JP6946644B2 - 固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の構成部材である膜−電極接合体(MEA)を製造するために好適に使用される離型フィルムに関するものである。
固体高分子型燃料電池(PEFC)の構成部材である膜−電極接合体(MEA)は、高分子電解質膜の両面に触媒層が積層された構成になっている。高分子電解質膜は、プロトン伝導性樹脂が使用されており、側鎖にスルホニウム基を有したポリマーが使用されている。その例としては、強酸性であるパーフルオロカーボン(−CF2−)で構成されたスルホン酸系の樹脂が使用されている(例えば、DuPont社製Nafion(登録商標))。また触媒層は、白金担持カーボンをバインダー(プロトン伝導性樹脂)に分散させた構成になっている。
これらMEAの製造方法の一例として、高分子電解質膜と、触媒層をそれぞれ別々の支持フィルムにキャスト法で成型し、150℃以上の高温で熱圧着して両者を接合する方法が提案されている。
前記支持フィルムには、耐熱性や離型性の観点からPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂系のシートが使用されてきたが、近年コストダウンを目的にポリエステルフィルムを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
近年、触媒層の高機能化のために触媒層中の白金担持カーボン比率が高くなっている。しかし、触媒層中の白金担持カーボンの比率がバインダーである高分子電解質樹脂よりも高くなると触媒層全体の膜強度が下がり、ポリエステルフィルムを支持フィルムとして使用した場合、150℃以上の高温をかけるとポリエステルフィルムの熱収縮により高分子電解質膜や触媒層が割れやすくなる懸念がある。
特開2003−285396号公報 特開2010−234570号公報 特開2014−154273号公報
上記、固体高分子型燃料電池の構成部材であるMEAの特殊な事情に鑑み、150℃以上の高温での熱成型であっても、高分子電解質膜や触媒層に割れなどがなく成型できる、熱収縮率が抑制され、かつ転写性(離型性)が良好な固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得ることを課題とする。
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層が積層されている離型フィルムであって、160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が0.8%以下であることを特徴とする固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
2. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
3. 離型層が、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
4. オレフィン系樹脂が、環状ポリオレフィンもしくは、ポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
5. 離型層表面の表面自由エネルギーの極性成分と水素結合成分を合計した値が8mJ/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
本発明によれば、150℃以上の高温での熱成型でも、高分子電解質膜や触媒層に割れなどがなく成型でき、転写性(離型性)に優れた固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルムである。ここで、「主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルム」とは、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有する樹脂組成物から形成されるフィルムであり、他のポリマーとブレンドする場合は、ポリエステル樹脂が50質量%以上含有していることを意味し、他のモノマーが共重合されている場合は、ポリエステルの繰り返し構造単位を50モル%以上含有することを意味する。好ましくは、ポリエステルフィルムは、フィルムを構成する樹脂組成物中において、ポリエステル樹脂を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%含有する。
ポリエステル樹脂としては、材料は特に限定されないが、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して形成される共重合体、又は、そのブレンド樹脂を用いることができる。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。また、トリメリット酸などのその他の酸成分やトリメチロールプロパンなどのその他の水酸基成分を適宜添加しても良い。
ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられ、これらの中でも物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルフィルムの滑り性、巻き性などのハンドリング性を改善するために、フィルム中に不活性粒子を含有させてもよい。
本発明においてポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、12〜100μmの範囲であることが好ましい。12〜75μmがより好ましく、16〜50μmがさらに好ましい。12μm以上であると触媒層を成型、転写する際にシワが入いるおそれがなく、100μm以下であるとコスト的に有利である。
