JP6948896B2 - 湯種の製造方法 - Google Patents
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Description
また本発明は、該湯種を用いることを特徴とする、パン類生地の製造方法を提供する。
さらに本発明は、該湯種を用いることを特徴とする、パン類の製造方法を提供する。
(a)試料(穀粉)(100±10mg)を試験管に入れる。
(b)カビα−アミラーゼ溶液(50u/mL)を加えて激しく攪拌し40℃で10分間インキュベート。
(c)5mL希硫酸(0.2%v/v)を加えて反応を停止させ、3000rpmで5分間遠沈又は濾過。
(d)上清(濾液)を0.1mLずつ取り、2本の試験管に入れる。
(e)各試験管にアミログルコシダーゼ(0.1mL、2u)を加え40℃で20分間インキュベート。
(f)510nmで吸光度測定。検量線に基づいて損傷澱粉量を算出。
(1)可溶性蛋白含量の測定
グルテンバイタリティの測定にあたり、まず可溶性蛋白含量の測定を行なう。
(1−1)100mL容のビーカーに試料(穀粉)を約2g精秤する。
(1−2)0.05規定酢酸を40mL加え、スターラーを用いて室温で60分間攪拌する。
(1−3)この懸濁液を遠沈管に移し、5000rpmで5分間遠心分離を行なった後、濾紙を用いて濾過し、濾液を回収する。
(1−4)ビーカーを0.05規定酢酸40mLで洗い、洗液を遠沈管に移し、5000rpmで5分間遠心分離を行なった後、濾紙を用いて濾過し、濾液を回収する。
(1−5)上記(1−3)及び(1−4)で得られた濾液を混合して100mLにメスアップする。
(1−6)ティケーター社(スウェーデン)のケルテックオートシステムのケルダールチューブに上記(1−5)で得られた液体25mLをホールピペットで入れ、分解促進剤(日清製粉株式会社製セフカットC5;成分…硫酸カリウム9:硫酸銅1)1錠及び濃硫酸15mLを加える。
(1−7)分解は、ケルテックオートシステムのケルテック分解炉(DIGESTIONSYSTEM 20 1015型)を用い、ダイヤル4で1時間、次いでダイヤル9又は10で1時間行なう。
(1−8)蒸留及び滴定は、ケルテックオートシステムに組込まれているケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030型)で行なわれるが、(1−7)及び(1−8は)連続的に自動的に行なわれる。尚、滴定には0.1規定硫酸が用いられる。
(1−9)可溶性蛋白含量を下記の計算式により求める。
可溶性粗蛋白含量(%)=0.14×(T−B)×F×N×(100/S)×(1/25)
式中、T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
B=ブランクの滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定するか、又は力価の表示
のある市販品を用いる)
N=窒素蛋白質換算係数(5.70)
S=試料の秤取量(g)
次に全粗蛋白含量を測定する。
(2−1)ティケーター社(スウェーデン)のケルテックオートシステムのケルダールチューブに、試料(穀粉)を約0.5g精秤して入れ、分解促進剤(日清製粉株式会社製セフカットC5;成分…硫酸カリウム9:硫酸銅1)1錠及び濃硫酸15mLを加える。
(2−2)分解は、ケルテックオートシステムのケルテック分解炉(DIGESTIONSYSTEM 20 1015型)を用い、ダイヤル9又は10で1時間行なう。
(2−3)蒸留及び滴定は、ケルテックオートシステムに組込まれているケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030型)で行なわれるが、(2−2)及び(2−3)は連続的に自動的に行なわれる。尚、滴定には0.1規定硫酸が用いられる。
(2−4)粗蛋白含量を下記の計算式により求める。
全粗蛋白含量(%)=(0.14×T×F×N)/S
式中、T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL)
