JPH0820763A - 非アミン系不凍液 - Google Patents

非アミン系不凍液

Info

Publication number
JPH0820763A
JPH0820763A JP6177557A JP17755794A JPH0820763A JP H0820763 A JPH0820763 A JP H0820763A JP 6177557 A JP6177557 A JP 6177557A JP 17755794 A JP17755794 A JP 17755794A JP H0820763 A JPH0820763 A JP H0820763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antifreeze
weight
test
manganese
amine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6177557A
Other languages
English (en)
Inventor
Jinzo Nagamori
仁蔵 永森
Toshio Morii
敏雄 森井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEIKEN KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
SEIKEN KAGAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEIKEN KAGAKU KOGYO KK filed Critical SEIKEN KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP6177557A priority Critical patent/JPH0820763A/ja
Publication of JPH0820763A publication Critical patent/JPH0820763A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 非アミン系不凍液において、マンガン化合
物、p-tertブチル安息香酸またはそのアルカリ金属塩、
ドデカン二酸およびセパシン酸またはそのアルカリ金属
塩、ならびにトリアゾール類およびチアゾール類、を含
有することを特徴とする非アミン系不凍液。また所望に
より更に、硝酸塩、モリブデン酸塩、およびリン酸塩、
の各成分を1または2以上含有するものである。 【効果】 不凍液としてエンジンの冷却系統の各種金属
部材を腐食することなく使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の冷却液に使用
される非アミン系不凍液に関するもので、より詳しくは
ガソリン車、ディーゼル車等の内燃機関の冷却系統に使
用されるアルミニウム合金に対して、優れた腐食防止効
果を有する非アミン系不凍液に関する。
【0002】
【従来の技術】不凍液は内燃機関の冷却液に使用され、
冬期の冷却液の凍結防止用として、また夏のオーバーヒ
ート防止のために、年間を通して使用されている。これ
らの不凍液組成物には、エチレングリコールおよびプロ
ピレングリコール等のグリコール類の不凍成分を主成分
とし、この不凍成分に防食成分、消泡成分、スケール防
止成分等を添加したものが用いられてきた。ところが最
近の不凍液には、次の要件を満足することが求められて
いる。
【0003】日本の自動車メーカーでは資源の節約のた
めと、自動車の軽量化を目的として、内燃機関の冷却系
統を構成しているシリンダブロック、シリンダヘッド、
ウォータポンプ等の金属材料を鋳鉄からアルミニウム合
金に仕様変更した。そのため不凍液の成分も、鋳鉄およ
び鋼に対して優れている腐食防止剤であるホウ砂に代え
て、アルミニウム合金に対する腐食防止剤として、トリ
エタノールアミンのリン酸塩および亜硝酸塩が最も優れ
た防食効果があるものとして、殆どの不凍液にアミン化
合物が多量に使用されてきた。
【0004】ところがニトロソアミンの発癌性問題から
昭和52年〜53年(1977年〜1978年)にかけ
て、内燃機関の冷却系統に使用する不凍液の構成成分と
してアミンと亜硝酸塩を使用することをスウェーデンで
禁止した。そのため、代表的な不凍液規格である英国規
格BS3150で定められた、エチレングリコールを主
成分とし、これに腐食防止剤としてトリエタノールアミ
