以下に本開示の例示的実施形態を、図面と共に説明する。図1に示す本実施形態の画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、メインコントローラ10と、通信インタフェース20と、印字制御部30と、PFモータ制御部40と、CRモータ制御部50と、を備える。
メインコントローラ10は、画像形成システム1を統括制御する。メインコントローラ10は、通信インタフェース20を介して外部機器から印刷対象の画像データを受信すると、この画像データに基づく画像が用紙に形成されるように、印字制御部30、PFモータ制御部40、及びCRモータ制御部50に指令入力する。
印字制御部30は、メインコントローラ10からの指令に従って記録ヘッド31を制御するように構成される。記録ヘッド31は、画像形成システム1が備える駆動回路33によって駆動され、インク液滴を吐出する。印字制御部30は、駆動回路33を介して、記録ヘッド31の吐出動作を制御し、記録ヘッド31に印刷対象の画像データに基づく画像を用紙に形成させる。
PFモータ制御部40は、メインコントローラ10からの指令に従ってPFモータ41を制御することにより、用紙の搬送制御を実現する。PFモータ41は、直流モータであり、画像形成システム1が備える駆動回路43によって回転駆動される。駆動回路43は、PFモータ制御部40から入力されるPWM信号に従ってPFモータ41を駆動する。PFモータ41は、画像形成システム1が備える動力伝達機構60に接続されており、動力伝達機構60を介して用紙搬送機構70を駆動する。
用紙搬送機構70は、複数のローラ(図示せず)を備える。用紙搬送機構70は、PFモータ41からの動力を、動力伝達機構60を介して受けて、ローラの回転により、用紙を副走査方向に搬送する。動力伝達機構60を介した用紙搬送機構70とPFモータ41との接続状態は、切替機構100によって切り替えられる。
PFモータ41の回転軸には、ロータリエンコーダ45が設けられており、PFモータ制御部40は、ロータリエンコーダ45からの信号に基づき用紙の搬送量及び速度を検出し、検出された搬送量及び速度に基づいて、PFモータ41を制御する。
この他、画像形成システム1は、吸引ポンプ80を備える。吸引ポンプ80は、記録ヘッド31のフラッシング動作により吐出されたインク廃液をタンク(図示せず)に回収するためのポンプである。吸引ポンプ80は、動力伝達機構60を介してPFモータ41からの動力を受けて、動作する。動力伝達機構60を介したPFモータ41と吸引ポンプ80との接続状態は、切替機構100によって切り替えられる。
CRモータ制御部50は、メインコントローラ10からの指令に従ってCRモータ51を制御することにより、記録ヘッド31を搭載するキャリッジ111の搬送制御を実現する。CRモータ51は、画像形成システム1が備える駆動回路53によって回転駆動される。駆動回路53は、CRモータ制御部50から入力されるPWM信号に従ってCRモータ51を駆動する。
キャリッジ搬送機構110は、CRモータ51からの動力を受けて、キャリッジ111を、副走査方向とは直交する主走査方向に搬送する。画像形成システム1には、キャリッジ111の位置を検出するためのリニアエンコーダ55が設けられている。リニアエンコーダ55は、キャリッジ111が主走査方向に所定量変位する度にパルス信号(具体的には、A相信号及びB相信号)を出力するように構成される。
CRモータ制御部50は、リニアエンコーダ55からの入力信号に基づいてキャリッジ111の位置及び速度を検出し、目標速度軌跡に従ってキャリッジ111を搬送するように、CRモータ51を制御する。
キャリッジ搬送機構110は、図2に示すように、キャリッジ111と、ベルト機構120と、ガイドレール130,140とを備える。ベルト機構120は、駆動プーリ121及び従動プーリ122と、駆動プーリ121と従動プーリ122との間に巻回されたベルト123とを備える。駆動プーリ121は、CRモータ51からの動力を受けて回転する。ベルト123は、駆動プーリ121の回転に伴って従動回転する。キャリッジ111は、このように動作するベルト123に固定される。
ガイドレール130は、主走査方向に延設され、主走査方向に垂直な断面がL字形状の部材により構成される。ガイドレール140は、ガイドレール130とは副走査方向に離れた位置で、ガイドレール130と平行に設けられる。ガイドレール140は、主走査方向に垂直な断面がL字形状の部材で構成される。
ベルト機構120は、ガイドレール130が有するレール本体131よりも副走査方向上流の領域に設置される。このベルト機構120とレール本体131との間の領域には、リニアエンコーダ55を構成するエンコーダスケール55Aが主走査方向に沿って設けられる。
キャリッジ111は、下面に、ガイドレール130のレール本体131及びガイドレール140のレール本体141の形状に対応する主走査方向の溝(図示せず)を備え、上面に、エンコーダスケール55Aの形状に対応する主走査方向の溝112を備える。
