JP7125848B2 - ベーカリー製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二次発酵を長時間行い、ボリュームがあり、また、穀物由来の甘味と旨味が付与されたベーカリー製品を提供することができる、ベーカリー製品の製造方法に関する。
パン類に代表されるべーカリー製品は、多くの国で主食となっており、宗教の儀式にも用いられている。我が国はコメが主食であるが、その消費量は年々減少を続け、相対的にパンの比重が増加し、近年では1世帯当たりのパンの購入金額がコメを上回っている。
ベーカリー製品は、一般的に、ミキシング、一次発酵、分割・丸め、ベンチタイム、成形、二次発酵、及び焼成という工程を経て製造される。このような工程における発酵は時間を要するため、ベーカリー製品の製造は長時間労働となり、深夜及び/又は早朝作業を伴うことが通常であり、問題となっている。
これを改善するものとして、一次発酵を長時間行う長時間中種法が知られている。例えば、特許文献1には、長時間中種法(オーバーナイト法)によってパンを製造するに際して、中種に用いる小麦粉の比率を50%乃至それ以下とし、かつ中種に食塩とエチルアルコールを同時に添加して発酵させることを特徴とするパンの製造法が開示されている。また、特許文献2には、中種製パン法に於て、蛋白質含量が6.5~10重量%の小麦粉を用い、かつ中種発酵を14~18時間行うことを特徴とするイースト発酵食品の製造法が開示されている。
このような長時間中種法によれば、その日の最後の作業として生地を仕込み、夜の間に時間をかけて一次発酵させて、続きの工程を翌日以降に持ち越すことができるので、長時間労働や、深夜・早朝作業を減らすことができる。
特開平10-23855号公報 特許第2920428号公報
しかしながら、上記特許文献1,2のような一次発酵を長時間行う長時間中種法では、続きの工程として、分割・丸め、ベンチタイム、成形、二次発酵、及び焼成という工程が必要となるため、製品を提供するまでに依然として時間を要するという問題点があった。
また、二次発酵を長時間行えば、続きの工程としては焼成工程のみになるので、製品の提供までの時間は短縮することができるが、単に二次発酵を長時間行った場合は、生地が緩んでダレてしまい、焼成しても膨らまないためにボリュームが出ず、また、穀物由来の甘味と旨味が乏しいものとなってしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、二次発酵を長時間行う方法であって、ボリュームがあり、また、穀物由来の甘味と旨味が付与されたベーカリー製品を提供することができる、ベーカリー製品の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、穀粉中にデュラム小麦粉を3~50質量%含有する原料を用いて、一次発酵させた生地を製造し、該生地を成形して、少なくとも5時間以上二次発酵させた後、焼成することを特徴とするベーカリー製品の製造方法を提供するものである。
本発明のベーカリー製品の製造方法においては、前記デュラム小麦粉の平均粒径が70~120μmであることが好ましい。
本発明のベーカリー製品の製造方法においては、前記デュラム小麦粉の損傷澱粉含有量が10~15質量%であることが好ましい。
本発明のベーカリー製品の製造方法においては、前記デュラム小麦粉の灰分が0.5質量%以上1.0質量%未満であるであることが好ましい。
本発明のベーカリー製品の製造方法においては、前記二次発酵を、20~40℃で20分~2時間発酵させた後、0~10℃で5~48時間発酵させることにより行うであることが好ましい。
本発明によれば、二次発酵を長時間行うことで、例えば、その日の最後の作業として生地を仕込み、夜の間に時間をかけて二次発酵させて、続きの工程を翌日以降に持ち越すことができるので、長時間労働や、深夜・早朝作業を大幅に減らすことができる。また、二次発酵の続きの工程としては焼成工程のみになるので、製品の提供までの時間を短縮することができる。さらに、二次発酵の状態で冷蔵庫に保管することができ、消費者の動向を見て焼成工程を行うことにより、焼き立てのベーカリー製品を提供することができる。また、穀粉としてデュラム小麦粉を含有することにより、二次発酵を長時間行っても、生地が緩むことがないので保形性が良く、また、ベーカリー製品に穀物由来の甘みと旨味を付与することができる。