ンのリン酸塩およびメルカブトベンゾチアゾールのナト
リウム塩を含有せしめたもの、BS3151で定められ
たエチレングリコールを主成分とし、これに腐食防止剤
として安息香酸ナトリウムおよび亜硝酸ナトリウムを含
有せしめたものが使用されてきた。それらは各々の腐食
防止剤を組み合わせてエチレングリコールに添加するも
のであった。しかしながら、それらの腐食防止剤を単独
でエチレングリコールに添加したものから成る不凍液
は、アルミニウム合金に対しては満足な腐食防止効果が
得られなかった。
【0005】また、BS3152で定められたエチレン
グリコールを主成分とし、これにホウ砂を含有させた不
凍液は、シリンダブロックおよびシリンダヘッドのアル
ミニウム合金を腐食溶出させ、溶出したアルミニウムは
水酸化アルミニウムとなってラジエータコアに堆積し、
冷却液の通路を塞ぎ、その結果、内燃機関のオーバーヒ
ートを生じさせる恐れがあった。また従来の腐食防止剤
であるケイ酸塩は、熱安定性に欠け、pHが不安定であ
り、他の塩類との共存時に容易にゲル化して本来の腐食
防止効果を低下させることがあるため、他の腐食防止剤
との併用に問題があった。このように、従来からの代表
的な不凍液の腐食防止剤であるトリエタノールアミンの
リン酸塩、アルカノールアミン、亜硝酸塩、安息香酸ナ
トリウム、メルカブトベンゾチアゾールのナトリウム
塩、ホウ砂、ケイ酸塩の使用に問題が残り工夫が必要と
されていた。
【0006】また、現在米国の一部の州では、使用済み
不凍液を地表や河川に廃棄することの禁止および資源の
節約のために、使用済み不凍液のリサイクル化(再生)
が始まっている。これら諸外国の地球環境に優しい不凍
液の開発要求は、日本の自動車メーカーおよび不凍液業
界にも波及している。
【0007】不凍液は使用中に酸化したり、あるいはシ
リンダヘッドのガスケットの隙間から侵入する燃焼ガス
によって亜硫酸などが生成することがあるので、アルカ
リ性を充分に保有せしめておいて、これらの酸を中和し
て腐食性の増大を防止する必要がある。しかしながらJ
IS K 2234−1987の不凍液規格では、予備
アルカリ度の規定値を定めていない。予備アルカリ度
は、不凍液中に保有されるアルカリの量を示す尺度であ
って、この数値が多い程、酸に対する中和性が大きいわ
けである。特に大型ディーゼル車では、酸性ガスが生じ
やすく、亜硫酸などが生成しやすいため、ディーゼル車
メーカーでは不凍液の予備アルカリ度の規定値を10.
0以上とすることを希望している。従って予備アルカリ
度は長期間にわたって酸化防止性能を保持せしめる一つ
の要素であるから、非アミン系不凍液においても予備ア
ルカリ度の多い不凍液の開発が熱望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のことから、本発
明はアルミニウム合金エンジンおよびディーゼルエンジ
ン車等に対して腐食の問題を生ずることがなく、かつ発
癌性の問題がなく、使用済み不凍液のリサイクル化(再
生)の可能な、環境汚染の生じない非アミン系不凍液を
提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの理由から本発明
の非アミン系不凍液は、従来からの腐食防止剤を主体に
使用することなく、不凍液としての性能を損なうことな
く、防食性能に優れ、かつ上記の種々の要望に応え得る
ものである。本発明者らは、マンガン化合物、p-tertブ
チル安息香酸またはそのアルカリ金属塩、ドデカン二酸
およびセパシン酸またはそのアルカリ金属塩、並びにト
リアゾール類およびチアゾール類を主体とし、更に硝酸
塩、モリブデン酸塩、リン酸塩を有効成分とした不凍液
の研究開発を重ね本発明を完成した。
【0010】本発明の非アミン系不凍液は、グリコール
類と水とから成る非アミン系不凍液において、該不凍液
全量に対して重量比で、(1) マンガン化合物を0.00
005〜0.020重量%、(2) p-tertブチル安息香酸
またはそのアルカリ金属塩の少なくとも1種を0.05
〜16.0重量%、(3) ドデカン二酸およびセパシン酸
またはそのアルカリ金属塩の少なくとも1種を0.03
〜16.0重量%、および(4) トリアゾール類およびチ
アゾール類の少なくとも1種を0.03〜1.2重量
%、を含有することを特徴とする非アミン系不凍液に関
する。本発明の不凍液は、所望により更に、(5) 硝酸塩
を0.03〜1.0重量%、(6) モリブデン酸塩を0.
