JP6946146B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
そして、移植作業時において、感知部が急激に大きく上下動しても、感知部の上下動に連動する切換部材の作動範囲を規制部で規制することができる。この規制された切換部材の作動位置に応じて昇降バルブが切り換え作動されるので、アクチュエータによる走行機体の急激な昇降動作を抑制することができる。
したがって、走行機体の急激な昇降動作に起因する昇降制御のハンチング現象を抑制して、植付部による苗の植付深さの安定化を図ることができ、且つ、移植作業時の車速の高速化が可能となる。
したがって、昇降制御のハンチング現象を抑制するための規制部を、規制部材及び付勢部材といった簡素な構造で安価に構成することができる。しかも、圃場の枕地等での機体旋回時の機体昇降操作を迅速に行うことができる。
図1、図2は、畝1の幅方向中央に形成された植付溝2の底面である作付け面3に野菜苗の一例である白ネギ(根深ネギ)のセル成形苗を移植する歩行型移植機を示す。この歩行型移植機の走行機体5には、図1に示すように、エンジン10を搭載する前車体フレーム11と、該前車体フレーム11の後部に連結される後車体フレーム12と、が備えられている。図1〜図3に示すように、後車体フレーム12の下側部には走行伝動ケース13が配設されている。走行伝動ケース13には、左右(本実施形態では機体前進方向に対する左右方向を基準にする)の走行輪14を軸支する両アクスルケース15が左右方向に沿う横軸芯X周りで上下揺動自在に設けられている。後車体フレーム12内には、図1の破線で示すように、左右の両アクスルケース15を横軸芯X周りで上下揺動させて左右の走行輪14を昇降させるアクチュエータとしての油圧昇降シリンダ30が配設されている。
耕起体41の取付け構造は、図3に示すように、走行伝動ケース13の下部と、左右の両アクスルケース15の横向き伝動筒15Aに設けられた第1ブラケット43とに亘って、左右方向に沿うパイプ軸44がボルト連結され、パイプ軸44の左右方向の中央部には、耕起体41の傾斜方向に沿う取付け筒体45が固着されている。この取付け筒体45に、耕起体41が高さ調節自在に嵌合状態で固定されている。
また、図1、図2に示すように、ハンドルフレーム24の後端部から後方に操向ハンドル27が延設され、この操向ハンドル27に設けた上側操作パネル50の右側には、植付クラッチレバー51と、昇降バルブ32のバルブレバー37を人為操作系の第2連動機構90(図4参照)を介して操作する昇降レバー52と、アクセルレバー53と、が配設され、上側操作パネル50の左側には、主クラッチレバー54が配設されている。ハンドルフレーム24の後端部に設けた下側操作パネル55には、走行変速レバー56と植付深さ調節レバー57が配設されている。
図4、図5に示すように、覆土輪42の取付け空間60を有する平面視略矩形状の覆土フレーム61は、平面視略コの字状に構成されたパイプ状の覆土フレーム本体62と、覆土フレーム本体62の前端部間にボルト固定される覆土前方フレーム体63と、を備えている。
覆土フレーム61の後端部は、図1、図2に示すように、左右のハンドルフレーム24の後部側に横架された横架フレーム部28に弾性伸縮機構64を介して支持されている。この弾性伸縮機構64は、図4、図5に示すように、覆土フレーム本体62の後方フレーム部62Aに設けた取付け片64Aに、後方上方に向かって傾斜姿勢で延出されるフレーム支持杆64Bが枢着されている。このフレーム支持杆64Bの上端側は、横架フレーム部28(図2参照)に枢着された筒状支持部材64Cに摺動自在に挿入支持されている。フレーム支持杆64Bの下端側のバネ受け部64Dと筒状支持部材64Cとの間には、覆土フレーム61を介して覆土輪42を接地側に付勢する第1コイルバネ64Eが配置されている。この第1コイルバネ64Eの弾性付勢力により、覆土輪42を略一定の接地圧で畝1の作付け面3に接地させることができる。
また、図4、図5に示すように、覆土輪フレーム67の上部に設けた第1インナー受け70と植付深さ調節レバー57に設けた第2インナー受け71との間には、アウターワイヤ72に挿通されたインナーワイヤ73が張設されている。アウターワイヤ72の一端は、図5に示すように、左右の側方フレーム部62Bに設けた第1アウター受け74に取付けられ、アウターワイヤ72の他端は、左側のハンドルフレーム24の後端部のワイヤ取付け板29(図2参照)に設けられた第2アウター受け75に取付けられている。