キャリッジ111は、下面の上記溝にレール本体131,141が配置されるようにガイドレール130,140上に載置される。この載置によって、キャリッジ111は、CRモータ51が回転すると、ベルト123の回転に連動して、レール本体131,141に案内され、主走査方向に移動する。
この他、キャリッジ111の上面に設けられた溝112には、エンコーダスケール55Aにおいて等間隔に設けられた目盛りを光学的に読取可能な光学センサ55Bが搭載される。リニアエンコーダ55は、エンコーダスケール55Aと光学センサ55Bとから構成される。
リニアエンコーダ55は、キャリッジ111が主走査方向に移動すると、ガイドレール130に固定されたエンコーダスケール55Aと、キャリッジ111と共に移動する光学センサ55Bとの相対位置が変化する現象を利用して、光学センサ55Bでエンコーダスケール55Aの目盛りを読み取り、キャリッジ111の主走査方向の変位に応じたパルス信号を出力する。
この他、切替機構100は、ガイドレール140の主走査方向端部に設けられる。切替機構100は、図2及び図3上段に示すように、ガイドレール140に設けられた貫通孔101と、そこから上方に突出するレバー103と、を備える。図2において、貫通孔101は、図3よりも簡略表現されている。
レバー103は、貫通孔101を上方に抜けてガイドレール140上に突出しており、搬送経路の端に向けて移動するキャリッジ111と接触するように配置される。レバー103は、上記移動するキャリッジ111と接触すると、キャリッジ111に押され、キャリッジ111の移動と共に変位する(図3太矢印参照)。具体的に、レバー103は、動力伝達機構60が備える支軸61に貫挿されており、支軸61に沿って主走査方向に変位可能な可動部材として構成される。
動力伝達機構60の支軸61には、切替ギヤ62が貫挿されており、切替ギヤ62は、図示しないギヤを介してPFモータ41と常時接続される。支軸61には更に、レバー103及び切替ギヤ62を両側から付勢する一組のバネ63A,63Bが設けられている。バネ63Bからレバー103に作用する力は、バネ63Aから切替ギヤ62に作用する力より大きい。切替ギヤ62は、レバー103がキャリッジ111の移動と共に変位する際、バネ63Aに付勢され、レバー103に接触した状態でレバー103と共に変位する。
切替ギヤ62は、上記変位により、動力伝達機構60が備える支軸61に沿って配列された第一伝動ギヤ65、第二伝動ギヤ66、第三伝動ギヤ67及び第四伝動ギヤ68のいずれか一つと接続される。切替ギヤ62と第一〜第四伝動ギヤ65〜68との接続状態によって、PFモータ41と用紙搬送機構70との接続状態及びPFモータ41と吸引ポンプ80との接続状態は、切り替えられる。切替ギヤ62は、接続された第一〜第四伝動ギヤ65〜68の一つに続く伝動経路に、PFモータ41からの動力を伝達する。
具体的に、レバー103が位置A1(図3参照)にあるとき、切替ギヤ62は、第一伝動ギヤ65と接続され、レバー103が位置A2にあるとき、切替ギヤ62は、第二伝動ギヤ66と接続され、レバー103が位置A3にあるとき、切替ギヤ62は、第三伝動ギヤ67と接続され、レバー103が位置A4にあるとき、切替ギヤ62は、第四伝動ギヤ68と接続される。切替ギヤ62が第四伝動ギヤ68と接続されると、吸引ポンプ80は、PFモータ41と接続され、PFモータ41からの動力を受けて動作する。
付言すると、レバー103が位置A4からキャリッジ111の搬送経路の端である位置A5に移動する際、切替ギヤ62は、バネ63Aから付勢されるものの、第四伝動ギヤ68が有する傘歯車681によって位置A5側への移動を阻害されて、第四伝動ギヤ68と接続された状態で維持される。
このレバー103が位置A4から位置A5に移動する際には、電動式又は非電動式のキャッピング機構90が、レバー103の移動に連動して、キャップ91を備える台92を、上方にリフトアップする。
台92は、弾性材93を介してキャップ91を支持する。台92は、キャッピング機構90が備える複数(例えば4本)のリンク95により支持される。リンク95は、台92より下方に位置する画像形成システム1の部位に回動可能に接続されており、回動により台92をリフトアップ及びリフトダウンする。
キャッピング機構90は、キャリッジ111が搬送経路の端(位置A5)に配置された時点でキャップ91の記録ヘッド31への装着を完了する。これにより、記録ヘッド31のノズル面は被覆される。キャッピング機構90は、キャリッジ111が位置A5から離れるとき、台92をリフトダウンする。
この他、切替機構100は、図3上段に示す貫通孔101の形状により、レバー103が位置A1から位置A2又は位置A3に配置された後には、キャリッジ111が後退しても、レバー103がその位置で保持されるように構成される。レバー103は、キャリッジ111が位置A5から離れる方向に移動する場合、位置A5からキャリッジ111の搬送経路中央側の位置A1まで戻される。