本発明におけるベーカリー製品は、主原料である穀粉に水と少なくともイーストを加え、さらに必要に応じて、食塩、糖類、乳製品、膨張剤等の副原料を加えて得られた発酵生地を、成形して、焼成等の加熱処理に供して得られるもののことをいう。
主原料となる穀粉としては、ベーカリー製品に通常用いられているものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム等)、小麦ふすま、全粒粉、大麦粉、米粉、大豆粉、とうもろこし粉、ライムギ粉、オーツ粉、粟粉等が挙げられ、これらのうち、少なくともデュラム小麦粉を含む1種類以上を用いることができる。
本発明において、主原料となる穀粉中には、デュラム小麦粉の含量が3~50質量%であることが好ましく、5~25質量%質量%であることがより好ましく、10~20質量%質量%であることが更に好ましい。デュラム小麦粉の含量が3質量%未満であると、ベーカリー生地が緩んでしまうため成形しても形の安定性が悪く、また、ベーカリー製品に穀物由来の甘みと旨味を付与する効果が乏しくなる傾向にあり、50質量%を超えると、生地の伸展性が弱く、また、生地の分割や成形時にべたつきが生じて作業性が悪くなる傾向にある。
上記デュラム小麦は、平均粒径が70~120μmであることが好ましく、75~115μmであることがより好ましく、80~100μmであることが更に好ましい。デュラム小麦粉の平均粒径が70μm未満であると、ベーカリー生地が緩んでしまうため成形しても形の安定性が悪くなる傾向にあり、120μmを超えると、ベーカリー製品に穀物由来の甘みと旨味を付与する効果が乏しくなる傾向にある。
上記のような平均粒径のデュラム小麦粉を得るには、デュラム小麦を、例えばターボミル、ロールミル、ピンミル等を用いて粉砕した後、篩分けすることによって所望の粒度範囲のものを採取すればよい。小麦粉の平均粒径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置などを用いて乾式で測定することができる。レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置としては、例えばマイクロトラック粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社)等を用いることができる。
また、上記デュラム小麦粉は、損傷澱粉含有量が10~15質量%であることが好ましく、11.0~14.5質量%であることがより好ましく、12.0~14.0質量%であることが更に好ましい。デュラム小麦粉の損傷澱粉含有量が10質量%未満であると、ベーカリー製品に穀物由来の甘みと旨味を付与する効果が乏しくなる傾向にあり、15質量%を超えると、生地の伸展性が弱く、また、生地の分割や成形時にべたつきが生じて作業性が悪くなる傾向にある。
なお、「損傷澱粉」とは、小麦粉に含まれる澱粉の一部が機械的な損傷を受けて澱粉粒が破壊された状態のものであり、特に滑面ロール(smooth roller)のロール間隔をせばめて粉砕すると損傷を受けやすくなり、損傷澱粉含有量が増加する。この損傷澱粉は、澱粉粒の水透過性や酵素との結合性と関係するため、吸水や発酵力に影響を与える。
損傷澱粉含有量は、公知の方法で測定すればよい。例えば、損傷澱粉量を測定するための標準試験法としてAACC法(76-31)が知られているので、そのような標準試験法を採用することができる。その原理は、物理的な損傷を受けた穀粉中の澱粉がα-アミラーゼで分解され易いことを利用したものであり、カビα-アミラーゼにより試料を一定条件下にα-アミラーゼで処理して、マルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いでアミログルコシダーゼでグルコースにまで分解して、生成したグルコースを定量することにより算出されたその含有質量割合(質量%)を、澱粉の損傷度とする、というものである。あるいは市販のキット(例えばMegaZyme製、Starch Damage Assay Kit)などを利用して測定してもよい。