そして、植付深さ調節レバー57の揺動操作に連動して覆土輪フレーム67が第2枢支ピン68周りで上下揺動し、植付深さ調節レバー57の揺動操作位置に対応した植付深さに設定される。
図4は、第1連動機構80及び第2連動機構90の全体図であり、図6〜図8は、第1連動機構80及び第2連動機構90の前部側のみの拡大図である。
昇降バルブ32のバルブレバー37は、図6〜図8に示すように、回転スプール36の突出軸端部に取付けられる内側切換板部37Aと、該内側切換板部37Aの下端部から左右方向の外方側に直角に折り曲げ形成される繋ぎ板部37Bと、該繋ぎ板部37Bの外側端から後方に直角に折り曲げ形成される外側切換板部37Cと、を備えている。この内側切換板部37Aと繋ぎ板部37Bと外側切換板部37Cとは、平面視において略「コ」の字状に構成されている。内側切換板部37Aの下端部には、自動制御系の第1連動機構80の最終中継伝達部材であるセンサロッド86の前端部が枢支連結されている。外側切換板部37Cには、人為操作系の第2連動機構90の最終中継伝達部材である長尺な後部操作伝達ロッド92の前端部が枢支連結されている。
また、バルブレバー37が前方側(図9における反時計方向)に回動すると、昇降バルブ32の回転スプール36が下降状態に切り換えられ、この回転スプール36の中立位置から前方側への回動作動領域が、バルブレバー37の作動範囲の下降作動域DAになる。
バルブレバー37が中立位置から上昇作動域UA又は下降作動域DAに回動すると、その回動に伴って回転スプール36のポートの接続面積が徐々に大きくなり、油圧昇降シリンダ30への圧油の供給流量が徐々に増加する。これにより、走行機体5の昇降速度が徐々に増加する。
第1中継伝達部材81の後端部は、覆土フレーム61の右側後端の連結板63Aに一体的にボルト固定されている。第1中継伝達部材81の前端側部位には、左右方向に沿う水平軸芯周りで回転自在な伝達ローラ81Aが枢着されている。この伝達ローラ81Aは、第2中継伝達部材83の上端に直角に折り曲げ形成された伝達受片83Aに対して上方から当接する。第1中継伝達部材81の前端部と第2中継伝達部材83の下端部との間には、第1中継伝達部材81の伝達ローラ81Aと第2中継伝達部材83の伝達受片83Aとを当接状態に維持する第3コイルバネ87が張設されている。
第3中継伝達部材85の両連結板部85dが、第2中継伝達部材83の下端部に第4枢支ピン84で枢支連結されている。前板部85aと両側板部85bと両絞り板部85cとで囲まれた空間内には、前板部85aを摺動自在に貫通するセンサロッド86の後端に設けたバネ受け部材86aが配設されている。このバネ受け部材86aは、第3中継伝達部材85の前板部85aと絞り板部85cとの間において、左右の両側板部85bの内面に沿って移動自在に構成されている。バネ受け部材86aと前板部85aとの対向面間には、第2中継伝達部材83→第1中継伝達部材81→覆土フレーム61を介して覆土輪42を接地側に付勢可能な第4コイルバネ88が配設されている。この第4コイルバネ88は、エンジン10が停止した時に油圧作動が停止し、車高の下降による植付部100の突き刺さりを抑制するための緩衝材としての機能を有する。
本実施形態においては、上述の規制部110は、バルブレバー37の作動範囲の上昇作動域UAを規制するように構成されている。これは、畝1の作付け面3に接地する覆土輪42が跳ね上がり易い動作環境にあることに着目して、バルブレバー37の作動範囲の上昇作動域UAのみを規制部110で規制したものである。これにより、バルブレバー37の作動範囲の上昇作動域及び下降作動領を共に規制する場合に比較して、規制部110の構造の簡素化を図りながら、走行機体5の急激な上昇動作に起因する昇降制御のハンチング現象を抑制することができる。
規制部110は、図9、図10に示すように、バルブレバー37の内側切換板部37Aの後端に形成された傾斜姿勢の被規制面111に対して、バルブレバー37の中立位置から上昇作動域UA側への回動方向(図9、図10においては時計方向)とは逆方向(図9、図10においては反時計方向)から当接する規制部材112と、該規制部材112の規制当接部112aをバルブレバー37の作動範囲の上昇作動域UA内の所定規制位置U1に位置保持するストッパー113と、規制部材112の規制当接部112aを上昇作動域UA内の所定規制位置U1に付勢する付勢部材116と、を備えている。
