JPH08269751A - 不凍液用組成物 - Google Patents

不凍液用組成物

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JPH08269751A
JPH08269751A JP7097621A JP9762195A JPH08269751A JP H08269751 A JPH08269751 A JP H08269751A JP 7097621 A JP7097621 A JP 7097621A JP 9762195 A JP9762195 A JP 9762195A JP H08269751 A JPH08269751 A JP H08269751A
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】安全で製造コストが安く高性能な不凍液組成物
を提供する。 【構成】 水溶性液体アルコール凝固点降下剤を主成分
とする腐食抑制不凍液組成物であって,0.1〜5.0重量%
である少なくとも3個以上のカルボキシル基を有する芳
香族カルボン酸またはそのアルカリ金属若しくはアンモ
ニウム塩と,0.5〜5.0重量%であるC7〜C9の脂肪族モ
ノカルボン酸またはC9〜C12の脂肪族ジカルボン酸の
いずれか,またはそれらのアルカリ金属若しくはアンモ
ニウム塩のいずれかと,0.1〜0.5%のトリアゾール化合
物とを含有する不凍液組成物であって,リン酸塩,ホウ
酸塩,アミン塩または亜硝酸塩のいずれをも含まないこ
とを特徴とする不凍液組成物。 【効果】セバシン酸及びp-tertブチル安息香酸の配合量
を従来の不凍液組成物に比べ約2/3〜1/2に減少させるこ
とが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車などの内燃機関
に使用される不凍液組成物に関するものであり,特に内
燃機関に用いられるアルミニウム合金鋳物の腐食に対し
優れた腐食防止効果を有する不凍液組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来,自動車のエンジンのような内燃機
関の冷却液の冬季凍結防止剤として,エチレングリコー
ル等,凝固点降下作用のあるグリコール類やアルコール
類を含む不凍液組成物が使用されている。しかし,これ
らのアルコール類またはグリコール類は使用の際に酸化
され該酸化物が冷却液のpHを低下させることで,上記内
燃機関を構成するアルミニウム合金,鋳鉄,鋼,黄銅,
はんだ,銅等の種々の金属を腐食するという欠点があ
る。
【0003】これに対して,従来,様々な腐食抑制剤が
添加された。例えば,リン酸塩,トリエタノールアミン
塩,ホウ酸,炭酸塩,硝酸塩,亜硝酸塩,モリブデン酸
塩,安息香酸塩,ケイ酸塩,トリアゾール類,メルカプ
トベンゾチアゾールのナトリウム塩等が適宜選定され,
組み合わされて不凍液組成物として使用されてきた。
【0004】しかし,これらの腐食抑制剤には以下のよ
うな問題が生じた。すなわち,近年エンジン軽量化の目
的で多用されるようになったアルミニウムに適した腐食
抑制剤であるリン酸塩は,河川または海水に流出する
と,富栄養化して生息している生物に悪影響を及ぼす。
また,上記トリエタノールアミン塩も亜硝酸塩と併用す
ると,発癌性物質であるニトロソアミンを生成する。
【0005】これらの問題点に鑑み,特許第1,753,110
号または特開平4-117481号は,リン酸塩,アミン塩,ケ
イ酸塩,ホウ酸塩および亜硝酸塩を含有しない,冷却系
の金属の腐食防止性能に優れた不凍液組成物を開示す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上記特開平4-
117481号に記載された腐食抑制剤として用いられる脂肪
族ジカルボン酸は高価である点,及び特許第1,753,110
号に記載された脂肪族モノカルボン酸のみでははんだ等
の腐食抑制作用が劣る点で問題である。
【0007】したがって本発明の目的は,環境及び人体
に安全な不凍液組成物を提供することである。
【0008】また,本発明の他の目的は,内燃機関の冷