さらに、上記デュラム小麦粉は、灰分が0.5質量%以上1.0質量%未満であることが好ましく、0.55質量%以上0.9質量%未満であることがより好ましく、0.6質量%以上0.8質量%未満であることが更に好ましい。デュラム小麦粉の灰分が0.5質量%未満であると、ベーカリー製品に穀物由来の旨味を付与する効果が乏しくなる傾向にあり、1.0質量%以上であるとベーカリー製品に穀物由来の甘みを付与する効果が乏しくなり、またフスマ臭が強くなる傾向にある。
灰分はデュラム小麦の表皮に多く含まれているため、灰分の割合は表皮混入の指標となる。一般に、小麦粉に混入している表皮の量が多いと灰分の割合が高くなり、得られる小麦粉製品のフスマ臭が強くなる傾向にある。灰分の測定は直接灰化法を用いて行うことができる。具体的には、AACC法(08-02)に記載の方法で、700℃で30~45分灰化して測定することができる。
本発明におけるベーカリー製品の生地は、上記のような主原料である穀粉と水の他、必要に応じて、副原料としてイースト、食塩、糖類、卵、乳製品、油類、膨張剤、でん粉類、穀粉類、増粘剤、ビタミンC、酵素類、イーストフードなどの一般的な製パン改良剤等を含有する。
イーストとしては、ベーカリー製品の製造において通常用いられるものであればよく、特に制限はない。ドライイーストでも生イーストでもよく、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)種の酵母を含むイースト含有物であればよい。イーストとしては、ベーカリー製品用の酵母製剤や、製造工程から得られたイーストを含む種生地や、天然物から採取された天然酵母などであってもよい。上記イーストとしては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
その他としては、例えば、モルトエキスが挙げられるが、モルトエキスとは麦芽の糖化物であり、イーストの発酵作用を助けて、ひいては、デュラム小麦に由来する成分の熟成を助ける効果があるので、好ましく用いられる。モルトエキス(モルトシロップと称されることもある。)は粉末の形態(モルトパウダー、モルトフラワー、モルト粉末と称されることもある)で提供されてもよい。
本発明のベーカリー製品の製造方法は、穀粉中にデュラム小麦粉を3~50質量%含有する原料を用いて、一次発酵させた生地を製造し、該生地を成形して、少なくとも5時間以上二次発酵させた後、焼成することを特徴とする。具体的には、主原料である穀粉と水とイーストと、必要に応じて副原料を混合する混合工程と、混合物を一次発酵させる一次発酵工程と、一次発酵生地を成形する成形工程と、成形物を二次発酵させる二次発酵工程と、二次発酵生地を焼成する焼成工程とを含む。
混合工程は、穀粉と水とイーストと、必要に応じて副原料を混合する工程である。混合は、ベーカリー製品の製造において通常用いられる方法で行うことができるが、穀粉と水とを最初に混合し、その生地を休ませ、その後に他の原料を加え混合するオートリーズ法で行うこともできる。穀粉と水とを最初に混合することで、穀粉が水を完全に吸水し、質の強いグルテンを作ることができるので、ベーカリー製品にもちっとした食感を与えることができる。
一次発酵工程は、混合工程で得られた混合物を一次発酵させる工程である。一次発酵は、ベーカリー製品の製造において通常用いられる方法で行うことができるが、25~30℃、20~60分の条件下で行うことが好ましく、湿度は、75~85%の条件下で行うことが好ましい。
成形工程は、一次発酵生地を成形する工程である。成形は、ベーカリー製品の製造において通常用いられる方法で行うことができる。なお、一次発酵工程で得られた生地を分割してから成形する場合には、分割した面が痛んでいるため、10~30分生地を休ませてから(ベンチタイム)、成形することが好ましい。
