にメトキシヒドロキノン0.42gを添加して蓄熱材組成物(C2)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(C2)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006949290
表1に示すように、糖アルコール液及び化合物(I)を含む蓄熱材組成物は、長期間加温した場合においても、無色透明であり、pHの低下が抑制されていた(実施例1及び2)。一方、化合物(I)を含まない糖アルコール液は、短期間加温した場合には劣化が抑制されたが(参考例1)、長期間加温した場合には、酸素が存在する条件下であっても、酸素を遮断した窒素雰囲気下であっても、褐色に変化し、pHが低下した(比較例1及び2)。蓄熱材組成物が化合物(I)を含むことにより、長期間の加温による蓄熱材組成物の劣化を抑制できることから、化合物(I)を含む蓄熱材組成物は、長期間にわたって蓄熱性能を安定化できると考えられる。
また、フェノール性水酸基を複数有する化合物を添加した場合には、蓄熱材組成物が黒色に変色しpHが低下した(比較例3及び4)。蓄熱材組成物の色変化から、フェノール性水酸基を複数有する化合物は、糖アルコールとの反応によって生成した反応生成物を形成していると考えられるため、蓄熱材組成物の劣化の抑制には寄与しにくいと考えられる。
〔比較例5〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)を加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で14日間保持する加温処理条件(4)で加温処理を行った。加温処理後の糖アルコール液(a)について、色を目視で確認し、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表2に示す。
〔比較例6〕
糖アルコールとしてのエリスリトール30gと水20gとを混合した糖アルコール液(b)(糖アルコールの濃度:60重量%)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で14日間保持する加温処理条件(4)で加温処理を行った。加温処理後の糖アルコール液(b)について、色を目視で確認し、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
参考例1と同様の手順で調製した糖アルコール液(a)に、化合物(I)としての4−メトキシフェノール0.38gを添加した蓄熱材組成物(E3)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で14日間保持する加温処理条件(4)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(E3)について、色を目視で確認し、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
比較例6と同様の手順で調製した糖アルコール液(b)に、化合物(I)としての4−メトキシフェノール0.38gを添加した蓄熱材組成物(E4)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で14日間保持する加温処理条件(4)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(E4)について、色を目視で確認し、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
糖アルコールとしてのエリスリトール20gと水30gとを混合した糖アルコール液(c)(糖アルコールの濃度:40重量%)を調製した。この糖アルコール液(c)に、化合物(I)としての4−メトキシフェノール0.38gを添加した蓄熱材組成物(E5)を調製して加圧密閉容器に入れ、設定温度を90℃とした恒温槽内で14日間保持する加温処理条件(4)で加温処理を行った。加温処理後の蓄熱材組成物(E5)について、色を目視で確認し、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006949290
表2に示すように、糖アルコール濃度が40重量%〜80重量%である糖アルコール液と化合物(I)とを含む蓄熱材組成物は、長期間の加温によっても、pHの低下を抑制できた。特に、糖アルコール濃度が60重量%及び80重量%である糖アルコール液と化合物(I)とを含む蓄熱材組成物は、長期間の加温によっても、変色及びpHの低下の抑制に優れていた。
〔比較例7〕
参考例1と同様の手順で調製して加圧密閉容器に入れた糖アルコール液(a)に、アルミニウム(Al)の試験片、鉄(Fe)の試験片、及び銅(Cu)の試験片を浸漬した状態で、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った後、上記試験片を取り出した。その後、加温処理後の糖アルコール液(a)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出及び金属の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表3に示す。
〔実施例6〕
実施例1と同様の手順で調製して加圧密閉容器に入れた蓄熱材組成物(E1)に、アルミニウム(Al)の試験片、鉄(Fe)の試験片、及び銅(Cu)の試験片を浸漬した状態で、設定温度を90℃とした恒温槽内で30日間保持する加温処理条件(2)で加温処理を行った後、上記試験片を取り出した。加温処理後の蓄熱材組成物(E1)について、色を目視で確認し、ギ酸の検出及び金属の検出を行い、放冷の後にpHの測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006949290
表3に示すように、糖アルコール液及び化合物(I)を含む蓄熱材組成物は、加温条件下で長期間、金属と接触しても、変色、ギ酸の蓄積、金属の溶解を抑制することができた。したがって、糖アルコール液及び化合物(I)を含む蓄熱材組成物を用いた蓄熱デバイスでは、蓄熱デバイスに含まれる金属部材の腐食を抑制することができるため、蓄熱デバイスの長寿命化を図ることができる。なお、比較例7では、試験片の腐食に伴って水酸化物イオンが生成したため、pHが低下しなかったと考えられる。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (4)

  1. 糖アルコール及び水を含む糖アルコール液と、
    分子内のフェノール性水酸基が1つである化合物と、を含み、
    前記化合物は、メトキシフェノールである、蓄熱材組成物。
  2. 前記糖アルコールは、エリスリトールである、請求項1に記載の蓄熱材組成物。
  3. 前記糖アルコール液中の前記糖アルコールの濃度は、50重量%以上80重量%以下である、請求項1又は2に記載の蓄熱材組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物を含む蓄熱デバイス。
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