却系を構成するあらゆる金属に対し優れた腐食抑制機能
を有し,かつ低コストの不凍液を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明による不凍液組成物は,水溶性液体アルコー
ル凝固点降下剤を主成分とし, a). 0.1〜5.0重量%である少なくとも3個以上のカルボ
キシル基を有する芳香族カルボン酸またはそのアルカリ
金属若しくはアンモニウム塩と, b). 0.5〜5.0重量%であるC7〜C9の脂肪族モノカルボ
ン酸またはC9〜C12の脂肪族ジカルボン酸のいずれ
か,またはそれらのアルカリ金属若しくはアンモニウム
塩のいずれかと, c). 0.1〜0.5%のトリアゾール化合物と,を含有し,リ
ン酸塩,ホウ酸塩,アミン塩または亜硝酸塩のいずれを
も含まないことを特徴とする。
【0010】また,本発明による不凍液組成物はさらに
腐食防止剤として,アルカリ金属塩である,硝酸塩,モ
リブデン酸塩,ケイ酸塩,安息香酸塩,p-tertブチル安
息香酸塩,及びメルカプトベンゾチアゾール塩の内少な
くとも1つを0.1〜5.0重量%含むことができる。
【0011】もう一つの本発明による他の不凍液組成物
は,水溶性液体アルコール凝固点降下剤を主成分とし, a). 0.1〜5.0重量%である少なくとも3個以上のカルボ
キシル基を有する芳香族カルボン酸またはそのアルカリ
金属若しくはアンモニアと, b). 0.5〜5.0重量%であるC9〜C12の脂肪族ジカルボ
ン酸またはそのアルカリ金属若しくはアンモニアと, c). 0.1〜5.0重量%のアルキル安息香酸と, d). 0.1〜0.5%のトリアゾール化合物と,を含有し,リ
ン酸塩,ホウ酸塩,アミン塩または亜硝酸塩のいずれを
も含まないことを特徴とする。
【0012】また,上記本発明による他の不凍液組成物
はさらに腐食防止剤として,アルカリ金属塩である,硝
酸塩,モリブデン酸塩,ケイ酸塩,安息香酸,メルカプ
トベンゾチアゾール塩のうち少なくとも1つを0.1〜5.0
重量%含むことも可能である。
【0013】上記本発明による不凍液組成物のトリアゾ
ール化合物は好適にはベンゾトリアゾール若しくはトリ
ルトリアゾールまたはこれらの混合物から成る。
【0014】
【作用】本発明の組成物の主成分のグリコール類は,不
凍液の凝固点を降下させる作用を有する。その中に含ま
れる少なくとも3個以上のカルボキシル基を有する芳香
族カルボン酸またはそのアルカリ金属若しくはアンモニ
ア塩,C7〜C9の脂肪族モノカルボン酸またはC9〜C
12の脂肪族ジカルボン酸のいずれかまたはそれらのアル
カリ金属若しくはアンモニア塩,及びトリアゾール化合
物は,内燃機関の冷却系に使用されるアルミニウム,鋳
鉄,鋼,黄銅,はんだ,銅の腐食を抑制する。また,そ
の他の添加物であるp-tertブチル安息香酸塩,硝酸塩,
安息香酸塩,モリブデン酸塩,またはメルカプトベンチ
アゾール塩は,上記金属の腐食抑制能力をさらに向上さ
せる。
【0015】
【実施例】水溶性不凍液組成物として使用するための本
発明による第1の腐食抑制剤は,少なくとも3個以上の
カルボキシル基を有する芳香族カルボン酸またはそのア
ルカリ金属若しくはアンモニウム塩,脂肪族モノカルボ
ン酸または脂肪族ジカルボン酸のいずれかまたはそれら
のアルカリ金属若しくはアンモニウム塩のいずれか,及
びトリアゾール化合物とを共に含有して成る。
【0016】本発明の腐食抑制剤の少なくとも3個以上
のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸は,好適に
はピロメリット酸,トリメリット酸,ヘミメリット酸ま
たはトリメシン酸であり,それらのアルカリ金属または
アンモニウム塩を使用してもよい。その際好適なアルカ
リ金属はナトリウムまたはカリウムである。
【0017】本発明の腐食抑制剤には脂肪族モノカルボ
ン酸または脂肪族ジカルボン酸のいずれかを使用する。
前者の脂肪族モノカルボン酸はC7〜C9のすべての脂肪
族モノカルボン酸であって,具体的には,ヘプタン酸,
オクタン酸,もしくはノナン酸またはこれらの混合物及
び異性体類が含まれる。この中で特にオクタン酸が好適
である。また,これらのアルカリ金属もしくはアンモニ