本発明に用いるポリエステルフィルムは、製造される離型フィルムの熱収縮率を抑制するために小さい熱収縮率を有していることが好ましい。例えば、後述の離型フィルムの熱収集率と同様の測定方法によって、160℃で30分処理したときの収縮率が、0.8%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.6%以下であり、さらに好ましくは0.4%以下であり、特に好ましくは0.3%以下である。但し、本発明の離型フィルムの小さな熱収縮率は、単に基材フィルムとなるポリエステルフィルムの小さな熱収縮率からもたらされるものではなく、後述の離型剤塗布後の乾燥工程条件の好適化などを含めて達せられるものである。
本発明に用いるポリエステルフィルムの離型層を積層する面の領域表面平均粗さ(Sa)は、1〜50nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは2〜30nmである。本発明に用いるポリエステルフィルムの離型層を積層する面の最大突起高さ(P)は、2μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。Saが50nm以下であり、Pが2μm以下であれば、触媒層を転写する場合に、触媒層に割れやピンホールが発生するおそれがなく好ましい。
基材となるポリエステルフィルムは、単層であっても、2種以上の層が積層したものであってもよい。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、必要に応じて、フィルム中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。フィルムが積層構成を有する場合は、必要に応じて各層の機能に応じて添加剤を含有させることも好ましい。
ポリエステルフィルムは、例えば上記のポリエステル樹脂をフィルム状に溶融押出、キャスティングドラムで冷却固化させてフィルムを形成させる方法等によって得られる。本発明のポリエステルフィルムとしては、無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれも用いることができるが、機械強度や耐薬品性といった耐久性の点からは延伸フィルムであることが好ましい。ポリエステルフィルムが延伸フィルムである場合、その延伸方法は特に限定されず、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法、縦横同時二軸延伸法等を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表層には、密着向上層との密着性を向上させるため、アンカーコート層、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行うこともできる。アンカーコート層を設ける場合は、コストなどの観点からインラインコーティングで行うことが好ましい。
本発明に用いる基材ポリエステルフィルムの熱収縮率を抑制するためには、ポリエステルフィルムを製膜中(インライン)にアニール処理を行ってもよいし、オフラインでアニール処理を行ってもよい。
インラインでアニール処理を実施する場合、既知の方法を利用することができる。例えば、ポリエステルフィルムを横延伸工程で低熱収縮化する方法としては、結晶化させるための熱固定ゾーンの後方で、フィルムの端部をクリップから切り離し、その後方のフィルムの引き取り速度を調整し、フィルムの走行方向の張力を下げることで熱弛緩処理を行うことができる。
前記横延伸工程でインラインアニールを実施する場合、フィルムの端部を切り離すときのフィルム温度は140℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは150℃以上であり、より好ましくは160℃以上である。但し、あまりにも温度を高くし過ぎると平面性を損なうおそれがあるので、230℃程度以下にしておくことが好ましい。
オフラインでアニール処理を実施する場合、後述する離型層を塗布するときに同時に行うことができ、この方法が最も効果的に製品である離型フィルムの熱収縮率を抑制できるので好ましい。詳細な工程条件は後述する。
(離型層)
本発明では、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層を設けることが必要である。離型層に用いる樹脂としては特に限定されないが、オレフィン系樹脂およびフッ素系樹脂の少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。これらの離型層は、コーティングによりポリエステルフィルム上に設けることが好ましい形態である。
離型層に用いるオレフィン系樹脂の例としては、共重合ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどが挙げられるが、耐熱性の観点から、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用いることが好ましい。前記樹脂を離型層に用いることで、150℃以上で熱処理した場合にも、ナフィオンなどの電解質膜などに使用されるバインダーとの離型性を保つことができるため好適である。
共重合ポリエチレンは、ポリエチレンに、プロピレン、n−ブテン、n−ペンテン、n−ヘキセンなどのα―オレフィンなどを共重合することができる。これらの樹脂には、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの官能基を導入し、架橋剤と架橋させることで、ポリエステルフィルムとの密着性を向上することができる。