付言すると、位置A5は、キャリッジ111の原点位置として定められている。リニアエンコーダ55からの信号に基づいて検出されるキャリッジ111の位置Xの座標系は、キャリッジ111が原点位置に配置されたときに、補正される。
画像形成システム1には、キャリッジ111が原点位置よりもガイドレール140の端側に移動するのを阻止する構造物が設けられている。例えば、位置A5には、その位置A5に到達したキャリッジ111と接触して、キャリッジ111が位置A5よりも前進するのを阻害する壁97が設けられている。更に、キャリッジ111と接触するレバー103は、位置A5において貫通孔101の端まで移動し、それ以上移動しないことで、キャリッジ111の進行を阻止する。このようにして画像形成システム1は、キャリッジ111が原点位置よりも端側に移動することがないように構成されている。
続いて、CRモータ制御部50の詳細構成を、図4を用いて説明する。CRモータ制御部50は、位置検出器151と、速度検出器153と、制御ユニット155と、PWM信号生成器157と、を備える。
位置検出器151は、リニアエンコーダ55から入力されるA相信号及びB相信号に基づき、キャリッジ111の位置Xを検出する。具体的に、位置検出器151は、A相信号とB相信号との位相差から主走査方向を往復動するキャリッジ111の移動方向を特定する。そして、原点位置から離れる方向に移動している場合には、位置Xを、A相又はB相信号のパルスエッジを検出する度に1だけカウントアップするように更新し、キャリッジ111が原点位置に近づく方向に移動している場合には、上記パルスエッジを検出する度に位置Xを1だけカウントダウンするように更新する。この更新動作により、位置検出器151はキャリッジ111の位置Xを検出する。
位置検出器151により検出された位置Xは、制御ユニット155に入力される。本実施形態では、位置検出器151により検出される位置Xが、原点位置(位置A5)を基準とした位置座標系で表されるように、必要に応じてキャリッジ111の原点位置(位置A5)への位置合わせが行われる。
速度検出器153は、リニアエンコーダ55からの入力信号におけるパルスエッジ間隔に基づき、キャリッジ111の速度を検出する。速度検出器153により検出された速度Vは、制御ユニット155に入力される。
制御ユニット155は、この位置検出器151及び速度検出器153により検出されたキャリッジ111の位置X及び速度Vに基づき、CRモータ51を制御することにより、キャリッジ111の搬送制御を実現する。具体的には、制御ユニット155は、目標速度軌跡に従ってキャリッジ111を搬送するように、CRモータ51を制御したり、キャリッジ111の位置Xに応じて制御モードを切り替えたりする。
制御ユニット155は、CRモータ51を制御するために、CRモータ51に対する操作量Uとして、CRモータ51に対する駆動電流を算出する。そして、この操作量Uを、PWM信号生成器157に入力する。PWM信号生成器157は、制御ユニット155から入力された操作量Uに対応するデューティー比のPWM信号を駆動回路53に入力する。駆動回路53は、このPWM信号に従って、操作量Uに対応する駆動電流でCRモータ51を駆動する。
一例によれば、制御ユニット155は、図4に示すように、プロセッサ155A及びメモリ155Bを備えたマイクロコンピュータとして構成される。メモリ155Bは、RAM及びROMを含む。この場合には、プロセッサ155Aがメモリ155Bに格納されるプログラムに従う処理を実行することにより、CRモータ51の制御、具体的には、操作量Uの演算が実行される。別例によれば、制御ユニット155は、専用回路として構成され得る。
以下では、CRモータ51に対する制御系160の構成、及び、制御ユニット155が実行する処理の詳細(具体的には原点検出処理の詳細)を説明するが、この制御系160及び処理は、プロセッサ155Aがプログラムに従う処理を実行することによりソフトウェアで実現されると理解されてもよいし、専用回路(ハードウェア)によって実現されると理解されてもよい。
本実施形態によれば、制御ユニット155は、図5に示す制御系160に従って、操作量Uを算出し、CRモータ51を制御する。制御系160は、速度指令器161と、補正器162と、偏差算出器163と、速度制御器164と、加算器165と、外乱オブザーバ166と、コンプライアンス制御器167と、セレクタ168と、切替制御器169とを備える。
速度指令器161は、補正器162に目標速度Vrを入力するように構成される。補正器162は、速度指令器161からの目標速度Vrをセレクタ168から入力される補正量Cで補正して、補正後の目標速度Vrc=Vr−Cを偏差算出器163に入力するように構成される。