ウム塩を使用してもよく,この際アルカリ金属としては
ナトリウムまたはカリウムが好適である。一方,後者の
脂肪族ジカルボン酸はC9〜C12のすべての脂肪族ジカ
ルボン酸であって,具体的には,アゼライン酸,セバシ
ン酸,ウンデカン二酸,もしくはドデカン二酸またはこ
れらの混合物及び異性体類が含まれる。この中で特にセ
バシン酸が好適である。また,これらのアルカリ金属も
しくはアンモニウム塩を使用してもよく,この際アルカ
リ金属としてはナトリウムまたはカリウムが好適であ
る。
【0018】本発明の腐食抑制剤のトリアゾール化合物
の成分として,ベンゾトリアゾールまたはトリルトリア
ゾールが好適である。
【0019】本発明による第2の腐食抑制剤は,少なく
とも3個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン
酸またはそのアルカリ金属若しくはアンモニウム塩,脂
肪族ジカルボン酸またはそのアルカリ金属若しくはアン
モニウム塩,アルキル安息香酸またはそのアルカリ金属
若しくはアンモニウム塩,及びトリアゾール化合物とを
共に含有して成る。
【0020】上記第1の腐食抑制剤との違いはアルキル
安息香酸を含む点である。該アルキル安息香酸はC1
5のアルキル基を有する芳香族カルボン酸であって,
最も好適なのはp-tert-ブチル安息香酸である。また,
このアルカリ金属もしくはアンモニウム塩を使用しても
よく,この際アルカリ金属としてはナトリウムまたはカ
リウムが好適である。
【0021】上記本発明による第1及び第2の腐食抑制
剤にはさらに以下の物質を添加することが可能である。
すなわち,アルカリ金属塩である,硝酸塩,モリブデン
酸塩,ケイ酸塩,安息香酸塩,p-tertブチル安息香酸
塩,またはメルカプトベンゾチアゾール塩から成る群か
ら適宜選択された添加剤として使用される。
【0022】本発明の好適実施態様において,上記第1
及び第2の本発明による腐食抑制剤は水溶性液体アルコ
ール凝固点降下剤に添加して使用される。ここで,液体
アルコール凝固点降下剤はグリコール類またはグリコー
ルエーテル類から成る。好適なのは,エチレングリコー
ル,ジエチレングリコール,プロピレングリコールなど
のグリコール類であって,そのうち最も好適なのはエチ
レングリコールである。
【0023】本発明による第1の不凍液組成物は80〜99
重量%の水溶性液体アルコール凝固点降下剤(好適には
90〜99重量%のエチレングリコール),0.1〜5.0重量%
の少なくとも3つ以上のカルボキシル基を有する芳香族
カルボン酸(好適には0.1〜3.0重量%の上記ピロメリッ
ト酸,トリメリット酸,ヘミメリット酸またはトリメシ
ン酸),0.5〜5.0重量%の脂肪族モノカルボン酸(好適
には0.5〜3.0重量%のオクタン酸)または0.5〜5.0重量
%の脂肪族ジカルボン酸(好適には0.5〜3.0重量%のセ
パシン酸)のいずれか,及び0.1〜0.5重量%のトリアゾ
ール化合物(好適には0.1〜0.3重量%のベンゾトリアゾ
ール)から成る。
【0024】一方,本発明による第2の不凍液組成物は
80〜99重量%の水溶性液体アルコール凝固点降下剤(好
適には90〜99重量%のエチレングリコール),0.1〜5.0
重量%の少なくとも3つ以上のカルボキシル基を有する
芳香族カルボン酸(好適には0.1〜3.0重量%の上記ピロ
メリット酸,トリメリット酸,ヘミメリット酸またはト
リメシン酸),0.5〜5.0重量%の脂肪族ジカルボン酸
(好適には0.5〜3.0重量%のセパシン酸),0.1〜5.0重
量%のアルキル安息香酸(好適には0.5〜1.5重量%のp-
tertブチル安息香酸),及び0.1〜0.5重量%のトリアゾ
ール化合物(好適には0.1〜0.3重量%のベンゾトリアゾ
ール)から成る。
【0025】さらに,本発明による第1及び第2の不凍
液組成物は0.1〜5.0重量%の上記添加物(好適には0.1
〜1.0重量%の硝酸塩,モリブデン酸塩,ケイ酸塩,安
息香酸塩,p-tertブチル安息香酸塩,またはメルカプト
ベンゾチアゾール塩から成る群から適宜選択された添加
剤)を含むことができる。