環状ポリオレフィンは、重合成分として環状オレフィンを含む樹脂のことである。環状オレフィンは、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンであり、単環式オレフィン、二環式オレフィン、三環以上の多環式オレフィンなどに分類することができる。単環式オレフィンの例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの環状C4−12シクロオレフィン類などが挙げられる。二環式オレフィンの例としては、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネンなどのアルキル基(C1―4アルキル基)を有するノルボルネン類;5−エチリデン−2−ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5−シアノ−2−ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;オクタリン;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどのアルキル基を有するオクタリンなどが例示できる。
多環式オレフィンの例としては、ジシクロペンタジエン;2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペンタジエノナフタレン、メタノオクタヒドロシクロペンタジエノナフタレンなどの誘導体;6−エチル−オクタヒドロナフタレンなどの置換基を有する誘導体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、シクロペンタジエンの3〜4量体などが挙げられる。
これらの環状オレフィンは、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのなかでも二環式オレフィンを用いることが、柔軟性と離型性を両立できるため好ましい。環状オレフィン全体に占める二環式オレフィン(特にノルボルネン類)の割合は10モル%以上であってもよく、例えば、30モル%以上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上であり、二環式オレフィン単独(100モル%)であってもよい。特に、三環以上の多環式オレフィンの割合が大きくなると、ロール・ツー・ロール方式での製造に用いることが困難となるため好ましくない。
二環式オレフィンの具体例としては、ノルボルネン(2−ノルボルネン、置換基を有していてもよい)、オクタリン(オクタヒドロナフタレン、置換基を有していてもよい)などが例示できる。前記置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アミド基、ハロゲン原子などが例示できる。これらの置換基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの二環式オレフィンのうち、ノルボルネンやアルキル基(メチル基、エチル基などのC1−4アルキル基)を有するノルボルネンなどのノルボルネン類が特に好ましい。
環状ポリオレフィンは、さらに鎖状オレフィンを重合成分として含む環状オレフィン−鎖状オレフィン共重合体であるのが好ましい。前記共重合体を用いることで柔軟性を付与することができ、加工しやすくなる。
鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの鎖状C2−10オレフィン類などが挙げられる。これらの鎖状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの鎖状オレフィンのうち、好ましくはα−鎖状C2−8オレフィン類であり、さらに好ましくはα−鎖状C2−4オレフィン類(特に、エチレン)である。
環状オレフィンと鎖状オレフィンとの割合(モル比)は、例えば、環状オレフィン/鎖状オレフィン=100/0〜1/99、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは70/30〜20/80程度である。環状オレフィンの割合が少なすぎると、耐熱性が低下し、剥離性も低下するため好ましくない。
他の共重合性単量体としては、例えば、ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);ジエン系単量体(例えば、ブタジエン、イソプレンなど);(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、又はこれらの誘導体((メタ)アクリル酸エステルなど)など]などが例示できる。これらの他の共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの他の共重合性単量体の含有量は、環状ポリオレフィン全体に対して、例えば、5モル%以下、好ましくは1モル%以下である。
環状ポリオレフィンは、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、開環メタセシス重合により得られた重合体は、水素添加された水添樹脂であってもよい。環状ポリオレフィンの重合方法は、慣用の方法、例えば、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合(通常、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合)などを利用できる。
本発明で用いる環状ポリオレフィンのガラス転移温度(Tg)は10〜250℃程度の範囲から選択できるが、耐熱性の点から、例えば、60〜250℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜250℃程度である。ガラス転移温度が低すぎると、耐熱性が低下し、高すぎると、ロール・ツー・ロール方式での生産が困難となる。