05〜1.2重量%、および(7) リン酸塩を0.05〜
7.0重量%、の各成分を1または2以上含有するもの
である。
【0011】本発明で使用する各成分について説明す
る。不凍液の基材として使用するグリコール類は、添加
することにより、その添加濃度に基づき冷却水などの溶
液の凝固点を降下せしめ、溶液に不凍液としての機能を
与えるものである。本発明で使用するグリコール類とし
ては、不凍液に通常使用されるものを挙げることがで
き、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、ジエチレングリコール、グリセリン等から選ばれる
もので、特にはエチレングリコールおよびプロピレング
リコールが最適である。
【0012】本発明におけるマンガン化合物としては、
酸化マンガン、水酸化マンガン、マンガン塩、過マンガ
ン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸
リチウム、過マンガン酸マグネシウム、クロム酸マンガ
ン、ホウ酸マンガン、フッ化マンガン、塩化マンガン、
臭化マンガン、ヨウ化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マ
ンガン、亜硫酸マンガン、硫酸マンガン、リン酸マンガ
ン、リン酸水素マンガン、リン酸二水素マンガン、ギ酸
マンガン、酢酸マンガン、シュウ酸マンガン、酪酸マン
ガン、乳酸マンガン、マロン酸マンガン、酒石酸マンガ
ン、琥珀酸マンガン、グリセリン酸マンガン、吉草酸マ
ンガン、マレイン酸マンガン、オレイン酸マンガン、ク
エン酸マンガン、クエン酸鉄マンガン、安息香酸マンガ
ン、サリチル酸マンガン、グルタミン酸マンガン等を使
用することができ、これらは1種または2種以上を併せ
て用いることができる。特に硫酸マンガン、リン酸マン
ガンおよび硝酸マンガンが腐食防止作用の点で好適であ
る。マンガン化合物を非アミン系不凍液に含有せしめた
冷却液は、エンジンの冷却系統のアルミニウム合金およ
び鋼よりなる金属部材に対して優れた防食効果を有し、
更に他の腐食防止剤と併用することによって、高価な腐
食防止剤の添加量を抑制することができる。添加量はマ
ンガン化合物の少なくとも1種を、不凍液重量の0.0
0005〜0.020重量%、好ましくは0.0005
〜0.010重量%、特に0.0005〜0.005重
量%の範囲で添加するとよい。マンガン化合物は、0.
00005重量%未満の添加では十分な腐食防止効果が
得られず、また0.020重量%を越えて添加しても添
加量に比例して腐食防止機能が向上しないことから上記
添加量の範囲に限定した。
【0013】本発明におけるp-tertブチル安息香酸また
はそのアルカリ金属塩は、ドデカン二酸およびセパシン
酸またはそのアルカリ金属塩と少量だけ共存させること
により、ドデカン二酸およびセパシン酸またはそのアル
カリ金属塩を単独で使用した場合に比べて著しく腐食防
止機能を向上させる。また、エチレングリコールが空気
との接触によって徐々に酸化劣化を受け、グリコールア
ルデヒド→グリコール酸→ギ酸に変化しないよう抑制す
る酸化防止作用に優れている。このようなエチレングリ
コールに対する酸化防止機能は、不凍液のリサイクル化
に効果的である。またp-tertブチル安息香酸のアルカリ
金属塩は、アルカリ保有量が多いため本発明の不凍液は
前記の予備アルカリ度が高く、また該金属塩は耐高温性
および耐久持続性の腐食防止剤として優れているため、
本発明の不凍液は大型ディーゼル車に好適である。p-te
rtブチル安息香酸塩としては、p-tertブチル安息香酸ナ
トリウムおよびp-tertブチル安息香酸カリウム等が用い
られる。添加量はp-tertブチル安息香酸またはそのアル
カリ金属塩の少なくとも1種を、不凍液重量の0.05
〜16.0重量%、好ましくは0.9〜10.0重量
%、特に0.9〜4.0重量%の範囲で使用するとよ
い。p-tertブチル安息香酸またはそのアルカリ金属塩
は、0.05重量%未満の添加では十分な腐食防止機能
が得られず、また16.0重量%を越えて添加しても、