【0026】さらに,本発明による不凍液組成物は,ア
ミン塩及び亜硝酸塩を含んでいないので,発癌性物質で
あるニトロソアミンを生成しない。また,本発明による
不凍液組成物は,リン酸塩を含んでいないので,河川等
に流入しても富栄養化してアオコまたは赤潮を発生させ
生態系に悪影響を及ぼすことはない。さらに,本発明に
よる不凍液組成物は,ホウ酸塩を含まないために,アル
ミニウム系金属の腐食防止機能を向上させることが可能
である。
【0027】以下,実施例および比較例を具体的に説明
する。本発明の不凍液組成物は,通常20〜60体積%に希
釈して使用される。また,以下の%は特に定義しない限
り重量%を意味する。なお,以下の実施例は代表例にす
ぎず,これらの実施例により本発明がなんら限定される
ものではない。
【0028】表1は本発明による不凍液組成物の実施例
及び比較例の成分比を示したものである。
【0029】
【表1】 実施例1 表1に示すように,ピロメリット酸(0.5%),オクタ
ン酸(3%),ベンゾトリアゾール(0.3%)をエチレン
グリコールに混合し,さらに不凍液組成物の30体積%水
溶液のpHを7.7にするために必要な水酸化ナトリウム
を加えた。エチレングリコールは,全体量が100%とな
るのに必要な量を用いている。
【0030】実施例2 ピロメリット酸の代わりにトリメリット酸(0.5%)を
用いた以外は実施例1と同様である。
【0031】実施例3 ピロメリット酸の代わりにヘミメリット酸(0.5%)を
用いた以外は実施例1と同様である。
【0032】実施例4 ピロメリット酸の代わりにトリメシン酸(0.5%)を用
いた以外は実施例1と同様である。
【0033】実施例5 オクタン酸の代わりにセバシン酸(2.5%)を用いた以
外は実施例1と同様である。
【0034】実施例6 実施例1にさらにメルカプトベンゾチアゾールのナトリ
ウム塩(0.2%)を加えた。
【0035】実施例7 ピロメリット酸(0.5%),セバシン酸(1.4%),p-te
rtブチル安息香酸(0.6%),ベンゾトリアゾール(0.3
%)をエチレングリコールに混合し,さらに不凍液組成
物の30体積%水溶液のpHを7.7にするために必要な水
酸化ナトリウムを加えた。エチレングリコールは,全体
量が100%となるのに必要な量を用いている。
【0036】実施例8 ピロメリット酸の代わりにトリメリット酸(0.5%)を
用いた以外は実施例7と同様である。
【0037】比較例1 芳香族カルボン酸を含まないこと以外,実施例1乃至4
と同様である。オクタン酸及びベンゾトリアゾールの使
用量も同一とする。
【0038】比較例2 比較例1のオクタン酸の使用量を4.0%に増加した。
【0039】比較例3 芳香族カルボン酸を含まないこと以外,実施例5と同様
である。セバシン酸及びベンゾトリアゾールの使用量も
同一とする。
【0040】比較例4 比較例3にさらに硝酸ナトリウム塩を0.5%加えた。
【0041】比較例5 芳香族カルボン酸を含まないこと以外,実施例7と同様
である。セバシン酸,p-tertブチル安息香酸及びベンゾ
トリアゾールの使用量も同一とする。
【0042】比較例6 ピロメリット酸を0.1%に減少させたこと以外,実施例
7と同様である。セバシン酸,p-tertブチル安息香酸及
びベンゾトリアゾールの使用量も同一とする。
【0043】比較例7 セバシン酸(2.7%),p-tertブチル安息香酸(0.9
%),ベンゾトリアゾール(0.3%)をエチレングリコ
ールに混合し,さらに不凍液組成物の30体積%水溶液の
pHを7.7にするために必要な水酸化ナトリウムを加え
た。エチレングリコールは,全体量が100%となるのに
必要な量を用いている。
【0044】これらの実施例1乃至8,および比較例1
乃至8について,JISK2234に規定される金属腐
食試験による腐食量の測定結果を表2に示す。試験はア
ルミニウム,寿鉄,鋼,黄銅,はんだ及び銅片につい
て,試験片の質量変化,pH,及び試験片及び試験液の外
観の検査を行った。表中の値は腐食した質量を表し,単
位はmg/cm2である。評価の基準値は,アルミニウム及び
はんだが±0.30mg/cm2でこれ以外はすべて±0.15mg/cm2
とした。