環状ポリオレフィンの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば、1000〜150000、好ましくは5000〜120000、さらに好ましくは10000〜100000(特に20000〜90000)程度である。
環状ポリオレフィンの市販品としては、TOPAS(登録商標)(ポリプラスチックス社製)があり好適に使用することができる。TOPAS(登録商標)のシリーズの中でもTOPAS(登録商標)6017SはTgが170℃以上あるため、150℃以上の熱処理でも離型層の変質は起こりにくく特に好ましい。
環状ポリオレフィンの市販品としては、ARTON(登録商標)(JSR社製)もあり好適に使用することができるが、ARTON(登録商標)は、一般的に分子内に極性基をもつため、離型層の表面自由エネルギーの極性成分が大きくなり、TOPAS(登録商標)に比べると離型性が劣ることがある。
本発明における離型層に用いるポリメチルペンテン樹脂としては、少なくとも構成単位Aと構成単位Bを含む共重合物である。構成単位Aは、4−メチル−1−ペンテンまたは/および3−メチル−1−ペンテンに由来する樹脂を合計50モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは70モル%以上含み、85モル%以上含むとさらに好ましい。それぞれ単独で用いてもよいし併用してもよい。
構成単位Bは、エチレンおよび炭素原子数が3〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上のオレフィン由来の樹脂からなり5モル%以上含むことが好ましい。構成単位Bを含有する上限は、50モル%以下が好ましく、より好ましくは30モル%以下であり、15モル%以下がより好ましい。
構成単位Bに用いられる炭素原子数3〜4のα−オレフィンの例としては、1−ブテン、プロピレンが好適なものとして用いられるが、プロピレンを用いる方が物性などの観点から望ましい。炭素原子数3〜4のα−オレフィンやエチレンなどは、単独で用いてもよいし複数を組み合わせて用いることもできる。
前記ポリメチルペンテン樹脂には、構成単位Aおよび構成単位B以外にも、その他重合性化合物をの構成単位を有してもよい。例えば、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどの環状構造を有するビニル化合物;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどの共役ジエン類;1,4−ヘキサジエン、オクタジエン、シジクロペンタジエン、ノルボルネン、ノルボルナ
ジエンなどの非共役ポリエン類などが挙げられる。
前記のその他重合性化合物は、構成単位Aと構成単位Bの合計100モル%に対し10モル%以下の比率で含有することができる。より好ましくは、5モル%以下である。
本発明に用いられるポリメチルペンテン樹脂は、変性されていてもよく、酸無水物基、水酸基、カルボキシル基などの活性水素含有基、エポキシ基などの1種類以上の官能基を有することも好ましい形態の一つである。これら官能基を有することで、架橋剤との併用により、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂への密着性が向上させることができる。これら官能基の導入方法は既知の方法で行うことができる。導入する官能基量は、ポリメチルペンテン樹脂に対し10当量以下であることが好ましい。
本発明で用いるポリメチルペンテン樹脂の重合方法は、既知の方法を用いることができ、例えばメタロセン触媒などのオレフィン重合用の触媒下で重合することで得ることができる。
本発明で好ましく用いられるフッ素系樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、などやこれら樹脂を用いた共重合体や、PFA(四フッ化エチレン(C2F4)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共同合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン(-C2F4-)とエチレン(-C2H4-)の共重合体)などである。また、アクリレート変性したフッ素系の樹脂を多官能アクリレートなどへ添加し使用することもできる。
離型層には、さらに既知の添加剤が含まれていてもよい。既知の添加剤としては、例えば、充填剤、滑剤(ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなど)、帯電防止剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤など)、難燃剤、粘度調整剤、増粘剤、消泡剤、フィラー、紫外線吸収剤などが含まれていてもよい。
本発明における離型層には、上記樹脂以外に架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、イソシアネート系、カルボジイミド系、エポキシ系、メラミン系、金属キレート系などを使用することができる。離型層に用いる樹脂に反応性の官能基を有する場合は、架橋剤を併用することでポリエステルフィルムとの密着性を向上させることができるため好適である。
本発明における離型層の膜厚は、0.03μm以上、5μm以下であることが望ましい。より望ましくは、0.05μm以上、3μm以下である。0.03μmよりも薄いと離型性が不十分になる可能性があり、5μmよりも厚いとフィルムのカールやコストに影響を与えることがあるため、望ましくない。
本発明の離型層の表面自由エネルギーγsは特に限定されないが、表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計が8mJ/m以下であることが好ましく、5mJ/m以下の方がさらに好ましく、2mJ/m以下がさらに好ましい。表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計が8mJ/m以下であると、150℃以上での熱圧着工程を経た後でも離型性が損なわれることがなく好ましい。表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計の下限としては、0mJ/mのものも製造可能である。