偏差算出器163は、補正後の目標速度Vrcと速度検出器153により検出された速度Vとの偏差Ev=Vrc−Vを算出し、偏差Evを速度制御器164に入力するように構成される。
速度制御器164は、偏差Evを操作量Uvに変換して、操作量Uvを加算器165に入力するように構成される。速度制御器164は、例えば比例制御器である。この場合、偏差Evは、所定ゲインKを加えた操作量Uv=K・Evに変換される。
加算器165は、速度制御器164からの操作量Uvに、外乱オブザーバ166からの反力推定値Rを加算することで、CRモータ51に対する操作量U=Uv+Rを算出する。この操作量Uは、PWM信号生成器157に入力される。これによりCRモータ51は、操作量U=Uv+Rに応じた駆動電流で駆動される。
外乱オブザーバ166は、操作量Uとキャリッジ111の速度との関係を表す伝達関数モデルHの逆モデルH-1を利用して、CRモータ51に作用する反力を推定し、その反力推定値Rを出力するように構成される。
一例によれば、外乱オブザーバ166は、逆モデル演算器171と、第一及び第二のローパスフィルタ173,175と、減算器177と、を備える。逆モデル演算器171は、速度検出器153により検出された速度Vを、逆モデルH-1に入力して、外乱がないと仮定したときの操作量U0=H-1Vを算出する。
第一のローパスフィルタ173は、この操作量U0から高周波成分を除去して、除去後の操作量U0*を減算器177に入力する。第二のローパスフィルタ175は、加算器165から入力される操作量Uから高周波成分を除去して、除去後の操作量U*を減算器177に入力する。減算器177は、外乱推定値として、高周波成分除去後の操作量U*と操作量U0*の差(U*−U0*)を算出し、この差(U*−U0*)を反力推定値R=(U*−U0*)として出力する。
コンプライアンス制御器167は、この反力推定値Rに基づき、マス−ダンパ系のコンプライアンス制御により、目標速度Vrに対する補正量Vcを算出する。具体的には、コンプライアンス制御器167は、質量Mcを有する仮想的なマス要素(可動体)に反力推定値Rに対応する反力が作用し、それとは逆方向の力Fdが仮想的なダンパ要素からマス要素に作用したときのマス要素の減速を模した補正を目標速度Vrに加えるための補正量Vcを算出する。
一例によれば、コンプライアンス制御器167は、減算器181と、第一の増幅器183と、積分器185と、第二の増幅器187と、を備える。減算器181は、外乱オブザーバ166からの反力推定値Rを、第二の増幅器187からの出力値Fdで減算し、その減算値(R−Fd)を第一の増幅器183に入力する。第一の増幅器183は、減算値(R−Fd)にゲイン(1/Mc)を作用させることにより、マス要素の減速度Ac=(R−Fd)/Mcを算出する。この減速度Acは、減算値(R−Fd)を、マス要素の質量Mcで除算した値とも理解できる。
積分器185は、第一の増幅器183から得られるマス要素の減速度Acを積分することにより、マス要素の減速による速度変化量に対応した補正量Vcを算出する。この補正量Vcは、セレクタ168及び第二の増幅器187に入力される。第二の増幅器187は、補正量Vcに仮想的なダンパ要素の減衰係数Dcを乗算して、ダンパ要素からマス要素に作用する力に対応する値Fd=Dc・Vcを算出し、この値Fd=Dc・Vcを減算器181に入力する。
セレクタ168は、切替制御器169に制御されて、コンプライアンス制御器167から入力される補正量Vc、及び、補正量ゼロのいずれか一方を、目標速度Vrに対する補正量Cとして補正器162に入力する。即ち、セレクタ168は、補正量C=Vc及びC=0の一方を補正器162に入力する。セレクタ168から補正器162に補正量C=Vcが入力されるとき、CRモータ51及びキャリッジ111は、コンプライアンス制御を含む形態で速度制御され、セレクタ168から補正器162に補正量C=0が入力されるとき、CRモータ51及びキャリッジ111は、コンプライアンス制御なしで速度制御される。
切替制御器169は、メインコントローラ10から、キャリッジ111の原点位置への搬送指令が入力されると、速度指令器161から補正器162に入力される目標速度Vr制御し、更には、セレクタ168を制御することにより、キャリッジ111に作用する衝撃を抑えながら、キャリッジ111が原点位置に高速に位置合わせされるように、CRモータ51を制御する。この原点位置への搬送指令は、例えば画像形成システム1の電源がターンオンされた後の準備動作や、キャリッジ111と用紙との接触によるジャムが解消された後などに入力される。
具体的に、切替制御器169は、補正量Cを適切なタイミングで値C=Vcから値C=0に切り替えるようにセレクタ168を制御し、更には同タイミングで、速度指令器161から補正器162に入力される目標速度Vrが第一速度V1から第二速度V2に切り替わるように、速度指令器161を制御する。