F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定)
N=窒素蛋白質換算係数(5.70)
S=試料の秤取量(g)
上記(1)及び(2)で求めた可溶性粗蛋白含量及び全粗蛋白含量から、下記の数式により試料(穀粉)のグルテンバイタリティを求める。
グルテンバイタリティ(%)=(可溶性粗蛋白含量/全粗蛋白含量)×100
1)湯種の製造
強力粉100g、熱水(95℃)150gをミキサーで3分間混捏して湯種を製造した。得られた湯種を、室温下で放冷した後、冷蔵庫内にて4℃下で保存し、熟成させた。
1)で製造した湯種を用いて、下記の手順でパン生地を得、さらに当該生地からパンを製造した。
<材料(g)>
湯種 1)の全量
小麦粉 400
生イースト 12.5
イーストフード 0.5
食塩 10
砂糖 30
油脂 25
脱脂粉乳 10
水 200
<手順>
1.ミキシング: 油脂以外の材料を混合、低速3分→中速4分→高速1分
→油脂投入→低速1分→中速5分(捏上温度27℃)
2.一次発酵: 温度27℃、湿度75%、90分
3.生地分割
4.ベンチタイム: 20分
5.生地成形
6.ホイロ: 温度38℃、湿度85%、50分
7.焼成: 上火200℃、下火200℃、40分
2)で得られたパン生地、及び製造されたパンについて、下記基準に従って評価した。
<評価基準>
(発酵後膨倍)
本捏ね後の生地を平らに伸ばし円柱状のケースに入れ、発酵させた。発酵前に対する発酵後の生地の高さの割合(発酵後膨倍)を測定した。発酵後膨倍の値が大きいほど生地のガス保持力が良く、焼成後のパンは膨らみやすい。
(生地感)
本捏ねの際の生地の性質を官能評価した。
5点:ベタツキが少なく、混捏時の作業性が非常に良好
4点:ベタツキがやや少なく、混捏時の作業性が良好
3点:ベタツキが生じ、混捏時の作業性が並
2点:ベタツキがやや多く、混捏時の作業性がやや劣る
1点:ベタツキが多く、混捏時の作業性が劣る
(パン体積)
焼成後のパンの体積を、比較例1を基準として評価した。
5点:体積が比較例1よりもかなり大きい
4点:体積が比較例1よりもやや大きい
3点:体積が比較例1と同等
2点:体積が比較例1よりもやや小さい
1点:体積が比較例1よりもかなり小さい
(食味)
焼成から1時間経過後のパンの食味を評価し、10人のパネラーによる評価の平均値を求めた。
5点:非常に甘みを感じる
4点:甘みを感じる
3点:やや甘みを感じる
2点:甘みがやや劣る
1点:甘みが劣る
湯種の製造に用いた強力粉の損傷澱粉量(質量%)、グルテンバイタリティ、湯種の熟成時間、ならびに該湯種を用いて製造されたパン生地及びパンの評価結果を表1に示す。損傷澱粉量の高い穀粉を用いて湯種を製造することにより、湯種の熟成時間を短くしても、甘みのある食味の良いパンが得られた。また損傷澱粉量の高い穀粉から得られた湯種を入れた生地は、作業性が良く、製パン性にも優れており、この生地から得られたパン類は膨らみの良い良好な外観を有していた。
Claims (6)
- 損傷澱粉を8.2〜13.3質量%含有し、かつグルテンバイタリティが43.0〜47.2%である小麦粉を使用することを特徴とする、湯種の製造方法。
- 前記小麦粉と55〜100℃の水分を混捏することを含む、請求項1記載の湯種の製造方法。
- 前記混捏で得られた湯種を1〜6時間、10℃以下で冷蔵保存することをさらに含む、請求項2記載の湯種の製造方法。
- 前記小麦粉が強力粉である、請求項1〜3のいずれか1項記載の湯種の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法で製造された湯種を用いることを特徴とする、パン類生地の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の方法で製造された湯種を用いることを特徴とする、パン類の製造方法。
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