本発明の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムは、160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が0.8%以下であることが好ましい。より好ましくは0.6%以下であり、更に好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.4%以下であり、最も好ましくは0.3%以下である。本発明でいう熱収縮率とは、後述の測定法によって、試料フィルムの縦方向と横方向のデータをそれぞれ採取して、そのうち大きいデータを採用するものである。熱収縮率が0.8%以下であると、150℃以上の高温での熱成型であっても、高分子電解質膜や触媒層に割れなどがなく成型できるので好ましい。但し、熱収縮率の下限値は、若干のマイナスデータとなる場合もあり、例えば−1.0%以上であれば好ましい。最も好ましくは±0%であると言える。
本発明における離型層は、高温で熱処理されても離型性を有するため、150℃で10分熱処理を行った場合でも離型性が良好であることが好ましい。またさらに170℃10分熱処理を行った場合でも離型性を保つことができるとさらに好ましい。そのため、離型層には前記樹脂の中でも耐熱性に優れる材料を使うことが好ましい。
本発明において離型層を設ける手段としては特に限定されないが、ポリエステルフィルムに溶液塗工することで設けることが好ましい。溶液塗工で設けることで、平滑な離型層を設けることができ、かつオフラインでのアニール処理を同時にすることができコスト的にもメリットがある。
本発明において離型剤を塗工する場合の溶剤は特に限定されないず既知の溶剤を使用することができる。溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。
離型層を設ける塗工方式は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、グラビアコート法、ダイコート法、リバースコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、バーコート法などが挙げられる。
離型剤を塗工した後の乾燥温度は、90℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。特にオフラインでアニール処理を実施する場合は、130℃以上が必要であり、より好ましくは150℃以上である。乾燥温度の上限は、200℃以下が好ましく、さらに好ましくは190℃以下である。前記温度をかける時間は、3秒以上、120秒以下であることが好ましく、5秒以上90秒以下であることがさらに好ましい。さらに好ましくは、5秒以上60秒以下である。前記時間内とすることで、目的のアニール処理を達成し、かつ熱シワなどが良好なフィルムが得られる。
オフラインでアニールする場合、離型層を乾燥するときの乾燥炉内のフィルムにかかる張力は、1500mN/mm以下にすることが必要である。さらに好ましくは1000mN/mm2以下である。1500mN/mm以下に張力とすることで、フィルムに実
質的に張力がかからず、目的の温度でアニール処理することができ、MD方向の160℃熱収縮率を0.8%以下にすることができる。なおフィルムにかかる張力は、以下の計算式から求めた。
フィルムにかかる張力(mN/mm)=乾燥炉内の張力(mN)÷フィルムの幅(mm)÷フィルムの厚み(mm)
前記、乾燥温度と乾燥炉内張力を最適に組み合わせることで目的の熱収縮率を得ることができる。より理想的の例としては、乾燥温度150℃以上、乾燥・アニール時間10秒以上、乾燥炉内張力800mN/mm以下である。これらの条件を組み合わせることで、160℃30分熱処理後の熱収縮率は0.6%以下となり、固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムとして好適に使用することができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明に用いた評価方法は以下の通りである。
(表面粗さ)
非接触表面形状計測システム(VertScan R550H−M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は5回測定の最大値を採用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:50倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 187×139μm
なお、表1の(Sa)及び(P)は基材ポリエステルフィルムの離型層を積層する面のデータを示している。
(熱収縮率の測定)
離型フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、熱風オーブンにて160℃30分熱処理を行った。熱処理後、試料フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記(1)式に従い熱収縮率を求めた。測定はn=5回行い、試料フィルムの縦方向及び横方向の熱収縮率データの各々の平均値のうち、大きい方の熱収縮率データを採用し、その離型フィルムの熱収縮率データとする。なお、熱処理前後の寸法を測定するときは、サンプルフィルムを25℃の部屋で12時間以上エージング後に測定を行った。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/ 収縮前の長さ}×100 (%) (1)式