二次発酵工程は、成形物を二次発酵(ホイロ)させる工程である。二次発酵は、成形された生地を少なくとも5時間以上発酵させること以外は、ベーカリー製品の製造において通常用いられる方法で行うことができる。さらに、二次発酵は、一段階目として、好ましくは20~40℃で20分~2時間、より好ましくは25~35℃で30~60分発酵させた後、さらに、二段階目として、好ましくは0~10℃で5~48時間、より好ましくは1~8℃で10~24時間発酵させることにより行う。なお、一段階目の発酵は、生地が約7~8割発酵した程度で終えてもよい。二次発酵の時間(一段階目と二段階目の合計)が5時間未満であると、前の日に仕込んで夜の間に二次発酵させることが難しくなり、焼成しても膨らまないためにボリュームが出にくく、また、ベーカリー製品としては穀物由来の甘味と旨味が乏しいものとなってしまう傾向がある。50時間を超えると、生地が緩んでしまうため形の安定性が悪くなる傾向にある。
焼成工程は、二次発酵生地を焼成する工程である。焼成は、ベーカリー製品の製造において通常用いられる方法で行うことができる。なお、本発明においては、油ちょうも焼成に含まれるものとする。
本発明の製造方法におけるベーカリー製品は、例えば、パン類;ケーキ類;ワッフル、シュー、ビスケット等の焼き菓子;ドーナツ等の揚げ菓子等が挙げられる。更に、パン類としては、食パン(例えばロールパン、白パン、黒パン、フランスパン、乾パン、コッペパン、クロワッサン等)、調理パン、菓子パン、蒸しパン、揚げパン、フラットブレッド、デニッシュ、クロワッサン、ペストリー、ベーグル、中華饅等が挙げられる。ケーキ類としては、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、マフィン、バー、クッキー、パンケーキ等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
<基本配合・工程>
後述する試験例1~5では、以下の基本配合、工程でバゲットを製造し、評価を行った。
・基本配合
Figure 0007125848000001
・基本工程
小麦粉、モルトシロップ、及び水を低速で5分間混合してから20分間静置し、さらに、インスタントドライイーストと食塩を加えて低速で5分間、中低速で5分間、中高速で2分間混合した(混合工程)。その後、一次発酵を27℃、湿度80%下で40分間行った(一次発酵工程)。得られた一次発酵生地を300gずつに分割し、25分間休ませ、バゲット型に成形した(成形工程)。その後、二次発酵を28℃で60分間(一段階目)、続いて5℃で24時間(二段階目)行った(二次発酵工程)。得られた二次発酵生地を240℃のオーブン中で25分間焼成して(焼成工程)、バゲットを製造した。
<試験例1>
1.バゲットの製造
上記基本配合の小麦粉として、表2に示す配合のデュラム小麦粉(製品名:ソティール、日東富士製粉株式会社製)、及び/又は強力粉(製品名:赤ナイト、日東富士製粉株式会社社製)を用いて、バゲットを製造した。
Figure 0007125848000002
2.評価
得られたそれぞれのバゲットについて、下記に示す基準で10段階評価として、評価者6人により官能評価試験を実施し、その10段階評価の平均点(小数点以下四捨五入)を求めた。
(作業性)[生地の伸展性及びべたつきの少なさ]
点数が低い:分割、成形時に伸展性が悪く、生地のべたつきが強い。
点数が高い:分割、成形時に伸展性が良く、生地のべたつきが少ない。
(保形性)[二次発酵時の保形性]
点数が低い:生地がダレて、生地の高さが低くなる。
点数が高い:生地の高さが維持されている。
(食味)[甘みと旨味]
点数が低い:甘味が弱く、旨味も弱い。
点数が高い:甘味が強く、旨味も強い。
結果は上記表2に示した。表2に示すように、デュラム小麦粉が含有されていない比較例1では、生地が緩んでしまうため成形しても形の安定性が悪く、また、バゲットは穀物由来の甘みと旨味が乏しかった。デュラム小麦粉の含有量が多い比較例2,3では、生地の伸展性が弱く、また、生地の分割や成形時にべたつきが生じて作業性が悪かった。デュラム小麦粉を3~50質量%含有する実施例1~3は、作業性、保形性、食味のいずれも良好であった。