図6上段には、キャリッジ111が原点位置に搬送されるときに、速度指令器161から補正器162に入力される目標速度Vrの軌跡が示される。図6上段に示されるグラフは、時間の横軸と、目標速度Vrの縦軸を有するグラフである。
図6上段に示されるコンプライアンス制御が「有」の状態は、セレクタ168から補正器162に補正量C=Vcが入力されていること、即ち、目標速度Vrが補正器162にてコンプライアンス制御による補正量Vcだけ補正されていることを意味する。コンプライアンス制御が「無」の状態は、セレクタ168から補正器162に、補正量C=0が入力されていること、即ち、目標速度Vrが補正器162にて補正されていないことを意味する。
図6下段には、図6上段に示されるグラフと同一時間軸上での、補正器162から偏差算出器163に入力される補正後の目標速度Vrcの軌跡が概略的に示される。図6下段に示されるグラフは、時間の横軸と、目標速度Vrcの縦軸を有するグラフである。
図6下段から理解できるように、目標速度Vrcは、キャリッジ111の原点位置への接近と共に、具体的には、キャリッジ111が原点位置(位置A5)より移動方向上流の特定位置(位置A1)でレバー103に当接した時点T1から、補正量C=Vcが上昇することに伴って徐々に下がり始める。補正量C=Vcの上昇は、レバー103からキャリッジ111へのバネ弾性(主にはバネ63Bの弾性)による反力推定値Rの上昇に伴って発生する。このように、キャリッジ111は、反力推定値Rに基づいたコンプライアンス制御による目標速度Vrの補正により、反力推定値Rに倣って減速するように制御される。
切替制御器169は、速度検出器153により検出される速度Vが目標速度Vr=V1から基準値Vz以下まで低下した時点Tcで、速度指令器161から補正器162に入力される目標速度Vrが第二速度V2に切り替えられるように、速度指令器161を制御する。
本実施形態によれば、基準値Vzは、第二速度V2に一致する(Vz=V2)。基準値Vz及び第二速度V2は、キャリッジ111が原点位置に到達するときの速度として許容される速度の上限値に予め定められる。コンプライアンス制御器167内のゲイン1/Mc,Dcは、キャリッジ111が原点位置に到達する前に、目標速度Vrcが第一速度V1から第二速度V2まで低下するように予め定められる。
従って、時点Tcは、キャリッジ111が原点位置に到達する時点Teより前に到来する。これにより、キャリッジ111は、レバー103と当接すると、レバー103からの反力に倣って第一速度V1から減速し、原点位置には第二速度V2まで減速した状態で到達する。よって、本実施形態によれば、キャリッジ111が原点位置に到達する際に生じる画像形成システム1内の構造物との衝撃を抑えつつ、キャリッジ111を原点位置に高速に位置合わせすることができる。
ここで、制御ユニット155が実行する原点検出処理の詳細を、図7を用いて説明する。制御ユニット155は、メインコントローラ10から、キャリッジ111の原点位置への搬送指令が入力されると、図7に示す原点検出処理を実行する。
原点検出処理において、制御ユニット155は、速度検出器153による検出速度Vが目標速度Vr=V1から基準値Vz=V2以下に低下したか否かを判断する(S110)。検出速度Vが基準値Vz以下に低下していないと判断すると(S110でNo)、制御ユニット155は、S120において調整処理(詳細後述)を実行した後、コンプライアンス制御を含む形態でキャリッジ111を速度制御するように、操作量Uを算出する(S130)。
S130での算出時における目標速度Vrは、第一速度V1である(Vr=V1)。算出される操作量Uは、図5に示す制御系160において、速度指令器161から補正器162に、第一の目標速度Vr=V1が入力され、セレクタ168から補正器162に、コンプライアンス制御器167からの補正量Vcが入力されるときの操作量Uである。
S130における操作量Uの算出後、制御ユニット155は、当該算出された操作量UをPWM信号生成器157に入力する(S150)。即ち、制御ユニット155は、目標速度Vrに対する補正量Vcとして、反力推定値Rが大きいほど大きい補正量Vcを算出し、その補正量Vcだけ第一の目標速度Vr=V1を下げる方向に補正する。そして、制御ユニット155は、CRモータ51に対する操作量Uとして、補正後の目標速度Vrc=V1−Vcと、速度検出器153により検出された速度Vとの偏差Ev=(Vrc−V)に基づく操作量Uvを算出し、操作量Uvに反力推定値Rを加算した操作量(Uv+R)に基づいて、CRモータ51を制御する。
S150における操作量UのPWM信号生成器157への入力後、制御ユニット155は、キャリッジ111が停止したか否かを判断する(S160)。キャリッジ111が停止した否かの判断は、例えば、速度検出器153による検出速度Vが所定時間ゼロであるか否かの判断によって実現することができる。