(表面自由エネルギー)
表面張力が既知の水、ジヨードメタン、ブロモナフタレンの接触角を25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学株式会社製: 全自動接触角計 DM−701)を
用いて測定した。各液滴の接触角は、液滴下後、10秒後の接触角を採用した。
得られた接触角データを「北崎−畑」理論より計算し離型フィルムの表面自由エネルギーの分散成分γsd、極性成分γsp、水素結合成分γshを求め、各成分を合計したものを表面自由エネルギーγsとした。本計算には、本接触角計ソフトウェア(FAMAS)内の計算ソフトを用いて行った。
(離型性)
離型性については、触媒層および電解質膜によく使用されるNafion(登録商標)(デュポン社製)を用いて下記のように評価を行った。20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)をワイヤーバーで離型フィルムに乾燥後
の厚みが20μmになるように塗工し熱風乾燥機で90℃で2分乾燥させた。乾燥後、150℃で10分間熱処理を行い、メンディングテープを用いて剥離した。剥離できたものを○、剥離できなかったものを×とした。また剥離はできたが、離型フィルムの一部にNafion層が残ったものを△とした。
(触媒層の割れ性評価)
触媒層の割れなどの外観評価は以下のように行った。まず、20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)の固形分と、カーボンブラ
ックを重量比で2/8になるように混合し、遠心攪拌機にて分散を行い擬似触媒層用スラリーを得た。得られた擬似触媒層スラリーをアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるように離型フィルムの上に塗工し、熱風オーブンで90℃1分乾燥を行った。作成した擬似触媒層付き離型フィルムを10cm×10cmの大きさに裁断し熱風オーブンで150℃で10分間熱処理し擬似触媒層の状態を以下の基準で評価した。

○:擬似触媒層にひび割れがなく良好
△:擬似触媒層の一部(全面積の10%未満)にひび割れなどの外観不良が見られた
×:擬似触媒層の大部分(全面積の10%以上)にひび割れなどの外観不良が見られた

さらに高温での加工性についても評価するため、上記と同様の擬似触媒層付き離型フィルムを170℃10分間熱処理し擬似触媒層の状態を評価した。評価基準は前記基準と同じとした。
各離型剤は以下のように調整した。
(離型剤A−1)
環状ポリオレフィンであるTOPAS(登録商標)6013S(ポリプラスチックス社製)をトルエンに固形分が2質量%になるように投入し、冷却管付きのフラスコでトルエンが還流するまで加熱し、トルエン溶液を得た。
(離型剤A−2)
環状ポリオレフィンであるTOPAS(登録商標)6017S(ポリプラスチックス社製)をトルエンに固形分が2質量%になるように投入し、冷却管付きのフラスコでトルエンが還流するまで加熱し、トルエン溶液を得た。
(離型剤A−3)
環状ポリオレフィンのARTON(登録商標)G7810(JSR社製)をトルエンに固形分が2質量%になるように投入し、室温で12時間攪拌しトルエン溶液を得た。
(離型剤B)
窒素下にした1.5L攪拌機付きオートクレーブに、4−メチル−1−ペンテンを750mL、トリイソブチルアルミニウムの1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75mL投入し攪拌した。次に60℃まで加熱しゲージ圧0.12MPaになるようにプロピレンで加圧した。次にあらかじめ調整しておいたメチルアミノキサンをAl換算で1mmol,ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.005mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素下でオートクレーブに圧入し、重合反応を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整を行った。重合開始1時間に、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧に戻した。その後、反応溶液にアセトンを攪拌しながら投入し、得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を130℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは34.7gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は94mol%、プロピレン含量は6mol%であった。ポリマーの融点(Tm)は200℃であった。
得られたポリマーをメチルシクロヘキサンに固形分2wt%になるように溶解した。
(離型剤D)
以下の配合をなるように調整した。
トルエン 43.0質量%
MEK 43.5質量%
A−DPH(新中村化学工業社製 多官能アクリレート) 10.0質量%
DAC−HP(ダイキン工業社製 変性パーフルオロポリエーテル) 2.5質量%
イルガキュア184 (BASF社製 光重合開始剤) 1.0質量%
(実施例1)
幅1000mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名E5100、東洋紡社製)に、離型剤A−1をグラビアコート法にてコロナ面に乾燥後の膜厚で100nmになるように塗工後、170℃で9秒間乾燥させた。このとき乾燥炉内の張力は40N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))になるように調整し、アニール処理も同時に行うことで、固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例2)