上昇作動域UA内の所定規制位置U1に位置保持されている規制部材112の規制当接部112aに対して、覆土輪42の跳ね上がりに連動するバルブレバー37の内側切換板部37Aの被規制面111が時計方向から当接すると、図10に示すように、バルブレバー37は上昇作動域UA内の所定規制位置U1に位置保持される。このバルブレバー37の所定規制位置U1は、移植作業時における昇降制御のハンチング現象を抑制することのできる走行機体5の上昇速度に設定されている。
また、図6〜図10に示すように、前車体フレーム11の前端にボルト固定された前輪支持フレーム16の右側の側壁部16Aにはバネ受け片115が固着され、このバネ受け片115と規制部材112の上下中間位置に形成されたバネ掛け孔112bとに亘って、付勢部材116の一例であるコイルバネが張設されている。
したがって、走行機体5の急激な昇降動作に起因する昇降制御のハンチング現象を抑制して、植付部100によるセル成形苗の植付深さの安定化を図ることができ、且つ、移植作業時の車速の高速化が可能となる。
また、昇降レバー52を中立操作位置から下降操作位置に操作すると、その操作力が人為操作系の第2連動機構90を介して昇降バルブ32のバルブレバー37に伝達され、バルブレバー37は、図9、図10に示すように、下降作動域DA内の高速下降側の設定下降作動位置Dにまで反時計方向に強制的に揺動する。
この強制切換部120は、図6〜図10に示すように、前輪支持フレーム16の右側の側壁部16Aに左右方向に沿う第6枢支ピン121周りで揺動自在に枢着される側面視略Sクランク形状の切換アーム122を備えている。この切換アーム122の上側アーム部122Aの先端部には、中立状態Nにあるバルブレバー37の内側切換板部37Aと外側切換板部37Cとの間に下方から入り込み可能な自由回転体123が枢着されている。この自由回転体123の頂点は、バルブレバー37の繋ぎ板部37Bの下端回動軌跡よりも少し上方に突出する設定高さ位置に設定されている。
また、切換アーム122の下側アーム部122Cの先端部と前輪支持フレーム16の右側の側壁部16Aに設けたバネ受けピン124との間には、切換アーム122を介して自由回転体123を上方側に移動付勢する付勢部材としての第6コイルバネ125が張設されている。前輪支持フレーム16の右側の側壁部16Aには、切換アーム122の中間縦アーム部122Bとの当接により自由回転体123の頂点を設定高さ位置に保持するストッパー126が設けられている。
また、バルブレバー37の繋ぎ板部37Bの下端が、自由回転体123の外周面の頂点よりも機体後方側(所定規制位置U1側)の周面部分に接触している場合には、図10に示すように、第6コイルバネ125の弾性復元力による自由回転体123の上方への復帰揺動により、バルブレバー37の繋ぎ板部37Bは所定規制位置U1に強制的に切換られる。
(1)上述の実施形態では、作付け面3の凹凸を接地状態でセンシングする感知部6を、苗に覆土する覆土輪42をもって兼用構成したが、この感知部6を、作付け面3に接地する専用のセンサ輪や橇状の接地体等から構成してもよい。
5 走行機体
6 感知部
30 アクチュエータ(油圧昇降シリンダ)
32 昇降バルブ
37 切換部材(バルブレバー)
80 連動機構(自動制御系の第1連動機構)
100 植付部
110 規制部
112 規制部材
116 付勢部材
Claims (2)
- 植付部を備えた走行機体と、
作付け面に接地させる感知部と、
前記走行機体を昇降するアクチュエータと、
前記アクチュエータを作動制御する昇降バルブと、
前記昇降バルブを上昇・中立・下降の3状態に切り換える切換部材と、
前記感知部と前記切換部材とを連動する連動機構と、が備えられ、
前記感知部の上下動に連動する前記切換部材の作動位置に応じて前記昇降バルブが切り換え作動される移植機であって、
前記昇降バルブの前記切換部材の作動範囲を規制する規制部が備えられており、
前記規制部は、前記切換部材と当接する規制部材と、付勢部材と、を有し、
前記切換部材の作動範囲は、前記規制部材の可動範囲内での位置に応じて規制され、
前記付勢部材は、前記規制部材を前記可動範囲内の所定規制位置に付勢する、
移植機。 - 前記規制部は、前記切換部材の作動範囲の上昇作動域を規制する請求項1記載の移植機。
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