制御ユニット155は、キャリッジ111が停止していないと判断すると(S160でNo)、S110に処理を戻す。そして、検出速度Vが基準値Vz以下に低下していないと判断した場合には(S110でNo)、S120,S130の処理を再度実行し、新たな操作量Uを算出し、この操作量Uに基づいてCRモータ51を制御する(S150)。
一方、制御ユニット155は、検出速度Vが基準値Vz以下に低下したと判断すると(S110でYes)、コンプライアンス制御なしの形態でキャリッジ111を速度制御するように、操作量Uを算出する(S140)。
S140での算出時における目標速度Vrは、第二速度V2である(Vr=V2)。算出される操作量Uは、図5に示す制御系160において、速度指令器161から補正器162に、第二の目標速度Vr=V2が入力され、セレクタ168から補正器162に補正量ゼロ(C=0)が入力されるときの操作量Uである。
その後、制御ユニット155は、S140で算出された操作量UをPWM信号生成器157に入力する(S150)。即ち、制御ユニット155は、目標速度Vrを補正することなしに、CRモータ51に対する操作量Uとして、第二の目標速度Vr=V2と、速度検出器153により検出された速度Vとの偏差Ev=(V2−V)に基づく操作量Uvを算出し、操作量Uvに反力推定値Rを加算した操作量U=(Uv+R)に基づいて、CRモータ51を制御する。
制御ユニット155は、その後、S160において、キャリッジ111が停止したか否かを判断する。そして、キャリッジ111が停止したと判断すると(S160でYes)、キャリッジ111の原点位置(位置A5)への位置合わせが完了したとみなして、位置検出器151による検出位置Xをゼロにリセットする(S170)。これにより、位置座標の補正を行う(S170)。
この他、制御ユニット155は、調整処理(S120)において、コンプライアンス制御のマス特性及びダンパ特性を調整することにより、キャリッジ111に作用する反力の大小に起因した、減速の過不足を調整する。コンプライアンス制御のマス特性及びダンパ特性を調整することは、上述したマス要素の質量Mc、及び、ダンパ要素の減衰係数Dcを含む、コンプライアンス制御系のパラメータ群(Mc,Dc)の値を調整することに対応する。
調整処理(S120)の詳細は、図8に示される。制御ユニット155は、図8に示す調整処理を開始すると、反力推定値Rが予め定められた上限値Ru以下であるか否かを判断する(S210)。制御ユニット155は、反力推定値Rが上限値Ru以下であると判断すると(S210でYes)、反力推定値Rが予め定められた下限値Rd以上であるか否かを判断する(S260)。制御ユニット155は、反力推定値Rが下限値Rd以上であると判断すると(S260でYes)、調整処理を終了する。即ち、制御ユニット155は、反力推定値Rが下限値Rd以上且つ上限値Ru以下である場合、コンプライアンス制御系のパラメータ群(Mc,Dc)の調整が不要であるとみなして、調整処理(S120)を終了する。
一方、制御ユニット155は、反力推定値Rが上限値Ruを超えていると判断すると(S210でNo)、最後にS240又はS250の処理によりパラメータ群(Mc,Dc)の値を調整してから所定時間が経過したか否かを判断する(S220)。所定時間が経過していないと判断すると(S220でNo)、制御ユニット155は、調整処理を終了する。「最後」に対応する調整が存在しない場合、制御ユニット155は、所定時間が経過したと判断する。所定時間は、パラメータ群(Mc,Dc)の値の調整による効果が反力推定値Rに十分現れる時間に予め定められる。
制御ユニット155は、所定時間が経過したと判断すると(S220でYes)、反力推定値Rと上限値Ruとの差(R−Ru)が大きいほど、目標速度Vrに対する補正量C=Vcが大きくなるように、コンプライアンス制御におけるマス特性及びダンパ特性を調整する(S240,250)。具体的には、パラメータ群(Mc,Dc)の値を調整する。
具体的に、制御ユニット155は、差(R−Ru)が予め定められた閾値TH1より大きいか否かを判断する(S230)。そして、差(R−Ru)が閾値TH1以下であると判断すると(S230でNo)、パラメータ群(Mc,Dc)の値を、現在のレベルから1レベル下げるように調整する(S240)。
一例によれば、制御ユニット155は、メモリ155Bに、パラメータ群(Mc,Dc)の具体的数値を、レベル毎に規定する設定表ST(図4参照)を有することができる。設定表STには、レベルが上がるほど、質量Mc及び減衰係数Dcの少なくとも一方の値が上昇するように、パラメータ群(Mc,Dc)の値がレベル毎に定義される。設定表STに値が定義される複数のレベルの内、中心のレベルが初期設定レベルに定められ、中心のレベルにおいて定義されるパラメータ群(Mc,Dc)の値が、パラメータ群(Mc,Dc)の初期値に対応する。