添加量に比例して腐食防止機能が向上しないばかりか、
かえって溶解度を減少させ、不凍液の貯蔵安定性で濁り
の原因になる可能性があることから上記添加量の範囲に
限定した。
【0014】ドデカン二酸およびセパシン酸またはその
アルカリ金属塩は、冷却系統の金属、特に鋳鉄またはア
ルミニウム合金を構成成分とする金属部材の腐食を防止
するのに効果がある。ドデカン二酸塩としては、ドデカ
ン二酸ナトリウムおよびドデカン二酸カリウム等が用い
られる。セパシン酸塩としてはセパシン酸ナトリウムお
よびセパシン酸カリウム等が用いられる。添加量として
は、ドデカン二酸およびセパシン酸またはそのアルカリ
金属塩の少なくとも1種を不凍液重量の0.03〜1
6.0重量%、好ましくは0.2〜10.0重量%、特
に0.2〜0.5重量%の範囲で添加するとよい。ドデ
カン二酸およびセパシン酸またはそのアルカリ金属塩
は、0.03重量%未満の添加では十分な腐食防止機能
が得られず、また16.0重量%を越えて添加しても、
添加量に比例して腐食防止機能が向上せず、不凍液自体
をコスト高にすることから上記添加量の範囲に限定し
た。
【0015】本発明のトリアゾール類およびチアゾール
類は、冷却系統の金属、特に銅およびアルミニウム合金
よりなる金属部材の腐食を防止するのに効果がある。ト
リアゾール類およびチアゾール類としては、通常不凍液
に使用されるものを用いることができ、特にトリアゾー
ル類としては、ベンゾトリアゾールおよびトリルトリア
ゾール等が好ましい。チアゾール類としては、メルカブ
トベンゾチアゾールのナトリウム塩等が用いられる。添
加量としては、トリアゾール類およびチアゾール類の少
なくとも1種を0.03〜1.2重量%、好ましくは
0.08〜0.8重量%、特に0.1〜0.3重量%の
範囲で添加するとよい。トリアゾール類およびチアゾー
ル類は、0.03重量%未満の添加では十分な腐食防止
機能が得られず、また1.2重量%を越えて添加して
も、添加量の割りには、腐食防止機能が向上せず、経済
的にも無駄であることから上記添加量の範囲に限定し
た。
【0016】本発明の硝酸塩は従来からの防食剤とし
て、冷却系統の金属、特に鋼またはアルミニウム合金を
構成成分とする金属部材の腐食を抑制する作用を有する
ことから用いられる。硝酸塩としては、通常不凍液に使
用されるものを挙げることができ、硝酸ナトリウム、硝
酸カリウムの使用が好ましい。添加量は硝酸塩の少なく
とも1種を0.03〜1.0重量%、好ましくは0.1
〜0.6重量%、特に0.2〜0.4重量%の範囲で添
加するとよい。
【0017】本発明のモリブデン酸塩は、従来からの防
食剤として、冷却系統の金属、特に鋼またはアルミニウ
ム合金を構成成分とする金属部材の腐食抑制作用を有
し、特に他の防食剤の防食作用を助長することから用い
られる。他の添加剤より安価であり、不凍液のコストを
低くするのに効果がある。モリブデン酸塩としては、従
来防食剤として知られているものを用いることができ、
より具体的にはモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸
カリウムが用いられる。添加量はモリブデン酸塩の少な
くとも1種を0.05〜1.2重量%、好ましくは0.
2〜0.8重量%、特に0.2〜0.3重量%の範囲で
添加するとよい。
【0018】本発明のリン酸塩は従来からの防食剤とし
て、ディーゼル車用に予備アルカリ度を高めるためと、
特にディーゼルエンジンを構成する、鋳鉄およびアルミ
ニウム合金並びにはんだの腐食を防止するのに効果があ
る。リン酸塩としてはこの種の分野で使用されるものを
用いることができ、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸
ナトリウム、第三リン酸ナトリウムおよび第一リン酸カ
リウム、第二リン酸カリウム、第三リン酸カリウムを挙
げることができる。なお、リン酸塩はリン酸とアルカリ
塩を用いて不凍液中でリン酸塩を形成せしめてもよい。
添加量はリン酸塩の少なくとも1種を0.05〜7.