離型剤をA−2に変更した以外は、実施例1と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例3)
離型剤をA−3に変更し、基材を厚み50μmの易接着層付きのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名 コスモシャイン(商標登録)A4300 東洋紡社製)に変更し易接着面に塗工した以外は、実施例1と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例4)
離型剤をBに変更した以外は、実施例1と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
参考例5)
幅1000mm、厚み50μmの易接着層付きのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名 コスモシャイン(商標登録)A4300 東洋紡社製)の易接着面に、離型剤Dをグラビアコート法にて乾燥後の膜厚で1μmになるように塗工後、90℃で30秒乾燥し、無電極ランプ(フュージョン株式会社製Hバルブ)にて紫外線照射(500mJ/cm2)を行った。その後、乾燥炉内の張力を40N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))
になるように調整し170℃で9秒間熱処理を実施しアニール処理を行うことで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例
乾燥温度を130℃に変更した以外は、実施例2と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例
乾燥温度を150℃に変更した以外は、実施例2と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例
乾燥条件を175℃75秒に変更し、乾燥炉内の張力を12N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))に変更した以外は、実施例2と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(比較例1)
離型層を設けない以外は、実施例1と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(比較例2)
乾燥条件を120℃30秒に変更し、乾燥炉内の張力を120N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))に変更した以外は、実施例2と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
Figure 0006946644
高温での基材フィルムの収縮率を抑制し、離型性を兼ね備えた離型フィルムを提供することで、固体高分子型燃料電池に用いられる触媒層や電解質膜などの構成部材成型用離型フィルムとして利用することができる。

Claims (7)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に離型層が積層されている離型フィルムであって、160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が0.8%以下であり
    前記離型層表面の表面自由エネルギー(γs)が25mJ/m以上であり、
    ポリエステルフィルムの離型層を積層する面の領域表面平均粗さ(Sa)は、1〜50nmの範囲であり、
    前記ポリエステルフィルムの離型層を積層する面の最大突起高さ(P)は、300nm未満である、
    固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  2. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  3. 離型層が、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  4. 前記オレフィン系樹脂が、環状ポリオレフィンもしくは、ポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  5. 離型層表面の表面自由エネルギーの極性成分と水素結合成分を合計した値が8mJ/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  6. 前記オレフィン系樹脂が、ポリメチルペンテン樹脂であり、前記ポリメチルペンテン樹脂は、少なくとも構成単位Aと構成単位Bを含む共重合物であり、
    前記構成単位Aは、4−メチル−1−ペンテンまたは/および3−メチル−1−ペンテンに由来する成分を含み、
    前記構成単位Bは、エチレンおよび炭素原子数が3〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上のオレフィン由来の樹脂からなる、
    請求項4に記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
  7. 前記オレフィン系樹脂が、環状ポリオレフィンであり、環状ポリオレフィンのガラス転移温度が150℃以上であることを特徴とする請求項4に記載の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム。
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