【0045】
【表2】 評価 実施例1乃至4と比較例1及び2を比較する。実施例1
乃至4と比較例1の違いは芳香族カルボン酸の有無のみ
である。表2の測定結果より,実施例1乃至4はすべて
の金属に対し腐食程度が規定値内にある。これに対し
て,芳香族カルボン酸を加えない比較例1及び2は,ア
ルミニウム及びはんだが大きく腐食されていることがわ
かる。本発明による実施例1から4の中でも実施例4は
特に優れた防食機能を有するのがわかる。実施例4は比
較例1を比べると,アルミニウムで約25倍,黄銅で約2
倍,はんだで約2倍の防食性能を有する。また,オクタ
ン酸の量を3.0%から4.0%に増加させた比較例2と比べ
ても,実施例4はアルミニウムで約5倍,はんだで約25
倍の防食性能を有するのがわかる。したがって,本発明
による芳香族カルボン酸を含む不凍液組成物の優れた防
食機能が実証された。
【0046】実施例5と比較例3及び4を比較する。実
施例5と比較例3の違いは芳香族カルボン酸の有無のみ
である。表2の測定結果より,実施例5はすべての金属
に対し腐食程度が規定値内にあり,特にはんだに対する
防食性能が優れているのがわかる。これに対して,芳香
族カルボン酸を加えない比較例3は,アルミニウムの腐
食量が規定値を上回っていることがわかる。実施例5は
比較例3と比べると,アルミニウムで約9倍,寿鉄で約4
倍の防食性能を有する。また,比較例3にさらに硝酸ナ
トリウム塩を0.5%添加した比較例4と比べても,実施
例5は寿鉄で約10倍の防食性能を有するのがわかる。し
たがって,本発明による芳香族カルボン酸を含む不凍液
組成物の優れた防食機能が実証された。
【0047】実施例1と実施例6を比較する。いずれも
本発明による不凍液組成物であって,すべての金属に対
し防食機能を有するのがわかる。実施例1と実施例6と
の違いはメルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩を含
むか否かである。ここで,アルミニウムとはんだに着目
してみると,メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩
を含む実施例6の方が,含まない実施例1に比べ,アル
ミニウムで約1.8倍,はんだで約2倍の防食性能を有する
のがわかる。したがって,本発明による芳香族カルボン
酸を含む不凍液組成物にさらにメルカプトベンゾチアゾ
ール塩を添加することにより防食性能が向上することが
実証された。
【0048】実施例7及び8と比較例5を比べる。実施
例7及び8と比較例5の違いは芳香族カルボン酸を含む
か否かである。表2の測定結果より,実施例7及び8は
すべての金属に対し腐食程度が規定値内にあり,特には
んだに対する防食性能が優れているのがわかる。これに
対して,芳香族カルボン酸を加えない比較例5は,アル
ミニウムの腐食量が規定値を大きく上回っていることが
わかる。ピロメリット酸を含む実施例7は含まない比較
例5と比べると,アルミニウムで約8.5倍,黄銅で約2倍
の防食性能を有する。また,トリメリット酸を含む実施
例8と含まない比較例5を比べても,実施例8はアルミ
ニウムで約21倍の防食性能を有するのがわかる。したが
って,従来の腐食防止組成物に比べ,本発明による芳香
族カルボン酸を含む不凍液組成物の方が防食機能が優れ
ていること実証された。
【0049】実施例7と比較例6を比べる。実施例7と
比較例6との違いはピロメリット酸の含有量である。表
2から明らかなように,ピロメリット酸を0.1%しか含
まない比較例6はアルミニウムの腐食量が規定値を上回
っている。ピロメリット酸を0.5%含む実施例7は0.1%
しか含まない比較例6に比べ,アルミニウムで約4.3倍
の防食性能を有するのがわかる。したがって,本発明に
よる芳香族カルボン酸の含有量は0.5%が好適であるこ
とが実証された。
【0050】実施例7及び8と比較例7を比べる。表2
からいずれもすべての金属に対しほぼ同等の防食機能を
有することがわかる。表1を参照すると,実施例7及び
8のセバシン酸及びp-tertブチル安息香酸の含有量はそ
れぞれ1.4%,0.6%であるのに対し,比較例7において