0、好ましくは0.1〜4.0重量%、特に0.1〜
0.7重量%の範囲で添加するとよい。
【0019】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明の非
アミン系不凍液をより詳細に説明するが、本発明はこれ
らの例のみに限定されるものではない。実施例は第1表
に、比較例および従来例は第2表に示す。
【0020】試験例1 金属腐食性試験 不凍液の金属腐食性試験については、JIS K 22
34−1987(不凍液)の7・4項に規定されている
金属に対する腐食防止機能の確認試験を行った。試験に
供する不凍液は、調合水(1L (リットル)の水にNa2S
O4を148mg、NaClを165mg、NaHCO3を138mg各々
溶解したもの)にて30容量%に希釈し、全量を750
mlとしたものを採用した。試験に供する金属には、アル
ミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅の試験片を
各々採用した。これらの各試験片を不凍液30容量%と
調合水70容量%との混合液よりなる試験液に浸し、乾
燥空気を100ml/minの流量で試験液中に送り込み、試
験液温度を88℃にて336時間保持した。試験前後の
各金属片の質量変化を測定し、腐食減量を求めた。各種
金属の腐食減量は次の計算式から求められる質量の変化
量Cによって評価した。
【数1】 式中、C : 質量の変化量(mg/cm2) W : 試験前の金属試験片の質量(mg) W′: 試験後の金属試験片の質量(mg) S : 試験前の金属試験片の全表面積(cm2) 得られた結果を第3表および第4表に示す。
【0021】試験例2 アルミニウム合金伝熱面腐食性
試験 不凍液のアルミニウム合金シリンダブロックの伝熱面腐
食による溶出を確認するための試験方法であって、AS
TM D4340−84(Corrosion of Cast Aluminum
Alloys in Engine Coolants Under Heat-Rejecting Con
ditions)に規定されているアルミニウム合金伝熱面腐食
性試験により行った。 試験条件: (1) 試験温度 135℃×168時間 (2) 試験液濃度 不凍液25容量%に蒸留水75容量%を加え、液全量に
対し塩素イオン100ppm になるように食塩165mg/L
を溶解させて試験液を調製する。試験液の全量は500
mlとする。 (3) 加圧 130kPa (4) 試験片 アルミニウム合金(AC−2B)鋳物 (5) 試験片の大きさ 直径65mm、厚さ13mmの円板 計算および記録方法:
【数2】 式中、C :質量の変化量(mg/cm2) M1 :試験前の試験片の質量(mg) M2 :試験後の試験片の質量(mg) S :試験前の試験片の試料との接触部分面積(cm2) 得られた結果を第5表および第6表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】実施例1〜7の非アミン系不凍液の試料に
は、本発明における各腐食防止剤を規定重量%内に含む
ため、JIS K 2234の不凍液規格の金属腐食試
験(以下、JIS試験という)に 完全合格する。また
アルミニウム合金に対しては最も苛酷な試験であるAS
TM D4340のアルミニウム合金伝熱面腐食性試験
(以下、ASTM試験という)においても、実施例間に
おいて腐食防止剤の添加量による優位差は若干認められ
るが、いずれの試料も重量値および金属表面外観ともに
完全合格する。
【0029】比較例1は、実施例1の配合から、マンガ
ン化合物である硫酸マンガン、硝酸マンガンおよびリン
酸マンガンを除いた組成のため、JIS試験でアルミニ
ウム合金の一部に腐食が発生する。またASTM試験で
は黒色に変色して不合格となる。
【0030】比較例2は、実施例2の配合から、アルミ
ニウム合金および鋼に優れた腐食抑制作用を示す添加剤
であるドデカン二酸およびそのアルカリ金属塩とセパシ
ン酸およびそのアルカリ金属塩を除いた組成のため、マ
ンガン化合物である硫酸マンガンのアルミニウム合金に
対する腐食抑制だけでは十分でなく、JIS試験では、
重量値および金属外観は合格するが、はんだの減量が大
きくなる。またASTM試験では金属の表面外観が灰色
に変色して完全合格とはならない。
【0031】比較例3は、実施例3の配合から、p-tert
ブチル安息香酸およびそのアルカリ金属塩を除いた組成
のため、アルミニウム合金、鋳鉄、鋼の減量が大きい結
果を示すが、JIS試験では合格する。しかしASTM
試験では、茶色に変色して完全合格とはならない。
【0032】比較例4は、実施例4の配合から、セパシ
ン酸およびそのアルカリ金属塩とドデカン二酸およびそ
のアルカリ金属塩を除いたが、その結果は比較例1〜3
に比べて、余分に硝酸ソーダを添加しているため、アル
ミニウム鋳物の重量減量は、実施例1〜6に比べ若干は
大きくなるが、JIS試験には完全合格する。ASTM
試験では若干灰色に変色するため、完全合格とはならな
い。
【0033】従来例1は、従来からの防食剤にホウ砂を
主体に含ませたため、JIS試験には合格するが、アル
ミニウム合金に苛酷な試験といわれるASTM試験で
は、アルミニウム合金が烈しく腐食溶出するため問題で
ある。
【0034】従来例2は、従来の防食剤に防食効果のあ
るリン酸塩を含んでいるが、同時に添加したホウ砂の影
響を抑制することができず、JIS試験には合格する
が、ASTM試験では、アルミニウム合金が烈しく腐食
溶出するため問題である。
【0035】従来例3は、トリエタノールアミンのリン
酸塩を主体に含むため、JIS試験およびアルミニウム
合金に苛酷な試験といわれるASTM試験に合格する。
しかしながら非アミン系不凍液ではないため、品質面で