<試験例2>
1.バゲットの製造
上記基本配合の小麦粉として、デュラム小麦粉30%、及び強力粉70%を用いて、また、上記基本工程における二次発酵工程の5℃下(二段階目)での発酵を表3に示す時間で行い、バゲットを製造した。
Figure 0007125848000003
2.評価
得られたそれぞれのバゲットについて、保形性と食味は上記試験例1に示した基準で、ボリュームは下記に示す基準で10段階評価とし、評価者6人で官能評価試験を実施し、その10段階評価の平均点(小数点以下四捨五入)を求めた。
(ボリューム)
点数が低い:ボリュームが小さい。
点数が高い:ボリュームが大きい。
結果は上記表3に示した。表3に示すように、二次発酵の時間が短い比較例4は、バゲットは穀物由来の甘味と旨味が、実施例4~6に比較すると、劣るものであった。また、比較例4の二次発酵時間では、前の日に仕込んで夜の間に二次発酵させることはできない。二次発酵の時間が長すぎる比較例5では、生地が緩んでしまい形の安定性が悪かった。
<試験例3>
1.バゲットの製造
上記基本配合の小麦粉として、表4に示すデュラム小麦粉30%、及び強力粉70%を用いて、バゲットを製造した。
Figure 0007125848000004
2.評価
得られたそれぞれのバゲットについて、上記試験例1と同様にして官能評価試験を実施し、その平均点を求めた。
結果は上記表4に示した。表4に示すように、デュラム小麦粉の平均粒径が60μmである実施例7では、生地が緩む傾向があり、保形性がやや悪くなった。平均粒径が148μmである実施例11では、バゲットは穀物由来の甘みと旨味が弱かった。
<試験例4>
1.バゲットの製造
上記基本配合の小麦粉として、表5に示すデュラム小麦粉(粒度87μm)30%、及び強力粉70%を用いて、バゲットを製造した。
Figure 0007125848000005
2.評価
得られたそれぞれのバゲットについて、上記試験例1と同様にして官能評価試験を実施し、その平均点を求めた。
結果は上記表5に示した。表5に示すように、デュラム小麦粉の損傷澱粉含有量が7質量%である実施例12では、バゲットは穀物由来の甘みと旨味が弱く、18質量%である実施例15では、生地の伸展性が弱く、また、生地の分割や成形時にべたつきが生じて作業性が悪くなる傾向があった。
<試験例5>
1.バゲットの製造
上記基本配合の小麦粉として、表5に示すデュラム小麦粉(粒度87μm)30%、及び強力粉70%を用いて、バゲットを製造した。
Figure 0007125848000006
2.評価
得られたそれぞれのバゲットについて、上記試験例1と同様にして官能評価試験を実施し、その平均点を求めた。
結果は上記表6に示した。表6に示すように、デュラム小麦粉の灰分が0.4質量%である実施例16では、バゲットは穀物由来の旨味が弱く、1.0質量%である実施例19では、バゲットは穀物由来の甘みが弱くフスマ臭が強くなる傾向があった。

Claims (4)

  1. 穀粉中にデュラム小麦粉を3~50質量%含有する原料を用いて、一次発酵させた生地を製造し、該生地を成形して、少なくとも5時間以上二次発酵させた後、焼成するベーカリー製品の製造方法であって、前記二次発酵を、20~40℃で20分~2時間発酵させた後、0~10℃で5~48時間発酵させることにより行うことを特徴とするベーカリー製品の製造方法。
  2. 前記デュラム小麦粉の平均粒径が70~120μmである、請求項1記載のベーカリー製品の製造方法。
  3. 前記デュラム小麦粉の損傷澱粉含有量が10~15質量%である、請求項1又は2に記載のベーカリー製品の製造方法。
  4. 前記デュラム小麦粉の灰分が0.5質量%以上1.0質量%未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載のベーカリー製品の製造方法。
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