設定表STは、レベルに依らず質量Mcを単一の固定値で定義し、レベル毎の減衰係数Dcをレベルが上昇するほど上昇するように定義した表であってもよいし、レベルに依らず減衰係数Dcを単一の固定値で定義し、レベル毎の質量Mcをレベルが上昇するほど上昇するように定義した表であってもよい。勿論、設定表STは、レベルが上昇するほど、質量Mc及び減衰係数Dcの値が共に上昇するように、パラメータ群(Mc,Dc)の値をレベル毎に定義した表であってもよい。
制御ユニット155は、この設定表STに従って、コンプライアンス制御で用いられるパラメータ群(Mc,Dc)の値を、現在のレベルに対応する値から、1つ下のレベルに対応する値に変更することができる。
上述したように、パラメータ群(Mc,Dc)の値を、第1のレベルから第2のレベルに下げることは、質量Mc及び減衰係数Dcの少なくとも一方の値を、第1のレベルに対応する値から、第2のレベルに対応する値に下げることを意味する。質量Mcを下げる行為は、その逆数1/Mcが上昇する結果として、補正量Vcを上昇させることに繋がる。同様に、減衰係数Dcを下げる行為は、減算器181に入力される値Fdが下がる結果として、補正量Vcを上昇させることに繋がる。
従って、S240の処理でコンプライアンス制御に用いられるパラメータ群(Mc,Dc)の値を1レベル下げる調整が行われると、その後のコンプライアンス制御による補正量Vcは、調整前と比較して上昇する。
この他、制御ユニット155は、差(R−Ru)が閾値TH1より大きいと判断すると(S230でYes)、パラメータ群(Mc,Dc)の値を、現在のレベルから2レベル下げるように調整する(S250)。これにより、制御ユニット155は、差(R−Ru)が閾値TH1以下であるときよりも、より一層大きな補正量Vcが算出されるように、パラメータ群(Mc,Dc)の値を調整する。S240又はS250での処理を終えると、制御ユニット155は、調整処理(S120)を終了し、S130において、パラメータ群(Mc,Dc)の調整後のコンプライアンス制御系により算出された補正量Vcに基づき補正した目標速度Vrcに基づき、操作量Uを算出する。
この他、制御ユニット155は、調整処理(S120)において、反力推定値Rが下限値Rd未満であると判断すると(S260でNo)、S270に移行し、最後にS290又はS300の処理によりパラメータ群(Mc,Dc)の値を調整してから所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過していないと判断すると(S270でNo)、制御ユニット155は、調整処理を終了する。「最後」に対応する調整が存在しない場合、制御ユニット155は、所定時間が経過したと判断する。
制御ユニット155は、所定時間が経過していると判断すると(S270でYes)、反力推定値Rと下限値Rdとの差(Rd−R)が大きいほど、目標速度Vrに対する補正量Vcが小さくなるように、パラメータ群(Mc,Dc)の値を調整する(S290,S300)。
具体的に、制御ユニット155は、差(Rd−R)が閾値TH2より大きいか否かを判断する(S280)。そして、差(Rd−R)が閾値TH2以下であると判断すると(S280でNo)、パラメータ群(Mc,Dc)の値を、現在のレベルから1レベル上げるように調整する(S290)。制御ユニット155は、差(Rd−R)が閾値TH2より大きいと判断すると(S280でYes)、パラメータ群(Mc,Dc)の値を、現在のレベルから2レベル上げるように調整する(S300)。
これにより、制御ユニット155は、差(Rd−R)が閾値TH2より大きいとき、差(Rd−R)が閾値TH2以下であるときよりも、より一層小さな補正量Vcが算出されるように、パラメータ群(Mc,Dc)の値を調整する。S2900又はS300での処理を終えると、制御ユニット155は、調整処理(S120)を終了する。
以上、本実施形態の画像形成システム1について説明した。本実施形態では、キャリッジ111の原点位置への位置合わせを行う際、マス−ダンパ系のコンプライアンス制御によりキャリッジ111の目標速度Vrを補正することで、キャリッジ111に作用する反力に倣うように適切に目標速度Vrを補正する。
仮にこの補正をせずに一定の目標速度Vr=Vrc=V1を用いてキャリッジ111を原点位置まで搬送する場合には、キャリッジ111にレバー103からバネ弾性による反力が作用しているのにも関わらず、反力に逆らって等速運動するように、CRモータ51に対する制御が行われる。この場合、キャリッジ111は、過度に高速に原点位置に接近し、原点位置に到達するときキャリッジ111に大きな衝撃が生じる。
これに対し、本実施形態によれば、補正器162が反力に倣って適切に目標速度Vrを補正する。従って、キャリッジ111は、レバー103からのバネ弾性による反力に応じて減速し、原点位置に適切な速度で到達することができる。