本発明品とは同一視できない問題がある。
【0036】
【発明の効果】以上の試験結果から明らかな通り、本発
明の非アミン系不凍液は、アルミニウム合金エンジン搭
載車は勿論、ガソリン用普通車および大型ディーゼル車
等の不凍液としてエンジンの冷却系統の各種金属部材を
腐食することなく、年間を通して長期間使用することが
できる。また本発明の非アミン系不凍液は、環境の問題
と今後始まるリサイクル化にも十分配慮された製品であ
ることを特徴としている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコール類と水とから成る非アミン系
    不凍液において、該不凍液全量に対して重量比で、(1)
    マンガン化合物を0.00005〜0.020重量%、
    (2) p-tertブチル安息香酸またはそのアルカリ金属塩の
    少なくとも1種を0.05〜16.0重量%、(3) ドデ
    カン二酸およびセパシン酸またはそのアルカリ金属塩の
    少なくとも1種を0.03〜16.0重量%、および
    (4) トリアゾール類およびチアゾール類の少なくとも1
    種を0.03〜1.2重量%、を含有することを特徴と
    する非アミン系不凍液。
  2. 【請求項2】(5) 硝酸塩を0.03〜1.0重量%、ま
    たは(6) モリブデン酸塩を0.05〜1.2重量%、の
    一方または両方の成分を更に含有することを特徴とする
    請求項1記載の非アミン系不凍液。
  3. 【請求項3】(7) リン酸塩を0.05〜7.0重量%、
    更に含有することを特徴とする請求項1または2記載の
    非アミン系不凍液。
JP6177557A 1994-07-06 1994-07-06 非アミン系不凍液 Pending JPH0820763A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6177557A JPH0820763A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非アミン系不凍液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6177557A JPH0820763A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非アミン系不凍液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0820763A true JPH0820763A (ja) 1996-01-23

Family

ID=16033048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6177557A Pending JPH0820763A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非アミン系不凍液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0820763A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999024524A1 (en) * 1997-11-06 1999-05-20 Ashland Inc. Silicate free antifreeze composition
WO2000022189A1 (en) * 1998-10-14 2000-04-20 Texaco Development Corporation Corrosion inhibitors and synergistic inhibitor combinations for the protection of light metals in heat-transfer fluids and engine coolants
WO2001070901A1 (fr) * 2000-03-23 2001-09-27 Shishiai-Kabushikigaisha Composition d'antigel/de refrigerant
KR100299326B1 (ko) * 1997-12-09 2001-11-14 조민호 유기산계부동액조성물
JP2018154844A (ja) * 2012-09-07 2018-10-04 プレストーン プロダクツ コーポレイション 熱伝達流体及びそれを使用する腐食抑制剤配合物
US10557070B2 (en) 2012-09-07 2020-02-11 Prestone Products Corporation Heat transfer fluids and corrosion inhibitor formulations for use thereof

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999024524A1 (en) * 1997-11-06 1999-05-20 Ashland Inc. Silicate free antifreeze composition
US6126852A (en) * 1997-11-06 2000-10-03 Ashland Inc. Monocarboxylic acid based antifreeze composition
KR100299326B1 (ko) * 1997-12-09 2001-11-14 조민호 유기산계부동액조성물