はそれぞれ2.7%,0.9%であることがわかる。さらに,
実施例7及び8には芳香族カルボン酸が含まれているの
に対し,比較例7には含まれていない。したがって,従
来の組成物で本発明の実施例7及び8と同等の防食性能
を得ようとすると,本発明で使用する量の約2倍のセバ
シン酸及び約1.5倍のp-tertブチル安息香酸を必要とす
ることが明白である。
【0051】
【効果】本発明により,人体及び環境に安全な不凍液組
成物が与えられた。本発明による不凍液組成物はリン酸
塩,亜硝酸塩,アミン塩等を含まないからである。
【0052】また本発明により,従来の不凍液に比べ高
性能な腐食防止機能を有する新規な不凍液組成物が与え
られた。本発明の不凍液組成物には,少なくとも3つの
カルボキシル基を有する芳香族カルボン酸が含有されて
いるからである。
【0053】さらに本発明により,セバシン酸及びp-te
rtブチル安息香酸の配合量を従来の不凍液組成物に比べ
約2/3〜1/2に減少させることが可能な不凍液組成物が与
えられた。本発明に含有される上記芳香族カルボン酸の
効果によるものである。その結果,従来の不凍液組成物
に比べより低コストでより高性能な不凍液組成物を製造
することが可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性液体アルコール凝固点降下剤を主
    成分とする腐食抑制不凍液組成物であって, a). 0.1〜5.0重量%である少なくとも3個以上のカルボ
    キシル基を有する芳香族カルボン酸またはそのアルカリ
    金属若しくはアンモニウム塩と, b). 0.5〜5.0重量%であるC7〜C9の脂肪族モノカルボ
    ン酸またはC9〜C12の脂肪族ジカルボン酸のいずれ
    か,またはそれらのアルカリ金属若しくはアンモニウム
    塩のいずれかと, c). 0.1〜0.5%のトリアゾール化合物と,を含有する不
    凍液組成物であって,リン酸塩,ホウ酸塩,アミン塩ま
    たは亜硝酸塩のいずれをも含まないことを特徴とする不
    凍液組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の不凍液組成物であって,
    さらに腐食防止剤として,アルカリ金属塩である,硝酸
    塩,モリブデン酸塩,ケイ酸塩,安息香酸塩,p-tertブ
    チル安息香酸塩,及びメルカプトベンゾチアゾール塩の
    内少なくとも1つを0.1〜5.0重量%含む,ところの不凍
    液組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性液体アルコール凝固点降下剤を主
    成分とする腐食抑制不凍液組成物であって, a). 0.1〜5.0重量%である少なくとも3個以上のカルボ
    キシル基を有する芳香族カルボン酸またはそのアルカリ
    金属若しくはアンモニアと, b). 0.5〜5.0重量%であるC9〜C12の脂肪族ジカルボ
    ン酸またはそのアルカリ金属若しくはアンモニアと, c). 0.1〜5.0重量%のアルキル安息香酸と, d). 0.1〜0.5%のトリアゾール化合物と,を含有する不
    凍液組成物であって,リン酸塩,ホウ酸塩,アミン塩ま
    たは亜硝酸塩のいずれをも含まないことを特徴とする不
    凍液組成物。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の不凍液組成物であって,
    さらに腐食防止剤として,アルカリ金属塩である,硝酸
    塩,モリブデン酸塩,ケイ酸塩,安息香酸,メルカプト
    ベンゾチアゾール塩のうち少なくとも1つを0.1〜5.0重
    量%含む,ところの不凍液組成物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4に記載のトリアゾール化合
    物はベンゾトリアゾール若しくはトリルトリアゾールま
    たはこれらの混合物から成る,ところの不凍液組成物。
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