しかも、本実施形態では、コンプライアンス制御系におけるパラメータ群(Mc,Dc)の初期値が、想定される反力では、キャリッジ111が原点位置に到達するまでに、キャリッジ111の速度が許容範囲の上限値V2まで低下するように決定される。このような初期値の決定は、試験結果に基づいて比較的簡単に実現可能である。従って、本実施形態によれば、キャリッジ111を高速に、且つ、衝撃を抑えて、適切に原点位置まで搬送することができる。
更に本実施形態では、想定反力の誤差や経時変化により、キャリッジ111の減速についての過不足が生じるケースであっても、その過不足を、パラメータ群(Mc,Dc)の調整により抑えることができる。
例えば、パラメータ群(Mc,Dc)の値が適値より小さいことで、補正量Vcが適値より大き過ぎるケースでは、キャリッジ111が原点位置に到達する前に停止し、キャリッジ111が原点位置に到達できないことが生じ得るが、本実施形態では、調整処理(S120)により、そのような事象の発生が十分抑えられる。
この他、パラメータ群(Mc,Dc)の値が適値より大きいことで、補正量Vcが適値より小さ過ぎるケースでは、キャリッジ111が第二速度V2まで減速する前にキャリッジ111が原点位置に到達して、大きな衝撃が生じる可能性がある。本実施形態では、調整処理(S120)により、そのような事象の発生を抑えることができる。
本実施形態によれば、これらの事象の発生が抑えられる結果、パラメータ群(Mc,Dc)を比較的大きく設定しておき、減速が不十分な場合に限ってパラメータ群(Mc,Dc)を下げる方向に調整することも可能である。この場合、不要にキャリッジ111を減速させずに、原点位置までキャリッジ111を搬送することができるので、原点位置への位置合わせを、衝撃を抑えてより高速に行うことができる。
図9では、キャリッジ111の位置軌跡、キャリッジ111に作用する反力の軌跡、反力推定値の軌跡、キャリッジ111の速度軌跡が、第1例から第3例について異なる線種で示される。
第1例は、Mc=1及びDc=3に設定してキャリッジ111を原点位置まで搬送したときの軌跡を示す。第2例は、Mc=1及びDc=5に設定してキャリッジ111を原点位置まで搬送したときの軌跡を示す。第3例は、最初Mc=1及びDc=5に設定してキャリッジ111を搬送し、途中からMc=1及びDc=3に変更してキャリッジ111を搬送したときの軌跡を示す。第1例の線種は、図9において記載「Dc=3」の左に示される。第2例の線種は、記載「Dc=5」の左に示される。第3例の線種は、記載「Dc=5→3」の左に示される。
図9における一段目(最上段)のグラフは、キャリッジ111の位置軌跡を示し、P0は、原点位置を表し、P1は、キャリッジ111がレバー103と当接する位置を表す。二段目のグラフは、キャリッジ111に作用する反力の軌跡を示し、三段目のグラフは、反力推定値Rの軌跡を示し、四段目のグラフは、キャリッジ111の速度Vの軌跡を示す。いずれの軌跡もシミュレーションに得られたものである。
時間軸に示されるTdは、第3例においてキャリッジ111がレバー103と当接した時点を示し、Teは、第3例においてキャリッジ111が原点位置に到達した時点を示し、Tfは、第3例においてパラメータ群(Mc,Dc)が変更された時点を示す。また、dTは、第3例において第1例よりも時間dTだけ短い時間でキャリッジ111が原点位置に到達することを示す。このように、本実施形態によれば、高速且つ衝撃を抑えたキャリッジ111の原点位置への位置合わせを実現可能である。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、S240,S250,S290,S300におけるパラメータ群(Mc,Dc)の調整量及び調整方法は、上記実施形態に限定されない。
パラメータ群(Mc,Dc)は、差(R−Ru)及び差(Rd−R)に応じて離散的ではなく連続的に調整されてもよい。調整量は、設定表STではなく関数を用いて決定されてもよい。パラメータ群(Mc,Dc)の上げ幅と下げ幅とは同一でなくてもよい。
パラメータ群(Mc,Dc)の値の調整は、差(R−Ru)及び差(Rd−R)の大小によらず、1段階ずつ行われてもよい。この例は、図8において、差(R−Ru)に依らず、S230で常に否定判断してS240の処理を実行すること、及び、差(Rd−R)に依らず、S280で常に否定判断して、S290の処理を実行することに対応する。
上記実施形態では、速度検出器153による検出速度Vと基準値Vzとの比較により、補正量CをC=VcからC=0へ切り替えるタイミング及び目標速度Vrを第一速度V1から第二速度V2に切り替えるタイミングを決定したが、制御ユニット155は、検出速度Vに代えて、補正後の目標速度Vrcと基準値Vzとの比較により、上記タイミングを決定してもよい。即ち、S110の判断は、補正後の目標速度Vrcと基準値Vzとの比較により実現されてもよい。
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。