WO2000022189A1 (en) * 1998-10-14 2000-04-20 Texaco Development Corporation Corrosion inhibitors and synergistic inhibitor combinations for the protection of light metals in heat-transfer fluids and engine coolants
EP0995785A1 (en) * 1998-10-14 2000-04-26 Texaco Development Corporation Corrosion inhibitors and synergistic inhibitor combinations for the protection of light metals in heat-transfer fluids and engine coolants
US6398984B1 (en) 1998-10-14 2002-06-04 Texaco Inc. Corrosion inhibitors and synergistic inhibitor combinations for the protection of light metals in heat-transfer fluids and engine coolants
US6676848B2 (en) 1998-10-14 2004-01-13 Texaco Inc. Corrosion inhibitors and synergistic inhibitor combinations for the protection of light metals in heat-transfer fluids and engine coolants
BG65318B1 (bg) * 1998-10-14 2008-01-31 Texaco Development Corporation Инхибитори на корозията и синергитични инхибиторни комбинации за защита на леки метали в топлопренасящи флуиди и моторни охлаждащи системи
WO2001070901A1 (fr) * 2000-03-23 2001-09-27 Shishiai-Kabushikigaisha Composition d'antigel/de refrigerant
JP4616536B2 (ja) * 2000-03-23 2011-01-19 シーシーアイ株式会社 不凍液/冷却液組成物
JP2018154844A (ja) * 2012-09-07 2018-10-04 プレストーン プロダクツ コーポレイション 熱伝達流体及びそれを使用する腐食抑制剤配合物
US10557070B2 (en) 2012-09-07 2020-02-11 Prestone Products Corporation Heat transfer fluids and corrosion inhibitor formulations for use thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2227175C2 (ru) Ингибиторы коррозии и сочетания ингибиторов с синергетическим эффектом для защиты легких металлов в жидких теплоносителях и охлаждающих жидкостях двигателей
US4759864A (en) Corrosion-inhibited antifreeze formulation
US4851145A (en) Corrosion-inhibited antifreeze/coolant composition
US5925173A (en) Method of inhibiting corrosion of flux-treated metal surfaces
JPH06116764A (ja) 不凍液組成物
US2373570A (en) Noncorrosive liquids
JP3028182B2 (ja) 冷却液組成物
JPH0885782A (ja) 不凍液組成物
EP3008147B1 (en) Extended operation engine coolant composition
US6235217B1 (en) Monocarboxylic acid based antifreeze composition
JP2902554B2 (ja) 冷却液組成物
US4564465A (en) Corrosion inhibition additive for fluid conditioning
JPH0820763A (ja) 非アミン系不凍液
JPH10251624A (ja) 不凍液/冷却液組成物
MXPA01008616A (es) Composicion anticongelante basada en acido monocarboxilico para motores diesel.
US6881355B2 (en) Antifreeze
JP4119622B2 (ja) 冷却液組成物
JP3814793B2 (ja) 不凍液組成物
JP2000219981A (ja) 不凍液組成物
JPH08269751A (ja) 不凍液用組成物
JP2884336B2 (ja) 冷却液組成物
JPH1046134A (ja) 不凍液組成物
JPH07157886A (ja) アルミニウムエンジン用非アミン系不凍液
JP2000219876A (ja) 不凍液組成物
JPH031355B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050629